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希「尼寺に潜む怪物?」

1 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:34:47.38 ID:sa9f1c+W.net
・エログロありです
・舞台は江戸時代です
・たぶん読みにくいです
・一部の人物が性転換しています
・とある漫画のパロですがネタバレはしないでいただけると嬉しいです
・ことり「えええ、穂乃果ちゃん妊娠したの!!!?」というスレの同内容と続きです
・今回はエタらせないよう頑張るのでよろしくお願いします




2 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:35:58.16 ID:sa9f1c+W.net
尼寺に潜む怪物(その一)
時は江戸-

尼寺というものが存在する。

男人が禁制というこの場所で少女達の蜜園の交わりが始まる。

一方の女は橙色の髪を頭の横に髷のように造り、この時代には珍しい髪形をしている。

もう一方の女は首の高さまであるような髪を下ろしており、髪色は黒と思われたがよく見ると青みがかっている。


3 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:36:30.18 ID:sa9f1c+W.net
そう、そこにはある。

手を伸ばせばある。

昂ぶる肉をつつむその柔肌がここにある。

唇を重ね、乳房を押し付けあう。

「あっ・・・んっ」

たまらず喘ぐ女に青髪の女は歓喜し、乳房の先にあるそれを舐める。

「海未ちゃん・・・っ」

そしてその声にまた気分を高揚させ、交わりを深めていくのだ。


4 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:37:08.01 ID:sa9f1c+W.net
それは偶さかな事なのだと

その身に落ちた幸運だったのだと

ほら



こんやもまた






鬼が泣いている


5 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:38:18.89 ID:sa9f1c+W.net
にこ「う、うげええええ・・・」

吐社物をそこらの川へと吐き出した。

花陽「もう、にこちゃん汚いよ」

にこ「いやあ、こんな揺れる船で踊ったらそりゃ吐きもするわよ」

なぜ、この寒空の下で行おうとしたのか理解に苦しむわ・・・・


6 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:39:19.33 ID:sa9f1c+W.net
花陽「でも、上がそうしろ言ってるし・・・」

にこ「はあ・・・全く、それにしてもあんたはよく酔わないわね」

花陽「意外と揺れには強いみたい」

にこ「・・・それはいつも揺らしているものがあるからか!!」

花陽「に、にこちゃんそれはセクハラだよ!!」

にこ「待て~!」

花陽「だ、誰かタスケテー!!」


7 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:39:49.50 ID:sa9f1c+W.net
どさっ



あれ?

花陽「に、にこちゃんどうしたの!?」

か、体が重い・・・

花陽「に、にこちゃん!!」

視界が暗くなって・・・


8 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:40:25.65 ID:sa9f1c+W.net
・・・・・・

何かの匂いがする

「もお、寒空で船で薄着で踊ってなんてしたらそりゃ倒れるわよ。」

ああ、そうだ

これは、漢方の匂いだ


9 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:40:54.53 ID:sa9f1c+W.net
眼が覚め辺りを見回してみる。

見たことのあるものもあるがほとんどが見たことのないような草がたくさんある。
さらに言えば怪しげなきのこでさえもある。


「芸者ですって?こんな寒空に大変ね」

にこ「・・・まあね」


10 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:41:45.16 ID:sa9f1c+W.net
私は芸者をやっている。

客を呼び、踊りを見せ、唄を聴かせ、金を取る。

しかしまあ、さっぱり儲からない。

男は芸者といってもその後の交わりを好む。

ウチはそういう商売をやっていないからだ。

まあしかし、どこぞの知らない男に勝手に抱かれるよりはマシだろう。

・・・酒量はどんどんと増えていくばっかりだが。


12 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:52:12.29 ID:sa9f1c+W.net
「はい、じゃあ絵里。この人が薬飲むまで見張っててね」

絵里「了解よ」

絵里と言われた女性が出てくる。なんと江戸には珍しい金の髪だ。

にこ「いやあ、あなた珍しいわね。金・・・って」

絵里「・・・」

無言の威圧。

早く飲め、そういわれているようだった。

にこ「わ、わかったわかった、飲むから」

あんまり触れないようにしておこう・・・


13 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:53:05.47 ID:sa9f1c+W.net
それにしても・・・

にこ「いろんなものあるわね・・・」

「いやあ、わたしの薬はよく効いて安いのよ。何てたって犬みたいに探し当てるやつがいるんですもの」

---探し当てる?

「だったら、今度は真姫ちゃん達が探しに行ってよね。もう依頼受けないんよ」

紫がかった髪に後ろで二つ結った髪型。そしてこの少し怪しい関西弁は・・・

にこ「希!!?」

希「ありゃ、にこっち、どうしたん?」


14 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:53:46.03 ID:sa9f1c+W.net
希というのはついここ最近会った女である。

何でも人が探しているものを探し当ててしまう「当て屋」なるものをしているらしい。

真姫「ああ、そういえば希、駄賃代わりに面白い話教えてあげるわよ」

希「えっ、何々?」

そして噂話に眼がない


15 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:54:40.06 ID:sa9f1c+W.net
真姫「一人の女がいたの。」

真姫「女は男に肌を触れさせたこともなく、それどころか男の手も握ったことも、口もきいたこともない」


真姫「そんな女が、『妊娠』していた」


にこ「?・・・え?」

希「・・・・・・それ、いつの話や、真姫ちゃん」

真姫「今朝よ。呼びつけられてね」


16 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:55:42.06 ID:sa9f1c+W.net
にこ「ちょ、ちょっと待って、それ怪談?大体そんな一人きりの場所なんて---」

希「にこっち、一人だけとは限らんよ、『男がいない』ってだけや」


女だけの場所


希「そう、厳しい戒律を持って決して男の侵入を許さない----尼寺や」


18 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:56:36.65 ID:sa9f1c+W.net
希「尼僧は男の僧の比ではない戒律を守り 重んじる。そこはもう俗世から離れた異界や。」

にこ「それなら尚更---」

真姫「でも、確かに尼は妊娠してたのよ」

希「尼僧はなんて?」

真姫「尼僧は・・・」




戒律の結界



女だけの蜜園の中



我が身に賜りしは御仏の子にございます


19 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:57:04.48 ID:sa9f1c+W.net
-------さあ、

人の理を破りしは



仏か


鬼か


20 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:57:45.65 ID:sa9f1c+W.net
尼寺に潜む怪物(その2)
にこ「い、意外と上るのね・・・」

希「なんやにこっち、もうへばったんかいな」

にこ「こっちは病み上がりなのよ!!」ウガー


21 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:58:15.09 ID:sa9f1c+W.net
時は戻って----

希「にこっちあのなあ、実はな、坊さんってのは出家して守る戒律が男が250戒なのに女が384戒もあんよ。これはどういうことなん!!」

にこ「は、はあ・・・つまり女のことが法力が強いってこと?」

希が今日はやけに酔いが深い。まあ、ここまで希が博識なのは珍しいことではないが・・・

にこ「けど、法力で子供を身篭るなんて---」


23 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:58:42.82 ID:sa9f1c+W.net
そう、ここなのだ

希がやけに絡んでくるは真姫がもたらした『ありえないこと』が発端だ。


そう、『男に触れたことがない尼の妊娠』

希「っっっはあ~~~」

にこ(お、思いっきりため息しやがったわね!!)

