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海未「小説が書けました」

1 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 20:53:53.45 ID:zErTsxej.net
ことり「へー、どんなジャンルの?」

海未 「官能小説です」

ことり「ん? 今のは私の聞き間違いかな?」
    
海未 「そんなわけで、聞いてください」

ことり「え? え?」

海未 「題して『真夜中の日舞』」

ことり「ちょっと」

海未 「暗い嵐の夜だった」

ことり「ちょっと待って、海未ちゃん」

海未 「待ちましょう」

ことり「どうしてかいちゃったの?」

海未 「ナニをですか」




3 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 20:56:09.95 ID:zErTsxej.net
ことり「いや、ナニをかくとか、そういう話じゃなくて……
    いや、だいたいにおいてそういうことなんだけど」

海未 「もー、ことりったら、破廉恥なんですね。
    確かに官能小説を読むという行為は、つまるところはナニをかくという行為に収斂……」

ことり「ストップ。
    みなまで言わなくてもいいから」

海未 「何の話でしたっけ」

ことり「どうして海未ちゃんが、その……そういう小説を書いちゃったのかという話だよ」

海未 「歌詞づくりでスランプに陥ったんです」

ことり「それは大変だね」

海未 「そのとき思ったんです。
    歴史上の詩人たちは、しばしば放蕩の世界に耽溺することで偉大な作品を創造してきたのだと。
    それを思うにつけ、今までの私の生活には、破廉恥さが足りなかったなと」

ことり「うーん、そういうものなのかな……
    それで、そういう世界のことが知りたくなったの?」

海未 「そうです。
    しかしもちろん、現実にあんなことやこんなことをやらかすわけではありません。
    あくまでフィクションの世界を描いてみるだけですよ」

ことり「それが官能小説というわけだね」

海未 「そうです」


5 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 20:59:27.06 ID:zErTsxej.net
ことり「まあ、海未ちゃんのやりたいことはわかったよ」

海未 「私のヤりたいことを理解してくれるのですか」

ことり「いや、それはわからないけどね。
    でもそういう小説なら、こっそり書けばいいじゃない。
    どうして私に聞かせる必要があるの?」

海未 「幼馴染みに自分の倒錯的性欲を打ち明けるという行為に、筆舌に尽くしがたい悦びを感じるからです」

ことり(変態だ)

海未 「だから、お願いします」

ことり「それなら、穂乃果ちゃんでもいいじゃない」

海未 「だめです。
    これから話す物語は、穂乃果と私があんなことやこんなことをする話なのですから」

ことり(ド変態だ)


7 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:06:13.12 ID:zErTsxej.net
海未 「そんな話を聞かせて、私の永遠の太陽、穂乃果の心を翳らせるわけにはいかないのです」

ことり「かろうじて理性らしきものは残ってるんだね」

海未 「ええ、かろうじて」

ことり「残りの理性はどこに行ったの」

海未 「勇気のreasonになりました……
    自作の官能小説を朗読するという勇気のreasonに」

ことり「激しくなるreasonなんだね」

海未 「それでは始めますね」

ことり「うん……何かもう、海未ちゃんの気が晴れるまでやればいいと思うよ」

海未 「ありがとうございます」

ことり(詩の女神ミューズよ、どうして海未ちゃんにこのような試練を与え賜うのですか)

海未 「暗い嵐の夜だった。
    『穂むら』の二階のベッドに横たわる美少女、高坂穂乃果。
    微睡む彼女の部屋の窓に小石の音が一つ。
    彼女が目を醒まし窓を開けると、庭には幼馴染の園田海未の影が見えた。
    海未は口を開き、彼女にこう告げた……」

ことり(そのせいで、かつての清純な海色天使は……)

海未 「『私の真夜中の日舞を学びませんか、ハアハア』」

ことり(モノホンの変態になってしまいました)


8 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:07:32.72 ID:zErTsxej.net
海未 「穂乃果は言った。

    『真夜中の日舞? 何それ?』

    海未は答えた。

    『とっても気持ちの良いことですよ。
     だから私を、窓から部屋に入れてくれませんか』」

ことり「わああ、穂乃果ちゃん、その狼を入れちゃだめ!」

海未 「穂乃果は逡巡した。

    『いくら海未ちゃんとはいえ、こんな遅くに、勝手に家に上げるのはよくない気がする』

    そこで海未は言った。

    『でも穂乃果、私、雨に濡れてとっても寒いんです。
     あなたの体で暖めてくれませんか』」

ことり「おいやめろ」


10 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:10:07.04 ID:zErTsxej.net
海未 「慈愛に満ちた天使の如き声で、穂乃果は言った。

