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サンド「ダ、ダメだよグレイシア。そこ、おしっこ出すとこだよ……?」
- 1 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:10:40.958 ID:4EKULudY0.net
- 「やっときたわね。おそかったじゃない」
グレイシアは、やってきたサンドを見るなり不機嫌そうに言った。
『あんたにちょっと話があるからあとで川辺にきて。――いい? 絶対にきなさいよ。もしこなかったら全身こおりづけにして川に突き落とすからね』
そうおどされて彼女がまっている川岸に渋々やってはきたものの、すぐに引きかえしたくなった。
振りかえった彼女は明らかにご機嫌ななめの顔つきをしていたからだ。
ものすごく嫌な予感がする……。
が、きびすをかえそうものなら間違いなくれいとうビームを撃たれるので、背中を見せるわけにはいかない。
サンドはグレイシアから少し離れたところで立ちどまり、おずおずとたずねた。
「あの……話ってなに?」
グレイシアは眼をすっと細めてサンドをにらみつける。
氷のように冷たい眼つきだった。
思わず眼をふせる。
「その前になにか言うべきことがあるんじゃないの?」
「えっ?」
視線をグレイシアに戻す。
- 3 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:12:14.012 ID:4EKULudY0.net
- 「えっ? じゃないわよ。まずあたしに言うことがあるでしょうが」
言うこと?
「えっと……えっと……」
グレイシアをちらちらうかがいながら必死で考える。
言うことってなんだっけ。えっと……えーっと……わかんない。
グレイシアはやれやれとため息をつく。
「はぁっ、あんたってやっぱりサンドよねぇ。ほんとにわからないの?」
こういうのって焦れば焦るほどなにも思い浮かばないのはどうしてだろう?
なにも答えられずにいると、グレイシアは呆れた様子で言った。
「おくれてやってきたくせになんの一言もないわけ? どれだけまったと思ってんのよ」
そう言われて、彼女に謝っていなかったことに気がついた。
難しく考えすぎていたらしい。
「ご、ごめん。おくれてごめんなさい……」
あわててぺこりと頭をさげたが、グレイシアは容赦なく詰問してくる。 - 4 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:13:47.321 ID:4EKULudY0.net
- 「一体今までなにしてたの?」
「ごしゅじんと一緒にいた……」
「あ、そう。どうしてすぐにこなかったの?」
「中々抜け出すことができなくて……」
うそじゃなかった。
飼い主であるごしゅじんの眼を盗んでここまで足を運ぶのは、実際かなり大変なことだったのだ。
「ちょっくら用を足してくる」と言ってごしゅじんが家に戻ったその隙に抜け出してきたのだった。
グレイシアはせせら笑った。
「マスター、あんたのことすこぶるかわいがってるもんねぇ。今ごろあんたのこと探し回ってるんじゃないかしら? ま、あんたみたいな軟弱がいなくなったところで旅に支障はないだろうけど」
「……」
なにも言いかえせず、うつむいて黙りこむ。
気が強いグレイシアとは対照的に、サンドは昔から内気な性格だった。
野生だったころはそれが原因でいじめられることなどしょっちゅうだったし、村八分にされることもあった。
嫌なことをされても一切抵抗せず、身体をまるめてひたすら耐えていたことは言うまでもない。
1匹でさみしく砂遊びをする日々が続く中、たまたまやってきたニンゲンに「かわいいから」という理由で捕まえられ、やっといじめから解放されると安堵していたけど、あまい考えだった。
ヒトのポケモンになったらなったで今度はこのグレイシアからひどい仕打ちをうけるので、結局は野生のころとなんらかわらない日々が続いていた。
この気弱な性格をなおさないかぎり、この先ずっといじめられる。
そう思っていくらか努力はしてきたけど、性状というのはそう簡単にかえられるものではないのだ。 - 5 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:15:55.022 ID:4EKULudY0.net
- 「で? マスターのせいでおそくなったって言いたいの?」
「いや、そういうわけじゃ……」
「聞こえない。うつむいてしゃべるのやめてって前に注意しなかった?」
「……ごめんなさい」
「謝っときゃ許してもらえると思って。あんたのそういうところがナマイキなのよ」
グレイシアは口を大きくあけて、冷たい息をサンドに吹きかけた。
全身に強烈な寒気が襲いかかる。
とっさにうずくまったけど、彼女はそんなサンドを面白がってさらに冷気を浴びせてきた。
「や、やだよ、やめてよぉ……」
冷気は苦手だし、大っ嫌いだ。
「毎日浴びてんだからいい加減慣れたでしょ?」
「慣れないよ……。やめてよ、お願い……」
「ふん。だったらもっと大きな声で話しなさい。次またボソボソしゃべったらアイスボールにするからね」
グレイシアは吐き捨てるように言うと、トコトコとサンドに歩み寄った。
サンドは2、3歩後ずさったが、すぐに2匹の距離は縮まることとなった。
……なにもされてないのに自然と身体がブルブルする。
彼女の周りにひんやりした空気が漂っているからだ。
もちろんそれだけじゃなく、こわいからってのもあるけど。
間近までやってきた彼女は真顔で質問を繰りかえした。 - 6 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:18:25.722 ID:4EKULudY0.net
- 「で、なんでおくれたの?」
「だから……その……」
口がうまく動かない。
でもなんか言わなきゃまた怒られる。
なるたけ口を大きく動かしたが、それでもグレイシアは聞き取れていないようだった。
「あんたってドM? それともあたしを挑発してんの? そんなにカンゴリしたいならあられでも降らしてやろうか?」
「ま、まって! ちゃんと言うから……。えっと、その……ごしゅじんがボクのことをずっと見てたから……中々その場を離れられなくて……」
「やっぱりマスターのせいにしてるじゃない」
どう弁明しろというのだろう。ニンゲンのせいで抜け出せなかったのは事実だし、グレイシアだってそのことは絶対にわかっているはずなのに。
でも口答えする勇気も度胸もなかったし、納得のいく説明ができそうにもなかった。
ちらりとグレイシアを見やると、しかめっつらでこっちを見ていた。
「なにか言いたそうね。なに?」
「……なにも、なぃ」
だんだん声が小さくなっていく。
「あー、あんたといるとほんっとイライラする。不快指数が上昇してく一方だわ。もっとはっきりしゃべりなさいよ」
「……ごめんなさい」
「ったく、情けないったらありゃしない。謝ることしかできないわけ?」
視界が涙でぼやける。
ただうまく言えないだけなのに、なんでこんなに責められなきゃいけないんだろう。
好きでこんな性格に生まれたわけじゃないのに。 - 7 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:20:02.570 ID:4EKULudY0.net
- 「あんた、オスでしょ? オスがメス相手におじけてどうすんのよ。そんなんじゃいつか好きなコができたとき困るわよ。もっとしっかりしなさい」
「……」
「またそうやって黙りこむ。あんたにはプライドってもんがないの? 悔しいとか思わないの?」
もちろん、悔しいという気持ちはある。言いかえせるものなら言いかえしたい。
でも勇気を出して踏み切ったってどうせ「なにたてついてんの? サンドのくせにナマイキよ」だの「あんた風情があたしに口答えするなんて100年早いのよ」だの言われるにきまってる。
言っても言わなくても、どのみち咎められることにかわりはない。
それならなにも言わない方がマシだ。余計な怒りをかわずにすむんだから。
うつむいたまま押し黙っていると、グレイシアは呆れて怒る気もなくしたようだった。
「時間のムダだからもういいわ。あんたにまともな返答を期待したあたしがバカだったようね」
「……ごめんなさい」
「いちいち謝らなくていいわよ、うっとうしいから。それより、なんであたしに呼び出されたかわかってる?」
「……ボクに話があるから」
「ええ、そうよ。どういう内容かはわかってる?」
黙って首を横にふる。
「でしょうね。あんたを今日ここに呼び出したのは、最近のあんたとマスターとのことで話がしたかったからよ」
「……?」
彼女の言っていることはよくわからなかった。
涙をぬぐって顔をあげると、グレイシアは妖艶な微笑みを浮かべていた。 - 8 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:21:34.562 ID:4EKULudY0.net
- 「なにもわからないって顔してるわね。そりゃそうでしょうね。あんた、にぶそうだし。純情って言った方が正しいかしら。まあマスターはあんたのそういうところを愛らしく感じてるのかもしれないけどね」
貶されているのかほめられているのかどっちなんだろう?
