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俺「俺の会社の応接室にヤクザがやってきた」
- 1 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:06:54 ID:3BiDVde.
- <会社>
課長「なんだね、この報告書は!?」
俺「どこか問題がありましたか? きっちり書いたつもりでしたけど……」
課長「ごちゃごちゃと色々書きすぎてて、結局何があったのかが全然分からん!」
課長「君の個人的感想など、誰も求めてないんだ!」
課長「取引先でどういうことがあったか、事実だけを書きたまえ! 事実だけを!」
俺「はい……申し訳ありません。すぐ書き直します……」
課長「まったくもう……」ブツブツ
- 2 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:09:10 ID:3BiDVde.
- 先輩「お前、また課長に怒られたのか?」
俺「はい……報告書の書き方がなってない、と」
先輩「どれどれ」スッ
先輩「たしかに……こりゃちょっとひどいな」
先輩「今までは込み入った商談とかなかったから、我流で何とかなったんだろうけど」
先輩「本とかで、ビジネス文書の書き方をちゃんと勉強した方がいいぞ」
俺「そうですね……そうします」 - 3 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:11:18 ID:3BiDVde.
- 先輩「お前たちの世代も、そろそろ同期同士でちょっとずつ差がついてくる頃だ」
先輩「あんまりぼやっとしてると、みんなに置いてかれちまうぞ」
先輩「お前がダメだと、俺の評価まで下がっちまう。もっとしっかりしてくれよな」
俺「はい……すみません」 - 4 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:13:03 ID:3BiDVde.
- 俺「よし、できた! もう一度、課長に提出しよう!」
俺「先輩、課長はどこにいますか?」
先輩「課長? 今、どっかのお客さんと応接室にいるはずだけど」
社員「た、大変だ!」 - 5 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:16:02 ID:3BiDVde.
- 先輩「どうした?」
俺「どうしたんですか?」
社員「実はさ、今応接室に来てるの、どっかのヤクザらしいんだよ!」
先輩「ええっ、ホントかよ!?」
社員「でさ、なんでも、うちの社のスキャンダルを握ってるなんて言ってて」
社員「それをネタに、法外な要求をしてるんだと!」
社員「部長と課長が相手してるけど、どうにもならないみたいなんだ」 - 6 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:18:07 ID:3BiDVde.
- 先輩「いっそ、警察呼んだらどうだ?」
社員「だけど、下手に刺激したら、かえって泥沼に……」
先輩「だけど、このままじゃ……」
俺「……」スッ - 7 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:20:32 ID:3BiDVde.
- 給湯室――
俺「あ、それ応接室に持ってくコーヒー?」
女「うん、だけど怖い人が来てるんでしょ? できれば、イヤなんだけど……」
俺「だったら俺が持ってくよ」
女「え、ホント? ありがとう!」 - 8 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:24:19 ID:3BiDVde.
- 応接室――
ヤクザ「ったく、分からねぇ奴らだな!」
ヤクザ「だから、おたくらのスキャンダルのことを黙っててやる代わりに」
ヤクザ「うちの息がかかってる企業に、おたくの製品を入れてくれりゃいいんだよ!」
課長「しかし……こんな条件では、とても受けられませんよ……」
部長「ええ、大赤字になってしまいます……」
ヤクザ「あぁん!? 今すぐ会社が大ダメージ受けるよりは、マシだろうが!」 - 9 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:27:24 ID:3BiDVde.
- 俺「失礼いたします。コーヒーをお持ちしました」ガチャッ
課長「ん……なんだ、君か」
ヤクザ「あぁん!? だれだ、こんな時に――」
ヤクザ「!?」ギョッ - 10 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:30:07 ID:3BiDVde.
- 課長「悪いが、今取り込み中なんだ。すぐに出ていきたまえ」
俺「……」スタスタ
俺「ところで、そちらの方に質問なのですが」チラッ
ヤクザ「!?」ギクッ
課長「なっ!?」
部長「コ、コラッ! なにをしとるんだ、君は! 下がりなさい!」 - 11 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:33:30 ID:3BiDVde.
- 俺「弊社には、どのようなご用件でいらしたのですか?」
課長「お、おいっ! 君の出る幕は……!」
ヤクザ「いや……あの……えぇと……」オドオド
課長&部長(え!?) - 12 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:35:23 ID:3BiDVde.
- ヤクザ「あ、あの……なんであなたが、ここに……?」
俺「は? 私はただの会社員ですよ。あなたのような知り合いはおりませんが」
ヤクザ「えっ……あっ、そ、そうですよね!」
俺「やだなもう、しっかりして下さいよ! アハハハハ!」
ヤクザ「ア、アハハ……ハハ……」 - 13 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:38:30 ID:3BiDVde.
- 俺「あ、そういえば……」
ヤクザ「な、なんですか?」
俺「肋骨と……あと右腕はもう大丈夫ですか?」
ヤクザ「……!」ゾクッ
ヤクザ「ひゃ、ひゃいっ! だ、大丈夫ですっ!」
俺「そうですか。それはよかった」
俺「それでは改めてもう一度うかがいましょう。弊社にどんなご用件が?」
ヤクザ「あ……いや、その……」 - 14 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:42:19 ID:3BiDVde.
- ヤクザ「あ、あのっ! 部長さん、課長さん!」
課長&部長「は、はいっ!」
ヤクザ「さっきまでのお話……えぇと、なかったことにして下さい……えへへ……」
課長&部長「ええっ!?」
ヤクザ「それじゃ失礼しますっ!」タタタッ バタンッ
シーン…… - 15 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:45:55 ID:3BiDVde.
- 課長「あの……君はいったい……?」
俺「課長!」
課長「はいっ!」
俺「あとでもう一度、報告書を見てもらいたいのですが、よろしいでしょうか?」
課長「あ、ああ、もちろんだよ! ハハ……ハ……」
俺「それでは、私も失礼します」バタン… - 16 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:48:13 ID:3BiDVde.
- 俺「課長、いかがでしたか?」
課長「いやぁ、もうバッチリ! 素晴らしい! 最高の報告書だったよ!」
俺「はぁ、どうも……」
俺(会社の役に立てたのは嬉しいけど、なんだかやりにくくなっちゃったなぁ……)
おわり - 17 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 20:48:51 ID:3BiDVde.
- 以上、私がよくやる妄想をお送りいたしました
- 19 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/10/04(日) 21:41:27 ID:AvE7exnw
- なんかもう清々しさすら感じる妄想だった乙

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