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結衣「京子は友達だからなぁ…」
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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 22:33:20.81 ID:RWA0qCD90
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~結衣の部屋~
ピンポーン
いつも通りインターホンを押す私。
今日は休日。もちろん、この部屋の主には許可は取ってない。
…ま、どーせ入れてくれるんだけどね。
結衣「はい、なんd…またお前か」
聞き慣れた結衣の呆れたような声に何故かホッとしながら、私は返事する。
京子「ヒマなので来ちゃいました!」
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4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 22:37:21.56 ID:RWA0qCD90
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結衣「…はいはい。私もヒマだったし…カギ開いてるから入っていいよ」
京子「さすがです結衣さん」ガチャ
結衣「誰が結衣さんだ」
何度も来た部屋。
今ではドコに何があるのか大体分かるようになってしまった。
なぜか私はそれを誇りに思っている。
京子「さて…」ゴロゴロ
結衣「何かする?」
京子「いや別に」
結衣「そっか」
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6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 22:41:11.49 ID:RWA0qCD90
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ダラダラと時間が経っていく。
私はマンガを読んだり、ただ寝転んだり。
時折、結衣が何してるのかが気になって目を向ける。
と言っても、結衣も私と大差ない。
ゲームしたり雑誌を読んだり…。
結衣「…あ、京子。プリン作ってみたんだけど食べる?」
京子「ほう…興味深い。持ってきたまえ」
結衣「何だよその態度は…ちょっと待ってろ」
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8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 22:45:06.45 ID:RWA0qCD90
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結衣「はい。…いただきます」コトッ
京子「おー…いただきー!」モグッ
結衣の作るものは全部おいしい。
結衣らしさが出てるというか…味に余裕があるというか。
結衣に調理してもらってる食べ物たちが喜んでるみたい。
京子「ごちそうさまー!うまかった!」
結衣「初めてにしては上手くいったかな…食器洗ってくる」
京子「ごくろうさまでーす。感謝してまーす」
結衣「そりゃどーも」
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10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 22:51:34.69 ID:RWA0qCD90
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結衣が台所に食器を洗いに行っている間、ヒマなので部屋を物色する私。
京子「…あれ?前に来た時はこんなの飾ってなかったのに…」
なんで今まで気づかなかったのか。
テーブルの上に写真立てがある。
…写真は、千歳と綾乃と結衣の三人の写真。修学旅行の時のものだ。
京子「…?…」ジッ
違和感。
なんで私が写っていないの?
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11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 22:56:01.75 ID:RWA0qCD90
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京子「なんで…四人で撮った写真あったじゃん」
さっきまでの幸せ気分は一転。
私の心に色々な感情がうずまく。
私は?なんで千歳と綾乃だけなの?
もしかして嫌われてる?いや、結衣が私を嫌いなんてあるハズない。
私だけハブいたの?偶然?
なぜかパニックになる。
体が熱を持ち始めた。
京子「なんだよ…これはちょっと問いたださないと…」
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14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 22:59:29.30 ID:RWA0qCD90
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京子「…結衣ー!!!」
大声で結衣を呼ぶ。
…10秒経っても来る気配がない。
イライラしてきた。
京子「結衣ってばー!!」
ガチャ
結衣「近所迷惑だぞ…なに?」
こっちは必死なのに何で冷静なんだ。
結衣は悪くないと分かっていても、さらにイライラがつのる。
つい声を荒げてしまう。
京子「この写真どういうこと!?」ビッ
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17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 23:05:24.21 ID:RWA0qCD90
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結衣「ん?…修学旅行の写真だよ。京都行ったろ?」
京子「問題はソコじゃなくて!写ってる人数!」
結衣「人数?」
まだ分からないのか。
京子「三人なの!なんで四人の写真じゃないの!?」
結衣「ああ…そういうことか。別に深い意味はないけどさ」
別に大したことじゃないと言わんばかりに結衣は私を軽くあしらう。
さらにイライラする。
京子「ねぇ結衣…写真って思い出でしょ?私と綾乃と千歳と結衣で行ったよね?」
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20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 23:10:44.53 ID:RWA0qCD90
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結衣「…何イライラしてるんだ?」
京子「…!」
結衣「別に深い意味はないから。それ、景色がキレイに撮れてるしから…1番見栄えが良いなぁって思っただけ」
…本当に深い意味は無さそうだった。
それで安心したと同時に何故か心にポッカリと穴が空いたような感覚を感じる。
私は結衣に何を求めてるんだろう?