サンドは思いきって、そしてできるだけ大きな声でたずねた。
「あの……ボクとごしゅじんの話ってどういうこと?」
「それは今からゆっくり話すわ。でもただ話すだけじゃ味気ないし、あんたもただ聞いてるだけじゃつまんないだろうから……」
グレイシアは一旦そこで言葉をきると、サンドに詰め寄った。
おのずと及び腰になる。
「な、なに?」
「相手になってもらうわよ」
「あ、相手……?」
おびえた眼で聞きかえすと、グレイシアは口元を歪めて笑った。
「ぶっちゃけるとね、話なんてついでよ、つ・い・で。なにも言わずに貞操を汚すのはさすがにかわいそうだなって思っただけよ」 - 10 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:27:01.165 ID:4EKULudY0.net
- 彼女の言っていることはますます意味不明だった。
話をするために呼び出したって言っていたのに、その話がついで? じゃあここに呼んだ本当の理由って一体……?
真意をつかみかねるサンドにむけられたのは思いもよらないセリフだった。
「あんたで遊びたいのよ、あたし。でも勘違いしないでよ。あたしは別にショタコンじゃないし、ましてや地味で泣き虫のあんたなんかタイプじゃないの。けど他に相手もいないからこの際あんたでもいいわって思っただけ。
別に好きこのんであんたを選んだわけじゃないからね。もっかい言うけど勘違いしちゃダメよ?」
勘違いするなと言われても、そもそも話が抽象的すぎてなにを言っているのかさっぱりわからない。
「あの、どういう――」
グレイシアはサンドの言葉をさえぎって一気にまくし立てた。
「余計なことは考えなくていいの。コトがすんだら解放してあげるからそれまであたしに服従してればいいの。どうせ誰かの言いなりでしか行動できないあんたにはそれがお似合いよ」
歯に衣きせぬ口つきは今に始まったことではないが、今のはものすごく嫌味な言い方だった。
でもなにも言いかえすことはできなかった。
「嫌とは言わせないわよ。そもそも原因はあんたにあるんだから」
「どういう……こと?」
彼女が言いおわってすぐに聞きかえしたが返答はなかった。 - 11 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:28:34.982 ID:4EKULudY0.net
- ――原因はボクにある?
グレイシアの言っていることは相変わらずちんぷんかんぷんだったけど、1つだけはっきりしていることがあった。
彼女の言う“遊び”というのが普通の遊びではないということだ。
グレイシアの表情を見ればそのくらい、幼いサンドでもわかることだった。
「さっ、遊びましょ。サ・ン・ド・ちゃ・ん」
グレイシアは突然前足をあげてサンドに寄りかかると、一気に全体重をかけた。
驚くヒマもなく、サンドはそのまま後ろに押し倒された。
彼女は仰向きになったサンドのお腹にまたがると、ぐっと顔を近づけた。
「えっ? えっ?」
困惑するサンドにグレイシアは微笑みかける。
――思わず息をのみこんだ。
抵抗したら絶対に許さない。どことなくそんな迫力がこめられていたからだ。
こわい、たまらなくこわい。
そう思うからか、夕陽に照らされた彼女の笑顔はものすごく不気味に見えた。
「な、なにするの?」
恐怖と寒さで身体だけでなく声までふるえていた。
背中が特に冷たく感じるのは、地面の土がこおりつつあるからだろうか?
グレイシアはサンドに顔を近づけたまま言った。 - 12 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:29:37.ウンコ ID:4EKULudY0.net
- 「あんたが加入して以来、マスターはすっかりあんたにおねつ。あたしのことは最近ずっとほったらかし。ひどいと思わない?」
「ひどいって……?」
サンドはそう聞きかえしたことを即座に後悔した。
グレイシアの顔から見せかけの笑みが完全に消えたからだ。
「なにしらばっくれてんのよ、クソガキ。あたしよりあとに入ってきたあんたが、あたしそっちのけでマスターとイチャイチャしてるのが気に食わないっつってんのよ」
「く、苦しい……」
前足で喉元を強く押さえつけられて息ができない。
「ナマイキなのよ、あんた。1匹じゃなにもできないくせに。あまやかされてるからって調子こいてんじゃないわよ」
「ボ、ボクは、別に……」
そんなつもりじゃない。
そう抗弁したかったができなかった。
今口答えしようものならますます彼女を怒らせるだけだ。
「マスターは最近全く相手をしてくれない。おかげでフラストレーションは溜まってく一方。性欲だってもう限界。それもこれも全部あんたのせいよ。わかってんの?」
「わ、わかってます。ごめんなさい……」
もちろん全然わかっちゃいないけど、今はとにかく謝るしかなかった。
グレイシアは訝しげにサンドを見おろす。 - 14 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:31:50.654 ID:4EKULudY0.net
- 「謝っとけばいいと思って。ほんとにわかってんの?」
「わかってますわかってます! も、もう金輪際ごしゅじんにあまえたりしないから! ゆ、許してぇ!」
サンドは声をふりしぼってさけんだ。
――と、不意にノドの苦しみが消えた。
グレイシアが喉元から前足をどけたのだ。
「そう。そこまで言うならしかたないわね。かわいいあんたに免じて許してあげる」
「けほっ、けほっ! はぁっ……はぁっ……」
息苦しさにたえられず、ぜぇぜぇ息をする。
それに律動するように、お腹にまたがっているグレイシアが上下に動いていた。
正直今のは死ぬかと思った。
「そんなに苦しかった? 一応手加減したんだけど」
手加減? 今のが? 一歩間違えれば窒息するとこだったのに。
内心そう思わずにはいられなかったが、口にしちゃうとまた難癖をつけられる気がしたので表情にはおくびにも出さなかった。
「あらあら、すっかりおびえちゃって。大丈夫? よしよし」
グレイシアは笑顔に戻ると、耳元から垂れさがっている毛でサンドの頭を優しくなでる。
配慮のつもりなんだろうけど、冷気が苦手なサンドにとっては拷問以外の何者でもなかった。
ひんやりした毛ざわりが頭だけでなく、身体の芯まで恐怖心を植えつける。
グレイシアは再びサンドに顔を近づけるとあまい声で言った。 - 16 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:33:19.708 ID:4EKULudY0.net
- 「今言ったこと忘れるんじゃないわよ。もしまたあたしをのけ者にするようなマネしたら絶対許さないからね。今度はもっとひどい目にあわせるわよ」
満面の笑みでよどみなく言うものだから、それが余計に恐怖心をそそる。
「ひどい目って、ど、どんな……?」
知りたくないと思いつつたずねると、グレイシアは眼を輝かせた。
「そうねぇ。氷で作った針の山にぶちこむのもいいけど、手始めにその身体の模様ひとつひとつに氷を刺していく、ってのもいいわねぇ。背中にはトゲトゲの氷をいっぱい突き刺してあげるわ。とびっきりでかいやつをね。
で、じわじわとけていく氷が身体に染みこんで、どんどんあんたの体温を奪っていくの。全身水びたしになったころにはあんたはすでに虫の息。オブジェとしては最高じゃない?」
「やだよぉ、そんなの……」
想像したくもなかった。
