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【DTB】黒「花火大会に行こう」

1 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:25:44.66 ID:8e6G6lXq0
夕方

大山(大家のおばちゃん)「あら、李さんお出かけ?ひょっとして花火大会?」

黒「ええ」

大山「もしかしてデート?いいわねぇ~、まさに青春って奴じゃない」

黒「はは...」

大山「けど気を付けなよ?李さんは真面目だから大丈夫だろうけど、たまにいるのよねぇ。祭りだからってハシャいで人様に迷惑かけるやつ!カツアゲしたり財布をスッたりロクなもんじゃないよ」

黒「それは怖いですね。気をつけます」

大山「それじゃ、思う存分楽しんできな」

黒「はい、いってきます」




2 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:26:44.39 ID:8e6G6lXq0
猫「...お前の場合花より団子ならぬ、花火より屋台だろうがな」

黒「...任務以外で何をしようが俺の勝手だろう」

猫「ま、否定はしないさ」

黒「何の用だ。任務か?」

猫「いいや、まだ上からは何も聞いてない」

黒「そうか」

猫「俺が来たのは私用だ。屋台を食べ歩くためにコストを無駄に消費する、合理性に欠けた契約者の調査ってやつだな」

黒「...飯を奢ってもらいたいなら他を当たれ」

猫「まあいいじゃないか。からあげ4個のうち1つくれるだけでもいいんだ」

黒「帰れ」

猫「ごろにゃ~ん」

黒「今さら猫被ったところで無駄だ」

猫「猫だけにか?」

シーン

黒「......」

猫「...スマン。いまのは聞かなかったことにしてくれ」

黒「...ああ」



4 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:31:35.15 ID:8e6G6lXq0


no title

no title



no title



no title




no title
no title
no title


5 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:32:19.73 ID:8e6G6lXq0
―――――――――――――――――――



ガヤガヤ

凱「この花火を待つ雰囲気に祭りの賑やかさ...まさに日本の風流だねぇ」

凱(こういう時に美人な浴衣レディをエスコートするのが男の夢だってのに...)チラ

キコ「マユコ、銀ちゃん、ポテト買ってきたよー」

マユコ「サンキュー、ん~たまらんねぇ!」

銀「......」コクリ

凱「なぁんでお供はガキばっかなんだか」


6 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:33:13.91 ID:8e6G6lXq0

キコ「むっ、なんですかその目は。美少女三人組捕まえてなにが不服だってんですか」

凱「捕まえてっつーか、お前が俺を捕まえて、いや半ば拉致してきたようなもんじゃねえか」

キコ「いいじゃないッスか。それに、約束を忘れたとは言わせませんよボス」

凱「あぁ?」

キコ「どっちが先に案件を見つけられるか勝負して、負けた方はいう事をきくってやつですよ。私が勝った上にボスの案件も解決してあげたじゃないですか」

凱「うっ、それは...その...」

キコ「今日私たちの財布になるだけでチャラにしてあげようってんです。感謝の一つもしてほしいですよ」

マユコ「そーだそーだ!」

凱「...きみもそう思うの?」

銀「......」コクリ

凱「はぁ...しゃあねえ。約束は約束だからな」

キコ「流石ボス!それじゃ、今日はトコトン遊びつくしますよ~!」

マユコ「おー!」

銀「...おー」


7 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:33:52.38 ID:8e6G6lXq0
ガヤガヤ

「毎度あり!」

黒「」ペコリ

黒(どこか落ち着いて食える場所は...)

ベンチ「」

黒(ここでいいか)

