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めがほむ「ねえ、逃げようよ」まどか「……」
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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/06(火) 23:18:16.35 ID:fUYQDuMN0
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まどか「でも……、このままワルプルギスの夜をほうっておいたら、見滝原が……」
ほむら「だって、仕方ないよ! あの巴さんでも勝てなかったんだよ!」
まどか「……」
ほむら「逃げ出しても、誰も鹿目さんを恨んだり責めたりしないよ」
まどか「本当……?」
ほむら「うん。そんなことする権利なんて誰にもない」
まどか「……」
ほむら「だから一緒に逃げよう……、ねっ?」
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5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/06(火) 23:24:33.71 ID:fUYQDuMN0
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まどか「わたし、魔法少女になって、ほむらちゃんを守れて嬉しかった」
ほむら「えっ?」
まどか「何の取り柄もなかったわたしにもできることがあるんだって、そう思えたから」
まどか「だから今度はこの町を守ろうって、張り切ってたんだ」
まどか「でも……、でもわたし、やっぱり怖いよ……」
ほむら「鹿目さん……」
まどか「まだ死にたくないよほむらちゃん……」
ほむら「だったら一緒に逃げようよ!」
まどか「……うん。わたし、ほむらちゃんと行く」
ほむら「鹿目さん……!」
まどか(ごめんなさいマミさん)
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11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/06(火) 23:31:31.97 ID:fUYQDuMN0
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ほむら「はあっ、はあっ、はあ……、いっ、痛っ……!」
まどか「大丈夫ほむらちゃん!?」
ほむら「ご、ごめんなさい……、ちょっと心臓が……」
まどか(このまま走って逃げたんじゃ、安全域に行く前にほむらちゃんが倒れちゃう)
まどか(となると、わたしがほむらちゃんをおぶう?)
まどか(……ううん)
まどか(それじゃあ逃げ切れるだけの速さで走れる自信が無い)
まどか(……)
まどか(……)
まどか(そうだ!)
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15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/06(火) 23:37:03.33 ID:fUYQDuMN0
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ほむら(どうし……、よう……)
ほむら(私、もうこれ以上走れない)
ほむら(こうなったら私を置いてまどかに1人で逃げてもらった方が……)
まどか「やった、成功!」
ほむら「え? まどか、いったい何して……?」
まどか「……持ち主の人には悪いけど、自動車泥棒」
ほむら「ええっ!? だ、だって、鍵とか運転とか!」
まどか「試してみたら魔法でなんとかなったみたい!」
まどか「さ、これで逃げようほむらちゃん」
ほむら「はっ、はい!」
まどか(泥棒、かぁ……)
まどか(しっ、仕方ないよね! ほむらちゃんを守るためだもん!)
まどか(仕方ない……、よね)
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16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/06(火) 23:38:18.98 ID:W5VbIDy50
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なんか、不穏な空気が漂い始めたぞ
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20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/06(火) 23:43:40.75 ID:fUYQDuMN0
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ほむら「あれ? えっと、あれ?」
まどか「どうしたの、ほむらちゃん?」
ほむら「シートベルトの付け方が分からなくて……」
まどか「あはは。えっとね、ここをこう通すんだよ」
ほむら「!?」
ほむら(かっ、かか、鹿目さんの頭が、凄く近くに!)
まどか「これでよし、と。それじゃあ気を取り直して出発しよう」
ほむら「……」
まどか「……? 大丈夫? なんか汗かいてるけど、心臓の調子が悪いとか?」
ほむら「あっ、い、いえ! 大丈夫です!」
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22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/06(火) 23:50:15.09 ID:fUYQDuMN0
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まどか「意外とぶっつけ本番でも運転できるものなんだね」
ほむら「鹿目さん、なんだか大人みたいでかっこいいです……」
まどか「てへへ。そうかな?」
ほむら「はいっ!」
まどか「ところでほむらちゃん」
ほむら「??」
まどか「さっき一回だけまどかって呼んでくれたよね?」
ほむら「えっ? あ、えっと、その、あれは……」
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23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/06(火) 23:51:32.89 ID:fUYQDuMN0
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ほむら「だって、鹿目さんいきなり自動車に何かしてて、驚いて……」
まどか「これからもまどかって呼んでくれると嬉しいな」
ほむら「え、あ……、でも……」
まどか「駄目かな?」
ほむら「……ぜ、善処するね」
まどか「うん。ありがとう、ほむらちゃん」
ほむら「どういたしまして、ま……、まど、か」
まどか「うんうん!」
ほむら(呼んじゃった……、まどか、って下の名前で……!)ドキドキドキ
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29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/06(火) 23:57:35.32 ID:fUYQDuMN0
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ほむら「あっ! へっ、塀が崩れてます!」
まどか「大丈夫。マジカルじゃーんぷ!」
ほむら「きゃっ!? 車が、跳っ……」
まどか(破壊音が遠ざかってきた)
まどか(このままなら逃げ切れそうかな?)
