スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
男「変な奴に懐かれた」少女「変な奴とは失礼な」
- 1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/07(土) 19:29:42.33 ID:OaRMqAH/O
- 男「あー、疲れた……」
男(あいつ、人出が足りないからってこき使いやがって……)
男「……あっちー」
男(冷蔵庫にビール、残ってたっけな?この暑さの中買いに行くのだけは……)
男「……ん」
「……」
- 2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/07(土) 19:36:43.97 ID:OaRMqAH/O
- 男(見たことない子だな……そういや、隣に誰か越してくるって大家が言ってたっけか)
「……」
男(さて、ビールビールっと)
「……はふぅ」
男(……)
「……」 - 3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/07(土) 19:46:46.60 ID:OaRMqAH/O
- 男「おい、お前」
「……?」
男「俺とお前以外に誰もいねーよ」
「……それって、まさか」
男「あ?」
「叫んでも誰も来やしねーぞ、ってやつですか?」
男「んなわけあるか、アホ。大家が飛んでくるわ」
男(……多分) - 4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/07(土) 19:53:42.23 ID:OaRMqAH/O
- 「では、なぜ私に声を掛けたんですか?」
男「何故って……こんな時間に子供が玄関前でうずくまってたら、大抵の大人は声掛けるもんなんだよ」
「そんなもんですか?」
男「そんなもんです」
「そんなもんなら仕方無いですね……よいしょ」
男(立つと小ささが際立つな、何歳くらいだ?こいつ) - 5 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/07(土) 20:00:53.46 ID:OaRMqAH/O
- 「どうぞ、なんでもお聞き下さい」
男「とりあえず、名前から聞いておこうか」
「私は少女と申します。あなたは?」
男「ん、ああ。俺は男、この部屋の住人だ」
少女「お隣さんでしたか、今後よろしくお願い致します」
男「こちらこそ……じゃなくてだ」
少女「??」
男(なんか調子狂う奴だな……)
- 12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 19:23:05.88 ID:9AIj8hpGo
- 少女「質問は以上ですか?」
男「なわけあるか。まだ自己紹介しあっただけだろ」
少女「……ふむ」
男「そこ、お前の家なんだろ?」
少女「えぇ、そりゃまぁ」
男「じゃあなんでこんな時間に玄関先で座り込んでるんだ」
少女「……そうですね、話すと長くなりますが」
男(長くなるのか……)
少女「……じー」
男(……うん、まぁ。話しかけちまったのは俺だしな) - 13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 19:37:48.40 ID:9AIj8hpGo
- 男「ちょっと待ってろ」
少女「……?」
男「……あー、あちぃ」
男(クーラー入れとこ……よっと)
男(見事にビールとつまみしか入ってねぇな……流石にこれ飲ますわけにもいかねぇよな)
男「おう、待たしたな」
少女「いえ、特には」
男「ほれ、飲め」
少女「……」
男(ここまで警戒されると結構ショックだな……) - 14 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 19:54:43.89 ID:9AIj8hpGo
- 男「まぁ別に、無理に飲めとは言わん」
男(俺はビール飲むけど……嫌味みたいになってねぇかな)
少女「……ごく、ごく」
男「……んぐ、んぐ」
少女「……けぷ」
男(あー、美味い……)
少女「……おいしくないですね」
男「……そりゃ悪かった」
少女「いえ、お構いなく」 - 15 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 20:15:37.82 ID:9AIj8hpGo
- 男「それで、さっきの話の続きは?」
少女「さっきの話……」
男「話が長くなるとか、なんとか」
少女「あぁ、そうでした」
男(おいおい)
少女「私はここに、母と二人で暮らしていまして」
少女「普段は秘密の隠し場所に鍵を置いてあるのですが、どうやら今日は忘れてしまったらしく」
少女「それで、こうして座って母の帰りを待ってるわけです」
男「……ぐび」
少女「……んぐ、んぐ」
男「え、終わり?」
少女「はい、終わりです」
男「……」
少女「……」 - 16 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 20:21:04.84 ID:9AIj8hpGo