ガサゴソ

黒「......」つ焼きトウモロコシ わたあめ 焼きそば フライドポテト から揚げ たこ焼き イカ焼き お好み焼き

猫「黒、ポテトをひとつ」

黒「駄目だ」

猫「ならトウモロコシ一粒」

黒「......」

ムシリ

猫「わたあめ一摘みか...まあいい、ありがとよ」

黒(ようやく落ち着いて食えるな)つたこ焼き



8 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:35:13.04 ID:8e6G6lXq0

「あれ、あなた...」

黒「?」モグモグ

未咲「やっぱり李くんだわ。こんにちわ」

黒「こんにちわ」

未咲「今日は一人なの?」

黒「ええ。屋台を適当にまわってるんですよ。未咲さんこそお一人で?」

未咲「私は...」

斎藤「課長、焼きそば買ってきました!」

未咲「ありがとう」

斎藤「ん?李くんじゃないか、久しぶり」

黒「お久しぶりです」

斎藤「いや~、偶然だねえ。俺たち、今日は有給とれたからこっちに来たんだ」

黒「お二人は仲がいいんですね」

斎藤「わかる?アハハハハ」

未咲「否定はしないけど...変な風にとらえないでね」

黒「?」



9 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:36:20.58 ID:8e6G6lXq0


斎藤「しかしまあ...相変わらずよく食べるね、きみ」

黒「お腹が空いていたので」

斎藤「まあ、若い内はいいけどさ、暴飲暴食には気を付けなよ?特に30過ぎたら絶対太るから」

黒「よく言われます。あっ、ついでにかき氷のお店ありませんでしたか?冷たいものもほしくなっちゃって」

未咲「まだ食べるのね」

斎藤「かき氷ならさっき向こうで見かけたけど...課長、買ってきましょうか」

未咲「いや、今度は私が買いに行く。李くんは?」

黒「僕も行きます」

斎藤「きみまだ食べてる途中でしょ」

黒「こういうのは早めにキープしておかないとなくなっちゃうんですよ」

斎藤(屋台全部コンプリートするつもりか...)

斎藤(一人で待っててもあれだし、俺もついていこっと)


10 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:37:09.49 ID:8e6G6lXq0
射的

パンッ

銀「......」

マユコ「かぁ~っ、惜しい!」

キコ「もう少し、もう少し右!」

銀「......」

パンッ

カタン

キコ「や...やったあぁ~!」

マユコ「でかしたぞ、このこの~!」

銀「......」


11 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:37:57.81 ID:8e6G6lXq0
「いや~、まさかコイツを倒しちまうとはね。はい、景品の『薔薇のモーリス柄ドロップ』3缶だよ」

凱「...普通に買った方が早くねえ?」

キコ「なに言ってんですか。これは限定品で一つ1500円はするんですよ。1000円で射的も遊べてこれも貰えるなんてサイッコウじゃありませんか!」

凱「これで1500円ってぼったくりすぎだろ...きみもそう思わない?」

銀「......」



no title


凱「...嬉しかったんだ」



12 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:38:52.75 ID:8e6G6lXq0

――――――――――――――――――――――

斎藤「確かこの辺りに...あった!」

「いらっしゃい」

未咲「味はメロンにイチゴ、それにぶどうか...」

「私のオススメはぶどうです。ぶどうの花言葉は好意や親切。あなたにはよくお似合いだと思いませんか、ミサキ?」

黒「......!」

未咲「その声...!」

ノーベンバー「どうも、ご無沙汰してます」


13 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:40:08.04 ID:8e6G6lXq0
斎藤「の、ノーベンバー11!あんたなんでこんな...」

ノーベンバー「しーっ。あまり声を荒げないで。他のお客様に迷惑になりますので」

斎藤「ぬっ...くっ」

未咲「...ノーベンバー11、なぜ屋台を?まさか、またなにか事件が」ヒソヒソ

ノーベンバー「いいえ、ただのアルバイトですよ」ヒソヒソ

未咲「アルバイト?」

ノーベンバー「それはおいおい説明しますが...あなたもスミにおけませんね」

未咲「は、はぁ?」

ノーベンバー「おや、違いましたか。私はてっきりそちらの青年とデートかと」

未咲「彼は友人よ」


14 : ◆do4ng07cO. 2015/09/20(日) 12:40:50.91 ID:8e6G6lXq0

黒「......」

黒(MI6のエージェント...なぜここに)

ノーベンバー「初めまして。私はジャック・サイモン。あなたは?」

黒「李舜生です」

ジュライ「......」ジーッ

黒「こんにちわ」ニコッ

ジュライ「...こんにちわ」


22 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:46:05.26 ID:/ImulPcJ0
―――――――――――――――

ガッ

「ぐっ...」

エイプリル「だから、大人しくあんたらが拾った財布を返せばなにもしないってお姉さん言ったでしょ?」

「う、うるせえ!女がでしゃばんじゃ」

ガッ

「ぎゃあ!つ、つええ...」

エイプリル(ったく、ジュライってば、財布を落としちゃうなんてうっかりしてるわ。ノーベンバーも『必要なぶんしか持ち歩かない主義でね』なんつってジュライに持たせたぶんしかもってこないし...)