まどか(……あ。地理表示の看板)
まどか(そっか。もうじき風見野に着くんだ)
まどか(見滝原を見捨てて、風見野に……)
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31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 00:02:10.92 ID:GN2DmtOF0
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まどか「……」
ほむら「まどか」
まどか「……」
ほむら「まどか」
まどか「……」
ほむら「まどかっ」
まどか「あっ、うん! 何かな!?」
ほむら「そんなに自分を責めないで……」
まどか「……うん」
ほむら(まどか……)
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37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 00:09:14.40 ID:GN2DmtOF0
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まどか「そろそろ安全な場所にこれた、かな……?」
ほむら「うん。ここは天気が悪い以外は何ともないみたい」
まどか「よかったぁ……。ふうっ」
ほむら「運転お疲れ様、まどか」
まどか「ありがとう……。なんか、緊張が途切れたらドッと疲れが……」
ほむら「しばらく休憩しようか?」
まどか「うん!」
杏子(……なんだあいつら?)
杏子(方角は、見滝原の方からか)
杏子(やっぱりあっちで何か異変が起こってるのは確かそうだね)
杏子(チッ。これ以上同類がここにきたら、魔女が足りないっての)
杏子(情報収集もかねて、ちょっくらご挨拶でもしときますか)
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39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 00:17:34.10 ID:GN2DmtOF0
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まどか「あ……」
ほむら「どうしたの?」
まどか「うん……。魔法少女が、近づいてくるの」
ほむら「えっ?」
まどか(どういう目的だろう)
まどか(ただの挨拶?)
まどか(協力関係の提案?)
まどか(それとも―――)
杏子「よう。風見野へようこそ、お二人さん」
まどか(とっ、とにかく、ほむらちゃんはわたしが守らなくちゃ!)
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41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 00:21:31.26 ID:GN2DmtOF0
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杏子「突然だけど、2つばかし質問をしてもいいかな?」
まどか「あ、えっと、あの……」チラ
ほむら「鹿目さん……」
まどか(あの子からほむらちゃんへの距離は目測で2メートル程度)
まどか(咄嗟の攻撃に対応して庇うことも……、なんとかできる、はず)
杏子「まあまあ。そう警戒するなって」
まどか「……」
杏子「じゃ、最初の質問。見滝原で何があった」
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45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 00:26:17.23 ID:GN2DmtOF0
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まどか「ワルプルギスの夜が出たの」
杏子「……マジかよ」
まどか「うん」
杏子(なるほどね、そういうことか)
杏子(確かにそれなら色々と合点がいく)
杏子「……」
杏子(まだ止まない異常現象)
杏子(車で現象の中央点からこちらへと移動してきた魔法少女と人間一人)
杏子(こいつ、勝てないと見て逃げてきたってわけか)
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47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 00:32:25.62 ID:GN2DmtOF0
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杏子「……うぜぇ」
まどか「えっ?」
杏子「超うぜぇ」
ほむら「きゃっ!? あ、あうっ……」ギシギシ
まどか「ほむらちゃん!?」
まどか(何!? 突然何かが、ほむらちゃんの身体に巻きついて……!)
杏子「キョドんなよトーシロ」
杏子「なんてことはない。コンクリの下から武器を伸ばしてたってだけの話さ」
まどか(……うかつだった)
まどか(どうしよう、どうしよう、どうしよう!)
まどか(このままだとほむらちゃんが!)
杏子「2つ目の質問。見滝原にいる巴マミという魔法少女のことは、知っているか?」
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52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 00:38:00.73 ID:GN2DmtOF0
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まどか「マミ……、さん?」
杏子「アイツがワルプルギスの夜なんていう大物を放置するはずがない」
杏子「離れたここですら、気候の荒れという形で影響が出てるんだ……」
杏子「見滝原は一体どんな悲惨な状態になっていることか」
まどか「……」
杏子「マミさん、つったな」
杏子「巴マミのことをマミさんと」
杏子「知り合いなんだな?」
まどか「マミさんは……、ワルプルギスの夜に負けて……」
杏子「……そうか」
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58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 00:46:03.17 ID:GN2DmtOF0
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杏子「くそっ! 現実ってのはけっきょくこう転ぶのかよ!」
杏子「ああいう馬鹿が死んで、テメェみたいなクズが生き残る!」
ほむら「まど、かは……クズなんかじゃ……」ギリギリギリ
杏子「うるさい」
ほむら「ぐっ!」ギシギシッ!
まどか「ほむらちゃん!」
杏子(……本質的にはあたしは、これと同類かよ)
杏子(尻尾を巻いて逃げだした臆病者と……)
杏子(そんなの……、なんつーか、あれだな)
杏子(……はあっ。けっきょくあたしも大馬鹿なのかな)
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63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 00:53:29.34 ID:GN2DmtOF0
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ほむら「助け、て……まど……」ギシギシギシ
まどか(やるしかない!)
まどか(このままだとほむらちゃんが危ない!)
まどか(急所を一瞬で射ち抜いて、反撃の間もなく戦闘不能にする)
まどか(手はそれしか……)
杏子「グリーフシードだ」
まどか「えっ?」
杏子「ありったけのグリーフシードをよこしな」
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64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 00:55:55.40 ID:GN2DmtOF0
-
まどか「そっ、そんなこと、できるわけが……!」
杏子「でないと殺すぞ」
まどか「ひっ!?」
まどか(あ……、え……?)
