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澪「ああああゲロ吐いちゃうゲロ吐いちゃうよおおおおおお」
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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/29(月) 23:35:47.01 ID:FHQO0kNL0
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唯「ん?」
律「いきなりどしたんだ澪」
澪「ゲロ吐くよおおおおおおおおお!!ゲロ吐くよ律うううううううう!!!」
澪はよろめきながら律に近寄り、律の肩をつかんだ。
律はいきなりのことに反応できず固まっている。
律「え?え?」
澪「ゲロ吐く…うっげっ…げっぼぼああああばあああばばばおぼぼぼばば」
びちゃびちゃびちゃびちゃ
律「うわあああああああああああああっ!!!」
律は逃げようとするが澪の握力は予想以上に強かった
必死に体を反らす律に澪の吐瀉物が容赦なく降り注ぐ
澪「げーろげろげろげろげろおおおおおおおお」
律「ぎやああああああああ」
-
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/29(月) 23:36:24.01 ID:QQmn3/v90
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なんだこれwwwww
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7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/29(月) 23:38:26.62 ID:csg+fdFvO
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ちくしょう…!
これには吹いちまった
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12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/29(月) 23:44:53.53 ID:FHQO0kNL0
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澪「ううううげろげろおおおおおお…ひっく……ぐげええええ」
無限に続くかと思われた澪の嘔吐は盛大なゲップによって締めくくられた
後に残ったのは制服をゲロまみれにした律と、ゲロでどろどろの床、唖然とする唯
澪は律から手を放しうなだれている
ここにきて律はやっと正気に戻った
律「みみみみみみみみおおおおお!!!何してんだおまえはあああ!!!」
ゲロのすっぱい匂いも気にせず、澪に怒鳴った
律「どーしてくれんだこの制服!!スカートまでゲロゲロになったじゃないか!!
クリーニング代だしてくれるんだろうな!!てゆーかまず謝れよ!!!」
澪はうなだれ、手をだらんと垂らしたいわゆるエヴァンゲリオン体勢のまま動かない
業を煮やした律は澪の肩に手をかけた
律「おい澪!!」
澪「いやああああああああっはっはっはっはっはっはああああああああ!!!うひょひょひょおおおおおおお!!!」
澪は突然笑い出した
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19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/29(月) 23:50:48.96 ID:FHQO0kNL0
-
澪「フヒッ!!おしっこしたい!!ねえおしっこしたいよ律うう!!」
律「まさかっ」
律は動物的本能で危険を察知し逃げようとしたが、澪の動きの方が速かった
澪は律を仰向けに押し倒し、まだゲロに濡れる腹の上にまたがった
澪「うへへえええええ」
律「や、やめろおおおお!!唯、こいつを止めてくれええ!!!」
今までただ茫然と見ているだけだった唯だが、律の一声で我に帰った
唯「はっ……あ、うん」
唯はギターをソファに立てかけ、不気味な笑いを浮かべる澪の腕をつかんだ
唯「澪ちゃん!!どうしちゃったの!!澪ちゃん!!!」
澪「おしっこしたあああああああいいいいいいのおおおおおおお!!!でるうううううううううううう!!!」
澪は律の腹の上で放尿した
スカートもパンツも着けたままで
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27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/29(月) 23:57:14.16 ID:FHQO0kNL0
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じゅわあああ
澪「えへへへへへへ出ちゃったよおおおおおおおおおうひひひひひひひひひ」
澪のスカートと律の制服にゲロとは違うシミと熱気が広がって行った
律「みおおおおおおおお!!お前いい加減にしろよお!!唯!!さっさとこいつを引っぺがせえええ!!」
唯「はいいっ、りっちゃん隊員!!」
唯は律の剣幕に一瞬おののいたが、すぐに澪を羽交い絞めにして律からどかそうと試みた
しかし、唯が力をこめて引っ張るほど、澪もまた律に力いっぱいのしかかるため、
律の体が圧迫されてしまうのだった
律「ぐ……苦し…唯、ちょいタンマ……」
唯「あ、うん…」
唯がパッと手を離すと、澪は反動で律の上に倒れこんだ
ビチャ、という音とともに律の制服についたゲロが澪の制服にも付着した
律と澪の顔は10cmも離れていなかった
律は澪の顔を間近で見て、その顔に浮かぶ狂気に身をすくませた
律(これが…人間の顔かよ)
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36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:03:56.40 ID:jqHF341/0
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唯(そういえばゲロって第2波があるよねえ)
唯がそんなことをのんびり考えていると
澪「うひいひひひ、ねえええ律うううううまたゲロ出ちゃううううううううよおおおおうひひひひひひひひ」
律「なっ・・・・・バカ野郎!!!!おい唯、助けてくれええええ!!!!」
澪「ぐひひひひ出る出る出るううううううううげぇっぷ」
唯「むむむ無理だよ律ちゃん、澪ちゃんをひっぺがすのは……そうだ!!!」
唯はテーブルのほうに駆けより、ポテチのビニールを手に取った
今日は紬が休んだため、30分ほど前に学外のコンビニへとお菓子を買いに行ったのだ
ポテチのビニール袋はみんなで食べやすいよう開かれており、
この大きさならば律の顔をガードすることができる!と唯は考えた
唯はビニールを律の顔の上にのせようとした……とその時、
澪が立ち上がり唯に抱きついたのだ
唯「え?え?」
澪「ぐっげぼぼぼぼあああああああああああああああああっばばああああああああああ」
唯「いやああああああああああああああああああああああああああああ」
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39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:10:03.50 ID:jqHF341/0
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律「澪!!おまえ!!!」
律は急いで立ち上がり、澪を羽交い絞めにしたが、
澪はその場からぴたりとも動かなかった
澪「げぼぼぼぼぼぼぼあああああああああ」
唯「いやあああ!!!!あああああああああああああああああああ!!!!!」
澪は唯の頭からまともにゲロをぶっかけた
唯は体中ゲロまみれになり、涙目で半狂乱になっている
吐瀉物特有の酸っぱいにおいと、自分がゲロまみれであるという意識が
唯にもらいゲロを起こさせた
唯「げろろろろろろおおおおおおおおおおあああああああ!!!」
びちゃびちゃびちゃびちゃ
唯のゲロの大半は床に落ち、澪に直接かかることはなかったが
落ちて跳ね返ったゲロが2人の足についた
唯「うげっ…ううげえええ……ううううっ」
唯は泣いた
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51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:16:18.94 ID:jqHF341/0
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律「唯、とにかく顔洗え、うがいしろ」
唯「うう……ぐすっ」
律は唯の肩を抱いて、音楽室の隅のシンクへ唯を連れていった
じゃばじゃば……
唯は蛇口の栓をひねり、最大の勢いで出した水を頭からかぶった
顔をぬぐい、髪を洗う
律とともに制服も水洗いした
唯「ねえ、とれたかなあ」
律「おう、大丈夫だ。においもしないぞ」
2人は体育のジャージ姿になった
と、そこで唯が気づいた
唯「ねえ、澪ちゃんはどこ?」
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59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:22:08.68 ID:jqHF341/0
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音楽室の扉は開け放たれていた
その床にはゲロと思しき液体が点々と付着していた
おそらく澪の上靴についていたゲロだろう
律「やばい!!探すぞ!!!」
律と唯は音楽室の外へかけだした
ゲロの跡を追ったが、階下へと降りた時点で薄くなって消えてしまっていた
唯「どこいったんだろう……」
律「よし、唯はそっち!私はこっちを探す」
唯「わ、分かった」
彼女たちは二手に分かれることになった
唯「澪ちゃん……どこだろう」
唯が走り始めて数十秒後、悲鳴が聞こえた
「きゃあああああああ!!!!」
唯「あっ……あずにゃん!?」
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65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:26:56.12 ID:jqHF341/0
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梓「ひいいいいいい!!!いやああああああ!!!!」
唯「どこ?どこなの、あずにゃん!!!」
悲鳴は聞こえるが姿は見えない
そのへんにある教室を片っ端からあけてみるが、誰の姿もなかった
唯「あずにゃあああああああん!!あずにゃあああああああん!!!」
梓「ゆ、唯先輩ですか!!!???唯せんぱ……ぐふっ」
唯「あずにゃん!!??」
それきり梓の声は聞こえなくなった
おそらく澪に口を塞がれたのであろう
もはや唯は梓に何かしているのは澪だと決めつけて疑わなかった
唯「あずにゃん!あずにゃん!」
唯は教室を見回りながら廊下を走り回った
と、廊下の角に見覚えのある長い黒髪が走って行くのが見えた
唯「澪ちゃん!とするとあずにゃんはそこに…」
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69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:33:31.98 ID:jqHF341/0
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澪がいた場所へとかけよってみると、自習室の扉が開け放たれていた
テスト期間でもないため、自習室を使う生徒などおらず、監督の教師も帰っているようだった
唯は自習室に踏み込んだ
と同時に異臭が鼻をついた
唯(ゲロのにおいとは違う……これは…)
唯「あずにゃん、いるの!?」
唯がそう呼び掛けると、自習室の隅からガタガタと音がした
唯(そうか、口をふさがれて喋れないんだっけ)
唯が物音のする方に近づくと、そこに上半身が下着姿の梓がいた
梓は泣きじゃくっていた
梓の両手は自身のブレザーで後ろ手に縛られ、口にはカッターシャツが詰め込まれていた
そしてさらに梓はウンコまみれだった
頭も、胸も、お腹も、脚も、制服もすべてウンコがなすりつけられていた
よく見ると口のカッターシャツにも茶色が見える
梓はウンコまみれのシャツを口に含んでいたのだ
唯「あ、あずにゃんっ」
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72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:36:15.30 ID:L4n/Tkl+0
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マジキチってこういうのを言うのか
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76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:40:58.70 ID:jqHF341/0
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唯はまずカッターシャツを取ってやった
梓「うっ……うげええええええっ!!!」
梓は耐えきれず嘔吐した
それもそうだ、ウンコを食べていたようなものなのだから
続いて唯は梓の手をほどきながら、梓に尋ねた
唯「やっぱり…澪ちゃんが?」
梓「うううっ…そうです……いきなり、この自習室に押し込まれて……うううっ」
唯「あ、ご、ごめんね。話したくなかったら無理には…そうだ、りっちゃん呼ぶね」
唯は携帯で律を呼び出した
律が来るまでの間、自習室に備え付けてあった雑巾やモップで梓のゲロを片づけた
梓「すみません」
唯「いいっていいって」
律「梓!大丈夫か!!」
律が現れた
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77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:41:41.85 ID:adH1/wum0