エイプリル(そのせいであたしがこんなことしなきゃいけないのわかってるのかしら)

エイプリル「あのね...財布につけてある発信器であんたらが拾ったのはわかってんの。わたあめ位なら奢ってあげるから、早く返しな」

「へ、へへ...女に舐められてたまるかよ」

エイプリル「はぁ?...あっ」

エイプリル(反応が遠ざかってるわね)

エイプリル「...やってくれるじゃない」


23 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:47:03.17 ID:/ImulPcJ0
―――――――――――――――

ガヤガヤ

マユコ「いや~遊んだ遊んだ」

キコ「この『男の鎖骨大全集』が輪投げの景品だったのは衝撃でしたねぇ」

凱「昔は精々カードのおもちゃが関の山だったってのに、時代は変わるもんだな」

キコ「親父臭いこと言わないでくださいよボス」

凱「感傷にくらい浸らせろよ...もう財布が軽すぎて泣きそうなんだよ」

銀「...あっ」


24 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:47:49.17 ID:/ImulPcJ0
ガリガリガリ

ノーベンバー「ミサキはぶどうで斎藤さんがメロン、李くんはメロンといちごとぶどうを一つずつ、か。よく食べるね、李くん」

黒「よく言われます」

斎藤「しかしあんた、屋台でスーツなんて合わないにもほどがあるだろう」

ノーベンバー「気に入ってるんですよ、コレ。さあできた、渡してくれジュライ」

ジュライ「...おまちどう」

未咲「ありがとう」

黒(さて、どれから喰おうか...ん)


銀「......」

黒「あっ...」


25 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:48:46.32 ID:/ImulPcJ0
黒「...来てたの?」

銀「...うん」

キコ「あーっ、大飯ぐらいの鎖骨の人!」

凱「もっとマシな呼び方があるだろ!いやー悪いね少年」

マユコ(確かにあの鎖骨は...イイ!)ジュルリ

未咲「知り合い?」

黒「え、えっと、銀髪の子は僕の大学の同期です」

銀「......」ペコリ

斎藤「彼女もちだったとは、意外にやるじゃないか李くん」

黒「あはは...」


26 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:49:31.82 ID:/ImulPcJ0
ノーベンバー「お嬢さんたち、ついでにかき氷でもどうだい?お安くしとくよ」

キコ「かき氷ですかー、お金はまだあります?」

凱「い、いや~まいったなぁ、もうお金が尽きちゃって...」

キコ「どれどれ」ピッ

凱(一瞬で財布ごととられた...)

キコ「お札が一枚...なら、三人分買えますね。いちごとメロンとぶどうを一つずつください」

ノーベンバー「まいど」

凱「......」

クイッ

銀「...私があなたのぶん、買ってあげる」

凱「お嬢ちゃん...」ジーン

凱(ていうか、財布持ってるのに奢らせてたの?)



27 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:50:04.08 ID:/ImulPcJ0
タタタ

黒「?」

ドンッ

銀「あっ」

ドンッ

キコ「きゃっ」

男「どけどけぇ!」

タタタ

マユコ「てめえ、なにしやがる!大丈夫かキコ?」

キコ「あたた...なんなんですかもぉー...」

斎藤「まったく、最近のガキはぶつかっても謝りもしないのか」

銀「...あっ」

黒「どうした?」

銀「...財布が、ない」


28 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:50:40.50 ID:/ImulPcJ0
キコ「えっ?...あーっ、私のもない!」

