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男「幼女を預かることになった」幼女「なったなー」幼馴染「はあ?」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:45:37.53 ID:R80Vulir0
幼馴染「男ー、二日も顔見せないから来たわよー。アイス買ってきたから……ちょ、その子どうしたのよッ。ま……まさかあんたッ」

男「や、待て。こいつはな―――」

幼馴染「ごめんね男、おじさんから面倒頼まれてたのにこんなことになって。あたしあんたのこと忘れない。だからあんたも塀の向こうで―――」

男「勝手に刑務所に入れるな。お、おい待て、110番は待て。シャレにならんッ」

幼馴染「いやだってこれ完璧犯罪じゃない」

男「犯罪じゃねえよ、いいか幼馴染。実はこの幼女を預かることになった。なー?」

幼女「なったなー」ニコー

幼馴染「はあ?」

幼馴染「…………はあ?」

男「大事でもないこと二回も言うな」

幼馴染「いやいやいや、大事なことだよ! だって男、預かることになったって……誰から―――」

男「従姉妹から」

幼馴染「あー、そう言えばあんた年上の従姉妹が居たっけ」




3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:46:50.81 ID:R80Vulir0
男「ああ。でだ、その……従姉妹の人がだな、なんだ、アレだ」

幼女「ママな、しんだんよ」

幼馴染「え?」

男「まあ、その、なんだ。先々月に交通事故で従姉妹の姉ちゃん死んじまってな―――」

幼馴染「ちょ、ちょっと男、こっち来なさい! あ、あなたはちょっとソコでおりこうさんにしててね。そこにアイスあるから、ほら、食べてて、ね?」

幼女「はーい。おねえちゃんありがとお」

幼馴染「どういたしまして。チョコレートのは男の好物だから置いておいてあげててね。ほら早く」

男「ちょっと、幼馴染、とても痛い……ぼ、暴力はいけない」

幼馴染「いちいち使い所間違えた小ネタを仕込むな! いいから早くこっちに!」グイグイ


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:47:38.02 ID:R80Vulir0
男「やだ、こんな真っ昼間っから寝室に男を連れ込んでッ」

幼馴染「2DKの古アパートで、あんたの部屋以外どこに行くってのよ」

男「古アパートとか言うなよ。お前その古アパートの大家の娘だろうが」

幼馴染「大家の娘だろうと古いものは古いでいいの! それよりあの子のことよ! 預かるったって、どうするのよ!」

男「あー」ガリガリ

幼馴染「あー。じゃないの! 頭掻くなッ! あのね、犬猫飼うのと一緒にはいかないわよ。あの子何歳よ?」

男「確か今年四つになるんだったかな?」

幼馴染「じゃああたしたちが大学卒業する頃には小学生ね。そんな子あんたが預かるなんて無理に決まってるじゃない!」

男「俺の母さんの代わりをずっとしてきてくれた、心優しい一家に心当たりが」

幼馴染「あらそんな都合と人の良い知り合いが居たの良かったじゃないってそれあたしん家じゃないッ!」

男「あはは。いやいやいや、怒るな! 怒るなってッ! とりあえずその振り上げたスリッパ下ろしてくれ」

幼馴染「…………あんたのお母さんも、あのくらいだっけ」

男「…………ん、そうだっけか。どうだったかな。お前んトコの親父さんが死んだのがあれくらいだったのは憶えてるケドさ」ガリガリ


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:48:38.28 ID:R80Vulir0
幼馴染「……それで? どうして預かることになったの?」

男「あの子のお母さん……従姉妹の姉ちゃんが先々月死んでな? お葬式に集ったらあの子が居たんだ」

幼馴染「居たって……」

男「どうも親戚に内緒で産んでたみたいだ」

幼馴染「内緒って……確かあんたの従姉妹ってあたし達とそんなに変わらない」

男「んにゃ、あの姉ちゃん俺らより十何歳か年上」

幼馴染「嘘ッ、あのお姉さんでしょ? 何年か前に来てた時に会ったけど、そんなに見えなかったわよ」

男「だろ? その時はまだあの子産んでなかったけど、それでも三十前だ」

幼馴染「……大学生くらいだと思ってた」

男「一人称名前だったしな」

幼馴染「うん、お亡くなりになった人のことをアレコレ言うのは悪いとは思うけど、年上の人が自分のこと名前で呼んでるのはさすがに引いた」

男「ああいうのが男受けするコツなのかもな。どうだ幼馴染、お前もやってみろよ」

幼馴染「パス。それより続き。あの子のお父さんは?」

男「いや、どうも認知してなかったらしくて」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:49:54.36 ID:R80Vulir0
幼馴染「じゃあ従姉妹さんが一人で?」