    『海未ちゃん、寒いの?
     じゃあちょっと上がって、あったまっていきなよ。
     でも私が海未ちゃんをあっためるのは、ちょっと恥ずかしいよ』
    
    すると海未が瞳をきらめかせ、言葉を返した。

    『太ももとふくらはぎの間に手を差し入れるだけでいいですから』」

ことり「エロ園田!」


11 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:11:07.47 ID:zErTsxej.net
海未 「ハアハア」

ことり「ちょっと海未ちゃん、そういう息づかいをあまり頻繁に書くのは、品が無い気がするよ。
    官能小説にも、それなりの格調というものが……」

海未 「いえ、今のは台詞じゃなくて、つい興奮して零れただけです」

ことり「ああそう……」

海未 「穂乃果は言った。

    『でも海未ちゃん、どうやって二階に上がるの?』

    海未は言った。

    『家から縄を持ってきました』

    心優しい穂乃果は、心配そうに言った。

    『危なくない?』

    すると誇らしげに海未が答えた。

    『この日のために、登山の練習をしてきたのです』」

ことり「え? 海未ちゃんの登山趣味ってそういう……
    いや、これはフィクション、フィクションだよね」


13 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:13:52.14 ID:zErTsxej.net
海未 「穂乃果が言った。

    『じゃあその縄を、こっちに投げて』

    窓の桟に縛りつけてもらった縄を攀じ登りながら、海未は言った。

    『ハアハア……もぎゅっとラヴで接近中』」

ことり「ああ、変態だ」

海未 「登り終えて部屋に転がり込んだ海未を労るように、穂乃果が声をかけた。

    『すごいね海未ちゃん、縄だけで二階に上がるなんて』

    海未が縄をリュックサックにしまいながら、呟いた。

    『縄っていうのは便利なもので、色々なことに使えるんですよ』」

ことり「おい園田、ふざけるのもたいがいにしろよ」


14 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:15:50.23 ID:zErTsxej.net
海未 「穂乃果が心配そうに言った。

    『海未ちゃん、ずぶ濡れだね』

    海未が息を荒げた。

    『ええ、下着までびしょ濡れです』」

ことり「雨に降られたからだよね?」

海未 「穂乃果が海未の肩に手をかけて言った。

    『寒かったでしょ?』

    海未が言った。

    『そうですね……でも不思議と身体が熱いんです。

    気もちが昂って、寒さを感じないんです』」

ことり「私の背筋は凍りそうだけどね」

海未 「穂乃果が言った。

    『そのままじゃ風邪ひいちゃうから、着替えようよ』

    海未がさらに目を輝かせて言った。

    『服を貸してくれるのですか?』

    穂乃果が応えた。

    『海未ちゃんになら、いいよ』

    海未が穂乃果の耳もとで囁いた。

    『それなら使用済みの下着を所望します』」

ことり「え? これもう犯罪だよね?」


16 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:21:21.48 ID:zErTsxej.net
海未 「穂乃果が言った。

    『ちょっと海未ちゃん、何言ってるの。
     そんなこと言う人には、服貸してあげないよ?』

    すると海未が、するすると服を脱ぎながら応じた。

    『なら裸のままでいいということですね』」

ことり「穂乃果ちゃん、はやく110番して!」

海未 「穂乃果が言葉を挟む間も無く、園田海未は一糸纏わぬ姿になった。
    ああ、その身の美しさたるや、あたかも人魚の如し。
    艶やかな髪」

ことり「まあ実際、そのとおりだと思うよ」

海未 「白魚の如き手指」

ことり「まあ実際、そのとおりだと思うよ」

海未 「そして特筆すべきは、その豊饒な胸……」

ことり「まあ実際……いや大丈夫だよ海未ちゃん、いつかきっと本当に大きくなるからね」


17 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:23:52.30 ID:zErTsxej.net
海未 「思わず息を飲む穂乃果の唇に手を当て、海未が囁いた。
    
