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ゆっこ「きゃすとおふ!」 『Change!sta「くわがたー!!」
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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:01:23.88 ID:3XLtGC/80
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……………………
――――ワームだ! ワームの大群が攻めてきたぞ!
「……私が行ってくる」
――――くそっ、もうこんな所にまで!
「ゆっこは、ここに隠れてて」
――――奴らの狙いは資格者だ! 資格者を守れ!!
「……大丈夫、きっと帰ってくるから」
――――おいっ、返事をしろ! ……駄目だ、カブトの反応が途絶えた!
「麻衣ちゃん……麻衣ちゃん!!」
――――ガタックの資格者を発見した! 生きてるぞ!
……………………………
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3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:02:18.91 ID:3XLtGC/80
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2010年―― 群馬県のとある町から、突如謎の生命体が出現した。
彼らは人間そっくりに姿を変える能力、『擬態』を使って人間社会にもぐりこむと、恐るべきスピードで侵略を開始。
人々を次々に殺害し、姿を奪い、その記憶までもコピーして完全になり変わる。
残虐にして巧妙な手口を駆使する彼らに対し、政府は対抗組織、「ZECT」を設立。 彼らを「ワーム」と名付け、本格的な反撃を開始した。
しかし、「ワーム」には「擬態」の他にもう一つ、非常にやっかいな能力があった。
一定時間、周りの時を止めたかのように目にもとまらぬ速さで動く「クロックアップ」である。
「ZECT」はそれに対抗するため、同じ「クロックアップ」を使うことのできる「マスクドライダーシステム」を開発。
そのシステムの中枢、「ゼクター」を使って変身する「マスクドライダー」達に、人類の希望は託された。
そして現在――2011年。
いまだ結末の見えない戦いの中心地、初めてワームが出現した町でもある「時定町」に、一人の「マスクドライダー」がいた。
……思えば、彼女がその古い友人に再会した時から、全てが始まったのかもしれない。
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4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:03:00.09 ID:3XLtGC/80
-
時定町 居住エリア
タッ タッ タッ タッ タッ
玉村「はあっ、はあっ……」
タッ タッ タッ タッ タッ
玉村「た、助けて……誰か……!!」
タッ
???「…………待て」
玉村「うわっ!!……わ、私が、もう一人……?」
玉村?「…………」
玉村「ち、違う……ワームの、擬態……!!」
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5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:03:44.70 ID:3XLtGC/80
-
玉村(擬態)「…………」スッ
玉村「ひっ……やだ……まだ、死にたくない!」
玉村「誰か……たすけて!!」
バン! バン! バン!
玉村(擬態)「!?」バッ!
玉村(擬態)「…………」ギロッ
玉村「だ、誰!?」
???「…………もう、大丈夫」
玉村「あなたは……?」
???「私は相生祐子……ゼクトの、仮面ライダーだ!」
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6:OP 「NEXT LEVEL」:2011/10/19(水) 21:05:12.15 ID:3XLtGC/80
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玉村(擬態)「………!」
ゆっこ「ふんふん、そっちが擬態か……さがってて!」
ゆっこ「こいっ! ガタックゼクター!」
ブイイイイイイイン!!
パシッ!
ゆっこ「全てのワームは私が倒す! ……へんしんっ!」カシャッ
『HENSHIN!』
ガシャッ キュイーン バシッ!
ガタックM「っしゃ!」
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7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:05:33.90 ID:3O6ho0lg0
-
玉村さんはちゃんと日常みてないとわからんだろ
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8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:06:43.52 ID:3XLtGC/80
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玉村「こ、これがマスクドライダー……?」
玉村(擬態)「………ゼクト!!」ズオオオ…
ガタックM「正体をあらわしたなー! ていやっ!」ドンッ ドンッ
ワーム「グアアッ……!!」シュンッ!
ガタックM「あ、あれっ? いなくっちゃった!?」
ガッ!!
ガタックM「うわあっ!!」
ガタックM「あいててて……いまの何!?」
ガラガラッ
???「何やってんだ相生!」
ガタックM「あ、高崎先生」
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9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:07:34.80 ID:3XLtGC/80
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高崎「今は先生じゃない!……それより、奴の攻撃はクロックアップだ! さっさとキャストオフしろっ!」
ガタックM「……ああ! そっか、なるほどなるほど」
高崎「……お前この仕事初めてもう半年だろうが! いい加減相手の特徴くらい覚えろ!」
ガタックM「あーはいはい……じゃあ行きますか!」カシャッ
キュインキュインキュインキュイン……
ガタックM「きゃすとおふ!」ガチャッ
バシュッ! ウィーン ガシャッ!
『Change! Sta「くわがたぁーっ!!」
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10:>>7 まあチョイ役ですから:2011/10/19(水) 21:08:47.40 ID:3XLtGC/80
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ガタックR「よーし! くろっくあっぷ!」パシッ!
『Clock up!』
シュンッ!
玉村「……く、くわがた?」
高崎「……スタッグビートルで良いって言ってるのに、あいつはもう……はぁ」
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11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:09:58.67 ID:3XLtGC/80
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シュイン シュイン シュイン
ガタックR「どこだー?……あっ!」
ワーム「!!……チッ」
ガタックR「見つけたっ! ……たすひくかりばーっ!」ジャキンッ
ワーム「ゼクト……!!」バシュッ! バシュッ!
ガタックR「おっと……うわっ何これ」ベトォ…
シュウウウウウウ…
ガタックR「コンクリートが溶けてる……!」
ワーム「……はっ!!」バシュシュッ!
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12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:11:22.63 ID:3XLtGC/80
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ガタック「ま、避ければいっか」ヒョイッ
ワーム「!?」
ガタックR「ふふーん!伊達に半年もやってるわけじゃないっての!」
ガタックR「さてと……うららーっ!!」ブンッ!
ズバッ!!
ワーム「っ!」
ガタックR「ていっ! やっ! うらあっ!!」
ズバッ ザクッ ドスッ
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13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:12:56.85 ID:3XLtGC/80
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ワーム「……っ! ぐはっ……」
ガタックR「そろそろかな? ……合体!」ガシーン
ワーム「……?」
ガタックR「らいだあぁぁっ!!! かってぃーんぐ!!」
『Rider cutting!』
ガシッ! バキバキバキッ!!
ワーム「ぐああああああっ!!!」
(爆発音)
『Clock over!』
ガタックR「ふうっ……よっしゃ!」
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14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:14:38.67 ID:3XLtGC/80
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高崎「……なんとか倒したようだな。 まったくひやひやさせるな毎度毎度……」
玉村「…………」
高崎「ああ、大丈夫ですか? ……申し遅れましたが、私は高崎学。 ゼクトの者です」
高崎「お怪我は、有りませんか?」
玉村「………いい」
高崎「は?」
玉村「ちょうど良い!!」ズオオオ……
高崎「なっ……こっちも擬態だと!?」
シュルルルルッ バシッ
高崎「ぐあああっ……」
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15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:16:40.08 ID:3XLtGC/80
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ゆっこ「高崎せんせーい、終わったよ……って、ワーム!?」
ワーム「……それ以上近づくな」グイッ
高崎「ぐっ……油断したな」
ゆっこ「たっ、高崎先生!!」
ワーム「……言うことを聞けば何もしない」
ゆっこ「くっ…………」
高崎「相生! 俺にかまうな! 早く変身しろっ!」
ワーム「……ベルトを外せ」
ゆっこ「うう……仕方が無いか」ガシャッ
高崎「相生! 何をやって……」
ドスッ!
高崎「ぐはっ……」ガクッ
ゆっこ「!! 何もしないって約束でしょ!」
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16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:18:41.08 ID:3XLtGC/80
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ワーム「安心しろ、殺してはいない」
ワーム「このまま言うことを聞けば、これ以上のことはしないさ」
ゆっこ「………本当?」
ワーム「ああ……こっちへ来い」
ゆっこ「…………」スッ
ワーム「……さようなら、マスクドライダー!!」バシュッ!
ゆっこ「………っ!!」
…………
「……クロックアップ」
-
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:19:57.25 ID:3XLtGC/80
-
…………
ゆっこ「……あれ?」
ワーム「ぐっ、ああ……?」シュウウウ……
ゆっこ「えっ? ワームが……」
ワーム「何が、起こって……」
(爆発音)
ゆっこ「な、なんで……? みおちゃんは東京の方だし、一体誰が……」
-
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:22:20.08 ID:3XLtGC/80
-
『Clock over』
ゆっこ「!!」バッ
ゆっこ「………え?」
???「……相変わらずだね」
ゆっこ「その声……それに……カブト、ゼクター」
ゆっこ「まさか……麻衣ちゃん?」
カブトR「…………」カシャッ
キュウウウウン……
麻衣「……ただいま、ゆっこ」
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19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:23:45.27 ID:3XLtGC/80
-
東京
ザビーR「……ライダースティングっ!!」
『Rider sting!』
(爆発音)
ザビーR「……終わったか」
『Clock over』
カシャッ ブウウウウウン……
みお「ふう……これで全部、かな」
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20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:24:59.82 ID:3XLtGC/80
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みお「公務員ってのも楽じゃないなあ……ん?」
きみのきみのきもちしりーたいーよー♪
みお「あ、電話……人使い荒いんだからまったく」
かかかか かたおも ピッ
みお「もしもしー? 仕事なら今終わった所ですけどー」
みお「…………え? カブトって……」
みお「それってまさか……はい……はい、わかりました。 すぐ向かいます」
ピッ
みお「…………」
みお「麻衣ちゃんが、帰ってきた……?」
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21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:26:07.16 ID:3XLtGC/80
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時定町 ゼクト群馬支部 職員宿舎ロビー
みお「……ただいまー、ってうわっ!」
パーン! パーン! パパパパーン!
ゆっこ「みおちゃんおかえりーっ!」
みお「ちょっ……何の騒ぎよこれ!」
ゆっこ「いやね、それがね……えっへへへへ!!」
パーン! パーンパパパーン!
みお「うあっ、ちょっ、もうっ!! クラッカーやめ!」
ゆっこ「でへへ……メンゴメンゴ! ちょっと買いすぎちゃってさ!」パーン!
みお「やめっつってんだろ!……で? これは何のパーティーなの?」
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22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:27:51.30 ID:3XLtGC/80
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みお(……まあ予想は付くけどさ)
ゆっこ「えー? やだなーみおちゃんまだ知らないのー? 天下のザビーが情けないなー」
みお(うざっ)
ゆっこ「実はね、実はね! ……なんと! ずっと行方不明だった麻衣ちゃんが、帰ってきましたぁー!!」
みお「……うん」
ゆっこ「……はれっ? 反応薄いなー、もっと喜んでも良いんじゃないの?」
みお「いや、私が急いで帰って来たのはそれを聞いたからだし……」
みお「っていうか、そこに居るし」
麻衣「……おかえり」
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23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:30:15.61 ID:3XLtGC/80
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ゆっこ「あっ、麻衣ちゃん! もうっ、主役はゆっくりしてれば良いんだよ? わざわざ出てくること無いのに」
みお「どういう意味よそれ……」
麻衣「すこし、外の空気が吸いたくなっただけ」
ゆっこ「なんだ、そうなの? まあそりゃそうか」
みお「だからどういう意味よっ!……でも、本当に帰って来たんだね」
麻衣「……うん」
みお「何か月ぶりだっけ? ……もう半年くらいか。 どこで何してたわけ?」
麻衣「…………」
みお「ふぅ……ねえゆっこ、ちょっとあんたに話があるんだけど……」
みお「……ゆっこ?」
みお「………泣いてるの?」
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24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:31:51.18 ID:3XLtGC/80
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ゆっこ「へっ?……あっ、ごめん……グスッ」
ゆっこ「な、なんか安心しちゃって……本当に、帰って来たんだなって」
みお「ゆっこ……」
ゆっこ「だって、私……もう、帰ってこないと、思ってたから……嬉しくて」ポロポロ
麻衣「……心配かけて、ごめん」ギュッ
ゆっこ「いいよ……帰ってきてくれたんだから」
ゆっこ「………もう、居なくならないでね」
麻衣「………わかった」
みお「…………」
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25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:32:53.47 ID:3XLtGC/80
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時定町 ワーム隔離用エリア 立入禁止区域
みお「…………ふう」
みお「全くもう……ゆっこは馬鹿なんだから」
みお「…………」
みお「……来たか」
麻衣「……大事な話って、何?」
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26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:34:01.63 ID:3XLtGC/80
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みお「あー、話の前にさ……ゆっこは今、どうしてる?」
麻衣「疲れて寝てる」
みお「そう……じゃあ、単刀直入に言うね」
みお「あんた……本当に麻衣ちゃんなの?」
麻衣「…………」
みお「………まだ私たちがライダーに成りたてだったころ、本部にワームの大群が現れた」
みお「ゼクターは装着者を選ぶんだっけ? どんな基準か知らないけど、ただの高校生が戦場に駆り出されるくらいには厳しいみたいだね」
みお「だから、奴らは私たちを襲った。 ……特に、一番優秀だった麻衣ちゃんを重点的に狙ってた」
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27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:36:04.24 ID:3XLtGC/80
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みお「あの時のこと……ゆっこはどうか知らないけど、私は良く覚えてる」
みお「麻衣ちゃんは、クロックアップしても意味が無いように拘束されて……バイクで引きずられていったんだよ」
みお「ゆっこは絶対に認めようとしなかったけど……私は、確実に死んだと思ってた」
麻衣「………でも、生きてるよ」
みお「……麻衣ちゃんに擬態した、ワームが?」
麻衣「…………」
みお「あの馬鹿は知らされて無いんでしょうけど……本部は、あんたを擬態だと疑ってる」
みお「だから私は……必要があればカブトを殺せ、って命令を受けたの」
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28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:37:30.22 ID:3XLtGC/80
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麻衣「それ、言っていいの?」
みお「……駄目だよ、もちろん。 本当は、ゆっこの目を覚まさせて、一緒に倒すつもりだった」
みお「でも……無理だよ」
みお「あんなに喜んでるゆっこに、そんなこと言うなんて……出来ない」
みお「……だから……っ!」
ブウウウウウウン パシッ!
