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中村「おのれモミアゲ…っ!」
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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:05:34.19 ID:e4NzlIU+0
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時定荘中村宅
中村「はぁ」
中村「今日も東雲作戦は失敗だった」
中村「なんでこうも失敗ばかりするんだ…しっかり的確な作戦を練って実行しているというのに」
中村「この間だってモミアゲに可愛いとか言われて邪魔されたし」
中村「スズメバチの時だってモミアゲがいたからなんか上手くいかなかったし、結局東雲は見失ったし」
中村「そうだ、モミアゲのせいで…」
中村「………モミアゲ…」
中村「ううう…」
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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:07:39.14 ID:Je6dQwja0
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かわいい
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3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:08:30.05 ID:e4NzlIU+0
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中村「可愛い、とか…馬鹿なんじゃ、ないのか…モミアゲは」
中村「いっつも善人ぶって…邪魔ばっかり…」
中村「……」
中村「………なんでモミアゲの事ばっかり考えてんだ私は!」
中村「そんなことより東雲だっ…明日こそは仕留めてやる…」
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4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:10:15.66 ID:6MsBLRpu0
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かなちゃんかわいい
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6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:12:46.92 ID:e4NzlIU+0
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翌日、時定高校理科準備室
中村「昨日作っておいた対ロボット用回路ショート君トラップver」
中村「これは通常verとは異なり、事前に仕掛けておいて相手を誘き寄せて使うトラップタイプだ。」
中村「これをこの理科準備室の扉に仕掛けておき、東雲を呼び出す…!」
中村「ふふふ、完璧だ。今日こそ捕獲してやるぞ、東雲なの。」
中村「……あ。」
中村「そういえばまだこのバージョンの回路ショート君には顔を描いてなかったな…」
中村「……」キュッキュ
中村「…こんな、もんかな」
中村「よし、回路ショート君トラップver、頼んだぞ」
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7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:15:53.58 ID:e4NzlIU+0
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キンコンカーンコン
中村「…よし、終わりだ。日直。」
起立、礼ー
中村(さて、東雲を呼び出すか…)
なの「あ、中村先生、授業お疲れ様ですー」
中村「っま、待て東雲。」
なの「? なんですか?中村先生。」
中村「その、頼みがあるんだ。ある教材を理科準備室まで運んでおいて欲しいんだが…」
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8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:18:50.05 ID:e4NzlIU+0
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なの「教材ですか?分かりましたー。でも私ちょっと係の仕事があるので、その後でも大丈夫ですか?」
中村「っ、あぁ、大丈夫だ。いつもすまないな。」
なの「いえいえ、先生もお忙しいでしょうし、任せて下さい!では…」
中村「ま、待て東雲!!」
なの「…!? は、はい?」
中村「多分私は理科準備室にはいないから…鍵を借りて行くのを忘れないように、な。」
なの「あ…鍵ですね、分かりましたー。では、失礼します。」
中村「お、おう…」
中村「………」
中村(…ふ、お人好しロボめ…)
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9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:21:48.18 ID:e4NzlIU+0
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中村(しかし、係の仕事の後か…)
中村(その間にまた前みたいに別の生徒が来ちゃったりしたら面倒だな)
中村(いや、鍵かかってるし大丈夫か?)
中村(…まぁ用心するに越した事はないな。近くで見張っているのも怪しまれるし、双眼鏡で東雲と交互に監視しておこう。)
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10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:24:06.76 ID:e4NzlIU+0
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中村「…さて、監視監視と」
中村「今のところ準備室の方は大丈夫そうだな」
中村「えーっと東雲は…まだ仕事中、か…?」
中村「まいったな…次の授業が始まるまでに捕獲しておかないと、色々と面倒が…」
中村「うーむ…」
中村「……あ、やっと終わったようだ」
中村「これから教材と鍵を取って準備室まで…間に合うか…?」
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13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:27:26.74 ID:e4NzlIU+0
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中村「…あ、あれは」
中村「…モミ、アゲ?」
中村「な、なんでモミアゲが東雲と話してるんだ…」
中村「………」
中村「……う…」
中村(わ、私は東雲を監視しているだけ…モミアゲは関係ない…)
中村「……あっ?」
中村「ちょ、え、あ…」
中村「東雲が教室に戻ってる?代わりにモミアゲが教材を…」
中村「ま、まずい」
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14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:30:52.83 ID:e4NzlIU+0
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中村「東雲は次の授業があるからモミアゲが代わりに運びに来るつもりなのか!?」
中村「このままだと、モミアゲが準備室に」
中村「ど、どうする…どうする…!」
中村「ああもう鍵持ってる!?」
中村「どうする、どう………」
中村(………前みたいに、また逃げちゃえば良いだけじゃないか?)