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エンカウントしやがった
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78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:42:12.54 ID:kEom2E5n0
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律が敵に見えた
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85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:47:08.70 ID:jqHF341/0
-
唯「りっちゃん、あずにゃんをお願い」
律「ああ、分かった…こりゃまたひでえな……つか下着姿でいいのか」
梓「いいです、早く体を洗いたいです」
律「分かった。運動部のシャワールーム借りよう、今ならまだ誰も使ってないはずだ。
あと下着姿はいいとしてさ……ウンコまみれは他人から見たらやべえだろう」
律はジャージを脱ぎ、梓にはおらせてやった
律「唯、おまえのジャージも」
唯「ほいっ」
律は唯のジャージを受け取り、梓に頭から被せてやった
これでウンコまみれの体は隠された
梓「ありがとうございます」
律「いいってこった。さ、いくか」
梓「あの……唯先輩はここに残るんですか」
唯「あ、うん、掃除したほうがいいだろうし」
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94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:53:04.58 ID:jqHF341/0
-
梓「一人で残るなんてダメですっ、また澪先輩が来たら……」
唯「そ、そうかな」
梓「掃除なら後でも出来ます、一緒に行きましょう」
唯「うん、分かったよ」
梓の心の中では唯を心配する気持ちよりも、
今は一人でも多くの人に傍にいてもらいたいという不安感のほうが大きかっただろう
唯はそれを感じ取り、梓と一緒に行くことになった
律「澪はどこ行ったんだろうな…」
梓「…どうして澪先輩があんなことに……
そういや唯先輩、さっき『やっぱり澪ちゃんが』って言ってましたけど、もしかして」
唯「うん、私たちも澪ちゃんに襲われたんだ」
律「私はゲロと小便ぶっかけられて……唯はゲロだけだからまだいいけど」
唯「よくないよっ」
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98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 00:57:15.92 ID:jqHF341/0
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律「いやしかし、あれはマトモな人間には見えなかった」
梓「そうですね、私もあんな澪先輩……いや、あんな人間は初めて見ました」
唯「気が狂っちゃったんだよ、澪ちゃん」
律「そうだな…このままほっとくと、また犠牲者が出たりして……」
唯「どうしよう、先生に言う?」
律「ああ、先生に言って、澪を探すの協力してもらおう
梓、職員室行くけどいいか?」
梓「あ、はい……体洗うより、そっちのほうが優先すべきですよね」
律「すまんな」
職員室
唯「失礼します、せんせーっ」
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102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:02:25.11 ID:jqHF341/0
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さわこ「どしたの?」
唯「あの、澪ちゃんが大変なことになって」
唯と律は職員室中の教師を集め、今までのことをかいつまんで説明した
さわこ他、教師たちは信じていないようだったが、
梓がみずからジャージを取ってウンコまみれの体を晒すことにより、ようやく信じてもらえた
さわこ「わかったわ。今からみんなで探します」
教師「校内放送もかけてみるよ」
教師「そうだ、外に出ぬよう校門を封鎖せねば」
唯も律も梓も、外に出る…という事態は考えたくなかった
澪はまだ校内にいる、先生たちと協力して捕まえられる……そう信じ込んだ
さわこ「ここは私たちに任せて。梓ちゃんは体を洗ってらっしゃい」
梓「はい、よろしくお願いします」
律「先生、澪を……捕まえてください」
さわこ「任せなさい、教師にできないことなんてないのよ」
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114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:10:54.88 ID:jqHF341/0
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校庭の端、シャワー室
律「まだみんな部活やってるから使われてないな」
唯「あずにゃん、体洗っといで」
梓「はい、わかりました」
梓はシャワールームに入っていった
と同時に、校内放送のチャイムが鳴った
『2年秋山澪さん秋山澪さん、至急職員室まで来なさい。2年秋山澪さん、至急職員室に来なさい。
秋山澪さんを見かけた生徒は、すみやかに職員室に連絡しなさい』
普通の放送とは違うただならぬ雰囲気に、校庭の運動部員たちも気づいたのであろう、
一瞬だけとまどったようだったが、すぐに練習に戻った
唯と律は、シャワールームの外壁にもたれ、運動部の掛け声をBGMに
赤くなりつつある空を眺めていた
その時、シャワールームの中から悲鳴が轟いた
梓「っきゃあああああああああああああ!!!!!」
唯「あずにゃん!?」
唯と律が中を覗き込もうとすると、
澪がすさまじい勢いで飛び出してきた!
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127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:16:12.07 ID:jqHF341/0
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律「唯!私は澪を追う!!」
唯「わかった、私はあずにゃんを」
唯はシャワールームの中に足を踏み入れた
一番奥の個室で全裸の梓が震えているのを発見した
唯「大丈夫!?あずにゃん!!」
梓「ああああ、唯先輩……!!
シャワー浴びてたら、ドアと天井の隙間から澪先輩がじいいっと見てたんですっ!!!
もうイヤですっ、怖い、怖いですう!」
梓は唯にしがみつき、ぶるぶると震えた
唯「あずにゃん……!」
唯は梓をやさしく抱きしめた
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139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:24:24.90 ID:jqHF341/0
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律「待て澪おおおおおおおお!!!」
澪はソフトボール部が練習しているのを真っ直ぐに横切って走って行った
澪の走り方は端から見ても普通ではなかった
エヴァ立ちのまま足だけ動かして走っているようなものだった
それでも追いつけないくらいに速いのだから恐ろしい
律「澪おおおおお!!」
ソフ部の部員たちもその声に振り返った
さきほど、ただならぬ放送で呼ばれていた、秋山澪……
部員たちは誰からともなく走り出し、澪を追いかけた
しかし運動部の俊足をもってしても、澪に追いつくことができなかった
律「まてええええっ!!」
総勢20人で澪を追いかけている
その異常な光景に、テニスコートで練習していたテニス部員や、
体育館のバスケ部員、剣道部員たちも目を引かれ、
そして澪を追いかける人々に加わった
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141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:26:13.22 ID:w3eaXhpM0
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なんか想像すると凄くシュールな光景だな
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145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:28:12.43 ID:iw1LCeErO
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エヴァ立ちで俊足な澪想像して麦茶吹いた
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148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:32:28.15 ID:jqHF341/0
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剣道部員「私たちは第2校舎から回って挟み撃ちにする!!」
律「任せた!」
バスケ部員「くらえぇぇぇぇ!!!」
十数人のバスケ部員が後ろから一斉にボールをぶつけようとしたが、
澪は華麗にかわしてしまった
まるで後ろに目が付いているように
テニス部員「はあっはあ、何者なの、あの人……!!」
律「あいつはもう人間じゃねえんだ!!」
澪は校庭から外れ、第二校舎の方へ走っていった
律「よしっ、あそこには剣道部がいてくれるっ」
校舎と校舎の間で、澪は律&運動部連合と先回りしていた剣道部に挟み撃ちにされた
澪「ぐげ……ぐげげげげげひひひひひひひひひひぃぃぃ」
律「観念しろ澪」
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164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:41:05.50 ID:jqHF341/0
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じりじり、と歩幅を詰めていく律&運動部
剣道部員は横一列に並び、竹刀を構えている
澪「ぐひひ、ひひ、ひぃ、律…律……律………律」
先ほどまで凶器に歪んでいた澪の顔が、
だんだんと元の正常な顔に戻ってきた
澪「律……」
澪は律にほほ笑んだ
それは、いつも見ていた、優しさを満面にたたえた微笑みであった
律「澪?正気に…戻ったのか?」
澪「うん……ごめん、律……私……」
律「澪……」
澪「律っ…!私、私……!!」
律「もういいんだ、もういいんだよ澪。元に戻ったのなら、それで……」
律は澪の肩を抱いた
律「な、澪……」
澪「……ふ…ふひ…・・・ぐひひひひひひははやうはうふはははははひふふんぐ」
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171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:43:31.05 ID:4Q2n0wqBO
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ひぃっ!
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178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:49:09.72 ID:jqHF341/0
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澪「ふーひひひひ!!ふーひひひひひひひ!!!」
澪は狂乱状態に戻り、律の首に手をかけ、そのまま一気に力を込めた
律「ぐ……苦しっ」
テニス部員「離しなさい!!こらっ!!」
テニス部員が四人がかりで澪をはがそうとするが、
いくら力を込めてもぴくりとも動かなかった
この澪の細身に、どれだけの力があるのか……部員達は恐ろしくなったが、
それでも澪を引っ張り続けた
しかし澪はついぞ動かず、その間にも指は律の首を絞め続けていた
その時、
剣道部員「めええええええええん!!」
剣道部員の一人が、竹刀を思いっきり澪の脳天にブチかました。
しかし澪はまったくひるまず、なおも律の首を絞める
律は顔が紫色になりつつあり、素人目に見ても危ない状態だということが分かる
剣道部員たちはさらに竹刀で攻撃を加えた
頭に、脇腹に、背中に、腕に……打ち込んでも、突いても、澪にはまったく効かなかった
律「う……ぐ……は……」
律はついに白目をむいてうなだれてしまった
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190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:54:32.31 ID:jqHF341/0
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澪は亡骸となった律を地面に投げ捨てた
そして澪はぐるりとまわりを見回した
その獣のような目つきに、そして今さっき見た澪の化け物としか思えない身体能力に、
運動部員達は完全に委縮してしまった
澪は歩き始めた
もちろんおなじみのエヴァ体勢である
澪は校庭に向かっているようだった
澪の歩く先にいた部員達は、さささっと脇によけた
邪魔ものがいなくなったため、澪は再び全速力で走りだした
校庭隅のシャワールームへ、一直線に
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194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:55:45.82 ID:MzbmrEWKO
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えっ死んだの?
