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妹「妹と言う概念が無くなってしまった・・・だと・・・?」

7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:51:35.25 ID:5rmZvZl8O
妹「そうか……私に妹としての概念がない、と言うことは、つまり、そういうことだな兄よ」

兄「いや、どういうことだよ」

妹「詰まるところ、兄は私を妹として見れないわけだ」

兄「いや、俺は何も言ってないが」

妹「しかし、兄も大胆だな。お前をもう妹として見れない――なんて、そんなに私を恋人にしたいのか」

兄「話聞けよ」




10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 20:57:44.92 ID:5rmZvZl8O
妹「仕方ない。不本意だが、兄の恋人になってやってもいい」

兄「ナニイッテンダコイツ……おい待て、どこへ行く」

妹「つきましては、ご両親へ挨拶に」

兄「おい」

妹「はい」

兄「冗談はよせ」

妹「冗談だと思っているのだろうか」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:02:10.69 ID:5rmZvZl8O
兄「いや、冗談だろ」

妹「なんだと。私は兄のことをこんなにも好いているのに」

兄「嘘つけ。俺が近くに寄ると嫌そうな顔をして逃げるくせに」

妹「兄よ、私は嘘をついていない」

兄「ほう」

妹「ほら、私の目を見てみろ」

兄「……お前、何か企んでるだろ」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:07:24.12 ID:5rmZvZl8O
兄「吐け。何を企んでいる」

妹「兄よ、貴方は何を申しておるのか」

兄「反抗期真っ盛りのてめえが、俺のことが好きだのなんだの、そんなおかしいこと言うはずねえだろ」

妹「ひどい」

兄「さあ、いったい何を悪巧みしてやがる」

妹「私を貴方のお嫁さんにしてください」
兄「こいつ……」


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:14:13.18 ID:5rmZvZl8O
妹「兄はなぜ私を信じてくれないのだろうか」

兄「お前の俺に対する普段の態度が悪いからだ。顔見た瞬間に舌打ちしたりとか。部屋で音楽聞いてたら壁殴って威嚇したりだとか」

妹「悪かった。反省してます」

兄「軽いわ」

妹「反抗期でごめんねてへぺろ」

兄「お前もう部屋から出てけよ」

妹「ひどい」

兄「お前の方がひどいわ」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:18:30.70 ID:5rmZvZl8O
妹「しかし兄よ、良く考えて欲しい」

兄「なんだよ」

妹「可愛い可愛い妹が、こうして頭を下げているのだ。少しは……許してくれても良いのではないだろうか」

兄「うーん」

妹「よし、じゃあ脱ごう」

兄「脱ぐな」

妹「なんだと」

兄「……スカートを捲るな。下着が見える」

妹「見せております」

兄「お前もう部屋から出てけ」


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:24:15.70 ID:5rmZvZl8O
妹「待って欲しい、兄よ」

兄「だから、今度はなんだよ。俺は疲れてんだよ。用があるなら手早くすませてくれ」

妹「兄の一番好きな料理を教えてくれ」

兄「……はあ?」

妹「今すぐ食べたい、とか、一度食べてみたい、とか、そんなものがあれば」

兄「……お前、熱でもあるんじゃないのか? なんかいつもと態度が違う」

妹「お答えくださいお兄様。さあ、さあさあさあ!」

兄「ちょ、なんだよお前……オムライスだよ。オムライス」

妹「それはなんと可愛い」

兄「黙れ」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:30:17.78 ID:5rmZvZl8O
妹「……よし」

兄「何だそのメモ帳。って何慌てて隠してんの」

妹「なんでもない。気にしないで欲しい。兄の花嫁になるために必要なものなのだ」

兄「いや、まだ言ってんのかそれ」

妹「愛してるぜ」

兄「あー、はいはい。なんか普段と違うから妹っぽいなお前」

妹「兄よ、第二の質問だ」

兄「……今度はなんだよ」

妹「兄の一日のオナニー回数は何回だ」

兄「この淫乱」

妹「貶さないで。濡れる」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:35:52.10 ID:5rmZvZl8O
妹「んっ……冗談はさておき」