男「今まで一人、家族にも親戚にも内緒でな」

幼馴染「親戚はとにかく、親にまで内緒って……」

男「従姉妹ん家……俺の叔父夫婦だけど、二人ともちょっと具合が良くなくて……」

幼馴染「悪いの? どれくらい?」

男「何年も入退院繰り返してて、夫婦揃って春まで持つかどうからしい。で、あの子を親戚で預かるってことになったんだけどさ」

幼馴染「ん、上手くいかなかったか」

男「まあ寝耳に水みたいな話だったからな。慰謝料がかなり入ったから、それ目当ての人が居て引き取ってくれてたけど……」

幼馴染「そっか……そんな人が、クリスマスに他人の迷惑顧みないでイチャイチャしたりするのよッ」

男「おーい、幼馴染さん?」

幼馴染「あとア,フィブロ,グに他人の書き込みをコピーして一儲けしたり、アドセ,ンス広,告にクリ,ックをお願い,するの!」

男「ア,フィブロ,グとか、アドセ,ンス広,告にクリ,ックをお願いとか、お前言いたいだけだろ」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:50:38.76 ID:R80Vulir0
幼馴染「うん。


















男「いや、もういいから。分かったから! 効いてるから! 話戻すぞ? で、ウチの親父が」

男父「こんなちっちゃい子をたらい回しになんてする訳にゃあいかん! 金? んなもんくれてやる、その子だけ寄越せ!」

男「とか言い出して。で、一昨日からここに住んでる」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:51:46.44 ID:R80Vulir0
幼馴染「おじさん、豪快すぎるでしょ」

男「海の男だからなあ、陸のことにあんま興味ないんだろ」

幼馴染「で、そのおじさんは……って、まさか!」

男「海の男だからなあ、陸のことにあんま興味ないんだろ」

幼馴染「…………いつ帰ってくるの?」

男「喜望峰経由世界一周の旅、いつ帰ってくるんだったかな」

幼馴染「一つ言っておきたいんだけど」

男「何?」

幼馴染「就職先に困っても、豪華客船のクルーにはならないでね」

男「ああ、分かってる。俺は文系学生だからな、海はあまり似合わない」

幼馴染「海の男の相手なんて、おじさんだけで十分よ」

男「それは同感」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:52:41.69 ID:R80Vulir0
幼馴染「はあ……っていうか一昨日? どうしてもっと早く相談してくれないのよ」

男「いや、こっちもあの子との生活の準備であれこれ忙しくてさ」

幼馴染「準備って?」

男「親父の部屋を掃除して、あの子の寝るトコ作ったり。後あの子の生活用品そろえたり」

幼馴染「それこそあたしに相談しなさいよ! もう!」

男「ん……まあ言い出しにくくってさ。女の子一人預かるから手伝ってくれなんて」

幼馴染「そりゃそうかもだけど、あたし……あんたの……その、もうあんたみたいな大っきな子供の世話してるんだから、もう一人くらい!」

男「大丈夫だって?」

幼馴染「どんとこい」ポム

男「あはは……ありがと、本当に。ん……で、実は親父からお前のお母さんに手紙も預かってる」

幼馴染「手紙って、相変わらず古風でロマンチストね、おじさん」

男「波止場で海を背景に写真撮って送ってくるような親父だからなあ。いい年して石○裕次郎ごっことかするなよな」

幼馴染「あはは。読まなくても大体内容は分かるけど、渡しておくわ」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:53:38.62 ID:R80Vulir0
男「ん、何と言うか……また迷惑をいっぱいかけるけどさ」

幼馴染「いいわよ、もう何年もやってきたんだから」

男「……すまん」

幼馴染「しっかりしなさいよ、あたしも頑張るから。とにかくこれ、お母さんに渡してくるわ」

男「ああ。あ、いや、やっぱり俺も一緒に行くよ。今日もお店やってるんだろ?」

幼馴染「ん、じゃあ行こう」


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:54:38.75 ID:R80Vulir0
幼女「おはなし、おわったん?」

男「終わったよ、これからお世話になる人にご挨拶に行くから」

幼馴染「出来るかな?」

幼女「うん! ごあいさつできる」

男「そっか、じゃあ一緒に行こうな、このお姉ちゃんと一緒にすぐ下の喫茶店まで」

幼女「きっさてん?」

男「お茶とかご飯とか出してるお店。このお姉ちゃんもお手伝いしてるんだよ」

幼女「おー」

幼馴染「ああ、そうだ。その前に。あたしは幼馴染、男の……えーっと」

幼馴染(トモダチ? ううんそんな浅い関係じゃないもの。でも恋人な訳じゃないしだからってそうなりたくないわけでもないけど)