もしそんなことをされたら虫の息どころかショックで死んでしまう。
「どうして? サンドパンみたいでかっこいいじゃない」
単にからかっているだけなのか、それとも本気で言っているのか全くわからなかった。
風になびく、彼女の水色の体毛がほっぺをなでる。
今身震いしているのが寒さによるものなのか、恐怖によるものなのか、あるいは両方か、それすらもわからなくなっていた。
おびえた眼を見て察したのだろう、グレイシアはにんまり微笑むと、安心させるように言った。 - 17 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:35:07.037 ID:4EKULudY0.net
- 「あんたがちゃんといいコにしてればもちろんそんなことはしないわよ。いじめがいがありそうだけどね。ま、そんなことをされたくなかったら今後舐めた行動はしないことね。わかった?」
ごくりとつばをのみこみ、何度もうなずいた。
――これからは極力ごしゅじんのそばにはいないようにしよう。もし近づいてきたらひっかいて追い払おう。
とにかく、グレイシアが見ているところでごしゅじんの横にいるのは絶対にやめよう。
サンドはそう心にきめた。
「あ、あの……」
「んっ?」
「ど、どいてもらっても……いいかな?」
「あら、あたしとくっついてるのがそんなに嫌なわけ?」
なるべく刺激しないように言ったつもりだったが、グレイシアは不服な顔をする。
慌てて言い添えた。
「そ、そんなんじゃないよ。その……冷えるから。今にもこごえちゃいそうで……」
“重たいから”というのも理由の1つではあるが、そんなことは口がさけても言えなかった。
言葉を慎重に選ばないといつまた彼女の逆鱗にふれるかわかったもんじゃない。
「あんたってほんとに寒がりよね。いくらじめんタイプだからっておおげさなんじゃないの?」
「だって苦手だもん……。キミだって熱いのはその……嫌いでしょ?」
「そりゃ確かにそうね。ま、あんたは元はノーマルタイプだったあたしとちがって生粋のじめんタイプだし、寒がるのも無理ないか。それで、どれくらい寒いの? これくらい?」
「――ひゃっ! やめてよぉ……」
耳にふうっと冷たい息を吹きかけられ、サンドはふるえあがった。
いつも受けている嫌がらせに過ぎなかったが、密着した状態での彼女の息吹は普段以上に冷たく感じた。
身震いするサンドとは裏腹に、グレイシアはうれしそうに顔を綻ばせる。 - 18 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:36:45.187 ID:4EKULudY0.net
- 「あはっ。今の仕草、ちょっとかわいかったわよ。でもそういうの見るともっとやりたくなんのよね。あんたってほんと、いじめたくなる顔してるよねぇ」
「ひゃぅっ……や、やだよ、やめてよぅ……」
グレイシアは何度も何度も顔に冷風を吹きかけてくる。
視界に大きく映る、彼女の笑った顔。
――複雑な気持ちだった。
寒いのはもちろんだが、顔と顔が近いせいか、なんだかドキドキしてしまう。
毎日いじめられてるのに、早く解放してほしいのに、それなのに、なぜグレイシアにそんな感情を抱くのかサンド自身もよくわからなかった。
しかし、とにもかくにも寒くてしかたがない。
身をよじらせて逃れようとしたが、お腹にのしかかられているので全く身じろぎできない。
このままだと凍死しちゃう。どうしよう……。
そう思ったとき――。
「そんなに冷えるならあっためてあげようか?」
グレイシアが妙なことを言い出した。
おどけているのかと思ったが、そういうわけではなさそうだった。
本当にあたたかくしてくれるのならありがたいけど、この状況でどうやってあったかくするんだろう。
もしかしてほのおの技を覚えてる?
一瞬そう考えたけど、すぐにそんなわけはないと思い直した。
彼女はこおりタイプだ。弱点であるほのおを口から吐けるとは思えない。
あれっ? じゃあ一体どうやって? - 19 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:39:09.451 ID:4EKULudY0.net
- 「……どうやって?」
サンドは率直にたずねた。
グレイシアは意味ありげに含み笑いしたかと思うと――。
「んんっ!」
サンドの口に自分の口を思いきり押し当てた。
こじ開けるようにして舌を侵入させてくる。
「んーっ! んーーっ!」
突然の口づけに驚きを隠せず、サンドは手足をじたばたさせて叫んだ。
しかしグレイシアはそんなサンドを黙らせるかのごとく、さらに口をあてがった。
口の中に大量の冷気が送りこまれる。
これってまさか……まさか……チュー?
その2文字がひたすら脳裏をよぎったが、冷静になって考える余裕はなかった。
彼女はひとしきりサンドの口内を舐め回し、ほっぺにチュッと口づけをしてからようやく口を離した。
「グ、グレイシア、な、なにして……」
サンドは信じられないといった表情でグレイシアを見つめたが、彼女は全くといっていいほど表情をかえなかった。 - 22 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:41:15.769 ID:4EKULudY0.net
- 「やっぱりね」
グレイシアは抑揚のない声でつぶやいた。
なにがやっぱりなんだろう?
疑問に答えるように彼女はさらに言った。
「今のが初めてのキスだったんでしょ? あたしの思ったとおりだったみたいね」
それを聞いて確信した。
やっぱり今のはチューだったんだ……。
恋愛経験が皆無のサンドにとって、いきなりのその淫行はあまりにも衝撃的なものだった。
顔は見てわかるほど紅潮し、胸の鼓動は激しく鳴り響いている。
「な、なんで……」
「なんでこんなことするのかって? 言ったでしょ? あんたと遊びたいのよ、あたし。でもあんたがあまりに寒そうにしてるから、ひとまずあったかくしてあげよっかなって思っただけ。納得した?」
あっためるのとキスするのと、一体なんの関係があるんだろう……?
猜疑心を抱かずにいられなかったが、もはやグレイシアがなにを言っているのか理解しようという気にもなれなかった。
なんだか頭がぽうっとする。
グレイシアは口の周りを満足げに舐めると、サンドとの接吻を再開した。
されるがままといった感じでまた口をあけさせられ、潤いたっぷりのべろが入りこんでくる。
舌と舌が絡まっているうちに口の中がだんだん水気を帯びていく。
しかし、これだけ身体を密着させているのにまるで寒さを感じないのが不思議だった。 - 23 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:43:20.391 ID:4EKULudY0.net
- 「あんたってば口の中までパサパサなのね。おまけにざらざら。やりにくいったらありゃしないわ」
舌を動かしながらグレイシアはぼやいたが、 心なしかすごく楽しそうに見えた。
「ほら、あんたも舌動かして。こういうのは普通、オスのあんたがリードするものなのよ」
「んっ……」
そう言われてもやり方がわからないので、結局グレイシアが一方的に攻める形でキスは続いた。
生まれて初めてする、女の子とのキス。
てっきり嫌われてるとばかり思っていたグレイシアと、今こうして濃厚な口づけをかわしている。
しかもそれは彼女の方からしかけてきた。
――グレイシアはボクのこと、一体どう思ってるんだろう? 嫌いな相手になんでそんなことができるの?
