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和奏「最近来夏を見るとドキドキする」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 02:28:32.15 ID:Qy3k2d4O0
来夏「えっへへー、付き合ってくれるどころか伴奏までありがとーっ」

むぎゅっ

和奏「うっ、うん、どういたしまして」

来夏「んー? 和奏、どうしたの?」

和奏「え?」

来夏「アレグロ、ドキドキしてるよ?」

和奏「そ、そんなことないんじゃない?」

来夏「顔も赤いし……まさか熱ない!?」
和奏「なっ、ないから大丈夫!」

来夏「和奏じっとして!」

ピトッ

和奏「~~ッ!?」


来夏「紗羽が居なくても、寂しくなんてないよ」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/25(木) 22:21:55.84 ID:S3L5b3ea0
「納得できるまで」

それは三学期が始まった頃だった。
合唱部の友人である、田中大智が推薦で合格したとの知らせを聞いて集まった時のことである。

寒い海岸際での言葉。突如として決まった……いや、もっと前には決められていた、沖田紗羽の留学。
卒業式を待たずして、夢の挑戦をするために海外へと発つ決意。
何もかも知らない環境、慣れない土地で単身挑む勇気。
誰もが、その心を尊重して送り出していった。

当日の空港。
涙を瞳に潤ませつつ、みながそれぞれ別れの言葉をかわす。
惜しまれつつも、紗羽はエールを背に日本を旅立っていった。

溺愛していた娘の独り立ちに涙する父 正一。厳しい言葉をかけながらも全力で背中を押した母の志保。

応援すると決めた合唱部のメンバー、不器用なりにも最後の最後で言葉を伝えた大智。

誰もが、寂しさの中に激励を込めて送り出した。
もちろん、そうしている間にも時間は進んで行く。寂しいから、という理由だけで今を止めることは出来ない。

特に紗羽と仲の良かった合唱部も、残り一か月を切った学校生活に各々戻り始めていた。


一人を除いて。


ウィーン「空回りしたり、素直になったり」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/06(火) 20:34:07.45 ID:OcOpGKHj0
――――とある日の放課後


ウィーン「大智、ちょっといい?」

田中「ん? どした?」

ウィーン「少し、相談に乗って欲しいことがあるんだ」

田中「勉強か?」

ウィーン「勉強……うん。きっとそうだと思う」

田中「きっと?」

ウィーン「大智。この前大智が、空港で紗羽に言ったことなんだけど」

田中「!」

ウィーン「あれは、どういうことだったのかな?」

田中「え?」


田中「……なんで居んの?」紗羽「ん?」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/17(水) 19:19:10.43 ID:L8OAQsmr0
田中「ただいま」

田中「……あれ、姉貴いねーの? おーい」

田中(鍵開いてたんだけどな……)

トットッ……

紗羽「お。お邪魔してるよ」

田中「は?」

田中「……」

紗羽「……?」

田中「……なんで居んの?」

紗羽「ん?」

晴香「あぁ、たいくん。おかえり」

田中「あ、姉貴! 何で沖田がうちに居るんだよ!?」

晴香「ん。だって、うちの前で、倒れてたから」

田中「倒れてた!?」

紗羽「大げさですよ。ペダルふみそこなって、思いっきし足にぶつけちゃっただけ。
    そこを、たまたま通りがかった晴香さんが見つけて、手当してくれたんだ」


紗羽「ちょっと田中ー!」 田中「はい」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:59:09.28 ID:L27r6ehn0
田中「なんだよ?」

紗羽「は? 今なんて?」

田中「く……な、なんでしょうか」

紗羽「よろしい。口のきき方には気を付けること」

田中「はい……わかりました」

紗羽「よし。じゃあ、この鞄持って行ってくれる?」

田中「えっ、でもお前チャリじゃ……」

紗羽「お前?」

田中「さ、紗羽さまは自転車通学では?」 ピクピク

紗羽「今日、雨降ってるから電車なの。何のため思ってるの?」

田中「はい」

紗羽「わかったら、ちゃっちゃと傘をさす!」

田中「了解です……」


和奏「数年後にもう一度。泣いたり、歌ったり」

5 :今回はちょっと長めです。 2012/10/10(水) 18:34:30.07 ID:6bSPf8qy0
「ん……」

猫の鳴き声のする目覚まし時計で、ベッドで眠る部屋の主、坂井和奏は目を覚ました。
高校を卒業し、浪人を経て芸術大学、つまるところの音大へ進学した彼女は、親元を離れ一人暮らしをしている。
亡き母の親友でもあり、廃校となった母校の音楽教師でもある高倉先生の助力を得ての結果であった。

もそもそとシーツを押しのけ、寝ころんだままでは届かない位置のモーニングコールを停止させた。
一定時間が経過すると、猫の鳴き声がけたたましくなり、強制的に覚醒を促す仕様になっている。
だがそれは、隣の部屋の住人に騒音がうるさいと怒られたことがあるので、鳴る前に止めることが日課となっていた。

高校時代より落ちてしまった視力を矯正するため、次にメガネをかける。レンズのみの交換で、赤色のフレームは昔のままだった。
そして洗面台に向かい、髪をとかす作業へ移る。そのままブラシを利用し、崩れないように手馴れた手つきでポニーテールを作り上げた。
母がずっとしていた髪型なのだ。逝去してからずっと、鏡を見て忘れないように、とこの髪型にしてきた。
帰省した際に会った父には、どんどん母親に似てきたな、とまで言われている。

「……」

実家に居た頃は、店を経営する父と他愛ない会話や、愛猫のドラと一方通行の会話をして朝食を取っていた。
今は、ただ無言で食卓についているだけ。うっかり押し切られてしまった新聞を読みつつの食事だった。
一面記事だけをさっと目を通し、すぐに古紙回収用の籠へ放る。PACS法の特集など、今の和奏にとっては何の意味もない内容だ。


田中「沖田、本当に行っちまうんだな」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:01:54.63 ID:2eOkybKq0
代行


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:05:02.61 ID:zXrg6v800
代行ありがとうございます


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:05:56.40 ID:zXrg6v800
奥都「紗羽、来月で学校辞めるってホント!?」

紗羽「うん。一応、卒業扱いだけどね」

有田「えー!? じゃ、卒業式も出れないの!?」

紗羽「ごめんね。もう、決めちゃったから」

奥都「うそー……マジなんだ……」

有田「紗羽の隠れファンクラブ会員たちが泣くよ?」

紗羽「そんなの居ないって! もー。」



田中「……」


紗羽「田中、パン買ってきて」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/20(木) 00:18:29.39 ID:jlae4Fee0
大智「……何がいいんだ?」

紗羽「焼きそばパン。あとコーヒー牛乳」

大智「分かった」

紗羽「5分以内ね」

大智「いや、5分は無理」

紗羽「……あれ? そんなこと言っていいんだっけ?」

大智「ぐっ……」


ウィーン「大智は罰ゲームとして女子3人にセクハラすること!」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/16(日) 15:20:22.63 ID:QgFPE2hR0
大智「えっ」

ウィーン「将棋で負けた方が、今日一日何でも言うこと聞く、って約束だったよね?」

大智「いや、それはそうなんだけどな……」

ウィーン「あれ、もしかして嫌なの? 日本人はみんな潔い武士の心を持ってるってこの本に……」

大智「ぐっ……わ、分かったって! 元々、勝負を持ちかけたのは俺の方だし……」

ウィーン「そうこなくっちゃ! さすが大智だよ!」

大智(くそっ、計算違いだった……まさかあのウィーンが将棋を嗜んでたなんて……)


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