希「ふんっ、子供が法力でできるなら俗世はどこもかしこも坊主だらけやん」グイッ

またまた酒を煽る希、これで何杯目だろうか

真姫「・・・ちょっと待って希、あなたあの娘が、穂乃果が嘘をついてるって言うの?」


24 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:59:21.32 ID:sa9f1c+W.net
希「じゃあ何や!!その女の子は処女だって言うんかいなっ!!」

真姫「そんなの処女の私に判るわけないでしょうが!!」

にこ「!!?」
絵里「!!?」

真姫「えっ・・・あっ」カアア

ああ、髪の色と同じくらい真っ赤になってる・・・


25 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 16:59:50.68 ID:sa9f1c+W.net
真姫「と、とにかくっ、あの寺にはこの春に流感が流行って全員診てるの!!男なんかどこにもいなかったわよ!!」

真姫「寺で育って一歩も外へ出たことないあの娘が男に触れることなんかないわよ!!」

希「じゃあ仏像や!!そいつが夜な夜な動いて----」

にこ「いやいやいやそれが一番怖いわよ!!」

希「あーーーーっっ、もうっ。神代のころからこの国じゃあ男と女が交わらないと子はできないんよっ!!」ヒック

にこ「神道も仏教も滅茶苦茶ね・・・」ガクリ


26 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:00:24.89 ID:sa9f1c+W.net
----夜も更け、絶えず口を動かしていたじゃじゃ馬もようやく鳴りを潜め静かに眠りについていた。

にこ「・・・・」フウ

私は希に毛布をかけると疲れからかため息をつく。

真姫「そんなにその屁理屈言いがかわいい?」

にこ「っっ!!?」ギクウ

いつの間にか後ろには真姫がいた。


27 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:00:53.13 ID:sa9f1c+W.net
にこ「あっっ、えっと・・・」

真姫「真姫でいいわよ、よっと・・・」

真姫がふいに近づいてくる。そして・・・

こつんっ

真姫「うん、熱は下がったみたいね。」

おでこ合わせてきた。


28 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:01:23.58 ID:sa9f1c+W.net
にこ「・・・・・・」スリスリ

何だかこそばゆくて当てられたところをさすってしまう。

絵里「・・・・・・・・」ゴゴゴ

うっ、後ろからの視線が痛い・・・

にこ「まあその・・・いつもと違うなって思って」

真姫「?」

にこ「いつもならなぞなぞだ何だといって大喜びするような話なのに」

真姫「・・・・・」

真姫「どうせ、先のことでも考えてるのよ」

にこ「?」


29 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:02:26.66 ID:sa9f1c+W.net
真姫「私は医者だからね。仏の子だろうと鬼の子だろうと取り上げるわよ」

真姫「けれどその出自を、御仏の子なんて『特別』を他の者が許すはずがない」

にこ「あ・・・」

そうか・・・閉ざされた中での『特別』は災いを呼ぶ


------------
穂乃果「?」

尼い「・・・・」ヒソヒソ
尼ろ「・・・・」ヒソヒソ


穂乃果「っっ・・・・」


30 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:02:54.33 ID:sa9f1c+W.net
恐れ

嫉妬


嫌悪

人の世の理を破るというのは、『そういう事』なのだ。

真姫「尼僧の子は否応なしに災いを纏って産声をあげる」


真姫「希はそれを憂いているのよ」

にこ「・・・・・」


31 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:03:41.50 ID:sa9f1c+W.net
回想も終わると、またため息がもれそうになる。

いつもそうだ

真姫のように希の想いに到らない私が鈍いのだろうけど

にこ「だったらそう言ってくれればいいじゃない」ボソッ


32 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:04:08.30 ID:sa9f1c+W.net
希「おっ」

にこ「ん?あ・・・」

希「見えたよ、にこっち---仏の子を身篭る尼のいる寺や」

にこ「・・・・」ゴクリ

全ての騒音を拒絶するような静けさ。この場所にいるのか---

鬼か

仏が


ふと、背にソクリとしたものが這う。


33 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:04:34.66 ID:sa9f1c+W.net
にこ「・・・怖いもの見たさで来たけどそろそろ下りましょう、暗くなってくるわ。」

希「ねえにこっち」


希「この音ノ木寺という尼寺にはもう一つの顔があるんよ」

にこ「何?」

希「縁切寺」


34 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:05:01.95 ID:sa9f1c+W.net
希「三行半(みくだりはん)てのがあるんは知ってる?夫が妻に渡す離縁状のことなんよ」

希「その逆で妻が夫と離縁したいときにここに来るんや---駆込寺とも呼ばれるんよ」

にこ「はーーー、成程。本当に女のためだけの場所なのね・・・」

希「そこでやにこっち」ガシッ

にこ「だから何よ・・・」

嫌な予感しかしないんだけど・・・


35 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:10:38.16 ID:sa9f1c+W.net
バチーーーン

思いっきり希が私の頬を張り手で殴ってきた!

にこ「は?」

希「もう嫌やわああああああ!!!」

状況も確認できずポケッとしてる私をよそに希は叫び声を上げた

希「助けて~~~!!」

にこ「はあ!?ちょ、ちょっと待ちなさいよ希、芸者の顔を何---」

ジャキン

私の怒りをよそに眼の前に槍を突き立てられる。


36 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:11:05.26 ID:sa9f1c+W.net
にこ「は?」

尼は「当寺にて妻女の身お預かり申し上げる!!後日両者の言い分を聞く。追って待たれよ!!」

尼は「なお、この先は尼寺にて『男子はそれより石段を登ることを禁ず』・・・・?」

尼は「さ、妻子よ、あの者は女子では・・・」

希「あの人、女装癖があるんです。それが嫌で嫌で・・・」シクシク

にこ「おいっっ!!?」


37 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:12:13.86 ID:sa9f1c+W.net
尼は「とっ、とにかくこの先入ること許さず!!今は退かれよ!!」

にこ「希っ~」

あの馬鹿っ!!まんまと入り込みやがったわね!!