まどか(な、なんで、わたし……)
まどか(命がけの戦いは今までもしてきたのに、なんで……)
まどか(こんなに、震えて……)
まどか「あ、あう……、う……」
杏子「ほら、いいから早く」
まどか(怖い……、怖いよ、ほむらちゃん……)
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69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:04:08.70 ID:GN2DmtOF0
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杏子「ひーふーみー。……たった3つか」
まどか「……」
杏子「まあ、もともと大して期待はしていなかったけどさ」
杏子(とはいえ手持ちとこれとで、そこそこ派手なことはできそうかな)
杏子(それでもマミさんが敵わなかった相手に通じるかは、全く分からないけど)
ほむら「ま……、ど……か……」
杏子(別に殺しちまってもいいんだけど……)
杏子(感情的になってわざわざ殺す必要もない、か)
ほむら「がはっ! はっ、はあっ……、はあ……」
まどか「ほむらちゃん!」
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70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:07:46.06 ID:GN2DmtOF0
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杏子「あー。命に別状はないんじゃねーの?」
まどか「ほむらちゃん! ほむらちゃん!」
ほむら「まど、か……」
杏子「んじゃな、臆病者」
杏子(ヒーローは遅れてやってくる、なーんてな)
杏子(ははっ、どこの三流物語だっての。笑えねえ)
杏子(……安心してくれマミさん)
杏子(アンタを独りぼっちにはしないから)
杏子(愛と勇気が勝つストーリー、柄じゃないけどあたしも見てみたくなったんだ)
杏子(馬鹿な師匠の意思はあたしが引き継いでやるよ)
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73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:15:45.88 ID:GN2DmtOF0
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まどか「ごめんね! ごめんねほむらちゃん!」
ほむら「まどか……、泣いて、るの……?」
まどか「わたし、ぐすっ、わたし……」
まどか「わたしが、ほむらちゃんを守らなきゃ……、いけなかったのにっ!」
まどか「怖く、て……、うぅぅ……」
まどか「動けな、かった……!」
まどか「1度、逃げることを、知っちゃったから……」
まどか「自分が特別なんかじゃないって、理解しちゃったから……」
ほむら「……泣かないで、まどか」ギュッ
まどか「ごめんね……、ごめんねぇ……」
ほむら(私が、まどかの自信を折ってしまった……?)
ほむら(逃げようだなんて提案をして、ヒーローみたいだったまどかの心に、弱さを……)
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77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:22:55.12 ID:GN2DmtOF0
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ほむら「……」ナデナデ
まどか「どうしよう……。グリーフシード、なくなっちゃったぁ……」
まどか「また、戦わないと……」
まどか「でも……、怖いよ、ほむらちゃん……」
ほむら(今度は私が守らなきゃ)
ほむら(まどかのことを、私が守るの)
QB「きゅっぷい」
ほむら「えっ!?」
QB「何やら面白そうな気配がするからやってきてみれば……」
QB「どうやら僕の勘は正しかったようだね」
まどか「QB……」
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78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:28:50.81 ID:GN2DmtOF0
-
QB「で、その様子なら契約するんだろう?」
まどか「えっ……? わたし、契約ならもう……」
QB「違う違う。僕が言っているのはまどかじゃなくて」
ほむら「……」
まどか「ほむら、ちゃん……?」
ほむら「うん。私契約するよ、QB」
まどか「駄目だよほむらちゃん! だってそんなことしたら、ほむらちゃんは!」
ほむら「大丈夫だよ、まどか。私を信じて」
まどか「でも……」
QB「さあ、暁美ほむら。君の願いを教えてくれ」
ほむら「私の願いは、未使用のグリーフシード1億個を手に入れること!」ホムホム
QB「は?」
まどか「えっ?」
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79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:31:46.02 ID:YayCoaG50
-
これはひどい
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80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:32:17.33 ID:pIhGpbMRO
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台無しwww
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81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:33:05.11 ID:SRc6e/kG0
-
ひどすぎワロタwwww
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88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:37:38.29 ID:GN2DmtOF0
-
QB「未使用のグリーフシード1億個?」
ほむら「うん!」
まどか「……すっ、凄い!」
まどか「凄いよほむらちゃん! わたし、その発想はなかった!」
ほむら「えへへ。これならもう戦わなくてもいいもんね」
QB(どうする?)
QB(そんな願いで契約をしたら、エネルギー回収などとても……)
まどか「凄い凄い!」
ほむら「これでずっと戦わなくていいんだよ、まどか」
まどか「うん!」
QB(いや、待てよ)
QB(ふむ……)
QB(これはひょっとすると、面白いものが見られるかもしれない)
-
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:45:10.56 ID:GN2DmtOF0
-
――――
ほむら「1億個って凄い量だね!」
まどか「うん! 一生かかっても使いきれなさそう!」
QB「ほむら。君の腕についたバックラー型の装飾」
ほむら「あ……、えっと、これかな?」
QB「それの内部は空間が湾曲しているようだ」
QB「1億個のグリーフシードは、そこに入れておくといい」
ほむら「うん。ありがとう、QB」
まどか「グリーフシードお手玉ー」ヒョイヒョイヒョイ
-
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:50:04.65 ID:GN2DmtOF0
-
QB「それと……、そうだな、1つ教えておこう」
ほむら「……?」
QB「君は対象の感情を操作する魔法が使用できるようになった」
ほむら「対象の、感情を……?」
QB「そう。願いの性質が魔法に影響を与えたようだね」
まどか「あ」ガチャン! ガチャン! バリン!