- 男「いつぐらいに帰ってくるんだ?母親は」
少女「いつぐらい、なんでしょうか。いつも特に気にした事なかったですし」
男「ふーん……」
男(ビールぬるくなってきたな……そろそろ俺はこの辺で……)
少女「……水道水」
男「ん」
少女「味はともかく、助かりました。ありがとうございます」
男「おう、お構いなく」 - 17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 20:42:13.01 ID:9AIj8hpGo
- 男「あー、さっぱりした」
男(……もう8時か、夏は夜もあちいな)
男「……」
男「……ちら」
少女「……はふぁ」
男(まだ外にいるのか……)
男「……おい」
少女「……?」
少女「まだ何か、ご用ですか」
男(……余計なお世話な気がしてきた)
少女「……じー」 - 18 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 21:00:48.62 ID:9AIj8hpGo
- 男(見た感じ、汗一つかいてないし……暑さ感じないとかいう可能性も)
男(……んなわけないか、アホか俺は)
男「あー、その、なんだ」
男「そこに座ってたら暑いだろ?」
少女「……まぁ、多少は」
男「母親が帰ってくるまでの間、うちに来ないか?」
少女「……」
男「変な意味はないぞ。玄関のとこで座ってれば、俺は近寄らん」
少女「……そこまで言われると、逆に」
男(あーあー、やっぱ余計な……)
少女「冗談です、厚意で言ってくださってるんですよね」
少女「お言葉に甘えさせていただいて、いいですか?」
男「最初からそう言えばいいんだよ」
男(笑うと結構印象変わるな、こいつ) - 21 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 02:14:59.68 ID:v+EtuOPXo
- 少女「……おじゃま、します」
男「おう、適当にくつろいでくれ」
少女「……んしょ」
男「……」
少女「……きょろ、きょろ」
男(……落ち着かんな、まぁ当たり前か)
男(なんか会話でもしてみるか……)
男「なぁ」
少女「……はい、なんでしょうか」
男「いつもこんな時間なのか?母親が帰ってくるの」
少女「どうなんでしょうか、時計をあまり見ないもので」
少女「今日はいつもより遅い、ような気はします」
男「ふーん……」 - 22 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 02:24:50.70 ID:v+EtuOPXo
- 男「なら、お前はいつも一人で待ってるのか」
少女「そうなりますね。あの部屋に私が感じられない何かがいる可能性も否定はできませんが」
男「……なんじゃそりゃ」
男(母子家庭、ってやつか……)
男「お前、寂しくは……」
少女「……あ」
男「あ?」
少女「音が、しました」
男「……あぁ」 - 23 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 02:30:53.06 ID:v+EtuOPXo
- 「……ありがとうございます、どうしているかずっと心配だったんです」
男「勝手にやった事ですんで」
「ほら、あなたもお兄さんにお礼を言いなさい」
少女「……ありがとうございます」
男(……嫌そうな顔してんな)
「後日、引っ越しのご挨拶も兼ねてお礼をさせていただきますね」
男「あ……その、お構いなく」
「では、また……」
男「あ、はい。ほんとお礼とか……」
男(……行っちまった)
男(幸薄そうな顔してたな……ま、色々苦労してんだろうな)
男「……寝るか」 - 24 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 02:49:27.02 ID:v+EtuOPXo
- 男「……ふわーぁ」
「随分と大欠伸ね」
男「……色々あってな、昨日」
「色々って何さ」
男「具体的に話しても特に面白い話でもないが」
「そう言われると聞きたくなるのが人間でしょ」
男「……仕方ねぇな」
「ふーん、そりゃ大変だったね」
男「だから特に面白い話でもないと言っただろ……」
「……どうだか?」
男「……?」 - 25 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 04:12:10.99 ID:v+EtuOPXo
- 男「……あー」
男(相変わらずあっちぃな……政府はもっと温暖化対策に力を入れるべきだ)
男「……ん」
少女「……あ」
男「……よう」
少女「……こんばんは」
男「こんばんは……じゃなくて、なんで俺の家の前にいるんだ」
少女「母がお礼に、と」
男「母本人はどうした」
少女「今日のお仕事は夜勤だそうで、お礼だけを持ってお待ちしてました」
男(……てことは、こいつは今日一人ぼっちなわけか)
男「……」
男「一緒に、食うか?それ」
少女「……」
男「……」
少女「……そちらの都合がよろしければ」
男「都合が悪かったらこんな事言わねーよ」
少女「そう、ですか……では」