中村(モミアゲとか、どうなろうと知ったこっちゃないし…前もそれでなんとかなったし)
中村(モミアゲとか…モミ、アゲ…)
中村「……もう、教材持って準備室に向かってる…」
中村「………っだあああ、間に合えー!」
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15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:33:51.64 ID:e4NzlIU+0
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中村「はぁ、はぁ…」
中村(くそっ、なんでこんな準備室から離れた所から監視しようなんて思ったんだ私は!)
中村(緊急時にすぐ戻れるようにしとくべきだった!)
中村(…うぅ、運動不足で上手く走れない)
中村(この階段を上がったらすぐ…)
中村(あぁもう…間に合ってくれー!!)
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16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:36:56.01 ID:e4NzlIU+0
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中村「っく…、も、モミ崎先生ー!」
高崎「…え?な、中村先生!?」
中村(ああもう扉の前!?)
中村「ああああ!開けるんじゃない!開けるなっ!」
高崎「え、え、ええ!?」ピタ
中村(ま、間に合った…)
高崎「ど、どうしたんですか中村先生…そんなに息を切らして…大丈夫ですか?」
中村「あ…いや、その、大丈夫、です…ので。それより教材、ありがとうございます…すみません」
高崎「え?あぁ…はい、それは良いんですが…どうかしたんですか?」
中村「な、何が…ですか」
高崎「いやいや、突然走って来て…汗とかすごいですよ。顔も真っ赤ですし…」
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19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:40:01.32 ID:e4NzlIU+0
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中村「き…気にしないで下さい。では…」
高崎「はあ…体調が悪いなら無理はなさらないで下さいね。また前みたいに倒れたら大変ですよ」
中村(こいつ、善人ぶって…誰のせいだと…)
中村(ああもう…顔が熱い…。私はまた失敗したのか…?くそ、モミアゲのせいで…)ガチャガチャ
中村(次こそは…)ガチャッ ガロッ
中村「」
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20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:43:28.32 ID:e4NzlIU+0
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高崎「い、今すごい音と光が…って、中村先生!?」
中村「Q」
高崎「な、中村先生ー!?」
中村「う、ん…?」
中村(ここは…保健室…?)
中村(まさかまた倒れたのか私は)
中村(……良く思い出せん…)
中村(とりあえず起きよう…あれ、手足が若干痺れてる?)
桜井「…あ、中村先生っ!気がつきましたか!」
中村「さ、桜井先生…」
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21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:47:02.03 ID:e4NzlIU+0
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桜井「良かった、これ以上起きなかったら救急車を呼ぼうかと…」
中村「…すみません、ご迷惑おかけしました…。えっと…私また倒れたんでしょうか?」
桜井「もしかして覚えていらっしゃいませんかっ?」
中村「まあ…はい」
桜井「運んで来てくれた高崎先生の話によると、中村先生が理科準備室の扉を開けた瞬間にものすごい音がして、慌ててかけよったら既に倒れていたとか…っ」
中村(ああ、なるほど…)
中村「ありがとうございます、なんとか思い出せました」
桜井「なら良かったです…っ。あ、どうします?まだ休んでますか?」
中村「そうします…すみません」
桜井「いえいえ、では私は職員室に戻りますねっ。お大事に。」
中村(…………)
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22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:50:45.77 ID:e4NzlIU+0
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中村(自分で仕掛けた罠にはまるとは…はあ…)
中村(その上モミアゲに運ばれるなんて…)
中村(モミアゲのせいだ…あいつさえいなければ成功してたはずなんだっ)
中村(…ん?)