    『貴方のほうがずっと綺麗ですよ、穂乃果、だから……』」

ことり「おいエロス、そろそろ服を着ろ」

海未 「そこで言い淀むと、海未は、穂乃果をベッドに押し倒し……」

ことり「穂乃果ちゃあああん!」


18 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:25:02.85 ID:zErTsxej.net
海未 「……ここまでです」

ことり「あれ、そうなの?」

海未 「続きがどうしても書けないんです。
    私、こういうの書き慣れてないもので」

ことり「……」

海未 「あれ、どうしたんですか、ことり?
    もしかして、怒ってるんですか?
    ごめんなさい、もうこれに懲りて、こういうのは書かないようにしますから……」

ことり「……じゃない」

海未 「ことり?」

ことり「これからいいとこじゃない!
    どうせ書くんなら、肝心なとこまでちゃんと書いてよ!」

海未 「ん? 今のは私の聞き間違いですか?」

ことり「ちょっとノート貸して、私が続き書くから」

海未 「え? え?」

ことり「題して『真夜中の採寸』」

海未 「ちょっと」

ことり「暗い嵐の夜だった」

海未 「ちょっと待ってください、ことり」

ことり「待つよ」

海未 「なにしてるんですか」

ことり「まだナニはしてないよ」


19 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:26:40.43 ID:zErTsxej.net
海未 「いや、ナニをするとか、そういう話ではなくて……
    いや、だいたいにおいてそういうことなんですが」

ことり「ちなみに『ナニ』から連想されるあの言葉は、もともとは女性のいたすことを指す言葉ではないんだよ。
    むかしむかしあるところに、オナンという人がいてね」

海未 「ストップ。
    みなまで言わなくてもいいです」

ことり「それはさておき、ほら海未ちゃん、ノート貸して」

海未 「いやです、破廉恥です!」

ことり「どの口が言うの」

海未 「エロ南!」

ことり「エロ南で結構。
    肝心なところで筆を置いてしまった園田先生の代わりに、南先生が続きを書いてあげるよ」


21 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:48:32.61 ID:zErTsxej.net
海未 「でもこのまま話が進むと、穂乃果と私が情交を結んでいるシーンになっちゃいますよ。
    もしかしてことり、そういうのに興奮するタイプの変態なんですか?」

ことり「そういうわけではないよ。
    わたしはあくまでノーマルな嗜好の変態だからね。
    わたしが興奮するのは、あくまで穂乃果ちゃんとわたしのmake loveしているシーンだよ。
    だから物語の中の海未ちゃんには、しばらく席を外してもらおうかな」

海未 「ことり?」

ことり「そこで雷光一閃、海未はベッドから飛び降りると、突然服を着はじめた。
    穂乃果が訝しげに尋ねた。

    『海未ちゃん、どうしたの?』

    痛恨のエロティックポエマー園田海未は、唇を噛んでこう言った。

    『急用を思いだしました』

    穂乃果が言った。

    『急用って何?』

    答える海未。

    『五本指ソックスが気持ちいいので、ハチワレの猫を探す旅に出ねばならないのです』」


22 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 21:50:21.97 ID:zErTsxej.net
海未 「ちょっと私の退場の仕方、雑すぎやしませんか」

ことり「官能小説における濡れ場以外の筋というのは、えてして雑なものだよ」

海未 「なるほど、勉強になります」

ことり「『それじゃあまた明日、穂乃果』

    縄を再び窓の桟にかけて降りてゆく海未に、穂乃果が声をかけた。

    『うん、バイバイ海未ちゃん、風邪ひかないようにね』

    雨の中を駆け去る変態を見送ったあとで、穂乃果は再び寝床についた。

    『うーん、何だかよくわからないけど、まあ時にはこういうこともあるよね。
     それでは私は、そろそろ寝るとしようか。もうこんな時間だし』」

海未 「南先生、ことりはどうやって登場するのでしょう?」

ことり「そのとき、微睡む穂乃果の横たわるベッドの下から声が聞こえた。

    『穂乃果ちゃん、真夜中の採寸の時間だよ、ハアハア』」


28 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:08:27.09 ID:zErTsxej.net
海未 「え……これ、いきなり犯罪ですよね?
    ていうかもうこれ、ホラーですよね?」

