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まゆ「最高の友達」
- 1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:05:04.17 ID:6b17m/D00
- ・コレジャナイ感のあるキャラ、方言
・若干の百合
以上注意 - 2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:05:43.07 ID:6b17m/D00
- まゆ「お疲れ様です、プロデューサーさん」
モバP「おう、お疲れ」
まゆ「あの……、少し話したいことがあるんですけど、いいですかぁ?」
モバP「あー、っと」
モバP「すまん。これからすぐまた別の現場行かないといけないんだ」
モバP「また今度でいいか?」
まゆ「……わかりました」
モバP「すまないな」
まゆ「いえ、お仕事ですから……」
まゆ「えっと……頑張ってくださいね」
モバP「ああ、ありがとう」
モバP「それじゃあ」
まゆ「行ってらっしゃい……うふ」
まゆ「……」
まゆ「…………」
- 3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:06:16.49 ID:6b17m/D00
- 紗枝「なんや、難儀な人やなぁ、まゆはんは」
まゆ「あら……紗枝ちゃん、お疲れ様です」
紗枝「うふふ、お疲れ様どす」
まゆ「見てたんですねぇ」
紗枝「そら、目の前でやってはりましたから」
紗枝「見てない、聞かない、なんて方がおかしいんちゃいます?」
まゆ「……ごもっともですねぇ」
紗枝「今度から人に聞かれたくない話をしたいんやったら、ちゃんと周りを見渡しぃや?」
まゆ「ありがとうございます」
紗枝「いえいえー」
紗枝「それで、まゆはんの話に戻るんどすけど」
まゆ「戻るんですねぇ」
紗枝「戻りたくありまへんでした?」
まゆ「……あまり」
まゆ「恥ずかしいですし……何を言われるかもわかりませんし」
紗枝「うふふ、そないに変なことはいいまへんよ」
紗枝「ただ、うちが見てて、ほんのりと気になったことがいいたいだけどす」
まゆ「それが怖いんですけどねぇ」
紗枝「あらぁ……じゃあ、やめときます?」
まゆ「……」
まゆ「まゆは、客観的な意見も大切だと思ってます」
まゆ「紗枝ちゃんは、まゆとプロデューサーさんの話の流れを見て気になったことがあったんですよね?」
紗枝「せやなぁ」
まゆ「なら聞いてみたい……とは思います」
まゆ「怖いですけど」
紗枝「うふふ、そらそうやろ」
紗枝「誰でも、人に評価される言うんは恐ろしいものどす」
紗枝「うちかて、まゆはんに今から気になった点を言われるー言うんやったら、恐ろしゅうて耳を塞ぎたくなってしまいますわ」
まゆ「まゆも逃げたいんですけどねぇ」
まゆ「紗枝ちゃんが話したそうにしてますから」
紗枝「別にそんなつもりはないんやけど……」
紗枝「でも、うちの言いたかったのまゆはんのそういう態度についてどす」
- 4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:06:56.35 ID:6b17m/D00
- まゆ「態度、ですかぁ?」
紗枝「そう、態度どす」
紗枝「まゆはんは、どうしても自分を下に見てしまうやろ?」
まゆ「そんなことはないと思いますけど……」
まゆ「まゆは自分を卑下したことはほとんどありませんよぉ?」
紗枝「うーん……そういうことやなくてやなぁ?」
紗枝「まゆはんは自分が我慢することで、相手が喜ぶなら、間違いなくそれを選ぶやろ?」
まゆ「そうですね」
まゆ「相手の迷惑になることは極力したくありません」
まゆ「……勿論、プロデューサーさんにも」
紗枝「それもな、まゆはんのええとこやとは思いますえ」
紗枝「せやけど、たまには我慢しないで我儘してもええと思うんよ」
紗枝「それこそ、恋愛なんて究極のわがままなんやから」
まゆ「……!」
紗枝「うちがさっきの会話で感じたんはこんな感じどす」
まゆ「……すごい、参考になりました」
紗枝「うふふ、それなら嬉しいわぁ」
まゆ「恋愛は……ワガママ……」
まゆ「聞いておいて良かったです、ふふ……」
まゆ「まゆには、もっと積極性が必要なんですね」
紗枝「せやなぁ」
紗枝「引いて引いて、ただ待ってるだけやといつか誰かに取られてしまいますえ?」