中村(モミアゲに、運ばれて来た…?)
中村(運ぶって、どうやって運んだんだ)
中村(………)
中村(……お姫様…抱っこ…)ボッ
中村「っだあああああ!!」
中村「何っ…考えてんだっ…私はっ…!」
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24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:54:48.32 ID:e4NzlIU+0
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中村「うう…ああああ…」
中村「おのれ…おのれモミアゲ…っ!」
高崎「!? お、起きてたんですか中村先生!」
中村「がっ!?」
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26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:57:35.52 ID:e4NzlIU+0
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中村「も、ももモミ…モミ崎せんせ…」
高崎「今授業が終わったんで見に来たんですよ。大丈夫ですか?だから無理するなって言ったのに…心配しましたよ」
中村「あ…え…っと…うううう…」
高崎「? 中村先生?」
中村「……~っ!!」
中村(きょ、今日の所は引き上げだっ…)ガバッ ダッ
高崎「ちょ、な、中村先生ー!?」
おしまい
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27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:57:59.84 ID:ITSr3mFm0
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ん?
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28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:58:11.95 ID:ZY0lPd9a0
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え?
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29: 忍法帖【Lv=5,xxxP】 :2011/11/20(日) 23:59:24.74 ID:8vrvbZ7PO
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短えよ
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30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/20(日) 23:59:46.91 ID:e4NzlIU+0
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短くてすまんね 読んでくれた人いたらありがとう
もうちょっとしてまだ落ちてなかったら中村と阪本の話投下するわ
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31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:00:36.88 ID:/YSrar100
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大将じゃないか!
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32: 忍法帖【Lv=5,xxxP】 :2011/11/21(月) 00:01:39.61 ID:4/UNC3YVO
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お前はやってくれるやつだと信じてた
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36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:06:56.99 ID:m9YzB7+n0
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阪本「ん?あれは…中村…?」
阪本「間違いねえ、中村だ」
阪本「まいったな…眠れないもんだから少し散歩に出てみたんだが、まさか中村に遭遇するとは」
阪本「…気付かれてない…よな?」
阪本「しかしあいつ、こんな夜中に何ほっつき歩いてんだ…仮にも女だろ…」
阪本「なんか下向いてきょろきょろしてるし…躓いても知らねーぞ…」
中村「…しょー、たい…、」
阪本「ん?」
中村「大将、大将ー…!」
阪本「………」
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38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:10:33.32 ID:m9YzB7+n0
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阪本「…まだ…オレのこと探してんのか…」
阪本「うーむ」
阪本「そういやあいつ…ちゃんと生活してんのか?」
阪本「飯はほとんどカップラーメンだったし…」
阪本「んー…」
阪本「まぁ散々な目にはあったが、あいつなりに世話してくれた訳だしな」
阪本「戻る気はさらさらないが、少しくらい顔見せに行ってやるか…」
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39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:13:45.21 ID:m9YzB7+n0
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中村「……大将…、」
中村「やっぱりいない…か…。」
中村「………はぁ…」
阪本「にゃー。」
中村「!?」
阪本「にゃー、にゃー。」
中村「たっ…!」
中村「大将…っ!!!」
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41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:17:31.51 ID:m9YzB7+n0
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中村「っさ…探したんだぞ!?急にいなくなって…」
阪本「にゃー。」
中村「車に轢かれたりしなかったか!?野良猫と喧嘩して怪我とかは…」
阪本「…にゃー。」
中村「ああもう…とにかく無事で良かった…」