QB「有効に、使うといい」
-
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:51:22.89 ID:hwvoyd8H0
-
おい
-
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 01:55:55.32 ID:GN2DmtOF0
-
まどか「ごっ、ごめんねほむらちゃん! グリーフシード割れちゃった!」
ほむら「大丈夫だよ、まどか。まだ後9999万9997個もあるんだから」
まどか「でも、これはほむらちゃんのたった一度しかできないの祈りの結果なのに……」
QB(ならお手玉するなよ)
ほむら「今度から無駄にしなければいいから。ね?」
まどか「……うん。もう絶対無駄にしないね」
-
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 02:05:19.07 ID:GN2DmtOF0
-
ほむら「それじゃあ、行こう。まどか」
まどか「えっ?」
ほむら「またさっきの子にあったら、グリーフシードを取られちゃうかもしれないもん」
まどか「あはは、そうだね……」
ほむら「私達の居場所はここじゃないんだよ」
ほむら「一緒に落ち着いて暮らせる場所を探して車で移動しよう?」
まどか「……うんっ!」
QB(さて。彼女達はどうなることやら)
QB(僕が期待する結末が見れるまで、気長に待つとしよう)
-
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 02:15:19.69 ID:GN2DmtOF0
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まどか「どこまで行こうね?」
ほむら「うーん。たぶん隣の市までは行った方が」
まどか「はーい!」
ほむら(えへへ、まどかと二人旅)
まどか「あ……。空が、晴れてきた」
ほむら「見滝原からある程度遠くまで移動したからかな?」
まどか「そうかもしれないね」
-
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 02:22:55.80 ID:GN2DmtOF0
-
まどか「ねえ、ほむらちゃん」
ほむら「うん?」
まどか「この車の持ち主さんは……」
ほむら「……」
まどか「……」
ほむら「あのまま車を放置しておいたら、どのみち壊れていたんじゃないかしら」
まどか「うん……、そうかもしれないけど、でも……」
ほむら「まどかの行動のおかげで私は助かった。だから、重荷は一緒に背負おう?」
まどか「……」
ほむら(まどか、気にしているのね)
ほむら(だったら私の魔法で!)
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114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 02:25:47.19 ID:GN2DmtOF0
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まどか「……そう、だよね」
まどか「わたしが盗まなくても、どっちみち車は壊れてたよね……」
ほむら「そうだよ! だからあんまり気にすることない。これも理由あってのことなんだし」
まどか「うん。そうするね」
ほむら(よかった。初めてだったけど、なんとか上手くいった!)
ほむら(感情操作の魔法!)
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118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 02:34:52.23 ID:GN2DmtOF0
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まどか「あ、市の名前がそろそろ変わるよ」
ほむら「知らない地名だ」
まどか「わたしもあんまり聞いたことない場所だなぁ」
ほむら「ここで1度休憩しようか」
まどか「うん。お腹も空いたしね!」
ほむら「お腹……、あっ、そういえばお金が……」
まどか「言われてみれば……」
ほむら「グリーフシードはなんとかなるけど、こっちはどうしようもないよね……」
まどか「……仕方ないし、盗んじゃおうか」
ほむら「えっ?」
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120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 02:39:42.45 ID:GN2DmtOF0
-
ほむら「盗むって、そんな……」
まどか「事情があるんだもん。仕方ないよ」
ほむら「……」
まどか「とはいえ、ほむらちゃんまで手を汚す必要はない」
ほむら「まどか……?」
まどか「どこか適当なお店からわたしが2人分盗ってくるね」
ほむら「あ……、ま、待って! それなら私も共犯者になる!」
まどか「でも……」
ほむら「まどか1人に悪いことはさせない!」
まどか「そっか……。ありがとう、ほむらちゃん」
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123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 02:43:02.79 ID:GN2DmtOF0
-
――――
ほむら(コンビニおにぎりに、サンドイッチに、ペットボトルのお茶に……)
ほむら(何度も食べてるものなのに、なんだかいつもより美味しくない……)
まどか「むしゃむしゃ」
ほむら(罪悪感が……)
まどか「あっ。この菓子パン美味しいよ、ほむらちゃん!」
ほむら(まどかは……、あんまり罪悪感を、覚えていないのかな……?)
ほむら(さっき車を盗んだ時はあんなに気にしていたみたいだったのに……)
-
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 02:50:46.57 ID:GN2DmtOF0
-
まどか「ごちそうさまでした!」
ほむら「ごちそうさまでした」
まどか「あ、ほむらちゃん! 口の横にサンドイッチの欠片が!」
ほむら「えっ? あ、えっ!?」
まどか「取ってあげるね。じっとしてて」
ほむら(ちっ、近い! 顔近い!)ドキドキドキ
まどか「はい、取れたよ」パクッ
ほむら(あ、あうぅ……、まさかそのまま食べちゃうなんて)カアアアアッ
ほむら(まどかは、気にならないのかな……?)
まどか「……」
ほむら(まどかもドキドキしてくれてたらいいのに)
まどか「……あれ?」ドキッ
-
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 02:56:37.07 ID:GN2DmtOF0
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まどか(あ、あれ? えっ?)