紗枝「それこそ、うちとか」
まゆ「!」
紗枝「なんて、うふふ……あらあら、冗談やさかい、そんなに見つめんといて欲しいわぁ」
まゆ「本当ですかぁ?」
紗枝「そんなに訝しんでも、ほんまに違いますえ」
まゆ「……わかりました」
まゆ「何はともあれ、ありがとうございます、紗枝ちゃん」
まゆ「参考にして頑張ってみますねぇ」
紗枝「うふふ、気張りぃや」
- 5 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:07:29.48 ID:6b17m/D00
- ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まゆ「プロデューサーさん」
モバP「あー、すまん、今ちょっと忙しいんだ」
モバP「後にしてもらっていいか?」
まゆ「……ほんの少しだけ」
まゆ「5分……いえ、2分でもいいんです」
まゆ「ほんの少しだけ、時間をくれませんかぁ?」
モバP「……」
モバP「すまん、これが終わったら時間とるから」
モバP「もう少し待ってくれ」
まゆ「……」
まゆ「……わかりました」
- 6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:08:07.52 ID:6b17m/D00
- 紗枝「あらあら、残念どしたなぁ、まゆはん」
まゆ「……また見てたんですかぁ?」
紗枝「うふふ、見てもうたわぁ」
紗枝「たまたま、ここにいたもんやからなぁ、耳塞いどった方が良かったどすか?」
まゆ「別にそこまでは言いませんけど……」
まゆ「……でも、ありがとうございました、紗枝ちゃん」
紗枝「んー?」
まゆ「紗枝ちゃんのアドバイス通り、もう少し頑張ってみたら、もっとプロデューサーさんと話す機会が増えました」
紗枝「せやろ?」
紗枝「うちな、常々まゆはんはもっと自分を出していい思ってたんよ」
まゆ「……そんなに思われてたんですねぇ」
紗枝「まゆはんは優しい子やからなぁ」
紗枝「みんなも、まゆはんはいい子って言うてはりますさかい、ふと気になったんよ」
紗枝「まゆはんがまゆはんを出すときってあるんかなぁって」
まゆ「……」
紗枝「あ、別にじぃと見てたわけちゃいますよ?」
まゆ「そこは別に気にしてませんよぉ」
紗枝「そんならよかったわぁ」
紗枝「変にすとーかー思われるんは嫌やしなぁ」
まゆ「……」 - 7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:09:07.96 ID:6b17m/D00
- 紗枝「さっきのやって、今すぐーは無理やったけど、ちゃんと約束してくれはりましたし」
まゆ「口約束ですけどねぇ」
紗枝「口約束だって、ちゃんとした約束どす」
まゆ「そうなんですけどぉ……」
まゆ「まゆたちのプロデューサーさんって、沢山の人たちを一人でプロデュースしてるじゃないですか」
紗枝「せやなぁ」
紗枝「時折人間やめはったんちゃうかと思います」
まゆ「……そんな状況ですから、終わった後ってくるのかな、って思ったんです」
紗枝「あー……」
まゆ「プロデューサーさんは優しい人ですから、ちゃんと守ってくれるとは思いますけど」
まゆ「ほんの少しだけ不安です」
紗枝「……」
紗枝「まゆはん、ちょっと手出して」
まゆ「?」
紗枝「うふふ、大丈夫」ギュッ
まゆ「!」
紗枝「まゆはんの言ってた通り、うちらのプロデューサーはんは優しい人どす」
紗枝「ちゃぁんと、約束は守ってくれはります」
紗枝「せやから、不安がらず、安心しぃ」
まゆ「……」
紗枝「それでも不安なら、こうしてうちが一緒にいてあげますえ」
まゆ「……ありがとうございます」
まゆ「紗枝ちゃんの手……暖かいですねぇ」
紗枝「まゆはんの手は冷たいどすなぁ」
紗枝「ひんやりしてて、気持ちええわぁ」
まゆ「……なんだかはずかしいですねぇ」
- 8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:09:37.39 ID:6b17m/D00
- ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
モバP「お待たせ、まゆ」
まゆ「プロデューサーさん」
モバP「すまん、遅くなって」
まゆ「うふふ、大丈夫です」
まゆ「まゆとの約束をちゃんと覚えてくれているって信じてましたから……」