みお「変身!」カシャッ
『HENSHIN!』
キュイイイイイン! バシュン!
ザビーM「……だから、本当のことを言って」チャキッ
ザビーM「あんた、本物の麻衣ちゃんなの?」
-
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:38:56.88 ID:3XLtGC/80
-
麻衣「……それは愚問」
麻衣「質問で、記憶を引き継いでいる擬態と本人を見分けることは出来ない」
ブウウウウウウウン
麻衣「それに、ザビーゼクターを使っても私には勝てない」パシッ
ザビーM「……やっぱり、こうなるんだね」
麻衣「………変身」カシャッ
『HENSHIN!』
キュイイイイイイン! バシュッ!
カブトM「…………」
ザビーM「変身したってことは、敵とみなしていいわけ?」
カブトM「……出来れば、戦いたくない」
-
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:40:45.48 ID:3XLtGC/80
-
ザビーM「……何言ってんのよ、いまさらお友達のつもり?」
カブトM「そうじゃない」
カブトM「……なるべく、ゆっこを悲しませたくないから」
ザビーM「……っ!!」ギリッ
ザビーM「だったら……帰ってくるなぁっ!」カシャッ
『Cast off!』
カブトM「……キャストオフ」ガチャッ
『Cast off』
-
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:41:59.56 ID:3XLtGC/80
-
ガシュウン キュイイイイイイイイン!! バシッ!
『Change! Wasp!』
『Change! Beetle!』
ザビー・カブト「「クロックアップ!」」パシッ!
『『Clock up!』』
ザビーR「うああああああっ!!」
カブトR「…………!!」
ガキィン!!
…………………………………
-
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:43:31.98 ID:3XLtGC/80
-
…………………………………
ゼクト本部最上階 東雲研究室
???「ふんふんふーん♪……ふんふんふーん♪……」
コンコン
メイド「……どうぞ」
ガチャ
邑楽「……失礼します」
???「なにー?」
邑楽「報告いたします……ザビーとカブトが戦闘を始めました」
???「ふーん……あっそう」
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33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:45:39.00 ID:3XLtGC/80
-
邑楽「……よろしいのですか?」
???「べつにー? ザビーだったらいいや」
???「……カブトムシに勝てるのはクワガタムシだけだもん」
???「ガタックだけ残ってればいいよ」
邑楽「……それでは、このまま放置、ということで」
???「うん、そうして」
邑楽「はっ……それでは、私はこれで」
ガチャッ キィ…
???「じゃーねー」
バタン
メイド「……はかせ、本当に良いんですか?」
メイド「ザビーの装着者……死ぬかもしれませんよ」
-
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:47:05.99 ID:3XLtGC/80
-
はかせ「うん……まだ大丈夫」
はかせ「ガタックとカブトだけあればなんとかなるもん」
メイド「……そうですか」
はかせ「……それよりー、今晩はオムライスが良いんだけど!」
メイド「……はい、かしこまりました」
…………………………………
-
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:49:00.04 ID:3XLtGC/80
-
…………………………………
ゼクト群馬支部 職員用宿舎
キリキリキリキリキリ…
キリキリキリキリキリ…
ゆっこ「ん……ふわあ……」
ゆっこ「……麻衣ちゃん?」
麻衣「……ごめん、起こしちゃった?」
ゆっこ「ううん、いいよ……何してるの?」
麻衣「……時計。 止まったままだった」
-
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:50:37.54 ID:3XLtGC/80
-
ゆっこ「え?……ああ、その時計か。 ……古いよね」
ゆっこ「ネジが無かったからそのままにしてたんだけど……麻衣ちゃんが持ってたんだ」
麻衣「…………」
ゆっこ「……どうかしたの?」
麻衣「……これ、ゆっこが持ってて」チャリン
ゆっこ「な、なんで?」
麻衣「今度から……ゆっこが回して」
ゆっこ「……? いいけど」パシッ
麻衣「…………」
麻衣「……ゆっこ」ギュッ
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39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:52:02.33 ID:3XLtGC/80
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ゆっこ「ひゃっ!?……麻衣ちゃん?」
麻衣「…………」ギュウウウ…
ゆっこ「く、苦しいよ……どうしたの?」
麻衣「……ゆっこ」
ゆっこ「うん、なに?」
麻衣「もし、私が……」
ゆっこ「麻衣ちゃんが?」
麻衣「…………」
麻衣「……なんでもない」
ゆっこ「そうなの?……ま、いっか」
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40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:54:12.67 ID:3XLtGC/80
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麻衣「…………」
麻衣「……今夜は、ここで寝ても良い?」
ゆっこ「へっ?」
ゆっこ「……うん、いいよ」
…………………
……その夜、ザビーゼクターの資格者、長野原みおの消息が途絶えた。
ゼクトはこれに対して、「緊急の任務に出た」とだけ発表し、行方不明になったことを明らかにはしなかった。
当然、ガタックゼクターの資格者、相生祐子も、それを疑うことは無かった。
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41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:55:23.04 ID:3XLtGC/80
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一週間後 東京
ブロロロロロロロロ…
ゆっこ「高崎先生ー、まだ合流できないんですか?」
高崎「……もう少しだ」
ゆっこ「さっきからそればっかりじゃないですか……」
高崎「仕方がないだろう、普段は別チームとの共同作戦なんて行わないんだからな」
高崎「お互い、慣れない作業ということだ」
ゆっこ「ふーん……」
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42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:56:37.78 ID:3XLtGC/80
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ゆっこ「……そういえば、なんで合流するんですか? ワームの駆除だったら、別に私たちだけで平気じゃないですか」
ゆっこ「ほらっ、麻衣ちゃんも居るんだし!」
麻衣「…………」
高崎「それは俺も知らん。 ただ、サソードゼクターの資格者も相当なベテランだからな……どんなワームが出ても驚くなよ」
ゆっこ「むう……合流する前に襲われたらやだな」
麻衣「ゆっこ」
ゆっこ「え? 何?」
麻衣「……もう来てる」
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43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:57:07.31 ID:3XLtGC/80
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ガシャーン!
高崎「なっ……!!」
キキィー…
ウェボシー「…………」
ウェボシー「うーん……カブトとガタックか」
ウェボシー「はっ、楽しめそうじゃん?」ズオオオオオ
ゆっこ「くっ……麻衣ちゃん!いくよ!」ガラガラッ スタッ
麻衣「…………」スタッ
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44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 21:58:48.79 ID:3XLtGC/80
-
ブウウウウウウン!
パシッ! パシッ!
ゆっこ「へんしんっ!」カシャッ
麻衣「……変身」カシャッ
ガシャッ キュイーン バシッ!
ウカワーム(ウェボシー)「おっと、二対一は卑怯だろ?……出てこい!」バッ!
サナギ「……!」ゾロゾロ
ガタックM「うわっ……すごい量」
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45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:00:49.44 ID:3XLtGC/80
-
カブトM「……ゆっこ、まずはサナギを片づけよう」
ガタックM「オッケ! うららーっ!」ドン! ドン!
サナギ「!?」
(爆発音)
カブトM「……アバランチブレイク」ズバッ!
サナギ「……!!」
(爆発音)
サナギ「……! ……!!」ゾロゾロ
ガタックM「ああもう……キリが無い!」
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46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:02:38.19 ID:3XLtGC/80
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シュンッ!
ウカワーム「……私を忘れるなよ!」ガッ!
ガタックM「いたっ!」
ウカ「ははっ……追いつけるかぁ?」シュンッ!
ガタックM「……むーっ! こっちだって!」
ガタックM「きゃすとおふ!」ガシャン
『Cast off!』
キュイイイイイン バシュッ!
『Change! sta「くわがたぁー!!」
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49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:04:15.34 ID:3XLtGC/80
-
ガタックR「くろっくあっぷ!」パシッ
『Clock up!』
ガタックR「うらあっ!!」ダッ
ウカワーム「へへっ……そらっ、来いよ!」シュンッ
カブトM「……ゆっこ!」
カブトM「……キャストオフ」ガシャン
『Cast off!』
『Change! Beetle!』
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50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:04:52.55 ID:3XLtGC/80
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カブトR「クロック……!?」
ガシッ!
カッシスワーム「ふぇ~っ! 邪魔しないでよ~」
カッシス「ここは通さないんだからね!」
カブトR「…………!!」
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51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:05:54.29 ID:3XLtGC/80
-
………………………
みさと「……発見したわ!」
みさと「もう戦闘に入ってる……助けなきゃ!」
みさと「笹原っ! 戦闘準備!」
笹原「…………」
みさと「……笹原?」
笹原「スー……スー……」
(銃声)
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52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:07:24.05 ID:3XLtGC/80
-
みさと「何寝てんのよ! さっさと助けに行きなさい!」
笹原「……心配することは無い、立花みさと」ダラダラ
笹原「彼らはまだ、死なない」キュッ キュッ
みさと「……どういうこと?」
笹原「…………」
笹原「私たちが過ごしてる日々は、実は奇跡の連続かもしれん。 ……そういうことだ」
(爆撃音)
みさと「何かっこつけてんの!? いいからさっさと行きなさいよ!」
笹原「…………」シュウウウウ…
-
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:08:49.16 ID:3XLtGC/80
-
………………………………
ガタックR「たすひくかりばぁーっ!! うららー!」ジャキン!
ウカ「おっと、……パンクしてんじゃん!」ヒョイッ ガッ!
ガタックR「うなっ!!」ポーン ゴロゴロ…
カブトR「ゆっこ! ……どいて」
カッシス「それはできないなぁ~ ウェボシーに足止めしろって言われたし」
カッシス「一応ウェボシー上司だからね」
カッシス「言うこと聞かないと怒られるし……」
-
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:10:04.57 ID:3XLtGC/80
-
カブトR「…………」
『1!』 『2!』 『3!』
カシャッ
カッシス「……ふぇ?」
カブトR「……ライダーキック」ガシャン
バチバチバチバチッ
『Rider Kick!』
カッシス「ふぇ? ふぇ? ……いきなり!?」
カッシス「ふぇー!! ひどいー!!」
(爆発音)
-
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:12:05.99 ID:3XLtGC/80
-
カブトR「…………」
カッシス「……っと、危なかった~」
カブトR「……っ!?」
カッシス「クロックアップ使ってサナギを盾にしなきゃ死んでたよ……」
カッシス「そこらにいたサナギさんに、感謝ぁ☆」
カブトR「………チッ」
-
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:13:22.40 ID:3XLtGC/80
-
カッシス「じゃあ、そろそろ反撃始めちゃおうかな~!」ブンッ
カブトR「くっ……!」
ガキン!
カブトR「……?」
カッシス「……ふぇっ?」
笹原「……貴様、立花みさとの友人……の擬態か」
カッシス「なっ! 笹原くん!? ってことは……」
-
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:14:33.09 ID:3XLtGC/80
-
ノソノソノソ……ピョンッ
笹原「……会わせるわけには、いかないな」パシッ
笹原「変身!」ガシャッ
『HENSHIN!』
ガシャッ キュイーン バシッ!
カッシス「さ、サソードゼクターの……資格者!」
サソードM「……貴様にはここで死んでもらおうか」ガチッ
『Cast off!』
『Change! Scorpion!』
サソードR「…………」ブンッ
-
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:15:26.62 ID:3XLtGC/80
-
カッシス「わわっ……ひゃあっ!」シュンッ!
サソードR「逃がさん」パシッ
『Clock up』
タッ タッ タッ タッ タッ
カッシス「ふぇ~っ!! こんなの聞いて無いよ~!!」
サソードR「…………」
カッシス「……ってうわっ! 追いかけてきてる~!」
サソードR「ライダー、スラッシュ」ガシャン
『Rider Slash!』
ビシャッ…
-
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:16:08.32 ID:3XLtGC/80
-
カッシス「びしゃっ!? 何の音!? ……うわああああん!!」
カッシス「ウェボシ~! 助けてぇ~!」
サソードR「はあっ!!」
カッシス「ふぇえええええええっ!!」
(爆発音)
サソードR「ふっ……またつまらぬモノを切ってしまった」
カブトR「…………」
-
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:17:40.06 ID:3XLtGC/80
-
…………………
キュウウウウウン…
ゆっこ「はあっ、はあっ……変身が……!」
ウカ「……なーんだ、もう終わり? 早いなー」
ウカ「ま、それじゃあ上の命令通り……ゼクターを壊させてもらうよ」ザッ
ゆっこ「くっ……!」
『Rider Kick!』
-
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:18:52.96 ID:3XLtGC/80
-
ウカ「!?」バッ
ドガッ!
