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にこ「居場所がない……かも」
- 1 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 19:12:19.68 ID:xZey0DUy0.net
- あ、まただ。
μ'sの中でいらない子かもって。
そう思った。
別に嫌がらせされているとか
ハブにされているとか、
そんなことは全然なくて。
例えば海未ちゃんだったら
作詞もできてる上に園田道場のお嬢様っていう
ブランドがあるけれど。
でもニコは、
家も貧乏だし、
できることとしたらヘアアレンジくらいだし。
μ'sの役に立ってるのかなって考えれば、
うーん微妙って感じじゃない?
アイドルマニアな一面も
花陽ちゃんとかぶるし。
どうしよ。
涙が出てきそうになっちゃった。
- 5 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 19:22:52.05 ID:xZey0DUy0.net
- 「どうしたん、にこっち」
のぞみんに話しかけられる。
どこがとは言わないけど、
ニコには持ってないものを持っている。
歩くたびにたゆんと自己主張するそれは
オトコノコが見たら一瞬で見とれちゃう。
オンナノコのニコニーだって、圧倒されちゃうんだもん。
「あ、ううん、何でもないよ」
「そう? なんだか寂しそうに感じたから」
「寂しくなんかないよ、楽しいよ……」
スピリチュアルパワーでニコの考えていることが分かるのかな?
それ、なんていうニュータイプ?
心配をかけたくないから嘘をついてやり過ごそう。
「ああでも、ちょっと昨日は夜遅くまでDVD見てて、眠いかも」
「あんまり夜更かししたらアカンよ、ニコっちはただでさえちっちゃいもんなあ」
ズキッと来た。
「そ、そうかなあ、ニコニーよく分からないけど」
「エリち眺めて溜め息吐いてるの見たことあるけど」
「ぐ、偶然じゃない?」
「ニコっち」
「な、なに?」
「悩みごとがあるんなら正直に言い、吐き出すことですっきりすることもあるよ?」
「い、嫌だなあ、悩みなんてナイナイ、ニコニー元気だよ!」 - 6 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 19:33:20.08 ID:xZey0DUy0.net
- のぞみんをなんとかやり過ごして、リーダーシップを
発揮してる穂乃果ちゃんのもとに向かう。
「だから、ここは一回転してハトのポーズ!」
穂乃果ちゃんのそのポーズは鳩じゃなくて荒ぶった鷹でした
いいや、荒ぶった鷹を見たことがないからわからないけど。
でもだいたいそんな感じ。
「ありえません却下です、なんですかそのポーズはギャグで言っているのですか?」
「えーっと、ことりはいいと思うなあ、穂乃果ちゃんらしくて」
二年生三人組のちょっとだけ熱い話し合い。
提案する穂乃果ちゃんに、拒否する海未ちゃん
そして、基本穂乃果ちゃんに同意することりちゃん。
「穂乃果ちゃん、そこは一回転じゃなくて、ターンって言ったほうが格好いいよ」
「ほんとだ! ニコちゃんありがとう!」
「ありがとうではありません、ターンも鳩のポーズも無しです!」
「え~」
ちょっとくらい幼稚園の遊戯みたいなのもあってもいいのにね、くすくす。
一通り3人のコントみたいなやり取りを眺めたあと、
今度は一年生組と、絵里ちゃんが新しい曲のセンターについて
揉めに揉めていた。 - 8 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 19:47:39.02 ID:xZey0DUy0.net
- 「だから、私こそがセンターにふさわしいって言ってるじゃない!」
そう怒った声を上げるのはマッキーこと西木野真姫ちゃん。
西木野総合病院の一人娘にして、μ'sの作曲家でもあるお嬢様。
いまだにセンターが取れないから……というのはニコ達の中での禁句。
「でも実際、曲作りも全部任せてしまっているのに、その上センターとなると負担が大きいわ」
そういうのは絵里ちゃん。
オトノキの生徒会長にして、金髪クォーターのオンナノコ。
いや、絵里ちゃんに対して、子っていうのはおかしいかも。
希ちゃんに次ぐバストサイズにくびれたウエスト
キュッと上がったおしりでモデル事務所からも声をかけられたり。
純和風のニコニーとしては、日本の底力を見せるべき
っていうところなのかもしれないけど。
でもごめんなさい。
日本人形とマトリョーシカでどっちがおみやげに人気かって言ったら
