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唯「どうして私はイビルジョーに生まれてきたんだろう」

2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:41:37.69 ID:zaTZHqr80

イビルジョー。
別名、恐暴竜。

獣竜種の中でも最大級の巨体を誇るモンスターであり、特定のテリトリーは持たず、常に獲物を求めてさまよっている。
その体躯に比例した高い代謝と体温を保つため、眼に映った生物を無差別に捕食する。
貪欲なまでの飢餓感は底なしで、切断された自身の尾を喰らったり、同属に対しての共食いも行ってまで空腹を満たそうとする。
絶えない飢餓感もあってか凶暴であり、捕食のし過ぎで周囲の生態系を崩壊させ、生物を絶滅寸前に追い込んだ事例すらあるという。
その捕食対象は小中モンスターだけにとどまらず、飛竜種や果ては古龍などの大型モンスターにも恐れなく襲いかかる。
激昂すると全身の筋肉が大きく盛り上がり、過去に獲物につけられた古傷が不気味に赤く浮かび上がる。
それと同時に傷口が開き、その痛みそのものが狂暴性をさらに増させる要因となっているのではないかと言われている。
詳しい生態については未解明な部分が多く、その狂暴性を含め最重要調査対象となっている。
 
眼に映る生物を反射的に襲ってしまうので、生涯孤独の身であるーーーーーーーー。




3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:43:22.90 ID:zaTZHqr80

[シュレイド城]
 
~廃墟シュレイド城。ここは親のいない若いモンスターたちが集まる、孤児院のようなものになっていた~
 
イビル唯「やっほ~」
 
律レックス「おっす」
 
ナルガ澪「おはよう」
 
紬ージャン「おはよ、唯ちゃん」
 
ナナ・梓トリ「おはようございます」
 
イビル唯「あずにゃ~ん」だきっ、すりすり
 
ナナ梓「ちょ、いきなり抱きつくのやめてくださいってば!痛っ!ちょっ!顎の棘が痛いですって!」
 
ひゅおおおおおお
 
純オウガ「みなさん!先生来ますよ!早く席につかないと!」
 
がらっ
さわ子マガツチ「は~いみんな席について~」

4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:45:51.38 ID:zaTZHqr80

さわ子マガツチ「全員揃ってるかしら」
 
和ダオラ「そろってます」
 
さわ子マガツチ「それじゃ授業始めるわよ。え~今日は…竜人族についてね」
 
「竜の力・生命力と人間の知能を併せ持った最も警戒すべき存在よ」
 
イビル唯「…」ぽけー
 
イビル唯(綺麗な空だなぁ……)
 
「普通の人間なら即死の攻撃をあてても彼らは耐え忍ぶわ」
 
イビル唯「…」ぽけー
 
イビル唯(憂…元気かなぁ)

5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:48:39.52 ID:zaTZHqr80

[夕方]
 
さわ子マガツチ「~というわけです。じゃあ今日の授業はここまで」
 
律レックス「はぁ~終わった~!」
 
イビル唯「みんな!早く寮に戻ってフルベビアイス食べようよ~」
 
ナナ梓「またアイスですか」
 
さわ子マガツチ「あ!唯ちゃん!校長先生が呼んでたから、校長室へ行ってらっしゃい」
 
律レックス「なんだまたなんかやらかしたのか~唯」
 
イビル唯「え~特に心あたりないんだけどな~!じゃあちょっと行ってくるね!」タタタ
 
律レックス「おう」
 
タタタタタ…
 
ナルガ澪「…」
 
紬ージャン「…」
 
さわ子マガツチ「…みんな、少し話があるわ。席についてちょうだい」

6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:50:59.93 ID:zaTZHqr80

[校長室]
 
イビル唯「失礼しま~す」
 
イャンクック「おお、来たかね。どれそこに座りなさい」
 
イビル唯「はい。それで、話ってなんですか?」
 
イャンクック「…ふむ。最近どうじゃ?」
 
イビル唯「どうって?」
 
イャンクック「…クラスは…学校は楽しいかね?」
 
イビル唯「はい!みんな優しいし、とっても楽しいです!」
 
イャンクック「…そうか。それは良かった」ニコッ
 
イビル唯「…?」
 
イャンクック「…今日はじゃな、お主に話さなくてはならないことがあるんじゃよ」 
 
イビル唯「?」

7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:53:37.39 ID:zaTZHqr80

[教室]
 
律レックス「さわちゃん、話ってのは…」
 
さわ子マガツチ「…ええ。唯ちゃんのことよ」
 
さわ子マガツチ「今、校長先生が唯ちゃんにあのことを話しているわ」
 
律レックス「!」
ナルガ澪「!」
紬ージャン「!」
ナナ梓「!」
和ダオラ「!」
純オウガ「!」
 
ラギア姫子「!」
アグナいちご「!」
信代ンキン「!」

律レックス「そんなことしたら、唯は!」
 
さわ子マガツチ「仕方ないのよ…」

8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:55:00.03 ID:zaTZHqr80

~[半年前]~
 
さわ子マガツチ「人間たちが使ってくる道具や罠はとてもやっかいで~~~~」
 
イビル唯「くぅ~、くぅ~」zzz…
 
憂バトリオン(もう、お姉ちゃんったら…また寝てる)くすっ
 
「なかでも閃光玉と音爆弾が~~~~~落とし穴やシビレ罠も~~~~」
 
イビル唯「ん…う~ん…」どくん
 
憂バトリオン「?」
 
イビル唯「う…ん…」どくん、どくん 
 
和ダオラ「…唯?」
 
イビル唯「ん…うぅ~ん…うう」どくん、どくん! どくん!!
 
イビル唯「」ぱちっ
 
憂バトリオン「…お姉ちゃん?」
 
イビル唯「……」

9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:56:18.68 ID:zaTZHqr80

イビル唯「……お腹……」
 
憂バトリオン「え?」
 
律レックス「ん?」
 
イビル唯「…お腹…減った…」
 
律レックス「ぷぷ、おい唯のやつまた寝ぼけてるぜ」
 
さわ子マガツチ「もう、唯ちゃん!ちゃんと授業聞いていないと人間に殺されるわよ?」
 
イビル唯「……お腹…」
 
憂バトリオン「…お姉ちゃん?」
 
イビル唯「…お…な…か…」
 
ナナ梓「唯先輩?」
 
イビル唯「………」ぼた、ぼた、ぼた
 
ナルガ澪「唯、よだれが…」
 
紬ージャン「唯ちゃん?」
 
イビル唯「…………」ゴゴゴゴゴゴ

12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 21:59:42.65 ID:zaTZHqr80

イビル唯「…オナカ……」すっく
 
憂バトリオン「お姉ちゃんどうしたの?朝ご飯食べたでしょ?」
(いつもと様子が違う…)
 
純オウガ「あ、ちょっと握手は並んで…むにゃ」zzz…zzz…
 
イビル唯「…オナカ…ヘッタ…」ぼた、ぼたぼたぼた
 
さわ子マガツチ(まさか!)
「憂ちゃんすぐに離れなさいッ!!!」
 
憂バトリオン「え?」
 
イビル唯「グオオアアアアアアアアッ!!!!」びり…びり…
 
全員「!!!!」
 
ナルガ澪「うっ」ズキン!ふらっ…ぴよぴよ(音爆弾効果)
 
イビル唯「グルルルル…」ギロリ
 
憂バトリオン「」ぞくっ
 
イビル唯「ガアアア!!」がぶりっ

14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:00:40.83 ID:zaTZHqr80

憂バトリオン「!!お、お姉ちゃん!やめて…痛いよ…!」
 
イビル唯「グルルル…」ぎり…ぎり…
 
律レックス「唯てめえ!どうしたんだよ!なんで憂ちゃんの腕に噛み付いて」
 
 ぶ ち っ 
 
「「「!!!!」」」」
 
ブシュウウウぅぅぅうぅ
 
憂バトリオン「つっ 」
 
ナナ梓「ひっ」
 
律レックス「う、腕を…噛み千切りやがった…!!」
 
イビル唯「もにゅ…もにゅ…」
 
憂バトリオン「お、お姉ちゃん…」ぶしゅうううう!!
 