口の中を翻弄されながらサンドはそんな疑問をいだく。
「どう? 少しあったまってきたんじゃない?」
そう言われてから、顔がやけに火照っていることに気がついた。
キスをされているうちに、いつのまにか顔だけでなく耳まで真っ赤に染まっていたのだった。
どうりで全く寒いと感じなかったわけだ。
感じる余裕がなかったといった方が正しいのかもしれない。 - 24 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:46:04.138 ID:4EKULudY0.net
- 「あはっ、キスくらいで顔まっかっかにしちゃって。あんたってほんとにウブねぇ。ファーストキスの感想を聞きたいとこだけど、それはおわってからでいいわ。……さてと、こっちはどうかしらね?」
グレイシアは身体のむきをかえると、サンドの股間に顔を近づける。
なんだかオチンチン付近が急にひんやりし始めた。
まさか――。
「ちょ、ちょっと、グレイシア……」
嫌な予感は的中したようだった。
「ひゃっ……!」
オチンチンに冷風が吹きかかる。
それがグレイシアの吐いた息であることは明瞭だった。
せっかく少しだけあたたまったのに、また身体(おもにオチンチン)が冷えてきた。
彼女は縮こまったサンドのオチンチンを横から眺めたり真上から眺めたりして視姦を楽しんでいる。
「あはっ、サンドのこれ、ちっちゃくてかぁわいい」
「そ、そこは……やあぁ……」 - 27 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:48:40.025 ID:4EKULudY0.net
- さすがにじっとしていられず、身体をおこそうとしたが、グレイシアはおしりを押しつけるようにしてまたがっているので動けない。
腹ばいならともかく、お腹を上にした状態なので身体をまるめることもできない。
「ひゃぅ!」
思わず声が裏返った。
さきっぽの小さな穴に彼女の頬がこすれたからだ。
もし今おしっこをがまんしていたら、確実に今のでもらしていただろう。
「や、やめて。そんなとこ、さわんないでよぉ……あぁっ……」
「やらしい声だしちゃって。そんなに刺激的だった?」
グレイシアは振りかえってサンドの表情をうかがう。
同時に前足の肉球でオチンチンの尖端をなで回してくるので、どうしても声が勝手に出てしまう。
……恥ずかしい。とっても恥ずかしい。穴をほって地面にもぐりこみたい。
そういった想念が間違いなく顔に表れてるだろうから、きっとバカにされると思っていた。
しかし、グレイシアは意外にも喜色をあらわにしていた。
「あんたってエッチのとき、すごくつやっぽくなるのね。いくじなしで弱々しいだけかと思ってたけど、こんなにチャーミングな一面があったのね。顔赤くしちゃって」
「だ、だって……」
勝手にそうなっちゃうんだもん。
そんな言葉をのみこんだ。 - 28 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:50:23.294 ID:4EKULudY0.net
- 「はにかむあんたも結構かわいいかも。あんたのそういうすなおなところ、嫌いじゃないわよ」
「えっ……?」
「なんかもっとやりたくなっちゃった。砂遊びしかやったことのないあんたにオトナの世界を体験させてあげるわ」
グレイシアは顔を前に戻して性器を愛撫し始めた。
頬でこすってきたり、耳先で尖端をなでてきたり。
しかも今度は鼻を近づけてにおいまで嗅いでいる。
……どうしよう。
ヘタに抵抗したらひっかいてしまうし、シッポを暴れさせたらきっと彼女の顔をはたいてしまう。
つまるところ、どうすることもできない状態なのだ。
眼の前にある水色のおしりをぼんやり見つめていると、
「ひゃぁっ……!」
尿道口をチロチロされた。
続けて吐息がまた吹きかかる。
身をよじらせて感度を和らげようとしたが、和らぐどこらか強まる一方だった。
「や、やめてよ、チンチン舐めるなんて……。恥ずかしいよ……」
サンドは精一杯の抵抗をしたが、グレイシアの耳には全く届いていない。 - 30 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:52:20.070 ID:4EKULudY0.net
- 「チンチンヒクヒクさせちゃって。やらしいんだから。……でもかわいい」
「っ……!」
声にならない叫び。
グレイシアが幼茎をまるごと咥えたのだ。
痛みや寒気とはまるでちがう、独特の感覚がオチンチンから伝わってくる。
サンドはたまらず後ろ足をじたばたさせた。
「ちょっと、じっとしてなさいよ。やりにくいでしょうが」
グレイシアは迷惑そうに振りかえる。
刺激を中断させられたオチンチンはもっとやってといわんばかりに上を向き始め、グレイシアの顔の前で前後に動いていた。
「や、やめてよ。そこ、おしっこ出すとこだよ……? 汚いよぉ……」
泣きそうな声でうったえると、グレイシアは普段のトーンでさらりと言った。
「別に汚くなんかないわよ。あんたのなんだしむしろ食べちゃいたいくらいよ」
「た、食べる……?」
オチンチンを食いちぎられる光景が頭をよぎり、おそろしくなった。
グレイシアはおかしそうに笑う。 - 31 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:55:26.035 ID:4EKULudY0.net
- 「もっと味わいたいってことよ。ほんとに食べるわけないでしょ。捕食じゃあるまいし。あんたってこどもね~」
「な、なんで……」
「またその質問? これくらい、なんてことないわよ。いつもやってるから」
「そ、そうじゃなくて――ひゃんっ!」
疑問をぶつけるサンドを黙らせるかのごとく、彼女はオチンチンの尖端にチュッと口づけした。
素っ頓狂な声が出てしまい、あわてて口を前足でおさえる。
グレイシアはそんなサンドを尻目に、ゆれ動く赤色の肉の実を口でしっかり挟みこむと、舌をたくみに動かして唾液をたっぷり染みこませた。
口づけをかわしたオチンチンは快感によって、さらに大きさを増していく。
なんだかくすぐったいような、ムズムズするような、そんな感覚がサンドを包みこんだ。
夕陽に照らされてきらめく氷の結晶が2匹の周りに飛び散り、すぐに消えていく。
「あんたのは特にぬれにくいからしっかり舐めとかないとね。ちょっとつらいだろうけどがまんするのよ」
いつものトゲのある口調とはちがい、おだやかな口調でグレイシアは言った。
「なんで……?」
サンドはもう一度その言葉を彼女にぶつけた。
「あたしが言ったこと聞いてなかったの? 平気だって言ったでしょ」
「そうじゃないよ。なんで……ボクにそんなことができるの? ボクのこと、嫌いじゃないの……?」 - 32 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:57:28.782 ID:4EKULudY0.net
- キスをされたときからずっと抱いていた疑問だった。
――あんたのそういうすなおなところ、嫌いじゃない。
グレイシアはさっきそう言っていたけど、それが本気だったのか冗談だったのか、どうしても確かめておきたかったのだ。
「あんたを嫌い? 誰が?」
「キ、キミが」
「あたしが? どうして?」
グレイシアはこともなげに聞きかえす。
わざとかと思ったけど、ほんとに疑問に思っているようだった。
どうしてと聞かれた以上、答えないわけにはいかない。
サンドはありったけの勇気をふるいおこして口をひらいた。
「だって、イライラするとかムカつくとかいっつも言ってるし……あと、気持ち悪いとか早く死ねとか……」
実際そこまでひどいことを言われたことはないけれど、さっき窒息させられそうになったことを思い出したとたん、口が勝手に動いてしまったのだった。
「それに、毎日ボクのこといじめるし。現に今日だって……」
「死ねなんて言ったことあったかしら? まあいいわ。そりゃイラつくとかうざいとか思ったり言ったりすることはあるけど、あんたを嫌いだと思ったことは一度もないわよ」
「えっ……?」
思ってもみなかったグレイシアの言葉に、サンドは驚きを隠せなかった。 - 33 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 17:59:51.667 ID:4EKULudY0.net
- 「ボクのこと……嫌いじゃないの……?」
「バカね。ガチで嫌いだったらそもそもあんたを呼び出したりなんかしないし、こんなことだってしないわよ。キスなんてもってのほか。自分の立場になって考えればわかることだと思うけど?」
そう言われてみると、それもそうだという気がした。
もしグレイシアがサンドのことを心の底から嫌っていたら、執拗にいじめたりなどしないはずだ。
「じゃあボクをいじめてるのは……」
「かじかむあんたが見てて面白いからやってるだけよ。あんたってあたしの言うことなんでも真に受けるからつい、こう、なんていうのかな、嗜虐心を掻き立てられるのよ。あんたがこわがりだからなおさらにね」
「その……川に突き落とすって言ってたのは?」
「もちろん本気でそんなことしようなんて思っちゃいないわよ。さすがにそこまでやるのはかわいそうだしね。でもああ言っときゃあんたは絶対ここにくる。そう思ったからあえてきつめに言いつけておいたの。
あのときのあんたのおびえた顔、見てていじらしかったわ。悪く思わないでね」
難しいことはよくわからないけど、とにかく嫌われてはなかったらしい。
喜び、とまではいかなかったが、安心していたのは確かだった。
毎日いじめられているのに、それでも少なからず彼女に好意を抱いていたことにサンドはこのとき初めて気がついた。
「ま、とは言ってもあんたが誤解するのも無理ないわよね。はたから見ればただいじめてるだけにしか見えないだろうし」
「……うん」
実際ただいじめられているだけだと思っていたので、そこは否定しなかった。
しかしグレイシアは意外な言葉を口にした。 - 34 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:05:47.980 ID:4EKULudY0.net
- 「あたしがあんたにしてることはね、いわゆる愛情表現よ、愛情表現」
「愛情、表現……?」
「これでもぶきっちょなあたしなりにあんたのこと、かわいがってるつもりよ。まあさっきはあんたが全然こなくてイラついてたからきつくあたっちゃったけど。
でも謝るつもりは毛頭ないわよ。理由はどうあれ、ちんたらしてたあんたが悪いんだから」
「う、うん。わかってる」
「それと!」
グレイシアは急に声を大きくして言った。
「かわいがってるっつっても、別にあんたをめちゃめちゃ愛してるってわけじゃないんだからね。あくまで“ナマイキだけどちょっとはかわいげのあるヤツ”って思ってるだけよ?