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196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:55:59.53 ID:w3eaXhpM0
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りっちゃん死んじゃったよ・・・
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201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:58:56.05 ID:Haf4F1aXO
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りっちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!
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202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 01:59:17.41 ID:jqHF341/0
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シャワールーム
唯「大丈夫だよ、澪ちゃんは律ちゃんたちが捕まえてくれるよ」
梓「うう、でも…」
唯「今日はかえろ、ね?」
梓「いいいい、いやですっ!うち、共働きで、夜中まで私一人だけで……
そんなの怖いですっ!!」
唯「じゃ、じゃあ私の家に来る?憂もいるしさ……」
梓「う、うう……じゃあ、そうします…すみません」
唯「いやいや、いいんだよ」
唯は梓の肩を抱いて、シャワールームから出ようとした
しかしその時、校庭の端から悪魔の形相で一直線に走ってくる澪が見えた
梓「い……いやああああああああああああ!!!!!!」
-
289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 14:52:14.43 ID:jqHF341/0
-
唯はとっさに扉を閉め、
ドアノブの内側についているロックをひねった
ダァン!!と澪が扉に勢いよくぶつかる
扉のすりガラスから澪のシルエットが見えた
梓「ひっ…ひええええっ」
唯は怯える梓をやさしく抱きしめた
怖いのは唯も同じだったが、先輩として後輩を守らねば、という使命感に駆られていた
澪はドアノブをガチャガチャと乱暴にひねっている
もはや鍵の存在など心もとない
そしてついにバキッという破壊音とともに、ロックごとドアノブはひねり潰されてしまった
ゆっくりと扉がひらき、頭から血を流した澪がシャワールームに入ってきた
さきほど剣道部に攻撃されたときの出血である
じりじり、と唯と梓に近寄って行く澪
澪が進むごとに後ずさる唯と梓
2人は部屋の隅へと追い込まれてしまった
-
296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 15:06:08.60 ID:jqHF341/0
-
もう後ろに逃げることはできない
ならば、あとは素直に襲われるか……もしくは、戦うか
しかし戦っても勝ち目のないことは唯にも分かっていた
唯は喧嘩の経験などなかったし、戦い方自体知らなかった上に
素の状態での身体能力も澪の方が勝っているのは理解していた
それに狂人は手加減を知らないだろうし、何をされるか分からない
そこで唯は、澪を限界まで近付けて、
思いっきり突き飛ばしてスキを突いて逃げるという作戦を思いついた
唯は基本的に運動音痴であり、こんな小手先の作戦で逃げ切れるとは思わなかったが、
何もしないよりはましである。賭けである。
唯が作戦を考えている間にも澪は「うがあああ」という奇声を上げながら少しずつ近づいてきていた
目測で澪との距離は50㎝ほどに迫った
がくがくと体を震わせる梓に、唯は小声で囁いた
唯「いくよ、あずにゃん」
梓「えっ…」
梓は涙でぐちゃぐちゃの顔を上げて、唯の表情から発言の意図を読み取ろうとした
唯の顔はなにか決心をつけたようだった
唯「うおりゃああああああ!!」
唯は澪をぶっ飛ばすべく、両手をおもいっきり澪の方へと突き出した
が、唯の手はあっけなく澪に掴まれてしまった
澪の顔がにやあああああっ、と不気味な笑みを浮かべた
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303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 15:14:06.43 ID:jqHF341/0
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梓「ひいいいいっ!!!」
唯「あずにゃん、逃げてええっ!!」
梓「えっ、でもっ!!」
唯「ここはいいから、あずにゃんだけでも!私のことは気にしないで……ぐぼぁっ」
唯の口は澪が吐いた大量のゲロで塞がれてしまった
梓は躊躇っていたが、意を決してシャワールームから飛び出した
すると、校庭の端から数人の教師が走ってくるのが見えた
サスマタを持ったガタイのいい男性教師4人と、さわこであった
梓「さわこせんせええええええええ!!唯先輩が!唯先輩があああああああ!!!!」
さわこ「大丈夫よ、澪ちゃんのことは運動部の子たちに聞いたわ
先生たちが何とかしてくれるわ。警察も呼んだから安心して、ね」
梓「ううううっ」
教師「よし、行くぞ。秋山澪は尋常じゃない身体能力を持っているようだが、
あの密室空間内で大人4人に囲まれたらひとたまりもないはずだ」
教師「おうっ」
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308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 15:20:13.28 ID:jqHF341/0
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教師たちはシャワールームに突撃した
梓やさわこの居る場所からはシャワールームの中で何が起こっているのかは分からなかった
梓は最悪の事態も考えついたが、それを上塗りするように
「大丈夫、先生たちが何とかしてくれる」と何度も脳内で繰り返した
1分も経たずにシャワールームの扉がひらいた
出てきたのは教師1人だった
いや、出てきたというよりも投げ出されたというべきだろう
教師は地面に突っ伏したまま動かなかった
そしてさらに、2人目、3人目の教師がシャワールームから外へと投げ出された
そこで梓とさわこはやっと気がついた
澪は教師たちを皆殺しにしたのだ、と
2人は腰が抜けてしまい、その場に座り込んだ
もはやまともに思考を巡らせることもできなかった
2人の頭にあるのは秋山澪への恐怖、それだけだった
-
311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 15:26:34.87 ID:jqHF341/0
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そしてついに、残り1人の教師と唯の死骸が放り出された
シャワールームから、澪がゆっくりと姿を現した
そして梓とさわこを視認するや否や
澪「ぎゃあああああああああひゃひゃはっやっひっひひひひひいううひひひひひ!!!!」
眼をひんむき、タガの外れた笑い声を上げながら
2人のもとへと全速力で走ってきた
梓「あっ、あっあああああああああああああ!!!!!」
さわこ「いやあああああああああああああああああああ!!!!!」
2人は声を上げることしかできなかった
澪は走った勢いをそのままに2人の首に手をかけ、
そのまま持ち上げた
澪「ぐっひひひひひひひいいいいいいいい!!!ひっひいいいいいいい!!!!」
梓「あ・・・ぐっ・・・・・・・」
さわこ「うぐっ・・・・・・・」
2人がこと切れるのに1分もかからなかった
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323:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 15:39:25.04 ID:jqHF341/0
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前年に引き続き生徒会役員になっていた真鍋和は、
夕焼けの射しこむ生徒会室でひとり書類の整理をしていた。
学年が上がったため、そして前年の実績もあるため
それなりの仕事を任されるようになっていたのだ。
和「♪~」
和はこういう地味な事務仕事が好きだったし、
今日も誰もやりたがらないのを率先して引き受けていた。
処理すべき仕事は山ほどあるが、たくさんあればあるほど
和はやりがいを感じるのであった。
やっと半分の書類を片づけた……と言ってもまだまだ残っているのだが、
和が一息つこうとしたその時、
校内放送のチャイムが鳴った。
『校舎内に残っている生徒は、至急、携帯電話で職員室に連絡しなさい。
職員室の番号は……』
なんだろう、この放送は。
和は妙な気分になった。
常日頃から学校に携帯電話を持ってくるなと言っていた教師たちが、
今日は携帯電話を使えと言っている。
『校舎内に残っている生徒は、カギのかかる教室に入ってじっとしていなさい』
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329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 15:45:18.34 ID:jqHF341/0
-
カギのかかる教室にいろ?