幼馴染(でもでもほとんど毎日会いに来てたしこれからはこの子のこともあるから多分ずっと一緒よね小さい子のお世話なんて男一人じゃ無理にきまってるし)

幼馴染(毎日男とこの子の面倒を見て近所の人から若奥様とかみられたりしてってそれじゃあたし男のお嫁さんってことじゃないのきゃあああッ)

幼馴染「こほん。小さい頃から男の面倒見てきたのよ」

男「……ずいぶんタイムラグがあったな」


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:55:38.38 ID:R80Vulir0
幼馴染「うっさい。じゃあ幼女ちゃん、行こ」

幼女「ん! きっさてん!」

幼馴染「ほら、手繋ご」

男「…………」ニコ

幼女「ママみたいや」

幼馴染「そう? ママ……か」

男「じゃあ、俺達の娘になってくれるか?」

幼馴染「ッ!!」

幼女「んー、ママなくやわからんし、ええわ」

男「そうかー。そうだな」

幼馴染「…………///」

男「お前は何をやってるんだ」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:56:38.41 ID:R80Vulir0
カランカラン

幼馴染母「あら男ちゃん、二日も顔見せないから心配して……って! きゃああああああッ、何この子、可愛いッ!! まさかあんた達のッ!?」

幼馴染「そんな訳ないでしょ! この子は男の家で預かることになったの!」

幼母「あらー、お母さんてっきり男ちゃんが幼馴染貰ってくれる気になったんだと思ったのに」ショボーン

男「あははは。あー、ほら幼女、ご挨拶」

幼女「こんにちわ、ようじょです」

幼母「あら、ちゃんとご挨拶出来たね、偉い偉い。私はそこの幼馴染のお母さんよ。そのイントネーション、関西から来たのかな?」

幼女「いんと? かんさい?」

幼母「えーっと、ずーっと遠くから来たのねって聞いたのよ」

幼女「うん、うちんくずっとむこう!」

幼母「そっかー、それで男ちゃん、どうしてこの子を預かることに? って言うか先輩……お父さんは?」

男「はい、その父から手紙です。あの、色々ご迷惑をかけることになると思いますが……」

幼母「んー、ちょっと待ってね、ふんふん…………あはは、先輩相変わらず考えなしねえ。ん、いいよオッケー」

男「え?」


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:57:44.47 ID:R80Vulir0
幼母「その子の面倒ね、うちも協力するから。幼馴染も、男ちゃんと頑張るのよ」

幼馴染「ええ、幼女ちゃん、これからよろしくね」

幼女「うん、よろしくな!」

男「あの……それはありがたいんですが……その、いいんですか?」

幼母「任せなさい、こう見えても女手一つで立派に育てたでしょ? 幼馴染のこと」

男「……ええ、それは。でも、迷惑では? と」

幼母「男ちゃんのこと、面倒みてきたのよ? 先輩の……男ちゃんのお母さんの代わりに」

男「……はい、ありがとうございます」

幼母「まあ費用はちゃんと男ちゃんのお父さんから貰うことになってるから、そっち方面は心配いらないわよ。あんたらも大学後二年あるでしょ?」

男「はい」

幼母「だったらちゃんと卒業して、立派な大人になりなさい。あとご飯は?」

幼馴染「そうだよ、あんた自炊なんていい加減なくせに、こんな小さい子預かってどうしてたの」

幼女「あんなー、おソバたべにいったんとー、ハンバーグ! あさはごはんのうえにめだまやきのっとった! あとパンにケチャップとチーズ!」

男「蕎麦は駅前の爺さんの所で天ぷら蕎麦。ハンバーグはそこの洋食屋。三代目の兄ちゃん渾身の作……あの、おいしかったデスヨ?」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:58:45.81 ID:R80Vulir0
幼馴染「……今日からあたしかお母さんが作るから、それ食べて」