あんたをオスだと認めたことはこれっぽっちもないし、ときめいたことなんて一度もないんだからね。そこんとこ誤解するんじゃないわよ」
「……うん」
「わかればよろしい。……でも不思議よね。別に好きこのんであんたとこんなことしてるわけじゃない、最初はそう思ってたのに、さっきのあんたの顔を見たとたん、気持ちがいっぺんにかわったわ」
「?」
サンドは首をかしげてグレイシアを見つめた。
「あんたをあたしのものにしたい、あたしだけのものにしたい、そう思い始めちゃったのよ。あたしって実はショタコンなのかしら? ねぇ、どう思う?」
どう思う? と聞かれても困る。ショタコンって言葉自体、そもそも知らないのだから。
「あんたに聞いてもしょうがないわよね。……服従しろって言ったのは撤回するわ。だからさ、あんたも嫌がってないで、あたしとの性行為を享受してくれたらあたしとしてもうれしいかな、なんてね」
グレイシアはそう言って柔和な笑みをサンドにむけた。
サンドもじっと彼女を見つめる。
彼女にたいする恐怖心は最初のころに比べたらずいぶんマシになっていた。
先に眼をそらしたのは珍しくグレイシアの方だった。 - 35 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:06:54.580 ID:4EKULudY0.net
- 「あらら、もうかわいちゃってる。じめんタイプが相手だとおちおち話もできないわね。またぬらさなきゃ」
「んくっ!」
今までとは比べものにならない強烈な刺激がサンドをおそったが、ぎゅっと眼をつぶってたえる。
「少しの間でいいからがまんしてて。いいわね?」
「……うん」
サンドは神妙な顔でうなずいた。
もうできるだけじっとしていよう。グレイシアのやりたいようにやらせよう。
そう思ったのだ。
「愛らしいオチンチン……」
グレイシアはしゃかりきになって、サンドの性器をむさぼるように舐め回している。
ぴちゃぴちゃと卑猥な音が周りに響く。
それに伴い、一度は元に戻りかけたオチンチンがまた頭をもたげていく。
彼女が口を離したときには、オチンチンは最初の萎んでいた状態とはうってかわって屹立していた。
刺激を与えられたら本能に逆らえないのはオトナもこどもも同じだ。 - 36 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:08:19.309 ID:4EKULudY0.net
- 「ちゃんと勃ったわね、えらいえらい。どうしよっかな、ほんとはあんたにもやってほしいけど……」
グレイシアはゆっくりとサンドに振りかえる。なにかを考えているようだった。
彼女はしばらくの間なにも言わずにサンドを見ていたが、やがて決心したように口をひらいた。
「とりあえずあんたを先にイかせてからにするわ。こどものあんたなら一回出したくらいでちぢんだりはしないだろうし」
グレイシアの言っていることは相変わらずよくわかんないけど、聞きかえすのはやめておいた。
とにかく、オチンチンをまた口に入れることは確かだ。
彼女は言った。
「サンド。もしチンチンからなにかこみあげてくるものを感じたらがまんしちゃダメよ? もし出そうになったら力抜くこと。いいわね?」
「こみあげてくるもの?」
「すぐにわかるわよ。ある程度は仕方ないけど、もしそういう状況になったらなるたけがまんしないこと。わかった?」
「う、うん、わかった……」
念を押すように言われたのでついそう答えてしまったが、正直いって全然自信はなかった。
“こみあげてくるもの”というのがなんなのかわからない以上、心の準備のしようがないし、がまんできずにいられるかどうかもわからない。
それ以前に、そんなことを急に言われても困る。
グレイシアは自信なさげな顔をするサンドを見ると、最初に見たときのような厳しい顔つきになった。 - 38 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:10:19.208 ID:4EKULudY0.net
- 「余計なことは考えるなって言ったでしょ。すぐそうやってウジウジするのはあんたの悪いクセよ。みっともないからやめなさい」
「で、でも……」
「それをやめなさいって言ってんのよ。……それともなに? あたしの言うことになにか不満でもあるの?」
「う、ううん、ない」
グレイシアがまゆをひそめて聞いてきたのであわてて首をふった。
さっきの応酬で少しは雰囲気がよくなったと思っていたけど、どうやらそれほどでもなかったらしい。
結局のところ、オドオドした態度をとったらなにかしらきついことを言われるのは、嫌われてようがなかろうが同じのようだ。
せっかくよくなった彼女の機嫌をそこねることだけはしたくなかったので、サンドは余計な考えを頭から追い出した。
「それで……なにをするの?」
「決まってるでしょ。あんたをイかせるのよ」
「っ……!」
グレイシアがオチンチンを再び口に入れた瞬間、すさまじい快感がサンドの全身を突き抜けた。
最初に舐められたときに感じたのとはまるでちがう。ムズムズとかくすぐったいとかそんなレベルじゃない。
オチンチンの尖端が膨らんで、より一層敏感になっているためだ。
「あうぅ……あぁっ……!」
今まで性行為の経験が全くなかったサンドにとって、勃起したオチンチンを舐め回されるというのはあまりにも強烈的なものだった。
次々とおそいかかってくる未知の感覚に、あふれる声をおさえきれない。
「普段はボソボソしゃべってなに言ってるかわからないくせに、こういうときだけは声でかいんだから」
グレイシアはオチンチンを奉仕しながら器用に前足をサンドのおしりの穴にあてがうと、ゆっくりとなで回した。
穴の表面と肉球が激しくこすれあい、やらしい音をたてる。
性器と肛門の2カ所を同時に攻め立てられて気がおかしくなってしまいそうだった。 - 39 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:12:56.761 ID:4EKULudY0.net
- 「や、やだよ……恥ずかしい……やめてよぉ……」
サンドは顔を真っ赤にして懇願するが、グレイシアは口と前足の動きを一切ゆるめようとしなかった。
「そんなこと言ってるけど、こっちはすごく気持ちいいみたいよ」
グレイシアは性器から口を離し、サンドに見せつける。
唾液まみれの幼いペニスは尖端をビクビクさせながら必死で前後していた。
なにこれ? これが……ボクのチンチン……?