阪本(スカーフあんのににゃーにゃー鳴くのもめんどうだな…)
中村「さあ来い、家に帰るぞ!」
阪本「……」
阪本「なあ」
中村「」
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42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:20:36.88 ID:m9YzB7+n0
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中村「…な、なんだ今の声…大将…?」
阪本「オレだよ」
中村「…えええ…いや、猫が人の言葉を話すわけが…」
阪本「まあ信じられんわな」
中村「………」
阪本「久しぶりだな、中村」
中村「……お、おう…」
阪本「まあそんな固くなるな」
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44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:23:28.94 ID:m9YzB7+n0
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中村「……これは夢か何かか…」
阪本「さあな。」
中村「……なんで、喋れるようになったんだ?」
阪本「オレにも仕組みが良く分からんのだが、この赤いスカーフのおかげらしいな」
中村「はあ…」
阪本「まあ、立ち話もなんだし、家に帰るぞ」
中村「あ…あぁ、そうだな」
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45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:26:34.45 ID:m9YzB7+n0
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時定荘中村宅
中村「着いたぞ、大将」
阪本「おー…あんま変わんねえな…」
中村「そうか?…さあ、入れ」
阪本「お…あぁ、邪魔するぞ」
中村「邪魔も何も、お前の家だぞ?」
阪本「…あ、そうか…ただいま、か?」
中村「ふふ、おかえり、大将。」
阪本「………」
阪本(まいったな…ちょっと顔見せるだけのつもりだったんだが)
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47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:30:29.04 ID:m9YzB7+n0
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中村「あ、そうだ大将、喉かわいたんじゃないか?待ってろ、水持ってくるから」
阪本「あ、あぁ…頼む」
阪本(………)
阪本(…本当に変わんねえなあ…)
阪本(テレビも…阪本製薬の段ボールも…)
阪本(なんか色々思い出しちまうな…散々な目にしか合わなかったはずなんだが)
阪本(…ん?これは…)
阪本(猫が表紙の本…いくつか増えてんな…)
中村「大将、水持って来たぞー」
阪本「おっ、おう。すまんな」
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49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:33:49.88 ID:m9YzB7+n0
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阪本「……」水チロチロ
中村「……」ジー
阪本(…あんまり見られると飲みづれえ…)
中村「……」
阪本「……なあ」
中村「ん?なんだ?」
阪本「あの本…買ったのか?」
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50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:37:06.61 ID:m9YzB7+n0
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中村「本?…あぁ、そうだ。私の知識不足でお前には沢山苦労させたからな。あれから猫の飼い方をちゃんと勉強したんだ」
阪本「そう…なのか」
中村「あぁ。これでもうお前に嫌な思いはさせないぞ。」
阪本「……」
中村「だからもう、逃げたりなんかするなよ」
阪本「………」
阪本「…オレは、自分から逃げたわけじゃねーぞ」
中村「え…そうなのか?てっきり私の世話が嫌で逃げ出したものだと…」
阪本「そりゃまあお前の世話の仕方は滅茶苦茶だったけどな」
中村「…すまん」
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51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:40:26.96 ID:m9YzB7+n0
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阪本「あー…気にするな。まあ、ここから出て行ったのは事故みたいなもんだったんだ。だから逃げようと思って出て行った訳じゃないぜ。」
中村「そう…だったのか。」
阪本「あの頃にはお前もそれなりに飼い方分かって来てたしな。それでも色々とあれだったが。」
中村「……じゃあ、お前は私が嫌でいなくなったわけじゃないんだな。」
阪本「…まあ、そうだ。」
中村「良かった。安心したよ。」
中村「お前がいなくなってからずっとそれが気がかりでな。もう探すべきじゃないのかも知れないと思ってたんだ」
阪本「…そうか。まあ、過ぎたことは気にするな。」
中村「そうだな。こうしてお前も戻って来てくれたことだし」
阪本(…………)
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52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:44:30.97 ID:m9YzB7+n0
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中村「あ、そうだ大将、お腹空いてないか?」
阪本「カップラーメンはやめてくれよ」
中村「ふふ、ちゃんとした猫用のご飯だから安心しろ。」
中村「っと…大将、白身魚味とチキン味どっちが良い?」
阪本「あー…白身魚」
中村「お、了解」
中村「……」ゴソゴソ
阪本「……」
中村「…しかし、あれだな。」
阪本「ん?」
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54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:47:37.97 ID:m9YzB7+n0
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中村「初めは驚いたが、こうしてお前と言葉を交わせるというのは、中々嬉しいものだな」
阪本「……そうだな」
