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雪乃「この世から比企谷菌を消滅させる」八幡「!!」
- 1 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 20:21:49.51 ID:oV0XJ64v0
- ■部室
雪乃「さて、みんな帰ったわね」
雪乃「あとは戸締りをして鍵を返却するだけ…」
雪乃「あら?これは…」
雪乃「はぁ、まったく…比企谷くんが体操服を忘れて帰っているわ」
雪乃「仕方ないから、今日は私が持って帰って、明日の朝、比企谷くんに渡してあげましょう」ジュルリ
---そう、始まりはごく普通な出来事でした----
それがまさか、あんな事態になるなんて
一体誰が予想できたのでしょうか
■次の日の朝
目覚まし時計「ピピピピピピ」
雪乃「ふぅ…朝ね」
雪乃「…」
雪乃「!!!!!????」
雪乃「なんで私は比企谷くんの体操服を着て寝ているの!?」
- 4 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 20:27:24.83 ID:oV0XJ64v0
- 雪乃「と、とりあえず、落ち着きましょう」
雪乃「落ち着いて深呼吸よ」
雪乃「くんかくんか」
雪乃「…」
雪乃「はぁ……もう私の匂いしかしないわね…」 - 5 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 20:28:27.82 ID:oV0XJ64v0
- ■登校中
雪乃「…」
雪乃(ようやく一連の出来事の整理がついたわ)
雪乃(記憶を辿る限り、私の記憶は昨日の夕方から損失しているわ)
雪乃(くんかくんか祭りをしたような記憶もあったけど、きっと夢よね)
雪乃(ええ、あの時は夢のような時間だったわ…)
雪乃(いえ、そうではなくて)
雪乃(結論から言わせてもらうと、これは…)
雪乃(比企谷菌のせいね!!!)バーン
雪乃(昨日の出来事を私なりに考えてみたわ)
☆雪ノ下雪乃が考える昨日の出来事~~~~~~~
①比企谷菌が雪ノ下の中に入る
↓↓↓
②雪ノ下は気絶
↓↓↓
③すっごい悪夢を見せられる
↓↓↓
④朝、体操服姿に
☆以上~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
雪乃(な、なんということ…比企谷菌…想像以上に恐ろしすぎるわ…)
雪乃(とりあえず、もう一度、比企谷菌を手に入れて検証してみないと…)
雪乃(って、あれは比企谷くん!)
八幡「…」
雪乃(ちょうど下駄箱にいるわね)
雪乃(名残惜しいけど、体操服は返却しましょう…)
雪乃(まぁ、もう匂いしないし、どうでもいいわよね) - 6 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 20:36:27.60 ID:oV0XJ64v0
- 雪乃「おはよう。比企谷くん」
八幡「…うっす」
雪乃「あら?顔が真っ青よ。ゾンビは朝日に弱いというけど、どうやら本当だったみたいね?」
八幡「…部室に体操服を忘れたみたいなんだが、部室空けてくれないか?今日は朝から体育なんだ」
雪乃「なるほど。それで顔が真っ青なのね。こういうことに関しては肝が小さいのね。いえ、人間性も小さいのかしら?」
八幡「俺が肝が小さい?俺ぐらいになると、体育の授業中、一人だけ冬のジャージでいても問題ないくらい肝が座ってるんだよ。なんなら、いてもいなくても気づかれないまである」
雪乃「そうね。真っ青は私の勘違いのようね。よく見たら、いつも通りの顔色だったわ。ごめんなさい」
八幡「いつもそんな顔色だったら、喜んで学校休んじゃうぞ。俺」 - 7 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 20:41:57.65 ID:oV0XJ64v0
-
スッ
雪乃「はい。体操服」
八幡「お、俺の体操服…」
雪乃「昨日、部室に忘れていたから、今日渡そうと私が預かっていたの」
八幡「ありがとな。おかげで助かった」
雪乃「じゃあ、これで…」
八幡「ん?この体操服なんだが…」
雪乃「なななななな、なに?どうかしたのかしら?」
八幡「いや、今、ふわって、いい香りがしたんだが…」
雪乃(い、いいいいいいいいいいい香り!?)