きっとマトリョーシカだと思うの。
「ここで颯爽と凛が意見するニャ!」
「はわわ! 凛ちゃんは静かにしてようよぉ」
「センターはかよちんがいいと思う! ねーえー、どう、絵里ちゃん!」
凛ちゃんの発言に、絵里ちゃんは頭痛を感じたのかこめかみを押さえる。
ニコも、ちょっと耳を塞いでおかなくっちゃ
「わ、私がセンター!? そ、そんなことできないよ! ダレカタスケテー!」 - 10 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 19:59:44.31 ID:xZey0DUy0.net
- 花陽ちゃんの大声が部室に響き渡る。
「ほら、花陽ちゃんも無理って言ってるじゃない、やっぱり私こそが――」
「だったら、凛がセンターで踊るニャ!」
「ふさわしい、って! 途中でセリフを被せないでよ!」
「はいはい二人ともちょっと静かに」
女三人集まればかしましいなんていうけど、
ここには9人ものオンナノコがいるんだから、
騒がしくて当たり前だよね。
「まあまあ、みんな落ち着くニコよ」
「ニコ……なにか名案でもあるの?」
絵里ちゃんがジト目をしてニコを見てくる。
いやーん、そんなトラブルメーカーを見るような目で見ちゃいや。
「センターは可愛くて、みんなの注目が集まる女の子が良いニコ」
「そうよ、だから私が!」
「まあまあ、マッキー、話は最後まで聞くニコ」
「う……そうね」
「これは絵里ちゃんの力も借りなきゃいけないけど……その名も第一回μ'sセンター争い総選挙!」
「却下」
「え~」
いい案だと思ったんだけどなあ。
でもまあ、貧乏高校で選挙をするには紙も時間ももったいないか - 13 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 20:09:01.37 ID:xZey0DUy0.net
- 部室内でのニコの定位置に座ってμ'sのみんなを眺める。
うん、みんなかわいい♡
可愛いだけじゃなくて個性もある。
穂乃果ちゃんはそのリーダーシップ
ことりちゃんは衣装作りの器用な指先
海未ちゃんは圧倒的な語彙から生み出される多彩な詞
絵里ちゃんは日本人離れしたスタイルと美貌。
希ちゃんは圧倒的なバストと不思議な魅力。
凛ちゃんは類まれな運動神経と明るい笑顔。
花陽ちゃんは柔らかほっぺとアイドルマニアの意外性
マッキーは幼少時からピアノを嗜むことでできる作曲力。
その中でニコだけが、
ニコだけがなんにもない気がしてならないの。
みんな仲の良いμ's
それはほんとうに楽しいし嬉しい事なんだけど。
自分の居場所が、ない気がして。 - 16 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 20:37:29.24 ID:xZey0DUy0.net
- きっとこんなことを考えてしまうのは、
先月とあるオーディションに落選したのがきっかけだろうなって思う。
別にニコにはよくあること。
学費の面で無理だったUTXしかり、
本科の子が選ばれた件しかり。
有名になったアイドルだって、下積み時代に
涙を呑んだことなんていくらでもあると思う
だからオーディションで落ちたくらい、なんともないのだ。
でもね。
ニコは本気でアイドルを希望しているんだ。
ここがみんなとは違うところ。
スクールアイドルだけじゃ満足できない。
そう思ってしまったんだ。
その瞬間に心に穴が開いたみたいになって
みんなといる時間は楽しいし、スクールアイドル活動に
何の不満もないけど。
ニコの目指しているものが、μ'sでは叶えられないって
わかりはじめちゃったから。 - 18 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 20:47:21.78 ID:xZey0DUy0.net
- ああ、失礼な気持ちだなって本当に思う。
みんなは真剣にアイ活で廃校を阻止しようって頑張ってる。
その中でニコだけが、μ'sの活動って意味があるのって考えてる。
こんなことマッキーに言ったら、
「だったら一人でアイドル活動していれば?」
なんて言われちゃうかも。
マッキーはああ見えて優しいからそんなこと言わないかもだけど。
ただね、大病院とは言わない、それでも普通にお金持ちと言える
家庭に生まれていたら、音ノ木坂に入っていなかったら、
UTXに入学できていたら、うぬぼれじゃなくてA-RISEに入れる自信があったよ
ううんそれだけじゃない。
もしかしたら研究生になってそこから芸能界にレビューして、
堀越似通うようなアイドルにだってなれる自信がある。
でも結局は机上の空論。
ニコは音ノ木坂に入っているし、