男「はい……すみません」

幼女「おにいちゃん、おこられとるん? あんな、めだまやき、めだまになっとらんかったけどおいしかったよ?」

幼馴染「うん、この子それくらいしか作れないから。毎日目玉焼きだけじゃ嫌でしょ? 幼女ちゃんは何が好き?」

幼女「……め、めだまやき。まいにちでもいける」

幼馴染「もう」ギュ

幼女「めだまやきで、うちいける」

幼馴染「そっか、あたしも男の目玉焼き好きよ? でもあたしの作るものも食べて欲しいな。幼女ちゃんの好きなの作ってあげたいな」

幼女「…………カレー。おいもがおおきいて、やわらかいん」

幼馴染「カレーね、大丈夫。男も好きだから作ってあげる」

幼女「あんな、からいんあかんけんな、ひーってなるけんな。あとヤキソバも」

幼馴染「ヤキソバね、任せて」

幼女「……おねえちゃん、ありがとお」キュ


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 19:59:38.69 ID:R80Vulir0
幼馴染「ええ、どういたしまして。さしあたって今日のお昼はさっそくカレーにしよっか」ニコ

幼女「ん!」ニコ

幼母「どうよ男ちゃん、いい女に育ったでしょ」

男「…………そうですね」

幼母「今ならお買い得よ」

男「およそ母親の台詞とは思えませんね、娘を売るとか」

幼母「相手くらい選ぶわ、男ちゃんだけの特別サービス」

男「ますます胡散臭い台詞になりましたよ」

幼馴染「ほら男、何やってんの! 買い物行くわよ」

男「へーい。じゃあおばさん、これからよろしくお願いします」

幼母「はいはい、頑張りなさいよ」

カランカラン


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:00:38.40 ID:R80Vulir0
幼母「…………」

幼母「先輩、いい子に育ったわ。あんな子を私に預けてくれてありがとう」

幼母「私と、先輩と、先輩。幼馴染三人だったのが、一人は海の上、一人は空の上になって。私の夫も死んじゃって、一人ぼっちになったけど」

幼母「それでもあたしが寂しくないのは、あの子達のおかげだもんね……さ、もう一人、大きくなるまで休んでられないわよー」エイエイオー

カランカラン

客女「あら、何やってるの?」

幼母「ッ!!/// あ、あははははは、いらっしゃーい、またサボリ?」アセアセ

客女「……変なの、幼馴染ちゃんは? 男ちゃんとデート?」

幼母「そ、そうよー」

客女「あの二人、さっさとくっつけばいいのに。まだなんでしょ?」

幼母「多分、そんな先の話じゃないんじゃないかなー」

客女「? 何、何何? 何か進展あったのッ!?」

幼母「ふふ、まだ内緒ー」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:01:39.92 ID:R80Vulir0
男「ありがとな」

幼馴染「いいんだ、幼女ちゃんみたいな妹、欲しかったし」

幼女「いもうとー?」

幼馴染「そうよー、幼女ちゃん、あたしのことホントのお姉ちゃんだと思ってくれていいからね」

幼女「えへへへへ」テレテレ

男「よかったなあ。お料理上手いから、ラッキーだぞ。怒ると怖いけどな」

幼女「おねえちゃん、こわいん?」

幼馴染「悪い子にはね。幼女ちゃんは悪い子かな?」

幼女「ううん、ぜんぜんちゃう」ブンブン

幼馴染「じゃあ怒らないよ。男は悪い子だから、お姉ちゃんをいっぱい怒らせるのよ」

男「…………」

幼馴染「本当に、男はあたしを怒らせるのは上手いよねー」

男「あー、その。すまん」


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:02:38.21 ID:R80Vulir0
幼女「おにいちゃん、がんばってな」

男「ん、頑張る。頑張って……もっといっぱい怒らせるッ」

幼馴染「おい!」

幼女「あははははは」

男「あははははは」

幼馴染「もう! 本当に男は……本当に、しょうがないなあ」クスリ

幼馴染「でも……おじさんとお母さんさ、あんな風に仲良いのにさ……」

男「ん?」

幼馴染「おじさんがお母さんの先輩で……というか幼馴染だったの、知ってるでしょ?」

男「ああ、母さんもな。三人、仲が良かったんだろ」

幼馴染「だからかな、二人が再婚しないの」

男「まあなあ、色々難しいんだろうな……やっぱり。結婚はなあ」

幼女「むずかしいん? けっこんて」


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:03:38.43 ID:R80Vulir0
幼馴染「んー、そうね」

幼女「ママな、けっこんするっていつもいよった。ほんでな、うちな、おとうさんになるってひとがいっぱいおった」

幼馴染「―――そっか」

男「まあ、難しい話だよなあ」

幼馴染「男の方に甲斐性がないと特にね」

男「……甲斐性、ねえ」

幼女「かいしょうってなに?」

幼馴染「男みたいな人のことよ」

幼女「おにいちゃんやさしいよ?」

幼馴染「優しいだけじゃ、ダメなのよ」

幼女「んー、むつかしいなあ」

幼馴染「でしょう?」

男「あはははは……はは……」


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:04:38.19 ID:R80Vulir0
幼女「ごちそうさまでした」

