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女「右足を出します」 男「うむ」
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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/19(土) 23:34:55.53 ID:rk2M9QM+0
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女「あー、ハーモニカおにいさんだ」
男「どうした、こんなところで。鍵がないのか?」
女「ドアの開け方がどうしてもわからないの。さむいー」
男「開いたぞ」
女「おおー」
男「ポイントはノブを捻ることだ」
女「ああー」
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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/19(土) 23:37:15.07 ID:rk2M9QM+0
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男「14歳で酒なんて飲むからだ」
女「だって酔っ払うのが義務教育なんですよー」
男「黙ってろ。早く入れ。歩き方も忘れたか?」
女「右足を出します」
男「うむ」
女「左足を出します」
男「それも右足だ」
女「あー。えへへ」
男「褒めてない」
女「おにいさん構ってくれますねー」
男「うるせえ」
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5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/19(土) 23:44:12.00 ID:rk2M9QM+0
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女「おにいさんの部屋いってもいいですか?」
男「駄目だ。俺が連れ込んだと思われる。
通報される。逮捕される。将来がなくなる」
女「それくらいのリスクは承知の上ですよ」
男「良い性格してるな」
女「101と102の差じゃないですかー。
それに、私が勝手に入ったって言えば、みんな信じますよ」
男「一理あるな。でも用心に越したことはない」
女「はい。慎重に入ります」
男「都合の良い耳だな……」
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6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/19(土) 23:48:41.80 ID:rk2M9QM+0
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女「ここはエレベーターですか?」
男「俺の部屋だ。君の部屋と全く同じ造りのはずだ」
女「ああーウイスキーだー」
男「馬鹿野郎、さわるな。俺が飲ませたみたいに思われるじゃないか」
女「あーん」
男「あーんじゃねえ、ストレートで注がれてえのか」
女「うん」
男「体に良くないぞ、20歳まで待て」
女「あなたが24歳でー、私が14歳だからー、足して2で割ると成年です」
男「俺は21だ。24+14を2で割ると19だ。そして平均は何の意味も持たない」
女「んー? あ、こたつの電源あったー」
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7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/19(土) 23:52:40.21 ID:rk2M9QM+0
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女「ねむいなー」
男「頼むから寝るなら自分の部屋で寝てくれ」
女「なんでハーモニカおにいさんは酔っ払ってるんですか?」
男「素面だよ。ここ一週間飲んでねえよ」
女「じゃあ酔っ払いましょうよ。はい、あーん」
男「だからあーんじゃねえよ、こぼすこぼす」
女「あーん、ほら、ほら」
男「……ほら、満足か?」
女「不満足です。今度は私にも、私にも!」
男「いやその手はくわねえよ」
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8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/19(土) 23:58:29.10 ID:rk2M9QM+0
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女「おにいさん何かしないの?」
男「んー……ぼうっとしてる」
女「普段はなにしてるの? やっぱりハーモニカ吹いてるの?」
男「いや、雑誌読んだり、本読んだり、論文読んだり……」
女「それをしなよ」
男「人がいると、する気にならないんだよ」
女「あの、楽にしてもいいですか?」
男「いいけどさ、その言葉、疑問文で使うやつ初めて見たよ」
女「ベッド占領ー」
男「君の体積じゃ無理だ」
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9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 00:03:29.69 ID:b/cK/MwG0
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男「中学校は……どう考えてもまだ授業中だよな」
女「英語の時間ですね。関係代名詞をやってる最中じゃないでしょうか」
男「君はどうして学校に行かないんだ?」
女「おにいさんはどうして学校に行かないんですか?」
男「大学は空き時間が多いんだよ。今日は一限で終わりだ」
女「え、え、じゃあ暇ですか?」
男「暇ってことはないが、特に用事もないな」
女「じゃあ私で暇つぶしてくださいよ」
男「君が俺で暇を潰すの間違いだろう」