まどか(お顔についたものを食べるなんて、よくよく考えると凄いことしたんじゃ……)ドキドキドキ
まどか(おっ、女の子同士だし変じゃない、よね!)ドキドキドキ
まどか(でも……、ああ、どうしてかな)ドキドキドキ
まどか(急にドキドキして……)ドキドキドキ
ほむら「……」
ほむら(なんだか、まどかもドキドキしてくれてるみたい……!)
ほむら(嬉しいな。えへへ)
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132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 03:15:33.34 ID:GN2DmtOF0
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ほむら「……あ」
まどか「どうしたのほむらちゃん?」
ほむら「あのビルの上のディスプレイに」
「引き続き、見滝原の被害状況についての情報を―――」
まどか「……行こう、ほむらちゃん」
ほむら「えっ?」
まどか「ここにはいたくないよ……」
ほむら「うん……。分かった、まどかがそう言うなら」
-
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 03:21:33.16 ID:GN2DmtOF0
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まどか「……」
ほむら「運転、変わろうか?」
まどか「ううん。まだ大丈夫!」
ほむら「あんまり無理はしないでね?」
まどか「無理なんてしてないよ! ほむらちゃんが一緒にいてくれるから、平気!」
ほむら「そ、それって……えっと」モジモジ
ほむら(もしかして、それだけ私のことをまどかは……)モジモジ
まどか「もういっそ勢いで県外まで行っちゃおうか?」
ほむら「うっ、うん! そそ、そうだね!!」
ほむら(ううーっ! 何考えてるんだろう私!)
ほむら(考え過ぎ考え過ぎ!)
ほむら(私の馬鹿!)
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136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 03:37:12.69 ID:GN2DmtOF0
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まどか「さっきから周りの人が車の中を覗き込んでくるね」
ほむら「あ。もしかして、ドライバーがまどかだからじゃ……」
まどか「あはは。そういえば免許を取れる年齢には見えないよね、わたし」
ほむら「どうしよう……、このままだと、もしかしたら何かトラブルに……」
まどか「魔法で車の窓を色つきのものに変えちゃうとか!」
ほむら「カーフィルム付きの車のこと?」
まどか「たぶんそうかな? 内側からは外が見えるけど、外からは中が見えないやつ」
ほむら「うーん。あれ、全部の窓に貼るのは法律で禁止だから……」
まどか「そうなんだ……。ほむらちゃん詳しいね」
ほむら「ぐっ、偶然ニュースで見ただけで……」
まどか「でもきちんと覚えてたのは凄いよ」
ほむら「……うん。ありがとうまどか」
まどか「とはいえ本当にどうしようね……」
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138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 03:43:53.41 ID:GN2DmtOF0
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ほむら「そっ、そうだ!」
まどか「ん?」
ほむら「えっと、ちょっと待っててね」
ほむら(髪をほどいて、眼鏡もとって、視力を魔法で強化して……)
ほむら「こっ、これで……、年上に、見えないかな?」
まどか「うーん……。さすがに、免許が取れる年齢には」
ほむら「そう、だよね……」
まどか「でも凄く綺麗だよ」
ほむら「えっ!?」
ほむら(き、きき綺麗って……)ドキドキドキ
ほむら(しばらくはこのままでいようかな……)
-
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 03:54:06.54 ID:GN2DmtOF0
-
ほむら「それなら……」
まどか「何かまだ考えがあるの?」
ほむら「もし警察の人とかに止められたらね」
ほむら「その時は私の魔法を使って、車を見逃してくれるように感情を操作するとか」
まどか「……グリーフシードのことといい、私、ほむらちゃんに頼りっぱなしだね」
ほむら「えっ……?」
まどか「あ、ううん! なんでも!」
ほむら(もしかしてまどか、私にまだ遠慮してる?)
ほむら(まどかには何でも頼って欲しいのに……)
まどか「……あ」
ほむら(どんなに困った時でも、私に頼ってくれるぐらいに……)
ほむら(だって私はまどかに救われたんだもん)
まどか「じゃあ、やっぱり……、もしもの時はほむらちゃんにお願いしてもいいかな?」
ほむら「!!」
-
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 04:05:29.57 ID:GN2DmtOF0
-
ほむら「うん! 絶対に上手くやるからね!」
ほむら(まどかが私に頼ってくれた!)
ほむら(小さなことだけど嬉しいよ、まどか!)
まどか「それと、その」
ほむら「??」
まどか「少し運転に疲れちゃたから、もしよかったら、次の休憩の後で交代してくれると……」
ほむら「うん、分かった。交代するね!」
まどか「ふふっ。ありがとう、ほむらちゃん」
ほむら「こちらこそありがとう、まどか」
まどか「……? どうしてほむらちゃんがお礼を言うの?」
ほむら「あっ……、な、なんでも! なんでもないから気にしないでね!」
まどか「??」
-
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 04:07:02.87 ID:GN2DmtOF0
-
ほむら(頼ってくれてありがとう、なんて言ったら、ちょっと変に思われちゃうよね……?)
ほむら(よっぽど好きな相手にしか、そんなこと感じないだろうし)
ほむら(……よっぽど、好き?)
ほむら(わ、わわ、私はまどかをそれだけ好きだっていうこと!?)
