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雪歩「マリンスノウ」
- 1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/12(日) 00:40:14.75 ID:uu7gjsO4O
- 初SSです。
アイドルマスター。
鬱注意です。 - 2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/12(日) 00:41:10.25 ID:uu7gjsO4O
-
最近、悪い夢を見ます。
とても、とても、悪い夢を。
- 3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/12(日) 00:41:44.92 ID:uu7gjsO4O
- ******
私はどこか遠い島に一人でいました。
眼前には青すぎる海、暗い空。
気付けば私の体は海の中に放り出されていました。
息が出来ない。苦しい。苦しい。
でも、黒い海の中じゃどこが上なのかも分かりません。
足掻いて足掻いて足掻いて…………諦めて。
もう、このまま、朽ちて深海魚の餌になってしまえればいいのに。
****** - 4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/12(日) 00:42:29.86 ID:bDR3V4kJ0
- 期待ー
- 5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/12(日) 00:42:57.31 ID:uu7gjsO4O
- 「えっ……?」
それは、寒い季節の始まりでした。
「だーかーらー……ボクは……その、プロデューサーのことが……さ?」
頬を赤らめながら俯く真ちゃん。
その時、私の頭は真ちゃんが何を言ったのかなんて理解してなくて。
ただ漠然と、「ああ、好きな人がいるか、なんて聞かなきゃ良かった」って思ってました。
「てへへ……や、やっぱりちょっと恥ずかしいなぁー! 雪歩ったら、突然そんなこと聞いてーー」
知ってます。
そうやって右手で頭を掻く仕草。
照れてる時の真ちゃんの癖。
知ってる。
私だけ。 - 6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/12(日) 00:43:34.56 ID:uu7gjsO4O
- 「ーーって、雪歩? どうしたの? 黙っちゃったけど」
「……あ。 う、ううん、なんでもないの」
私だけが知ってる真ちゃんの癖。
その「私だけ」はーーもうすぐ終わろうとしているのでしょうか?
「! あ! も、もしかして、雪歩もプロデューサーが……!?」
違う。
「あ、あはは……私はまだ、そういうのは分かんないかなーって……」
違うんだよ。
「よ、良かったぁ……。ほら、ライバルは少ない方がいいからさ!」
「うん…………」
…………そこから先のことはよく思い出せません。
思い出す必要もないんだと思います。
今まで、真ちゃんは私にとって「空気」みたいなものでした。
私には絶対に必要なもの。
絶対に手放せないもの。
だから、なんでしょうか。
とても息苦しかったことだけは鮮明に覚えています。 - 7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/12(日) 00:44:26.77 ID:uu7gjsO4O
- ******
私はまだ深い海の中を漂っています。
沈んで、沈んで、沈んで。
空は私を見放したかのように、遠ざかっていきます。
さっき、ようやく分かりました。
きっと、この海は想い出の海。
視界が群青に染まっていきます。
綺麗で、それでいて暗い青です。
想い出の青。
ここでなら、真ちゃんと色濃く混ざり合える。
もし、現実でも、それが出来ていたら……。
……いつまでもこうしてはいられません。
早く這い上がらなきゃ。
でも、想い出の重さで、泳げません。
****** - 8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/12(日) 00:45:13.85 ID:uu7gjsO4O
- プロデューサーと真ちゃんが付き合い始めたという噂を聞いたのは、それから数日後のことでした。
最初はアイドルとは付き合えない、と言っていたプロデューサーも、余りの真ちゃんの情熱に折れたとか…………。
そんなことを話しながら、真ちゃんは私の髪を撫でてくれました。
ほんの数日前まではとても心地よかったはずなのに。
なんだか今は、「髪を撫でてもらっている」以上の何かを感じることも出来ません。
真ちゃんが何か話しかけてくれているみたい。
でも、全然頭に入ってきません。
こんなこと、数日前まではとても有り得なかったはずなのに。
あの日から何もかもがおかしくなったんです。
私は、いつの間にか真ちゃんの笑顔を直視出来なくなってしまっていました。 - 9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/12(日) 00:45:46.82 ID:uu7gjsO4O
- その日はレッスンのあと、独りで家に帰りました。
玄関で待っていてくれたお弟子さんに、一言「ご飯はいらない」とだけ言って、自分の部屋に向かいます。
早くこの「悪夢」から逃れたかった。
荷物を床に投げ、コートも脱ぎ散らかしたまま、ベッドに横になります。
真っ暗な部屋の中。
次第に感覚が鈍っていきます。
無音、無光の世界。
もう目を閉じているのかどうかも、これが現実か、夢なのかどうかも分かりません。
そのまま、真ちゃんの仕草や、腕の中の温もりを思い出そうとしました。
何度も、しました。
けれどそれらは、浮かんでは消えていくばかり。
まるで世界から断ち切られてしまったかのような孤独。
絶望を伴った、圧倒的な孤独。
私がもっと、真ちゃんの瞳を見て想いを話せていたら……。
誰もいない闇は、真ちゃんとの記憶だけ残して、私から全てを奪っていきますーー。 - 11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/12(日) 00:47:41.83 ID:uu7gjsO4O
- ******
体がただ、沈んでいく。
私の涙も、叫びも。
深海が攫っていく。
どうせならもう、この想い出の中で抜け殻になってしまえれば。
ずっとこのまま、想い出の揺り籠の中に居続けられれば。
時を越えて、深い意識の淵を漂っていられたら……………………。
私はきっと、生まれ変わって全部をリセット出来るんでしょうか。
…………ううん。
私はもう、独りで行かなくちゃ。
真ちゃんのいない「悪夢」の中を、独りで行かなくちゃ。
行かなくちゃ、いけないのに。
……でも、想い出の重さで、泳げません。
****** - 12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/12(日) 00:49:14.58 ID:uu7gjsO4O
- 期待ありがとうございます。
が、もう終わりです。
元ネタはスキマスイッチの「マリンスノウ」です。
良かったら聴いてみてください。
少し分かりにくかったかもしれません。
もう少ししたらHTML出してきます。

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