八幡「たたんであるし、もしかして、洗ってくれたのか?」
雪乃「そうよ。もちろん、私の衣服とは別に洗ったわ。変な期待はしないで」
八幡「いや、してねーけど…なんだ、その…ありがとな」
雪乃「いいえ。気にしないで」
雪乃(私が着てから、洗ってなんかないのだけれど…)
八幡「じゃ、教室に戻るな」 - 8 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 20:47:48.42 ID:oV0XJ64v0
- 雪乃「ちょっと待って」
八幡「ん?」
雪乃「ち、ちなみに、そんなにいい香りだったかしら?」
八幡「ああ」
くんくん
雪乃(なっ!?私が着た比企谷くんの体操服の匂いを嗅いでる!?)
八幡「いい匂いだ。いい洗剤使ってるんだろ。さすが雪ノ下だな」
雪乃(いい匂い!?いい匂い!いい匂い?わたしがいいにおい?)
雪乃(っ~~~~~~~~//)
雪乃(な、何を言ってるの!?この男はバカなの!?)
八幡「おい、大丈夫か?顔が真っ赤だぞ?」
雪乃「あっいえ、大丈夫よ。ちょっと朝から疲れちゃったみたい…」
八幡「どんだけ体力ないんだよ…」
雪乃「冗談よ」
八幡「保健室まで送ろうか?」
雪乃「いいえ、大丈夫。それでは、また部活で」
八幡「おう。また放課後」 - 9 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 20:53:38.98 ID:oV0XJ64v0
- スタスタ
スタスタスタ
スタスタスタスタ
八幡『いい匂いだ。いい洗剤使ってるんだろ。さすが雪ノ下だな』
雪乃(…)
八幡『さすが雪ノ下だな。いい匂いだ。いい洗剤使ってるんだろ。』
雪乃(…)
八幡『さすが雪ノ下だ。いい匂いだな』
雪乃(あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー//)
雪乃(ばか!馬鹿!!バカ!!!ばかーーーーーーーーーー!!!)
雪乃(…)
雪乃(にゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー//) - 10 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 20:58:26.86 ID:oV0XJ64v0
- 雪乃(落ち着きなさい。とにかく落ち着くの…)
雪乃「ふぅ…」
雪乃(とりあえず、一つ分かった事があるわ)
雪乃(比企谷菌+雪ノ下菌=いい匂い)
雪乃(どうやら、比企谷菌は私で浄化することができるようね)
雪乃(これは世紀の大発見だわ!) - 11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/21(金) 20:59:12.25 ID:g8F1xj7eO
- いや、そのりくつはおかしい
- 12 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:01:04.65 ID:oV0XJ64v0
- ■放課後
ガラララッ
八幡「うす」
雪乃「こんにちは」
八幡「由比ヶ浜はどーした?」
雪乃「今日は三浦さんたちと遊びに行くのだそうよ」
八幡「へぇ…」 - 13 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:07:30.57 ID:oV0XJ64v0
- 雪乃(いつも通り、比企谷くんは本を読み始めたようね…)
雪乃「…」コホン
八幡「ん?」
雪乃「体育の授業は問題なかったのかしら?」
八幡「ああ、お陰様でな」
雪乃「そう…」
八幡「ああ…」
雪乃「…」
雪乃(ということは、今、体操服には比企谷菌だらけということね)
雪乃(世界のためにも私が浄化しないと…) - 14 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:08:58.87 ID:oV0XJ64v0
-
ガタッ
雪乃「急に立ち上がってどうかしたの?」
八幡「ん?ああ、トイレ」
雪乃「行ったわね」
ガサゴソ
雪乃「発見したわ!比企谷くんの短パン!!!」
雪乃「まずはこれを被って…」
スーハースーハー
雪乃「今、私は宇宙!コスモを感じているわ!!!!」キリッ - 16 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:17:14.22 ID:oV0XJ64v0
- * * *
八幡(さて、部室に戻るか…)
スタスタ
「-------!!!」
八幡(ん?部室から音が聞こえるぞ…)
チラッ
八幡「!!!!?」
八幡(ちょっと、待て。落ち着け俺!)