サンドは唖然として自分の性器を見つめた。
おしっこを出すためのもので、それ以外では特に使い道のなかったオチンチン。
そのオチンチンが今、もっと舐めてと言わんばかりに膨張しているのだ。
「ねっ? なんだか興奮してるみたいでしょ?」
「ひゃんっ!」
おしりの穴をスリスリされて声が上ずる。
「あんたって全身が性感帯そのものなのね。あんたそのものが性感帯って言った方が正しいのかしら?」
「うぅっ……」
じゅぽ、じゅぽっと音をたたせながらオチンチンをほおばるグレイシア。
尖端を舐め回されているうちに、サンドはオチンチンが熱くなっているのを感じた。
尿意とはどこかちがう、得体のしれない“なにか”がだんだんこみあげてくる。
グレイシアが言っていたのはこれのことだろうか? - 41 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:15:59.404 ID:4EKULudY0.net
- 「グ、グレイシア。あの……」
「出そう?」
「なんかよくわかんないけど、チンチンがムズムズしてきた。おしっこじゃない……とは思うんだけど……」
自信なさげに答えたが、グレイシアはそれで納得した様子だった。
「もっかい言うけど、がまんしちゃダメよ」
グレイシアはでかいサンドへと変貌をとげたオチンチンの尖端に口をあてがった。
さらに、赤ちゃんがミルタンクのお乳を吸うようにチューチュー吸い出した。
たちまち快感の波が押し寄せてくる。
尿とは明らかに異なる熱い液体が、とてつもない勢いで尿道を駆け巡っているのがわかった。
「ひゃあぁっ……で、出る、なんか出ちゃうよぉ……」
「力抜きなさいってば。がまんしたらそのぶん多く出ちゃうんだから。あたしに出すぶんも残しといてもらわないと」
今のサンドにはもはや彼女の言葉など全く耳に入っていなかった。
そしてもちろん、どうやって射精をコントロールするかもわからないので、あっという間に絶頂を迎えることとなった。
「で、出る……も、もう……あっ……」
オチンチンが一瞬ふくらんだかと思うと、尖端口からぴゅるぴゅるっと白い液体が飛び出す。
サンドは無意識に身体に力をこめていたが、全然意味はなかった。
幼茎は激しく脈打ちながらさらに精を吐き出そうとしていたが、粘液は最初にちょろっと出ただけで、それ以降は発射されずにおわった。 - 42 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:18:31.819 ID:4EKULudY0.net
- 「なにこの量、すっくな。……でも最初はこんなものよね。ちょっと物足りないけどまあいいわ」
グレイシアは口に入ったサンドの体液をごっくんと飲みこむと、こっちに振りかえった。
「予想はしてたけど、あんたの体内って水分がほとんどないのね。まさか精子までパサパサしてるとは思わなかったわ。で、どう? 初めての精通をおえた感想は。気持ちよかった?」
サンドはなにも答えず、うつろな眼つきで夕空を見つめていた。
精通、精子――オチンチンから飛び出した液体ときっと深い関係があるんだと思う。
でも、意識がぼんやりしている今の状態では考えようという気になれなかった。
お腹で息を繰りかえしているうちに、こわばっていた身体から徐々に力が抜けていく。
「答えたくないなら別にいいわ。さ、へばってる場合じゃないわよ。今度はあんたがやる番よ」
グレイシアは唐突にそんなことを言い出した。
視線を彼女にむける。
「あたしがあんたに今してたこと、あんたもやってよ」
「ボクもって……どういうこと?」
「もう、じれったいわね。ここまで鈍感だとは思わなかったわ。あんたも男なら少しはあたしを悦ばせてあげようとか考えなさいよ」
喜ばせる? サンドは頭にハテナマークを浮かべた。
グレイシアはしびれを切らして言った。
「あたしの性器をぺろぺろしてほしいのよ。ここよ、ここ。見えるでしょ?」
「あっ……」
間近に迫ったグレイシアのおしりが視界に入り、思わず声をあげた。
自分の身体でいうと性器がある部位――そこにうっすらと赤い割れ目があったからだ。
グレイシアが身体のむきを反対にしてからずっと眼の前にあったはずなのに、サンドはおそまきながらその存在に気がついた。 - 43 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:19:59.493 ID:4EKULudY0.net
- 初めて見る、女の子もといグレイシアのアソコ。
サンドは知らず知らず胸をドキドキさせていた。
「ボクもグレイシアのその……えっと……」
女の子にオチンチンがついてないことぐらいは知っていたけど、どう呼ぶのかまでは知らない。
言いよどんでいると、グレイシアはむじゃきに微笑んだ。
「あんたに似合う言い方は……そうね、やっぱり“まんまん”が妥当かしら。言ってごらん」
「ま、まんまん」
言葉にしたらどうしてかはわかんないけど恥ずかしくなってきた。また顔が熱くなってきた気がする。
「こどものあんたにこんなことせがむの自体アレだけど、もうキスもフェラもしちゃったしね。ってわけだから今度はあんたがやってよ。できる?」
グレイシアはひかえめな口調で聞いてきたが、選択肢は1つしかなかった。
どう答えてもどのみちやることになるのは同じだ。
「う、うん。できる」
余計なことは考えない、余計なことは考えない、そう自分に言い聞かせながら答えた。
逆らったら怒られるという思いはもちろんあった。
けれど、ボクもやってみたいという気持ちも少なからずあった。
オチンチンを舐められていなかったら、たぶんこんな感情はわかなかったと思う。 - 44 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:21:26.484 ID:4EKULudY0.net
- 「じゃあ頼むわね」
グレイシアはサンドの顔に性器をぐっと近づけた。
「……まんまんって、この線が入ってるところなんだよね?」
「そうよ。見るのは初めて?」
「う、うん。初めて」
ごくりとつばをのみこむ。
大きく開かれた陰唇は、まるで刺激をほっするかのようにヒクヒクしている。
性行為に今まで縁がなかったサンドにその光景は少々過激なものだったが、好奇心をそそるには十分だった。
「じゃ、じゃあ、な、舐めるよ……」
「ええ」
扇情的ともいえるその場所に、サンドはおずおずと舌をのばした。
べろの先が軽くあたった瞬間、グレイシアの身体がわずかに動く。
が、そこはやはり慣れているのだろう。時折軽く身をよじらせたりはするものの、サンドのように敏感な反応は示さなかった。
舌先から伝わる冷たい感触にたえつつ、ぎこちなく舌を動かす。
「ど、どんな感じでやればいいの?」
全然反応がないのでなんだか不安になり、助言を求めた。 - 46 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:24:46.750 ID:4EKULudY0.net
- 「あんたの思うようにしていいわよ。初めてなんだから気楽にやればいいの」
「う、うん」
グレイシアにオチンチンを舐められたことを思い出してみる。
確か彼女は、べろをたくみに動かして尖端の穴を重点的にねぶっていた。
もしかしたらグレイシアも一ヶ所を集中的に攻められたら、なにかしらの反応をするかもしれない。
とりあえずひたすら舐めてみようとサンドは思った。
陰唇に舌を押し当て、なぞるようにして舌先だけを動かしてみると、前方からなまめかしい声が聞こえた。
「そうそう、そんな感じ。んっ……はぁっ……案外いいかも……あんたにされてるってだけで興奮してくるわ」
グレイシアは陶然とした表情を浮かべ、局部から伝わる性感に身をゆだねている。
サンドの舌の動かし方はいたってたどたどしいものだったが、それがいい感じに彼女を刺激しているようだ。
元からなのか、それとも分泌されているからかはわからないが、膣口の周りには大量のしずくが付着していた。
彼女自身そのことはわかっているらしく、振りむきざまに言った。
「たぶん結露してると思うけど、そこはがまんしてよね。あたしはあんたとちがってぬれやすい体質なんだから」
言っていることの意味がサンドにはいまいち理解できなかったけど、こおりタイプだからということだろう。
しずくに舌があたらないように注意しつつ、かわいた舌で陰唇を舐め回す。
もっと全体を舐めた方がいいのかなと思って顔を一旦はなすと、陰唇のすぐ上に小さな突起物があるのに気がついた。
なんだろう、これ?