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12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 00:15:00.96 ID:b/cK/MwG0
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男「あ、案の定飲んでやがる……」
女「つい下心で」
男「出来心だろ」
女「怒らないんですか?」
男「まあ、法律違反ってこと以外は、別に悪いことでもなんでもない」
女「おにいさんかっこいい。おにいさんかっこいい」
男「はいはい。ありがとう」
女「ハーモニカおにいさんは普段、これを飲んで嫌なことを忘れるんですか?」
男「友達が置いてった。それ以来手はつけて――あ、また飲みやがった!」
女「ばれた!」
男「中学生のくせによくストレートで瓶から飲むよな……」
女「…………」
男「あ、一応涙目にはなるのか」
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13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 00:21:06.20 ID:b/cK/MwG0
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男「そんなアルコール臭くて、親に何か言われないのか?」
女「だってお母さんの方がアルコールくさいですし」
男「親もアル中なのか?」
女「いや、立派なもんですよ。八時過ぎしか飲まないんです」
男「君はどうして昼間から飲んでるんだ?」
女「あ、やめないで、もっと撫でてください」
男「嫌がらせのつもりだったんだけどな……」
女「なんかおちつく」
男「髪ぐっしゃぐしゃだぞ」
女「だけどおちつく」
男「そりゃよかった」
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16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 00:28:17.92 ID:b/cK/MwG0
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女「ねえおにいさんも酔っ払いましょうよー私だけ酔って馬鹿みたいじゃないですか」
男「馬鹿なんだよ」
女「じゃあ、酔っ払ったふりでいいですから」
男「できねえよ」
女「くらえ、アルコールくさい息」
男「おい、なんか想像以上に濃度が高いぞ」
女「にゃらっけ」
男「なにそれ」
女「なんだろう……」
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17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 00:32:56.54 ID:b/cK/MwG0
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男「よっかかるな」
女「体重があるのがもどかしいんです」
男「俺によっかかるな」
女「じゃあ顔差し出してくださいよ」
男「なにがしたいんだよさっきから」
女「キスに決まってるじゃないですか」
男「自分の頬にでもしてろ」
女「今酔ってるから無理です」
男「普段は出来んのかよ」
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18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 00:36:53.74 ID:b/cK/MwG0
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女「なんか拒否されると余計にしたくなりますよね。
あなたにもそんなことってありませんか?」
男「ない。拒否されない」
女「良い人生ですね……」
男「コツは、拒否されそうなことは言わないことだ」
女「つまらない人生ですね……」
男「そういう考え方もある――あ、また飲みやがったな」
女「ふう。正確に言うと、チューした後、おにいさんがあんまり嫌そうにしないで、
『なにしてんだよおまえー』とかって笑うのが見たいんです」
男「なにそれ」
女「通過儀礼?」
男「違うと思う」
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20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 00:46:31.39 ID:b/cK/MwG0
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男「君こそ普段は何をして過ごしてるんだ?」
女「お酒を飲んで……」
男「それ以外に。あるいは、お酒を飲みながら何を?」
女「考え事とか、美容体操とか、テレビとか」
男「好きなこととかないのか? ――飲酒以外に」
女「この部屋に来ること!」
男「以前から来てたみたいに言うな、初めてだろが」
女「おにいさんのハーモニカを聴くこと」
男「それも一回だけしかないだろうが」
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22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 00:54:51.67 ID:b/cK/MwG0
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女「毎年文化祭で、おにいさんがハーモニカ吹いてたじゃないですか」
男「数十秒だけ、な。よく毎回その場に居合わせたもんだ」
女「私、感動したんですよ。ああ、すごくハーモニカ上手い人がいる、
うわあすげえ、しかもあれ隣の部屋の人じゃんー! って」
男「それにしたって”ハーモニカおにいさん”は馬鹿っぽいからやめないか?」
女「いいですよ、私馬鹿ですから」
男「そうか」
女「あー、不登校だからって馬鹿だと思ってますね!