幼馴染「はい、お粗末様。あたしのカレーどうだった?」

幼女「おいしかったー」ニコー

幼馴染「良かった、いっぱい作ったから明日はおうどんにかけようね」

幼女「うん!」

男「んー、手間だったんじゃないのか? 甘いのと辛いの二種類って」

幼馴染「そんなことないよ、大丈夫」

男「……本当に、ありがとうな」

幼馴染「ん、まあそう思うなら男も手伝ってね」

男「うい」

幼馴染「あ、そうだ。幼女ちゃん、こっちこっち」

幼女「なに?」

幼馴染「ほら、これ」


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:05:38.54 ID:R80Vulir0
幼女「うわ、うわ、うわ!」

幼馴染「どう? こっち来てずっと男の買ってきた地味なズボンとシャツばっかだったでしょ? あたしのお古で悪いんだけど」

幼女「すごい! ふくがいっぱいある!」

幼馴染「ほら、これ。あたしが小さい頃のお気に入り。あっちで着替えてみようか」

幼女「うん!」トコトコ

男「ずいぶん持ってきたな…………服入れる棚か何か、買わないとなあ」

幼女「じゃーん」

幼馴染「どう? 可愛いでしょー」

男「おお、やっぱり女の子はスカートのが可愛いな」

幼馴染「やだ、何か変態チック」

男「普通の台詞だろうが。幼女、よかったな。お礼言ったか?」

幼女「ん! おねえちゃんありがとお」

幼馴染「どういたしまして。やっぱり女の子なら、服には気を配らないと」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:06:38.70 ID:R80Vulir0
男「しかしまあ……幼馴染、お前物持ち良いな」

幼馴染「ん、まあね」

幼馴染(ちっちゃい頃、あんたが『似合ってる』って言ってくれた服だから、特にだけどね)

男(しかしまあ、あの服を真っ先に着せてみせるとか……やっぱり憶えてるもんなのかねえ)

男「…………」

幼馴染「…………」

男「何か言えよ」

幼馴染「う、何をよ」

男「ん、いや……なんでもない」

幼馴染「んー」ニヤ

幼馴染「幼女ちゃん、そのお洋服よく似合ってるね。あたしも幼女ちゃんくらいの頃に、似合ってるって言ってくれたのよ」

男「ッ」

幼女「えへへへー、にあっとる? おにいちゃんにあっとる?」


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:07:08.83 ID:R80Vulir0
男「あ、ああ。とてもよく似合ってるよ。あ、あはははは」

幼馴染「明日はこれ着てお散歩しようねー。さ、もう寝ましょう」

幼女「はーい」

幼馴染「パジャマも持ってきたから」

幼女「なにいろ?」

幼馴染「ピンクの水玉ね、可愛いの」トントン

幼女「えへへへー」トコトコ

男「…………にゃろ」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:07:38.34 ID:R80Vulir0
男「しかしまあ、どうなるかと思ったけど……結構いけるもんだな」

幼女「なにが?」

男「幼女がウチに来てもう一ヶ月過ぎたなーって思ってな」

幼女「うん」

男「そしてますます幼馴染に頭が上がらなくなってるな」

幼女「あの……おにいちゃん、せんたくたまっとるよ? またおねえちゃんにおこらえるよ?」

男「ん……分かってるんだけど、このレポート明日までにやらないと……」カタカタ

幼女「おしごと? いそがしいん?」

男「ああ、もう。こーのくらい、大変」グイー

幼女「こーんくらいー?」グイー

男「もーっともっと、このくらいー」グイー

幼馴染「……何やってんの、あんた達。両手を回す運動?」

男「んー、まあ大体そんな感じ」


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:08:08.52 ID:R80Vulir0
幼女「おねえちゃんー」トコトコ、キュ

幼馴染「はーい、今日はお姉ちゃん時間があるから、お散歩行こうか。あれ、男……あんたまさかそれ明日提出のじゃないの?」

男「ん、当たり」

幼女「あさからずーっとやっとるよ」

幼馴染「いつももっと早くやりなさいって言ってるでしょ。幼女ちゃん、昨日あたしが帰ってから男何してた?」

幼女「えーっとな、ゆうべごはんたべて、おふろはいって、ほんでな、おさけのんどった」

幼馴染「…………男」

男「…………てへ」

幼女「えきまえのおじいちゃんとこで、おソバこうてきてな、ちょっとおたかいおさけのんどった」

幼馴染「男……ちょっとここ座りなさい。正座!」

男「…………はい」

幼馴染「何か申し開きは?」

男「ございません」


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:08:38.33 ID:R80Vulir0
幼馴染「お酒を呑まないでなんて言わないわ。でもどうして課題が終わってからにしないの!」