戒律で隔たれた結界の中へ

一人で!!

にこ「~~~~~~っ、ああもうっ」

どうしていつもそうなのよ、希っ!!!


38 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:12:42.17 ID:sa9f1c+W.net
ボトリ

希「!!」

私は落ちた椿の花を拾う

希「ふふっ」

尼は「どうされました?」

希「ここにも俗世と同じ理があるんやね」

尼は「?」


39 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 17:13:11.71 ID:sa9f1c+W.net
ならばある


椿の花が落ちるように


神仏や物怪ならばいざ知らず



この異界に住んでいるのが『人』ならば







必ずそこに『理屈』がある


48 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 20:52:14.57 ID:sa9f1c+W.net
尼寺に潜む怪物(その三)
------亜来逗寺
そこは尼寺とは対を成す僧寺
そしてそこに一人の尼僧が訪れた

理事長「全く・・・月一回とはいえ面倒ねえ」

ツバサ「そんなこと言わないでよ、私がそっちへ行こうとしても入らせてくれないでしょ」

ツバサ「それで理事長、次期院主の海未さんは元気かしら?」

理事長「・・・ええ」


49 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 20:55:54.67 ID:sa9f1c+W.net
ツバサ「そう・・・じゃあ、高坂さんの件はどうなったかしら?」

理事長「やっぱり懐妊してるようね」

途端、周囲がざわめく

男子禁制の尼寺でなぜ尼僧が妊娠したのか

人か、神の仕業か


その腹に潜むは御仏の子か


50 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 21:17:47.25 ID:sa9f1c+W.net
英玲奈「静かにしろ!不埒な!!そのようなこと軽々しく口にして良いことではないぞ!」

ことり「静かにするのは英玲奈ちゃんのほうだよ、男に触れたこともない女が妊娠したんだよ?神仏の力以外の何者でもないよ」

英玲奈「ことり貴様・・・」

ツバサ「落ち着きなさい、二人とも」

理事長「・・・・そんなこと」

理事長「そんなことお腹の子が『無事』に生まれることが出来たなら考えるわよ」

「「「・・・・・・」」」


ツバサ「・・・・そういえばまた一人女の子が駆け込んだみたいね」

理事長「ええ、手厚く迎えているわ」

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51 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 21:24:56.81 ID:sa9f1c+W.net
穂乃果「お茶をお持ちしました」

希「ん、ありがと」

希(この子が噂の・・・お腹が出てる以外には変なところはないただのべっぴんさんやね・・・・)

穂乃果「・・・・・」

希「?」

その少女は途端に周りを気にしだした

穂乃果「あのお・・・・」


穂乃果「団子というのは美味しいんですか?」

希「え?」


52 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 21:30:55.55 ID:sa9f1c+W.net
穂乃果「ごめんなさい、食べたことがなくて・・・」

希「そうやなあ、みたらしつけたやつが美味しいかなあ」

穂乃果「そんなのもあるんですか!?芝居はみたことありますか?」

希「あるよ」

穂乃果「見世物小屋というのは?」

希「あー、あれは象とかラクダは一見の価値があるで」

穂乃果「ほあー、凄い!!」


希(随分と人懐っこい子やね、真姫ちゃんが庇うのもわかるわ、嘘をつけるような子やない)


53 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 21:33:48.77 ID:sa9f1c+W.net
穂乃果「私は個々で育ってきたので外のことを何も知らないんです。色々聞かせてもたってもかまいませんか希さん」

希「希でええよ。・・・・・他のみんなは話してくれないの?」

穂乃果「・・・・最近はみんなとお話してないんです」

希(この子は気付いているんやろうか)


55 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 21:48:28.00 ID:sa9f1c+W.net
女と仏しか知らぬ己が導き出したその理屈が

希「そのお腹の子は?」

穂乃果「御仏の子です」

己の知る唯一のこの世界から拒絶されようとしていることに

希(・・・・それとも)





世界の法則の破壊など恐れぬほどの何かを手にしているのか


56 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 21:51:52.73 ID:sa9f1c+W.net
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希「うー、寒っ」

希「ウチもにこっちのお節介が伝染っちゃったのかな~」

希「・・・・・」

希(門の警備は驚くほど厳重だった、あれだけの警備で男が中に入るのはムリやね・・・)

希(いや、その無理を誰かが通しているんや、そうじゃなきゃここは・・・)

希「・・・何か視線感じる思うたら般若の面か」

希「全く・・・誰か能でも踊る言うんか、どれ、確か仏教では・・・ん?」


57 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 21:57:04.95 ID:sa9f1c+W.net
壁にかけられた面を裏返す

すると、般若の眼には開かれるようになっていた

希「まさか・・・」

般若がかけられていた壁には面の眼と同じ大きさほどの穴が開いている

希「般若・・・道理を見抜く智慧の意・・・」


誰が何のために?



真理を見抜く般若の智慧で何を見た?


58 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/10(日) 22:01:54.19 ID:sa9f1c+W.net
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笑い声が響く

「ふっ・・・・ふふっ・・・・ははははは!!」

長く黒い髪が地に落ちぬように駆けていく

地には老婆がいた

掠れた声をだし、先ほどまで一緒であった胴体から遠ざかるように地を這いずり回る

やがて、胴体に続いて上半身も動かなくなっていった。




今夜も鬼が泣いている


62 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:14:12.73 ID:CeEAkXXb.net
尼寺に潜む怪物(その四)

その夜に雪が降った

雪は一夜で山を覆い

その一夜で命が散った


理事長と呼ばれたその者の遺体は四つに分断されておりそれはまるで----




童の悪戯によってちぎられたかのように


63 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:15:32.76 ID:CeEAkXXb.net
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希「・・・何で?」

翌日、希は地下牢に閉じ込められていた

穂乃果「うわああああああ。ごめん希ちゃあああん」

穂乃果「疑ってるわけじゃないの、でも海未ちゃんが!海未ちゃんがこっそりここへって」

希(・・・まあ、見ず知らずの女が入り込んですぐの殺人だし仕方ないか)

希(海未ちゃんって?)