八幡(も、もう一度、見るんだ…)
八幡「(つд⊂)ゴシゴシ」
八幡「(;゚ Д゚) …!?」
八幡「(つд⊂)ゴシゴシ」
八幡「(;゚ Д゚) …………………!?」
八幡(雪ノ下が俺の短パンを被って、仮面ライダーのポーズをしてるだと!?) - 17 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:21:07.04 ID:oV0XJ64v0
- 八幡(い、いや、雪ノ下に限ってそんな事…)
八幡(そうだ。そもそも短パンで顔が見えてないじゃないか!)
八幡(あれは別人だ!雪ノ下じゃない!)
八幡(ふ、ふぅ…俺は大変な勘違いをするところだった。すまん。雪ノ下…)
八幡(…)
八幡(いや、まぁ、後ろ髪とかまな板とか、どう見ても雪ノ下さん何ですけどね) - 19 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:24:44.83 ID:oV0XJ64v0
- 八幡(とりあえず、逃げるか)
ガサゴソ
雪乃「あったわ。体操服のシャツ部分」
雪乃「これを、私の顔に巻いて…」
雪乃「すーはーすーはー」
八幡(…)
八幡(俺は見てない。何も見てない。だから、帰りたい)
八幡(いや、カバンは持って帰らないと…今日の晩飯代が入ってるし…)
八幡(俺は一体どうすれば------)
雪乃「もう何も怖くない」キリリッ
八幡「いや、それ死亡フラグだからなっ!」
雪乃「え?」
八幡(しまった!ついツッコんでしまった)
八幡「あっ。いや…ほら、あれだ…や、やっはろー」 - 20 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:28:35.25 ID:oV0XJ64v0
- 雪乃「こ、これは違うの!」
八幡「お、おう。そうだよな」
雪乃「これは比企谷菌を雪ノ下菌で世界を浄化して」
八幡「そ、そうだよな。世界を浄化してたんだよな」
雪乃「そうなの!とっても重要なことなの!」
八幡「うん。八幡もそれとっても重要だと思うな!」
八幡(なんだよ!それ!)
雪乃「というわけで、比企谷菌を渡しなさい!」
八幡「は?」
雪乃「い、いいから」プルプル
八幡(あぁ…テンパってるんですね。雪ノ下さん。涙目でプルプルしているしな…) - 22 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:33:19.51 ID:oV0XJ64v0
- 八幡「はぁ…なぁ、ちょっといいか?」
雪乃「…なに?」
八幡「どうやら、その…ひ、比企谷菌は、脳に異常をもたらすらしい…」
雪乃「…何がいいたいの?」
八幡「俺もやられたらしくて、数分前の事を覚えてないんだが…」
八幡「雪ノ下。数分前の俺に何があったか、知っているか?」
八幡(俺はこの件を忘れる。だから、雪ノ下もこの件をなかったことにする)
八幡(これが一番の解決策だ!) - 23 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:49:53.85 ID:oV0XJ64v0
- 雪乃「まさか、覚えてないの?」
八幡(おいそこは『なにもなかったわ』って言うところだぞ!)
