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女「アタシと仕事、どっちが大事なのよ!」男「……」
- 1 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:12:15 ID:l7zm6Z26
- 女「──んもう! いっつもアナタはそうなんだから!」
女「アタシのことなんか、全然考えてくれてないんでしょ!?」
男「……」
女「いい機会だし、この際ハッキリしてもらうわ!」
女「アタシと仕事、どっちが大事なのよ!」
男「……」
- 2 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:15:10 ID:l7zm6Z26
- 男「仕事は……大事じゃない」
女「!」
男「なぜなら俺は仕事が嫌いだ」
男「仕事は金のため、仕方なくやってるだけだ」
男「もし一生遊んで暮らせるような大金が入ったら、迷わず辞めるだろう」
女「!」ドキン…
女「……ってことは、アタシの方が大事なのね!?」 - 3 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:17:46 ID:l7zm6Z26
- 男「いや……お前も大事じゃない」
女「え!?」
男「お前と結婚したのは、世間体というものがあるからだ」
男「独身のままでいるより、結婚していた方がなにかと都合がいいからな」
男「もし、世の中の風潮が結婚などしなくていい、というものだったなら」
男「俺はお前と結婚してはいなかっただろう」
女「な……!」 - 4 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:20:16 ID:l7zm6Z26
- 女「なによそれ! じゃあ、アタシも仕事も大事じゃないってわけ!?」
男「そういうことになるな」
女「じゃあ、じゃあ……アナタにとって大事なものってなんなのよ!」
女「なんだっていうのよ!?」
男「……」
男「あえていうなら──」 - 5 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:22:43 ID:l7zm6Z26
- 男「地球かな」
女「は……!?」
女「なにをいうかと思えば……地球ですってぇ!?」
男「そうだ」
女「なにいってんのよ! 地球なんか、全然大事なんかじゃないわよ!」 - 6 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:26:01 ID:l7zm6Z26
- 男「じゃあ君に聞くが──」
男「君は地球がなくなったら、生きていけるのかな?」
女「!」
男「森林がないから、光合成による酸素供給は望めない」
男「大地がないから、石油を始めとした化石燃料もない」
男「というか、地球がなければ宇宙空間に放り出されてしまう」
男「そんな状況下で、君は生きていけるというのか!?」 - 7 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:29:07 ID:l7zm6Z26
- 女「いけるわ!」
男「な、なんだと……!?」
女「…………」ブゥゥゥン…
男(なんだあれは!? 両手から高エネルギーを持つ球体を生み出した!)
女「アタシは宇宙空間でも生き延びられるわ」ブゥゥゥン…
女「だけど、アナタはどうかしらね?」ブゥゥゥン…
男「!」 - 8 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:31:31 ID:Zzzw9NPQ
- なんだこれwww
- 9 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:32:38 ID:l7zm6Z26
- 女「この星を消す!!!」バッ
男「し、しまったぁ!」
女「ふっとべ──────っ!!!」
ズアッ!!!!! - 10 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:37:08 ID:l7zm6Z26
- 火星──
老火星人「────!」ハッ
火星人「長老! 勝負は……勝負はどうなったのですか!?」
老火星人「男はよくやった……」
老火星人「ワガママな女を相手に……圧倒的な強さで、口では完全に勝っていた……」
老火星人「だ、だが……追い詰められた女は……」
老火星人「地球そのものを消し去ってしまったのだ……」 - 11 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:39:06 ID:l7zm6Z26
- 火星人「そ、それはいったい……」
老火星人「地球がなくなれば、だれも生きてはいられまい……」
老火星人「あの女を除いてはな……」
火星人「そ、そんな……!」 - 12 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:40:17 ID:e1QYJI0c
- 女何者だよ
- 14 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:43:12 ID:l7zm6Z26
- 火星人「ちくしょう……! なんてことだ……!」
老火星人「!」ピクッ
老火星人(つい先ほどまで地球が存在した場所を、超感覚で探ってみると──)
老火星人(まだ地球が存在する……!?)
火星人「どうしましたか、長老!?」
老火星人「も、もしかして……!」ピッ - 15 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:46:13 ID:l7zm6Z26
- 女「ウソ、まだ地球が残ってる……!?」
女「ち……爆発に巻き込まれるのを恐れ、パワーを抑えすぎてしまったようね……」
地球「いや……」
女「!?」
地球「たしかに一度、君によって地球は消滅した」
女「なんなのよ! なんで地球がしゃべるのよ!?」 - 16 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:49:16 ID:l7zm6Z26
- 地球「俺は……さっきまで男だった者だ」
女「なんですって!?」
地球「宇宙空間では生存できない俺が、地球を消されても生き残るにはこれしかなかった」
地球「そう……」
地球「俺自身が地球になることだ!!!」
女「えええっ!」 - 17 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:52:28 ID:l7zm6Z26
- 女「アナタが彼だっていう証拠は……証拠はあるの!?」
地球「……」
地球「君はベッドの上で絶頂に達すると、決まってソーラン節を唄い始める」
女「!?」ギクッ
地球「君の下着はアリゲーターの皮で作った特注品──」
女「やめて、やめて、やめて! 分かった、もういいわ!」 - 18 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:55:05 ID:l7zm6Z26
- 女「だけど、地球になっちゃって、これからどうするつもり?」
地球「地球になってしまったからには、俺は再びこの大地に生命を繁栄させねばならない」
地球「俺はこの大仕事を、嫌々ではなくやりがいを持ってやっていくよ」
女「……」
女「結局、アナタにとって大事なのは、仕事だった……ってことなのね」
地球「いいや、それはちがう」
女「え……?」 - 19 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 00:58:19 ID:l7zm6Z26
- 地球「俺は地球になってようやく、君という存在の大事さが分かった」
地球「人間だった頃、俺は君がいたから嫌いな仕事を続けてこれたんだ」
地球「だけど、今の俺は地球であって、かつて君の恋人だった男ではない」
地球「だから、あえてもう一度いいたい」
地球「俺と……付き合ってくれないか?」
女「!」ドキッ… - 20 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 01:01:42 ID:l7zm6Z26
- 女(付き合ってくれないか?)
女(つきあってくれないか?)
女(つきなってくれないか?)
女(つきになってくれないか?)
女(月になってくれないか?)シャキーン!!!
女「なる! アタシなるわ! アタシがついでに消しちゃった月に!」 - 21 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 01:02:36 ID:l7zm6Z26
- こうして男と女は地球と月になった!!!
~ END ~ - 23 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 01:28:16 ID:eeULP9p2
- 素晴らしい作品を読めた
どうもありがとう - 24 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 01:34:15 ID:rH64oa76
- なんだこれ…なんでいい話みたいになってるんだ……
なんで俺こんなssでニヤついてるんだ… - 25 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 03:39:18 ID:mjS4Zzmk
- 発想がすごいな面白かった乙
- 26 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 07:05:10 ID:HazHsx5.
- なぜだろう、面白かったのにすごい敗北感……
乙 - 27 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/05(木) 08:00:03 ID:5Nonryow
- なんて壮大な話なんだ…

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