舌をちょんとあててみると――。 - 47 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:26:35.310 ID:4EKULudY0.net
- 「あぁんっ!」
グレイシアがいきなり声を張りあげたので、サンドはびっくりして舌を引っこめた。
陰核を攻められたら、さしものグレイシアも嬌声をあげずにはいられないようだった。
冷気を放つ恥部は、たらたらと液体を流しながら物欲しげに震えている。
「だだ、大丈夫?」
あわてて声をかけると、グレイシアはバツが悪そうに振りかえった。
「あ、あんたねぇ……んなとこにいきなり舌くっつけんじゃないわよ。ビビったでしょうが」
「ご、ごめん。なんだろうって気になっちゃって……」
「あたしとしたことがあんたに感じさせられるなんて……もう舐めるのはいいわ」
まだ幼いサンドにウイークポイントをつかれたのがよほどくやしかったのか、グレイシアはさっさと起きあがってサンドに向き直る。
またお腹の上にまたがった――と思いきや、今度は腰を深くおろして局部をサンドの性器に近づけた。
「さっ、挿れるわよ」
陰唇の表面と陰茎のさきっぽが軽くふれる。
「えっ!? な、なにするの……?」
「決まってるでしょ。オチンチンとつながるのよ」 - 48 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:28:20.684 ID:4EKULudY0.net
- オチンチンとつながる? まるで意味がわからなかった。
「言ったでしょ。あんたがほしいのよ、あたし。あんたのならキツキツってこともないだろうし」
「あ、あの……チンチンにまんまんがあたってるんだけど……」
「当たり前でしょ。ふれずにどうやって挿入すんのよ」
お互いの敏感な部分が密着しているというのに、グレイシアは顔色ひとつかえない。
なんでこんなに恥ずかしいことを平気でできるんだろう。
そういえば彼女にオチンチンを舐められているとき、“いつもやってるから”と彼女は言っていた。
つまり、今やろうとしていることもおそらく初めてではないということだ。
一体誰とこんな――真っ先に浮かんだのがごしゅじんの顔だった。
マスターは最近ちっとも相手をしてくれないってぼやいてたのは、もしかして――。
「またなんか変なこと想像してるでしょ。今あんたはあたしとセックスしてる最中なのよ。今はあたしだけを見てなさい。ほら、挿れるわよ」
「っ……!」
グレイシアはサンドのお腹に前足をおいて身体を支えると、おしりをぐっとさげた。
オチンチンがみるみるうちにグレイシアの性器にのみこまれていく。
お互いの恥部が十分ぬれていることもあり、オチンチンはすんなりと膣に入っていった。 - 49 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:32:00.030 ID:4EKULudY0.net
- 「ふぅ、ポコチンだと楽ね。思ってたより簡単に入ったわ」
「ひぅっ!」
キンキンに冷えた肉壁が、根元まで入りこんだペニスを容赦なく締めつける。
彼女がおしりをゆらすたびに弛緩こそするものの、オチンチンがすっぽりおさまったあとでは感じる刺激は同じだった。
「さっ、一気にいくわよ」
グレイシアはおしりを上下に動かしてピストンを始めた。
最初はゆっくりだったが、徐々にスピードがあがり、結合部からグチュッ、ヌチュッと下品な音が漏れ始める。
強烈な締めつけにくわえ、膣の内壁にペニスが激しくこすれ、サンドは「あっ……! あっ……!」と高く声を出していた。
なにもしていないのに、全身がとけてしまいそうな快感におそわれる。
「あっ、あぁんっ! あっ……あんっ……!」
陰茎とつながっている下半身を自ら上下にふりながら、やらしく喘ぐグレイシア。
おねえさん的な一面を見せたり、あられもない姿をさらけ出したりと、今日のグレイシアはいつもと全くちがうポケモンに見えた。
前者と後者、一体どっちが本当のグレイシアなんだろう。
しかしそんな疑問は、おそいかかる快感によって掻き消されてしまうのだった。
結合部からはグレイシアの愛液が流れ出て、さらに激しい音をたてている。
ペニスという名の“でかいサンド”はみるみるうちに彼女の中で膨張し、快感を求めて暴れていた。 - 50 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:38:02.728 ID:4EKULudY0.net
- 「グ、グレイシア……グレイシアぁ……」
ゆがんだ性的快感におぼれながら、サンドはグレイシアの名前を呼び続けた。
だがグレイシアは一心不乱に腰をゆらしていて全く聞いていない。
冷たい粘膜に覆われたペニスが2度目の解放にむけて尖端をグググッとふくらませる。
「で、出る……また出る……出ちゃうよ……」
「ええ……出しちゃっていいのよ。全部受けとめてあげるから」
グレイシアはピストンを一気に速めた。彼女のトロトロの膣壁は、オチンチンに強烈な快感をもたらしていた。
「あっ……あっ……で、出る!」
「早く……出しなさいよ」
「んっ……!」
眼をぎゅっとつぶったと同時に、限界に達したオチンチンのさきっぽから、かわいた精液が勢いよく飛び出した。
オチンチンが脈打つたびに、グレイシアの全身が激しく痙攣をおこす。
体内に流しこまれた精液、そして分泌された愛液が、結合部の隙間から流れ出ていた。
グレイシアの膣は、送りこまれたサンドの液を受け取り、とことん吸い出してやるといわんばかりに、小さくなりつつある陰茎を、根元から搾りあげていた。 - 51 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:39:25.289 ID:4EKULudY0.net
- 「最初より2回目の方が出たみたいね。あー、久しぶりに発散できたわ」
――情事を終えて満足した様子のグレイシアは、サンドの隣に座って彼のことを見おろしていた。
膣口からは逆流した精液がトロトロと流れ出ている。
一方サンドは、立て続けに精を搾り取られたことによる疲労で、いつまでも身をおこせずにいた。
彼女の局部を横目で見ながらお腹で息をしているうちに、オチンチンはすっかり元の状態に戻っていた。
役割を果たして疲れたらしい。
グレイシアは言った。
「これであたしは……ううん、あんたはあたしのものよ。これから毎日あんたで処理させてもらうからね」
「ま、毎日……?」
サンドはぎょっとして聞き返した。
「そ。マスターとやるよりあんたとやる方が楽しいし興奮するのよね。言っとくけど、あんたに拒否権はないのよ? もし拒んだらおしりの穴につららブッ刺すからね。泣いて謝ったって許さないんだから」
「そ、それだけはやだ……」
「そういう事態になるかならないかはあんた次第ってとこね。あ、ムラムラするからって勝手に出すのも禁止よ」
グレイシアは満面の笑みで言い放つと、
「さ、話はあとにして、とりあえず身体きれいに洗い流そっか。あたしはともかく、あんたのそんな姿見たらマスターが腰ぬかすだろうし」
そう言って、かたわらにある川に飛びこんだ。
水しぶきが顔にふりかかって冷たい。 - 52 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:40:38.188 ID:4EKULudY0.net
- 「いつまでも寝そべってないであんたも早くこっちきなさい」
「み、水につかるの……?」
「嫌なのはわかるけど体液まみれのまま戻るわけにはいかないでしょ? さっとでいいから早いとこ洗いなさいよ」
全然気は進まないけど、グレイシアの言うことはもっともだと思った。
ベトベトのままだとごしゅじんにいらぬ心配をかけてしまうし、なにより気持ちが悪い。