ということは、不審者でも入ったのだろうか。
和は3カ月ほど前、近所の中学に不審者が入った事件を思い出していた。
それからしばらく大人たちが目を光らせて街中を監視していたが、
最近では事件のほとぼりも冷めてパトロールもなくなり、みんな事件のことなど忘れてしまっていた。
忘れたころにやってくる――か。
和はそんなことを考えながら、生徒会室の扉に鍵をかけた。
そして、職員室に電話をかけた。
『こちら職員室だ』
和「あ、2年の真鍋和です。いま生徒会室にいるんですが」
『わかった。鍵をかけて、じっとしてろ。異変があったらまた連絡しろ』
和「はい。でも、何なんですか?何かあったんですか」
『それは言えん。とにかくじっとしてろ』
和「はい」
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335:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 15:56:03.79 ID:jqHF341/0
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教師たちのこの策は考え抜いた末の苦肉の策であった。
秋山澪がどこにいるか把握できていない以上、生徒たちを避難させるのは危険である。
帰宅させるにしても、秋山澪が学外に出てしまったらおおごとだ。
教師たちは生徒の居場所を把握することを優先した。
万全の策とは言えるはずもないが、生徒を守るにはこうするしかない。
あとは警察の到着を待って、警察とともに秋山澪を捜索し、生徒を避難させるという計画だった。
生徒会室の和は、再び事務仕事に戻っていた。
この学校に不審者が潜んでいるかもしれないと考えると怖くなったので、
仕事をすることで心を落ち着けるためだ。
和「よし、と」
和はてきぱきと書類を処理していた。
次期生徒会長候補と一部で呼ばれているが、その名に恥じぬ働きぶりである。
その時、和のうしろの窓ガラスに、どん、という音が響いた。
運動部だろうか、ソフトボール部のボールでも当たったのか……
そう考え、とくに気にすることなく仕事を続行した。
また、どん、と鳴った。
今度はさっきより音が大きい。
またソフ部……いや待てよ、
不審者が入っているのに校庭での部活が続けられているわけがない。
和はふりかえった。
-
340:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 16:08:01.62 ID:jqHF341/0
-
和「いっ・・・いやああっ!!」
和は椅子から転げ落ちた。
窓ガラスには澪がへばりついていた。
人間とは思えない悪魔のように歪めた表情で和を見下ろしている。
澪はどん、どん、どん、とガラスを叩き続けている。
叩くたびに力が増しているようだった。
鉄線の入った強化ガラスとは言え、叩き破られてしまうかもしれない……
そんなありえないような仮定でさえも思い起こさせるような迫力が、今の澪にはあった。
生徒会のエースとは言え、和もただの女子高生である。
ただただ恐怖心に支配されてしまい、腰を抜かして床を這いつくばって逃げるしかできなかった。
なにかあったら職員室に電話を……などという教師からの言いつけも吹き飛んでしまっていた。
澪はなおもガラスを叩き続けていた。
さらに叩く強さを増し、ガン、ガン、ガン、ガンという音に変わっていた。
そしてついにガラスにひびが入った。
澪は手を血まみれにしながらガラスや鉄線を引きちぎり、
ついに中に入れるくらいの大きさの穴が開いた。
和「ひっ、ひいいいいいいっ!」
-
347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 16:23:51.02 ID:jqHF341/0
-
平沢憂はまだ教室に残っていた。
今日は珍しく両親が帰ってくるから、部活は早めに切り上げて、
2人で晩御飯の買い物に行って両親にご馳走しよう……と唯に言われていたためであった。
憂「お姉ちゃん、遅いなあ…まぁ不審者が入ったんじゃ仕方ないかな……」
憂は宿題を片づけながら、事件が沈静化するのを待っていた。
すると、外からパトカーの音が聞こえてきた。
憂「警察が来たんだ。これで大丈夫かな…」
憂は安堵した。
すると、教室の廊下側にある窓がノックされた。
「憂、私よ、私」
憂「その声、澪さん?」
澪「ああ、開けてくれるか?」
憂「いいですよー。でもいいんですか?勝手に歩き回って」
憂は窓の鍵を外して開けた
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349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 16:24:32.74 ID:jqHF341/0
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あれ?よく考えたら
校内放送の時点で「秋山澪に気を付けろ」って言っとけばよかったのか
まあいいか
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350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 16:26:56.50 ID:ltTANSRa0
-
こま(
-
351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 16:34:27.58 ID:jqHF341/0
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憂と澪は窓越しに会話する。
憂「部活、終わったんですか?」
澪「部活?部活…部活……ぶ、か、つ………」
憂「澪さん?」
澪「すまない……ちょっと体の調子が……おなかが痛くて」
憂「だ、大丈夫ですか?」
澪「ちょっと食い過ぎた……胃袋に収まらない……ううぇっぷ」
澪がえづくと、澪の口から肌色のなにかが顔を出した。
なんだろう……ソーセージ?……いや違う、これは人の指だ!!!
憂が気づいた瞬間、澪は口の中のモノを盛大に吐き出した。
澪「ぐっぐえええええええええええっ」
びちゃっ、という音とともに床に落ちたのは、胃液にまみれた人の手だった。
指先から肘までの人間の手。目立つ傷跡がないということは噛まずに飲み込んだのか?
憂は変に冷静だった。
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363:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 17:05:29.42 ID:jqHF341/0
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憂「澪さん?」
澪「うっ、うっげえええええええええげぼぼぼぼぼぼ」
澪はなおも人体の部品を吐きだし続けた。
もう片方の腕。両脚。胴体。そして最後に……頭。
澪は顎が壊れてしまったらしく、口をだらしなく開けたままである。
憂はその吐き出された顔に見覚えがあった。
が、なかなか思い出せなかった。
そして、思い出せないのはこの人のメガネをかけていない顔に見慣れていないから…と思い当った
憂はやっと思い出した。この吐き出された人間は真鍋和だ、と。
憂はここに至ってもまだ落ち着いていた。
あまりに非現実的すぎて、驚くということができなかった。
憂「そうだ。先生に電話しよう」
憂は携帯を取り出した。
すると、澪は
澪「ううううぼあああああああああああああああ、ふああああああ」
顎の外れた口で奇声を上げ始めた。
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364:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 17:07:06.69 ID:4X3YY+iv0
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憂www冷静すぎるwwww
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369:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 17:13:52.59 ID:jqHF341/0
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澪「ああああああああうああああああ!!!!うううううううあああああああ!!!!」
憂「ひいっ」
澪は窓枠に膝をかけ、教室内に乗り込もうとしたが、
憂がとっさに窓を閉めたため、廊下側に転げてしまった。
澪「ううううううううううううううううあああああああああ!!!!!!」
澪は素手でガラスをたたき割り、窓枠をへし折った。
そして再び教室に入ろうとしたその時、
「動くな!!警察だ!!!」
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373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 17:20:54.91 ID:jqHF341/0
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憂が電話するまでもなく、
奇声と音を聞きつけた警察の機動隊がかけつけ、澪を包囲した。
警察「秋山澪、殺人の容疑で逮捕する!そこを動くな!!」
澪「ううううううううううううううううううあああああああああああ!!!!
あああああああうううううあうあうあうああああああ!!!」
だらしなく口をあけ、目の焦点も合わない澪は、拳銃を構える機動隊の中へと
飛び込んでいった。
澪「うううううあああああああああ!!!」
警察「動くなあ!!」
バキュン、バキュン
拳銃の弾が2発、澪の太ももと脇腹を貫いた。
しかし、澪の動きは止まらなかった。
機動隊の盾を奪い取り、防御手段のなくなった隊員の首に手をかけ、
女子高生とは思えない握力で締めた。
警察「う…ぐはっ」
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382:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 17:29:18.37 ID:jqHF341/0
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澪の手から死体となった隊員が離され、ドサッと音をたて床に落ちた。
警察「け…警部!」
警部「……構わん。射殺を許可する!頭をねらえ!!」
警察「「はっ!!」」
機動隊員たちは、いっせいに澪に拳銃を向けて引き金を引いた。
ばん、ばん、ばんばんばん
銃撃音と硝煙が消えた後、
そこにあったのは体中から血を流して死んだ澪の姿だった。
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385:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 17:29:41.51 ID:kEom2E5n0
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ついに終わったのか・・・?
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397:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 17:40:16.39 ID:jqHF341/0
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学校は数週間のあいだ休校することになった。
ニュースや新聞は、連日この事件について書きたてた。
まだ捜査もろくに進展していないのに、
何かのクスリでもやってたのではないか、
生徒の凶行を隠すために学校側が狂人をでっちあげたのでは、などと
身勝手な憶測が飛び交い、人々の話題もこの事件で持ちきりとなった。
秋山澪と近しい知り合いで、唯一の生き残りである平沢憂は、
休校のあいだ警察署に出向き、捜査に積極的に協力した。
朝から晩まで学校での秋山澪について聴かれることもあったし、
実際に警察と一緒に現場に赴いて調べることもあった。
しばらくして、澪の死体の検死結果が出た。
澪は日常的にある種の薬品を接種していたようだった。
しかし、なんの薬品かまでは分からなかった。
刑事「どう思う?平沢さん。思春期の多感な時期に、薬物に手を出すのはよくあることだが…」
憂「でも、澪さんがそんなことするとは思えません。あの方、怖がりでしたし。
何かストレスがあったとしても、薬物ではらす、なんて勇気のいることはしないんじゃないでしょうか」
刑事「そうか。しかし、秋山澪の発狂、そして肉体活動のリミッター解除の原因は間違いなくこの薬物だろう」
憂「それはそうなんでしょうけど…」
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404:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 17:48:33.19 ID:jqHF341/0
-
憂「家宅捜索でも澪さんの家からは薬物が見つからなかったんですよね?」
刑事「そうだ、それが不思議だ。いったいどこで薬物を接種したのか……
いや、何者かによって…薬物を投与されていた……か?」
憂「ま、まさか」
刑事「どうした、何か心当たりが?」
憂「いえ、その、澪さんに日常的に薬物を与えられるとしたら……あの人しか!」
刑事「それは、誰だ?」
憂「それはっ…」
警官「刑事!行方不明になっていた琴吹紬が見つかりました!!!」
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405:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 17:48:33.85 ID:xKHB9UJEO
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やはり沢庵か
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407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 17:50:02.08 ID:ArLqNWHM0
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沢庵こええええええええええええええええええええええええええええええええ
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412:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 17:53:47.02 ID:jqHF341/0
-
刑事「なんだと!?どこにいた!!」
警官「それが、川の中で……水死体となって見つかりました」
刑事「なにぃ?」
警官「死後しばらく経っているようで、腐敗が進んでおり識別はできませんが、
持ちものや衣服から琴吹紬と判断されました。これから詳細に検死とDNA検査が行われます」
憂「紬さん…!」
警官「それで……琴吹紬の懐に、こんなものが」
警官はそう言うと、証拠品を入れるビニールのパックを刑事に手渡した。
その中には汚れたビニール袋が入っており、さらにその中には一枚の紙が入っていた。
刑事「遺書…だと?」
憂「じゃあ……自殺ってことですか!?」
-
425:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 18:04:17.50 ID:jqHF341/0
-
遺書にはこう綴られていた。
『すべて私が悪かったのです。
日ごろから、ストレスに苛まれている澪ちゃんを救ってあげようと
薬物を教えてあげたのが間違いでした。
澪ちゃんは家にあると見つかっちゃうから、と言い
毎日のお菓子に薬を混ぜるよう、私に指示しました。
私はその通りにしました。
薬が効いている間の澪ちゃんは、嫌なことなんか忘れて
ほんとうに幸せそうだったから。
他人のことなんか考えないで自分勝手にふるまう田井中律にストレスを感じることも
足りない脳みそでバカなことを繰り返す平沢唯に腹を立てることも
金もちであることを鼻にかけてお菓子で媚を売りまくる琴吹紬にムカつくことも
孤独な私を友達ヅラして密かに見くだしている真鍋和にはらわたが煮えくりかえることも
後輩のくせに可愛こぶって生意気な言葉を吐き続ける中野梓を恨むことも
他人をおもちゃとしてしか見られない山田さわ子に吐き気を覚えることも
年下のくせに完璧な人間である平沢憂を妬むことも
なさそうだったから。
だから私は澪ちゃんに薬を与え続けてしまったの。
私がすべて悪いのです。
ごめんなさい』
憂「紬さん…!」
刑事「ん?なんで自分のことまで書いてあるんだこれ?自虐か?」
-
461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 18:37:10.01 ID:jqHF341/0
-
警官「その…簡単に筆跡鑑定をした結果、それは秋山澪の書いたものである、と…」
刑事「なんだと?」
憂「じゃあ、澪さんは自殺に見せかけて紬さんを殺した、ってことですか?」
警官「そのようです」
憂「澪さん……!」
この事件については、まだまだ謎も多く残っている。
琴吹紬が薬物を投与したという決定的な証拠、秋山澪の凶器の原因など
まだまだ捜査すべきことは山のようにあるが、ここでいったん報告を打ち切らせていただく。
新たな情報が入り次第、追って報告する。
特命リサーチ200X
File.630『桜高で起こった惨劇の謎を追え』
完
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462:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 18:37:48.98 ID:A0vkFYjH0
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なんだと…
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463:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 18:37:50.39 ID:jqHF341/0
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第2部予告!