京子「…結衣って、そんなに私のこと軽く思ってたんだ」
その疑問の答えは、頭の中で理解する前に、自然と私の口から漏れた。
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26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 23:16:21.83 ID:RWA0qCD90
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結衣「何でそうなるんだよ…昼ドラにでも影響されたの?」
いつものことだ、と今日インターホンを押した時のような呆れた声が帰ってくる。
「また京子が変なこと言い始めた」
とでも思ってるのかな…
真剣な時に正しく思いが伝わりにくい自分をうらめしく思った。
京子「だってそうじゃん。綾乃と千歳が写ってるんだから私は二人よりも軽い存在ってことじゃん」キッ
そうじゃないだろ私。
自分でツッコミを入れながら、今の発言を一瞬で後悔する。
結衣「…あのさ、もしかして本気で言ってのか?写真だけで何でこんなに怒ってるんだよ…」
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30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 23:21:26.30 ID:RWA0qCD90
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結衣が本気で困ったような顔をする。
長年寄り添ってきた仲だ。結衣の表情の変化なんてすぐ分かる。
…そう。私の方が結衣のことを分かってるんだから…私を優先するべきじゃん。
京子「そりゃ怒るよ!!私だけハブられてさぁ!!」
結衣「…は?」
止められない。
なんでだろう。
京子「なんなの?普段から迷惑だと思ってるの?」
結衣「…そんなワケないよ。とりあえず落ち着け」
いたって冷静な結衣。
またイライラがつのっていく。
理不尽だと分かっていても。
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34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 23:26:57.57 ID:RWA0qCD90
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京子「…だって四人で行った修学旅行の写真に写ってるのが自分以外の三人だったら…普通ショック受けるでしょ!?」
結衣「…あっ」
結衣がハッと気付いたような顔をする。
「京子はそこに怒ってたのか」
そんな顔だ。
でも今、私が言ったのは本心じゃない。
やり場のない怒りをぶつけるために繕ったカラッポの言葉。
普段みたいにやりたいようにやればいいのに何故かできない。
なのに心は何かを掴みたくて必死になってる。
結衣に何かを言って欲しがってる。
冬にもかかわらず汗ビッショリになる私。
結衣「…ごめん。京子…私が鈍感だった。普通キズつくよな」
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36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 23:31:29.72 ID:RWA0qCD90
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京子「…そうだよ」
結衣「ごめん…写真替えるな」ゴソゴソ
そうじゃないんだよ、結衣。
それは、あくまでオマケなんだ。
まだ、何かを求めてるんだ。
イライラは治まった。
結衣が呆れずに、本気で相手してくれたから。
でも…モヤモヤはまだ取れない。
汗が止まらない。体が硬直する。
結衣「…あった!」
結衣「…よし。これでOK」コトッ
結衣が写真立てに新しく差し込んだ写真は…
…確かに、私たち四人の写真だった。
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38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 23:36:27.33 ID:RWA0qCD90
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結衣「やっぱり景色より友達が写った写真の方がいいな」
確かにとても良い写真だ。
みんな笑ってるし。
けど、気づいちゃったよ、結衣。
私はこんなの求めてない…
ホッとしたような表情の結衣。
ここで終わらせればいいのに、私はさらにたたみかけてしまう。
自分が安心したいがために。
確認するために。
京子「…思ったんだけどさ」
結衣「ん?」
京子「…私達って、どんな関係?」
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43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 23:42:47.65 ID:RWA0qCD90
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結衣「突然だな」
京子「…ここで白黒はっきりさせようじゃないか、結衣さん?」
いつもの結衣に戻る。
いったん治まったと思ってるようだ。
それを見て私は照れ隠しに冗談混じりのしゃべり方に戻る。
結衣「…難しいなぁ」
イライラする。
すぐに言ってよ。
京子「一言で言うとどんな関係!?」
結衣「…友達だな」
また体が熱くなる。
なんだよ…一言で言えって言ったのは私だけどさ…
軽すぎない?