男(カレーか、自分じゃあんま作らんからな。久しぶりだ) - 29 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 18:17:02.80 ID:v+EtuOPXo
- 少女「……お邪魔します」
男(別にわざわざ言わんでもいいのに)
少女「お台所、借りますね」
男「ん……火は使った事あるのか?」
少女「……手伝いくらいなら、多少」
男「危なっかしいな、俺に任せてお前は座ってろ」
少女「……それではお礼になってないのでは」
男「俺がお礼されたと思ってりゃいいんだよ」
少女「……納得いきませんが、理解は出来ます」
男「ほれ、ジュースでも飲んでろ」 - 30 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 18:36:15.69 ID:v+EtuOPXo
- 少女「……ごく、ごく」
男(おー、いい香りだ)
少女「……あなたは」
男「ん?」
少女「一人暮らし、されてるんですか」
男「誰かと暮らしているように見えるか、この部屋」
少女「……すいません」
男「別に謝る必要はないぞ……よし、このぐらいでいいか」
男(米は確か冷凍のがあったよな……)
男「待たした」
少女「いえ、そこまでは」 - 31 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 18:55:45.92 ID:v+EtuOPXo
- 男「遠慮なく食えよ」
少女「……元々そこまで大食いではないのですが」
男「いや、無理して食わんでもいいが」
少女「……いただきます」
男「いたきだきます」
少女「……もぐ、もぐ」
男(……甘口、か。多分こいつの為に作ったカレーなんだろうな)
少女「……おいしい、ですか?」
男「おう、美味いぞ」
少女「……にこ」
男「……」
男「お前、普段からもう少し笑った方がいいと思うぞ。その方が、いい感じだ」
少女「……」
少女「…・・これはいわゆる、口説き文句と言うやつですか?」
男「アホ言え」 - 32 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 19:27:36.02 ID:v+EtuOPXo
- 少女「……ご馳走様でした」
男「ふー、久々に腹一杯食べた」
少女「……後片付けくらいは、させてください」
男「おう、そこはお言葉に甘えようか」
男(ビールビールっと……)
少女「……ごし、ごし」
男(……つまみうめぇ)
少女「……終わりました」
男「おう、お疲れさん」
少女「……」
男「……」
男「おい」
少女「……?」 - 33 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 20:01:52.60 ID:v+EtuOPXo
- 男「まだ何か用があるのか?」
少女「いえ、無いですが」
男「だったら、いつまでいる気なんだ」
男(男の一人暮らしだぞ、一応)
少女「……私がいると、迷惑ですか?」
男「いや、迷惑と言うか……なんと、言うか」
少女「……じー」
男(急に警戒心が減ったな、やっぱりよく分からん奴だ) - 34 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 20:56:25.07 ID:v+EtuOPXo
- 男「12時過ぎるまでだからな」
少女「……ふむ」
男(……理由は分からんでもないから、追い出しにくい)
少女「……あの」
男「ん、なんだ」
少女「……ありがとう、ございました」
男「改まって急になんだ」
少女「……」
男「……?」
少女「……ぐぅ」
男(寝言、だったのか今の。にしちゃ……)
男(じゃなくて、何寝てくれちゃってんだコイツ) - 35 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 21:29:25.73 ID:v+EtuOPXo
- 少女「……すぅ……すぅ」
男「おい、起きろ。おい……」
少女「……」
男(……ダメだ、完全に寝入ってる)
男(ちょいと確認してくるか)
男「……ふむ」
男(隣の部屋に行くだけでもちゃんと戸締りするんだな、感心だが……)
男「さて、どうしたものか」 - 36 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/09(月) 22:30:58.84 ID:v+EtuOPXo
- 男(とりあえず、ベッドまで運ぶか)
少女「……むにゃ」
男(……軽いな。事務所の荷物よりも、は言い過ぎか)
少女「……」
男「……よいしょっと」
男(さて、俺はどこで寝るかな……)
男「……?」
少女「……」
男(裾をギュッと握られては、動けんのだが)
少女「……ぐぅ」
男「……はぁ」
男(今から言い訳、考えておいた方がよさそうだな……) - 39 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 01:55:29.55 ID:T7r5zg40o
- 少女「……むにゃ、むにゃ」
少女「……くぁ」
少女(……私、寝ちゃってた?)