兄「……変な声出すなよ」

妹「兄よ、貴方はその豚さん貯金箱に沢山のお金を貯めているな」

兄「何で知ってんだよ」

妹「昨日、豚さんが私に教えてくれたんだ。彼は良い豚だ」

兄「お前、貯金箱の位置がずれてると思ったら……」

妹「ごめんね。許してね」

兄「目を合わせて謝れ」

妹「それはどうでもいいが、兄よ、貴方は貯まったお金で何を買うつもりなんだ」

兄「何度もいいだろ。お前にゃ関係ない」

妹「ひどい」


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:41:10.97 ID:5rmZvZl8O
妹「教えてくれたって、いいじゃない」

兄「やだよ」

妹「貴方のことが、もっと知りたいのよ」

兄「何か企んでそうだし」

妹「……」

兄「ほら、もういいだろ。俺は課題しなきゃなんねえからアッチイケ」

妹「ねー教えてよおにーちゃん! ひどいよ教えてくれたっていいでしょおにーちゃん! ねーねーねーってばっ!」

兄「うわああああ抱きつくなお前! 離れろ! やっぱなんか今日お前おかしい! ……耳噛むな!」

妹「はむはむ」

兄「おいこら離れろ!」

妹「がぶがぶ」

兄「わかったって! 教えるから耳噛むのやめろ!」

妹「がぶ」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:49:47.96 ID:5rmZvZl8O
兄「ギターだよ」

妹「なんと」

兄「ほら、教えたから自分の部屋に帰れ。今日のお前はなんか怖い。かまってられん」

妹「でも、豚さんはもうお腹がいっぱいだと言っている」

兄「はあ?」

妹「もうお金、食べたくないって」

兄「いや、何が言いたいのか全くわからんが」

妹「その豚に貯えられた財力を持ってしても、駄目なのか……! やつは、やつは購入できないのか……!」

兄「俺もうお前についていけない」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 21:56:11.05 ID:5rmZvZl8O
妹「これは由々しき事態だ。やはり、高校生の財力ではやつは購入できないのか」

兄「あー、そうっすね、はい。……だからそのメモなんだよ」

妹「ささっ。お兄様、人には見られたくないものがあるのです」

兄「お前はいつも、俺の部屋を勝手に物色するだろうが。漫画貸せ、とか言って」

妹「……」

兄「ほら、いい加減、部屋に戻れ。シッシッ」

妹「……やっぱ、今さらだよね」

兄「何がだよ」

妹「何でもないぞ、お兄様」

兄「そうかよ。ほら、ドア閉めるぞ」


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:06:15.93 ID:5rmZvZl8O
□ □ □

兄「ってことがあったんだけど」

母「まあ、あの子もいろいろ多感な時期だし」

兄「でも突然コロッと態度変わるんだもんな。あいつにも何度も言ったけど、絶対何か企んでやがる」

母「そう?」

兄「だって俺の貯金箱の中、見てたみたいだし。金貸せ、とか言ってくるんじゃね」

母「でもあの子、結構お金持ってるみたいよ。あんまり友だちと遊びにいかないし」

兄「つうかあの性格からして、友だちいねえだろ、ぜったい。何もしてないのに人のこと蹴ったり殴ったり、最悪だわ。おまけに側通っただけで睨んでくるし」

母「まあ、それも今のうちだって。お兄ちゃんだから我慢しなさいな」

兄「こっちだいぶ我慢してるんだけどな。だいたい母さんもあいつを甘やかすから……」

母「そろそろ、反抗期も終わりかねえ」


 □ □ □


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:17:34.99 ID:5rmZvZl8O
兄「いつもの妹だ」

妹「……チッ」

兄「水飲みに台所に行ったら、バリアーがはられてた」

妹「ちょ、そっちバリアーはってるから! バリアーはってるから入れないし!」

兄「バリアー解除」

妹「駄目だって、バリアーはってるって! 駄目! このクソ兄貴、入ってくんな!」

兄「態度変わりすぎだろコイツ」

妹「……いいから、とっとと帰れよ。私は今忙しいんだからな」

兄「つうか、お前一人の台所じゃねえだろ。そこどけ」

妹「どかないし」

兄「こいつ……はぁ」


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:28:50.90 ID:5rmZvZl8O
兄「ちくしょう、ほんと苛々するわ……昨日は妹が妹っぽくなるという驚きの事態があったが、やっぱり妹は妹だった――って言ってること意味わかんねえ」