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46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 23:47:02.02 ID:RWA0qCD90
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京子「…え、そんだけ?」
結衣「?」ポカン
京子「じゃあ、綾乃や千歳は…?」
結衣「友達だな」
パニックになりそうになる。
私は結衣を特別だと思ってるのに。
昔からずっと一緒に居たのに、綾乃や千歳と一緒なのか。
少なからず私は特別じゃないのか。
いや、そうであるべきでしょ。
結衣「…どうした?今日、なんか変だぞ?」
体を震わせる私を見て、結衣は心配そうに言った。
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51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 23:52:52.29 ID:RWA0qCD90
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京子「結衣のっ、せいだよ…」
結衣「えっ?」
結衣はいつのまにか私とはズレてたんだ。
怒りや悲しみや…なぜか綾乃や千歳への軽い嫉妬まで私の中でうずまく。
結衣を取られた気がした。
なんで私と同じ立場にいるの。
結衣「おい、何を言ってるか全くわかんないぞ…病院いく?」
裏切られた気がした。
普段は口に出さなくても、何だかんだで私を特別だと思ってくれてると思った。
…そういえば、結衣が私の家に来るなんて滅多にないなぁ…
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54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/10(木) 23:58:08.02 ID:RWA0qCD90
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京子「…なん、だよ…」
京子「ばか…結衣のばか…信じてたのに…ばか…」
結衣「お、おい」
私はこんなにイライラするほど結衣を想っているのに、結衣はそんなことはなかった。
そんな結衣の前で泣くのは、負けを認める行動だと思った。
私らしくもなく、涙を我慢した。
私らしくもなく、言いたいことを隠した。
京子「…ま、そんなもんだよね。ずっと一緒に居て慣れっ子だし」
結衣「…なんか、さっきから言ってることが定まってないぞ?」
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56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:02:08.54 ID:kJs8lk5c0
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京子「じゃ、私は帰るわー。迷惑だろーしね」
結衣「え、迷惑じゃないよ。それに京子が心配だ…」
京子「ただの友達に夜飯までもらうワケにはいかないよー。じゃっ」
結衣「あ…おい…京子?」
ガチャ…バタンッ
京子「…」
京子「…帰ろっと」
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58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:06:11.56 ID:kJs8lk5c0
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京子「…」テクテク
帰りながら出来事を整理する。
一部始終を頭の中で再生しては体がカッと熱くなる。
泣かないつもりだった。
結衣に負ける気がするから。
なのに…
京子「うぅ…なんだよ…っ…」ポロポロ
結衣は誰にでも優しかっただけなんだ。
結衣はそういう人なんだ。
別に私が特別じゃなかったんだ。
どんどん考えが悲観的になっていく。
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62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:13:01.07 ID:kJs8lk5c0
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~公園~
京子「…うっ…」ポロポロ
なんとか公園のベンチに座る。
涙が止まらない。
なんだよ、なんだよ…。
ポトッ
京子「…冷た…っ!?」
…タイミング悪いなぁ。
初雪も空気読めよ…
…いつもなら、結衣とか誘って雪合戦でもするのになぁ…
京子「結衣…とか…」
横に居るのが当たり前すぎたんだ。
もう手遅れなんだね。
私の心が結衣によって満たされることはもう、ないんだ。
いつのまにかズレてたんだから。
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63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:16:20.75 ID:kJs8lk5c0
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京子「…あーあ。やってらんない…」
京子「…」グスッ
バサッ
京子「っ!?」
いきなり目の前が真っ暗になる。
なにこれ…!?
さっきまで悲しみにくれていたことも忘れて焦る私。
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68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:20:03.77 ID:kJs8lk5c0
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「…ったく。探したんだぞ?」
聞き覚えのある声。
京子「…?」
結衣「ほら、雪も降ってるし寒いだろ?コート持ってきたんだ」
なんだ、コートが被さってきただけか。
京子「はー…あったかい…」
結衣「…で、何してたの?」
京子「…って結衣!?」
結衣「お、おいおい…」
何故ここに。
ほっといてよ。
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72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:23:06.36 ID:kJs8lk5c0
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京子「…なんでここに」
結衣「…あのなぁ…あんだけ元気のない京子を見たら心配に決まってるだろ」
京子「…」
結衣は優しい。
それでいて鈍感だ。
結衣「…さっきの話だけどさ。京子が怒ってる理由、なんとなく分かったよ」
京子「え…?」
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75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:27:04.43 ID:kJs8lk5c0
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結衣「おまえ、綾乃や千歳と一緒だってのが嫌だったんだろ?」
京子「え」
図星。
これは…どういうことなのだろう。
結衣「京子がこんなに不機嫌になるなんて滅多にないからさ…」
京子「…そりゃ怒るよ」
「…」
結衣「…ごめん、京子。京子は私にとって友達なんかじゃない」
…呼吸が荒くなるのを必死になるのを押さえる私。
まさか、まさか…
結衣は何を言おうとして…
結衣「1番大切な親友だ」
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80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:33:29.23 ID:kJs8lk5c0
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…
結衣「京子。安心して。お前が1番大切だからさ…」
やっぱり、ちょっとズレてる。
でも…
やっと結衣の本音を聞けた気がした。
結衣「これからも横で…」
私の心は満たされることはなくなった。
でも…結衣の1番だ。
少し心が軽くなった。
結衣「…な?京子」
こういうのも悪くないかな。
親友として…
結衣「…おい、京子?」
京子「…」ニヤリ
私は結衣に思い切り雪玉をぶつけてやった。
~おわり~
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82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:34:28.04 ID:JkZ0EO7n0
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乙乙
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83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:34:39.14 ID:bF99Both0
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友達以上恋人未満か
乙!
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84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:34:41.60 ID:PXYFoBOb0
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なかなかいい結京だった
乙乙乙
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90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:38:24.89 ID:BAi8VrE60
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乙!
このマイペースな結衣もいいな
無理矢理くっつける終わり方じゃなくてよかった
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93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:46:05.65 ID:Tg3RYNFc0
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なんか好きだなこういう感じ
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94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/11(金) 00:51:25.84 ID:eBleBjEw0
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おつ

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