少女「……じー」
男「ぐがー……」
少女(……だらしない寝顔ですね)
男「すぴー……」
少女「……なで、なで」
男「むにゃ……」
少女「……ふふ」 - 40 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 02:14:12.45 ID:T7r5zg40o
- 男「……ん」
男「ふわーぁ……」
男(いつの間にか寝ちまってたのか)
男(今何時だ……ん?)
『ありがとうございました。目が覚めたので帰ります』
男(……母親が帰ってくる前に帰れたんだろうか)
男「おっと、こんな時間か。急がんとな」 - 41 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 02:33:46.33 ID:T7r5zg40o
- 「おっす、おはよう」
男「おっす」
「今日は面白い話、ないの?」
男「そう毎日何かあってたまるかよ」
「その反応は、何かあったんだね」
男「……まぁな」
「またお隣の少女関連かな?」
男「そうだが、何故そう思った」
「昨日の今日だし、なんとなくね。で、どんなことがあったの?」
男「……話さないといけないのか」
「暇だしね」
男「俺は暇じゃない」
「わくわく」
男「……チッ」 - 42 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 02:45:15.50 ID:T7r5zg40o
- 「へー、そんなことが」
男「子供は何考えてるのか分からん」
「大人だからって分かるもんでもないんじゃない?」
男「子供よりは幾分かマシだ」
「へぇー」
男「んだよ」
「んーん、別にー」
男「お前も作業を手伝え。何が暇だ」
「はいはーいっと」 - 43 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 02:54:43.98 ID:T7r5zg40o
- 男(今日は早く終わりそうだな……)
「ねぇ、今日さ」
男「ん、どうした」
「キミの家、行ってもいい?」
男「……なんだ、急に」
「話しを聞いてたら、その女の子の事が気になっちゃって」
男「お前、そういう趣味が……?」
「……バーカ」
男「??」
「とりあえず、分かったらさっさと作業終わらせなよ」
男(だったら手伝えっての……) - 44 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/10(火) 03:18:04.87 ID:T7r5zg40o
- 「いやー、事務所を出るとあっちぃね。この時間でも」
男「一旦家に帰ったほうがいいんじゃないか」
「まぁ最悪、キミの家でシャワー借りるよ」
男(本気で言ってんのかこいつ……)
男「……ん」
「……んー?」
少女「……あ」
男「む」
「お?」 - 48 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 01:13:57.29 ID:izQfL36co
- 男「なんだ、またなのか?」
少女「……の、ようです」
(ふーん、この子が噂のね)
「はじめまして、こんばんは」
少女「……じー」
(心なしか、睨まれているような?)
男「こいつは俺の職場の同僚だ。アホだがそこまで害はない」
「微妙にひどい紹介じゃない?」
男「全面的にひどく紹介したつもりだが」
少女「……お友達、ですか?」
男「まぁ、かなり好意的に解釈するとそんなとこか」 - 49 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 01:27:13.72 ID:izQfL36co
- 少女「……失礼しました」
「いえいえ、お構いなく」
男「まぁ、知らない奴に対しての反応としちゃ間違った方じゃないから安心していい」
少女「……ぺこり」
(可愛いなぁ、こりゃもしかしなくても……)
男「じゃ、帰れ」
「へ?」
男「用は済んだだろ」
「まだシャワー借りてないよ」
男「本気で言ってたのかそれ……」 - 50 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 01:31:18.05 ID:izQfL36co
- 男「着替えどうすんだよ」
「キミの借りちゃダメ?ちゃんと洗って返すよ」
男「そういう問題かよ……」
少女「……」
「……ダメ?」
男「ダメだ、さっさと帰れ」
「ちぇーっ、帰りますよっと……それじゃ、またねー」
男「……」
少女「……」 - 52 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 02:07:50.09 ID:izQfL36co
- 男(まったく、何しに来たんだあいつ……)
少女「……おっきかった」
男「は?」
少女「なんでもありません」
男「……ならいいんだが」
少女「いや、なんでもないわけではないかも……?」