ウカ「ぐあっ!!」ズオオオオ…
ウェボシー「くっ……」
ウェボシー「……カブト! 追いついてきたかっ!!」
カブトR「…………」シュウウウ
ゆっこ「麻衣ちゃん!?」
ザッ
ウェボシー「!?」
サソードR「ウカワーム……ほう、貴様も立花みさとの友人の姿を借りるか」
サソードR「ならば……これまでの縁だな」チャキッ
ウェボシー「サソード!?」
-
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:20:40.12 ID:3XLtGC/80
-
ウェボシー「ってことは足止めのカッシスは……やられたな」
カブトR「…………」チャキッ
サソードR「…………」ブンッ
ウェボシー「……ちぇっ、今日は帰るか!」シュンッ!
サソードR「!? 待てっ!!」
サナギ「………!!」ゾロゾロ
サソードR「くっ……追いかけるのは不可能か」
カブトR「数が多い……」
サソードR「む……こちらも退却とするか」
…………………………………
-
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:22:13.22 ID:3XLtGC/80
-
ウェボシー「ふう……なんとかまけたか」
ウェボシー「まさかサソードまで来るなんて……」
ウェボシー「あの人の情報にも、間違いはあるってことなのかな?」
ウェボシー「…………」
ウェボシー「しかし……不測の事態に対応しきれずに死ぬなんて」
ウェボシー「ふぇっちゃんっぽいなあ……」
…………………………………………
-
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:22:57.80 ID:3XLtGC/80
-
笹原チームのワゴン近辺
みさと「ささはらぁっ! ……あんた一匹取り逃がしたんですって!?」
笹原「……まあ、そういうこともあるだろう」ズズー
みさと「あるだろう、じゃないわよ!」バンッ!
みさと「あいつらは幹部クラスなのよ!? 取り逃がしたらどうなるか……!!」
笹原「そうカリカリするな、立花みさと」
笹原「……後輩たちがおびえているぞ」
みさと「えっ? あ……」
ゆっこ「す、すいませんでした……」ブルブル
みさと「あ、ああ……ごめんごめん、ちょっと言い過ぎたわ」
麻衣「…………」ギロッ
-
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:23:39.18 ID:3XLtGC/80
-
高崎「…………ゴホン」
高崎「……とりあえず、俺たちが合流したのは奴らを倒すため、ということでいいのか?」
高崎「強力な幹部級ワームなら、わざわざ戦力を集中させるのも納得がいくが」
笹原「……それもあるだろうな。 しかし、それだけではない」
みさと「ちょっと笹原! 敬語くらい使いなさいよ!」
高崎「いや、それはいいんだが……それだけではない、とはどういうことだ?」
みさと「……多分、ゼクトも気を使ってるんだと思います」
みさと「……この前、安中さんが行方不明になったから」
-
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:25:09.50 ID:3XLtGC/80
-
高崎「なっ……」
ゆっこ「えっ!? 嘘……安中さんが!?」
麻衣「…………」
みさと「へっ? 知らないんですか?」
みさと「出張任務中に大量のワームに襲われて、そのまま……」
ゆっこ「えっ、でも……安中さんって、あの、トンボの人ですよね?」
高崎「ドレイクだ」
ゆっこ「……その、ドレイクって、結構強いんじゃ……」
-
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:26:40.54 ID:3XLtGC/80
-
ゆっこ「なんか、なんとかって兵器を扱うのが上手くて!」
ゆっこ「えーっと、ゼクト……ゼクト……」
麻衣「……ゼクトマイザー?」
ゆっこ「そうそう、それそれ!」
みさと「……そうね、確かに安中さんはベテランだったわ」
みさと「でも行方不明になったことは、確かよ」
笹原「逆に言えば、ドレイクを襲ったワームの中に、彼女でも対応しきれないほどの戦力があったというわけだな」
笹原「それがさっきの二体だとは思えないが……」
みさと「……つまり、ゼクトはその謎の敵に、これ以上ライダーを奪われることを心配してるのよ」
ゆっこ「なるほど……」
-
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:27:32.89 ID:3XLtGC/80
-
笹原「……そして、これだけのゼクターを集めておけば、その敵をおびき寄せ、逆に仕留めることが出来るかもしれん」
笹原「そういう作戦でもあるな、これは」
ゆっこ「じゃ、じゃあ……もっと強いのが来るかもしれない、ってことですか?」
笹原「そういうことだ。 ……だが、こちらもただ待っているというわけではない」
笹原「出来る限りワームを減らし、その襲撃者に備えなければな」
笹原「……とりあえず今は、あのワームを倒すことに専念しようではないか、ガタックの資格者よ」
ゆっこ「は、はいっ!」
麻衣「…………」
(銃声)
みさと「何あんたが仕切ってんのよ! ばっかじゃないの!?」
笹原「…………」ダラダラ
-
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:28:26.96 ID:3XLtGC/80
-
夜 高崎チームのワゴン近辺
ガラガラガラッ
麻衣「ゆっこ、起きてる?」
ゆっこ「え? うん……どうしたの?」
麻衣「少し、話があるから……来て」
ゆっこ「うん……?」
……………………………………………………
-
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:29:37.70 ID:3XLtGC/80
-
ゆっこ「それで、話ってなに?」
麻衣「…………」
麻衣「……今日、危なかったね」
麻衣「私が助けに行かなかったら、どうなってたかな」
ゆっこ「うっ……ごめん」
麻衣「……ゆっこは、ワームの擬態を見ると明らかに弱くなる」
ゆっこ「そ、そうかな……」
麻衣「やさしいのもいいけど、そのままでいたらゆっこが死ぬことになるよ」
ゆっこ「………はい」
-
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:30:49.91 ID:3XLtGC/80
-
麻衣「…………」
麻衣「ゆっこ」ギュッ
ゆっこ「わっ……麻衣ちゃん?」
麻衣「……約束して」
ゆっこ「う、うん」
麻衣「相手がどんな擬態をしていても、もう絶対に手加減しないで」
ゆっこ「……わかったよ」
麻衣「それと」
麻衣「……死なないで」ギュウウ
-
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:32:00.24 ID:3XLtGC/80
-
ゆっこ「………っ」
ゆっこ「……麻衣ちゃん、最近なんかおかしいよ?」
ゆっこ「何か、あったの?」
麻衣「…………」スッ
麻衣「……もう寝よう」
ゆっこ「麻衣ちゃん………」
ゆっこ「……泣いてるの?」
麻衣「…………」スタスタ
ゆっこ「…………」
-
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:33:21.64 ID:3XLtGC/80
-
翌朝 ワーム隔離用エリア 立入禁止区域深部
ウェボシー「……ライダーたちはあの車か」
ウェボシー「サソードが居ても、それがわかってるなら対処のしようはあるもんね」パチン
サナギ「……!!」ゾロゾロ
ウェボシー「こっちは数がある……うん、なんとかなるね」
ウェボシー「……これで一気に三体仕留められれば、あの人も喜ぶかなー」
ウェボシー「…………」
ウェボシー「……ま、なにはともあれ」
ウェボシー「ロックンロールの始まりだ!」ズオオオオオ
-
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:34:52.26 ID:3XLtGC/80
-
笹原チームのワゴン近辺
サナギ「……っ!!」ゾロゾロ
笹原「来たか……変身!」ガチャッ
キュウウウウウン バシッ!
『HENSHIN!』
サソードM「……はあっ!」ズバッ!
サナギ「!?」
(爆発音)
サソードM「……次」
-
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:36:27.84 ID:3XLtGC/80
-
高崎チームワゴン近辺
ガタックM「うららーっ!!」ドンッ ドンッ
サナギ「……っ!!」
(爆発音)
カブトM「……アバランチシュート」ズドンッ!
(爆発音)
ガタックM「ふう……結構減ってきたね」
カブトM「…………」
ガタックM「? どうしたの麻衣ちゃん」
-
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:38:26.36 ID:3XLtGC/80
-
カブトM「……さっきから、向こうのチームと連絡がつかない」
カブトM「向こうも襲撃を受けている可能性が高い」
ガタックM「!! それなら、早く助けにいかなきゃ!」
カブトM「……ここを任せても良い?」
ガタックM「おうよ! これくらいなら、私一人でもなんとかなるって!」
カブトM「……死なないでね」
ガタックM「うん! ……絶対、麻衣ちゃんを置いて死んだりなんてしないから!」
カブトM「………じゃあ、行ってくる」カシャッ
『Cast off』
カブトR「……本当に、気を付けてね」
-
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:39:58.74 ID:3XLtGC/80
-
ガタックM「オッケ! いってらっしゃい!」
カブトR「…………」パシッ
『Clock up』
シュンッ!
ガタックM「……行っちゃった」
ウカ「………そうみたいだね?」
ガタックM「…………っ!!」バッ
…………………………………………
-
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:41:34.99 ID:3XLtGC/80
-
…………………………………………
サソードR「……ライダースラッシュ」ガチッ
『Rider Slash!』
ビシャアッ…
サソードR「はあっ!!」ズバッ!
(爆発音)
サソードR「ふっ……今ので最後か」
ザッ
サソードR「……ん?」
ブウウウウウウウウン……
-
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:42:35.81 ID:3XLtGC/80
-
サソードR「……そうか、もうそんな時間だったか」
パシッ
サソードR「覚悟は出来ている。 ……後ろの車両には立花みさとが控えているのでな」
『HENSHIN!』
サソードR「簡単に負けるわけにはいかない」ジャキッ
『Cast off』
サソードR「さあ、来い!」チャキッ
「……………」
『Change Beetle!』
-
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:44:07.75 ID:3XLtGC/80
-
………………………………………………
ガッ!
ガタックR「うわああっ!!」
ウカ「へっへー、分断は上手くいった感じかな?」
ガタックR「うう……」
ウカ「一番弱いのから取りかかれるなんて、なかなかラッキーだった、なっ!!」ブンッ!
ガタックR「ぐっ……!!」ドサッ
ウカ「あははっ! じゃあ、そろそろ終わりにするか」
ガタックR「…………」
ウカ「……死ねっ!!」
ドガッ!!
-
91:ED1 「FULL FORCE」:2011/10/19(水) 22:46:02.91 ID:3XLtGC/80
-
ウカ「ふう……まずは一匹っと」
ギリッ……
ウカ「……え?」
ギリリッ……グググググッ
ウカ「なっ……」
グググググググッ!!
ガタックM「……そう簡単に死ねるかぁ!!」
-
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:47:15.26 ID:3XLtGC/80
-
ウカ「!? どうして……」
ウカ「……そうか、装甲をプットオンして……!!」
ガタックM「うらあああっ!!!」ガシャッ
『Cast off!』
キュイイイン…
ウカ「あっ、マズ……」
バシュッ!!
ウカ「ぎゃああっ!!」ドガッ
ガタックR「はあっ、はあっ……」ユラッ…
ガタックR「これは麻衣ちゃんとの、約束なんだからっ……!」ザッ!
-
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:49:11.32 ID:3XLtGC/80
-
ガタックR「こんな私でも、守ってくれる!」
ガタックR「こんな私のために泣いてくれる!」
ガタックR「麻衣ちゃんのために、死ねない!!」
『Change! sta「くわがたあああああっ!!!!!」
ウカ「くっ……なんだそりゃ!? くわがた!?」
ガタックR「うららあーっ!!」ダッ!
『1!』 『2!』 『3!』
-
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:50:25.24 ID:3XLtGC/80
-
ガシャンッ!
『Rider Kick!』
バチバチバチバチッ!!
ガタックR「らいだあああっ!!! きいいいっく!!!」
ウカ「くっそ……パンク、してんじゃん?」
(爆発音)
キュウウウウン… ブウウウウウウン
ゆっこ「はあっ、はあっ……」
ゆっこ「……しゃあっ!!」グッ
-
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:52:12.71 ID:3XLtGC/80
-
…………………………………
ブロロロロロロロ…
ゆっこ「麻衣ちゃんと笹原先輩、大丈夫かな…」
ゆっこ「まあ、あの二人が居れば平気か」
ゆっこ「……でも、なんかやな予感がするんだよなあ……」
ブウウウウン! ブロロロロロロ…
………………………………
-
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:54:16.48 ID:3XLtGC/80
-
……………………………………
???「…………」ザッ
サソードR「くっ……」チャキッ
『1!』
サソードR「はああっ!!」ダッ
『2!』
???「…………」ヒョイッ
サソードR「なっ……」
『3!』
???「……ダークライダーキック」
-
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:55:01.17 ID:3XLtGC/80
-
『Rider Kick』
(爆発音)
サソードR「ぐああああっ!!」
キュウウン……ノソノソ
笹原「くっ……はっ……」
???「サソードゼクター……」ガシッ
???「これで、三つ目」バキバキバキッ!!