穂乃果「えっと、理事長が亡くなられて次期院主になられる方です」

穂乃果「海未ちゃんは山門に捨てられていた私などにも優しくしてくれるんですよ」

希「・・・・・へえ」


64 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:17:17.52 ID:CeEAkXXb.net
すると、上から誰かが近づいてくる足音がしてきた

海未「穂乃果、上が慌しい、手伝ってきてください」

穂乃果「あ、うん、わかった」

希(この子が海未・・・)

希「そんな慌しいときに次期院主がここにいていいんかいな?」

海未「・・・驚きました、こんなところに閉じ込められているのに余裕ですね、もっと泣き叫ぶものかと思いました」

希「ふふ、やってみせようか?」

海未「いえ、いいです。」



海未「・・・・・・お客人、ここへは何をしに?」


希「人を殺しに来たわけじゃないことは確かやな」


65 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:18:36.29 ID:CeEAkXXb.net
海未「老体とはいえ人一人を千切り殺すなんて女に出来ることとは思っていません」

希「おや、また『女に出来ないこと』かいな?」

希「この尼寺は謎々だらけやね」




男を知らず身篭る尼


千切り殺された院主



そして般若・・・・


66 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:20:22.22 ID:CeEAkXXb.net
海未「皆動揺しています、あなたを捕らえよと言い出しかねない、この地下室は私と穂乃果しか知らない場所なのでここにいれば済む」

希「へえ、匿ってくれてるとは気付かなかったよ、それなら鍵は開けておいてくれると嬉しいかな」

海未「駄目ですよ、だって・・・」








海未「自由にしたらあなたは尼寺中の般若をひっくり返すではありませんか」ニッ

希「っ・・・・このいけしゃあしゃあとっ」


67 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:21:40.82 ID:CeEAkXXb.net
海未「ふふっ、それでは失礼しますね」

希「待つんや!般若で隠して尼寺中を覗きまわってたんかいな!?海未ちゃん!!待ちなさい!!」

希「ったくもうっ・・・・」






真理を見抜く般若の面で一体何を見た?


68 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:23:09.34 ID:CeEAkXXb.net
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亜来逗寺

英玲奈「くそっ、あの鳥野郎!!」

あんじゅ「ひっ」

英玲奈「あんじゅ、今回のことどう思う?」

あんじゅ「え、理事長の」

英玲奈「それもあるが穂乃果のことだ」


英玲奈「・・・私はあの腹の子の父は実はことりではないかと思っている」


あんじゅ「えっ?」


69 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:24:23.37 ID:CeEAkXXb.net
英玲奈「あいつはやけに穂乃果を庇う、やつが父親だからではないのか!?」

あんじゅ「でもそれじゃ尼寺の理由には・・・」

英玲奈「やつは鳥となって寺に入る怪なのだ、そして穂乃果を祭り上げ尼寺を我が物にしようとする気なのだ」

あんじゅ「そっちのほうが非現実じゃ・・・」

英玲奈「亜来逗寺をツバサに替わって継ぐのは私だ、ことりではない!!」

あんじゅ「!」


70 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:25:34.42 ID:CeEAkXXb.net
英玲奈「御仏の子などと人を誑かす淫売め、あの腹目障りなことこの上ないわ。・・・そう思わないか?」

あんじゅ「えっと・・・何を・・・」

英玲奈「この僧寺の次期院主が邪魔だといっているんだ」







英玲奈「なあ、お前もそう思うよな、あんじゅ」ニタリ


あんじゅ「あっ・・・ひっ・・・」


71 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:29:04.46 ID:CeEAkXXb.net
-----------------------------------------------------
真姫の薬屋

にこ「よくよく考えてみたけど・・・真姫、あんたわざとあんな話したでしょ、希が乗り込むの承知で」

真姫「ふふ、上手いこと食いついたでしょ♪」

にこ「あんたねえっ!」



真姫「しょうがないでしょ、速いとこ穂乃果の子供のパパ見つけてあげないと困るじゃない」

にこ「え?」

真姫「えっ?まさか本当に仏の子だと思ってたの??そんなの違うに決まってるでしょう!!?」


72 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:30:16.12 ID:CeEAkXXb.net
にこ「じゃ、じゃあ穂乃果って子が嘘を?」


真姫「・・・・それはついてないわ」

にこ「はあ!?」

真姫「だからそういう胡散くさいものを探すのが当て屋の仕事でしょうが!!」

にこ「え、ナニソレイミワカンナイ」


73 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 01:32:43.30 ID:CeEAkXXb.net
花陽「あのう・・・」

にこ「あれ、花陽?」

花陽「に、にこちゃん!!」


ぎゅっ


花陽「にこちゃんあのね、私・・・・」












花陽「できちゃった」

にこ「はあ?」


76 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/15(金) 23:20:15.29 ID:fGfehL2L.net
尼寺に潜む怪物(その五)
花陽「この前ね、幼馴染の子とやっと結ばれたの、このお腹はその子との子供」

にこ「わっ、本当!?めでたいじゃない!!」

花陽「今日は滋養の薬をもらおうと思って」

真姫「ええ、わかったわ、茶色の包みに入ってるはずだから・・・」

にこ「ん?あ、これじゃない?」

絵里「!」

真姫「・・・にこちゃん、それは正反対の方、絶対に間違えちゃいけない方よ」

にこ「は、あんたまさか・・・」



真姫「・・・・ええ堕児薬よ」


77 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/15(金) 23:21:56.11 ID:fGfehL2L.net
にこ「っ!!あんた堕児医なんて最低なこと」

ごんっ

にこ「っつう~」

絵里「人によっては望まれない命もあるのよ・・・」

にこ「・・・・」

絵里「『必要悪』なの、私たちの気持ちも考えなさい」

にこ「・・・・わかったわよ」


78 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/15(金) 23:23:58.47 ID:fGfehL2L.net
真姫「全く、大声で叫んでくれちゃって幕府にでも知らされたりしたら私は打ち首よ」

にこ「ははは、ごめんって」






「・・・・・・・」


79 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/15(金) 23:25:00.70 ID:fGfehL2L.net
真姫「はい、これが滋養薬。細かいことは中の紙に書いてあるから」

花陽「うん、ありがとう真姫ちゃん」

にこ「体大事にしなさいよ」

花陽「・・・にこちゃん」

にこ「?」


花陽「ありがとう、にこちゃん。私しあわせだよ」


にこ「・・・・そう」



生きるうちに人は幾度そう思うことが出来るのだろう


尼寺で一人身重の穂乃果という女性もそう思えているのだろうか


身を挺して乗り込んだ希の気持ちが少しわかったような気がした


80 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/15(金) 23:27:25.09 ID:fGfehL2L.net
花陽「ねえ、この子の名前にこちゃんがつけてよ」