ひゅおおおおおおお
さわ子マガツチ「ふんっ!」体当たり!
 
イビル唯「グッ」どかっ…ごろごろ
 
さわ子マガツチ「和ちゃん!校長先生を呼んできて!早く!」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:02:30.64 ID:zaTZHqr80

和ダオラ「わかりました!」ばばっ
 
さわ子マガツチ「りっちゃん!ムギちゃん!憂ちゃんの止血を!」
 
びゅお!
さわ子は憂の身体を風で律たちのところへ吹き飛ばした!
 
律レックス「わ、わかった!」
 
紬ージャン「とにかく血を止めなきゃ」ぎゅううう
 
憂バトリオン「うっ…お姉ちゃん…」はあ…はあ…
 
律レックス「梓!咆哮で気絶してる澪を起こしてやってくれ!」
 
ナナ梓「わ分かりました!」
 
イビル唯「グルルルル…」ゆらり…
 
さわ子マガツチ「…イビルジョーの本能が目覚めてしまったのね…」
 
イビル唯「グオオオオォアアアアアアアッッッ!!!!」ビリ…!ビリ…!
 
純オウガ「…ん?」ぱちり

17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:04:08.91 ID:zaTZHqr80

がらら
イャンクック「…ついに目覚めてしもうたか…」
 
和ダオラ「はあ、はあ、校長先生!唯は!」
 
イャンクック「…離れていなさい」
 
純オウガ「あれ?なんで校長先生が教室に…」くるっ
純オウガ「ってうおおおおああああなんじゃこりゃあああああ!!!」
 
イャンクック「さわ子先生、ワシがやろう」
 
さわ子マガツチ「校長!」
 
イャンクック「ほかの子たちを頼む」
 
さわ子マガツチ「わかりました!」
 
イビル唯「グルルルル…」ぼた…ぼた…
 
イャンクック「唯くん…少々手荒なまねをするが…許してく」
 
イビル唯「ガラアアア!!」尻尾アタック!
 
イャンクック「!!」 どかっ…どおおおおおん!!!

18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:05:36.04 ID:zaTZHqr80

さわ子マガツチ「校長!」
 
イャンクック「くく…なに、心配はいらん」むくり
 
イビル唯「グルルルr…」
 
イャンクック「くく、くくく、このワシをも喰らおうとするかよ…」
 
イビル唯「グルルルがあああああ!!」がばあ!!
 
イャンクック「久々に血が滾るわ」にやり
 
イビル唯「ガチン!!」すかっ
 
イャンクック「クェエエエエエエ!!!!」がん、がん、がん!
 
イビル唯「ぐっ…」ふらっ
 
さわ子マガツチ「校長!あなたのついばみを頭に3発も食らったら死んでしま」
 
イャンクック「なに、こいつは死にゃあせん」
 
イビル唯「ぐ…うう…」ふらふら…ドシーン!
 
イビル唯「………」
 
イャンクック「気絶してるだけじゃ。三日は目を覚まさんじゃろうがな」

21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:06:54.85 ID:zaTZHqr80

イャンクック「憂くん、大丈夫かね」
 
憂バトリオン「はい。左腕一本失いましたが、しっかり栄養を摂ればそのうちまた生えてきます」
 
イャンクック「ほっほ、さすがは煌黒龍といったところじゃの」

律レックス「お、おい先生!唯はいったいどうしちまったっていうんだよ!」
 
イャンクック「まあ落ち着きなさい。今から説明する」
 
純オウガ「あ、梓…いったいなにが…」
 
ナナ梓「唯先輩がいきなり憂を襲って片腕を噛み千切ったんだよ…」
 
純オウガ「ええっ!?」
 
イャンクック「さわ子先生、唯くんを医務室へ連れて行ってくれぬか」
 
さわ子マガツチ「分かりました」
ひゅおおおおおおおおお
 
イャンクック「さてと…諸君、これから唯くん…恐暴竜という種について説明する」
 
憂バトリオン「!!」

23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:08:25.96 ID:zaTZHqr80

イャンクックはイビルジョーの生態について説明した!
 
イャンクック「…というわけなんじゃよ。本能が目覚めてしまったんじゃな」
 
律レックス「…そんな…」
 
ナルガ澪「あの優しい唯が…」
 
紬ージャン「唯ちゃん…」
 
イャンクック「本能が目覚めるのはもうちょい先だと読んでおったんだがな…カンが鈍ってきたわい」
 
和ダオラ「そ、それじゃ、唯は目を覚ましたら…また私たちを…襲うということですか?」
 
イャンクック「いや。それはない。あやつはまだ若い。今回は本能が少し顔を覗かせただけじゃ」
 
ナナ梓「ほっ」
 
イャンクック「しかし1年後…いや半年後かも知れぬ。あやつは完全に恐暴竜として覚醒するじゃろう」
 
憂バトリオン「!!…覚醒したら…」
 
イャンクック「眼に映るもの全てを喰らう理性持たぬ捕食マシーンとなる」
 
「「「!!!!」」」」
 
イャンクック「あらゆる生命という生命を喰らい続けるじゃろうな。その身を誰かに滅ぼされるまで」

25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:10:18.79 ID:zaTZHqr80

[医務室]
 