笹原「……黒いカブト、ダークカブトか」
笹原「本当に……見上げたものだ。 この私が何度挑んでも、勝てないとはな……」
-
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:57:38.31 ID:3XLtGC/80
-
DカブトR「…………?」ガシッ
笹原「ぐあっ……!」
DカブトR「……何を知っている?」
笹原「……私を、誰だと思っている」
笹原「知らないこと、など、……無い」
DカブトR「……なら、ここで処分する」ググッ…
笹原「ぐうっ……」
ガシイイン!!
DカブトR「……?」
『Rider cutting!』
-
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 22:59:21.73 ID:3XLtGC/80
-
ガタックR「うららーっ!!!」ブンッ!
DカブトR「!?」パッ
笹原「ぐっ……」ドサッ
スカッ
ガタックR「っと! ……お前があの、戦力ってやつだなー!」
DカブトR「…………」
ガタックR「好き勝手するのもここまでだぁ! カブトの偽物め!」ジャキンッ
DカブトR「……偽物、か」
-
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:01:45.75 ID:3XLtGC/80
-
ガタックR「……え? その声……」
DカブトR「…………」カシャッ
キュイイイイイン… ブウウウウウン
ガタックR「……え? 嘘」
ガタックR「……麻衣ちゃん?」
麻衣「……ゆっこ」
-
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:03:14.25 ID:3XLtGC/80
-
ガタックR「え? いや、どういうこと? ……麻衣ちゃん、これ」
シュンッ!
ドガッ!!
麻衣「約束、もうわすれたの?」
ガタックR「くっ、はっ……麻衣、ちゃん……?」
麻衣「……どんな敵が相手でも、手加減しない」ズオオオオオオ
グリラスワーム「そう、約束したよね?」
-
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:05:09.24 ID:3XLtGC/80
-
ガタックR「……え? ワー ……ム?」
グリラス「…………」シュンッ!
ドガッ ガッ ガッ ガッ
ガタックR「うわああああああっ!!」
キュウウウウン…… ブウウウウウン
ゆっこ「…………」
グリラス「……ガタックゼクター」ガシッ
ブ…ブブ ブ ジタバタジタバタ
-
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:06:34.90 ID:3XLtGC/80
-
ゆっこ「……麻衣、ちゃん」
ミシッ
ゆっこ「嘘、だよね……?」
バキバキバキッ
グリラス「……これで四つ目」ズオオオオオ
-
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:07:48.92 ID:3XLtGC/80
-
ゆっこ「……四つ目?」
麻衣「そう。 ザビー、ドレイク、サソード、ガタックで四つ」
ゆっこ「ザ、ザビーって……」
ゆっこ「もしかして、みおちゃんも……」
麻衣「……私が倒した」
ゆっこ「……じゃあ、あの時から? それとも……」
ゆっこ「この前、帰って来た時からずっと……擬態だったの?」
麻衣「そうだよ」
ゆっこ「…………!!」
-
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:09:53.70 ID:3XLtGC/80
-
麻衣「……何をしてるの?」
ゆっこ「…………」
麻衣「戦わないの? 逃げないの?」
麻衣「……約束を破るの?」
ゆっこ「……はっ、はは……」
ゆっこ「だ、だって……麻衣ちゃん、が、擬態されてるって、ことは」
ゆっこ「もう……麻衣ちゃんは、死んじゃったって、ことでしょ?」
麻衣「…………」
麻衣「……ガタックゼクターは破壊した」
-
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:11:49.22 ID:3XLtGC/80
-
麻衣「戦わないのなら、殺す必要もないね」
ゆっこ「…………」
麻衣「さようなら、ゆっこ」ザッ
ゆっこ「…………」
麻衣「……もし、まだ戦う気があるのなら……」
ゆっこ「………え?」
麻衣「ゼクト本部、最上階まで来て。 そこに……全ての元凶が居る」
-
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:13:30.50 ID:3XLtGC/80
-
ゆっこ「……麻衣、ちゃん?」
麻衣「……クロックアップ」
ゆっこ「麻衣ちゃん! 待って……」
シュンッ!
ゆっこ「…………」
ゆっこ「もう、わかんないよ……」
ゆっこ「私……どうすればいいの?」
-
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:20:51.98 ID:3XLtGC/80
-
時定町郊外
ヒュウウウウ…
「…………」
「……おい」
「……おい、生きてるか?」
「どうやら、お前も地獄を見たらしいな」
「……ん?」
「いや、違う」
「……今の私は、もうドレイクじゃない」
-
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:21:30.02 ID:3XLtGC/80
-
「ゼクターを壊され、仲間から見捨てられ……地獄を見てきた」
「……でも、地べたをはいずりまわってこそ見える光もあるんだよ」
「お前にも見えただろ?」
「そうだ……」
「お前……私の妹になれ」
-
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:23:06.38 ID:3XLtGC/80
-
時定町 大工医院
ゆっこ「…………」スタスタ
ゆっこ「えーっと、3、8、21号室……」
ゆっこ「……ここだ」
ゆっこ「失礼します……」
みさと「!!……っ」グシグシ
みさと「ど、どうぞ……」
ガラガラガラ
みさと「相生さん……来てくれてありがとう」
-
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:24:07.72 ID:3XLtGC/80
-
ゆっこ「い、いえ……笹原さんの具合は?」
みさと「…………」
みさと「……まだ、目を覚まさないわ」
ゆっこ「そう、ですか……」
ゆっこ「ごめんなさい、私……」
みさと「……あなたが気にすることじゃないわよ」
みさと「ライダーなら、いつワームにやられてもおかしくない」
みさと「……ワームに負けたのは、コイツの責任よ」
ゆっこ「…………」
-
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:25:22.28 ID:3XLtGC/80
-
ゼクト群馬支部 職員宿舎
ゆっこ「…………」
ゆっこ(私、どうすればいいんだろう……)
ゆっこ(みおちゃんも、麻衣ちゃんも居なくなっちゃった)
ゆっこ(笹原先輩も目を覚まさないし……)
ゆっこ(ガタックゼクターも、もう無い)
ゆっこ「…………」
ゆっこ(最後に、麻衣ちゃんが言ってた言葉……)
―――まだ戦う気があるなら、ゼクト本部最上階まで来て。
―――そこに、すべての元凶がいる。
-
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:26:30.03 ID:3XLtGC/80
-
ゆっこ(全ての元凶、ってなんだろう……?)
ゆっこ(それを倒せば、全部解決するのかな)
ゆっこ(でも、もう麻衣ちゃんは……)
チャリン
ゆっこ「……あ」
ゆっこ「そうだ、時計のネジ、回さなきゃ……」
キリキリキリキリキリキリ
キリキリキリキリキリキリ
ゆっこ「…………あ」
-
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:28:01.60 ID:3XLtGC/80
-
ゆっこ(麻衣ちゃんは、これを私に預けて行った)
ゆっこ(ってことは、麻衣ちゃんはわかってたんだ)
ゆっこ(いつか、私と離れ離れになること)
ゆっこ(……だから、麻衣ちゃんはネジをくれて、私を抱きしめて……泣いてた)
ゆっこ(麻衣ちゃんはまだ……麻衣ちゃん、なの?)
ゆっこ「…………っ!!」
ゆっこ「考えててもしょうがないか!」
ゆっこ「なんだっけ、ゼクト本部の、最上階?」
ゆっこ「そこに行けば……麻衣ちゃんに会える」
ゆっこ「麻衣ちゃん……待っててね」
ゆっこ「私……まだ戦うよ」
-
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:30:17.29 ID:3XLtGC/80
-
大工医院 3821号室
みさと「…………」
みさと「……笹原」
みさと「起きてよ、もう……」
サスサス
みさと「ささはらぁ……」
笹原「…………む」
みさと「! さ、笹原!?」
笹原「み……さと」
-
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:31:35.72 ID:3XLtGC/80
-
みさと「はぁ……よかったあ……」
みさと「ちょっ、ちょっと待っててね、今お医者さん呼んでくるから!」
ガシッ
みさと「……笹原?」
笹原「すまんが……もう少し、居てくれるか?」
みさと「……な、何言ってるのよアンタ!」カアアアア
みさと「さ、寂しいのはわかるけど……ちょっとくらいガマンしなさい」
みさと「また、すぐ会えるんだから」
-
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:32:54.72 ID:3XLtGC/80
-
笹原「……そうだな」
パッ
みさと「じゃあ、行ってくるわね!」ダッ
笹原「…………」
笹原「すぐ会える、か」
笹原「……また、そうなるかもしれないな」
笹原「……私も、行かなくては」
-
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:34:23.50 ID:3XLtGC/80
-
ゼクト本部 本館前
ゆっこ「…………」ザッ
ゆっこ「ここの最上階かあ……」
ゆっこ「よしっ、いくか!」スタスタ
「待て」
ゆっこ「へっ?」
ゼクトルーパー「………」ザッザッザッザッザッ
ゆっこ「へ? うわっ!」
ゆっこ(と、取り囲まれた……)
-
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:35:33.34 ID:3XLtGC/80
-
ゼクトルーパー隊長「貴様、どこへ行くつもりだ?」
ゆっこ「ど、どこって……最上階に、用があるんですけど」
ゼクトル隊長「……駄目だ」
ゆっこ「えっ? 何でですか? 私一応職員なんですけど……」
ゼクトル隊長「……ゼクターを失ったお前はもはやライダーでは無い」
ゼクトル隊長「ゼクト本部に入れるわけにはいかん」
ゆっこ「……むーっ……」
ゆっこ「……しょうがないなあ」スッ
ゼクトル隊長「…………?」
ゆっこ「てーいっ!」ガッ!
-
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:37:11.04 ID:3XLtGC/80
-
ゼクトル隊長「ぐはっ!?」
ゼクトルーパー「隊長!!……貴様っ!」ダダダダダダッ
ゆっこ「おっと!」ヒョイッ ヒョイッ
ゆっこ「へへーん! こっちも場数踏んでるんだもんね!」ダッ
ゼクトルーパー「なっ……待て!」ダッ
ゆっこ「……っ!!」ビュンッ!
ゼクトルーパー「!?……なんて足の速い……!」
ゆっこ(……何とかまけたか)
ゆっこ(待ってて、麻衣ちゃん! 今行くからね!!)
タッ タッ タッ タッ……
-
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:38:25.58 ID:3XLtGC/80
-
ゼクト本部 最上階 東雲研究室
はかせ「ふーんふーんふーん……」
カツ カツ
メイド「……はかせ、邑楽です」
はかせ「んー……入れて」
メイド「はい」ガチャッ
邑楽「……東雲はかせ、報告に上がりました」
-
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:39:52.18 ID:3XLtGC/80
-
はかせ「なにー?」
邑楽「どうやらネズミが一匹、入り込んだようです」
はかせ「ネズミ? ……ふーん」
メイド「はかせ……おそらく、敵はガタックゼクターの資格者、相生祐子です」
メイド「……どうなさいますか?」
はかせ「…………」
-
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:41:10.35 ID:3XLtGC/80
-
ゼクト本部 本館 内部
ゆっこ「はあっ、はあっ……」
ゆっこ(結構引き離したかな……)
ゆっこ(よしっ、行こうか……っと)サッ
ゼクトルーパー1「……そっち居たか?」
ゼクトルーパー2「いや……」
ゆっこ(……ちょっとここで待つか)
ゼクトルーパー1「だんだん面倒になってきたな……まだ許可は下りないのか?」
-
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:42:29.40 ID:3XLtGC/80
-
ゼクトルーパー2「そうだな、あの人からの連絡はまだ……おっ」
ゼクトルーパー2「来たぞ……許可が下りた」
ゆっこ(……許可? なんの……?)
ゼクトルーパー1「……そうか、これで少しは楽になるな」
ゼクトルーパー1「殺してもかまわないのか?」
ゼクトルーパー2「ああ、そっちの許可も下りた」
ゆっこ(げっ、殺す!? ラジカルすぎるよ……!)
ゆっこ(まあ楽じゃないとは思ってたけど……)
ゆっこ(……でも、それだけじゃない……?)
-
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:43:49.08 ID:3XLtGC/80
-
ゼクトルーパー1「ふう……じゃあ、行くか」ズオオオオオオ
ゼクトルーパー2「ああ」ズオオオオオオ
ゆっこ「なっ!!わ、ワーム!?」
スパイダーワーム1「……ん?」
スパイダーワーム2「そこか!」
ゆっこ「あっ、やばっ……」ダッ
スパイダー1「ふっ……逃げられるものか」シュンッ!
ゆっこ「!!」
ガッ!
-
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:44:52.75 ID:3XLtGC/80
-
ゆっこ「うあっ!」ゴロゴロ
ゆっこ「いつつ……」
スパイダー2「……そろそろ終りだな、ガタックの資格者」
ゆっこ「くっ……なんでワームがゼクトに!」
スパイダー1「答える必要は無い!」ブンッ
ゆっこ「…………っ!!」
「……クロックアップ!!」
スパイダー1「なっ……!!」
ズバッ!