にこ「え、私!?」

花陽「うん、きっと凛ちゃんも喜ぶ」

にこ「そ、そっか、じゃあしょうがないわね~」

花陽「うん、それじゃあまたね」

にこ「またね」




真姫「ふふ、やけに嬉しそうじゃない」

にこ「真姫ちゃんこそ」

絵里「ふふ、嬉しさはこうやってみんなに伝わっていくのよ」

にこ「・・・そうね」

にこ「それじゃあ名前を考えましょう!やっぱり女の子よね」

真姫「えー、名前付ける前から決め付けていいの?」

にこ「いやー、女の子でしょ!」

絵里「そうね、絶対女の子よ!」

真姫「やれやれ・・・」


81 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/15(金) 23:29:31.13 ID:fGfehL2L.net
この時


私はまだ


知らない


このふぅわりとした気持ちが人を伝うように




災いも色濃く人を伝染ってゆくことを



あんじゅ「はっ・・・はっ・・・」

花陽「誰・・・?」

あんじゅ「女っ、その薬を渡しなさい!」

花陽「な、何ですかあなたっ、この薬は真姫ちゃんが私に」

あんじゅ「うるさいっ芸者なんて商売やってるくせにっ、早くその薬をよこせっ!!」

花陽「きゃあっ!!」


ぶつん

ばららら・・・・

花陽「なにこれ、数珠・・・・?あなた、もしかして坊主・・・?」

あんじゅ「はっ・・・いや・・・・はっ・・・・はっ・・・」

あんじゅ「ひいやああああああぁあああぁぁああ」




ドスッ


82 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/15(金) 23:31:43.80 ID:fGfehL2L.net
少女の腹に小刀が刺さり、腹を赤く染める

花陽「かはっ」

あんじゅ「はーーーっ、はーーーっ、この薬っ、この堕児薬を穂乃果に飲ませればっ!!」


がしっ

あんじゅ「ひっ」

花陽「赤・・・・ん・・・ぼ」

あんじゅ「ひっ・・・・はっ・・・・ああぁあああああ」




グサッ


83 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/15(金) 23:36:21.56 ID:fGfehL2L.net
>>翌日

朝には雪が降り積もる

寒空の中、横たわる少女に雪に降り積もる

少女の腹からは雪を赤く染める

「ねえ、にこちゃん」

「早くこの子の名前呼んであげないと」

「はぐれちゃうよ」

凛「かよちんっ!!かよちんっ!!」

一人の男が女の名前を呼び駆け寄っていく

その様を眺めているのは女三人

真姫「ああ、良かった。」

真姫「花陽の好い人が迎えに来てくれた」

真姫「だからにこちゃん、行くわよ」


にこ「っ・・・・」ギリィ

その少女は悔しさに歯を噛み締めながら赤髪の言葉も聞かずただただ立ち尽くした




雪は今なお降り続けるのを止めない


84 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/15(金) 23:38:12.17 ID:fGfehL2L.net
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音ノ木寺(地下牢)
穂乃果「えっと、これがこの寺の寺史なんですがこれでどうするんですか?」

希「ああ、暇やから読むだけや」

希(海未ちゃんは生まれて間もなくこの寺に来たことになる・・・そんな子を昔から院主になぜ決めたんや?)

希(それに問題はこの院主しか知らないというこの地下室・・・)


希「ちっ、あの婆さんめ・・・」

穂乃果「え?理事長のことですか?」


異界に送られた姫君


その時からすでにタネは蒔かれていたのだ

希「せっせとここで『何を育てて』いたっていうんや」



忌まわしいこの世の慣例の下に


95 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/19(火) 21:57:59.91 ID:7aAnRRlQ.net
尼寺に潜む怪物(その六)
穂乃果「この庵が建てられたのが15年前の二月・・・ちょうど海未ちゃんが生まれたことに建ったんですね、でもどうして地下牢なんか・・・」

希「穂乃果ちゃん開けてーや」

穂乃果「駄目ですよ、私鍵もってませんし・・・」

希「じゃっ、自力で出よかな」

穂乃果「へ、何ですかその針・・・」

希「はっ・・・・ほっ!」

ガキン

希「ふー、やっと出れた!」

穂乃果「えええ!?そんな希さん待ってください、私海未ちゃんに怒られちゃいます!」

希「へいへい」


希「・・・・・」


96 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/19(火) 21:59:06.99 ID:7aAnRRlQ.net
全てはそこに示されていた


事実は腹の中に在り、そこかあら叫んでいたのだ


誰にも届かぬ真実を


希「・・・なあ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「はいっ?」

希「仏とは?」

穂乃果「え、えっと、人の・・・平安への救いです」

希「そっか、じゃあ・・・」




希「仏に救われぬ者は人に非ず?」


97 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/19(火) 22:01:05.20 ID:7aAnRRlQ.net
穂乃果「・・・・」




穂乃果「仏様だってお昼寝しちゃうこともあるよ」ニコ

希「・・・・」ニッ

希「その仏ならウチも仲良くなれそうや」

穂乃果「どこに行くんですか?」

希「海未ちゃんに・・・いやあれは」

穂乃果「え、海未ちゃんなら亜来逗寺へ次期僧主として行かれたところですよ」

希「なっ!?ヤバイッ!!」

穂乃果「?」


98 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/19(火) 22:03:10.28 ID:7aAnRRlQ.net
亜来逗寺
海未「次期院主、園田海未でございます」

ツバサ「っ・・・・あなたは・・・」

僧い「ツバサ様?お顔が・・・」

ツバサ「はっ・・・・はっ・・・・そう、そうだったのね・・・」

僧「「「?」」」

ツバサは海未と名乗る者に近づく



そして、子供を労わるようにその頭をなでたのだ


そして、撫でた後ツバサは倒れた


99 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/19(火) 22:05:03.47 ID:7aAnRRlQ.net
--------------------------------------------------
英玲奈「すまんな、せっかく渡ってこられたのに」

海未「・・・・・・」

英玲な「?顔色が優れぬようですが・・・」

海未「大丈夫です、戻って休めば治ります」



英玲奈「・・・・・穂乃果を尼寺の院主にという声があるのを知っているか?」

海未「!」

英玲奈「皆、誑かされておるのだ、あのような女に仏の子が宿るものか・・・仏の子というならば」


ぐいっ


英玲奈「あなたのような高貴な者の身にこそふさわしい」

海未「ぐっ」

英玲奈は海未を押し倒す

その様は獣のように息が荒く先ほど話していた仏とはまるで見る影がないようであった。


100 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/19(火) 22:06:42.31 ID:7aAnRRlQ.net
英玲奈「はっ・・・はっ・・・貴様とて院主の座を失いたくはないだろう!おとなしく股を開けばっ-----なっ・・・」