イビル唯「ぐぅ~…ぐぅ~」zzz…zzz
 
さわ子マガツチ「唯ちゃん…」ポロ…ポロ…
 
~~~~~~~~~~~
ひゅおおおおおお
さわ子マガツチ「ん?遠くに数人の人間たちが見える…始末しておくか」
 
ひゅおおおおおおお!!
 

ザアアアアア(雨)
 
ハンター「む、なんだこのモンスターは!?」
 
ハンター2「おそらくイビルジョーの幼体だろう。個体数が非常に少ないから俺も資料でしか見たことないが」
 
幼イビル「くるるる!きゃん!!きゃん!」
 
ハンター3「はん!こいついっちょまえに威嚇してやがるぜ!オラァ!」蹴飛ばし!
 
幼イビル「っぐ!」

28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:11:36.02 ID:zaTZHqr80

ハンター「てめえみたいなチビ武器を使うまでもねぇ!」どかっ!どかっ!
 
幼イビル「ぐっ…きゅう…!!」
 
ハンター4「待て!そいつ様子がおかしい!そこから一歩も動こうとしねえ!まるで何かを守っ」
 
ハンター2「オらァ!」ハンマーフルスイング!
 
幼イビル「ぶっ!」ぴゅ~~ん どかっ!ごろごろ…ピク、ピク
 
ハンター達「!?」
 
幼バトリオン「…く~ん」
 
ハンター「なんだこいつ!?」
 
ハンター3「あのチビ、腹の下にこいつを隠してやがったのか!」
 
ハンター4「おい、2、このモンスター分かるか?」
 
ハンター2「分からん。こいつはどんな資料にも載ってない…クシャルダオラにも見えなくもないが…」触り
 
ハンター2「痛っ!」
 
ハンター4「どうした」
 
ハンター2「見ろ、こいつ全身が鋭い逆鱗に覆われてる…触れるだけで肉が裂けるぞ」


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:13:30.13 ID:zaTZHqr80

幼バトリオン「…く~ん」
 
ハンター3「本当だ…こりゃあうかつに触れねえな」
 
ハンター2「見ろ、あそこでのびてるイビルジョーの幼体の腹を…傷だらけだ」
 
ハンター「傷だらけになるのもお構いなしにこいつを守ってたってことか…?」
 
ハンター2「そのようだな…とても信じられないが」
 
ハンター4「で…こいつらどうする?」
 
ハンター2「いちおう眠らせてジジイどもに持って行こう。新種の古龍かもしれん」
 
ザアアアアアア!!!!
 
ハンター「雨が強くなってきた…早く戻」
 
ドガガっ!!!ドガガっ!!!!(グランドクロス)
 
ハンター達(・・・・・・・)即死
 
さわ子マガツチ「ふぅ。ん?」

32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:15:41.38 ID:zaTZHqr80

幼バトリオン「く~ん…く~ん」ぺろぺろ
 
幼イビル「う…う~ん」ぱちり
 
幼バトリオン「く~ん!」ぺろぺろ
 
幼イビル「う…うい…ごめんね…怪我はない…?」
 
幼バトリオン「お…ねえ…ちゃん」ポロポロ
 
ザアアアアアア
 
さわ子マガツチ「………」
 
幼イビル&幼バトリオン「!?」びくっ
 
さわ子マガツチ「イビルジョーと…アルバトリオンの…子供…」
 
ザアアアアアアア
 
~~~~~~~~~~
さわ子マガツチ「あの時…自分の体が逆鱗で傷つくのも構わず妹を守ろうとした優しいこの子が…」
 
イビル唯「くぅ~…くぅ~」zzz…zzz…
 
さわ子マガツチ「どうしてこんな悲しい運命を…」ポロ…ポロ…

34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:18:43.07 ID:zaTZHqr80

[教室]

イャンクック「…以上じゃ。なにか質問のある者は?」
 
律レックス「ふっっざけんな!」だん!
 
ナルガ澪「律!?」
 
律レックス「あんた昔は[修羅]の異名を持つ最強の飛竜として恐れられてたんだろ!?」
律レックス「なんとかなんねーのかよ!!!」
 
イャンクック「神が定めた生物の本能じゃ。ワシの力じゃどうにもならん」
 
律レックス「くそっ!くそっ!!なんで唯なんだ!くそぉっ!!!」ポロ…ポロ…
 
憂バトリオン「…」(神が定めた…本能………神……)
憂バトリオン「!!」
 
憂バトリオン「校長先生!!」
 
イャンクック「なんじゃね?」

35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:20:26.23 ID:zaTZHqr80

憂バトリオン「この世のどこかにいるという、伝説の祖龍なら!!!」
 
「「「!!!」」」
 
イャンクック「まあ話によると祖龍はいかなる願いも叶えられるそうじゃが…実在するか分からん伝説中の伝説じゃぞ?」
 
憂バトリオン「そういう話があるってことは、実在する可能性は0じゃないってことです!」
 
イャンクック「まぁそうかも知れぬが………お主…まさか」
 
憂バトリオン「はい!祖龍を探す旅に出ます!今すぐ!」
 
純オウガ「ちょ、ちょっと憂、本気なの!?」
 
憂バトリオン「本気だよ!私が…!!私がお姉ちゃんを呪われた運命から救ってみせる!!」がたっ
 
律レックス「よっしゃあ!私も行くぜ!」
 
憂バトリオン「いえ、律さんたちは…ここでお姉ちゃんを支えてあげて下さい」
 
律レックス「なっ」
 
憂バトリオン「律さんたちもいなくなったら…きっと…お姉ちゃんは……お願いです」
 
律レックス「わかった。唯は私たちにまかせろ」
 
憂バトリオン「ありがとうございます!」

37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:22:32.64 ID:zaTZHqr80

イャンクック「…止めても無駄か…」
 
憂バトリオン「すみません校長先生」
 
イャンクック「ふむ。美しい姉妹愛じゃ。行ってきなさい」
 
憂バトリオン「ありがとうございます!お姉ちゃんには…適当に両親を捜す旅に出たとでも言っといてください」
 
イャンクック「ふむ。承知した」
 
憂バトリオン「それでは行ってきます!」ダダダだ!
 
[医務室]
 
憂バトリオン「~~~というわけなんです!」
 
さわ子マガツチ「これまた急ね…気をつけるのよ」
 
イビル唯「くぅ~…くぅ~」zzz…zzz…
 
憂バトリオン「お姉ちゃん…絶対助けてあげるからね」ちゅっ
 
イビル唯「えへ~…」zzz…zzz…
 
憂バトリオン「それでは先生、お姉ちゃんをお願いします!」だだだだ!
 
さわ子マガツチ「分かったわ」

39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:24:29.96 ID:zaTZHqr80

ひゅおおおおおお!バサッ、バサッ、バサッ
 
憂バトリオン「待っててねお姉ちゃん!今度は私が…」
 
憂バトリオン「お姉ちゃんを救う番だよ!!」
 
~~~~~~~~~~~~
 
そして、
 
[現代]
 
イャンクック「…こういうことが、半年前にあったんじゃよ」
 
イビル唯「  」(そんな…) 
 
イャンクック「そしてこれが、憂くんが旅に出た本当の理由なんじゃよ」
 
イビル唯「  」(うそだ…)
 
イャンクック「辛いだろうが、事実として受け止めねばならん」
 
イビル唯「  」(私が…憂の腕を…)

41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:27:02.31 ID:zaTZHqr80

イャンクック「唯くん…最近、食事中になにか変わったこととかなかったかな?」
 
イビル唯「!」(食事中…やっぱり…)
 
イビル唯「最近、ご飯の味がよく分からないんです…いや、というより…食事中は…なんだか意識がぼんやりして…」
 
イャンクック「ふむ。今朝なにを食べたか思い出せるかな?」
 
イビル唯「今朝…」(あれ…なに食べたっけ?…あれ?誰と食べたっけ?)
 
イビル唯「思い出せません」
 
イャンクック「食事中は意識が半分飛んでるんじゃな…それはつまりな…」
 
イビル唯「…」
 
イャンクック「イビルジョーの本能が目を覚ましつつあるんじゃよ」
 
イビル唯「!」
 
イャンクック「もう一ヶ月もすれば…君は…」
 
イビル唯「うそ…いやだ…」
 
イャンクック「空腹になる度に意識が飛び本能に支配され…」
 
イビル唯「やだ…やだ…やだ!」
 
イャンクック「眼に映る生き物を無差別に喰らうようになる。友達だろうと家族だろうとお構いなくな」

44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:30:30.37 ID:zaTZHqr80

イビル唯「そんな!嫌です!助けて!先生!」ポロ…ポロ…
 
イャンクック「…これが…イビルジョーに生まれた者の運命なんじゃよ」
 
イビル唯「そんな!なんで!なんで私が!!うあああ!うわああああああん!!!!」
 
イャンクック「……力になれなくて…すまぬ…」
 
イビル唯「あああああん!!!うわあああああああああああん!!!!」
 
イャンクック「………気が済むまで…泣くといい…」
 
イャンクック(神よ…なにゆえこのような娘にこんな試練を…)
 
イビル唯「あああああああああああん!!!うわあああああああああああああん!!」
 
イャンクック「…………」

48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:32:59.78 ID:zaTZHqr80

[深夜]
 
さわ子マガツチ「…いいの?りっちゃんたちに…お別れを言わなくて」
 
イビル唯「はい。いいんです。それに…会ったら…決心が…鈍っちゃうから」 
 
さわ子マガツチ「そう。それじゃ、明日の朝…みんなには私から伝えとくわ」
 
イビル唯「ありがとう…さ、…さわ…さわ…ちゃん…」グスッ
 
さわ子マガツチ「唯ちゃん!」ダキッ
 
イビル唯「ええええ~~~ん!!!さわちゃん!さわちゃああああん!!」
 
さわ子マガツチ「ごめん…ごめんなさい唯ちゃん!力になれなくて!ごめんなさい!」ポロポロ
 
イビル唯「うっ、うっ…ひっく、うわあああああああん!!!!」
 
イャンクック「………」ツー
 