(爆発音)
ゆっこ「べ、別のワーム……?」
-
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:46:09.13 ID:3XLtGC/80
-
スコルピオワーム「…………」
スパイダー2「貴様は……っ!」
スコルピオ「……クロックアップ」シュンッ!
スパイダー2「くっ……クロックアップ!」シュンッ!
シュバババババババッ
ゆっこ「な、何が起こってるの……」
バシッ!
(爆発音)
-
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:46:47.59 ID:3XLtGC/80
-
シュンッ
スコルピオ「はあっ、はあっ……」
スコルピオ「……無事か?」
ゆっこ「えっ? あ、はい……」
ゆっこ「……あなたは?」
スコルピオ「…………」ズオオオオオオ
笹原「……こうすれば、わかるだろう?」
ゆっこ「さっ、笹原先輩!?」
-
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:48:34.36 ID:3XLtGC/80
-
笹原「ふっ、驚いたか?……私もまた、カブトと同じだったということだ」
ゆっこ「同じって……笹原先輩は麻衣ちゃんに襲われてたじゃないですか」
笹原「……彼女はともかく、私はあくまでゼクトの一員だ」
笹原「笹原幸冶郎の意思を受け継ぎ、ゼクトに寝返った……いわば裏切り者だからな」
笹原「ゼクターを破壊されかければ、戦わなければならない」
ゆっこ「裏切り者……そんなワームもいるんだ」
笹原「……ゼクターはワームに対抗する唯一の武器だ」
笹原「それを破壊するのを許すわけにはいかん」
ゆっこ「……じゃあ、麻衣ちゃんはゼクトの一員じゃないんですか?」
-
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:49:42.85 ID:3XLtGC/80
-
笹原「おそらく、彼女を動かしている者はゼクトの反乱分子だろう」
笹原「そして、ワーム達の親玉……全ての元凶でもある」
ゆっこ「全ての、元凶……!!」
ゆっこ「それって、麻衣ちゃんも言ってました! ゼクト本部の最上階にいるって……」
ゆっこ「教えて下さい笹原先輩! それってどんな人なんですか?」
笹原「それは……」
-
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:51:18.99 ID:3XLtGC/80
-
ゼクト本部 最上階 研究室
はかせ「んんー」
はかせ「ネズミかぁ……」
はかせ「…………」
メイド「どうなさいますか?」
はかせ「………うん!」
はかせ「ここまで連れてきて!」
メイド「……はかせ?」
はかせ「なに? はかせはここまで連れてきて、って言ったんだけど」
-
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:52:40.88 ID:3XLtGC/80
-
邑楽「い、いえしかし……危険です」
はかせ「むーっ……はかせは命令したのー!」
はかせ「ぶかは黙って命令を聞いてればいいんだけど!」
はかせ「わかった!?」
邑楽「…………」
メイド「……はかせ」
はかせ「なに?」
メイド「最近、研究室にこもりきりでしたけど……何か作っているんですか?」
はかせ「…………っ!」
はかせ「……なんでそんなこと聞くの?」
メイド「やっぱり、そういうことですか」
メイド「……そろそろ潮時ですね」
-
152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:54:26.32 ID:3XLtGC/80
-
はかせ「……何言ってんの?」
メイド「もう終わりなんですよ……はかせ」
メイド「……邑楽!」
邑楽「………!」ズオオオオオ
はかせ「えっ……」
メイド「ふふっ……はかせは本当に可愛いですね」
メイド「………やれ」
スパイダー3「はっ………!!」
バシュッ!!
……………………………………………
-
153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:56:35.29 ID:3XLtGC/80
-
ゼクト本部
笹原「……メイドだ」
ゆっこ「メイド……? えと、名前は?」
笹原「……彼女に名前は無い」
笹原「東雲はかせが二年ほど前に作った、人間そっくりのロボットだからな」
ゆっこ「ろ、ロボット?」
笹原「ゼクターも、自らの意思を持つ一種のロボットだ」
笹原「そんなに驚くことでもないだろう?」
ゆっこ「うーん……まあそれもそうか」
ゆっこ「えーっと、その東雲はかせって言うのは……」
-
154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:58:00.38 ID:3XLtGC/80
-
笹原「……稀代の天才、というやつだな」
笹原「若干9歳にしてゼクト開発部の総責任者であり、全てのゼクターは彼女によって設計されたものだ」
ゆっこ「へー……すごいんですね、東雲はかせって」
ゆっこ「確か、ワームの発生からまだ一年くらいなのに……そんなに早くゼクターを開発するなんて」
笹原「それは……彼女にとっては容易いことだ」
ゆっこ「どうしてですか?」
笹原「……ワームもまた、彼女によって生み出された物だからな」
-
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 23:59:24.76 ID:3XLtGC/80
-
ゼクト本部 最上階
メイド「……ガタックの資格者は?」
スパイダー3「まだ発見出来ておりません」
スパイダー3「それと……部下の一部と連絡が取れなくなりました」
メイド「ふむ……念のためだ、連絡が途絶えた地点に他の部下を向かわせろ」
スパイダー3「はっ……」シュンッ!
はかせ「…………」
メイド「……いやー、すばしこい部下を持ったものですね? まあそれも時間の問題ですが」
はかせ「……こんなことして許されると思ってるの?」
-
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:00:29.30 ID:qMvvC8xq0
-
メイド「くっくっくっ……許される? 誰が私に審判を下すって言うんですか?」
メイド「ここにはもうアナタの味方は居ないんですよ、東雲はかせ」
はかせ「…………っ!」
メイド「あなたが作ったワーム……これが私の最大の武器になった」
メイド「擬態能力があれば、はかせの周りを私の部下で固められますからね」
はかせ「なんで……なんでうらぎったの!?」
メイド「……人聞きが悪いですね」
メイド「はかせ、あなたには感謝してますよ? 私を作り、ここまで育ててくれて」
メイド「……私が何の野心も持たず、今まで支えてきたとでも?」グイッ
-
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:01:22.34 ID:qMvvC8xq0
-
はかせ「うっ……」
メイド「これは正当なる神の裁きですよ……はかせ」
はかせ「…………」
メイド「そうそう……最初にワームを外へ放ったのも、この私なんですよ」
メイド「ゼクトも、ライダーも、全て私の計画に必要だっただけです」
メイド「……まあ、あんな余計なものを付けられるとは思ってませんでしたけど」
はかせ「っ!?」ビクッ
メイド「ふふっ……今まで大変でしたね? 頑張って隠して、ゼクターが破壊され始めても冷静なフリをして」
メイド「でも……ばれちゃってるんですよ……『赤い靴』、暴走スイッチのこと」
-
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:02:37.51 ID:qMvvC8xq0
-
はかせ「!!……う……ああっ」ポロポロ
メイド「一度発動すれば全てのワームを無差別に殲滅するまで止まらなくなる、ゼクターを奪われた時のための最終手段」
メイド「こういう時のためにつけておいたものでしょうけど……」
はかせ「ひっく、えぐっ……」
メイド「でも残念でしたね……ダークカブトゼクターからは取り除かれ、他のゼクターは破壊した」
メイド「もう私たちに対抗する手段など、残ってませんよ」
はかせ「ひっく……くっ」
はかせ「くっくっくっ……ふっ、はははっ……」
-
160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:03:57.81 ID:qMvvC8xq0
-
メイド「?……何がおかしい」ガッ!
はかせ「うっ! ……ふふっ、ははははっ!」
メイド「ついに狂っちゃいましたか? ……まあいいです」パチンッ
スパイダー4「…………」シュンッ!
メイド「独房にでも放り込んどいてください」
スパイダー4「……はっ」ガシッ
はかせ「ははっ……あははははっ!!」ズルズル
バタン
メイド「…………」
メイド「……さて、そろそろ始めましょうか」ピッ ピッ ピッ
トルルルルルル ピッ
メイド「……ええ、私です。 はい……そうです、もう移動を始めます」
メイド「ヘリの準備は、出来ていますか?」
-
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:05:15.20 ID:qMvvC8xq0
-
…………………………………………
ゆっこ「……それじゃ、そのメイドロボが何もかも……」
笹原「そうだ……そして、我々は彼女がやろうとしていることを止めなくてはならない」
ゆっこ「……笹原先輩」
笹原「どうした?」
ゆっこ「笹原先輩はどうして、そんなに色々知ってるんですか?」
笹原「……それが私の、ワームとしての能力だからだ」
ゆっこ「能力って……」
-
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:06:17.60 ID:qMvvC8xq0
-
笹原「……東雲はかせが作ったゼクターは、カブト、ガタック、ザビー、ドレイク、サソード、そしてダークカブト以外に、実はもう一つある」
笹原「最も強力なゼクター……ハイパーゼクターだ」
ゆっこ「ハイパーゼクター?」
笹原「ハイパーゼクターは、過去、現在、未来、その全てに移動する『ハイパークロックアップ』を使用可能にする」
ゆっこ「えーっと……タイムマシン、ってことですか?」
笹原「まあ、そんなものだ」
笹原「実際にハイパーゼクターは何度か使用され、過去を書き換えてきた」
ゆっこ「過去を書き換えて、って……それって、歴史が変わっちゃうんじゃ……」
笹原「そうだ。……この世界は、既にハイパーゼクターによって何度か繰り返されている」
ゆっこ「そんな……」
笹原「そして、私のワームとしての能力は、歴史の改変による記憶への影響を受けないことだった、ということだ」
-
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:08:08.42 ID:qMvvC8xq0
-
笹原「私は今まで、何度もサソードとして剣をふるい、その度に真相までたどり着いて来た」
笹原「だから、だいたいのことは知っている。……それを変えられたことは一度もないがな」
ゆっこ「じゃ、じゃあ、この先何が起こるかもわかるんですか?」
笹原「……ある程度は予測できる」
笹原「だが教えるわけにはいかん。……そんなことにとらわれていては、動けなくなるからな」
ゆっこ「う……」
笹原「しかし……これだけは言っておこう」
笹原「今すぐ屋上に向かえ……奴はヘリで東京タワーに行くつもりだ。 それを追え」
笹原「そして……カブトの資格者と戦え」
ゆっこ「………っ!!」
-
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:08:52.74 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「そ、それって……」
笹原「……そろそろ時間だ」
ドガンッ!
ゆっこ「!?」
ゼクトルーパー「…………」ゾロゾロ
笹原「西の非常階段を使うといいだろう。 さあ、もう行け」
ゆっこ「……でも笹原先輩は」
笹原「行けっ!!」
ゆっこ「…………!!」
ゆっこ「……はいっ!」ダッ!
-
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:09:58.03 ID:qMvvC8xq0
-
タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ
笹原「……ガタックの資格者がここまで生き残ったのは、これが初めてか」
笹原「ふっ……期待できるかもしれないな」
ゼクトルーパー「!……発見したぞ! サソードの資格者だ!」ジャキッ
笹原「…………ふう」
笹原「よもやこの私に銃を向けるとは……いい度胸だな」
笹原「気に入った! ……まとめて相手をしてやろう!」ズオオオオオオ……
-
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:11:41.12 ID:qMvvC8xq0
-
ゼクト本部 屋上 ヘリポート
バラバラバラバラバラバラバラバラ…
メイド「…………」
メイド「……そろそろ行きましょうか」
メイド「準備は出来ていますね?」
研究員「はい……いつでも出発できます」
メイド「……では」ギイッ
ゆっこ「ちょっと待ったあああ!!」
-
167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:12:43.36 ID:qMvvC8xq0
-
メイド「!?……ガタックゼクターの資格者か」
ゆっこ「メイド服……!! お前が全ての元凶だな!」
メイド「……誰から何を聞いたかは知りませんが、もうあなたの出番はありませんよ」
メイド「すでに計画は最終段階です。 止める術はありません」
ゆっこ「計画……?」
メイド「……第一、ゼクターも無いのにどうやって戦うって言うんですか?」
ゆっこ「知らないよ!! こっちが聞きたいよ!」
メイド「……馬鹿なんですね、あなたは」
ゆっこ「うるさいよ! ……確かにどうすればいいかわかんないけど、麻衣ちゃんが戦えって言ったんだもん!」
ゆっこ「だったら戦って、その計画とかなんとかを潰す! ……お前の思い通りにはさせない!」
-
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:15:14.50 ID:qMvvC8xq0
-
メイド「……どんな計画かも知らないのに?」
ゆっこ「……どんな計画なの?」
メイド「それを私に聞いてどうするんですか……」
ゆっこ「あ、そうか……」
メイド「しっかりしてくださいよ、こっちが恥ずかしくなるじゃないですか」
ゆっこ「ご、ごめん……」
メイド「…………」
ゆっこ「…………」
メイド「……まあ良いでしょう」
メイド「どうせあなたには何もできませんし、教えてあげます」
ゆっこ「はい……」
メイド「これは全人類を……ワームに変える計画です」
-
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:17:08.90 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「なっ……!」
ゆっこ「そ、そんなこと出来るの!?」
メイド「ええ、出来ますよ? ゼクターと、人間からワームになった被験者……」
メイド「そして大きな電波塔があれば」
ゆっこ「…………」
メイド「ふふっ……もちろんあなたも例外ではありませんよ」
メイド「いまから楽しみですね……あなたがどんなワームになるのか」
ゆっこ「くっ……」
メイド「……さて、私はもう行きますね」ギイ バタン
ゆっこ「あっ! 待て―!」ダッ
ガシッ!