凱「なにぃ!?そ、そこらへんに落ちてないか?」

斎藤「課長、俺たちも探しましょう」

未咲「馬鹿、違う!あれはスリだ!いくぞ斎藤!」

斎藤「は、はい」

プルルル

ノーベンバー「私だ」

エイプリル『ごめん、一杯食わされちゃった』

ノーベンバー「なに?」

エイプリル『落とした財布をガキに拾われちゃってね。いま逃げられてるとこ。あんたの方に反応が向かってるからそろそろすれ違うと思うけど』

ノーベンバー「了解、いましがたその坊やは確認できた。後は私が引き受けよう」

エイプリル『頼んだよ』ピッ


29 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:51:34.90 ID:/ImulPcJ0
ノーベンバー「そちらのジェントルマン」

凱「お、おれ?」

ノーベンバー「私はさっきの坊やに用事ができたので、代わりにうちの子と一緒に店番を頼まれてくれませんか。もちろん、お礼は弾みますよ」

凱「店番ったって...なんでまた」

キコ「まぁだ気付かないんですか。お兄さんは私の財布を取り返してくれるって言ってるんですよ!」

凱「俺の財布な」

キコ「わっかりましたぁ!久良沢探偵事務所の名に懸けて、あなたの依頼完璧にこなしてみせます!」

ノーベンバー「ありがとう。...さてと、ジュライ、きみはお留守番を頼むよ」

ジュライ「...エイプリルがいないと能力が使えない。気をつけて」ボソッ

ノーベンバー「問題ないさ。能力を使うだけが契約者じゃない、ってね」コソッ


30 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:52:45.27 ID:/ImulPcJ0
―――――――――――――――――――
境内


不良「どうだった?」

男「へへっ、この通りよ。ここに来るまでにも大量にスッてきたからな」

不良B「後はつけられてねえだろうな」

男「大丈夫だ。ここいらは俺らの庭みたいなもんだ。追ってこられるような奴なんて...」

猫「にゃぁ~お」

カツン

黒「あのー...すみません」

男「なっ!?」

黒「先程あなたがぶつかった時に、僕の友達の財布と入れ替わっちゃったみたいで...」スッ

男「お、俺の財布...!?」

黒「ですから、こうして届けに来たんですけど...」

男「舐めやがって!」ブンッ

黒「わっ」



31 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:53:36.87 ID:/ImulPcJ0
ガッ

男「っとと...避けるな!」

スカッ

男「うおっ」ドテッ

黒「だ、大丈夫ですか?」

男「んなろぉ!」

黒「わわわっ」

ブンッ サッ ドテッ

男「チッ...手伝え!」

不良「おっ、おう!」


32 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:54:18.41 ID:/ImulPcJ0
「3対1とは公平じゃあないな」

男「誰だてめえ!?」

ノーベンバー「かき氷屋の店長さ。ウチの屋台の前で問題を起こされるのは困るんですよ。李くん、及ばずながら手を貸そう」

黒「......」

ノーベンバー「さて、せっかくの祭を邪魔する坊やたちにはお灸をすえてあげないとな」



33 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 00:57:52.55 ID:/ImulPcJ0
―――――――――――――――――

未咲「ええい、どこへ消えた...」

斎藤「マズイっすね。これだけ人が多いとみつけれないですよ」

プルル

未咲「はい」

『どうも、あなたのジャック・サイモンです』

未咲「ノーベンバー11...なんの用ですか」

『先程の坊やを捕えたのでその連絡を』

未咲「!いまどこに?」

『神社にいます。この世間知らずの坊やたちをしっかり絞ってあげてください』

未咲「わかりました。すぐに向かいます」ピッ



34 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:01:06.09 ID:/ImulPcJ0
境内

不良「う、うぅ...」

男(あいつら、俺たちにほとんど手を出さずに押さえちまいやがった...)