男「いや、切羽詰ってきたから、景気付けにと思って……えへへ」

幼馴染「卒業できなくなったらどうするの!」

男「それは困る。とても困る」

幼馴染「幼女ちゃんもいるのに、もっとしっかりしないとダメじゃないの! だいたい男はいつもいつも―――」

幼女「なー、おねえちゃん。おにいちゃんおさけのんだけんおこられよるん?」

幼馴染「ううん、お酒呑んだからじゃないの。お酒を呑む時を間違えたからなの」

幼女「んー、ママはいっつものんみょったよ」

幼馴染「ママは……ちゃんとお仕事してから呑んでたのよ。でもお兄ちゃんは終わらせてないから怒られるの」

幼女「ふーん。おにいちゃん、メーやな」

幼馴染「そう。お兄ちゃんはメーな奴」

男「すんません」

幼女「あかんなあ、おにいちゃん」


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:09:08.62 ID:R80Vulir0
幼馴染「ほら、幼女ちゃんの教育に悪いから、格好良いとこ見せないさいよ」

男「ん、頑張る」

幼馴染「……また洗濯物もこんなにためちゃって」

幼女「ほんまになー」

幼馴染「なー。あのね幼女ちゃん、悪いんだけど今日はお兄ちゃんの面倒見ないといけなくなったから」

幼女「ううん、うちもな、せんたくほせるよ」

幼馴染「そっか、じゃあ洗濯機回すから、ぴーって鳴ったら教えてね。それまでほら、落書き帳買って来たから」

幼女「うん! うちもおしごとするー」

男「あー、サンキューな」

幼馴染「まったく、ほら見せて。どこまで出来てるの?」

男「ん、この辺」

幼馴染「何、まあ大体は終わらせてるんじゃない。これなら今日中になんとかなりそうね」

男「ん、頑張る」

幼馴染「ほら、付いててあげるから」

男「うい」カタカタカタ


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:09:38.77 ID:R80Vulir0
幼女「あめやなー」

男「梅雨だからな」ゴロゴロ

幼女「つゆ?」

男「雨がずーっと振る、この季節のことを梅雨って言う」ゴロゴロ

幼女「おー、ほなあしたもあめかー」

男「そうだなー。あー、外出るの億劫だな。でも幼馴染に買い物言われてるしなあ」

幼女「そといくん?」

男「ん、嫌だけどな。アレ? そのレインコートは……」

幼女「おねえちゃんにもろた! きてみたい!」

男「あはははは。…………まさかこれを狙って渡したのか?」

幼女「ん?」

男「じゃあしょうがないかー。よし、幼女! お買い物に行くか!」

幼女「おー!」

男「んー、まあちょっと小降りになってるな」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:10:08.30 ID:R80Vulir0
幼女「これきたらあかん? あかんの?」

男「いや、濡れるから着とけ」

幼女「おおー、これかっこええなあ」

男「格好良いって……」クスリ

パラパラ

男「ほら幼女、ふらふらしたら危ないぞ」

幼女「むー」

男「どうした」

幼女「みずたまりんとこしかあるいたらあかんのよ」

男「……へえ、水溜り以外のトコを歩いたら、どうなるんだ?」

幼女「おちる!」

男「おちますかー」

幼女「おにいちゃんもうそとでてからさんかいはおちとるわ」

男「あー、お兄ちゃんは幼女よりも背が高いから大丈夫なんだ」


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:10:38.31 ID:R80Vulir0
幼女「あー、ほうか」

男「……って、どうした。急に止まって」

幼女「つぎのみずたまりまで、とおい」

男「おお。よし、合体だッ」

幼女「ッ! がったい!?」

男「よッ」ガシッ

幼女「おおー、たかい!」グイー

男「次の水溜りー、どっこいッ」

幼女「どっこーい!」

男「しょおッ」バシャ

幼女「キャー! おにいちゃん、つぎのもとおい!」

男「うお! くっそ、文系学生ナメんなよッ」

幼女「なめんなー」

男「おおおおおおおおッ!! アクセスッ!!」


111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:40:24.50 ID:0OUehFjh0
>>44
WAかよ


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:11:08.17 ID:R80Vulir0
幼馴染「…………」