~~~~~
存分に泣いたあと、唯はさわ子と校長に「憂が帰ってきたら自分は死んだと言ってくれ」と頼み、夜中のうちに深い森の中へと消えた。
自分がいたら、自分の大好きな大切な人達を傷つけてしまう。
自分の大好きな人達を傷つけない為には、自分が消えるしかない。
唯が出した答えは、遠い所へ旅立つことであった。
 
そしてこのシュレイド城には、唯はもちろんのこと、憂も帰ってくることはなかったのである。
 
第一部 完

49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:35:25.33 ID:zaTZHqr80

第二部
 
[ココット村]
 
村人1「おい聞いたか?最近見慣れねーモンスターが森丘の生態系を荒らしまくってるらしい」
 
村人2「聞いたぜ。そいつはとにかく貪欲で、この辺のアプトノスが激減したらしいな」
 
村人3「草食竜だけじゃねえ。リオレウスとリオレイアもそいつに喰われたらしい」
 
村人1「なにっ」
 
村人3「古くから森にいすわるオオナズチも喰われちまったんだとよ」
 
村人1「…バケモンだな」
 
村人2「まぁしかし…そいつが暴れられるのも今日までだ。なんせ今朝…」
 
村人3「ああ。この村が生みし最強の竜人族ハンター『ココットの英雄』が出向いたからな」
 
村人1「だな…しっかし…なんだ?今日のこのどんよりした不気味な曇り空はよ…」
 
ゴゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
 
村人1「…荒れるぜ…」

50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:39:00.83 ID:zaTZHqr80

~~時は少し遡る~~
 
気が付くと私は綺麗な森と丘に来ていた。
こうしてまだ私が私として意識を持ってるってことは、まだ私の中の本能は完全に目覚めていないらしい。
でも…もうほとんど目覚めてるってのは分かる。
だって…
だって、私は、シュレイド城を出てから何を食べたかってことをまったく覚えていないんだもん。
空腹になった瞬間…私のお腹がぐぅ~って鳴った瞬間、私は急な眠気に襲われて意識が飛ぶ。
 
気が付くと、真夜中になっていたりする。
辺りにはまだ新しい血と肉片が飛び散り、骨や爪、甲殻が散らばってる。
私のお腹が満たされてる。
そして私の身体には新しい傷が増えていて、これがまたヒリヒリ痛むんだ。
 
空腹にさえならなければ意識が飛ぶことはないのかなって思って、石や草を手当たり次第に飲み込んだことがある。
でも、すぐに吐き戻しちゃった。 
 
なんで
 
なんで、ものを食べるって行為に私はこんなに苦しまなきゃいけないんだろう。
 
どうして
 
どうして私はイビルジョーに生まれてきたんだろう

52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:41:36.29 ID:zaTZHqr80

「森の中」
 
イビル唯「ん…ん」ゴクゴク
 
イビル唯「ぷはーっ!ここの泉の水は美味しいなぁ」
 
「へぇ~、あんた、見ない顔だね」
 
イビル唯「ん?」くるっ
 
・・・・・・・・・シーン
 
イビル唯「あれ?後ろから声がしたと思ったんだけど…」
 
・・・・・・・・・・シーン
 
イビル唯「…空耳かな」くるっ
 
「ここだよ、ここ」
 
イビル唯「ん!?」クルッ!
 
・・・・・・・・・・シーン
 
イビル唯「だれ…?どこにいるの…?」

55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:44:37.87 ID:zaTZHqr80

「眼の前にいるじゃん」
 
イビル唯「え!?どこ!?」
 
「だから眼の前だっつの」
 
イビル唯「だから誰もいないってば!」
 
「ぷっ…あははははは!」すう~
 
イビル唯「あっ!」
 
クリスティーナズチ「あはは。ごめんごめん。ちょっとからかっちゃった」
 
イビル唯「すごい!透明になれるの!?」
 
クリスティーナズチ「まぁね。あんた、どこから来たの?」
 
イビル唯「えっと…」
 
クリスティーナ「ああ、アタシはオオナズチのクリスティーナだ。クリスとでも呼んでちょうだい」


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:48:03.24 ID:zaTZHqr80

・・・・・
 
クリス「…へぇ~…恐暴竜としての運命ねぇ…唯も大変だな…」
 
イビル唯「はい…だから、もうそろそろ私行きますね」すっく
 
クリス「へ?なんで?どこ行くの?」
 
イビル唯「え?だってこのままここにいたら、いずれクリスさんを襲っちゃうし」
 
シュパッ ベチン!(舌ビンタ)
 
イビル唯「あいてっ!」
 
イビル唯「…!!」(なに今の…速すぎて見えなかった…)
 
クリス「ん~??…その発言は…つまりこのアタシがあんたに喧嘩で負けるってことか?」ぎろり
 
イビル唯「ひっ…い、いや、そういうわけじゃ」びくっ
 
クリス「あんま舐めたこと言ってっと…毒霧くらわすぞオラ」
 
イビル唯「え、ご、ごめんなさい」(こ、この人怖いよ)
 
クリス「なんてな。いいよ。ここにいなよ」にこっ

59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:50:11.41 ID:zaTZHqr80

イビル唯「え…」
 
クリス「寂しかったろ?今まで1人でさ…」
 
イビル唯「…」
 
クリス「城を出てから…人と関わるのを避けてたんだろ?」
 
イビル唯「  」
 
クリス「仲良くなっても…喰っちまうから」
 
イビル唯「  」
 
クリス「辛かったね…唯」
 
イビル唯「  」ジワ…
 
クリス「アタシなら大丈夫だから…ここにいなよ」
 
イビル唯「う…うぅ…」ポロリ…
 
クリス「あんたの意識が戻ったあとも…隣にいるって約束する。だからここにいな」
 
イビル唯「う…うああう…」ポロ…ポロ…

62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:52:54.69 ID:zaTZHqr80

イビル唯「うわああああああん!!!」だきっ
 
クリス「よしよし…」なでなで
 
イビル唯「ああああああん!!クリスさああああああん!!!」
 
クリス「辛かったね…」なでなで
 
ど く ん !!
 
イビル唯「あ…」
 
クリス「!?」
 
イビル唯「あ…来る…クリスさ…離れ…て」どくん、どくん
 
クリス「いきなりおでましかい…?本能とやらが」
 
イビル唯「お…ねが…い…は…なれ…て…」どくん!どくん!!
 
クリス「さっきも言ったろ?あんたの意識が戻ったあとも…隣にいるって約束するって」
 
イビル唯「逃げてクリスさん!!!!」ドクンッ!!!!
 