雪乃「私のパンツを被って、ハァハァしていたというのに?」
八幡「してねーよ!!」
雪乃「はい。これ私のパンツ」
スッ
八幡「は?」
雪乃「私のパンツ…あなたが被ったせいで、あなたの匂いだらけ…」
雪乃「あなたの匂いがついたものなんかいらないわ」
雪乃「それに…」
雪乃「これで貸し借りなし。あなたに借りがあるだなんて、考えただけで嫌だもの」
八幡(いや、俺は別にお前のパンツなんか…欲しくなんか…………欲しくなんか………欲しくなんかないよ。ハチマン、ウソツカナイ)
八幡「って、帰った!?しかも俺の体操服を持ったまま!?」
八幡「…」
ゆきのんパンツ略してゆきパン「…」
八幡「はぁ…このまま置いておくわけにもいかないし…持って帰るか…」
八幡「体操服買わねーとな…また、バイトするか…」 - 24 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:50:50.09 ID:oV0XJ64v0
- * * *
■数日後
八幡(あの一件は非常によろしくなかった…)
八幡(あの時に、ちゃんと話をつけておくべきだったな)
雪乃「こんにちは。比企谷くん。今日も私とあなたのパンツを交換しませんか?してください。お願いします」
八幡(状況はさらに悪化していた…)
八幡「ほらよ。昨日履いて、洗ってない分だ」
雪乃「ふふっ。ありがとう。これで今日も世界が救われるわ」
八幡(雪ノ下とは、ずっとこんな感じだ…) - 25 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:51:28.43 ID:oV0XJ64v0
- 八幡「なぁ…雪ノ下」
雪乃「なに?私のパンツなら、今から脱ぐから少し待っていてくれないかしら?」
八幡「いや、そうじゃないんだ」
雪乃「どういうことかしら?」
八幡「いや、そのな…もしかして、お前ってさ…俺の事が…好…」
雪乃「それはないわ」
八幡「そうか…」
八幡(じゃあ、どういうことだよ…)
雪乃「前にも言った通り、これは世界を救うための作業よ」
八幡「はいはい。そうですか」
雪乃「だから!」
八幡「ん?」
雪乃「だから…」
雪乃「わ、私とあなたはずっと…ずっと一緒にいた方がいいと思わない?」
八幡「…」
八幡(こ、こいつ、顔真っ赤にしながら…)
雪乃「そ、その世界のためにも…ね?」
八幡「…」
八幡(比企谷菌に侵された雪ノ下は、俺無しじゃ生きれないだろう)
八幡(でも、それは俺も同じだ)
八幡(なぜなら、俺は雪ノ下菌に侵されてしまっていたから) - 26 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:52:10.07 ID:oV0XJ64v0
- 八幡(散々変態行為を繰り返して、何度もドン引きしたはずなのに…)
八幡(告白をする雪ノ下を見て、すごく可愛いと思ってしまう)
八幡(ああ…どうしようもなく、雪ノ下菌に侵されているな…俺)
八幡(…)
八幡(まぁ、パンツ欲しがるのは止めて欲しいけど…)
雪乃「だ、だめかしら?」
八幡「ああ、そうだな。俺も一緒にいるのがいいと思う」
八幡(きっと俺も真っ赤だ…たぶん、雪ノ下以上に) - 27 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:52:40.39 ID:oV0XJ64v0
- 雪乃「そう…ふふっ♪」
八幡「機嫌よさそうだな」
雪乃「だって、あなたの顔ったら…あんな顔もするのね」
八幡「俺、どんな顔してたんだ?」
雪乃「秘密よ。…私だけのね♪」
八幡(あの事件からこんな展開になるなんて…予想できるはずがない)
八幡(やはり俺の青春ラブコメは間違っている)
八幡(でも、これはこれで…ありだな)
雪乃「これからもずっとよろしくね。比企谷菌」
八幡「ああ、よろしくな。雪ノ下菌」
終わり - 28 : ◆xW69XHZIXl2A 2015/08/21(金) 21:53:28.17 ID:oV0XJ64v0
- これにて終わりになります。
読んでくれてありがとうございました!
また、機会があればよろしくお願いします! - 30 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/21(金) 22:00:22.22 ID:EBewbzaP0
- 恋愛は一種の熱病という言葉があるが
つまり原因は菌だったのか - 31 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/21(金) 22:02:05.38 ID:P8E2fEzx0
- 成る程
おつー

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