タタッ

未咲「ノーベンバー11!」

ノーベンバー「ジャックでお願いしますよ、ミサキ」

未咲「失礼...ともかくご協力感謝します」

ノーベンバー「いえ、私もジュライの財布を取り返すことが出来ましたから」

未咲「あなたもとられてたのですか」

ノーベンバー「拾われたというのが正しいんですけどね」

未咲「李くんもありがとう」

黒「いえ、僕は大したことは...実はほとんど転んでばっかりで、ジャックさんが来なければどうなってたか」

男(よく言うぜ。攻撃にロクに当たらずに、転んだふりして俺たちを同士討ちさせたような奴がよ)

ノーベンバー「ははっ、まあこういう荒事は大人か警察に任せておけばいいのさ」

黒「あはは...」


35 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:01:37.43 ID:/ImulPcJ0
カツン

銀「......」

ノーベンバー「おや、ガールフレンドちゃんも心配で見に来てくれたようだ」

黒「...財布、返してもらったよ」

銀「......」

ギュッ

銀「...ありがとう」



36 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:02:16.96 ID:/ImulPcJ0

かき氷屋

ジュライ「...おまちどお」

女性「偉いわねえ、ぼく」ナデナデ

キコ「男性限定!先着30名様に私のコスプレ写真つきですよ!」

男性「ゴクリ...か、買いましょう」

凱「そこのお嬢さんがた、どうだいかき氷でもひとつ」

女「いまは遠慮しておきます」

女B「...ねえ、あのおじさん臭くなかった?」ヒソヒソ

女「ワキガっぽかったよねー」ヒソヒソ

凱「......」

マユコ「...どんまい、おっさん」



ヒューッ パァン


凱「...おっ、始まったか」


37 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:03:44.09 ID:/ImulPcJ0
境内

ヒューッ パァン

未咲「花火の時間には間に合ってよかった」

斎藤「いいですねえ。これぞ日本!って感じがたまりませんよ」

ノーベンバー「なるほど。こいつが日本の風流ってやつですか」

黒「......」

黒(本物の星空は見えなくなったが...こういうのも悪くないな)

銀「......」

ヒューッ パァン

銀「...綺麗」




ヒューッ パァン


38 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:04:25.80 ID:/ImulPcJ0
―――――――――――――


キコ「いやあ~、色々と楽しい祭りでしたねぇ」

凱「俺はロクな目に遭わなかったけどな。...まあ、ジャックさんが出費を補ってくれただけでもよしとするか」

マユコ「じゃあなー、銀ちゃん」

凱「少年、あんまりハシャギすぎて夜更かしするんじゃないぞ」

黒「わかってますよ」

銀「...ばいばい」フリフリ


39 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:06:30.89 ID:/ImulPcJ0
テクテク

黒「...なぜ祭りにきた」

銀「キコたちと遊びにきた」

黒「あいつらとは友達なのか」

銀「」コクリ

猫(ドールが友達と遊ぶ、ねぇ...世の中わからないこともあるもんだ)

黒「観測霊で周囲を見張ることを忘れていなかったか」

銀「うん」

黒「ならいい。祭は楽しかったか?」

銀「......」



no title





終わり


40 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:07:04.02 ID:/ImulPcJ0
おまけその1

ガサッ

黄「...なんだそりゃ」

銀「花火大会のお土産」

黄「花火大会だぁ?オメェ、自分の立場がわかってんのか?」

猫「まあいいじゃないか。楽しいかったって本人も言ってることだしな」

黄「楽しい?銀がか?」

猫「俺も少し驚いたが...以前、銀が涙を流していたところをお前も見ただろう」

銀「......」

黄「...チッ、ドールが一丁前に人様に気を遣いやがって」ボソッ



41 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:08:49.18 ID:/ImulPcJ0
翌日

黄「これが今日の任務だ」フーッ

猫「今回はずいぶんと楽な任務だな」

黒「...黄。なんだそのシャボン玉」

黄「あ?うるせえよ、おめえら契約者がんなこと気にするんじゃねえ」フーッ

銀「......」

シャボン「」フワフワ

銀「......」ニコリ


42 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:09:52.29 ID:/ImulPcJ0
おまけその2

ノーベンバー「おかげさまで助かりました」

凱「いえいえ。私も財布を取り返してもらいましたから。...それより、こんなにお礼を貰ってもいいんで?」

ノーベンバー「ええ。そこのお嬢さん曰く、あなたたちは探偵らしいですからね。依頼料としては妥当な金額ですよ」

キコ「ありがとうございますジャックさん!よーし、これでアニメ見放題ですよマユコ!」

マユコ「オー!」

凱「アホか!まずは家賃からだ。...では、私たちはこれで」

黒「僕たちも帰ります。いこう」

銀「...うん」

ノーベンバー「縁があればまたお会いしましょう」

未咲「......」


43 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:10:54.88 ID:/ImulPcJ0
ノーベンバー「おや、どうしました?」