海未「・・・・」



英玲奈「うあっ、あぁあ!?おっお前はっ、これはっ!!?」

海未「・・・・・どう、しましたか?」

海未「ふふ、お相手しましょう、英玲奈さん」

英玲奈「ぐっ!?」

途端に英玲奈の首に海未の黒髪が巻きつく

そして、海未が黒髪を引っ張り英玲奈の首を締め上げた


101 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/19(火) 22:08:36.61 ID:7aAnRRlQ.net
英玲奈「ぐうっ・・・このっ」

英玲奈も黒髪をほどこうとするがあまりの力の強さに解くことが出来ない

次第に黒髪は英玲奈の肉に食い込み

英玲奈「ぐがっ  
              カッ
        ア”」


ぶちん


英玲奈の首と胴体は永遠の別れを告げた

そこに立ち尽くすはただ一人はふと呟く






海未「・・・・やはり男の骨は硬いのですね」


102 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/19(火) 22:10:54.39 ID:7aAnRRlQ.net
--------------------------------------------------
海未「はっ、ゼエ・・・・」

海未は音ノ木寺へと急いで戻っていた

亜来逗寺では英玲奈の死が騒動を起こしていることだろう


希「・・・・」

海未「あなたは・・・」

希「ツバサさんを殺してきたのかい?」

海未「・・・・あなたは御本尊の手を見たことはありますか」

希「?」

海未「あの細い指に何が出来るのかと思っていた、あんな細くては誰も救うことはできません」

海未「人を救う手とは・・・・」

海未の脳裏には先ほどのツバサの手が浮かんでいた


希「そっか・・・あなたは今まで女にしか触れることが出来なかったからね、あなたには随分頼りなかったんじゃないんか?」


103 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/19(火) 22:12:35.08 ID:7aAnRRlQ.net
海未「・・・まるで私のことを何でも知ってるような言い方ですね」

希「まさか!」

希「私は『あなたの名前も知らない』」


はがれてゆく

私に張り付く暗くトロリとした淀みがはがされてゆく

淀みに隠れていたのは



「・・・・私の名前は鬼の海末」






そういう彼の身体には逞しい胸板と男の象徴を示す男性器が股の下にぶら下がっていた。


107 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/20(水) 00:11:14.03 ID:02s7zPH0.net
尼寺に潜む怪物(その七)

ずっとここに居れば良かった

生暖かい液体から響くやさしい子守唄、そして五つの鼓動


幸せだった


けれど追い立てられるように放り出された外界、そこは



地獄だった


「獣腹っ・・・」
「四つ子だっ」
「鬼の子が生まれよったぞ」

口々に叫ぶ声に恐怖しともに居た四つのうち二つの小さな鼓動はさっさと動くのをやめてしまった

その判断は賢明だった

おろかな私は一声上げてしまったのだ

「おぎゃあ」


108 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/20(水) 00:15:48.48 ID:02s7zPH0.net
「ケダモノめええええ!!」

かつてその腹に私を宿していたであろう母はそう叫び



私に焼けた炭をぶちまけた


噎せ返る煙

沸き立つ皮膚

響く咆哮





私の誕生を祝う地獄の宴が始まった


109 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/20(水) 00:16:39.47 ID:02s7zPH0.net
希「帯祝い、ってのがあるんや、安産を願って戌の日に晒しを巻くんや」

希「多児産を畜生腹と蔑み忌み嫌って間引くくせにね」

海末「・・・・・」


かろうじて生きた赤子は山寺に捨てられた

一人は武家から出家した名も無き赤子として

焼け爛れたもう一人はもう人ではなくなっていた


110 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/20(水) 00:18:26.17 ID:02s7zPH0.net
理事長「・・・・・・・」

慈悲か母性か

理事長は人でないものを飼い子を産めぬ女のままごとを始める

庵を建て地下室で行うその行為は理事長を満たしていた

しかし、時が経ちその身体が男と為った時


理事長はままごとを止め女になった


理事長「はっ・・・・はむっ・・・・」ジュルル

海末「っ・・・・」ゾッ


夜毎に乾いた土にタネをまき

そして糧を得る、その繰り返しだ

止められぬ悪循環、ただいつもに疲れていた





あの夜までは


111 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/20(水) 00:20:34.11 ID:02s7zPH0.net
その夜気をやった理事長の隙を見て私は外へ出た

満点の星

そして理事長が夢枕に語った尼寺の全てを知る般若の覗き穴

そこから覗き込む世界は天国であった

美しい女二人が肌を合わせ共に高め、果てる

それがこれほど美しいと思わなかった

この世にはこれほど美しいものがあったのだ


行為が終わっても私は般若の下で動けなかった

そのせいか

海未「誰かいるのですか?」

海末「!」バッ

海未「待ちなさい!」


112 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/20(水) 00:21:38.50 ID:02s7zPH0.net
海未「あなた、ここにどうやって潜り込んで・・・・あなたまさか男ですか!?」

海末「・・・・・」

海未「いや、ここに人の男がいるわけもありません」

海未「正体は鬼か獣か怪か、さあ成敗してくれましょう」

海末「!」

海未「さあ来い、鬼の子よ」


海末「っ・・・・うああああ!」


113 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/20(水) 00:22:46.72 ID:02s7zPH0.net
女に捨てられ

女に飼われ

今また女に蔑まれる

海末「ふふふ、鬼の子ではなく獣か?さあ、どのような人にばけているのだ」

すっ

海未「なっ・・・・まさかっ」




海末「私を退治するのか血を分けた妹よ」ニタァ

海未「ひっ・・・はっ・・・・・嫌あああぁああぁあぁああああ!!!!」

ならば私は女を喰らう鬼となろう


114 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/20(水) 00:23:44.17 ID:02s7zPH0.net
希「海未は?」

海末「・・・・・死にました」

海末「事故か自ら選んだのか私にはわからない」

希「そして海末、あなたの成り代わりが始まるんやね」

希「それで地獄に君臨してあんたは何を求めるんや、海末?」

海末「・・・・・・」



がらり


115 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/20(水) 00:25:35.67 ID:02s7zPH0.net
「「!!」」

穂乃果「・・・・・」

希「ほ、穂乃果ちゃん!?」

海末「ほのっ」


穂乃果「きゃ      あ 
       ぁ        ア 
      あ   ア      あ 
    あ ア        ぁ  あああ 
         ァ  あ   ア      ああ」