待っててください、今実力テストの結果持ってきますから」
男「……あーかわいい」
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24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 00:59:13.67 ID:b/cK/MwG0
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男「確かに、ここまでとは思わなかった」
女「すごいでしょう? いや、すごくはないんです。でもそんなにひどくないでしょう?」
男「すげえよ。俺が中学生の頃ははこれより下だった」
女「たしかに酔っ払ってると計算間違えますよね」
男「何の話だ」
女「あー、あったかい。私の部屋寒かったんですよ」
男「雪降っちゃったからなあ。どう考えても寒い」
女「耳もほっぺたもすごい冷えてるんですよ」
男「ああ、ほんとだ」
女「え、ほんとですか? うわ、ほんとだ、冷たい」
男「適当かよ」
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27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 01:08:17.81 ID:b/cK/MwG0
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男「どうしてもさ、君にはこういう質問をしたくなるんだよ。
『どうして学校に行かない?』とか、『学校の何が嫌?』とかさ」
女「犬のくそよりくだらねえ」
男「なんでそんなことを言いたくなるのかっていうと、びびってるからだな。
君の悪事に加担してることに、俺は後ろめたさを覚えてるんだ。
くだらない。確かにくだらない。俺も飲む。付き合えよ女子中学生」
女「やったー! 付き合うよ男子大学生」
男「近所に怪しい目で見られようが厳重注意受けようが通報されようが知ったことか」
女「すてき! ハーモニカ吹いて」
男「ああ、ウィーピングハープ二代目の実力を見せてやるよ」
女「わー、ブルースマンだー!」
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29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 01:12:39.64 ID:b/cK/MwG0
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男「酔ってきた」
女「なかまー。ほら、大学の話でもしましょうよ」
男「大学か。クソだな。ひからびたクソだ」
女「どこら辺が?」
男「福祉学部なんだ。人の役に立とうって学部なんだ。
でも皆幸せじゃないんだ。さえない奴らなんだ。
自分のことを幸せにできない奴らが、人を幸せにできる気でいるんだ」
女「雲の上のクソですね」
男「そんな感じだ。……それ、どういう意味だ?」
女「ふかい意味はないです」
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30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 01:19:54.83 ID:b/cK/MwG0
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女「ちゅー」
男「んー……駄目だ!」
女「拒否された」
男「なにがまずいかっていうと、俺は結構ちゅーされて嬉しいんだよ」
女「されてから言えよー」
男「俺はなるべく嬉しいことは避けたいんだ。もう若くないし」
女「されてから言えよー」
男「ほらこいよ」
女「ちゅー」
男「なにがまずいかっていうと、俺は結構ちゅーされて嬉しいんだよ」
女「なるほど」
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32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 01:31:30.25 ID:b/cK/MwG0
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男「酔っ払ってるからには愚痴らないと損だぜ」
女「愚痴かあー。さいきん寒いですね」
男「うっせーよ不登校、なんかあるんだろ、学校で」
女「気安く肩組まないでくださいよー……あ、気安く離れないでくださいよ」
男「わがままか」
女「どちらかというと離れないほう優先で」
男「はいはい、で、なんかないのか?」
女「私は中学校に関係するものはぜんぶ嫌いです」
男「頭いい子には嫌な場所だろうな」
女「うわ、おにいさんが甘やかしてきた!」
男「思ったことを言ってるだけだ」
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36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 01:42:35.43 ID:b/cK/MwG0
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男「まともな神経してたら、中学なんて行ってられない。
生徒は頭の成長が体の成長に追いつかなくてアンバランスで醜いし、
教師は自分で自分が何を教えてるか分かっちゃいないんだ」
女「おにいさん、ひょっとして中学生? 駄目でしょ学校さぼっちゃ!」
男「俺もあんまり学校は好きじゃなかったんだ。行ってたけどな」
女「どうして? 親が厳しかったんですか?」
男「何においても人に後れを取りたくなかったからさ。
今思えば、別に学校に行ったからって何かが進んだわけじゃないんだが」
女「ふうん……私、あそこに属してるって気がしないんですよ。
だから平気で休めちゃうんですかね」
男「へえ。足どけろよ」
女「なにがまずいかっていうと、結構嬉しいから?」
男「やかましい」
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37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 01:48:01.65 ID:b/cK/MwG0
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男「ああ、石油が切れたのか」