ことり「その声を聞くと、穂乃果が目を覚ました。

    『もー、ことりちゃん、何でそんなとこにいるの?
     私、びっくりしちゃったよ』」

海未 「いや、これは泣いて逃げ惑うレベルの出来事でしょ!」

ことり「ことりが言った。
    『昔から私、狭いところにかくれんぼするのが好きなんだよね、ハアハア』

    それを聞いた穂乃果が言った。
    
    『うーん、そういえばそうだった気がしなくもない』」

海未 「南先生、さすがに穂乃果のこの反応は非現実的じゃないですか?」

ことり「まあ、非現実的でもいいんだよ。
    官能小説で大事なのはそこではないからね」

海未 「では大事なのは?」

ことり「そりゃもちろん……」

海未 「ハアハア」

ことり「ハアハア」


29 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:11:47.26 ID:zErTsxej.net
海未 「早く続きを、南先生!」

ことり「あれ、海未ちゃん、穂乃果ちゃんが私とあんなことやこんなことをしてもいいの?」

海未 「よくないけど……ものすごく屈折した悦びに目ざめそうです」

ことり「すてきな歌詞、書けそう?」

海未 「書けるかもしれません。
    詩人の眼は、泥沼をのたうちまわりながらスノーハレーションを見るのです」

ことり「うんうん、実に変態だね」

海未 「あなたほどじゃないですよ、カリスマ官能小説家さん」

ことり「穂乃果が言った。

    『ことりちゃん、真夜中の採寸って、何を測るの?』

    ことりが穂乃果の身体を舐めるように見回しながら、こう応えた。

    『穂乃果ちゃんの、すべてだよ』」

海未 「ミナリン……いや、エロリンスキー先生!」


30 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:13:46.80 ID:zErTsxej.net
ことり「穂乃果が怪訝な顔をした。

    『今日のことりちゃん、ちょっといつもと違うよ、どうしたの?』

    ことりが平静な様子で言った。

    『そう、今夜のことりは、ただのことりじゃないんだよ』

    『じゃあ、今夜はどんなことりちゃんなの?』

    『小夜啼鳥と呼んでくれたまえ』

    『小夜啼鳥?』

    『そう、恋という名の籠に閉じ込められた哀れな小鳥だよ』

    『その籠はどこにあるの?』

    『君のベッドの下だよ』」

海未 「何かかっこつけてますけど、要するにストーカーですよね」

ことり「穂乃果が言った。

    『なるほど。それは狭いところでお疲れさまだったね。
     ゆっくりベッドの上で休むといいよ』

    それを聞くと、ことりがベッドに横たわった。

    『お言葉に甘えて、羽をのばすとしようか』」

海未 「何かかっこつけてますけど、要するにモノホンの変態ですよね」


31 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:15:43.62 ID:zErTsxej.net
ことり「穂乃果が尋ねた。

    『ところで、小夜啼鳥さん。
     真夜中に私のすべてを採寸すると、何ができるの?』

    ことりが応えた。

    『愛』

    『わー、よくわからないけど、素敵!』」

海未 「甘い言葉ではぐらかしている……これは危ない」

ことり「そしてことりが言った。

    『いわば、私たちはこれからmake loveをするんだよ。
     make loveをする人……いわば、love makerになるんだよ』」

海未 「いや穂乃果、逃げてください!
    ほいほい返事をせずに、せめて英語の辞書を引いてください!」

ことり「穂乃果が無邪気にこう尋ねた。

    『わー、ラブ・メイカーって、どんな人?』

    『うーん……まあ要するにハッピー・メイカーみたいな人だよ』

    『わー、よくわからないけど、素敵!』」

海未 「あの名曲に破廉恥な解釈をしないでください!」

ことり「穂乃果の言葉を聞いたことりが、満足そうにこう言った。

    『それじゃあ穂乃果ちゃん、まずは上半身の採寸から始めようか。
     さあさあ、その可愛いパジャマを脱いで……下着も外して』」

海未 「おいエロ啼鳥、あまり調子に乗るなよ」


34 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 00:21:02.22 ID:rE3OAWYv.net
ことり「すると穂乃果が顔を赤らめた。