アイ活だって2年間は頑張ってこなかった。
私を変えてくれた穂乃果ちゃんたちみんなに感謝をしなきゃいけない立場なんだけど。 - 19 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 21:01:26.25 ID:xZey0DUy0.net
- 「ニコちゃん! ニコちゃん!」
考え事をしていたら、呼びかけられていることに気が付かなかった。
「ごめんごめん、穂乃果ちゃん、なあに?」
「なあにじゃないよ、なんだか怒った目をしてたからびっくりしたんだよ」
「あは、ニコニーはアイドルだよ? 怒った顔なんてするわけないじゃない」
「そう? 見間違いかなあ?」
いけないいけない。
考えていることが顔に出るようじゃアイドル失格だ。
にこにーにこにーにこにこにー
心のなかに念じる。
だってにこの名前にはニコニコ笑顔でいられるようにって願いが込められたんだから。
「にこっち、やっぱり悩み事あるやろ?」
「のぞみんしつこーい、話題が古いぞー」
「えーい、言わないとワシワシするぞ!」
「きゃーん、のぞみんセクハラー」
言っちゃ駄目、こんな気持ち言っては駄目なんだ。
今だけは……せめて卒業するまではスクールアイドルのニコニーでいなくちゃ。
でなくちゃ、今度は本当に、ひとりぼっちになってしまう。 - 20 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 21:16:52.18 ID:xZey0DUy0.net
- 「ほーらワシワシー」
「きゃあ、くすぐったぁいー」
「ほらほら、なんで悩んどった、そろそろ白状せえへんと、MAXパワーでいくでー」
「わかった、わかったから!」
なんて恐ろしいのぞみんの必殺技。
でもニコニーの話術も恐ろしいニコよ?
嘘つくくらい簡単にしちゃうんだから。
「でもここじゃ言えない、ふたりきりならいーよ」
「そうやね」
「えー二人共何の秘密の話ー?」
ニコ達の間にぴょこんと顔を出す凛ちゃん。
かまってかまって~と自己主張をする猫ちゃんみたいで可愛い
「3年生の秘密の話題なら分かるやろ?」
「えー、凛にはさっぱりだよー」
「受験や」
「受験! 受験は嫌だぁ……勉強嫌い!」
さっと身を翻して逃げる様子はまるで猫(略
「ささ、行こか」
「ちょっとみんなゴメンね、希ちゃんがどうしてもニコニーとお付き合いしたいって言うから」
「ワシワシするよ?」
「さ、それでは行くでありますか、希大尉!」
みんなの行ってらっしゃいの声がかかる。
なんとなく後ろめたい気がするのは、嘘をつくためだから?
それとも…… - 21 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 21:29:54.74 ID:xZey0DUy0.net
- 屋上へとやって来た。
ほんのりと夏の香りを残す時期で、
ニコの長袖じゃちょっと汗ばんでしまいそうなこの季節。
「で、悩んどるんやろ?」
「そうだね」
「最初からそうしとけばええのに」
のぞみんはそう言って溜息をつく。
この感じだとニコの様子がおかしいと思い始めてしばらく経っている
と見当がついた。
だけどその手には乗らないよ。
こっちは百戦錬磨のオーディションレディ(ただし落選続き)
セクハラ気味の質問だって笑顔で答えるのもアイドルなんだから。
「ねえ、のぞみん、生まれ変わったら何になりたい?」
「……はい?」
「ニコはね、お金持ちになりたい。すっごい裕福なお家」
「ニコっち」
かかった!
「お金があれば毎日しらすチャーハンなんてメニューでなくて済むし
イチゴだってももだって十分に買ってあげられる
何不自由なく過ごせる裕福なお家に生まれ変わったらなりたい」
「それが悩みなん?」
のぞみんは呆れ顔だ。
しめしめ、信用しているぞ。 - 22 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 21:42:59.67 ID:xZey0DUy0.net
- 「そうよ、悪い?」
「まあ、人それぞれだからええけど」
「じゃあ、今度はのぞみんの悩み事を聞いちゃおうかなー?」
まてまて、なんかニコらしくないぞ。
こんなハイテンションで相手のことを根掘り葉掘り聞くなんて
矢澤にこ、きみはそんなはしたない女だったかね?
なーんて。
「ウチかあ……あんまりグジグジ考えたりはせえへんなあ」
のぞみんのその言葉がぐさっと背中に刺さった気がした。
ニコときたら最近うじうじと悩んでばかりいるのだ。
「まあ、一ヶ月も悩むような悩みはないんやけど」
……ニコの悩み、気づかれてないよね?