女「買いに行きましょうよ。ないと困るでしょう?」
男「うわ、外もう暗いんだな。まだ五時にもなってないのに」
女「ほら、おにいさん一人じゃまっすぐも歩けないでしょう」
男「二人いればどうこうできる問題でもないけどな。まあいい」
女「うわっ、とっ、とっ、いたっ」
男「立てないのかよ」
女「うわあ、せっかく身に着けた二足歩行だったのに……」
男「ほら、立て……引っ張るな引っ張るな、うわっ」
女「わあ、押し倒されるー」
男「うるせえ酔っ払い」
女「ごめん酔っ払い」
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40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 01:54:19.07 ID:b/cK/MwG0
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男「さむっ、ここまで寒くする意味が分からん、ああ寒い」
女「中学の制服って冬のこと考えてませんよねー」
男「コート貸してやっただろ」
女「ほんとだ! で、どこで灯油買うんですか?」
男「そこのホームセンターだよ」
女「うちと一緒だー」
男「そりゃあな。……なあ、あいつら、君のこと見てるぞ」
女「知り合いですね。手でも振ってやりましょうか」
男「俺はどう思われてるんだろう?」
女「訊いてきてあげましょうか?」
男「いや、別にいい、別にいいって……ああそうか、あいつ酔っ払いだもんなあ」
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42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 02:02:56.76 ID:b/cK/MwG0
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女「おにいさん? って訊かれました。兄妹と思われたようです」
男「よかったよかった。次からは訊かなくていいぞ」
女「私あんまりあの人たちと話したことないんで、どきどきしました」
男「いい機会だったな、次会った時も挨拶しろよ」
女「いっつもこんな風に気分良ければ、
学校もそんなに嫌なとこじゃないんですけどねー」
男「――さて。アパートに戻るか」
女「あ、手伝いますよ……え、なにこれ重い」
男「はいはい、気持ちだけ受け取っとくよ。貸しな」
女「気持ちも灯油も取られて、私には何が残るんですか?」
男「…………こういう時に上手いこと言い返せるようにしないとな」
女「酔っ払てんのか! 酔っ払ってんのか!」
男「それは確実に君の方だ」
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44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 02:12:46.44 ID:b/cK/MwG0
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女「ゆき」
男「降ってきた降ってきた」
女「私こういうときのために傘持ってきたんですよ」
男「俺の家からな」
女「さしてあげましょうか? 両手塞がってるみたいですし」
男「いいよ。俺は雪とか雨に濡れるのが好きなんだ」
女「じゃあ嫌がらせしますね」
男「ありがとよ」
女「家についたらちゃんと濡らしてあげますから」
男「ありがとよ」
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50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 02:24:26.47 ID:b/cK/MwG0
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女「結局互いに濡れちゃいましたね」
男「傘が小さすぎたな。濡れてみた気分はどうだ?」
女「なかなか最高です。私も濡れるの好きかもしれません」
男「そうか。早速で悪いが、ドライヤーが洗面所にあるから、髪と服を乾かせ」
女「はーい。水も滴るいい女です」
男「かわけ」
女「ほらー、一緒に乾かしましょうよ。エコですよ」
男「効率悪そうだが」
女「効率のことばっかり考えてるから先に進めないんですよ」
男「一理あるな」
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54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 02:36:37.88 ID:b/cK/MwG0
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女「ブラシありますか?」
男「あー、ほらよ」
女「でかした」
男「ほら、ドライヤー俺が持ってやるよ」
女「あとで、長い髪の毛、部屋にばらまいときますね」
男「そういうのはいらない」
女「乾いた。お酒飲みましょーお酒」
男「俺が14歳の頃は酎ハイ一缶で駄目になったんだけどな……」
女「立派になったものです」
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58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 02:42:33.79 ID:b/cK/MwG0
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女「あーん」
男「ほらよ」
女「ピスタチオ、でしたっけ? これ、おいしい」
男「へえ、俺の友達は皆これ好きじゃないんだが」
女「というか、人に食べさせてもらうものはおいしい」
男「今度ジンギスカンキャラメル食べさせてやるよ」
女「うん、手を挙げるのさえ、めんどうくさくなってくるんですよねー」
男「はーい両手挙げてー」
女「はーい」
男「下げてー」
女「はーい」
男「どっちも微動だにしてねえじゃねえか」
女「私はー、いまー、眠らないことにー、集中力を費やしてるんです」
男「無理すんなよ」
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65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 02:56:09.66 ID:b/cK/MwG0