ほむら(わああああーっ! 気持ちを自覚しちゃうと余計に恥ずかしくなるよ!)カアアアアッ
-
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 04:13:26.73 ID:GN2DmtOF0
-
――――
まどか「だんだん暗くなってきたね」
ほむら「うん。出発は夜明け前だったのに、いつの間にか……」
まどか「そろそろ晩御飯を盗んでくる?」
ほむら「……うっ、うん。そうだ、ね」
ほむら(盗む、かぁ……)
ほむら(まどか、すっかり慣れちゃったみたい……)
-
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 04:23:09.84 ID:GN2DmtOF0
-
「いらっしゃいませ!」
ほむら(ご、ごめんなさいコンビニ店員さん! 私お客さんじゃないんです!)
まどか(お弁当ー、お弁当ー)
ほむら(えーと、お惣菜の棚はどこに……)
ほむら(……あ)
ほむら(こっ、ここっ、ここのコンビニこんな雑誌まで!?)
ほむら(これ百合アンソロジー誌なのに!)
ほむら(まあ百合姫よりはライトな作風だけど、それでも……)
ほむら(1冊だけおいてあるけど、店長さんの趣味とかかな?)
-
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 04:28:52.87 ID:GN2DmtOF0
-
ほむら(……)
ほむら(表紙の女の子2人、幸せそう)
ほむら(両想いだもんね……)
まどか「何見てるの、ほむらちゃん?」
ほむら「あっ、ううん! 何でもないの!」
まどか「そう?」
ほむら「うん。私も食べ物探しに移るね」
まどか「あっちに色々あったよー」
ほむら(……まどか)
ほむら(私とまどかも、あの漫画雑誌の表紙にいた2人みたいに……)
ほむら(両想いになれたらいいのに)
まどか「……」
-
278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 22:53:54.80 ID:GN2DmtOF0
-
――――
まどか「コンビニ弁当って初めて食べるなあ!」
ほむら(カロリーメイトのライトシナモン味美味しい……)ホムホム
まどか「ほむらちゃんはそれだけでいいの?」
ほむら「うん。なんだか……、やっぱり泥棒するなんて、申し訳なくなっちゃって」
まどか「仕方ないことだと思うけどなあ」
ほむら「……」
まどか(……少し前まではわたしも、ほむらちゃんみたいに罪悪感を覚えてたっけ)
まどか(なんだか、だんだん自分が壊れていくみたいな、そんな気分)
まどか(考えすぎ……、だよね?)
-
284:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 23:07:17.20 ID:GN2DmtOF0
-
まどか「ごちそうさまでした」
ほむら「私も、ごちそうさま」
まどか「もうすっかり夜だねぇ……」
ほむら「そうだね。今日はここで休んでいこうか」
まどか「さんせーい!」
ほむら(はあっ……、これから一体どうなるんだろう)
ほむら(ワルプルギスの夜はもう消えたのかな?)
ほむら(いつまでもこのまま移動し続けてもキリがないよね)
ほむら(見滝原の安全が確認できたら、やっぱりあそこに戻った方が―――)
まどか「ごめん、ほむらちゃん」スクッ
ほむら「えっ?」
まどか「ちょっと外の空気を吸ってくるね」
ほむら「それなら私も」
まどか「ううん。わたし1人で行ってくるよ」バタン
ほむら「あ……」
-
287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 23:11:25.58 ID:GN2DmtOF0
-
ほむら「まどか、一体どうしたんだろう……?」
ほむら「……」
ほむら「……」
ほむら「1人になりたかったのかな」
ほむら「やっぱりなんだかんだいって、見滝原のこと、気にしてるに決まってるもんね」
ほむら「でもワルプルギスの夜はまどかのせいで現れたわけじゃない」
ほむら「あんまり自分のことを責めたり、思いつめたりしないでほしいな……」
ほむら「泣いたりしてないと、いいな……」
-
289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 23:17:25.68 ID:GN2DmtOF0
-
まどか「ぐすっ、ひっぐ、ぐすっ」
まどか「ママ、パパ、たっくん……」
まどか「さやかちゃん、仁美ちゃん……」
まどか「お願い、無事でいて……」
まどか「逃げ出したわたしが今更、ムシのいい祈りかも、ひっく……、しれない、けど……」
まどか「結果を確かめることが怖くて、逃避してる私にぃ……」
まどか「そんな資格っ、ないかもしれない、けどっ……!」
まどか「お願いだから、無事……、で……、あれ?」
まどか「あれっ? えっ……!?」
まどか「……あ、え? なんで?」
まどか「なんでわたし、急に……」
-
293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 23:23:28.62 ID:GN2DmtOF0
-
まどか「……」
まどか「あはは、は……」
まどか「どうしてかな、ちっとも悲しくなくなっちゃった」
まどか「さっきまで、あんなに不安でたまらなかったのに……」
まどか「不安と後悔でぐちゃぐちゃになりそうだったのに……」
まどか「全然涙が溢れてこないや」
まどか「わたしどうなっちゃったんだろう」
まどか「ま、いいや」
まどか「車に戻ろう」
-
297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 23:33:02.35 ID:GN2DmtOF0
-
ほむら(まどか、大丈夫かな……)
ほむら(もうしばらく待って帰ってこなかったら様子を見に行った方が……)
まどか「ただいま、ほむらちゃん!」
ほむら「あっ、おかえりなさい!」
ほむら(よかった……、思ったより元気そう)
ほむら「そうだ、まどか。今後のことなんだけどね」
まどか「んー?」
ほむら「見滝原が落ち着いたことが確認できたら、やっぱりあそこに帰らない?」
ほむら「ほら、えっと……」
ほむら「いろいろ……、知ってる人の安否確認とかしないと、いつまでも不安なままだろうし……」
まどか「なんで?」
ほむら「へっ?」
まどか「なんで安否確認なんてしないと不安になるの?」
ほむら「まどか……?」
-
300:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 23:39:43.97 ID:GN2DmtOF0
-
ほむら「それは……、だって……」
まどか「安否確認してもしなくても、けっきょく結果は一緒だよね」
まどか「だったら不安がるだけ損だし、無理にウジウジすることないんじゃないかな」
ほむら(どういう、こと……?)