-----同時刻、音ノ木寺には門を囲うように多数の坊主が終結していた


119 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/23(土) 22:45:58.61 ID:jz+D5xcZ.net
尼寺に潜む怪物(その八)

知っている

希「穂乃果ちゃんっ」

外界に出た直後に聞いたことがある


これは拒絶の叫び

ざわ

希「な、火傷の痕が----」




これは地獄の宴が始まる合図だ


120 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/23(土) 22:47:45.32 ID:jz+D5xcZ.net
-------------------------------------------------------------
時を同じくして、にこと真姫、絵里たちは寺へと続く石段を登っていた


真姫「ほらここ、花陽の側に落ちていたこの数珠、ここに音ノ木寺に付属する亜来逗寺の名前が書いてあるの」

にこ「・・・・ええ」

息が苦しい

大気があまりに濃くて肺腑に入っていかないんだ


地獄の瘴気の空気なのか、あるいは----

真姫「にこちゃん、あれ・・・山が赤い」


----この山はすでに災いが満ちている


121 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/23(土) 22:49:08.63 ID:jz+D5xcZ.net
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ドンドンドンドン!

希「開けるんや!!!」

希「医者を!子が生まれそうなんや!!」


穂乃果「ハア・・・ハア・・・・」

希「開けなさい、亜来逗寺!!」

僧ろ「当寺の僧、英玲奈殿が殺された」

僧ろ「手を下したと思われる海未殿が名乗り出るまで何人たりともこの尼寺からだすわけにはいきませぬ」

希「その院主が何しでかすかわからない言うから言ってのになあ・・・」


希「海末・・・あんたどこへ行ったんや・・・」


122 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/23(土) 22:51:00.29 ID:jz+D5xcZ.net
心がざわつき夜眠れぬ時ふと思うことがある

山の頂に在る院主の庵、私を飼う急拵えの庵

そして重い瓦と積もる雪

屋根を支える梁を折れば



一溜まりもない



ゴゴゴゴゴゴ!!

希「あの子、まさか庵を壊しっ----」

破壊の波は下へ


壊れろ


壊れろ




壊れろ


海末「ふふっ・・・ははははははははっ!!」


気持ちが高揚する、最高の気分だ

なのに


地獄に君臨してお前は何を求めるんや、海末



なぜ、こんなにも私は醜く顔を歪ませるのか



私が求めたのは------




橙色の髪の少女の微笑みが脳裏に浮かんだ瞬間、私の身体を雪が包み込んだ


123 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/23(土) 22:53:01.37 ID:jz+D5xcZ.net
-------------------------------------------------------
にこ「なっ、何よこれ・・・」

真姫「ちょ、ちょっと、何で坊主が音ノ木寺の門にいるのよ?それにさっきのは何!?」

僧は「な、なんだお前たち!」


「誰か・・・・・ここ・・・・・あけ・・・・」


にこ「!!」

ダッ

にこ「門を開けなさい!!この門から聞こえてくる声が聞こえないのか!?」


「「「如是。我聞。一時。仏住。王舎城。耆闍崛山中。与」」」
「「「大比丘衆万二千人倶。皆是阿羅漢。諸漏已」」」
「「「尽。無復煩悩。逮得己利。尽諸有結。心得自在。」」」


真姫「何なのこの坊主たち!!キモチワルイ!!」

にこ「くそっこんな門、私が開けてっ・・・・」

ドッ

にこ「ぐあっ!?」

にこが開けようとしたその手に僧の持つ槍の穂先が突き刺さる


124 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/23(土) 22:55:11.12 ID:jz+D5xcZ.net
真姫「にこちゃんっ!!」

僧に「尼寺の門を押し開けようなどと戒律を破る気かっ、この痴れ者めっ!!」

にこ「----~~~っ、悪かったわね出来損ないで」

ばきん!

先ほどの静止も意に止めず門をふさぐ板をはがしていくにこ

にこ「私はねえ、芸者なのよ、何が戒律よ、芸者の一般常識破ってる私をなめないでよねっ!!」

にこ「あっちなんか幕府禁制の堕児医よっ!!!」

真姫「チガウワヨッ!!!」

僧ほ「~~尽。無復煩悩。逮得己利。尽諸有結。心得~~っ」

ぐいっ

にこ「あんたが手を合わせてる暇があるならその手で誰かの手を掴んでいきなさいよっ!!」

僧「っ・・・・」

真姫「ふふっ、惚れちゃうわにこちゃんっ♪」

真姫「----絵里、お願い。にこちゃんの邪魔する人たち全員・・・蹴散らして」

絵里「かしこいかわいいエリーチカに任せなさいっ♪」


125 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/23(土) 22:56:55.37 ID:jz+D5xcZ.net
にこ「もうっ!離しなさいっ、訴えるわよっ!」

ドゴオッ!!

僧へ「ぐえっ」

バゴオ

僧と「のわあっ」

絵里「さあ、次にエリーチカにお仕置きされたいのは誰かしらっ♪」

にこ(つよっ!?)

真姫「ほらほらにこちゃんも死なない限り私が直してあげるわよっ♪」

にこ「はいはい、それはどうも・・・」

ばきんっ・・・ぎいっ・・・

にこ「開いたっ!!って、は?」

扉を開けた先には木材を振り上げる希

にこ「うわあああっ!」

希「あれまっ、にこっちやん」

にこ「希!!私を殺す気かっ!!」

希「ごめんって・・・あれ、その手・・・・」


やっと開いた重い扉の向こうで何もかも承知したかのように希はニヤリと笑った


126 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/23(土) 22:58:15.46 ID:jz+D5xcZ.net
門からは雪崩によって負傷した尼僧が次々と出てくる

希「そやった、真姫ちゃんっ!穂乃果ちゃんがっ・・・!!」


あんじゅ「っ!・・・・穂乃果?」


真姫「穂乃果っ、大丈夫や、まずどこか休める場所に」

あんじゅ「はっ・・・はっ・・・・全部・・・・こいつが・・・・」

真姫「にこちゃんも手伝って!!」

にこ「ええ、わかっ」

ぼとっ

すれ違い当たった坊主が包みを落とす

茶色い包みに花陽という文字、これは----






花陽の薬


127 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/23(土) 23:02:02.00 ID:jz+D5xcZ.net
にこ「あんったっ・・・」

あんじゅ「うおおおおああぁあああぁあああ!!!」


希「っ!?」
真姫「っ!?」
絵里「みんなあぶなっ」
穂乃果「えっ・・・・」


あんじゅ「あんたさえ居なければ全部っ、あんたさえっ!!!」



どすり

あんじゅの小刀が腹に刺さる

しかし、それはあんじゅが目的としていた穂乃果ではなく







海末であった


128 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/23(土) 23:03:51.56 ID:jz+D5xcZ.net
がしっ

あんじゅ「ひっ」

ごんっ!