スピリチュアルパワーで心を読んでいたりとか?
あはは……まさかね。
「でもしいて言うなら一つあるよ」
「へえー、なに?」
「友達だと思ってた女の子に嘘をつかれていること」
「……なに?」
嘘、バレてたー! - 26 : 明日残ってたら続き書きます(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/30(金) 22:14:30.05 ID:xZey0DUy0.net
- 「誰とはいわんけど……悲しいなあって思うわ」
「へ、へー……そうなんだ……」
「にこっち、ウチは口が固いよ」
「な、なんのことだかさっぱりわからない」
あ、駄目だ、って思った。
このままじゃ、のぞみんに全部言ってしまいそうだなんて思った。
こんな最低な気持ち、言えるわけが……
「にこっち、どうしても信じてくれへんの?」
「だって、だって言ったら嫌われるもの! こんな最低な気持ち!」
ついに言ってしまった。
「嫌う? いいやそんなことはないよ、どんなことを言われたってウチはニコっちが好きや」
「ねえ、部活中、自分の居場所が無いなあって思ったことがある?」
「居場所? ううん、無いけど」
「じゃあ、自分には個性がないなって思うときは? 劣等感に溺れたことは?」
「ニコっち……」
「スクールアイドル活動に意味が無いんじゃないかって、そう思ったことは……?」
のぞみんの目が見開く。
これは言ってはいけない事なのだ、それくらい分かっていたはずなのに。
ニコ達の草の根のスクールアイドル活動。
穂乃果ちゃんが主役になって突き進んできたニコたちだけど
廃校阻止のために力になっているかはまだ未知数な部分がある。
だけど必ず廃校を阻止するんだ、その強い意志で今まで活動をしてきた。
その意志を根本から疑問に思っているような言葉を、言ってはいけなかったのに、
「ニコっち、聞いてええかな」
「何でもご自由に」
「ウチラの活動が意味が無いってなんで?」
「ニコはアイドルになりたいの、ブログにもそう書いてる
子供の頃からの夢であり、必ず叶えなくちゃいけない夢
でも、そのためにμ'sを続けていていいの?」
「それは……」
「ひょっとしたら大学生になっていっぱいバイトをして
それでオーディションや劇団に参加してた方がいいんじゃないの?」 - 31 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/31(土) 09:20:38.10 ID:cw7O45b50.net
- 「μ'sが大好きだからこそ、それを足がかりにしてアイドルになろうとか
穂乃果ちゃんたちに失礼なんじゃないの?」
「ニコっち、そんなことを考えてたん……」
「幻滅した?」
「正直幻滅した」
周りの温度が一気に下がった気がした。
でもこれは自業自得。
いけない思いを抱えていたニコが悪いんだ。
「なんでそない大事なことを相談してくれへんの?」
「え……?」
「ウチら友達だと思ってたんやけどなあ、残念やなあ」
「え、え?」
意味がわからない。
それってつまりどういうこと?
のぞみんは怒った顔を作りながら口を開く。
「ニコっちはμ'sを利用している自分が嫌いで、そんな自分がμ'sにいてもいいのかって思い始めた」
「……」
「でもそれって悪いことなんかな?」
「悪いじゃない、μ'sを利用しているのよ」
「ううん、ウチは悪いことだとは思わない」
「そんな絵空事……」
「ちょっと昔話でもしよか」 - 32 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/31(土) 09:41:16.54 ID:cw7O45b50.net
- 「昔、ウチが転勤族の両親に連れられてあちこちの学校に転校を繰り返した頃
といってもそんなに昔じゃないね、高校生までだから
色んな所に行っていつも一人で、友達なんてものを作ったのも
音ノ木坂に来てからのエリちが初めてやった」
「のぞみん……」
「エリちの友達として二年ほど過ごして、それはそれで悪くない生活やったよ?