幼馴染「それで、せっかく幼女ちゃんにレインコート着せてあげたのに、びしょ濡れにしたと」

男「…………はい」

幼女「ごめんなさい」

幼馴染「もう、レインコート着てる意味なかったじゃないの。ちゃんと濡れないようにしないと風邪引くでしょ!!」

男「すんません」

幼女「あんな、うちがわるいけん」

幼馴染「はあ……とりあえずほら、幼女ちゃん、風邪引くからお風呂入ろう」

幼女「…………おねえちゃん、おこっとるん?」

幼馴染「幼女ちゃん、反省した?」

幼女「ん、した」

幼馴染「よし、じゃあこれからは濡れて帰ってこないように気をつけなさい。お風呂沸かしてるからお姉ちゃんと入ろうね」

幼女「うん!」


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:11:46.32 ID:R80Vulir0
男「暑いなー」

幼女「あついー」

幼馴染「もう、暑いって言ってもどうにもならないでしょ。ほら、お昼ご飯にしよ」

男「ういー。お、冷やし中華だ」

幼女「おおー」

男「んー、からしとってくれ」

幼馴染「はい」

幼女「…………からしつけるん?」

男「うん、旨い。オトナの味な」

幼女「んー」ヒョイ

幼馴染「あッ、ちょっと幼女ちゃん」

幼女「…………ッ!! なんちゃおいしいない! からいー!」

男「あはははは、幼女はまだ子供だからな」

幼女「うーーーー」

幼馴染「笑ってるんじゃないの! ほらお水」


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:12:38.46 ID:R80Vulir0
男「んー、旨いな」

幼女「むー」

幼馴染「はあ、しょうがないなあ」



男「んー、お腹いっぱいになったなー」ゴロゴロ

幼女「なー」ゴロゴロ

幼馴染「一日そうやってゴロゴロする気?」

男「ん、昨日は幼女連れてプール行ったしな」

幼馴染「え?」

男「プール。そこの市民プールだけどな」

幼女「ひとがいっぱいやったなー」

幼馴染「…………聞いてないよ?」

男「そりゃお前、昨日お店の手伝いするって言ってただろ」

幼女「ごはんはそこのようしょくやさんでおべんとうつくってもろた!」

男「あそこのランチボックス旨いよなー」


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:13:13.43 ID:R80Vulir0
幼女「うん!」

幼馴染「…………水着は?」

男「このあいだおばさんがお前のお古をくれた」ゴロゴロー

幼馴染「…………あたし聞いてないよ?」

男「だからお前昨日はお店手伝ってて忙しかったんだろー」

幼女「……おにいちゃん、おにいちゃん」ユサユサ

男「んー?」

幼女「うえ。おねえちゃんが」

幼馴染「むっすー」

男「うわ、むっすー。とか言う奴がいる」

幼馴染「あたしも幼女ちゃんとプール行きたかったのに、男が誘ってくれなかった」イジイジ

男「あー」

幼馴染「どうせだったら幼女ちゃんに可愛い水着も選んであげたかったのに。お弁当だって作ってあげたかったのに」ウジウジ

男「あはははは」


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:13:41.41 ID:R80Vulir0
幼女「おにいちゃん、おねえちゃんなっきょるん?」

男「んー」

幼女「おねえちゃん、ごめんな?」

幼馴染「ん、幼女ちゃんは優しいねえ。それに比べて男ときたら」

男「……ん! オッケ、分かった!」

幼女「なにが?」

幼馴染「何が?」

男「今夜は星を見に行こう!」

幼女「おおー!」

幼馴染「星って……どこに?」

男「山! 小さい頃親父に連れて行ってもらったろ?」

幼馴染「ああー。って、車で?」

男「そ、たまには遠出もしたいしな」

幼馴染「……あんたの運転でかー。まあいっか。じゃあお弁当作らないと」

幼女「やま! やまっていったことない!」


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:14:10.91 ID:R80Vulir0
男「そうだろー、いいかー幼女、あれがデネブ、アルタイル、ベガだ」

幼女「わからんー!」

男「実は俺もよく知らない! あはははは!」

幼女「あははははは!」

幼馴染「いや、あんたはそれくらい知っておきなさいよ」

男「天文とかテストの時以外に用事はねえ」

幼馴染「その肝心のテストの時だってよく知らなかったでしょうが、あんたは」

男「あれがデネブ、アルタイル、ベガ!」

幼馴染「それが言いたいだけなんでしょ」

男「よし! 日が暮れたら出発だッ!!」

幼女「おーッ」


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:14:38.42 ID:R80Vulir0
出発後一時間。