ついに澪と紬の関係が明らかに!
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465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 18:38:27.74 ID:BUGoG+4IO
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終わったwww
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467:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 18:39:04.69 ID:ArLqNWHM0
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乙wwwwwwwwwwww
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468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 18:39:23.19 ID:YWpKlEar0
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ちゃっかり第二部予告www
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473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 18:41:01.56 ID:MzbmrEWKO
-
乙
よかった
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474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 18:41:07.10 ID:jqHF341/0
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風呂入ってくる!
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484:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 18:48:59.75 ID:xQPMvOmm0
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おい2部公開は何時だよ
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489:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 19:08:41.12 ID:jqHF341/0
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4月。
満開の桜の下、秋山澪は真新しい制服に身を包み、
これから始まる新しい生活に期待と不安と不安と不安と不安と不安と不安を抱きながら
桜高の門をくぐった。
澪(あーあ、憂鬱だな…友達できなかったらどうしよ……
いちおう律はいるけど、他の子と仲良くなったりして……
ぼっち……便所飯……図書室常連……寝たふり……うううう)
律「なーに暗い顔してんだよ、み、お!!」
ばーん、と律が思いっきり澪の背中を叩いた。
澪(いったーっ…この馬鹿力が…くそ)
「なんだよ律、いきなり」
律「いやー、この春爛漫の時期に暗い顔は似合わないぞ、と思ってさ」
澪(暗くて悪かったな……)
「いやあ、さすがにちょっと不安でさあ」
律「まったくう、澪はマイナス思考だな~」
澪(お前は馬鹿なだけだろうが…)
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495:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 19:10:33.57 ID:Dywabgtb0
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2部きたあああああああああああ
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500:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 19:21:24.00 ID:jqHF341/0
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澪は律のことが嫌いだった。
直情的で、おおざっぱで、頭が悪い。
繊細かつ神経質な澪とはまったく相性が合わなかった。
しかしなぜか律は澪のことを気に入っており、小学校時代からずっと澪と仲良くしてきた。
この高校に入ったのも澪が受験すると聞き、いっしょに受けたいと言い出したからだ。
なぜ澪が律と仲良くし続けているかというと、律以外に友達がいないからだ。
学校という空間の中で友達ができず孤立してしまうのは、それはそれは悲惨なことになる。
人は集団の中に溶け込むことを良しとする。自分を目立たせないようにする。
そのために友達グループを隠れ蓑にして、集団の中で浮かないように浮かないようにとひたすら身を潜め続けるのだ。
ところが友達がいないとどうか。隠れる場所がなく、常に一人だけ晒しものになってしまうのだ。
こうなってしまうと、周りの人々の見えない視線に心の底まで射抜かれてしまい、
不登校になる子も少なくない。というか多い。とくに女子。
澪もこんなことにならないよう、ひたすら律と仲良くしてきた。
ただひたすら孤立しないために。
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502:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 19:27:21.86 ID:jqHF341/0
-
入学から数日が経った。
幸いにも澪は律と同じクラスになっていた。
しかし、律は持ち前の社交性で得た新しい友人たちと談笑に耽っていた。
澪(まあウザくなくていいけど……
そうだ、私も高校に入ったから新しい友達を作れるチャンスがあるかもしれない)
澪は新入生オリエンテーションで配布された部活動紹介の冊子をめくった。
澪(そのためにはまずは部活か)
冊子の最後の方のページにあった「文芸部」の文字が澪の目にとまった。
『少人数でやってます。本好きな子、歓迎!』ときれいな字で書いてあった。
澪(文芸部……少人数なら私も溶け込めるかも。よし、行ってみるか)
文芸部室。
澪(どきどきどきどきどきどき)
「ああああああああああああああああああああ、あのっ!」
ガチャッ
部員「はい?」
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504:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 19:33:00.99 ID:jqHF341/0
-
澪「けけけけけ見学させてくだちゃいっ」
部員1「ええ、いいわよ。どうぞ」
部員2「あー、新入生だ」
部員3「良かったわー、誰か来てくれないと廃部になるとこだったの」
部員4「とにかく座って座って」
澪「あっ、はい……」
部員1「お名前は?」
澪「あっ、秋山澪ですっ」
部員2「秋山さんはやっぱり読書好きなのよね?どんな本が好きなの?」
澪「えっと…あっ、この本読みましたよ、すっごく感動しました」
澪は本棚にある一冊の本を指して言った。
部員3「あー、それいいよねー!特にマチルダ夫人のあの場面が」
澪「あ、第4章ですよね!そこ一番好きです!」
部員4「そうだ、この本好きならこれ読んだ?同じ作者の……」
澪と文芸部員達は日が暮れるまで読書談義に花を咲かせた。
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508:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 19:42:56.37 ID:jqHF341/0
-
翌日、放課後。
澪(いやあ、いい先輩たちだった…今日は入部届け持っていこう、うふふ)
律「みーおー!!軽音楽部行こうぜ~!!」
澪「えっ、なんだよいきなり……私は文芸部に入るつもりだし…入部希望の紙も書いたし…」
澪が入部届けを見せると、律は無情にもそれを破り捨てた。
澪「あ・・・・・ああああああああああ!!なにすんだよ律ぅ!!」
律「ほーら行くぞ、早く早く!」
澪「おい、待ってよっ」
軽音部は廃部寸前だったが、
澪、律、そして琴吹紬と平沢唯が入部することで、部活として再始動を果たした。
文芸部は廃部した。
-
512:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 19:49:10.40 ID:XSVWggOxO
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文芸部カワイソス(´・ω・`)
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515:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 19:50:50.50 ID:mM/0z3LEO
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文芸部…・゚・(ノД`)・゚・。
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516:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 19:51:45.45 ID:jqHF341/0
-
そこからである。
秋山澪の地獄の日々が始まったのは。
当初、澪は軽音部でも良いか、と考えていた。
澪自身も音楽は好きだし、律以外に同学年の知り合いもできたからだ。
この部活で音楽を楽しみながら3年間……と思っていたが。
紬「お茶が入りました~☆」
律「おう、サンキューむぎー!」
唯「あっ、今日の紅茶いつもと違うね~」
紬「あ、分かるかしら」
この部員達はまったく練習をしようとしなかったのだ。
澪を無理やり引き込み、部活を再始動させ、部長だと意気込んでいた律も。
みんなでバイトをして、紬に値下げしてもらって、やっとギターを手に入れた唯も。
ピアノのコンクールで賞を取ったという紬も。
澪「なあ、練習しないか」
唯律紬「いやだ!!」
澪(なんだ?なんなんだこいつら……やる気あるのか……
なんでこんなやつらと一緒に、私は……)
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522:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 20:04:06.33 ID:jqHF341/0
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あまり強く練習にこだわりすぎるとハブられる気がしたため、
澪は我慢していた。
自分勝手な律に、頭の悪い唯に、金持ちの紬に
イライラしながらも、毎日放課後は音楽室で過ごしていた。
夏は合宿に行った。
みんなに合わせて海で遊ぶと、胸の大きさで僻まれた。いい迷惑である。
さらに「おまえが一番遊んでいる」とまで言われた。お前たちに合わせてやったのに。
澪ははらわたが煮えくりかえりそうだった。
秋には学園祭があった。
オリジナル曲の作詞を押しつけられた。書いた詞を見せたら律から馬鹿にされた。じゃあお前が書け。
唯が無茶な練習をしたせいで喉を潰し、澪が歌うことになってしまった。これだからノータリンは。
自分の喉の調整もできないクズとバンドを組むなんて虫唾が走る。死ね。
さらに顧問が気持ち悪いコスプレ衣装を持ってきた。他の3人は喜んで着ている。
これだからバカは。まったくもって腹が立つ。バカバカバカ。バカばっかりだ。
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527:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 20:14:12.25 ID:jqHF341/0
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春になって新入生の中野梓が入部した。
彼女はまじめな性格であり、同じくまじめである澪を尊敬していた。
澪はかわいい後輩の存在に、やっと部活としてのやりがいを見出せるようになった。
しかし、梓は澪から離れ、唯と仲良くなるようになってしまった。
それは澪に、梓もこいつらと同じ、という感想を抱かせた。
くだらない部活、
くだらない人間関係、
しかしそれらから逃れることはできない。
この学校での唯一の人とのつながりを断てば孤立してしまう。
それだけは避けたかった。
やがて澪のストレスは限界に達した。
胃に穴を開けてしまい、入院することになった。
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537:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 20:29:19.05 ID:jqHF341/0
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病院。
澪「………」
誰も見舞いに来ることはなかった。
それはそうだ、あいつらは部室で菓子食って喋ってればそれでいいのだから。
誰も澪のことなど気にしていないのだから。親友の律さえも。
澪(私はあの場には溶け込むことはできなかった。
いや、溶け込んでいるように見せかけることはできていたかもしれない。
でもそんな表面上だけの見せかけに何の意味があるんだろう。
上辺だけの付き合いに何の意味が…?