クラスメートとも仲良く出来たし、うちのスピリチュアルパワーで占いもできたし
有名な神田明神でアルバイトもできたしね」
「うん……ニコも、今よりじゃないけど楽しかった」
「穂乃果ちゃんたちに誘われて、μ'sに入って、一気に生活が華やかになったん
友達以上の関係の仲間に囲まれて、一生懸命踊って歌って
でもたまに思うん、ウチはμ'sに必要なのかって」
のぞみんは唇を噛みつらそうな顔を見せる。
そんなことを考えてたんだ……だったら相談……
できないか、ニコと同じ気持ちなら。
大切に思っているからこそ、相談できないことってあるよね。
「うちは必死で考えたん、エリちのサポートをするために入って
それからメンバーのお手伝いさんからメンバーの一員になるまで
占ってみたりもしたよ、特に穂乃果ちゃんとウチの相性とかな~」
「相性はどうだったの?」
「それはええんや、大切なのは、動くことや」
動くこと……か。 - 33 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/31(土) 10:02:28.20 ID:cw7O45b50.net
- 「一人でうじうじ悩むくらいなら動く
ニコっちはブログの運営も、みんなのヘアアレンジも
いざっていうときの精神的支柱としても活躍の機会があるやんか」
「精神的支柱って、そんな御大層な」
「本当や、大切なところでニコっちの
奇想天外奇天烈な意見が出ると安心するんや」
「……それ褒めてるの?」
「みんなはアイドルとしての自覚も知識もまだまだやから
ニコっちが教えられる部分がたくさんあると思うよ」
「ニコの悩み、はぐらかされてない?」
「さてなー、でも一人で百面相をしているよりずっとマシや」
百面相って……でもさっきも穂乃果ちゃんに怒ってるって聞かれちゃったし。
いつも笑顔でいるのがお約束のニコニーがそんなふうに見られていたなんて、
ちょっとショックどころじゃないよぉ。
「でもま、吐き出せばすっきりするやろ?」
「まあ、ね」
「解決はしてないけどね」
「ちょ、それを言ったらダメでしょー!」
二人で笑い合う。
そうか、これでいいんだ。
悩み事は今解決しなくてもそれでいい。
いつか解決するかもしれないし、忘れてしまうかもしれない。
解決しないでうじうじ悩むよりも、動いて忘れちゃうほうがそれでいい。
「ほな、そろそろ出てきたらどうや? μ'sの皆さん」
そう言ってのぞみんがドアを開ける。
するとみんながバタバタと倒れこむように出てきた。
「えー……」
ニコは思わず呻いた。 - 34 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/31(土) 10:26:50.89 ID:cw7O45b50.net
- 「ニコちゃん、悩んでいるなら穂乃果に言ってくれれば良いのに!」
「そうだよニコちゃん、ことり、もっとニコちゃんの意見を尊重するね」
「悩み事はみだりに言うことではありませんが、相談に乗るくらいは私にもできます」
「花陽はアイドルとしての知識もまだまだだから、もっとにこちゃんに教えてほしいです!」
「凛もいつでも相談にのるニャ!」
「ニコちゃん、何ならまっきまっきまー、やってあげてもいいのよ?」
「こらー下級生ズ! 好き勝手言ってるなー!」
ニコはおもわず声を上げる。
最後のマッキーあたりなんて言うことがなくて適当になってきてるし!
でもこれがニコの枠? 芸人枠じゃない……。
「ニコ」
「なあに、絵里ちゃん」
「μ'sは九人揃って初めてμ'sなの、誰が欠けても、増えてもダメなのよ
私たちは廃校を阻止するために立ち上がり、一蓮托生の仲間になった」
「……うん」
「だったらもう、分かるでしょ? ニコ」
「えー、それだけじゃ分かんなーい」
みんながずっこける。
そうだ、ニコの立場はこれでいい、ちょっぴり天使で小悪魔のニコニー枠。
誰にもこの立場は渡さないニコよ、きししし。
「もう、せっかく決まったと思ったのに!」
「絵里ちゃんはもう一言が足りないんだよー、ニコニーからのアドバイス!」
「あ、こらー、逃げるなー!」
ニコニーはダッシュ! ダッシュ!
走り続けながら笑顔になる。
楽しい、楽しいよ! μ'sの活動はとっても楽しい!
あはははは! あはははは! 思わず笑い声を上げてしまいそう! - 35 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ (ワッチョイ d9b7-l1cv) 2015/10/31(土) 10:27:03.53 ID:cw7O45b50.net
- おわり
- 36 : 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ (ワッチョイ 19e0-l1cv) 2015/10/31(土) 10:31:05.57 ID:37hbxSgP0.net
- 乙
面白かった - 37 : 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ (アウアウ Sabe-YKLR) 2015/10/31(土) 10:54:27.57 ID:pLmg21+va.net
- 素敵。乙!

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