未咲「いえ、なぜ屋台をやっていたのかまだ聞いていなかったものですから」

ノーベンバー「そういえば後で教えると言ってましたっけ。簡単な話です、ジュライが財布を落としてしまったんですよ」

未咲「は?」

ノーベンバー「かき氷を買おうとしたときに気が付いたのですが、財布がないと私たちは一文無しでね。しかし、せっかく作ってもらったのに捨てるのは勿体ない...そこで、買ったぶんは働いて返そうということになったのです」

未咲「意味がわかりませんが...」

ノーベンバー「冗談です。ジュライが財布を落としたのは本当ですが」

未咲「ならばなぜ?」

ノーベンバー「一種の社会見学のようなものですよ。この子には特に必要なことだ」

ジュライ「......」


44 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:12:25.47 ID:/ImulPcJ0
ノーベンバー「私たちは一組織の人間です。いまは常に共に行動していますが、いつ何時離れなければならない事情ができるかわかりません。そうなれば、この子も私たち以外の者と組むこともあるでしょう」

未咲「そのときのために、接客を通じて人間観察をさせていたと?」

ノーベンバー「そんなところです。流石に普通の店ではこの子をアルバイトで雇うことはできませんから。屋台なら私のツレということで誤魔化せますしね」

斎藤「ちなみにかき氷なのは...」

ノーベンバー「私の能力の関係です。一瞬で氷ができますからね。対価として煙草を吸わなければならないのが非常に難点ですが」

未咲「じゃあ、私たちが食べていたのは」

ノーベンバー「私の氷です。案外わからないものでしょう?」


45 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:13:03.12 ID:/ImulPcJ0
ノーベンバー「さて、店じまいも済んだことだし、そろそろ帰ろうか」

ジュライ「......」コクリ

ノーベンバー「お元気で、お二人共」

未咲「...お元気で」

斎藤「なんつーか、妙なやつですよね。契約者の癖に色々とフリーダムだったり、ドールを気にかけたり...」

未咲「契約者といっても、私たちと変わらない人間だということかもしれないな」


46 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:16:15.99 ID:/ImulPcJ0
駐車場

エイプリル「お勤めご苦労さん」グビッ

ノーベンバー「悪いね、手間をかけさせた」

エイプリル「本当よ。なんだか妙に疲れたわ。それで、そっちはなにか収穫はあったの?」

ノーベンバー「さてね。この経験を活かせるかどうかは今後の彼次第かな」

エイプリル「ま、そうだろうね。あたしらがいなくなった時どうするかはなってからのお楽しみってやつね」

ジュライ「......」


47 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:17:17.16 ID:/ImulPcJ0
ジュライ「いなくならないよ」

ノーベンバー「?」

ジュライ「ノーベンバーもエイプリルも、離ればなれになんてならないよ」

ノーベンバー「...そうだな。私は天寿を全うするまで死ぬつもりはないさ。契約者らしく、合理的に生きてね」

エイプリル「...ま、あたしはあんたらとずっと一緒にいる保証なんてないけど、長生きするつもりっていうのは同感だね。ただ、あんたらみたいな奴はそうそう飽きないだろうけどね」

ノーベンバー「言ってくれる」

ジュライ「......」



ジュライ「...ぼくたち、ずっと一緒だよ」ボソッ

終わり


48 : ◆do4ng07cO. 2015/09/24(木) 01:20:19.14 ID:/ImulPcJ0
終わりです。
季節外れ感はありますが、思いついたので書いてみました。
色々言われていますが、2期も面白いですよ。


51 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/24(木) 02:58:09.02 ID:5KFngWrpo

ジュライの言葉が哀愁を誘うなあ・・・
面白かったからまたなんか思いついたら書いてほしい



54 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/24(木) 16:48:34.47 ID:n+B0rdxCo
おつ、ほんわかした雰囲気でよかった
黒も銀もたまには休まないとね……


元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442719544/


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