ぐぎゅぅぅ~~るるるるるるるるる

67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:55:12.87 ID:zaTZHqr80

ゴゴゴゴゴ
 
イビル唯「ぐるるるるる…」ぼた…ぼたぼた
 
クリス「すげー涎だな…」
 
イビル唯「グルルル…」ギロリ…
 
クリス「けっ!良~い眼だな…ぞくぞくくるぜ」
 
イビル唯「ガアアアアッ!!!」どしんどしん!
 
クリス「ふっ!」バックジャンプ毒霧!
 
イビル唯「グッ…」
 
クリス「よし、この隙に透明になって…」すぅ
 
イビル唯「!?」キョロ…キョロ…
 
クリス「後ろから奇襲だ!気絶させてやんぜ!」ブオッ
 
イビル唯「    」クルッ
 
クリス「!?」
 
イビル唯「ソコガァッ!!!!」噛み付き!

69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:57:29.37 ID:zaTZHqr80

クリス「なにっ!…くっ!」
 
イビル唯「ガチン!」すかっ
 
イビル唯「クンクン…」クルッ
 
クリス「そうか!こいつ匂いでアタシの位置を…」
 
イビル唯「ガアアアアッ!」噛み付き!
 
クリス「へっ…腹が減ると感覚が研ぎ澄まされるってわけかい」ひゅっ
 
イビル唯「ガアアガチンッ!ガチンッ!ガチンッ!」すかっ
 
クリス「おっかねぇなあこのっ!」げろっ…げげろっ…スタミナ減らし粘液!
 
べちゃっ…べちゃっ
 
イビル唯「グッ…グゥウ」
 
クリス「よし!効いてる!このまm」
 
イビル唯「……」ゴゴゴゴ
 
クリス「なんだ…!?」ピタッ

71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 22:59:28.22 ID:zaTZHqr80

イビル唯「グ…グガァウ」ゴゴゴゴゴ
 
クリス「ッ!」
 
イビル唯「グオオォオオォアアアアアアァッ!!」もこもこもこ
 
クリス「おいおい…冗談だろ…」ぞくり
 
怒りイビル唯「ガアアァッ!すぅ~~~~~」
 
クリス「やべぇ…!逃げ…」
 
怒りイビル唯「がああああああああぁ!!!!」龍ブレス!!
 
クリス「しまっーーーーーー」
 
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 
 
[次の日の朝]
 
チュン…チュン…
 
イビル唯「う…う~ん…」ぱちり

74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:01:46.10 ID:zaTZHqr80

イビル唯「はっ!」がばっ
 
イビル唯「クリスさーーーー」
 
~~~周囲一帯には、真新しい血と肉片が飛び散っていた。
その中には、紫色の甲殻や渦を巻いた特徴的な形の尻尾も、見てとれた。
そして唯の空腹が、満たされていた~~~~~~
 
イビル唯「う…」じわり
 
イビル唯「うああう…」ポロ…
 
イビル唯「うわああああああああああああああん!!!!」
 
「あああああああああああああああああん!!!!!」
 
~~~竜の泣き叫ぶ声が、早朝の森に響き渡った~~~~

80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:05:51.92 ID:zaTZHqr80

・・・・・・・・
 
[数日後・丘」
 
イビル唯「…」ぽけー
 
ゴゴゴゴゴゴ
 
イビル唯「なんかどんよりした空だなぁ…」
 
ゴゴゴゴゴゴ
 
イビル唯「雨ふってくるかな…」
 
「よぉ、てめぇが恐暴竜だな?」
 
イビル唯「…ん」ちらっ
 
「空を見るのが好きなのか?そのナリでよ…」
 
イビル唯「…人間?」
 
ココットの英雄「ワリィな…てめぇも生きる為にやってることだろうが…ワシたちも生きてーんだ」シャキン


82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:08:29.22 ID:zaTZHqr80

イビル唯「…そんなちっぽけな武器で…私を殺せるの?」
(なんかこの人…校長先生に似てるな…眼とか雰囲気が)
 
ココット「いきなりしかけさせてもらうぜ」ひゅっ
 
ぶしゅっ…ぶしゅっ!!
 
ココットの英雄の剣が、座ったままの竜の肉体を次々と切り刻んでいく。
 
イビル唯「…ッ…ッ」(痛いなぁ…)
 
ココット「けっ…無抵抗かよ…ハンデのつもりかおい」ぶしゅっ…ぶしゅっ
 
イビル唯「ッ…ッ…」(痛い…クリスさんも…こんなに…痛かったのかな)
 
ごめん。
ごめんなさいクリスさん。
ここにいなよって言ってくれたのに。
優しく抱きしめてくれたのに。
本当にごめんなさい。
それから…憂。
腕…食べちゃってごめんね。
痛かったよね。ごめん。ごめんなさい。
なんで…本当にどうして私はイビルジョーに生まれてきたんだろう。

83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:11:13.18 ID:zaTZHqr80

どうして。
どうして自分の空腹を満たす為に自分の好きな人を傷つけなきゃいけないの。
どうして好きな人の人生を終わらせなきゃいけないの。
なんで、どうして、なんで、なんで、なんで私なの…
 
イビル唯「    」ゴゴゴゴゴゴ
 
ココット「む…」
 
なんで、なんで私が
 
イビル唯「………」むくり
 
ココット「ふんっ、ようやくやる気になったかよ」
 
なんで、なんでなんでなんでなんでなんで私が!!
 
イビル唯「グ…グググ」もこ…もこり…
 
ココット「む!?」
 
なんで!なんでなんでなんでなんでなんでなんで
どうして!!!!
 
 ド ク ン !
 
イビル唯「なんでだぁーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」もこもこもこもこもこもこ!!
 
ココット「!?」

87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:14:34.65 ID:zaTZHqr80

怒りイビル唯「グォオオォオオォアアアアアアアアッッッ!!!」
 
ココット「くくく、それがてめぇの真の姿かよ…」ぞくり
 
ポツ…ポツ…
 
ザアアアアアアアアア(雨)
 
怒りイビル唯「ガアアアアアアアアアアアアッ」ドスンドスンドスン
 
ココット「雨か…そういや50年前、ここで最強の飛竜[修羅]と戦った時も、こんな雨の日だったな」
 
~~この50年前の戦いは、最強のハンター、ココットの英雄が唯一獲物を仕留められなかった狩りであり、
そして最強の飛竜[修羅]にとっても唯一獲物を仕留められなかった戦いである~~~~
 
ココット「ありがとよ恐暴竜よ、こんなに血が滾る狩りは50年振りだぜ」ダダッ
 
怒りイビル唯「グオオォアアアアアアアアアァッ!!!!」
 
ゴロゴロッ 
ピッシャーン
 
~この、轟く雷鳴と豪雨の中の闘いは、両者一歩も譲らぬ激闘となった。
しかしおよそ6時間後…『突然の来訪者』の出現により、
決着が付かぬまま終わりを迎えることになる~~~

90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:17:36.21 ID:zaTZHqr80

ザアアアアアアアアア
 
イビル唯「ぐっ…」はぁ、はぁ、はぁ
 
ココット「ちぃ…」ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ
 
イビル唯「はぁ、はぁ、はぁ」(そういえばさわちゃんが言ってたっけ…)
 
ココット「嬉しいぜ…てめぇみてーのがいてくれてよ…ぜぇ、ぜぇ」にやり
 
イビル唯「はぁ、はぁ、はぁ」(竜人族は凄く強いって…)
 
ザアアアアアアアアア
 
ココット「さて、もいっちょいくかよ」ぐぐ
 
イビル唯「…ん!?…空からなにか飛んでくる…!?」
 
ザアアアアアア…パタ…パタパタ
 
ココット「!?」(雨の音が変わった!?上になにかいるのか!?」がばっ
ココット「な!」
  
イビル唯「……う………い………」
 
憂バトリオン「………」バサッ、バサッ、バサッ

91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:20:19.85 ID:zaTZHqr80

イビル唯「憂!!!!」
 
憂バトリオン「…お…ねえ…ちゃ…」すたっ…ふらふらっ
 
イビル唯「憂!!!!」だきっ
 
憂バトリオン「はぁ…はぁ…はぁ」
 
イビル唯「憂!憂!!!」
(凄く弱ってる…それに…どうして…!?腕も生えてないし、身体中傷だらけだし…なんでこんなに痩せてるの…!?)
 
