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千早「プラネタリウム」
- 2 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:22:18.54 ID:bsgQHsOC0
- 事務所
ガチャ
P「ただいま戻りました…っと!?」
千早「あ、プロデューサー。おかえりなさい」
P「ち、千早…どうしたんだその格好は」
千早「え? あぁ、これですか…似合いますか?この浴衣」フリフリ
P「あ、あぁ…よく似合ってるぞ。でも、どうして浴衣なんか…」
千早「春香に夏祭りに行こうって誘われて…わざわざ持ってきてくれたんです。着付けまで教えてくれて…春香はまだ着替えてますけど」
P「夏祭り…そういえば神社でやっていたな。かなり賑わっていたぞ。というか、アイドルのお前らが行くと大騒ぎになるんじゃないか?」
千早「変装はしていきますけど…髪型を変えるだけじゃだめですか?」
P「そうだな…ちょっと待ってくれ。えーと、確かここに…」ガチャガチャ
P「あった。これを掛けていけ」
千早「眼鏡…ですか?」
P「伊達眼鏡だから掛けても大丈夫だ。それならバレないと思うぞ」
千早「ありがとうございます」スチャ
<ワタシモメガネホシイデース
P「春香は…リボンを外していけば大丈夫だと思うぞ」
<ヒドイ!ムコセイダッテイイタインデスカ!
ワハハ…
- 3 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:23:29.85 ID:bsgQHsOC0
- 神社への道
ガヤガヤ ワイワイ…ドォーン ピーヒャラピーヒャラ
春香「もう聞こえる…本当に盛り上がってるんだね!」
春香「千早ちゃん、祭りですよ!祭り!」
千早「えぇ、本当ね」
キャッキャッ…ママーモウチョットダケー ダメヨモウカエラナイト
千早「子供たちはもう帰る時間なのね」
春香「そうだね、もう暗くなりかけてるからね、ちかたないね」
千早「それは亜美のマネかしら?それとも真美?あまり似てないわよ」
春香「のワの」
_夕月夜顔だす 消えてく子供の声
- 4 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:24:33.67 ID:bsgQHsOC0
- キャッキャッ…オネーチャンソレチョーダイ ダメ、アゲナイヨ
千早「…!」
春香「どうしたの?千早ちゃん」
千早「…いえ、なんでもないわ。いきましょ、春香」
千早(……優)
千早(あなたも、この夏祭りを見ているのかしら)
_遠く遠く この空のどこかに
_君はいるんだろう
- 5 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:25:56.70 ID:bsgQHsOC0
- ……………………
優『着いたよ、お姉ちゃん』
千早『ハアッ…ハアッ…どうしたのよ、急に公園まで引っ張ってきて…お母さん心配してるよ』
_夏の終わりに2人で抜け出した
優『上、見てごらん』
_この公園で見つけた
千早『…星が、こんなに』
優『すごいでしょ?ほら、あれが夏の大三角形だよ』
……………………
_あの星座 なんだか覚えてる?
千早(デネブ、ベガ、アルタイル…だったかしら)
- 6 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:26:51.02 ID:bsgQHsOC0
- _会えなくても記憶をたどって
_同じ幸せを見たいんだ
千早(懐かしいわね…あの頃はただ歌が好きで。優がいて。お母さんとお父さんがいて)
千早(もう…どのくらい前のことかしら)
_あの香りとともに花火が
_ぱっと開く
- 7 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:28:15.28 ID:bsgQHsOC0
- _行きたいよ 君のところへ
千早(…優に会いたい)
千早(もう一度、優に会いたい)
_今すぐかけだして行きたいよ
_真っ暗で何も 見えない
千早(どうすれば会えるのかしら…)
春香「…千早ちゃん?千早ちゃん!」
千早「!…えぇ、ごめんなさい。それで?」
春香「なに言ってるの?ほら、空が…」
千早「空?……!」
- 8 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:29:14.91 ID:bsgQHsOC0
- 千早(きれい…東京でこんなに星が見えるなんて)
_怖くても大丈夫 数えきれない星空が
_今もずっと ここにあるんだよ
千早(この星空を辿って行けば、もしかしたら…)
千早(…いや、だめよ)
千早(優は…もういないのだから)
千早(もう…いないのよ)
_泣かないよ 昔 君と見た
_きれいな空だったから
- 9 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:31:07.57 ID:bsgQHsOC0