    『それはちょっと恥ずかしいよ』

    だがことりは、躊躇なく自分の服をするすると脱いで、こう言った。

    『ほら、みんな一緒なら恥ずかしくないでしょ。

     初めてのライブの日のこと、思いだしてごらんよ』」

海未 「何か良いこと言ってる雰囲気ですけど、要するに変態の詭弁ですよね」

ことり「それを聞くと、穂乃果が言った。

    『うん、覚えてるよ。
     あの日は海未ちゃんがなかなかジャージを脱いでくれなくて困ったよね』

    穂乃果を励ますように、ことりが応じた。

    『うん、でも三人で脱いだら、恥ずかしいの忘れちゃったでしょ』

    『でも、今は海未ちゃんがいないけど』

    『エロスの申し子の海未ちゃんは、さっき一人で勝手に全裸になってたでしょ』

    『あ、それもそうだね』」

海未 「いや、まあそれはそうなのですが」


35 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 00:22:53.01 ID:rE3OAWYv.net
ことり「そして、穂乃果はおそるおそる背中に手を回し、ホックを……」

海未 「ストーップ!」

ことり「海未ちゃん?」

海未 「エロ啼鳥恋歌はそこまでだ、倒錯的変態官能小説家」

ことり「穂乃果ちゃんのあられもない姿、見たくないの?」

海未 「見たいです、マジで」

ことり「じゃあ、続きを……」

海未 「だめなんです」

ことり「何がだめなの?」

海未 「私たちの大切な幼馴染みを辱めるなんて、たとえ作り話の中でも、絶対にだめなんです」

ことり「海未ちゃん……」

海未 「私の欲望なんか満たせなくていい。
    私は、私の大切な穂乃果には、たとえ空想の世界の中であっても、笑顔でいてほしいんです」

ことり「海未ちゃん……」

海未 「笑顔で、ちゃんとブラをつけていてほしいんです」


36 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 00:24:17.15 ID:rE3OAWYv.net
ことり「やっと、わかってくれたんだね」

海未 「あれ?」

ことり「やだなあ海未ちゃん、私だって、穂乃果ちゃんのことがとっても大切なんだよ。
    だから、あんなことやこんなことをする場面なんて書けるわけないじゃない」

海未 「……すべて分かった上で、私を諭すために、ここまで書いてくれたのですね」

ことり「うふふ、そうだよ。
    偉そうなことを言うつもりはないけど、私も今の海未ちゃんと同じ気持ちだからね。
    私も、私の大切な穂乃果ちゃんには、たとえ想像の世界の中であっても、笑顔でいてほしいんだよ」

海未 「ことり……」

ことり「笑顔で、ちゃんとブラをつけていてほしいんだよ」


37 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 00:26:23.00 ID:rE3OAWYv.net
海未 「そうですね」

ことり「これで分かったかな、海未ちゃん。
    作詞に困った海未ちゃんは、何をすればいいと思う?
    穂乃果ちゃんをあられもない姿にする小説を書くんじゃなくて、何をすべきだと思う?」

海未 「分かりました。
    穂乃果に……」

ことり「そうそう、穂乃果ちゃんに話しかけて、楽しくお喋りをしながらお茶でも……」

海未 「私のあられもない姿を見てもらいます」

ことり「ん? 今のは私の聞き間違いかな?」

海未 「そんなわけで、私、脱ぎます」

ことり「え? え?」

海未 「恥ずかしいけど……穂乃果になら、見られても構いません」

ことり「ちょっと」

海未 「こうしちゃいられない。さっそく穂乃果を探さないと」

ことり「おいやめろ、ちょっと待てエロ園田!」

海未 「見られるの、癖になっちゃうかもしれません、ハアハア」


38 : 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 00:28:10.15 ID:rE3OAWYv.net
-----------数分後、二人が去ったあとの部室

真姫 「あら、このノートは何かしら」

花陽 「真姫ちゃん、大変だよお!
    さっき二年生の教室で、穂乃果ちゃんと二人っきりになった海未ちゃんがいきなり五本指ソックスを……」

真姫 「……」

凛  「あれ、真姫ちゃん何読んでるの?」

真姫 「花陽、凛」

花陽 「どうしたのかな?」

真姫 「私、小説を書いてみるわ」



fin


元スレ:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1429530833/


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 「ラブライブ!」カテゴリの記事


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  1. 2015/04/30(木) 22:22:58

    うん



    うん?


  2. 2015/05/06(水) 15:30:37

    作者の語彙力が画面から滲み出てくる


コメントする



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