中村「…よし、ご飯できたぞ、大将」
阪本「お、サンキュ」
中村「……」
阪本「モグモグ」
中村「…おいしい、か?」
阪本「ん…うまい。」
中村「なら良かった。餌にも色々種類があって、どれを買えば良いのか迷ってな。店員さんに聞いてすすめられたやつを買って来たんだ。大将の口にあって良かったよ。」
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55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:50:56.61 ID:m9YzB7+n0
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阪本「ごちそーさん。……ん?」
中村「どうした?大将」
阪本(餌皿の底にマジックで顔が描いてある…)
阪本「おい、なんだこれは」
中村「…あぁ、それは私が描いたんだ。無地で寂しかったからな」
阪本(……そういやこいつ何にでも顔を描く癖があったな…)
阪本「前々から思ってたんだが、なんでこうもあれやこれやに顔を描くんだ?」
中村「え…さあ…なんでだろうな?なんか描きたくなっちゃうんだよ」
中村「それになんか、顔があると愛着がわかないか?」
阪本「……まあ、分からんでもないがなあ…」
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56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:53:17.68 ID:m9YzB7+n0
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中村「さて。私も何か食べるか…」
阪本「…お前、またカップラーメンか」
中村「な、なんだ…ダメなのか?」
阪本「ダメに決まってんだろ!お前の場合ほぼ毎日食ってんじゃねえか。ちゃんとした飯食わなきゃダメだ!」
中村「うう……し、しかしだな…カップラーメンはお手軽だし、その上なかなかおいしいんだぞ…」
阪本「アホか!もっと栄養バランス考えろ。いい歳して自炊くらいできねーでどうすんだ」
中村「ぐ…まあ確かにそうだよな…分かったよ、気を付ける。」
阪本「そうしろ。…ったく、やっぱりオレが心配してた通りだったぜ」
中村「…あ、でもこの分は見逃してくれ。もうお湯入れちゃったんだ」
阪本「…………」
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58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:56:32.29 ID:m9YzB7+n0
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中村「しかし、まさか大将にそんな事を言われるとは思わなかったな」
阪本「そりゃお前、飼い猫に食生活注意される飼い主がどこにいるってんだ」
中村「ふふ、そうだよな。お前が喋れるからこそだな。」
阪本(そういう問題じゃねえ)
阪本「お前なあ…そんなんじゃ誰も嫁にもらってくれねーぞ」
中村「…よ、嫁?」
阪本「そーだよ。お前だってずっと独り身って訳にもいかねーだろ?」
中村「……」
阪本「ちゃんと料理とかそれなりにできるようにしとかないと、結婚できねーって言ってんだ」
中村「け、結婚」
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59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:58:10.10 ID:mBoJ29nX0
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中村先生かわいい
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60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 00:59:51.49 ID:4/UNC3YVO
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中村先生って何才ぐらいだったっけ
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61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:00:36.94 ID:m9YzB7+n0
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中村(嫁…結婚…)
中村(……モミアゲ…)
中村「……!?」ボッ
中村「ば、馬鹿なんでモミアゲが出てくるんだ!!」机バンバン
阪本(何やってんだこいつ)
阪本「まあなんだ、お前もちゃんと自分の将来について考えとけってことだ」
中村「…た、大将お前なぁ…そんな所までお前は気にしなくて良いんだぞ…」
阪本「オレだって飼い猫なりにお前が心配なんだよ。」
中村「心配ったって…ううむ……」
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62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:03:57.64 ID:m9YzB7+n0
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阪本「…お、もうカップラーメン良いんじゃねえのか」
中村「あ、そ、そうだな。」
阪本「伸びたらおいしくねえんだろ?」
中村「んー、まあな。食えないことはないんだが。」
中村「しかし大将…お前一体どこでそんなに色々と知識をつけて来たんだ?私よりしっかりしているように見えるんだが…」
阪本「まあ色々とあってな。人の言葉が話せると人の世界も結構分かって来るんだよ。」
中村「そうなのか…」
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63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:09:32.64 ID:m9YzB7+n0
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中村「…そういや、そのスカーフはどこで手に入れたんだ?」
阪本「あー、っと、これは、だな…」
阪本(娘たちの事は言わない方が良い…よな…)
阪本「…あれだ。拾ったんだ。」
中村「ほう…拾ったのか。そいつは随分と良い拾い物をしたな。」
阪本「あ、あぁ、そうだな。」
中村「…ちょっと見せてもらっても良いか?」
阪本「お?おう、別に構わんが…」
中村「じゃあ外すぞ。よいしょ、と」
阪本「………」
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65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:12:24.04 ID:m9YzB7+n0