モバP「そうか……ありがとう」
モバP「それで話って?」
まゆ「あ、えっと……」
まゆ「今度の日曜……プロデューサーさん、お暇ですよねぇ?」
モバP「ああ、そうだな」
モバP「いや、ちょっと待て、なんで知って――」
まゆ「――もしよかったら、一緒にお出かけしてくれませんかぁ?」
- 9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:10:32.71 ID:6b17m/D00
- まゆ「紗枝ちゃん」
紗枝「あら、まゆはん」
紗枝「どないしたんどす?」
まゆ「聞いていましたか?」
紗枝「なんのことやろか?」
まゆ「話してる最中柱の裏からその長い髪がずっと見えてましたよぉ?」
紗枝「あら、おかしい話どすなぁ」
紗枝「うちはその時間レッスンしてたはずどす」
まゆ「うふふ、おかしいですねぇ」
まゆ「まゆは時間については何も話してないはずですけど……?」
紗枝「……」
まゆ「別に怒ったり、嫌ったりはしませんよ?」
まゆ「話が早いか、早くないかだけですから」
紗枝「……」
紗枝「うちはほんまに聞いてまへんよ?」
まゆ「うふ、そうですか」
- 10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:11:12.28 ID:6b17m/D00
- まゆ「紗枝ちゃんと一緒に祈った後プロデューサーさんとお話できたんです」
紗枝「あら」
まゆ「そこで……日曜、プロデューサーさんとお出かけできることになりました」
紗枝「約束できたん?」
まゆ「はい、しっかりと」
まゆ「うふふ、日曜が楽しみで仕方ないです……!」
紗枝「おめでとう、まゆはん」
まゆ「紗枝ちゃんが一緒に祈ってくれたおかげです」
まゆ「なんて、うふふ……」
紗枝「嬉しそうやねぇ」
まゆ「もちろんです」
まゆ「プロデューサーさんと一緒にお出かけできるなんて……!」
まゆ「積極的って大切なんですねぇ」
紗枝「そうどすそうどす」
まゆ「そうアドバイスをくれたのも紗枝ちゃんで」
まゆ「一緒に祈ってくれたのも紗枝ちゃん」
まゆ「だから、お礼を言いたかったんです」
紗枝「……別にお礼なんてええよ」
紗枝「うちはただ気になったことを言うただけやさかい」
まゆ「そんなただのことを言ってくれたからまゆはこうして、プロデューサーさんと約束できたんです」
まゆ「本当にありがとうございます」
紗枝「……あかん」
紗枝「そんなに感謝されたらうち照れてまうわ……」
まゆ「あら、本当……お顔がほんのり赤いですねぇ」
紗枝「やめぇ……そんな見んといてぇな」
まゆ「うふふ」
- 11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:11:46.79 ID:6b17m/D00
- 紗枝「こほん」
まゆ「落ち着きましたかぁ?」
紗枝「落ち着いたわぁ」
紗枝「でも、もうお礼はしなくてええよ」
まゆ「照れてしまいますもんね」
紗枝「……まゆはんはいたずらっこやなぁ」
紗枝「あの優しかったまゆはんはどこへいってしもたんやろ……」
まゆ「紗枝ちゃんに変えられちゃいました、うふ」
紗枝「あら……うちの仕業なら自業自得どすなぁ」
紗枝「でも、それでまゆはんが喜んでくれはったんならええわ」
まゆ「うふふ、ありが――」
紗枝「――御礼はあきまへん」
まゆ「おっと」
紗枝「まあ、まゆはんのことやから大丈夫やと思うけど」
紗枝「日曜、気張りぃや」
まゆ「はい……!」
紗枝「……」
まゆ「……」
紗枝「……?」
紗枝「……どうしたん?」
まゆ「……あの」
まゆ「手、ぎゅっとしてもらっていいですか?」
紗枝「うふふ……もちろん」
紗枝「成功するよう、私も応援してますえ」ギュッ
まゆ「温かい……うふふ」
- 12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:12:23.57 ID:6b17m/D00
- ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
紗枝「あら、お帰りやす、まゆはん」
まゆ「……」
紗枝「まゆはん?」
まゆ「……」
紗枝「……」
紗枝「……うちの部屋に来ます?」
まゆ「……」コクン
紗枝「それとも……一人になり――」
まゆ「……」ギュッ
紗枝「――失言やったわ」