私は何であの部室に行っていたのだろう?)
一人でいるといつもこのようなことを考えてしまう。
そしてあの軽音部に縛られ続ける自分自身が嫌になる。
澪(自分が弱いから。自分が弱い人間だから、
あんな場所に縋りつづけるしかないんだ。私は馬鹿だ、馬鹿だっ)
その時、病室の扉が開いた。
紬「澪ちゃん」
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545:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 20:38:24.36 ID:jqHF341/0
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琴吹紬。
軽音部の中では一番まともそうに見えるが。
澪(そもそもこいつがお菓子やお茶を持ってくるせいでみんなが堕落してるんじゃないのか?)
紬「澪ちゃん、体の具合、どう?」
紬はいつもの包容力あふれる笑みを浮かべ、澪のベッドに近づいてきた。
澪「別に普通だよ」
紬「そう。今日はね、澪ちゃんに言わなきゃいけないことがあって来たの」
澪「?」
適当にあしらって帰ってもらおうと思っていたが、
紬がいきなり変なことを言い出したため、できなくなってしまった。
澪「なんだよ、いきなり」
紬「澪ちゃんの胃潰瘍の原因は、私たちなのよね?」
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550:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 20:46:30.66 ID:jqHF341/0
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澪はその言葉にカッと胸が熱くなるのが分かった。
澪「何を今さら!!ていうか自分で分かってたのかよお前!!!
ふざけんじゃねえよっ!!!」
紬「ま、待ってっ、澪ちゃん。私もっ…」
澪「え?」
紬「私も、澪ちゃんと同じだから……」
澪「……」
紬は話し始めた。
自分も集団の中で孤独だったこと。
軽音部でお菓子を提供し続けることで自分の居場所を確保しようとしていたこと…などなど、
どれも澪にとっては痛いほどよく分かる話だった。
さらに、紬は澪の考えていることは前からなんとなく分かっていたという。
紬「嫌だったんでしょう、軽音部が。軽音部にいるしかない自分が」
澪は無言でうなずいた。
紬「でも、もう大丈夫よ」
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564:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:03:20.25 ID:jqHF341/0
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澪「どういうことだ?」
紬「いいお薬があるの」
澪「薬?薬なら医者に貰ってるよ」
紬「そんな薬じゃないわ。その薬は澪ちゃんのお腹を治すだけの薬でしょう」
澪「え…?むぎの薬は違うのか?」
紬「ええ。ドイツから取り寄せた精神安定剤の一種よ。
これを部活の時間に飲むの」
澪「なんだそれ……ヤバい薬じゃ……」
紬「まあ日本ではまだ認可されてないわね。でも海外じゃ普通に使われてるわよ」
澪「ばっ、ばか……そんな危なそうな薬……飲めるわけないっ」
紬「そう?残念だわ……」
紬は帰って行った
澪「なんなんだ、ムギのやつ……私と同類ってことは分かったけど、薬だなんて」
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568:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:12:06.85 ID:jqHF341/0
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しばらくして澪は退院した。
久々の登校である。
誰か澪の体を気にかけてくれても良いようなものだが、
声をかけてくれる人すらいなかった。
ただ、律に「おう、治ったのか」と言われたくらいである。
小学校からの親友が入院していたというのに、それだけの言葉で済まされてしまう。
澪は律にさらなる嫌悪感を抱いた。
放課後。
部活に行くのも久々である。
今日はなんだか心が楽な気がするのは、紬がいるからだろうか。
同じ悩みを抱えた仲間。
そんな人が同じ空間にいてくれるだけでほっとする。
ガチャッ
澪「やあ」
部室には唯、紬、梓がいた。
唯「あっ澪ちゃーん、久し振り~。体、大丈夫?」
澪(心配なら見舞いくらい来いよ……)
「ああ、大丈夫だよ」
梓「あっ、先輩、お見舞い行けなくてごめんなさい。実は…」
唯「あー、もう言っちゃう?」
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571:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:18:55.72 ID:jqHF341/0
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澪「な、なんだ?」
唯「実はねー、澪ちゃんを驚かせようと思ってこっそり練習してたんだ~」
梓「唯先輩がダメダメすぎて、毎日遅くまで練習してたからお見舞いに行く時間なかったんです」
唯「え~、それじゃ私のせいみたいじゃん」
梓「先輩のせいですよ…」
澪は不覚にも涙がこぼれそうだった。
自分から嫌っていた人間は、こんなにも自分を想ってくれていた。
澪(私は自分で自分に壁を作っていただけだったの…?)
澪は自分が情けなく、同時に2人の気遣いに嬉しくなり、
胸に熱いものがこみ上げてくるのが分かった。
唯「どしたの?澪ちゃん」
澪「いや、なんでもない。2人とも、私のたm
律「みんなーっ!!!今日は部活サボって駅前のゲーセン行こうぜ~っ!!!」
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574:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:20:19.99 ID:2MEFOYRN0
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りwwwwwwwwwwwつwwwwwwwwwwwwwwwww
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575:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:21:02.28 ID:k8lm+Iqr0
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これは恨まれてもしょうがないwwwww
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577:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:22:12.25 ID:YD47U72A0
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これはヒドイwwww
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578:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:23:26.00 ID:bYGu27NCO
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律が一番の原因だろwww
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579:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:27:36.66 ID:jqHF341/0
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澪「………」
唯「駅前にゲーセンなんてあったっけ?」
律「新しく出来たんだよ!行こうぜ!!ほら梓も~!!」
梓「えー、でも……」
律「なあ行こうぜ~、唯の好きなソニックライツの新型もあるらしいしさ~」
唯「おおっ、ついにこの田舎にもやってきたのかっ!!」
梓「ちょっ、ダメですよ唯先輩!今日は澪先輩のために演奏を……」
唯「あー、ごめんねりっちゃん、今日は澪ちゃんと……」
律「え?澪?あー、居たの?気付かなかったよ~」
澪「………」
律「澪はアレだろ?えーと、病気治ってすぐの状態、なんて言うんだっけ?まあいいや、
とにかく澪は遊ばないほうが良いだろ。唯、梓、むぎ、行こうぜ~」
梓「でも……」
澪「い、いいんだよ、私のことは気にしないでさ、行って来いよ、な」
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591:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:38:18.19 ID:jqHF341/0
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律「ほらほらー、澪もこう言ってることだしさ~!
早く行かないとソニックライツに行列できちまうぜ~?」
唯「う…ううう…」ちらっ
唯は澪の表情をうかがった。
澪「いいって、私のことは気にすんなよ。
演奏はまた今度聴かせてくれ、な」
唯「んー、うん、わかった……ごめんね、澪ちゃん」
梓「ええっ、ちょ、唯先輩……」
澪「梓も行って来いよ」
梓「え、でも……」
律「ほっらー、いっくぞー、梓も~!!」
律は梓の腕を強引に引っ張って行った。
律がいなくなると音楽室は急に静かになった。
残ったのは澪と紬だ。
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598:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:46:11.54 ID:jqHF341/0
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澪「…………ううっ、くそっ……また律だ」
澪は怒りで全身を震わせていた。
澪「いっつもあいつだ……あいつが私の人生を荒らすんだっ。最低なやつだっ」
吐き捨てるように言った。
澪「あいつに縋らなきゃいけない私も……最低だっ」
最後は涙声になった。
澪「なあ…むぎ……もういやだ…私、どうしたら……」
紬「飲みましょう、ね」
紬は、ブレザーの内ポケットから小さな紙の箱を取り出した。
パッケージの文字は英語に見えたが、よく見るとドイツ語で印字されていた。
澪「それがあの薬か…?」
紬は無言で箱の側面を開き、中からスティック状の紙袋を1本取り出した。
一見コーヒーに入れる砂糖のようだ。
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607:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:51:30.56 ID:jqHF341/0
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紬は急須からお茶をコップに注ぎ、
そこに粉上の薬を入れた。
紬「溶けたわ。飲んで」
澪「でも……」
紬「解放されたいんでしょう?あなた自身を縛りつける因縁から」
澪「……」
澪はしばらくコップに注がれたお茶の表面を見つめていた。
澪(これ以上は……もう……耐えられないんだっ)
そして、澪はお茶を一気に飲み干した。
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612:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 21:59:59.34 ID:jqHF341/0
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駅前のゲーセン
律「早めに来てよかっただろ~?ほとんど並ばずに出来たからな~」
唯「いや~、こんなにじっくりソニックライツができたのは久々だよ~」
梓「……」
唯「ん?どしたのあずにゃん」
梓「あ、いえ、なんでも……」
唯「澪ちゃんのこと気にしてるの?」
梓「えと…まぁ」
律「澪なんてどーでもいいだろっ。次、あれやろうぜ~」
唯「え?あ、うん」
梓「あっ、澪先輩。それに紬先輩も」
律「え?」
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619:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 22:05:12.47 ID:jqHF341/0
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澪「やっほーっ、唯、梓~っ!