母「あはは」

兄「オカンは台所を占拠されてることを気にせず、テレビを見て笑っている」

母「あ。あんた、そこに夕御飯置いてあるから」

兄「コンビニ弁当……」

母「妹ちゃんが台所使ってるし、料理できなくって」

兄「はあ……なんかもう」

母「そうそう、あんた明日どうするの?」

兄「明日?」

母「あー、まあいっか。お母さん、仕事で遅くまで帰ってこないし、適当にお金でも渡しとくから。妹ちゃんと好きなの食べなさい」

兄「なんかよくわからないけど、了解……っておい母さんこれ」

母「あ、犬の特集、8時からやるのね」

兄「諭吉……一食分なのに多くないか?」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:08:19.86 ID:5rmZvZl8O
あっ、因みに私には小学生の妹がいます。


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:21:10.00 ID:WsxmL29x0
>>29
お義兄さん妹さんを僕にください


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:38:19.86 ID:5rmZvZl8O
>>32 慎んでお断り致します。


一日後。

兄「起きた。今日は土曜日である。学校はお休みだ。したがって、二度寝しようと思う」

妹「おい」

兄「反抗期真っ盛りの妹の声が耳朶を打つ。私は少々いらっとした」

妹「おいってば!」

兄「うるさい……」

妹「起きろ!」

兄「あぐっ!」

妹「あっ、み、鳩尾……」

兄「ゲホッ、ゴホッ! ウグッ」

妹「べ、別にわざとじゃないし、だいたい、兄がさっさと起きないから」

兄「……お前、ふざけんなよ」

妹「……顔洗ってきなよ、汚いし。くさいし」

兄「……」


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:43:05.93 ID:5rmZvZl8O
兄「家の鏡って、こんなに汚かったっけ……あ、クマが」

妹「なにぼさっとしてんの」

兄「……」

妹「おい、無視すんなよ」

兄「……うるさいなあ」

妹「なっ、うるさいって」

兄「ほら、あっち行け。顔洗うから」

妹「……」

兄「……なんだよ」

妹「顔洗ったらさ、ちょっとリビングまで来てよ」

兄「何で?」

妹「いいから、早くして」

兄「……」


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 22:52:23.48 ID:5rmZvZl8O
兄「顔をタオルでゴシゴシっと……つうか、さっきから階上でゴソゴソと物音がするんだが。妹か? 何やってんだあいつ――気になるので少し見に行ってみる」

妹「ちょ、兄、階段にバリアーはってるから! バリアーはってるから入ってこれない!」

兄「またバリアーか」

妹「リビングに行って、待ってろって!」

兄「つうかお前、俺の部屋で何やってたんだよ」

妹「はあ? 頭おかしいんじゃないの? 何で私が兄の部屋に入らないとダメなんだよ」

兄「あー、まあ、悪い、気のせいだわ」

妹「チッ……ボケたんじゃないのクソ兄貴」

兄「はいはい、で、まあリビングで待っときゃあ良いんだな」

妹「だから待っててって」

兄「……」


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:04:28.52 ID:5rmZvZl8O
兄「妹が一階に降りてきましたとさ。で、何があるんだ、いったい」

妹「……別に」

兄「はあ?」

妹「……」

兄「何もないなら呼ぶなよ」

妹「……ある」

兄「はあ……」

妹「今日の昼御飯、どうする?」


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:19:06.19 ID:I9yvr3YS0
兄「昼? ……ああ、俺、昼まで寝てたのか」

妹「だから昼御飯っ」

兄「ああ、それなら諭吉さんが。適当にどっか外に食べに行こうぜ」

妹「万札……?」

兄「……」

妹「……」

兄「なあ、駅前にオムライスのうまい店があるんだけど、行かね? 最近オムライス食ってねえし、せっかくの外食だから――」

妹「……っ!」

兄「おいっ! てめぇ何を……金、返せ!」

妹「外食は、なしっ!」

兄「なんだよお前……自分勝手に」

妹「……」

兄「お前さ……いい加減にしろよ」


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:22:51.94 ID:I9yvr3YS0
妹「え……」