紗枝「それじゃ、行きまひょうか」 - 13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:12:57.82 ID:6b17m/D00
- 紗枝「ここがうちの部屋どすえ」
紗枝「狭いところやけど……ベッドにでもすわり?」
まゆ「……ありがとうございます」
紗枝「うふふ、お礼は照れるからやめ言うたやろ?」
まゆ「そうでしたねぇ」
紗枝「……」
まゆ「……」
紗枝「うちで、力に慣れそう?」
まゆ「……」
まゆ「話だけ、聞いてくれるだけでも」
紗枝「いくらでも聞きます」
まゆ「……」
まゆ「……今日」
まゆ「プロデューサーとお出かけしました」
紗枝「せやなぁ」
紗枝「ちゃんと約束守ってくれたやん」
まゆ「はい」
まゆ「まるで、天にも昇るような気持ちでした」
まゆ「本当に……本当に楽しかったです」
紗枝「……積極的になった甲斐がありましたなぁ」
まゆ「……そう」
まゆ「もう、奥手ではだめだって」
まゆ「自分の気持ちも押し出さないとって」
まゆ「そう思って、まゆは気持ちを伝えたんです」
紗枝「……!」
まゆ「プロデューサーさんに」
まゆ「大好きだって」
まゆ「愛してるって」
まゆ「付き合ってほしいって」
まゆ「ずっとそばにいてほしいって」
まゆ「私の中にくすぶり続けていたこの気持ちを、伝えたんです」
紗枝「……」
まゆ「プロデューサーさんは答えました」
まゆ「それはできない」
まゆ「でも、まゆを最高のアイドルにしてみせる」
まゆ「……そう、答えました」 - 14 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:13:33.13 ID:6b17m/D00
- まゆ「まゆはプロデューサーさんにとって『アイドル』でしかない」
まゆ「直接目の前にそう突きつけられて」
まゆ「はい」
まゆ「と、笑うしかできませんでした」
まゆ「笑うしかできなかったんです」
まゆ「その後、帰り道、他愛のない話をして」
まゆ「プロデューサーと別れて」
まゆ「それから……」
まゆ「……それから」
紗枝「……うちのこの小さな体でよかったら」ギュゥ
紗枝「いくらでも吐き出してええんよ」
まゆ「……あったかいですねぇ」
まゆ「紗枝ちゃんの手も……体も、本当に……」
紗枝「……まゆはんは冷たいどすなぁ」
紗枝「うちが、しっかり暖めますわぁ」 - 15 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:14:02.82 ID:6b17m/D00
- まゆ「……」
紗枝「まゆはんはすごいどすなぁ」
紗枝「ちゃあんと、自分の気持ちを伝えられはりましたやん」
まゆ「紗枝ちゃんのアドバイスのおかげですよ」
紗枝「そういってくれるとうれしいけど」
紗枝「うちはできひんかったからなぁ」
まゆ「……!」
紗枝「自分の思いを伝える湯運は恥ずかしゅうて、恥ずかしゅうて」
紗枝「人にああしぃこうしぃ言うんは簡単やさかい」
紗枝「自分も気張らなぁ思うねんけど……」
まゆ「……」
紗枝「ごめんなぁ、まゆはん」
紗枝「これじゃあ、うちがけしかけて、そのせいで失敗した見たいどす」
まゆ「……ううん」
まゆ「そんなことありません、確かにだめでしたけど」
まゆ「前進したのは紗枝ちゃんのおかげですから」
まゆ「だから、今度は紗枝ちゃんの番です」
まゆ「まゆも応援しますから……だから」
まゆ「紗枝ちゃんもその気持ちをがんばって伝えてみてください」ギュウ
紗枝「……」
紗枝「ごめんなぁ、まゆはん」
まゆ「うふふ、大丈夫ですよ」
まゆ「まゆは、紗枝ちゃんのおかげで成長しましたから」
紗枝「ううん、違うんよ」
紗枝「そういうことちゃうんよ……」
まゆ「……?」
紗枝「……」
紗枝「……あんな」
まゆ「はい」
紗枝「うちは……」
紗枝「うちはな、まゆはん」
まゆ「はい」
紗枝「まゆはんのこと、好きどす」
紗枝「……ううん、愛してるんよ」
まゆ「……!」
紗枝「きっと、誰よりも、ずっと、ずぅっと」
紗枝「まゆはんが好きなんよ」
- 16 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:14:38.45 ID:6b17m/D00
- 紗枝「自分でもこずるいわぁ思うねんけど」
紗枝「きっと、今しかないとも思うんどす」
まゆ「……」
紗枝「うちはな、まゆはん」
紗枝「そんな、まゆはんのことを愛くるしい愛玩動物みたいに見たりせえへん」