ザアアアアアアアアアア
 
ココット「おいおい…冗談じゃねーぞ」
 
ザアアアアアアアア
 
ココット「あいつは…ギルドの上層部しか見れねえ資料に載ってた…煌黒龍ってやつじゃねぇのかい…」
 
ザアアアアアアアア
 
ココット「恐暴竜と煌黒龍を同時に相手だぁ…?」
 
ザアアアアアアアアア
 
ココット「いくらなんでも笑えねーぜ…」

93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:23:02.97 ID:zaTZHqr80

イビル唯「憂!!憂!!どうしたの!?なにがあったの!?」
 
憂バトリオン「はぁ…はぁ…ごめんね…お姉ちゃん…結局…祖龍…見つけられなかった…」
 
イビル唯「そんなの別にいいんだよぉ!なんでそんなに傷だらけなの!?」ポロ…ポロ…
 
憂バトリオン「はぁ…はぁ…はぁ…」
 
イビル唯「!?」
(あれ…憂に触ってるのに痛くない…)ちらっ
 
イビル唯「…!」
(逆鱗が…ほとんど剥がれてる…)
 
憂バトリオン「はぁ…はぁ…お…姉ちゃん…」
 
イビル唯「…なに?」ポロ…ポロ…
 
ザアアアアアアアアア
 
ココット「…!?」
(なんだ…?あの2頭…様子がおかしい…)


97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:25:55.87 ID:zaTZHqr80

~~~憂がシュレイドを旅立ってからすぐのこと~~~
 
憂バトリオン「噂によるとどこかの塔の頂上にいるらしいんだけど…」ひゅおおお!バサッバサッバサッ
 
憂バトリオン「ん?」
 
アプトノスの群れ「んもー」
 
憂バトリオン「アプトノスか…ちょっと栄養補給して行こうかな」びゅおっ 降下
 
バサッバサッバサッ 
 
アプトノス「ん?」
 
憂バトリオン「 」ストン!
 
アプトノス「うわああああああああ!」
 
アプトノス「肉食だ!みんな逃げろおおおおお!」どかどかどかどか 
 
幼アプトノス「わっ」すてーん 転び
 
母アプトノス「坊や!坊やー!!」
 
憂バトリオン「…」すた…すた…

99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:28:29.44 ID:zaTZHqr80

憂バトリオン「…」がっ
 
幼アプトノス「ひっ!うわあああ助けて!助けてママー!!」
 
母アプトノス「坊や!坊や!」だだっ
 
父アプトノス「やめろ!お前まで喰われるぞ!」がしっ
 
母アプトノス「いや!離して!坊やが!」
 
幼アプトノス「うわあああああん!!」
 
憂バトリオン「……」(今…楽にしてあげるからね)すっ
 
母アプトノス「やめてええええええ!家の子を食べないで!いやあああああ!」
 
憂バトリオン「……」
 
~~~『眼に映るもの全てを喰らう捕食マシーンとなる』~~
 
憂バトリオン「……」
 
~~~『あらゆる生命という生命を喰らい続けるじゃろうな』~~~
 
憂バトリオン「……」

101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:30:14.78 ID:zaTZHqr80

幼アプトノス「うわああああ助けて!助けてええええ!」
 
憂バトリオン(神様…もし…私がこの子を助けたら…)
 
幼アプトノス「うわあああああん」
 
憂バトリオン(もし…私がもうほかの生命を殺さないと…生命を喰わないと誓ったら…)
 
憂バトリオン(お姉ちゃんを助けてくれますか…?)
 
憂バトリオン(お姉ちゃんの代わりに…私がもう生命を殺さないから…)
 
憂バトリオン(だから神様…どうか…どうか…お姉ちゃんを…)
 
心のどこかでは…
心の奥底では、分かっていた。
こんなことをしても無意味だと。
こんなルールを作っても何も変わらないと。
しかし、この時の憂の精神状態は…例えるなら、宗教に嵌る者の精神に似ていた。
人生に絶望し今まさに自殺しようとしていた者が、ふとしたきっかけで宗教に嵌り、自殺をやめ熱心な信者になる。
それに似ていた。
つまり…
 
何かにすがりたかったのである。自分がこれを我慢するから代わりに愛する者が救われる。
そういう愛する者が救われるという希望を抱けるような、支えが欲しかったのである。
 
生物史上初。
この日、憂は、生きる為に他者の生命を喰らうという、最も基本的な生物の本能を、放棄した。


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:32:17.49 ID:zaTZHqr80

憂バトリオン「……」
 
父アプトノス「む…なんだあの肉食…様子がおかしい…」
 
母アプトノス「坊やー!!」だだだだ!
 
母アプトノス「坊やを離して!」尻尾アタック!
 
グサッ…
 
憂バトリオン「うっ…」
 
~アプトノスの尻尾に生えた太い針が、アルバトリオンの腹部に突き刺さっていた~
 
幼アプトノス「ママ!」すっ
 
父アプトノス「あの肉食…!!無抵抗だ!!みんなかかれ!かかれー!!」
 
父アプトノス「今まで肉食に殺された同胞たちの恨みを晴らすのだ!!」ドドドドド
 
憂バトリオン「ッ…!!」
 
ザクッ…ザクッ…ぐさりっ…ドスッ…

104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:34:18.68 ID:zaTZHqr80

~~~~ 
アイルー「ふんふ~ん、今日は良い天気だにゃ」
 
ヮアアア!
 