ほむら(まどかは、こんな風に、物事をドライに割り切れる子では……)
まどか「……なーんて」
まどか「少し前まではわたしも、ほむらちゃんみたいな考え方をしていた気がするんだけどね」
まどか「もう、分かんないや……、えへへ……」
ほむら(少し、前までは?)
ほむら(……まさか!)
『あんまり自分のことを責めたり、思いつめたりしないでほしいな……』
『泣いたりしてないと、いいな……』
ほむら(私のあの思いが、無意識の内にまどかの心を、書き変えて……?)
-
306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 23:48:16.48 ID:GN2DmtOF0
-
まどか「ほむらちゃん……、わたし怖いよ」
ほむら「まどか、聞いて! あのねっ!」
まどか「ものを盗むことも、大事な人の安否不明も、あっという間に気にならなくなっちゃった」
まどか「これって見滝原から逃げ出した罰なのかな?」
まどか「わたし、このまま心から色々なものを、落っことしていっちゃうのかな……?」
ほむら「違うのまどか! きっと……、ううん、間違いなく、それは私のせいで!」
まどか「せめてほむらちゃんへの気持ちだけは失いたくない……」ギュッ
ほむら「っ!?」ドキッ
まどか「失いたくないよ……」
-
308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/07(水) 23:49:16.88 ID:GN2DmtOF0
-
ほむら「まど、か……」ドキドキドキ
ほむら(まどか……、まどかまどかまどか……)ドキドキドキドキ
ほむら(まど―――)
『私とまどかも、あの漫画雑誌の表紙にいた2人みたいに……』
『両想いになれたらいいのに』
ほむら「あ」
-
314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 00:00:11.22 ID:BtajCFpe0
-
まどか「ほむらちゃぁん……」ギュウッ
ほむら(まどかのこの気持ちは、本物……、なの?)
ほむら(それとも……)
ほむら(私が祈ったから……?)
ほむら「……ねえ、まどか」
まどか「うん……」ギュッ
ほむら「まどかはいつから私のこと、そういう風に思ってくれていたの……?」
まどか「えっ? あ、それは、えっと……」
まどか「うーん……」
ほむら(お願い、お願いまどか……、どうか……)
-
319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 00:15:29.94 ID:BtajCFpe0
-
ほむら(ついさっき、だなんて答えだけは、お願いだから止めて……)
まどか「……ほむらちゃんがわたしに生きがいをくれた時から、かな」
ほむら「生き、がい……?」
まどか「うん! 魔法少女になって、ほむらちゃんを襲っていた魔女をやっつけて……」
まどか「ああ、こんなわたしにも何かできることがあるんだなあ、なんて具合に―――」
まどか「結果的にそのできごとが、わたしに生きがいをくれて」
まどか「たぶんそれで……、かな?」
-
320:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 00:15:48.00 ID:BtajCFpe0
-
ほむら(よかった……!)
ほむら(私が魔法少女になる前から、まどかは私のことを……)
ほむら(……あ、でも)
『ついさっき、だなんて答えだけは、お願いだから止めて……』
ほむら(まさかこれも、私の魔法の影響で作られた答えなんじゃ?)
ほむら(かっ、考えすぎだよね!)
ほむら(そんなの、感情の操作なんて範囲を越えてるもん……)
-
325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 00:25:30.78 ID:BtajCFpe0
-
まどか「ねえ、ほむらちゃん!」
まどか「わたしね、不謹慎かもしれないけど、実はちょっとわくわくしてるんだ」
ほむら「わくわく?」
まどか「うん! 2人で自動車に乗ってどこまでもー!」
まどか「なーんて、まるで何かのお話の主人公みたいでしょ?」
ほむら「……」
まどか「それに、一緒にいるのがほむらちゃんだっていうのも、わたしにとっては―――」
ほむら(今の一連のまどかの発言を、1度も望まなかったと、私は自分で自分に証明できる?)