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中村「…大将。」
阪本「にゃー。」
中村「本当に外すと喋れないのか…」
中村「しかしこれ…どこからどう見てもただのスカーフにしか見えん…」
中村「私の力じゃ仕組みを見るのは無理そうだ…」
中村「すまんな大将、もう良いぞ。よいしょ、と」
阪本「…何も分かんなかったみたいだな」
中村「あぁ…どういう作りなのかまるで想像ができない。これを作った人間は飛んでもない天才だろうな…」
阪本(あのガキ…やっぱりすげえのか…)
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66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:15:54.87 ID:m9YzB7+n0
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中村「うう、仕組みが気になる…目の前にあるのに、調べようがないというのは実に歯がゆいな…変に調べて壊してしまっては、大将が喋れなくなってしまうし」
阪本「科学者だな」
中村「まあな…。はぁ…これだと奴を捕獲しても何もできずに終わるような気がする…」
阪本(奴って誰だ…?)
阪本「…まあなんだ、頑張れ」
中村「おう。ありがとな、大将」
中村「…そういえば今日ずっと思ってたんだが、お前意外と声低いんだな」
阪本「どうだ?ダンディーだろ?」
中村「もっと高い声のイメージだったよ」
阪本「…そうか」
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67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:18:36.34 ID:m9YzB7+n0
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中村「ごちそうさま。」
阪本「最後のカップラーメンの味はどうだったよ」
中村「さ、最後じゃないぞ。少し食べる回数を減らすだけだ…」
阪本(本当にカップラーメン好きなんだな…)
阪本「まあ良いが、オレの言ったこと忘れんなよ」
中村「あぁ、ちゃんとバランス考えて食べるよ」
阪本「本当か?」
中村「ほ、本当だ」
阪本(……怪しいな)
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68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:21:42.94 ID:m9YzB7+n0
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阪本「…もうこんな時間か。」
中村「お…あぁ、もう2時だな…」
阪本「寝なくて良いのか?仕事あるんだろ。」
中村「ん…そうだな…」
中村「………」
阪本「…どうした?」
中村「いや…なんか」
中村「今が全部夢なんじゃないかって…気がしてな」
阪本「………」
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69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:24:57.73 ID:m9YzB7+n0
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中村「あんなに探しても見つからなかった大将が帰って来てくれて、しかもこうやって言葉を交わせて…まだ少し信じられないんだよ」
阪本「………」
中村「今寝てしまったら、起きた時には全部消えてしまうような気がするんだ。」
阪本「………」
中村「はは…なんてな。遅刻したら大変だし、そろそろ寝ないとな」
阪本「…そうだな。」
阪本(…中村が寝ている間にこっそり帰ろうと思ってたんだが…)
阪本(なんか…あれだな…)
阪本(朝起きてオレがいなかったら…こいつ…)
阪本(悲しむ…だろうな…)
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70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:27:44.83 ID:m9YzB7+n0
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阪本「……中村」
中村「ん、なんだ、大将」
阪本「…大変、言いにくいんだがな。」
中村「……、…どうした?」
阪本「その、だな」
阪本「…オレ、このままここで暮らすわけにはいかねーんだ」
中村「……」
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72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:30:50.22 ID:m9YzB7+n0
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阪本「今日はお前の様子を見るために来ただけで…オレはもうすぐある場所に帰らなきゃならん」
阪本「…オレを待ってる奴らがいるんでな。」
中村「……」
阪本「…すまん、な」
中村「……、…」
阪本(…中村のこんな表情初めて見るな)
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73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:33:49.49 ID:m9YzB7+n0
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阪本「まあ…なんだ…、分かってくれ、中村」
中村「…そうか」
阪本「……」
中村「……私は、お前が望むことを止めたりはしないぞ。」
阪本「…すまん。」
中村「良いんだ。これでも昨日までお前なしでもなんとかやって来てたんだからな」
中村「そりゃまあ、寂しくはなるが」
中村「お前が誰かに必要とされてるんなら、仕方がないさ」
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75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:37:56.42 ID:m9YzB7+n0
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阪本「…………」
中村「…じゃあ、私はもう寝るぞ。」
阪本「…あぁ。」
中村「今日は会いに来てくれてありがとうな、大将。もう二度と会えないと思っていたから…色々と話せて楽しかったよ」
阪本「オレも同じだ」
中村「ふふ、そうか」
阪本「……」
中村「……」
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76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:40:36.72 ID:m9YzB7+n0