兄「お前はいつもいつも、わがままも程々にしておけ。俺はもう我慢の限界だ」

妹「べ、別に私はそんな、つもりじゃ」

兄「じゃあどんなつもりなんだよ」

妹「いつもは、だけど今日はっ」

兄「今日は、何だよ。朝起きたら人の腹蹴って、それも今日に限った事じゃねえし」

妹「……」

兄「お前さ、ホント、いい加減にしろ」

妹「……」

兄「それとお前、俺の金、盗んだろ」


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:30:34.04 ID:I9yvr3YS0
妹「な」

兄「昨日の夜中、俺の部屋来てたろ、お前」

妹「……気が付いてたんだ」

兄「まだ確認してねえけど、なんとなくな。万札見せた時の反応怪しかったし。なんで金持ってんの、みたいな目をしてたろ」

妹「……そう」

兄「お前さ、わかってんの。自分が何をしたのか。これ、ホント洒落になんねえんだけど」

妹「……ごめん、わたし」

兄「謝ればいいと思ってんのかよ! つうか、謝って簡単に許すと思うか!?」

妹「ひっ」

兄「おい、金、どこにやった」


53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:33:29.88 ID:I9yvr3YS0
妹「お金、は」

兄「早く答えろ!」

妹「つ、使った」

兄「はあ!?」

妹「その」

兄「お前、人が貯めてた金を……」

妹「で、でも、わたしは……」

兄「……お前もう、どっかいっちまえよ。妹だからって思ってたけど、もう無理だわ」


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:38:57.88 ID:I9yvr3YS0
妹「……」

兄「……」

妹「……わかった」

兄「……」

妹「兄、」

兄「……」

妹「……やっぱなんでもないや」


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:43:07.10 ID:I9yvr3YS0
兄「あいつ、玄関の鍵閉めていかなかったな……つうか、鍵持っていってないのか」

「……」

「まあ、どうでもいいか。あんな奴の事なんて。それよりも」

「……あいつ、俺の部屋で何やってたんだ? まさか貯金箱の金をスッたわけじゃないし。昨日だしな」

「なんも変わんねえけど。つうか、やっぱ貯金箱がない……もう少しでギターが買える金額まで貯まったのに……チッ」

「クッソ!」

「……?」

「あ、なんか壁を蹴ったら物音が。クローゼットの中か?」

「……なんだこれ」

「これって」



「ギター?」


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:47:53.47 ID:I9yvr3YS0
兄「なんで、ギターが……!」

「……母さんか?」

(でもなんとなく、違う気がする)

「まさか、妹?」

「そんなはずは……」



「妹の部屋、来てしまったが」

「まあ、今まで入れてもらったこともなかったんだけど、あいつ、部屋だけ見ればこう、年頃の女の子なんだな」

「机の上になんか、書置きがある」

「……つうかこれ、メモ用紙じゃないか? あの時の」


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:55:32.36 ID:I9yvr3YS0
兄「鳥もも肉、マッシュルーム……ってなんだこれ」

「卵五パック、近所のスーパーで買えば安いらしい」

「……」

「これ、あと妹の貯金箱だ。割れてるけど」

「あいつ、そういや結構金持ってたって、母さんが言ってたっけ」

「どこかでみたような豚さんも隣に並んでる」

「中身ないけど」

「……」

「……」

「机の横に吊ってある、カレンダーにマル印」

「……」

「あ……」

「そうか、母さんの言ってた”明日”って」

「今日、俺の誕生日だったか」

「妹……」


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/17(月) 23:58:41.00 ID:rbWobHYC0
諭吉だったのはそれでか


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:01:45.28 ID:X31Dlj1r0
妹「今さら私が言えたことではないか」

「ごめんなさいって、きちんと」

「だって、今まで兄には随分と酷いことをしたし」

「今もまだまだ反抗期だって、一言で済ませれば終わりだけど」

「私も少しは成長して、人の気持ちを考えるようになって」

「やっと大切なことに気が付いて」

「今まで何で、あんなことしてたんだろうって」

「だから少しでも助けになれればって思って」

「……お金を黙ってとったのには変わりない」


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:07:27.96 ID:X31Dlj1r0
妹「家に帰りたくない」

「兄に、言われちゃったし」

「私は兄の妹でも何でもないって」

「私に妹という概念がなくなってしまっただと……?」

「……ただの他人で、おまけに無断でお金をとった泥棒だし」

「それに、それに、私は今まで、あの人を兄として扱ったことがなかった」

「これが因果応報ってやつだね」

「……寒いなあ」


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:11:16.60 ID:X31Dlj1r0
妹「寒いなあ」