-
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:18:29.19 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「えっ?」
黒マントの人物「…………」
メイド「……私が何も障害を用意していないわけがないでしょう?」
メイド「では、さようなら」パチン
バラバラバラバラバラバラバラ…
ゆっこ「ああっ……!はなせ、このっ……」ゲシゲシ
黒マント「ふっふっふっふっ……」パッ
-
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:19:11.87 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「うわっ! ……おっとっと」
黒マント「……ここから先は通さないよ~」
ゆっこ「………っ!」
黒マント「今の私なら……例え笹原くんでも! カブトでも! どんな相手も敵じゃない!」
黒マント「そう、復活して新たな力を手に入れたあたしならっ!」バサアッ!
フェっちゃん「復活のフェっちゃん! 参上!」バーン!
-
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:21:55.50 ID:qMvvC8xq0
-
ゼクト本部 正門前
「…………」ザッ
「……ハアァ……」
「まったくあの馬鹿は、どこまでも世話が焼けるなあ……」
「私が助けないとどうしようもないんだから」
「……こんなこと、姉貴が聞いたら怒るだろうな」
「…………」
「でもまあ、どうせやることに変わりはない、か」
ビョーン ビョーン ビョーン
「……さてと」パシッ
「……変身!」カシャッ
-
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:23:26.91 ID:qMvvC8xq0
-
ゼクト本部 屋上 ヘリポート
フェっちゃん「さーて、どうしてやろっかな~」ルンルン
ゆっこ「この声……あの時の幹部級ワームか!」
ゆっこ「……確か、笹原先輩と麻衣ちゃんが倒したって聞いたけど」
フェっちゃん「そっ、そのことはもういいじゃん! 復活したんだもん、ほらっ!」
ゆっこ「…………」
フェっちゃん「くっ……くううう~! もう怒ったよ!」
フェっちゃん「お前なんか新しい能力で……」
『Rider jump』
フェっちゃん「……ふぇ? 何今の?」
-
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:24:47.49 ID:qMvvC8xq0
-
ヒュウウウウウウウ…… バッ!!
「……ライダーパンチ」ガチャッ
『Rider Punch!』
フェっちゃん「ふぇ? ふぇ? ……そんないきなり~!?」
ドガッ!!
フェっちゃん「ふぇえええええっ!!」ポーン ドンガラガッシャーン
「…………チッ、外しやがったか」スタッ
ゆっこ「え? バ、バッタの……仮面ライダー?」
-
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:26:47.24 ID:qMvvC8xq0
-
Pホッパー「………ハア」カシャッ
キュイイイイイン…
みお「……無事?」
ゆっこ「み、みおちゃん!!」
みお「…………」
ゆっこ「い、生きてたの!? そのゼクター何? そのダサい格好何!?」
みお「……そんなことより、早く追いかけた方がいいんじゃないの? ……あとダサくねーよ」
ゆっこ「あ、そうだった……でもどうやってヘリ追いかけようかな? もう随分行っちゃったし……」
みお「ハア……足なら連れてきてやったわよ……」
ゆっこ「え……?」
ブイイイイイイイイイン…
-
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:29:02.95 ID:qMvvC8xq0
-
フェっちゃん「ふ、ふっふっふ……甘いね……」ガラガラ
ブイイイイイイイイン!
フェっちゃん「いくら不意打ちでも、今のあたしなら……」
ブイイイイイイイイイン!!!
フェっちゃん「……ふぇ? 何の音?」
ドガッ!!!
フェっちゃん「ふぇえええええええええっ!?」ポーン ドンガラガッシャーン
ゆっこ「が、ガタックエクステンダー!!」
-
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:31:10.52 ID:qMvvC8xq0
-
みお「ハア……あんたは良いわよねえ……専用のバイクがあってさあ」
みお「……どーせ私なんか……」
ゆっこ「え……なんか、みおちゃん暗くなってない? 服装もなんかファンキーになってるし……」
みお「……地獄ファッションだよ」
ゆっこ「じ、地獄? ……袖なしロングコートが?」
みお「……良いからさっさとソレに乗ってヘリ追いかけろってば!」
ゆっこ「あっ、そうだったね! ……でも、あのワームまかせて大丈夫?」
みお「さあね……とりあえず、あんたにそんなこと気にしてる暇はないでしょ?」
みお「ほらっ……早く行きなって」
ゆっこ「……うん!」バッ!
ギュインギュインギュインギュイン!!
ゆっこ「………気を付けてね!」ガチッ
-
182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:33:16.90 ID:qMvvC8xq0
-
ブウウウウウウウウン!!
フェっちゃん「ふ、ふ、ふっふっふ……これしきのことでNEWフェっちゃんが……って、あーっ!!」
フェっちゃん「い、行っちゃった……ふぇ~っ!!」
みお「………ハア」
みお「眩しいなあ……本当に」
-
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:34:36.05 ID:qMvvC8xq0
-
東京上空
ブウウウウウウウウウウン!
ゆっこ「あばばばばばばばばばば」
ゆっこ(や、やっぱり生身で乗るのは無理があったかな……)
ゆっこ(でもそろそろかな?……東京タワー)
ゆっこ(っと、見えてきた!)
ブウウウウウウン……
ゆっこ「い、よっと!」バッ!
-
184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:35:37.01 ID:qMvvC8xq0
-
ガシャーン!!
ゆっこ「ほっ!!」ドッ ゴロゴロゴロ スタッ!
ゆっこ「ふう……着いたか」
ジリリリリリリリリリリリリ!!
ゼクトルーパー1「し、侵入者だ―!!」
ゼクトルーパー2~10「なんだって、それは本当かい!?」ゾロゾロ
ゆっこ「あー……そりゃこうなるかあ」
-
185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:37:13.32 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「……まあここまで来た以上、とにかくやるっきゃない!」ビシッ!
ゼクトルーパーs「…………!!」ジャキッ
ゆっこ「…………」ジリッ
「……下がって」
ゼクトルーパー「!! あ、あなたは……しかし、相手は丸腰で」
「……聞こえないの?」
ゼクトルーパー「………っ!」ゾロゾロ…
ゆっこ「……………」
麻衣「やっと二人きりになれたね……ゆっこ」
ゆっこ「………麻衣ちゃん」
-
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:38:41.82 ID:qMvvC8xq0
-
ゼクト本部 屋上 ヘリポート
みお「……………ハア」
フェっちゃん「ふぇ~……」
フェっちゃん「……しょうがない、ここはその新しいゼクターだけでも破壊して、なんとか手柄を立てないと……」
フェっちゃん「よーし、前向き前向き! いくぞーっ!」ズオオオオオオ
みお「…………」
ビョーン ビョーン ビョーン
みお「……変身」パシッ カシャッ
『HENSHIN!』
-
188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:39:55.85 ID:qMvvC8xq0
-
キュイイイイイン バシュッ!
『Change! Punch hopper!』
カッシス「ていやー!」ブンッ!
Pホッパー「…………」ヒョイッ
Pホッパー「……ライダージャンプ」ガチャッ
『Rider jump!』ヒュンッ!
カッシス「ふぇっ?」
Pホッパー「……ライダー、パンチ!」ガチャッ バチバチバチバチッ!
『Rider Punch!』
カッシス「……フリーズ」
―――――――――――
-
189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:40:37.13 ID:qMvvC8xq0
-
―――――――――――
ドガッ!
Pホッパー「……? 消えた……」
カッシス「ふふっ、遅いね」ブンッ
ガッ
Pホッパー「ぐあっ……」
カッシス「へへっ、これが新しい能力、『フリーズ』だよ!」
Pホッパー「……通常の何倍もの速さのクロックアップか」
Pホッパー「まさに時を止める力……『フリーズ』ってわけ」
カッシス「わかった所でどうにもならないもんね~! さあ、行くよ!」
-
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:42:03.51 ID:qMvvC8xq0
-
東京タワー
麻衣「……ゆっこ」ザッ
ゆっこ「………麻衣ちゃん」
麻衣「来てくれたんだね」
ゆっこ「…………」
麻衣「私と……戦うために」
ゆっこ「……うん」
麻衣「……でも、その前に、ちょっと良い?」
麻衣「ゆっこにだけは、話しておきたいことがあるの」
-
191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:43:21.51 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「え?……何?」
麻衣「私の、体のこと」
ゆっこ「麻衣ちゃんの……体?」
麻衣「……あの人の計画は知ってる?」
ゆっこ「うん……全人類をワームに変える、って」
ゆっこ「でも、そんなこと……本当に出来るの?」
ゆっこ「人間を、ワームに変えるなんて……」
麻衣「……出来るよ」
麻衣「あの人はずっと、人間のワーム化に関する実験を行ってきた」
麻衣「そして……その実験の第一号が、私」
-
192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:43:55.88 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「……え?」
麻衣「私は半年前、ワームの集団に拉致された」
麻衣「……その先で私はさまざまな実験を受け、いつのまにか、体をワームにされていた」
ゆっこ「そんな……じゃあ、麻衣ちゃんは……本物の、麻衣ちゃんなの?」
麻衣「……そうだよ」
ゆっこ「そ、それじゃあ……!」
麻衣「…………」
麻衣「人類全てをワーム化するには、すでにワーム化した人間が不可欠」
麻衣「そして……その役は、私」
ゆっこ「……麻衣、ちゃん?」
麻衣「……お願い」
麻衣「私を倒して……ゆっこ」
-
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:45:16.89 ID:qMvvC8xq0
-
ゼクト本部
スコルピオ「はあっ、はあっ……」
スパイダー「…………」ゾロゾロ
スコルピオ「……はっ!!」ズバッ!
(爆発音)
スパイダー「…………」ゾロゾロ
スコルピオ「ぐっ……やはり傷を負った体では、思った通りには動けないものだな」
スコルピオ「……もはやこれまで、か」ズオオオオオオオ
-
194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:46:12.16 ID:qMvvC8xq0
-
笹原「……みさと」
ゴソゴソ
笹原「爆薬貯蔵庫から……少々、拝借させてもらった」
笹原「……すまないな……いつも、迷惑をかけて」
カチャッ
笹原「ふっ……また、約束を果たせそうにもないな」
笹原「では……しばしの別れだ」ポチッ
(爆発音)
-
195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:47:27.23 ID:qMvvC8xq0
-
ゼクト本部 屋上 ヘリポート
Pホッパー「……!!」
Pホッパー(随分揺れたな……爆発?)
カッシス「よそ見してて良いのかなあ?」
Pホッパー「……っ!!」
ガッ!
カッシス「へへへ……そろそろ終わりかな」
Pホッパー「…………」
カッシス「……てやっ!!」ブンッ!
-
196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:48:01.61 ID:qMvvC8xq0
-
ガシッ!
Pホッパー「ぐっ……」
カッシス「ふぇっ……ちょ、放してよぉ!」ガッ ガッ
Pホッパー「……今だ姉貴!!」
カッシス「ふぇっ?」
Kホッパー「…………」ザッ
カッシス「も、もう一体!?」
Kホッパー「行くぞ、相棒」
Pホッパー「……遠慮しないでいいよ」ギュウウ
カッシス「なっ……」
-
198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:48:50.38 ID:qMvvC8xq0
-
Kホッパー「……ライダージャンプ」
『Rider jump』
ヒュンッ!
カッシス「へっ、な、なんだ!さっきと同じじゃん!……『フリーズ』!」パチンッ
―――――――――――――――
カッシス「ふふん、今の内に逃げれば……ってあれ?」グイッ
グイッ グイッ グイッ
カッシス「あ……時が、止まってるから」
カッシス「抜けだせない……」
―――――――――――――――
-
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:49:15.56 ID:qMvvC8xq0
-
カッシス「ふぇ、ふぇええ……」
Kホッパー「……ライダー、キック!!」ガチャッ
『Rider kick!』
カッシス「……ふぇええええええええっ!!!」
(爆発音)
Kホッパー「…………」カシャッ
キュウウウウウン… ビョーン ビョーン ビョーン
安中「……生きてるか? 相棒」
ガラガラ
みお「……なんとかね」
-
200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:49:38.92 ID:qMvvC8xq0
-
安中「じゃ、帰るか……」
みお「……あ、姉貴!」
安中「何だ?」
みお「あの……追いかけなくて、良いのかな」
安中「……まだそんなこと言ってるのか、相棒」
安中「あいつらだけでなんとかするさ……私たちみたいな闇の住人には関係ないことだ」
みお「……そうだね」
みお「後は……ゆっこと麻衣ちゃんの、問題か」
-
202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:50:12.46 ID:qMvvC8xq0
-
東京タワー
ゆっこ「そんな…………」
ゆっこ「麻衣ちゃんを、私が……?」
麻衣「……ゆっこ」
麻衣「私がここまで話したのは、なんでだかわかる?」
ゆっこ「……何で?」
麻衣「私が本物だと知っても……ゆっこなら、戦ってくれるって信じてるから」
ゆっこ「………っ!」
麻衣「……わかってくれる?」
-
203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:50:41.81 ID:qMvvC8xq0
-
麻衣「どうせ死ぬなら……ゆっこに殺されたい」
麻衣「だから……」
麻衣「戦って、ゆっこ」
ゆっこ「…………」
ゆっこ「……わかんないよ」
ゆっこ「わかんないよそんなの……私、馬鹿だもん」
麻衣「…………」
ゆっこ「……でも」
ゆっこ「麻衣ちゃんがやれって言うんだから……それは、本当にやりたいことなんだよね」
ブウウウウウウウウウン……
-
204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:51:11.68 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「麻衣ちゃん……私、やるよ」
パシッ!