男(また訳の分からんことを言い始めやがって)
少女「……暑さで頭が回りません」
男「……」
少女「……暑い、です」
男「分かった分かった……」 - 53 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 02:35:02.83 ID:izQfL36co
- 少女「……はふ」
男(随分と遠慮がなくなったな、コイツ)
少女「今日はお酒、飲まないんですか?」
男「ん、あぁ」
男(余計な奴が引っ付いてきたせいで買い忘れただけだがな)
少女「……あの」
男「ん、どした」
少女「……」
男「……おい」
少女「……上手く言葉が出てこない、です」
男「なんじゃそら」 - 54 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 02:44:45.01 ID:izQfL36co
- 少女「ですから、その……ですね」
男(こいつ用にと思って買ってきたもんだったが)
少女「……あっと……ええと」
男(久々に飲むとオレンジジュースも悪くねぇな)
少女「……マジメに聞いてますか?」
男「なんも話してねぇだろ」
少女「ですから……」
男「……ん?」
男「わりぃ、来客だ。ちと待っててくれ」
少女「……むすー」 - 55 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 02:52:20.30 ID:izQfL36co
- 「こんばんは、お隣さん」
男「あ、どうも。こんばんは」
「あの子、こちらにいらしてませんか……?」
男「あぁ、来てますよ」
「よかった……いつもの場所に鍵が置きっぱなしだったから、心配しちゃって」
男(俺のとこにいたから安心、ってのもおかしい気もするがな)
男「……ん?」
「……この前のカレーどうでした?」
男「へ?あ、はい。美味しかったですよ」
少女「……とてとて」
「それはよかったです、あの子から話を聞いた時は心配で……」
少女「……お母さん、帰ろ」
「はいはい、今行きますよ……では、これで」
男「は、はぁ……」
男(なーんか、話がおかしかった気がするが……)
男(まぁいい、寝るか) - 59 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 16:08:32.63 ID:izQfL36co
- 男「……ん」
男(朝……いや、もう昼か?どうも休みってのは時間の感覚が掴めんな)
男「とりあえず食いもん買ってくるか」
男「む?」
少女「……あ」
男「おつかいか、偉いじゃないか」
少女「今日はお仕事、お休みなんですか」
男「ま、そんなとこだな」
少女「……惣菜ばかりでは、体を壊しますよ」
男「この生活を続けてるが幸い俺は健康体だ」
少女「……むー」
男(な、なんで不機嫌になる) - 60 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 16:10:06.32 ID:izQfL36co
- 少女「……では、ここで」
男「……」
少女「とてとて……」
少女「……っ?」
男「どうせ帰る方向一緒なんだ、持ってやるよ」
少女「……泥棒は犯罪です」
男「料理しねぇのに食材ばっか盗んでどうすんだ」
少女「……ありがとう、ございます」
男「うむ、それでよろしい」 - 61 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 16:20:01.19 ID:izQfL36co
- 少女「……重くないですか?」
男「この程度、慣れてるよ」
少女「……」
男「おい、歩きにくいだろ」
少女「我慢してください、これぐらい」
男「いや、なんでだよ」
少女「……」
男(……まったく、子供は分からん) - 62 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 16:35:27.45 ID:izQfL36co
- 男「ほいよ、ここまでくればいいだろ」
少女「……こく」
男(この程度とは言ったものの肩が……歳か?なんて言いたかねぇな)
少女「ただいま、お母さん」
「あら、早かったわね……」
男「……さて、飯飯っと」
男「……おっと、もうこんな時間か」
男(一日中家でゲームだなんて、実に贅沢な休日の使い方だ)
男「ん?」
男(誰だ、こんな時間に……) - 63 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 16:38:27.01 ID:izQfL36co
- 少女「……」
男「おう、どした。また親がいねぇのか」
少女「……親はいます。片親ですけど」
男「いや、そう言う意味の言葉じゃなくてだな……」
少女「お昼のお礼を、言ってなかったので」
男「ん、あぁ」
少女「ありがとう、ございました」
男「はい、どういたしまして」
少女「……それでは」
男(え、そんだけ?)