アイルー「ん?」チラッ
 
アイルー「にゃっ!?」
 
アイルー「にゃ、にゃんだあれ!?なんかめっちゃ強そうな龍が…アプトノスの群れにリンチされてる…!?」
 
~~~~
 
母アプトノス「このっ!よくも!よくも家の子を…!!」ざくっ…ざくっ
 
アプトノス「このっ!このっ!肉食めっ!」ざくっ…ざくっ…
 
憂バトリオン「ッ…ッ…」ゴゴゴゴゴ
 
父アプトノス「はぁっ!はぁっ!ぜぇ!ぜぇ!なんだ…こいつ…」
 
憂バトリオン「気は…済んだかしら…」ゴゴゴゴゴ
 
アプトノスたち「   」ぞくっ

106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:36:21.16 ID:zaTZHqr80

憂バトリオン「…」ゴゴゴゴゴ
 
父アプトノス「こいつ…やべぇ…に、逃げろ!」
 
ダダダッだダダダ
 
憂バトリオン「……」ふらっ…
 
憂バトリオン「ぐっ…」踏ん張り
 
憂バトリオン「…ふぅ~」タンッ
 
バサッ…バサッ…バサッ…
 
片腕のない血まみれの龍が、空へと飛び去った。
 
 
それから憂は半年以上もの間、水以外いっさい口にせず、
不眠不休で空を飛び続けた。
 
途中、幾度となく意識が途切れかけた。
その度に、地面に叩きつけられた。
 
もはや満身創痍だった。
耐え難い飢餓感と激痛と眠気が、休む間もなく憂を襲った。
 
意識が消えかける度に、憂は思い出していた。
 
唯と初めて巡り会った、あの日の思い出をーーーーーー。

111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:39:17.35 ID:zaTZHqr80

『…さむい…なぁ…ん?』
 
トコトコ
『ん?…』
 
『…』
 
『ねぇ…きみもひとりなの?』
 
『うん』
 
『わたしと一緒だね!お名前はなんていうの?』
 
『う…うい…』
 
『わぁ!名前も似てる!わたしはゆいっていうの!』
 
『ゆ…い…』
 
『きめた!あなたは今日からわたしの妹だよ!わたしのことお姉ちゃんって呼んでね!うい!』
 
『お…ねえ…ちゃん…』
 
『うふふ』ぎゅっ
 
『あっ』


114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:41:43.29 ID:zaTZHqr80

あの日、1人ぼっちで震えていた自分の身体を抱きしめてくれたあの肌の温もりを。
 
自分の身体に生えた触れたものをみな傷つけてしまう逆鱗をものともせずに強く抱きしめてくれたあの優しさを。
 
親の顔も知らぬ、家族というものがなんなのか分からぬ自分を、妹と呼んでくれた。
 
生まれて初めての優しさと温もりだった。
 
お姉ちゃん。
 
 
あの日のことを思い出すたびに、身体の奥底から力が湧き上がってきた。
 
お姉ちゃんが苦しんでいるのに、自分が休んでいるわけにはいかない。
 
今度はーーー
 
私がーーーーー
 
お姉ちゃんを助ける番だーーーーー。

116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:43:27.00 ID:zaTZHqr80

~~~~~

ザアアアアアアアア(雨)
 
憂バトリオン「ごめんね…お姉ちゃん…役に…立てなくて…」ポロ…ポロ…
 
イビル唯「憂…!憂!!」ぎゅぎゅっ
 
ココット「……」(なんだ…こいつらは…なんだ…?…煌黒龍の方は…死にかけてる…)
 
ザアアアアアアア
 
 ど く ん !
 
イビル唯「うっ」
 
ココット「!?」
 
イビル唯「あ…あ…う…い…逃げて…」(やばい…今度のは…きっと…)
 
憂バトリオン「…お姉ちゃん」にこっ ぎゅぎゅっ
 
イビル唯「!?…離して…憂…!!」どくん、どくん


122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:47:23.58 ID:zaTZHqr80

唯は直感で理解した。
次に本能が表に表れたとき、自分は完全に覚醒する。
自分という理性が本能に喰われ、完全なる恐暴竜・イビルジョーとなる。
 

イビル唯「憂!離して!逃げて!分かるの!今度のは今までと違う!もう私は…完全に…!」どくん!どくん!
 
憂バトリオン「お姉ちゃんが苦しんでるのに…私だけ逃げられないよ」にこっ
 
イビル唯「お願いだから離して!怒るよ!?憂!離せ!離せぇぇぇえええええ!!」グッ  どくん!どくん!
 
憂バトリオン「私の…最初で最期のわがままだよ…絶対離さない」ぎゅ~っ
 
イビル唯「憂!憂を殺したくないんだよぉ!どうして分かってくれないの…!うっ!ひっく」どくん!どくん!
 
憂バトリオン「お姉ちゃん、私ね、今でも覚えてるよ」ぎゅっ
 
イビル唯「離して!私から逃げて!逃げて!逃げてよぉおおおおおお!!!」ポロ…ポロ…  どくん!どくん!
 
憂バトリオン「お姉ちゃんと初めて会った時のこと」ぎゅ~
 
イビル唯「離して!お願いだから逃げてよぉおおおおおおおおお!!!」どくんっ!どくんっ!


124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:49:47.39 ID:zaTZHqr80

イビル唯「逃げて!憂!逃げて!」どくんっ!どくんっ!
 
憂バトリオン「お姉ちゃん、私ね」
 
イビル唯「逃げてよぉおおおおおお!うわああああああああああん!!!」どくんっ!どくんっ!
 
憂バトリオン「お姉ちゃんの妹になれて…」
 
イビル唯「あああああああああああ」どくんっ!どくんっ!
 
憂バトリオン「本当に幸せだった…!!」
 
イビル唯「ああああああああああああ」どくんっ!!どくんっ!!どくんっ!!!
 
憂バトリオン「 お姉ちゃん  大好き !!!!!!!」にこっ
 
 ど く ん !!!!!
 
イビルジョー「グォォオオオオオォオオォァアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!」
 

 
ガブリッ…!!
ぶちっ…!!みちっ…!!

130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:53:16.91 ID:zaTZHqr80

 ・・・・・・・

ザアアアアアアアアァァァ
 
ココット「…ッ!…ッ!」(こりゃあいったい…なんだ…?)
 
ザアアアアアアアアア
 
イビルジョー「グオアアアアアアッ!!!」ガブッ…!!みちりっ…!
 

凄まじい光景であった。
降りしきる雨の中、竜が龍を喰らっているのである。
ただ喰らっているだけではない。
泣いていたのである。
肉を喰らっている方の竜が、赤い血の涙を流しながら、肉を屠っているのだ。
泣きながら、悲哀の篭った悲鳴にも聞こえる吠え声を上げ、肉にかぶりついているのである。
 
喰われている方の龍も、異様だった。
まるで赤子の寝顔のように、とても穏やかな表情で、文字通りその身を捧げているのである。
すでに絶命していると思われるものの、とても幸せそうな表情で、その身を喰われていたのだ。
 
異様にして凄惨な光景だった。
 
並の神経をしている者がこの光景を見たら、それだけで精神が壊れるのではないかと思われた。
 
ココット「…ッ!…ッ!」
 
歴戦の、百戦錬磨のココットの英雄でさえも、呼吸も忘れ、その光景を眺めていた。

134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:56:07.59 ID:zaTZHqr80

ザアアアアアアアア
 
ガブッ!ぶちっ!みりみりっ!
 
ココット「…」(こいつは…やべぇ)シャキン
 
ココット「…」(今ここで殺しておかねーと…やべぇ)
 
イビルジョー「グオオオオアアアアアッ!!!」ガブチッ!
 
ココット「……」(仕留めるなら…今…!)ダダッ!
 