ほむら(もしかして全部全部、魔法で作られた感情なんじゃ)
ほむら(私がまどかを、自分の都合のいいように、作り変えているとしたら……)
まどか「どうしてそんなに泣きそうなの、ほむらちゃん……?」
ほむら「あ……、わ、私っ……!」
-
329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 00:34:58.69 ID:BtajCFpe0
-
まどか「……ごめん、引いちゃったんだよね?」
まどか「冷静になってみればわたし、とんでもないことをほむらちゃんに……」
ほむら「違うの! そうじゃなくって!」
ほむら「わたっ、私! たぶんまどかに何度も魔法を使ってた!」
まどか「魔法って、感情を操作する?」
ほむら「うん……」
まどか(そっか。それじゃあわたしの涙が止まったのは、そういうことだったんだ)
-
332:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 00:40:31.64 ID:BtajCFpe0
-
ほむら「だから、まどかに抱きしめてもらえたのは嬉しいけど……、私……」
ほむら「何が本当か、分からなくなっちゃって」
ほむら「どうしよう……、どうしようまどか……」
ほむら「私、まどかに取り返しも付かないようなとんでもないことを!」
まどか「それでもいいよ」ギュッ
ほむら「でもぉ……」
まどか「何が本当かなんて……、もう、わたしにも分からないよ」
まどか「ただ……。今はほむらちゃんと一緒にいたい。それだけ」
ほむら「そんな気持ちだってもしかしたら私が……!」
まどか「言わないで!」
ほむら「……」ビクッ
まどか「お願い。今わたしの中にあるこの気持ちだけは信じさせて……、ほむらちゃん」
ほむら「まどかぁ……」
-
336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 01:09:19.85 ID:BtajCFpe0
-
ほむら「まどかぁ……、まどかぁ……」
ほむら(本当のことを話しても、まどかは私を抱きしめてくれた……)
ほむら(この、まどかが私を好きだと思う気持ちだけは、どうか絶対であって欲しい……)
まどか「ほむらちゃん」チュッ
ほむら「えへへ……」ギュッ
ほむら(それに―――)
ほむら(私自身も、もうまどかの気持ちを疑いたくない)
ほむら(ずっとまどかを好きでいたい)
ほむら(まどかのことだけを考えていたい……!)
-
339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 01:25:06.28 ID:BtajCFpe0
-
QB「逃げて、逃げて、逃げて」
QB「目先の危機から逃げ続けて」
QB「慕った相手の気持ちさえ偽物になって」
QB「唯一の逃げ場すらなくなって」
QB「そうしていきつく先は、きっと底知れない絶望だろう」
QB「通常の魔法少女の比ではない、深い絶望に違いない」
QB「そう……、期待、していたんだけどね」
ほむら「まーどか」ギュッ
まどか「ほむらちゃん!」ギュッ
QB「まさか真偽も分からない気持ちに縋りつくだなんて、予想外だよ」
-
341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 01:26:53.57 ID:BtajCFpe0
-
QB「それが合理的に考えて歪なことは、彼女達にも理解できているだろうに……」
QB「やはりまだまだ感情というものは研究の余地が大いにある」
QB「今回は正直、見通しが甘かった」
ほむら「優しく私のことを気遣ってくれたまどかのことが、ずっとずっと好きだったんだよ」
まどか「ふふっ。わたしも、最初見たときからほむらちゃんのこと可愛いなって思ってた」
ほむら「そっ、そんな……、可愛いだなんて……」
まどか「ああもう、我慢できない! また抱き締めちゃおう!」
ほむら「きゃっ!? もうっ、まどかったらぁ……」
QB「きっと彼女達は永劫に2人だけの閉じた世界で依存しあうんだろうね」
-
345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 01:38:50.29 ID:BtajCFpe0
-
QB「期待したような結果は得られなかったが、代わりに面白いデータは得られた」
QB「あとはせいぜい仲良くやってくれ。鹿目まどか、暁美ほむら」
QB「僕は次を探さないとね」
QB「見滝原と風見野の魔法少女は、ワルプルギスの夜を倒すのと引き換えに滅んでしまった」
QB「だからまずは、あのあたりにいる適性のありそうな少女を勧誘に……」
-
346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 01:39:34.54 ID:BtajCFpe0
-
ほむら「まどか……、大好きだよ」
まどか「わたしも大好き!」
ほむら「ずっとずっと一緒にいようね?」
まどか「そうだね」
まどか(ほむらちゃんあったかぁい……)
まどか「……あっ、あれ?」
ほむら「どうしたの?」
まどか「変だなぁ……」
まどか「こんなに幸せだし、魔法も使ってないのに、ソウルジェムがどんどん濁ってく……」
-
349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 01:41:41.28 ID:BtajCFpe0
-
ほむら「大丈夫」スッ
まどか「あ」
ほむら「何度だって浄化できるよ!」
まどか「そうだよ……、ね」
ほむら「偽物だって、2人で本当にしちゃおう」
まどか「うん……、うん!」
-
351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 01:50:46.55 ID:BtajCFpe0
-
勝ち目の薄い戦いに挑めるほど、強くはなく
まどか「もう離さないんだから!」ギュッ
ほむら「うん。ずっとつかまえていてね……」
物語の主人公になれるような気丈さを持ち合わせていなかった、史実とずれた2人の少女
彼女達の、これが顛末
2人「だーい好き!」
そして偽物とも本物ともつかなかった感情が、2人の全てになった
おわり
-
352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 01:52:24.66 ID:lVRSkA1k0
-
乙乙
-
356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 02:03:38.80 ID:hxfsIXc/0
-
おもしろかった
乙
-
357:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 02:07:44.50 ID:uqGuyjei0
-
乙でした! これはよいほむまど
-
359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 02:20:37.17 ID:dK5p7cGP0
-
乙
いい話だった
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