- ガヤガヤワイワイ…コツ…コツ…ガヤガヤワイワイ
春香「ここを登れば到着だよ」
千早「えぇ…祭り、盛り上がっているわね」
_あの道まで響く 靴の音が耳に残る
千早「…春香、少しいいかしら」
春香「いいけど…どうしたの?」
千早「いえ…後ろが」
春香「後ろ?…わあっ、きれいな街明かり!すごいね千早ちゃん!」
『すごいね、お姉ちゃん!』
千早「っ!…えぇ、本当ね」
_大きな 自分の影を
_見つめて 想うのでしょう
- 10 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:32:25.38 ID:bsgQHsOC0
- 千早(優を否定したいわけじゃない)
千早(遠ざけたいわけでもない)
_ちっとも 変わらないはずなのに
_せつない気持ちふくらんでく
_どんなに想ったって君は
千早(優は私にとって大切な存在。それは変わらない)
_もういない
- 11 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:33:18.19 ID:bsgQHsOC0
- 千早(…それでも、会いたい)
_行きたいよ 君のそばに
_小さくても 小さくても
千早(無理だとは分かっている。それでも、できるなら…)
千早(優は、私の歌の源だから。すべてだから)
_1番に君が好きだよ 強くいられる
- 12 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:34:25.42 ID:bsgQHsOC0
- 春香「あっ!千早ちゃん、あれ!」
千早「!…えっ?」
キラッ
春香「ほら、流れ星だよ!」
キラッ
千早「…!」
千早(…もう一度優に会わせてください。できるならば」
_願いを流れ星に
_そっと 唱えてみたけれど
- 13 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:36:00.21 ID:bsgQHsOC0
- 春香「千早ちゃん、お願い事はした?叶うかなぁ…私の願い…」
千早「お願い事…」
もう一度優に会わせてください
千早(っ…!だめじゃない)
千早(そんなこと…叶うわけないのに)
千早(だって、優は…)
『あっ、お姉ちゃん、流れ星だよ!』
春香「…ゃん、千早ちゃん!!」
千早「!! ごめんなさい春香、私また…」
春香「もう…叶うといいね、お願い事」
_泣かないよ 届くだろう きれいな空に
- 14 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:37:22.32 ID:bsgQHsOC0
- 神社
ワイワイガヤガヤ ピーヒャラピーヒャラ ワイワイガヤガヤ
タコヤキチョウダイ アイヨーマイドアリ ゴヒャクエンダヨ
春香「千早ちゃん、祭りですよ!祭り!」
千早「さっきも聞いたわよそれ」
春香「さ、楽しもうよ!」
春香「カステラ焼きください!」
アイヨーヨンヒャクエンダ アリガトウ
『お姉ちゃん、カステラ焼き買って!』
千早「っ!」
春香「千早ちゃん、チョコバナナ食べる?」ソッチノジョウチャンモイルカイ?
『お姉ちゃん、口にチョコついてるよ』
千早「っ!!」
春香「射的ですよ!射的!」
ウワーハルカサンニンギョウヲトラレターウマイネー
『ほら、僕こんなに取れたよ!』
千早「~~~っ!!」
- 15 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:38:54.98 ID:bsgQHsOC0
- ………
……
…
_会えなくても記憶をたどって
_同じ幸せを見たいんだ
春香「…千早ちゃん?」
千早「何かしら、春香」
春香「どうしたの…千早ちゃん、全然楽しそうじゃないよ」
千早「そんなこt」
春香「今日の千早ちゃんおかしいよ…ボーッとしてるし、なんか辛そうだし」
千早「…」
春香「お腹でも痛いの?今日はもう帰る?」
- 16 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:40:20.17 ID:bsgQHsOC0
- ……………………
ズルッ バタン!
優『…っ!』
千早『優!大丈夫?』
優『痛い…痛いよ、お姉ちゃん』グス
千早『優…じゃあ、お姉ちゃんが…』
……………………
千早「…ごめんなさい春香。」
春香「千早ちゃん…?」
千早「少し…ひとりにさせて」クルッ
春香「千早ちゃん!?」
タッタッタッタ…
春香「千早ちゃん!…千早ちゃん」
- 17 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:42:07.47 ID:bsgQHsOC0
- 小さな公園
タッタッタッタッ…
千早「はぁ…はぁ…」
千早(…ごめんなさい、春香)
千早(…どうして、こう思ってしまうのだろう)
千早(あの時…声が出なくなって、みんなのおかげで、取り戻すことができて)
千早(やっと…優と向き合えたはずなのに)
千早(どうして…会いたいなんて、考えてしまうの?)