みんな酷いなー、私を置いて行くなんてさー!!」
紬「あらあら」
梓「え?え?どうしちゃったんです?澪先輩」
唯「なんだかご機嫌だね、澪ちゃん」
澪「そうか?いつも通りだぞ。
おー、これが噂のソニックライツか」
唯「興味あるの?澪ちゃん。私が手ほどきしてあげるよ~」
澪「よし、一緒にやろう唯」
梓「どうしちゃったんですか?澪先輩…」
紬「こういうのも人生には必要ってことよ」
梓「はあ…」
律「……」
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624:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 22:13:34.00 ID:jqHF341/0
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澪が飲んだ薬は、簡単に言えばイライラを静めて
幸福感を盛り上げる薬だった。
澪は部活のたびにその薬を溶かしたお茶を飲んだ。
そうすれば、律の傍若無人な振る舞いも気にならなくなった。
部活でストレスを感じることもなくなったのである。
ただ、イライラは静められるだけで解消されることはない。
薬を飲み続けると神経に大きな負担をかけることになる。
薬が切れたとき、澪はひどい疲れと不快感に襲われることになった。
そのため澪は、部活に出る時以外は、ずっと教室の机でうずくまっていた。
しかし、これは以前から教室内で見かけた普通の行動だったため、
誰も気にとめることはなかった。
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629:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 22:25:08.12 ID:jqHF341/0
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ある日の放課後
ガチャ
紬「あら澪ちゃん…また一番乗り?」
澪「早く薬が欲しくてな。今日も律がウザかった。早く忘れたい」
紬「体は大丈夫なの?」
澪「大丈夫だ、大して動かなきゃ問題ない。体育も最近はマット運動だからな」
紬「そう。はい、薬」
澪「ありがとう」
澪は手元のお茶に薬を溶かし、一気に飲んだ。
澪「はーあああ、ああああ効いてきた効いてきた。いつもながらいい気分だなー、ふぅ」
紬「あまり続けて服用しすぎると、危険よ」
澪「大丈夫だよ、こんないい薬が危険なわけないって」
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642:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 22:36:52.82 ID:jqHF341/0
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紬「……」
紬はただ澪の気が紛れればいいと思って薬を勧めた。
しかし、今や澪は薬の魅力にどっぷりと浸かってしまっていた。
最初は薬に抵抗があったはずなのに。
その後も澪は薬を飲み続けた。
紬は、本心では「薬を与えてはいけない」と思いながらも、
たった一人の仲間を失うのが怖くて、澪に薬を渡す日々が続いた。
澪「薬!薬くれよ!!むぎ!!!」
紬「お、落ち着いて澪ちゃん、今あげるから……」
薬を求める澪の顔は、狂犬のようだった。
澪「はぁっ、はぁっ…ごくごくっ」
薬を飲んだ瞬間、澪の表情はもとの穏やかな状態に戻るのであった。
澪「ふぅーっ」
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649:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 22:43:57.07 ID:jqHF341/0
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紬「澪ちゃん……体、大丈夫?」
澪「大丈夫だって、心配性だな。ははは」
紬「……」
紬は先日、澪の担任から相談を受けていた。
教室での様子がおかしいが、部活ではなにか変わったことはないか、と。
担任によれば、澪は終始なにかに必死に耐えているような感じらしい。
その場では「特に変わったことはない」と答えておいたが、
ここまで副作用が進行してしまうほど薬にハマるとは紬も思っていなかった。
澪「むぎ、もう1本くれないか」
紬「だめよ、1日1本だけ」
澪「ちぇっ」
澪はそう言うと、コップの中に残るお茶を舐めはじめた。
あきらかに、求める薬の量が増えている。
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654:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 22:51:21.00 ID:jqHF341/0
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その夜。
プルルルルルル
紬「あら、電話。澪ちゃん?」
澪『なあ、むぎ。薬、薬、くれないか。今すぐ欲しいんだ、頼む』
紬「ちょっと澪ちゃん、何言って……」
澪『いまむぎの家に向かってる途中だ。準備しといてくれ、な』
プツッ
ツーツー
紬「み……澪ちゃん」
澪が紬の家に来るまで5分とかからなかった。
紬「澪ちゃん……」
澪「なあ、くれよ、早く……欲しいんだよ、薬」
紬「だ、ダメよっ」
澪「えっ……」
-
662:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:01:01.07 ID:jqHF341/0
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紬「も、もうダメよっ!これ以上は、あげられないっ」
澪「な、何言ってんだよ、むぎ……私たち仲間だろ」
紬「そんなレベルの話じゃないわ!これ以上薬を飲んだら、あなた神経がやられてしまうわよっ」
澪「うるさい!!飲まない方が神経やられそうだっ。早く寄越せ、早く。持ってんだろ!」
紬「だめよっ!」
澪は紬に掴みかかり、激しく揺さぶった。
すると、紬のワンピースのポケットから薬のパッケージが転げ落ちた。
澪「あるんじゃねえかよお!!」
澪は薬をすばやく拾い上げ、自転車のカゴに放り込むと、
来た道を全速力で戻って行った。
紬「だめえっ!持って言っちゃダメっ!!澪ちゃああん!!」
紬のただならぬ声を聞きつけた執事の斎藤が玄関までやってきた。
斎藤「どうされました、紬お嬢様」
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665:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:06:40.74 ID:jqHF341/0
-
あの薬の存在は、紬と両親だけの秘密であった。
執事とは言え、琴吹家の部外者である斎藤に知られるわけにはいかない。
紬「なんでもないわ!斎藤は家に戻ってなさい、私もすぐ部屋に戻るから」
斎藤「はっ」
斎藤が部屋に戻ったのを確認してから、紬は自転車を引っ張り出して
澪のあとを追いかけた。
まだ薬を飲んでいないならば、すぐに肉体的な疲労がきてまともに自転車を漕げなくなるはずだ。
充分まだ間に合う。澪を止められる。
澪はすぐに見つかった。
川原で盛大に転んでいたのだ。
おそらく自転車を漕げなくなったのだろう。
紬「澪ちゃん!」
澪「くるんじゃねえええ!!」
紬(怖い……でも、私が止めなきゃ!!)
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667:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:08:38.72 ID:ZKwHBNaC0
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口調wwwwwwwwwwwwwwwwww
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671:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:13:14.44 ID:jqHF341/0
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澪「はああああ、はあああああああ」
澪は震える手で薬の箱を開けた。
紬「だめっ澪ちゃん、飲んじゃダメ!!」
紬が止めるよりも早く、
澪は箱の中に入っていた10本のスティックを開け、
一気に口の中に流し込んだ。
紬「だめええええっ!!そんなに飲んだら!!!」
澪「はあああっ、はあああっ、はあああっ!
すごいなあこの薬は!やっぱり良く効くよ!!