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女「まずいですね。まいりましたね」
男「ずいぶん嬉しそうに参るんだな」
女「なにがまずいかっていうと、私、ここにいることが、とっても嬉しいんですよ」
男「見りゃ分かる。ついてに言うと、俺も嬉しい。それがまずいことなのか?」
女「私も、なるべく嬉しいことは避けたいんです」
男「若いのに?」
女「若いから。あんまりいい思いすると後が辛いじゃないですか。
こんなことなら、あと二年くらい待っておけば良かったなあ」
男「二年もしたら俺はここにいない可能性が高いけどな」
女「ああ、じゃあいいのかー」
男「そう。今がベストだったんだ」
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72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 03:04:58.21 ID:b/cK/MwG0
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女「ねむい」
男「俺もけっこう眠い」
女「もうだめかもしれない」
男「頑張れ。俺も駄目だけど」
女「もっと撫でてください」
男「撫でられてから言えよ」
女「撫でてください」
男「よしきた」
女「愚痴でしたっけ」
男「そう。愚痴だ。酔っ払ったら愚痴だ」
女「私、学校に戻りたいとは思ってるんです」
男「そうそう、そういうのを待ってたんだ」
女「私、人とのかかわりを絶つのに向いてないんでしょうね。
現に私、おにいさんといて、とても素敵な気分だから」
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74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 03:11:46.47 ID:b/cK/MwG0
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女「最初は小さなずれだったんですけどねー、
そのずれに合わせるために別の場所をずらして、
そうしていつしか取り返しがつかないほどずれちゃったんです」
男「俺はそのずれ方好きだぞ、いいと思う」
女「あはは、ありがとうございます」
男「あ、初めてそれ言われた」
女「うん。まあでも、とにかく、おにいさんと後ろめたさなしに接するためにも、
まともな学校生活を送らないとなーと、思ったわけです。ずれた酔っ払いなりに」
男「あー、酔っ払って真理を掴む人もいるんだよ」
女「はい。ここでおにいさんが、勇気の出るひとこと」
男「……本日二回目の難題だな」
女「がんばれー!」
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75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 03:19:30.19 ID:b/cK/MwG0
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男「えー、まず。右足を出します」
女「だしました」
男「いや、実際にやる必要はない、たとえだ、たとえ。
右足を前に出すと、姿勢が傾く。君は左足を前に出したくなる、その方が楽だからだ。
すると同様に、右足を出さずにはいられなくなる、やはりその方が楽だからだ。
足が交互に前に出る。惰性で君は進む。あたかも自発的に歩いているかのように」
女「何かからの引用ですか?」
男「強いて言えば君からだな」
女「いいこと言うなあ私」
男「案外、みんな、惰性で適応してるんだよ。波に乗っちまえばなんてことない」
女「おにいさん」
男「ん?」
女「ちゅー」
男「なにしてんだよおまえー」
女「そうそう! それです!」
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77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 03:22:18.95 ID:b/cK/MwG0
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なんかきりが良いのでおしまい。
見てくれた人たちありがとー。
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79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 03:23:48.95 ID:615c4z9E0
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なにー おつかれー
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80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 03:24:54.54 ID:4RVhzqxw0
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もっとみていたかったぜ
なにがいいのか言葉に出来ないがよかったぜ
乙
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82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 03:29:21.72 ID:8G3ZhsRH0
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ホントすごく馴染むと言うか心地良いSSだった!
>>1乙です!
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84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 03:44:01.02 ID:5QQ3rif/0
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二人の会話のリズムが良かったな
乙

TOMBO NO.3124/C トンボバンド24穴 複音ハーモニカ

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