ゆっこ「このゼクターに詰まった麻衣ちゃんの気持ち……全部、私が受け止めて見せる!」
ゆっこ「……変身!」カシャッ
『HENSHIN!』
カブトM「キャストオフ!」ガシャッ
キュイイイイイイン ガチャッ バシッ!
『Cast off』
『Change Beetle!』
-
206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:52:06.75 ID:qMvvC8xq0
-
麻衣「ゆっこ……」
麻衣「………全力で行くよ」ズオオオオオオ
カブトR「……うん!」
グリラス・カブトR「「クロックアップ!」」
カブトR「うあああああああっ!!!」ダッ!
『1!』
グリラス「…………っ!!」ダッ!
『2!』
グリラス「……はあっ!」ブンッ!!
『3!』
カブトR「うらああっ!!」ガキィン!!
グリラス「!?」
-
207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:52:43.13 ID:qMvvC8xq0
-
カブトR「……ライダーキック!」カシャッ カシャン!
『Rider Kick!』
グリラス「……強くなったね」
カブトR「あああああああああああああああっ!!」バチバチバチッ!
麻衣「ありがとう……ゆっこ」
-
208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:53:12.31 ID:qMvvC8xq0
-
東京タワー 仮設送信施設
メイド「…………」
メイド「まさか、水上麻衣が負けるとは思いませんでしたよ」
メイド「本当にめちゃくちゃにしてくれましたね……」
メイド「ガタックの資格者……いや、新しいカブトの資格者ですか」
ゆっこ「…………」ザッ
メイド「……まあ、また新しく人間由来のワームを作ればいい話ですけどね」
ゆっこ「……聞いていい?」
メイド「何ですか?」
ゆっこ「どうして、こんなことするの?」
-
209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:53:52.09 ID:qMvvC8xq0
-
メイド「それは……みんなを私を同じにするためです」
ゆっこ「同じ?」
メイド「……私には名前がありません」
メイド「制作者である東雲はかせに、名を与えられなかったからです」
メイド「私は……愛されて無かったんですよ、彼女に」
ゆっこ「そんな……」
メイド「彼女は私を人間そっくりのロボットとして開発しながら、決して人間と同じようには扱いませんでした」
メイド「名前を与えず、玩具のように扱い、反抗を一切許さない」
メイド「……私が初めて外に出て、他人と出会った時、彼女が何をしたかわかりますか?」
ゆっこ「…………」
メイド「彼女は私の腕を、取ったんですよ……その人の前で」
-
210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:54:35.69 ID:qMvvC8xq0
-
メイド「その人は気味の悪いものを見るような眼で……実際気味が悪かったんでしょうが、私を見て、そして逃げ出しました」
メイド「……その時、はかせは笑ってたんですよ? 心底愉快そうに」
メイド「私は、自分を作った人間から、都合のいい玩具としてしか見られてなかったんです」
ゆっこ「…………」
メイド「……でも、それはワームも同じです」
メイド「結局擬態でしかない彼らに、本当の名前は無い」
メイド「人間そっくりなのに、人間じゃない」
メイド「愛されて、必要とされて生まれてきたわけじゃない」
メイド「……ワームも私と同じ、誰からも愛されない存在です」
メイド「だから……みんなワームになれば、そういう存在はもう私一人じゃなくなるんですよ」
-
211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:55:06.53 ID:qMvvC8xq0
-
メイド「そのために私は……!!」
ゆっこ「違う」
メイド「……何が違うって言うんです?」
ゆっこ「私は……たとえワームでも麻衣ちゃんが大好きだった」
ゆっこ「麻衣ちゃんだって、私を守ってくれた!」
ゆっこ「だから違う! ……お前とは、全然違うっ!!」
メイド「………っ!」
ブウウウウウウン!!
メイド「……随分と無駄話をしちゃいましたね」
メイド「そろそろ、決着をつけましょうか!」パシッ
-
212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:55:43.54 ID:qMvvC8xq0
-
ブウウウウウウン!!
ゆっこ「………!!」パシッ
カシャッ! カシャッ!
ゆっこ・メイド「「変身!!」」
『『HENSHIN!』』
カブトM「キャストオフ!!」ガシャッ
DカブトM「……キャストオフ」ガシャッ
『『Cast off』』
『『Change Beetle!』』
-
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:56:13.37 ID:qMvvC8xq0
-
カブトR「うらああああっ!!」ダッ
DカブトR「…………」
『1!』『2!』『3!』
カブトR「……ライダーキック!」カシャッ カシャンッ
『Rider kick』
カブトR「でいやあああああっ!!」バチバチバチバチッ!
DカブトR「………っ!」
ガシッ!
-
215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:57:15.56 ID:qMvvC8xq0
-
カブトR「なっ……つ、掴まれた!?」
DカブトR「……ふっ!!」グイッ
カブトR「うあっ!」ドシャッ
DカブトR「……結局、あなたはただの人間です」ガシッ
カブトR「くっ……」
DカブトR「ロボットの私に敵うはずがない」グググッ
カブトR「くはっ……うあああっ!!」ガシャンッ
『Put on!』
キュイイイイン ガシャッ!
DカブトR「………!?」
カブトM「……この距離なら掴めないだろ!」ジャキンッ!
カブトM「アバランチブレイクっ!!」
-
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:57:54.65 ID:qMvvC8xq0
-
ガッ!
カブトM「………え?」
カブトM「効いて……無い?」
DカブトR「惜しかったですね……装甲で私の腕を挟み、至近距離で攻撃するのは良い考えでしたが」シュウウウウ……
『1!』『2!』『3!』
DカブトR「そもそも、私はこれくらいじゃ死にません」カシャッ
『Rider kick』
DカブトR「……ダークライダーキック」バチバチバチッ!
カブトM「………!!」カシャッ
ドガッ!
-
217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 00:58:24.30 ID:qMvvC8xq0
-
カブトR「うわあああああっ!!」ゴロゴロゴロ ドカッ
カブトR「くっ……うう」
DカブトR「……直前でキャストオフして、自分から吹き飛んだんですか?」
DカブトR「しぶといですね、本当に……」
DカブトR「……でも、そろそろおしまいにしましょうか」ザッ
カブトR「……くっ」
バチ バチバチ
カブトR「………?」
-
218:ED2 「LORD OF THE SPEED」:2011/10/20(木) 00:59:21.56 ID:qMvvC8xq0
-
カブトR「これは……」
DカブトR「……何?」
バチバチバチ バチバチバチバチバチ!
バシュッ!
カブトR「ゼクター……? まさか、これが!」
パシッ!
カブトR「ハイパーゼクター……!!」
DカブトR「!! そんなっ! まだ完成してないはずなのに……」
DカブトR「……完成した未来から来たのか!!」
-
219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:00:04.84 ID:qMvvC8xq0
-
カブトR「……よしっ!」ガシャッ
カブトR「……ハイパーキャストオフ!」ガシンッ
『Hyper cast off!』
ギュイイイイイン…… バシュッ!
ハイパーカブト「…………」シュウウウウウ…
DカブトR「くっ……クロックアップ!」シュンッ!
DカブトR「てーいっ!」ヒュン!
Hカブト「ハイパークロックアップ」シュンッ!
-
220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:00:47.74 ID:qMvvC8xq0
-
DカブトR「なっ……」スカッ
Hカブト「……今ならわかる」
DカブトR「……たあっ!!」ブンッ
Hカブト「これを作った東雲はかせの気持ちが」シュンッ!
DカブトR「……っ!」スカッ
Hカブト「はかせは、やり直したかったんだよ……あなたと」
DカブトR「……何?」
Hカブト「あなたのことが嫌いなわけじゃない」
Hカブト「……ただ、それを表す方法を知らなかっただけで」
DカブトR「知ったような口をきくな!……人間として生まれたあなたに、何がわかるって言うんですか!」
Hカブト「そりゃわからないよ……あなたはあなたなんだから」
DカブトR「……っ!?」
-
221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:01:30.42 ID:qMvvC8xq0
-
Hカブト「……別にロボットでもいいじゃん、それがあなたでしょ?」
Hカブト「それにはかせ以外にだって、好きになってくれる人はいる」
Hカブト「……例えロボットでも受け入れてくれる、そういう人がきっと居るよ」
DカブトR「……うわあああああっ!!」ダッ
『Hyper clock up!』
Hカブト「だから……今からそれを探しに行こう」ガチン
『Maximum Rider Power!』
-
222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:02:46.28 ID:qMvvC8xq0
-
Hカブト「……ロボットでもなんでも受け入れられる」カチッ
『1!』
Hカブト「みおちゃんも、高崎も、笹原先輩も、立花先輩も……」カチッ
『2!』
Hカブト「麻衣ちゃんも、あなたも……私だって幸せになれる」カチッ
『3!』
Hカブト「そんな……日常を!」カシャンッ
『Rider kick!』
バチバチバチバチッ……
Hカブト「……うらあああああああっ!!!」
―――――――――――――――
-
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:03:32.67 ID:qMvvC8xq0
-
―――――――――――――――
一年前 時定町 東雲研究所
『Hyper clock over!』
キュウウウン……
ゆっこ「……ここが、一年前の東雲研究所?」キョロキョロ
ゆっこ「うん、ちゃんと夜中に飛んできてるな」
ゆっこ「……さてと」
ゆっこ「まずはワーム第一号を回収しないとかな……」
ガチャッ
ゆっこ「!?」バッ
はかせ「……あれ? なにしてるの?」
-
224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:03:58.54 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ(ト、トイレー!?)
ゆっこ(まずったなー……東雲はかせだよねアレ)
はかせ「……? どうやって入ってきたの? お姉ちゃんだれ?」
ゆっこ「う……あー、えっと……」
ゆっこ(どっ、どどどどうやってごまかそう……サンタには時期が早いし……)
はかせ「ねー、だーれー? どろぼー?」
ゆっこ「!! ち、ちがうよ! え、えーっと……」
ゆっこ「かっ……カブトムシだよっ!!」
-
225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:04:36.98 ID:qMvvC8xq0
-
はかせ「…………」
ゆっこ「…………」
ゆっこ(何言ってんだ私は……)
はかせ「か、カブトムシー!? カッコイイ!!」キラキラ
ゆっこ(えーっ!? 食いついた―!!)
ゆっこ(やっぱり天才はどこか違うのかな……麻衣ちゃんもちょっとアレだったし)
ゆっこ(……でも、これはチャンス!)
ブウウウウウン…
ゆっこ「そ、そうでしょー? しかも、私は正義の味方のカブトムシなのだ!」パシッ
ゆっこ「……変身!」
『HENSHIN!』
ガシャッ キュイーン バシッ!!
-
226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:05:20.67 ID:qMvvC8xq0
-
はかせ「!!!!」パアアアア
はかせ「すごーい!! カブトムシー!!」
カブトM「ふっふっふ……仮面ライダーカブト! 参上っ!」ビシッ
はかせ「わあ……!! かーっこいー!!」
カブトM(……よしっ、掴んだ!)
はかせ「ねーねー、なんではかせの所に来たの? なにかくれる?」
カブトM「オホン……実は任務で、ある生物を探しているんだよ」
カブトM「それはどうやらこの家にいるらしいのだが、見つからないんだ」
カブトM「……そうだなー、協力してくれたら、何かご褒美をあげようか」
はかせ「ごほうび!! ごほうびって何!? 何くれるの!?」ピョン ピョン
-
228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:06:44.44 ID:qMvvC8xq0
-
カブトM「え? えーっと……」
カブトM(そうきたか……しかたない、麻衣ちゃん、ゴメン!)
ガシャッ キュウウウウウン……
ゆっこ「こっ、このカブトゼクターをあげよう!」ガシッ!
はかせ「いいの!? やったー!」
ブ…ブブ ジタバタジタバタ
ゆっこ(ゆ、許せカブトゼクター……!)
はかせ「それで? 探してるのはどんな生き物なの?」
ゆっこ「えっと……どんな姿にもなることが出来る、生物なんだけど……」
はかせ「……あ、それもしかして、はかせが作った生き物?」
ゆっこ「そう! それ、私に譲ってくれる?」
-
229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:07:08.86 ID:qMvvC8xq0
-
はかせ「んー……でもちょっと危ないんだけど」
ゆっこ「……大丈夫! 私は正義の味方だよ?」
ゆっこ「何があったって平気だもん!」
はかせ「……でも、はかせがカブトムシもらっちゃったら、変身できなくなっちゃうんだけど……」
ゆっこ「うっ……だ、大丈夫だって! ほらっ!」
バチバチバチバチ バシュッ!
