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イヴ・サンタクロース「ダンボールの神様…ですかぁ?」
- 4 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:24:44.43 ID:ba3lm/HG0
- ー公園ー
イヴ「ううう…寒い、寒いですぅ~…」
イヴ「まさか寝ているうちに身ぐるみをはがされてしまうなんて…プレゼントどころか着るものまで…」
イヴ「ど、どうしよう…これじゃあクリスマスにプレゼントを配れない…う、うぇえ…」ぐすっ
- 5 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:25:16.87 ID:ba3lm/HG0
- イヴ「寒いよぉ…ぐすっ…暖かい毛布…ココア…うう…」
バサっ…
イヴ「ほえ?」
「使いな。そんな紙くずでも、意外と暖を取るのには事欠かねえもんだ」
イヴ「ダンボール……あの、あなた様は…一体…?」
「俺か? 俺はな…」
長谷川泰三「悲惨タクロースだよ」E・ダンボール一式
- 6 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:25:56.57 ID:ba3lm/HG0
- ーーーーーーー
イヴ「暖かいですねぇ…悲惨タさんは命の恩人ですよぅ…」ぬくぬく…
長谷川「嬢ちゃん、一体こんなところで何をしていたんだ?」
長谷川「ここには何もない。他人の幸せを願うどころか、テメェの幸せも掴み損ねた悲惨タ達の巣窟」
長谷川「嬢ちゃんみたいな、綺麗な眼をした人が来ていい場所じゃねェんだ」
- 7 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:26:36.65 ID:ba3lm/HG0
- イヴ「でも、悲惨タさん、ちゃんとプレゼントくれましたよね」
イヴ「このダンボールのお洋服も、ダンボールのお家も、ダンボールのブリッツェンもすごく暖かいですぅ…」
ブリッツェン「ブモッ!?」
長谷川「いや、ブリッツェンはダンボールじゃないから。てかブリッツェンって何、どっから出てきたの」
イヴ「ブリッツェンはブリッツェンですよぉ~♪ ねーブリッツェン」
ブリッツェン「ブルルル…ヴェックシ!」
- 8 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:27:12.87 ID:ba3lm/HG0
- 長谷川「…まあいいさ。いいか、嬢ちゃん。よく聞くんだ」
長谷川「世の中、一発でヤマを当てようとするヤツは必ず転ぶ。一発で形勢逆転なんざ、そうそう狙えやしねえ」
長谷川「地道にやるのが一番なんだ。しっかり稼いで、二度とこんなところに来なくてもいいようにするんだ」
- 9 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:27:40.26 ID:ba3lm/HG0
- イヴ「は、はい~。肝に銘じますねぇ~」
長谷川「それでいい。さて、それじゃあ明日も早いんだ、する事がないなら寝るに限るってな」
イヴ「…悲惨タさん、お仕事は何をされてるんですかぁ?」
長谷川「……聞かないでくれ、永遠に眠りたくなっちゃうから」
ーーーーーーーー
- 10 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:28:12.31 ID:ba3lm/HG0
- ー翌朝ー
長谷川「早朝。まずは公園のゴミを拾う。 いいか、金になりそうなモンがどこに転がってるかしれねぇ」
長谷川「目を皿にして探せ。さもなくば、今日の夕飯は自分の家か服を食らう事になる」
イヴ「は、はい~!」
ーーーーーー
- 11 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:29:01.26 ID:ba3lm/HG0
- 雪の中、俺達は空き缶や釘、鉄くずなどを拾い集める。
別に、褒められた事をしてるわけじゃねェ。ただ、こうしないと人生が終わる。
ハロワのブラックリストに名前が乗った。もう俺には後がなかった。
同じ事の繰り返し。
いい加減、マンネリじみて生きるのもだるくなってきたオッさん …略して、マダオな俺。
そんなマンネリな毎日に、ほんのわずかだが変化があった。
- 12 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:29:38.78 ID:ba3lm/HG0
- イヴ「えーいっ♪」(雪玉を投げる)
長谷川「うわっぷ! ちょっと、顔はやめて顔は、サングラス割れちゃうからね」
イヴ「はーい♪ ふふっ!」
ドン底の中で出会った、雪みたいな髪をした女の子
もしかしたら俺は既に死んでいて、これはそんな俺が今際の際に見た、幻なのかもしれない。
…それでもいい。こんなマダオでも、まだこの子のために役に立てるのなら。
なけなしのこの命で、この子のクリスマスプレゼントに代われるというのなら。
俺は喜んで、ダンボールも、何もかも差し出そうと思ったんだ… - 13 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:30:13.66 ID:ba3lm/HG0
- ーーーーーーー
数日後ー
モバP「うう…寒…はやく事務所戻らねえと、凍死しちまうってマジで…」たたた……
モバP「確か、この公園抜けてけば近道だったはずだよな…よし」
モバP「やっべ、吹雪いてきやがった!急げ急げ急げー!」たた…
モバP「ん?」
- 14 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:30:47.61 ID:ba3lm/HG0
- イヴ「しっかりしてください!悲惨タさん!起きて!」ゆさゆさ…
長谷川「…………」
イヴ「眠っちゃ嫌ですよぅ! まだ私、悲惨タさんに何もプレゼント、あげられてないんですから!」
イヴ「起きてくださいったら!ねえ!」
ブリッツェン「ブモッ!ブモッブモッ!」
- 15 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:31:31.22 ID:ba3lm/HG0
- 長谷川(…ああ…ついにお迎えが来ちまったか…悪くない、こんな死に方なら、悪く…)
長谷川「最後の最期に…最高のクリスマスプレゼント……もらっちまったなぁ…」
イヴ「悲惨タさん!悲惨タさんってば!」
イヴ「悲惨タさんんんんんんんんん!!」
- 16 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:32:22.97 ID:ba3lm/HG0
- モバP(ダンボールのおっさんと…新品らしいあったかそうなコートを一枚だけ羽織った女の子がいた)
モバP(女の子はコートの中には何も着ていない……いや、わずかに見える紙のような…ダンボールか?)
モバP(………なんで、ダンボール…?)
モバP「……………って、そんな場合じゃねえ!おーい!大丈夫かー!」たたた……
- 17 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:33:04.16 ID:ba3lm/HG0
- ーーーーーーーー
ーそれから少しして…クリスマスイヴー
多毛さん「えー、それではね。早速なんだけど歌っていただきましょう」
多毛さん「期待の新ユニット!『ダンボール戦機M(残機ゼロ)』さんで」
多毛さん「曲はもちろん、『ダンボールの神様』!」
- 18 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:33:48.94 ID:ba3lm/HG0
- ジャアン……♪
MADAO「ダンボールゥ~♪ ルゥ~♪ ルル…ルゥ~♪」
イヴ「ルゥ~♪ルル、ルゥ~♪」
MADAO「あいつらは 奪い取る 家庭 定職 固定給…」~♪~♪
MADAO「……だがダンボールの神様は与えてくれる…」~♪~♪
- 19 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:34:18.49 ID:ba3lm/HG0
- モバP「……よし!」ぐっ…
こうして、新ユニットとして活動を開始した、悲惨タクロースとサンタクロース。
後に、彼らの歌がクリスマスの定版ソングとして歌謡史にその名を刻むことになるのだが…
今はまだ、遠い先の話である。
- 20 : ◆tPHkm/jYV. 2015/12/11(金) 15:34:44.64 ID:ba3lm/HG0
-
ーおしまい。
- 24 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/11(金) 17:30:04.02 ID:+U0Z/S4wO
- いい話だった
乙!

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