紗枝「まゆはんを、一人のまゆはんとして、ちゃんと見てる」
紗枝「ちゃんと見て、それで、まゆはんのことが好きになってしもたんよ」
まゆ「……そうですか」
紗枝「……ごめんなぁ」
紗枝「せっかくもらった勇気を、こんな風に使って」
紗枝「まゆはんを悲しませる風に使って」
紗枝「ほんま、こずるいわぁ」
紗枝「……」
まゆ「……ありがとう」
紗枝「お礼はあきまへんよ」
まゆ「ううん」
まゆ「うれしい、紗枝ちゃんがそんな風に思ってくれていて」
まゆ「本当にうれしいの、だからありがとう」
紗枝「……」
まゆ「でも……ごめんなさい」
まゆ「まゆにとって紗枝ちゃんは」
まゆ「最高の友達です」
まゆ「……だって、まゆはプロデューサーさんが好きですから」
まゆ「愛してるのは、ただプロデューサーさんだけですから」
紗枝「……そうどすか」
まゆ「……ごめんなさい」 - 17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:15:42.25 ID:6b17m/D00
- 紗枝「うちはきっと、まゆはんを悲しませるようなことしまへん」
紗枝「今日みたいな表情になって絶対させまへん」
紗枝「それでもだめどす?」
まゆ「……」
紗枝「……そうどすか」
紗枝「……」
まゆ「ごめんなさい、紗枝ちゃん」
紗枝「ううん、まゆはんのおかげどす」
紗枝「こんなにがんばれたのは、まゆはんが気張らせてくれたからやさかい」
紗枝「……まだ心臓がどきんどきん言うてはります」
まゆ「そういえばそうですねぇ」
まゆ「まゆ、意地悪ですね」
まゆ「無理やり告白させちゃったみたい」
紗枝「そんなことありまへん」
紗枝「うちだって言おう言おう思ってはりましたさかい」
紗枝「……でも」
紗枝「応援したら自分に告白されるなんてびっくりしましたやろ?」
まゆ「……もちろん」
まゆ「てっきり、紗枝ちゃんもプロデューサーさんが好きなんだと思ってましたから……」
紗枝「もちろん、プロデューサーはんも好きどす」
紗枝「ただ、それ以上に――」
まゆ「……うふふ」
紗枝「……まゆはん」
紗枝「きっと、うちも今まゆはんと同じ気持ちどす」
まゆ「……」
紗枝「絶対に諦めまへん」
紗枝「うちのこと、最高の一歩上にいかせますえ」 - 18 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:16:29.86 ID:6b17m/D00
- 紗枝「……」
まゆ「どうしたんですか、紗枝ちゃん」
まゆ「顔を押さえちゃって」
紗枝「今更になって恥ずかしゅうて恥ずかしゅうて……」
紗枝「顔なんて見せられまへん……」
まゆ「あら……」
紗枝「よく考えたら、ずっと抱きしめあってたんやなぁ……って、思うと……もう……」
まゆ「……でも、耳が赤いのは見えてますよ」
紗枝「!」
紗枝「あかん……まゆはんいじわるやわぁ……」
まゆ「普段大人びてる紗枝ちゃんも年相応の女の子ですねぇ」
紗枝「うぅ……こずるいわぁ……」
まゆ「……でも、慰めてくれてありがとうございました」
紗枝「……あれは慰めにはいったんやろか?」
紗枝「うちが好き勝手、言うてただけや思うねんけど」
まゆ「しっかり慰めてくれてましたよ……まゆはとっても安心しましたから」
まゆ「紗枝ちゃんの温かい体にぎゅって抱きしめられて、本当に安心できましたから」
紗枝「……いけずやわぁ」
まゆ「うふふ」
おしまい - 19 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 18:19:12.91 ID:6b17m/D00
- 「あいくるしい」本当に名曲
ずっと紗枝はんまゆより年上だと思ってたので、15歳で驚愕しました。
誤字脱字、コレジャナイ感はすいません。ここまで読んでくださった方ありがとうございました。 - 20 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 19:39:42.48 ID:2enEpdDto
- 乙
- 21 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/14(土) 22:12:35.35 ID:FC7OmJ0Bo
- 良さ

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