千早(もう、そんな幻想に逃げる必要も、泣く必要もないのに)
_あの香りとともに花火が
_ぱっと開く
ヒュ~~~~ ドォォォォン…
千早「!」
- 18 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:43:06.94 ID:bsgQHsOC0
- 千早(それでも…会いたい)
千早(ごめんなさい優…私は、あなたに、もう一度会いたいの)
_行きたいよ 君のところへ
_小さな手をにぎりしめて
千早(叶うはずもない願いを…私はまた願ってしまったの)
千早(まだ…私はあなたの死と、完全に向き合うことはできない)
_泣きたいよ それはそれは
_きれいな空だった
- 19 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:44:45.55 ID:bsgQHsOC0
- もう一度優に会わせてください。
_願いを流れ星に
_そっと 唱えてみたけれど
千早(ごめんなさい…こんな願いをする私を)
_泣きたいよ 届かない想いを
- 20 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:45:32.02 ID:bsgQHsOC0
-
千早(許して、ちょうだい)
_この空に…。
- 21 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:47:02.08 ID:bsgQHsOC0
- タッタッタッタッ…
春香「千早ちゃん!!」
千早「!…春香、どうして」
春香「…捜したよ…やっと見つけた…急に…どうしたの…それに…」ゼェ…ゼェ…
春香「そんな…悲しそうな目をして…」
千早「!」
春香「教えたくないなら…それでいいよ…でも…その悲しそうな目を…やめて…」
千早「…ごめんなさい、急にいなくなったりして」
- 22 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:47:58.22 ID:bsgQHsOC0
- 千早「ちょっと…優のことを思い出してしまったの」
千早「あの時…もう逃げないって決めたのに。」
千早「みんなが助けてくれたのに…私はまだ、優の死を受け入れていないのよ」ポロ…
千早「もう…優はいないのにね。情けないわよね…」ポロ…ポロ…
ギュッ
- 23 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:49:28.36 ID:bsgQHsOC0
- 千早「…春香?」
春香「…千早ちゃんは、ちゃんと優君の死と、向き合っているよ」
春香「あの時千早ちゃんは家に閉じこもっちゃったけど…私、いや私たちのところに帰ってきてくれた」
春香「そして、声を取り戻した。それは、優君と向き合うことができたからだよ」
春香「立派だよ…大切な人の死を受け入れて、今も歌っているんだから…」
千早「だったら…!」
- 24 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:50:45.14 ID:bsgQHsOC0
-
春香「でもね」
春香「優君は、千早ちゃんにとってかけがえのない人でしょ?そんな人の死を、全部一気に受け入れるなんて、」
春香「誰にもできないよ…私だってできっこない」
春香「だから、そんなに深く悩まないでいいと思うよ。」
春香「すぐじゃなくていい…ゆっくり、ゆっくりでいいから。向き合っていけばいいと思うよ」
春香「あはは…私が言っても、説得味がn」ギュッ
- 25 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:51:47.09 ID:bsgQHsOC0
- 春香「…千早ちゃん?」
千早「…今すぐじゃなくても、いいのね?」
春香「うん」
千早「ゆっくりで、いいのね?」ポタ…
春香「…うん!」
- 26 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:52:37.37 ID:bsgQHsOC0
-
千早「じゃあ…今は、泣いていいのね?」ポタ…ポタ…
春香「千早ちゃん…うん。」
春香「泣きたい時は、思いきり泣いていいよ」
- 27 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:54:08.53 ID:bsgQHsOC0
-
千早「ありがとう…」ポタポタ…
千早「うわぁぁぁぁん…」ボロボロ
春香「よしよし…辛かったね…」ポタ…ポタ…
ドォォォォン…ドォォォォン…
- 28 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:55:23.09 ID:bsgQHsOC0
-
結局、夏祭りはまったく楽しめずに終わってしまいました。
更に浴衣だけじゃなく、カステラ焼きまで涙で台無しにしてしまって…春香は笑って許してくれましたが。
その代わり、今度は別の夏祭りに行って、今度こそ楽しむことを約束しました。
- 29 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:56:45.58 ID:bsgQHsOC0
-
優。
私の一番大切な人へ。
あなたの死を受け入れるのは、まだまだ先になってしまいそうです。
でも、大丈夫。
今度は、絶対に逃げないと決めたから。
ゆっくり、受け入れていこうと思います。
次の墓参りには、何かお祭りのお土産を持っていくから、
楽しみにしててね。
- 30 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 01:58:14.62 ID:bsgQHsOC0
-
最後に。
私を、これからも天国から見守ってください。
そして、聴いてください。
あなたへ、いや、
みんなへ届ける私の歌声を。
~おしまい~
- 31 : ◆lxd9gSfG6A 2014/07/21(月) 02:02:30.30 ID:bsgQHsOC0
- ありがとうございました。
お気づきの方もいると思いますが、
大塚愛さんの「プラネタリウム」が題材となっております。もう10年近くも前の曲なのですね…
最初に書いてなくてすいませんでしたが、物語はアニマス25話のしばらく後となっております。
HTML申請についてはお昼くらいにやろうかと思います。
本当にありがとうございました。 - 32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/21(月) 02:16:51.64 ID:oQ/NW6K/o
- 乙
良かったよ

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