サンドは重々しく起きあがると、なるべくグレイシアから離れるようにして川に入った。
「――あ、そうそう。大事なことを言い忘れるとこだったわ」
グレイシアはふと思い出したかのように口をひらいた。
「ねぇ、サンド。今後もしバトルやトレーニングでレベルがあがっても、進化だけは絶対にしちゃダメよ」
「……どうして?」
サンドは純粋に疑問に思い、聞きかえした。
「決まってるでしょ。あんたはあんたのままが一番だからよ」
「ボクのままが、一番……?」
彼女の言っていることの意味がよくわからない。
グレイシアは言おうかためらっていたが、言ってしまおうと思ったのか、やがてまじめな顔つきで言った。 - 53 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:42:01.772 ID:4EKULudY0.net
- 「進化して万が一性格が豹変でもしたら、かわいげがなくなっちゃうでしょ? それに、背中にトゲトゲがいっぱい生えたんじゃエッチもしにくくなるし。
まあ要するに、その……あんたにはいつまでもその姿のままでいてほしいってわけ。弱気でオドオドしてて、あたしに従順で、けなげでナマイキで、でもときにはかわいらしい、そんなあんたがあたしは、あたし的にはその……好きなわけよ」
「グレイシア……」
グレイシアは顔を赤らめていた。
初めて見る、彼女の恥ずかしそうな表情だった。
「なによ、ハトーボーが豆鉄砲をくったような顔して。ふん、笑いたきゃ笑いなさいよ」
「わ、笑わないよ。キミにそんなこと言われるなんて思わなかったから、どんな顔すればいいのかわからなくて……」
「あー、やだ、チョー恥ずかし。あたしってばこおりタイプなのに顔から火が出ちゃってるわ。……ったく、あたしにここまで言わせておいて、ハリネズミなんかになったら承知しないわよ。
あんたのこと、一生うらむからね。今後一切あんたとは口きいてやらないからね。わかった?」
「わ、わかった」
わからないとは到底言えず、すぐにうなずいた。
「ほんとにわかったんでしょうね」
「……うん。約束するよ」
サンドはもう一度、そしてはっきりと答えた。
「よしよし、おりこうさんね。少しは表情も態度も引きしまってきたじゃないの」
「……グレイシア、ありがとう」
自然とそんな言葉がでてきた。 - 54 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:44:29.219 ID:4EKULudY0.net
- 「さ、洗いましょ」
グレイシアはさっと眼をそらして身体を洗い始めた。
ありがとうと言われて照れているのか、全くサンドの方を見ようとしない。
しかしかなりご機嫌らしく、鼻歌まで歌っている。
――あっ。
サンドは一番肝心なことを彼女が言わなかったことに気がついた。
「でも、進化しそうになったらどうやって抑制すればいいの?」
「さあ? それは自分で考えることね」
「えぇっ!? そ、そんな……」
グレイシアはゆっくりとサンドに振りかえる。
「文句あるの?」
「……ありません」
面とむかってそういう風に言われるとやっぱり逆らえない。
「まああんたが進化したくないってわかったらマスターがなんとかしてくれるかもね。確か進化するのを防ぐ道具かなんかを持ってたはずよ」
「そうなんだ。気づいてくれるといいけど……」
気づいてくれない可能性の方が高いけど、ニンゲンと意思の疎通ができない以上、どうか気づいてほしいと願うしかなかった。 - 55 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:46:20.759 ID:4EKULudY0.net
- 身震いしながらもなんとか身体を洗いおえて陸にあがった、そのとき――。
「サンド! サンド! どこにいるんだよ!」
遠くからごしゅじんの声が聞こえてきた。
だんだん声が近づいてきたかと思うと、見慣れたごしゅじんの姿が眼に入った。
「あっ!」
2匹を発見するやいなや、大きな声をあげる。
「なんだ、グレイシアと一緒だったのか。急にいなくなるから心配したじゃないか」
安堵した様子を見せながらこっちに駆け寄ってくるニンゲン。
――まずい。サンドは直感的にそう思った。
もう金輪際ごしゅじんにあまえたりしないって約束したのに、グレイシアが見ている前で抱きあげられ、おまけに頭をナデナデされてしまったら、またふりだしに戻ってしまう。
せっかく彼女との関係が(少しだけ?)よくなったのに、そんなことにはなってほしくない。
どうにかして追い払わないと。
よし、抱きしめられそうになるその瞬間に、ツメでおもいっきりひっかいてしまおう、ごしゅじんがひるんだその隙に一気に逃げよう、そう考えた。
ツメを出してさっと身構える。
しかし、 - 56 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:47:56.889 ID:4EKULudY0.net
- 「――うわっ!」
いきなりうしろから大きな音がしたと同時に、視界が一気に真っ白になった。
まるで太陽が破裂したかのようなまばゆい光が辺り一面を照らす。
サンドは反射的に眼を前足で覆っていた。
――数秒たったけど、とりあえず身体にはなんの異常もない。前足も後ろ足も、それにシッポだってちゃんと動く。
今の閃光は一体……。
おそるおそる眼をあけると、信じられない光景が視界にとびこんだ。
「あっ……ご、ごしゅじん……」
眼の前に立ちはだかる大きな氷の壁――その中で、ごしゅじんであるニンゲンが全身こおりづけになっていたのだ。
口を大きくひらき、眼を見開いたまま見事に身体の動きをとめている。
やったのが誰であるかは明らかだった。
「グ、グレイシア……」
振りかえると、グレイシアは元々悪い眼つきをさらに悪くさせてニンゲンのことをにらみつけていた。
「あんたに近づこうものなら、たとえマスターであろうと容赦はしないわ。指一本ふれさせないわよ」
「ど、どうやったの? これ……」
「ちょっくら口かられいとうビームを撃っただけよ。ニンゲンなんてもろいし耐久力ゼロだし、こおらせるのなんて簡単よ」
グレイシアは得意げに答えながら2体の間に入ると、サンドに向き直った。 - 57 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 18:49:55.678 ID:4EKULudY0.net
- 「あんたは今日からあたしのものになったんだもの。もう誰にも好きなようにはさせない。させるもんですか」
その眼には決意のようなものがこめられていた。
「で、でも、どうするの、それ……?」
彼女のうしろでこおりついているニンゲンを眼で示したが、彼女は意に介する様子もなく、さらりと言った。
「ほっときゃそのうちとけるわよ。死なない程度にちゃんと手加減しておいたし。さっ、邪魔者がこおりづけになってる今のうちに、もっかいエッチしよっか」
とんでもないことを言い出す彼女に、サンドは戸惑いを隠せなかった。
「ま、またやるの?」
「ええ、やるわよ。マスターに見せつけてやるのよ。あたしとあんたはこういう関係なのよ、ってとこをね」
たじろぐサンドに歩み寄り、ゆっくり彼を押し倒すグレイシア。
「今度はおしりの穴を舐めてあげる。ほら、早くシッポどけなさいよ」
そう言って、サンドの股間にふたたび口元を寄せていくのだった。
おしまい - 58 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/11/01(日) 19:06:34.141 ID:5ohaDkZ50.net
- 乙

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