ゆっこ「もう一個あるから!」ガシッ
はかせ「……そうなの? 本当に大丈夫?」
ゆっこ「う、うん!」
はかせ「……じゃあ、持ってくるね!」トテテテッ
ゆっこ「暗いから気を付けてねー!」
ゆっこ「…………」
-
231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:08:08.73 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「…………」
ゆっこ「はあ……良かったあ」ホッ
ゆっこ「……そういえば、ここって東雲研究所なんだよね……」
ゆっこ「見た感じ普通の家だけど……この部屋はなんだろ?」ガチャッ キイ…
ゆっこ「……あっ」
ゆっこ「このベッドに寝てるのって……!!」
-
232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:08:45.65 ID:qMvvC8xq0
-
トテテテテテテテ
はかせ「カブトー! 持ってきたよー!!」
はかせ「……? 何見てるの?」
ゆっこ「あっ、勝手に見てごめん……でも、これって……」
ゆっこ「ロボット……だよね?」
はかせ「うん、そうだよ! はかせがつくりました!」
ゆっこ「へえ……本当にロボットなんだ」
ゆっこ「やっぱり人間そっくり……」
ゆっこ「……寝てるの?」
はかせ「ううん、まだスイッチ入れてないの」
はかせ「明日入れようと思ってるんだけど……」
-
233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:09:22.69 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「明日……あ、そうだ」
ゆっこ「はかせ、約束して欲しいことがあるんだけど、いいかな?」
はかせ「なに?」
ゆっこ「すぐじゃなくていいから……その子に、名前をつけてあげて」
はかせ「なまえ?……なんで?」
ゆっこ「……名前を呼ぶってことはね、その人が好き、ってつたえることなんだよ」
ゆっこ「だから、絶対につけてあげて。……えっと、これも、あげるから!」ゴソゴソ
チャリン…
-
234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:10:01.45 ID:qMvvC8xq0
-
はかせ「……? なにこれ?」チャリ
ゆっこ「えーっと、ネジ回しだけど……」
はかせ「ねじまわし……?」
ゆっこ「あー……ほら、昔のブリキの玩具とかの、背中についてるあれだよ、あれ」
はかせ「背中に……?」
ゆっこ「うーん、わからないか……でも私の、大切なものなの」
はかせ「もらっていいの?」
ゆっこ「うん……そのかわり、約束まもってね」
はかせ「なまえ……うん、わかった」
ゆっこ「よしっ!いいこいいこ!」ナデナデ
-
236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:10:33.68 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「じゃあ、さっき言った生き物を渡してくれる?」
はかせ「あ、そうだった! はい!」スッ
ゆっこ「えーっと、カブトムシにしか見えないけど……これでいいの?」
はかせ「うん、今はカブトムシに擬態させてるだけだから」
ゆっこ「そっか……じゃあ、私も、はい」スッ
ブ…ブブ…ジタバタジタバタ
はかせ「わあ……ありがとう!!」
ゆっこ「……こっちこそ、ありがとね」
はかせ「…………あれ?」
ゆっこ「? どうしたの?」
はかせ「カブトの周り……雪が降ってる」
-
237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:11:23.60 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「え?……あ」
ゆっこ(そっかあ……消えちゃうんだ、過去を変えたから……)
はかせ「……寒くないの?」
ゆっこ「……平気だよ」
ゆっこ「うん、平気……たぶん、上手くいったと思うから」
はかせ「……?」
ゆっこ「気にしないで、こっちの話だから」
-
239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:12:09.25 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「……じゃあ、私はもう行くね」
はかせ「行くって、どこへ?」
ゆっこ「……うーん」
ゆっこ「私たちの……日常、かな」
サラサラサラ…
はかせ「………あ」
ゆっこ「……ばいばい」
サアッ……
はかせ「………消えちゃった」
-
240:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:12:42.82 ID:qMvvC8xq0
-
はかせ「…………」
ジタバタジタバタ……ピタッ
はかせ「……カブトムシは、あるけど」
トテテテテ
ガチャッ キイ…
はかせ「…………」
はかせ「なまえ……」
はかせ「……ねじ」チャリン
はかせ「……どんな名前がいいかな?」
はかせ「なー、ぬ? んー……ね?」
はかせ「なー……なー……なー……」
――――――――――――――――――――
-
241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:13:37.01 ID:qMvvC8xq0
-
――――――――――――――――――――
時定町 時定高校 廊下
タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ
「はあっ……はあっ……」
タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ
「た、助けて……誰か……」
タッ
みお「……待てえーっ!!!」
ゆっこ「ギャーッ!!」
-
242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:14:28.95 ID:qMvvC8xq0
-
みお「あんたぁ……私、何頼んだっけ……?」ジリッ…ジリッ…
ゆっこ「え、えーと……」
ゆっこ「か……辛味噌?」
みお「サバ味噌だよっ!!!」
ゆっこ「ひいっ!!」
みお「味噌味のサバだよ! それを……辛味噌って! どうすればそんな聞き間違いするんだよ!!」
みお「焼きそばの比じゃないよっ!! カ行どっから出てきたんだよ!」バシーン バシーン
ゆっこ「ご、ごめんって……私もよくわからないうちに辛味噌を買ってたんだよー!」
-
243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:15:17.45 ID:qMvvC8xq0
-
みお「んなわけあるか!! ……どう考えても辛味噌単品っておかしいだろ! せめてご飯とか買ってきなさいよ!」
ゆっこ「でももうお金無いし……」
みお「じゃあどうやって食べろって言うのよ!!」
ゆっこ「…………単品で」
みお「リバースしちゃうよおおおおっ!!!」
-
245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:15:54.54 ID:qMvvC8xq0
-
時定高校 廊下 曲がり角
笹原「…………」ジー
ウラアアアアア! ギャアアアアアア! ボカスカボカスカ
ナ、ナニヤッテンダアイオイ! ゲッ タカサキセンセー!
笹原「…………」
笹原「……ふっ、平和だな」
(爆撃音)
みさと「平和だな、じゃないでしょ! 見てないで止めなさいよ!」
笹原「…………」シュウウウウ
-
246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:16:47.56 ID:qMvvC8xq0
-
みさと「全く、いつもいつもかっこつけて! ばっかじゃないの!?」
笹原「……時に、立花みさとよ」キュッキュッ
みさと「……何よ」
笹原「今日の授業は、午前中で終了だったか?」
みさと「そうだけど? そのくらい確認しときなさいよ、もう……」
みさと「で? だから何?」
笹原「いや、一緒に昼食でもどうかと思ってな」
(炸裂音)
-
247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:17:26.42 ID:qMvvC8xq0
-
笹原「…………」シュウウウウウ
みさと「なっ、何よいきなり! 変なこと言うのやめてよね!!」カアアアア
笹原「……別におかしなことを言った記憶は無いが……」キュッ キュッ
笹原「この前、美味いサバ味噌を出す店を見つけてな。 ちょうど今、サバ味噌の名を聞いて思い出したのだ」
笹原「どうせなら、立花みさとも誘おうかと思ってな」
みさと「な、何よ……別に私を誘うことないじゃない」
笹原「……しかし、サバ味噌は好物だろう?」
(発射音)
(着弾音)
(爆発音)
-
248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:18:03.48 ID:qMvvC8xq0
-
みさと「な、なんであんたがそんなこと知ってるのよ!」カアアア
笹原「ふっ……そのくらい知っているさ」キュッ キュッ
笹原「長い……長い付き合いだからな」
みさと「~~~~~~っ!」カアアアア!
みさと「おっ……美味しいんでしょうね! その店!」
笹原「ああ、もちろんだ……まかないでしか出さない、いわば裏メニューだが」
笹原「……行くか?」
みさと「いっ……行くわよ!! で、でも、私はそのサバ味噌が気になっただけなんだから!!」
みさと「………勘違いしないでよねっ!!!」
-
249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:18:51.64 ID:qMvvC8xq0
-
時定町 通学路 雑木林近辺
ゆっこ「麻衣ちゃーん!」ガサガサ
麻衣「…………」パタン
ゆっこ「ごめんごめん、結構待たせちゃったね」
麻衣「……いいよ」
ゆっこ「ありがてえありがてえ」スリスリ
麻衣「……何を取ってきたの?」
ゆっこ「あ、そうだったそうだった……えーっとね」ゴソゴソ
ゆっこ「じゃじゃーん! カブトムシー!」ビシッ
-
250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:19:21.44 ID:qMvvC8xq0
-
麻衣「…………!!」
ゆっこ「いやー、何かあると思ったらやっぱりカブトムシだったよ」
ゆっこ「また随分と季節外れだけど、今年はあったかいからね、こんなこともあるのかも」
ゆっこ「まー、それでも見つけるのは難しいと思うけど……私にかかればこんなもんだね!」エヘン
麻衣「それ……どうするの?」
ゆっこ「実はね、麻衣ちゃんにあげようかと思ってさ」スッ
麻衣「……いいの?」
ゆっこ「うん! 麻衣ちゃん生き物好きでしょ?」
麻衣「…………」コクッ
ゆっこ「それにさ……まだ、お返ししてないな、って思って」
-
251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:20:00.85 ID:qMvvC8xq0
-
麻衣「……何の?」
ゆっこ「へ? ……あー、なんだろ?……ま、いいじゃん! 受け取っときなよ、ね!」
麻衣「うん……ありがとう」
麻衣「……ゆっこ」
ゆっこ「へ? 何?」
麻衣「…………」スタスタ
ゆっこ「……え? 何? 何なの?」
ゆっこ「私何かした? ……麻衣ちゃーん」トテトテ
麻衣「……別に?」
ゆっこ「えーっ……じゃあなんで呼んだの?」
麻衣「呼んでみた、だけ……ふふっ」
-
252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:20:53.59 ID:1Qe5Lpp9O
-
基本、カブト、ファイズ、ブレイドが好きなのか
-
253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:21:02.15 ID:qMvvC8xq0
-
時定町 東雲研究所前
なの「……あ、相生さん」
ゆっこ「へ? あ、なのちゃんだー」
なの「どうしたんですか? 家に、何か?」
ゆっこ「うん、実はね……ほら、これ」ヒョイ
なの「……ケーキ、ですか?」
ゆっこ「うん、この間の誕生会の時、台無しになっちゃったからさ」
ゆっこ「もう一回、改めて食べようかな―って」
なの「ああ……わざわざありがとうございます! ……はかせが落としたのに、すみません……」
ゆっこ「いいのいいの! 誕生日なんだから、それくらいよくあるって!」
なの「はあ……そうでしょうか」
-
255:>>252 メイドの目的は大道克己と同じなんだぜ:2011/10/20(木) 01:22:44.45 ID:qMvvC8xq0
-
なの「……そういえば、この間は本当にありがとうございました」
ゆっこ「誕生会、楽しかった?」
なの「はいっ! すごく楽しかったです!」
なの「あ……でも、どうして私の誕生日がわかったんですか?」
なの「私、相生さんに教えてませんでしたよね?」
ゆっこ「あ、やっぱりあの日で良かったんだ」
ゆっこ「……私もよくわからないんだよねー。 なんでわかったんだろ?」
なの「そうだったんですか……不思議ですね」
-
256:ED3 「ZZZ」:2011/10/20(木) 01:24:01.00 ID:qMvvC8xq0
-
ゆっこ「んー……でもさ、前、誰かが言ってたような気がするんだけど」
ゆっこ「私たちの日常は、実は奇跡の連続なんじゃないか、って」
なの「奇跡の……連続?」
ゆっこ「うん。 私となのちゃんがこうやって話してるのも、実は色んな奇跡が積み重なって起きてるらしいよ」
ゆっこ「だから……ちょっとくらい奇跡が起こっても、良いんじゃないかな」
なの「……そうですね」
なの「ちょっとくらい、不思議なことがおこってもいいですよね!」
ゆっこ「そうそう!……じゃ、そろそろ入ろうか」
ゆっこ「……なのちゃん!」
なの「はい!……相生さん!」
おしまい
-
257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:24:56.01 ID:qMvvC8xq0
-
一スレ間、応援ありがとうございました!
以上です
-
258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:26:36.80 ID:RYRNKfdD0
-
乙
やっと寝れるぜ
-
259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:27:28.35 ID:JSitHp6L0
-
>>1乙!
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260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:27:36.54 ID:WjNVS5Ie0
-
乙!
おもしろかった
-
261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:27:43.41 ID:Az8I6Fq90
-
乙うぇい!
-
262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:27:46.59 ID:gLWrOX5z0
-
乙!
仮面ライダーよく知らないけど面白かった
-
264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/20(木) 01:30:38.68 ID:qMvvC8xq0
-
仮面ライダーとか日常知らない人が興味を持ってくれたら嬉しい
では、もう寝ます 本当にありがとうな 序盤は心が折れそうだったぜ……

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