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中村「…行かなくて良いのか?」
阪本「お前が寝付くまではいてやるよ。」
中村「…だったら、大将も布団に入ったらどうだ?」
中村「前いた頃は良く一緒に寝てただろ。お前が私の横で丸まってさ。」
阪本「…そういや、そうだな。」
中村「な、良いだろ?」
阪本「じゃあお邪魔するか」
中村「おう!おいで」
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78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:44:36.55 ID:m9YzB7+n0
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中村「…ふふ、なんか安心するな。」
阪本「……」
中村「大将はやっぱりさらさらしてるなー。あったかい。」
阪本「…撫でるな。」
中村「良いじゃないか、今日はまだほとんど撫でてないぞ」
阪本「……」
中村「じゃ…おやすみ、大将」
阪本(………)
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79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:48:08.11 ID:m9YzB7+n0
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阪本「…中村」
中村「ん?」
阪本「その、…色々、ありがとな」
中村「おう」
阪本「カップラーメン食い過ぎんなよ」
中村「分かってるさ」
阪本「…なら、良いんだが。」
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80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:51:29.39 ID:m9YzB7+n0
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中村「……」
阪本「………」
阪本「まあ、なんだ…離れて暮らしてても、お前がオレの飼い主…家族であることに変わりはねーんだ。」
阪本「…また、会いに来るからな。」
中村「……おう!待ってる。」
阪本「…ん。」
中村「よし…もう良いな?おやすみ、大将。」
阪本「…あぁ、おやすみ。」
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82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:54:13.89 ID:m9YzB7+n0
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翌朝 東雲研究所
阪本「ただいまーっと…ふわああ…」
なの「あっ阪本さん、おはようございます。どこか行ってたんですか?」
阪本「あぁ、ちょっとな。おかげで寝不足だ」
なの「ほんと眠そうですねえ…そうだ、今から朝ご飯作るんで、早めに食べてゆっくりしてたらどうですか?」
阪本「…そうだな、そうするか。」
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83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 01:57:29.13 ID:m9YzB7+n0
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時定荘中村宅
中村「……ん」
中村「…大、将…」
中村「やっぱり…行っちゃったか。」
中村(…思えば、本当に夢だったような気がして来るな。喋る大将と一緒に過ごしたなんて。)
中村「………」
中村「…まだ余裕あるし、朝ご飯何か作ってみるか」
おしまい
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84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 02:01:05.04 ID:/YSrar100
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乙
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85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 02:01:21.25 ID:4/UNC3YVO
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乙
こういう日常のSSがもっと増えてほしい
鬱グロはもう・・・
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86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 02:01:32.00 ID:mBoJ29nX0
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乙乙
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87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 02:01:57.10 ID:m9YzB7+n0
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読んでくれた人ありがとう
大百科によると中村先生は24歳だよ
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88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/21(月) 02:04:56.03 ID:4/UNC3YVO
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>>87
24だと・・・
失礼ながらもっと年上だと思ってた

アニメ公式ガイドブック 日常大百科

TVアニメ 日常のキャラクターソング その9 ラスト5パーソン

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後半はボクノートかけながら読むと泣けてくる
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でもいろいろ発明する中村先生も天才だよね。
- 黒猫 2013/05/14(火) 21:57:17
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イイハナシダナー
やっぱ日常はほのぼのが一番
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