海末はあんじゅを思い切り地へたたきつけ、その衝撃によりあんじゅは白目を向いて気絶してしまっている


穂乃果「血っ・・・・赤い----」





私は----人として在りたい




海末が、穂乃果を抱きしめた


133 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/30(土) 23:57:47.69 ID:8GubhY5A.net
尼寺に潜む怪物(その九)

穂乃果「ねえ、海未ちゃん、町の者たちは春になるとお花見をするらしいよ」


「・・・・・」

穂乃果「お茶会とかじゃなくて桜の木の下で花びらが舞う中でみんなで唄を歌ったり踊ったり団子を食べる、そういうのってとても楽しそうだと思わない?」

穂乃果「いつか----」


134 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/30(土) 23:59:57.07 ID:8GubhY5A.net
ーーー-----------------------------------------
海末「がふっ」

希「海末っ!!!」

海末「ぐっ・・・」

穂乃果「っ・・・」



穂乃果・・・・あの廊下で私は何度あなたの夢を聞いたのでしょうか・・・


ことり「何してるのみんなっ!!ツバサ様が倒れているときにみんなで勝手に何してるのっ!!」

僧に「う、海未殿が刺されて・・・穂乃果が・・・」

ことり「・・・・あれが・・・・穂乃果ちゃん」


135 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:03:04.40 ID:U2ejVelI.net
真姫「なっ、なんなのこれっ!?何で海未が・・・」

希「漢字が違うで、未やなくて末や、その者の名前は海末----穂乃果ちゃんの腹の子の父親や」

「「「!!!」」」

海末「うっ・・・があっ---」


ズグ・・・・ズグ・・・

真姫「何これ・・・・全身の火傷が今負ったように沸き立ってくるわ」

海末「熱いっ・・・・」

希「尼寺を出てはいけなかったんや、海末」

希「全身の火傷は死ぬはずの怪我やった、それを尼寺の冷気に守られていたのにそれをあなたはこわしてしまった・・・」


136 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:05:26.09 ID:U2ejVelI.net
海末「ぐぅっ!」

海末の火傷がさらに広がり始める

穂乃果「そんなっ・・・」

海末「っ・・・・」


何かを手に伸ばすように海末は天に手を伸ばしそして笑う

海末「は、花びらが舞う・・・花見をしましょう、穂乃果」

にこ(花びら・・・・?この雪のこと?)

穂乃果「あっ・・・」

穂乃果「海未ちゃんは・・・花が嫌いで私の話なんかきいていなくて・・・」


あの時


うれしそうに笑って話を聞いてくれたのは


紛れもないあなただった





穂乃果「『海末』」


137 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:06:17.89 ID:U2ejVelI.net
ぶくっ


ぼひゅっ



音を立てて焼けた肉体は蒸発した



それは誰も見たことが無い壮絶な末路だったが



誰も恐れず

誰も動かず

誰も叫ばず



穂乃果の咽び泣く声と悼む経だけが山に響いた



海末が人で在ったからだ


138 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:07:18.61 ID:U2ejVelI.net
ツバサ「理事長を殺したのは海末よ」

にこ「へ?」

希「そうやね、英玲奈の遺体と傷が同じだった」

ツバサ「あれは---理事長は穂乃果の妊娠を良く思っていなかった、憎んですら居る様子で・・・許せなかったんでしょう」

にこ「・・・・じゃあ、海末は穂乃果を守るために?」

希「・・・・・」

ツバサ「赤子たちは大金と共にやってきた・・・・約束された布施と身分の高いものの出家はその寺の格を上げる」

ツバサ「そして理事長の邪な想いと赤子らの生死」

ツバサ「私は恐ろしくてただ見てみぬ振りをしてきた愚者よ」

希「・・・・」
にこ「・・・・」


139 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:10:41.76 ID:U2ejVelI.net
ツバサ「そういえば、尼寺によく雪が降るようになったのは海末が来てからね」

ツバサ「春は遅く夏でも冷え、秋口にはどこよりも早く雪が降る・・・まるで焼けた海末の傷を癒すかの様に・・・・しんしんと雪が積もる------」

ツバサ「海末こそ御仏の子だったのだと私は思うわよ」

にこ(もし・・・・もし、そうならば----)

花陽に積もったあの雪も二人を癒してくれているのだろうか

はぐれずに二人はいるのだろうか


にこ「っ・・・・・・」

ツバサ「あら、何か嫌なことを思い出させてしまったかしら」


にこ「・・・・・・希」

希「?」

にこ「あんたは笑うかもしれないけど・・・・」



にこ「私は・・・・御仏は居ると思う」


ツバサ「・・・・・」

希「・・・・・そりゃあ、居るに越したことはないやん?」

にこ「そっか・・・」


140 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:11:53.64 ID:U2ejVelI.net
希「あーーっ、美味い酒でも飲みに行きたい!!」

にこ「わっ?」

ツバサ「あらあら」

希「獣肉鍋で乾杯して~、天麩羅食べて~、初鰹~!!」

にこ「あ、あんた・・・・」

ツバサ「あなた、食えない坊主に嫌がらせでしょう?ねえそうでしょう?」ピキピキ

にこ「ははっ・・・」

希「ほらっ、早く帰ろうにこっち」




希「外界はもう春だよ」

終わり


141 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:15:11.06 ID:U2ejVelI.net
長い間本当にありがとうございました
終わらせることができて本当によかったです

わかりにくいところもあったと思いますので気になった方がいたら原作お勧めなのでぜひ買ってみてください
読んでくださってありがとうございました


144 : 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 01:14:50.06 ID:th16k3kM.net
これ穂乃果はどうなったの?


145 : 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 01:29:55.24 ID:U2ejVelI.net
>>144
無事子供を生んだよ
その後は書かれてないけど無事に暮らせてるんじゃないかな?
原作だとことりちゃんポジの人が穂乃果の実の親なんだけどさすがに違和感あってやめた


146 : 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 01:33:08.93 ID:th16k3kM.net
そうか...乙面白かった


元スレ:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1431243287/


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  1. 2015/07/06(月) 02:08:48

    原作ってなんやねん


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