 ゴ ウ ッ 
 
ココット「むっ!?」サッ
 
ボン!メラメラ…
 
ココット「!?」(この雨をものともしねー火球!まさかッ!)クルッ
 
「久しぶりだなぁ。ココットの英雄よ…」
 
ココット「…修羅かよ…」にやり
 
イャンクック「よぉ。また会うたな」

137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/17(日) 23:58:43.85 ID:zaTZHqr80

ココット「50年振りだな…」
 
イャンクック「ああ」
 
ココット「で?なんだ?あの時の決着をつけようってのかい」
 
イャンクック「ぬしに頼みがある」
 
ココット「なんだ」
 
ザアアアアアアア

イャンクック「あの竜には…手を出すな」
 
ココット「手を出すなと言われてもな…ワシもこれが生業でな。手ぶらじゃ帰れねぇのよ」
 
イャンクック「なにもただで帰れとは言わぬ」
 
ココット「へぇ。なにを土産にくれるってんだ?」
 
ザアアアアアアアア
 
イャンクック「…ワシの首だ」
 
ココット「…なに…?」

142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:00:42.04 ID:cDWArR/e0

イャンクック「ワシの首を持うてゆけ」
 
ココット「……」
 
イャンクック「何千という狩人が欲しがったワシの首だ。不足はあるまい」
 
ココット「……」
 
イャンクック「だから…」
 
イビルジョー「グオオオオッ!!!グオアアアアアアアッ!!!!」
 
イャンクック「だからせめて…あの竜を…」
 
イビルジョー「グアアアアアアアアアッッ!!!!」
 
ザアアアアアアアアアア
 
ココット「……」
 
イャンクック「せめて……泣かせてやれ…!」
 
ココット「……」

144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:03:14.94 ID:cDWArR/e0

ココット「ふんっ」
 
イャンクック「…」
 
ココット「こんな形でてめぇの首を獲ってもワシの気が済まぬわ」
 
イャンクック「…」
 
ココット「今日のところは引いてやる」
 
イャンクック「…すまぬ」
 
ココット「…ひとつ教えろ」
 
イャンクック「なんだ」
 
ココット「…アレは…いってぇなんなんだ…?」
 
イャンクック「あれは…」
 
ザアアアアアアアア

イャンクック「…哀しき運命を背負った獣よ…」 
 
ココット「獣…とな」

150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:05:21.06 ID:cDWArR/e0

ココット「あれは…てめぇが責任持って始末しろ」
 
イャンクック「分かっておる」
 
ココット「…じゃあな。いずれ決着をつけようぞ」くるっ
 
イャンクック「ああ」
 
スタスタスタ……
 
ザアアアア…ポツ…ポツ…~雨が止みかけていた~
 
イャンクック「さてと…」くるっ
 
イビルジョー「グオオオオアアアアアッ!!!」
 
イャンクック「恐暴の申し子よ…」ざっ…ざっ… 


152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:08:47.10 ID:cDWArR/e0

イビルジョー「!」ギロリ
 
イャンクック「ぬしは何も悪くない」
 
イビルジョー「グアアアアアッ!!」ドシンドシンドシン
 
イャンクック「ぬしはただ生きる為の本能に従っているだけじゃ。なぁ~んも悪くない」
 
イビルジョー「グアアアアアッ!!」ドシンドシン
 
イャンクック「ぬしは何も悪くない…!しかし…」
 
イビルジョー「グオァァッ!!」ぐばぁっ
 
イャンクック「…許せ」
 
 ご き ゃ っ !!!
 
イャンクックの鋼鉄の嘴がーーーーー
 
イビルジョーの頭蓋を砕いたーーーーーーー。


154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:10:50.58 ID:cDWArR/e0

イビルジョー「グッ…」ふらっ…どしーん!!
 
イビルジョー「……」
 
イャンクック「ぬしは…悪くない…」
 
イビルジョー「…あ…」
 
イャンクック「!?」
 
イビルジョー「…あ…り…」
 
イャンクック「    」
 
イビルジョー「…あ…り…が…と………う……」
 
イャンクック「!!」ぶわっ
 
イビルジョー「…………」
 
イャンクック「くぅ!…すまぬ!…すまぬ…!!」ポロ…ポロ…
 
ポツ…ポツ…ぽつり
 
イャンクック「こんな方法でしかお主を救ってやれぬワシを…どうか許してくれ…!!」

156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:13:03.18 ID:cDWArR/e0

翌日、その現場には、なにも残っていなかった。
肉片ひとつ、骨の欠片ひとつ残っていなかったのである。
 
周辺の住民たちの間では、夜のうちに、肉食動物たちが一掃したのだろうという説が有力だったが…。
 
ある一匹のアイルーの話によると、
 
深夜、空から、光り輝く白い龍が舞い降りて、傍で打ちひしがれていたイャンクックとなにか一言二言話したあと、
イビルジョーの亡骸と周辺に散らばった肉片を抱え、イャンクックと共に天空へと飛び去っていったという。
夢ではない。絶対にこの眼で見たーーーーとのことらしいが。
 
真相の程は、不明である。
 
なお、あれ以来、イビルジョーという種を目撃した者は誰もおらず、
あのイビルジョーが恐暴竜種最後の個体だったのではないかと言われている。

158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:15:30.98 ID:cDWArR/e0

[エピローグ]
 
~~~~とある世界の、とある女子高にて~~~~
 
[校長室]
 
校長「…うむ」ずず
 
わいわい
きゃっきゃっ
 
校長「こうして茶をすすりながら、夕日に照らされて下校する我が生徒たちの輝く笑顔を眺める…」
 
わいのわいの
 
校長「至福のひと時じゃわい」ずず
 
お姉ちゃん♪
あ、部活終わるの待っててくれたんだぁ!だきっ
うん!一緒に帰ろ!
ったく…お前ら姉妹ってほんっと仲良いよなー
えへへ
 
校長「…ふふん」にこっ
 
コツーん……カツーん…
 
校長「む?聞きなれぬ足音が聞こえるの…」


162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:18:05.05 ID:cDWArR/e0

カツーん…コツーん
 
ピタッ
 
校長「…?」(ドアの前で止まった…)
 
・・・・・・・・・
 
校長「だれかな…?入ってもかまわんよ」
 
ギギィ…
 
校長「    」
 
ゴゴゴゴゴゴゴ
 
校長「なっ……!?」
 
「けっ…てめぇはどこの世界に行っても校長やってんだな」
 
校長「ぬ…ぬしゃぁ…まさか…!!」
 
ココット「よぉ、時空を超えて会いに来てやったぜ」にやり

167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:20:16.94 ID:cDWArR/e0

校長「ッ!…ッ!!」
 
ココット「くく」
 
校長「ふ……ふふ…ふはっ!うははははは!」
 
ココット「くくく、くくくく、笑いが止まらんよなぁ、修羅よ」
 
校長「そうか…そうかそうか!くく、お主もアレと会うたかよ」 
 
ココット「ああ。どうしてもてめぇと決着がつけたくてな」
 
校長「ワシもなぁ、この世界はちぃ~と退屈じゃと思っとってな」ゆら~り
 
ココット「今度こそ…手ぶらじゃ帰れねぇ」シャキン
 
校長「くくく、この姿になるのも…久しぶりじゃわい」ゴゴゴゴゴォォォォォォ
 
ココット「約束通り…その首持って帰るぜ」
 
イャンクック「おもしろいわ」にやり
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  

ーーーーーーーおしまい。

168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:21:09.77 ID:HdHVTTXpO

アルバの頭をハンマーでスタンプする作業やめるわ

170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:22:12.64 ID:3U3p41lh0

けいおん + モンハン
まさかの組み合わせ・・・

だけど面白かった!!
乙です

173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:22:40.68 ID:cDWArR/e0

読んでくれてありがとう。
 
モンハンクロスで唯と憂の絆を描けたら良いなぁと思って書き始めたら…
いつのまにかジジイ2人が主役みたいになっていたでござる
 
しかしこの物語は一応、唯と憂のお話です。

177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:23:47.21 ID:g0sUCIZB0

乙!
もうジョーとアルバは狩りません

178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/18(月) 00:23:54.10 ID:iCMVfhLW0


かなり痺れたでー




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  1. まだHR5の狩人 2011/10/21(金) 22:45:24

    なけました


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