兄「寒いな」

妹「そういえば、もうお昼すぎちゃったなあ。オムライス、一生懸命つくって、兄に食べてもらうつもりだったんだけどなあ」

兄「そうだな、じゃあ、今日は食べに行くのやめて、家でオムライスを食べようぜ」

妹「……」

兄「……」

妹「……」

兄「ほら、帰るぞ」

妹「……」


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:19:55.07 ID:X31Dlj1r0
妹「……」

兄「……」

妹「ごめん」

兄「俺も」

妹「……え」

兄「勘違いだった。本当に、ごめん。ひどいこと言って」

妹「私が、悪いんだ」

兄「そんなことねえよ。ほら、オムライス、つくってくれるんだろ?」

妹「兄のお金、とっちゃったし」

兄「誰かさんが、ギターを買ってくれたんだ」

妹「……」

兄「俺、バイトとかして金を貯めてたんだけど、なかなかうまくいかなくってさ。でも、その足りない分を誰かが自分の金から出してくれたんだ」

妹「……うん」

兄「誕生日プレゼント、ありがとな」


72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:26:25.94 ID:X31Dlj1r0
妹「……ふん、感謝しろよ」

兄「ああ、感謝したぞ」

妹「……」

兄「……」

妹「兄、冷蔵庫にケチャップってあった?」

兄「あん?」

妹「私は家に帰って兄の為にオムライスをつくるのだろう。しかし、オムライスにはケチャップが必要ではないのか」

兄「あー」

妹「貴様の顔に塗りたくってやろう。この儀式を終えれば私たちは晴れて仲良し兄妹だ」

兄「いや、意味わからんから」

妹「……兄」

兄「なんだ兄妹」

妹「……別に」

兄「なんだよ」

妹「チッ……ケチャップでオムライスにハートをトッピングさせてやるから覚悟をしておけ」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:28:00.99 ID:MdeaX+PS0
いもかわ


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:38:31.41 ID:X31Dlj1r0
 □ □ □


兄「あれから、妹のテンションがおかしい」

妹「兄よ、ギターの音量はもう少し下げてくれぬだろうか。濡れる」

兄「ああ、うん、すまん」

妹「ところで兄よ、今弾いている曲の名前は……?」

兄「いや、今有名なロックバンドの……」

妹「カッコいい! 抱いて!」

兄「ちょおおおお前抱きつくなおいいいい! 耳! 耳噛むなこら!」

妹「はむはむもぐもぐ」

兄「やめ、ろ! 離れろ!」

妹「離れたぞ」


77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:43:00.90 ID:X31Dlj1r0
兄「ちくしょうこいつ……この間まで反抗期だったくせに」

妹「……反抗期が私の、妹としてのアイデンティティだったのだろうか」

兄「は?」

妹「大変だ、このままでは……いやすでに、兄は私を妹として見ていないのか!」

兄「いや、わけわからんて」

妹「いや、恋人として見られるなら、それはそれでじゅるり」

兄「こんな、俺にデレデレべったりな妹、妹じゃない」

妹「なっ……! 私の妹と言う概念が失われてしまっただと……」

兄「あのなあ」

妹「忌々しき事態! 忌々しき事態!」

兄「…………別に反抗期であってもそうでなくても、お前は俺の妹だよ」




母「そうか……妹ちゃんも、そろそろ思春期の時期なんだねえ」


-おわり-


79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:46:08.76 ID:cdxyG83s0
>>1乙 良かった!


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:47:42.80 ID:MdeaX+PS0
乙。
温かい終わり方でとても良かった。


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:48:42.76 ID:X31Dlj1r0
大学のお勉強をする予定でしたが、SS書いてるうちになんかもう日付変わってますね。
SSというジャンルに挑戦するのは初めてですが、間に文章を挟みこめないためなかなか苦戦しました。
というか、これでちゃんとストーリが成り立っているのか不安があるんですが、まあ、大丈夫と信じておきます。
ネタなしで、さらに思いついたことだけをツラツラ書いてたんで、キャラの口調とか崩れてしまってますが、そこらへんは脳内保管をよろしくお願いします。
読んでくれた人に感謝感謝。クソみたいなSSと言われることがございませんよう、祈ってます。
それではおやすみなさい。
お目汚し失礼。


82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 00:58:22.11 ID:bHizjMo8O
妹は可愛いです


84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 01:03:31.93 ID:6b4f8B/W0
いもぺろ


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 01:04:16.23 ID:jMrVNU+X0
乙乙





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