こんなにも落ち着けるんだからさぁ!!」
澪の眼は完全にイッていた。
口の端からよだれを垂らし、全身を小刻みに震わせている。
澪「なあ、むぎぃ、お前さぁ、私を裏切るんだよなあ、はあはあ」
紬「なっ…」
澪「だってそうだろうがよぉ、私から薬を奪おうとするんだからなぁぁぁぁ!!」
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674:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:18:24.34 ID:jqHF341/0
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澪「裏切ったんだろおおおおおおおお!!!」
紬「ち、違うわっ!澪ちゃんのためを思って!!」
澪「うううるせええええええええええええええ!!!!!」
川の周りは見渡す限り畑や田んぼであった。
大声を出しても誰かに届くことはない。
澪「はああああ……はああああああ……ふううううううう……殺す」
紬「えっ」
澪「殺すっていったんだよ、殺す殺す殺す、お前を殺す」
澪は足元に落ちている石ころを紬に向かって投げつけた。いくつもいくつも。
紬「ひっ、いやっ、やめて!いたいいたい!!」
澪「うるさいよ、私の心はもっと痛いんだからなぁ、はあはあ」
澪は石を拾っては投げ、拾っては投げを繰り返しながら、
うずくまる紬のもとへと歩を進めた。
-
678:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:22:16.68 ID:WNRs9YCz0
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えっ
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681:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:23:55.75 ID:6hRNMTMt0
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うわあああああああああ
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689:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:27:43.34 ID:jqHF341/0
-
澪はひときわ大きな石を手に取って、
紬の脳天に叩きつけた。
ガスッ。
紬「ぎあああっ!」
勢いよく血が飛び散る。
しかし澪は意に介さず、淡々と石を叩きつける。
ガスッ、ガスッ、ガスッ。
やがて紬は動かなくなった。
澪「はあ……死んだか、あっけないね」
澪は懐から紙とペンを取り出し、にせの遺書を書いた。
そして、近くにあったゴミ箱からコンビニ袋を取り出し、そこに遺書を入れた。
さらにそれを紬の服の内側に押し込んだ。
澪「ばいばいむぎ。あははは、裏切り者の末路だよ。あはは」
澪は紬の亡骸を抱え、川に入って行った。
そして一番深いところで紬を沈め、そのうえに石を載せた。
-
693:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:30:16.81 ID:mM/0z3LEO
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しんじゃった…
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708:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:36:40.33 ID:jqHF341/0
-
翌日。
大量に薬を飲んだ反動で、
澪の体は今までにないくらい不調であった。
澪(ああ……寒気がする……目がかゆい……関節が痛い……のどが渇く……)
教師「でーあるからしてー、秋山、ここの問題やってみろ」
澪「はあ…はあ…はあ…」
教師「ん?秋山、大丈夫か?」
澪「はあ……はあ……」
澪は顔をあげることすら億劫に感じていた。
教師「体調、悪いのか?保健室行くか?」
澪「はあっ……はあっ……」
澪はよろけながら立ちあがった。
そして、そのまま教室から出て行った。
教師の「一人で大丈夫か?」との問いにも答えることはなかった。
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722:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:45:42.23 ID:jqHF341/0
-
澪は保健室には行かず、音楽室に行った。
今日はどのクラスも音楽室を使っていなかった。
澪「はあ……はあ……」
ふるえる手で食器棚を開き、自分のコップを取り出すと、
中を一心不乱に舐めはじめた。
薬など付いているはずはないのだが。
澪「はあああっ、はああああああ……はあ、はあ、はあっ」
体を襲う不調にも波があった。
澪は一時的にだが落ち着いてきた。
澪「はあ、はあ、はあ」
澪は、いつもみんなでお茶をしていたテーブルに着いた。
色々なことを思い返そうとしたが、頭が上手く回らなかった。
もはや時間の感覚も曖昧だった。空腹感も湧かなかった。
澪はずっとそこに座っていた。
しかしとつぜん、さらに大きな不調の波がやってきた。
澪「はああああああああああああっ、はあああああああああああっ」
-
727:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:51:19.03 ID:4Os1alNY0
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あぁ・・・次はゲロだ
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729:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/30(火) 23:53:33.41 ID:jqHF341/0
-
澪「はあっ、はあっ」
今までにないくらいのつらさだった。
体中の神経がすべてはち切れそうだった。
胃の中でも何かが渦巻いているようだった。
脳内にはわけのわからない映像が大量に浮かんできて、頭が割れそうだった。
手も足もこまかく震えていた。
澪(死ぬのか、死ぬのか私、私もうダメだ、死ぬ、死ぬんだ。
頭が割れる、吐き気がする、体中が痛い、痛いんだっ)
もはや機能しなくなりつつある感覚器官の一つが、ドアがひらく音を捉えた。
しかし澪にはもはや何の音かは理解できなかった。
「なんだあ、澪、来てたのか。早いなー」
「今日むぎちゃん休みなんだよねー」
「あー、そういやそうだ。お菓子どーする?」
「私買ってくるよ~」
「なんか唯に任せたら変なの選びそうだな~。私も行くよ」
「澪ちゃんはどうする?」
澪(みお?みおってだれ?だめだかんがえたら頭がわれそうだ)
「シカトかよ。いこうぜ唯」
-
744: ◆.W.rrRUMFo :2009/06/30(火) 23:59:41.83 ID:jqHF341/0
-
「たっだいまー」
「澪まだ寝てんのか」
「いいじゃん、起こさないでおこうよ」
「そうだな」
澪(しゃべるな。しゃべるな。あたまにひびくんだ。あたまがわれそうだ)
ガサガサ
「ポテチはやっぱりコンソメだよね~」
「うるせー!薄塩だろ!」
「コンソメのほうがおいしいよー」
澪(へんなにおいを立てるな。きもちわるくなる。はきけがする)
「コンソメの良さが分からないなんてシロートだね」
「うるへー」
パリパリもぐもぐ
澪(やめろやめろやめろやめろ)
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745:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:00:36.96 ID:197oCYHD0
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くるぞ・・・
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753: ◆.W.rrRUMFo :2009/07/01(水) 00:03:40.42 ID:KkTbnU510
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「澪ちゃんの分も残しといてあげなきゃねー」
「いいだろ別に澪の分なんて」
「だめだよー」
澪(やめろ。近づけるな。きもちわるい。吐き気がする)
「ひさしぶりに練習すっか~」
「えー、澪ちゃん寝てるのに、起きちゃうよ」
「澪が寝てるからやるんだよ!」
ズンタカズンタカズンチャチャチャーン
「もーりっちゃーん」
ドンドカズンタカドンドカズンタカ
澪(うるさいうるさいあたまがわれるあたまがわれる)
澪(きもちわるい、あたまがいたい、きもちわるい、あたまがいたい)
ズンズカダカダカズッチッチーン
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759:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:05:11.22 ID:gmZxEg+10
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律はなんなんだ本当に
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766: ◆.W.rrRUMFo :2009/07/01(水) 00:07:16.99 ID:KkTbnU510
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ズンダカダカダカダカダカダーン
澪(やめろやめろやめろやめろ)
澪(きもちわるい うごけない もういやだ あたまがわれる あたまがわれる)
ズンタカズンズンズンダダダダダダーン
澪(あたまが あたまが)
ズンダダダーン
澪(あ)
澪にひとかけらだけ残っていた正気が
最後に認識したものは
自分の精神がはじけ飛ぶ音だった。
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777: ◆.W.rrRUMFo :2009/07/01(水) 00:10:16.06 ID:KkTbnU510
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澪「ああああゲロ吐いちゃうゲロ吐いちゃうよおおおおおお」
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779:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:10:41.48 ID:Nla3zqx30
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>>777
うわあああああああああああああああああああああああああああああ
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783:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:11:20.62 ID:Ya10XxQZO
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>>777
この空白の使い方は卑怯だぜ
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786:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:11:46.26 ID:aYPGbPCTO
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>>777
鳥肌きた
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778:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:10:28.10 ID:bhlivl3r0
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あらためて>>1みたらギャップに吹いた
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782:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:11:18.44 ID:RlYo5qTL0
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そして>>1へ・・・
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785:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:11:43.17 ID:197oCYHD0
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繋がったあああああぁぁぁ!!!!
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805: ◆.W.rrRUMFo :2009/07/01(水) 00:16:07.59 ID:KkTbnU510
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憂「これが大方のことの顛末ではないかと……
かなり想像で補った分もありますが」
刑事「いや、おそらくそれで殆ど合っているだろう。
教師たちや遺族の証言データと合わせても、別に違和感はないしな」
憂「ところで、なぜ紬さんが殺された夜、琴吹さんの家の人は警察に連絡しなかったのでしょう。
殺されたことは分からなくても、失踪したんなら通報くらいは」
刑事「それは琴吹紬が薬を持っていたからだろう。
ヘタに警察に見つかったら危ないしな」
憂「そういうことですか」
刑事「しかし今回の件で琴吹家が薬の売買で巨万の富を得ていたことも分かった」
憂「その薬のせいで、お姉ちゃんや…澪さんや…梓ちゃん、律さん、紬さん、和さん、さわこ先生まで……」
刑事「薬はきっかけにしかすぎねえ。本当の原因は誰もが持っている心の闇ってやつだ」
憂「…救われませんね」
刑事「ああ……ところで嬢ちゃん、高校でたら警察に来ないか」
憂「えーっと…考えときます」
けいおんリサーチ200X
第2部
完
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808:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:17:03.32 ID:49SnYELeO
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憂wwwwww
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812:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:17:35.97 ID:mxgwwVDX0
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>>1乙
面白かった
スレタイだけ見たらマジキチスレだがw
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817: ◆.W.rrRUMFo :2009/07/01(水) 00:18:17.00 ID:KkTbnU510
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これでおしまい
こんなゲロまみれクソまみれクスリまみれのSSに長々とお付き合いいただき
ありがとーございました
今までに書いたけいおんSSの中で一番伸びたので満足
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828:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:19:31.10 ID:2W0xyt7CO
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>>817
てめーゲロくせーよ乙
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841:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:21:34.29 ID:RlYo5qTL0
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>>817
おつかれさん。ゲロ吐くよ?
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823:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:19:17.59 ID:+AnGreBGO
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乙
刑事格好いいなw
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859:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:27:54.80 ID:UjiWgN4kO
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欲を言えば和を澪がどうやって飲み込んだか知りたかった
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872:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:33:30.73 ID:00OVw50QO
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>>1
>>859のは設定なし?
俺も気になってたんだ
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874:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:36:15.73 ID:KkTbnU510
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>>872
四肢を引きちぎって飲み込んだということで
なんで憂と会った時に顎が外れてないのか…は、
正常な状態に見せかけるため外れた後に直したってことにしといて
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878:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:39:07.32 ID:j5p1ZKyGO
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>>874
和がまるごと入ってたんだよな…?
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880:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:39:54.96 ID:KkTbnU510
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>>878
こまけえこたあいいんだよ!!!
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899:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:52:05.03 ID:00OVw50QO
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>>874
おk。疑問解決してすっきりした
また何か書く時があれば今のIDか分かりやすいコテをお願いしたいです
これからも応援しますぜ
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865:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:29:39.84 ID:9+dp4j540
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乙
最初のアレな展開からここまで持ってきたのは凄い
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869:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 00:31:18.00 ID:o3NjFqD7O
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>>1乙
最初爆笑して最後までのめり込んでしまった
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910:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 01:09:26.94 ID:MKhe4p/6O
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乙
俺は何が何でも薬物だけはやらない
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928:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 01:34:28.64 ID:Uadk13cTO
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いやぁ、こんなに引き込まれるとは思わなかった
>>1 乙でした
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929:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 01:34:52.60 ID:EuhST47D0
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1乙
もう一回読んでくる
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954:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 04:06:33.50 ID:dObH4Yd9O
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ふざけたスレタイで始めの方は笑いながら読んでたのに…
想像以上に面白くて何とも言えない気分になった、乙
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955:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 04:30:16.89 ID:7qBHyCIC0
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>>1乙
最初からは想像できないくらい面白かったぜ
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996:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 08:26:17.40 ID:aNDyKPD4O
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>>1000ならハロワ
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997:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 08:26:42.28 ID:zuQ/7MzOO
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1000なら澪は俺の嫁
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998:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 08:27:06.84 ID:2+gW5/oTO
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1000なら澪嫁
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999:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 08:27:31.15 ID:KscGz9+xO
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1000なら
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1000:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/01(水) 08:27:46.20 ID:mxgwwVDX0
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>>1000なら俺もゲロ吐く

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