少女「……さようなら」
男「あ、おい……」
男「なんだったんだ、今の」 - 64 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 16:45:07.63 ID:izQfL36co
- 「やぁ、おはよう」
男「おう、おはよう」
「いつにも増して不景気なツラしてるね」
男「……ある程度は生まれつきだ」
「また件の少女関連?」
男「いや、あいつとはしばらく会ってない」
「しばらくってどのぐらい」
男「そこ重要か?」
「それなりに」
男「……」
男(あの謎のあいさつ以降、だなそういや) - 65 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 16:50:42.89 ID:izQfL36co
- 「結構な期間音沙汰なしなんだね、また引っ越したとか?」
男「いや、母親の方を見かけるからそれはないだろうな」
「ってことは……」
男「ってことは、なんだよ」
「いや、なんでも」
男「なんだよそれ」
「キミが不景気ヅラしてる理由が分かって満足だし」
男「どこをどう聞いて理由が分かったんだ」
「さて、どこでしょう?」
男「……ケッ」 - 66 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:07:05.14 ID:izQfL36co
- 「あ、そういや聞いた?」
男「何をだよ」
「今日新しいバイトの子、入るらしいよ」
男「ほう、これでやっと俺の重労働も軽減されるのか」
「残念、女の子らしいです」
男「……はぁ」
「所長好みの女の子とかなんとか」
男(所長の趣味なんて知るか……) - 67 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:16:51.54 ID:izQfL36co
- 「もうそろそろ来るって聞いてたんだけど……」
男「俺は作業に戻るぞ、お前が対応しろ」
「えー、めんどくさいなぁ……っと、噂をすれば」
「はいはい、今出ますよー」
男(というか、所長って普段何やってんだ?俺も面接の時一回会ったきりな気がするぞ)
「おーい、一応新人くんに挨拶ぐらいしときな」
男「へいへい……」
男「……」
少女「……」
少女「……初めまして?」
男「いや、なんでだよ」 - 68 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:22:18.63 ID:izQfL36co
- 「キミが子供子供言うから、完全に勘違いしちゃってたよ」
男(まさか高校生だったとは……)
「受験とかで大変だったんだよねー」
少女「……はい、まぁ」
(ま、それだけじゃないんだろうけど)
男「……」
男「まさか、新人がこいつだって知ってたんじゃあるまいな?」
「……まっさかー?」
少女「……まっさかー」
男「……お前らなぁ」
男「ったく、仕事をなんだと……」
少女「……あの」
男「あん?」
少女「……これから宜しくお願いします、先輩」
男「お、おう?」
「ニヤニヤ」
男「……まったく、変な奴に懐かれたもんだ」
少女「変な奴とは失礼な」
「変な奴はキミだろ?」
男(もう仲良しかよ、お前ら) - 69 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:23:42.87 ID:izQfL36co
- こんな感じで終わります
久々に普通にSS書きました、どうだったでしょうか
よかったら過去作も合わせてどうぞ
http://hanami2ki.blog.fc2.com/ - 70 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:51:32.01 ID:3RQnMcSa0
- 乙 よかった
- 74 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 19:18:27.53 ID:1MHIgFhC0
- 乙乙
いい雰囲気だったよ

「男女」カテゴリの記事
-
- 男「黒タイツっていいよな」女「ほう・・・」
- メイドロボ「おっぱい触ってみますか?」
- 男「理想の女の子に恋をした」
- 美少女「ずっと好きでした!」俺「え?何か言った?」
- 男「ハンバーガーください」女店員「その他にご注文は?」男「え?」
- 男「お前、最近太った?」女「え!?」
- 女上司「分からないことがあったら聞きなさい!」男「あなたのことをもっと知りたい」
- メイド「退職します」
- 家出少女「おにいさん。少しだけでいいから僕のこと泊めてくれない?」
- 男「君の名前は?」少女「・・・・・・」
- 幼女「ジングルベル♪ジングベル♪鈴が鳴る♪」
- 男「くっ…鎮まれ!俺の右手…ッ!!」モミモミ 女「………」
- 男「うおぉぉおおお!!○ックスさせろぉおおお!!」女「……!」
- 女「だんだん寒くなってきましたなデュフフwwww」
- 男「ヘイ、ガール!俺の家に寄ってかない?冷えたビールもあるんだ」女「は?」
コメントする
全ランキングを表示