幼女「すー、すー」

男「……メシ食って暗くなったらこてんと寝ちまったな」

幼馴染「本当に……可愛いなあ、寝顔」

男「んー、そうだな」

幼馴染「あんたはちゃんと運転に集中。めったに運転しないんだから、気をつけてよ」

男「うーい」

幼馴染「…………夜景、綺麗ねー。運転に集中なんて言っておいて何だけど」

男「んー」

幼馴染「ねえ、あんたが高校卒業して免許取ってさ」

男「ん?」

幼馴染「何か多めに買う時とか、そういうの以外で……こうして乗せてもらうのって初めてじゃなかったっけ」

男「そうだな……今まで特にそんなことなかったっけな」

幼馴染「……幼女ちゃんが来なかったら、こんな風に出かけるなんてなかったんだろうね」

男「んー、かもな。悪いな、出不精で」


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:15:08.51 ID:R80Vulir0
幼馴染「だからね、男。こういう言い方ってちょっと嫌な感じかもだけど……そういう意味でもさ、幼女ちゃんが来てくれて嬉しいって思うよ」

男「……まあ、俺の出不精が悪いってことにしておこう」

幼馴染「ん、ありがと。あのさ……」

男「ん?」

幼馴染「あの……ん、何でもない。後どれくらいかかる?」

男「ん、あと一時間くらいかな」

幼馴染「頑張れ!」

男「うーい。ああ、それとさ」

幼馴染「なあに?」

男「幼女のことがなくてもさ、こうやって出かけるのもたまにはいいかもしれないしさ……ついて来てくれよ」

幼馴染「! ん……しょ、しょうがないなあ、男は」

男「おう」


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:15:39.39 ID:R80Vulir0
幼馴染「幼女ちゃん、幼女ちゃん」

幼女「あー」

幼馴染「ほら、ちょっと……あー、起きないか」

男「まあいつもならもう寝てる時間だもんな。寝かしておいてやろう」

幼馴染「もう、しょうがないな」

男「せっかくだ、ちょっと上見てみろよ」

幼馴染「ん? あ……あー! すっごーい。星!」

男「だなー。もう、あー! だな」

幼馴染「ホント、あー! だ」

男「もうちょい真面目に天文勉強しときゃよかったよ」

幼馴染「東の空、一番明るい白い星……見つけられる?」

男「んー、ああ、アレかな?」

幼馴染「そう、それ。で、そこからこっちの方に、やっぱり明るい星がない?」

男「……ああ、アレだな」


60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:16:08.46 ID:R80Vulir0
幼馴染「じゃあ今度はこっち、ちょうど三角形になるから最後の一つはわかるでしょ?」

男「…………ああ、分かる。だから、アレが」

幼馴染「そう。あれがデネブ、アルタイル、ベガ。夏の大三角ね」

男「あはははははは」

幼馴染「そんなおかしかった?」

男「いや、本当にそんな台詞言われると思わなかったからなー」

幼馴染「んー、ロマンチックだった?」

男「おお、ロマンがいっぱいだ。青春してるみたいだ」

幼馴染「一応青春時代にギリギリ入ってるつもりなんだけど」

男「そうだな、もうギリギリだな。もうすぐ働き出すわけだし」

幼馴染「あんた就職先ちゃんと見つかるの?」

男「んー、頑張ります」

幼馴染「そうだよ、頑張ってよー……パパ」

男「……そうだな、子供一人、預かってるんだもんな」


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:16:38.44 ID:R80Vulir0
幼馴染「ん、そうだよ、あたしも頑張るから、だから―――」

男「あッ!!」

幼馴染「ふぇッ! な、何よ!」

男「しまった! パパで思い出した!」

幼馴染「何を?」

男「今夜親父が帰ってくるんだった!」

幼馴染「……うわ! 本当だ!」

男「急いで帰るぞ! 留守にしてたらヘソを曲げるから!」

幼馴染「うー、もう絶対曲げてるよ」

男「今日中に帰ったらノーカンだろ、急ぐぞ」

幼女「ふああああ。おにいちゃん、ついた?」

男「うわ、起きたのか。よし、幼女あそこ見ろ! あれがデネブ、アルタイル、ベガだ!」

幼女「ふぇ、な、わからんよぉ」

幼馴染「あそこの明るい星三つ」

幼女「んー、どれもきれいやなあ」


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:17:08.30 ID:R80Vulir0
男「特に大きい奴、分からないか?」

幼女「んーあれかなあ」

男「よし! もうあれがデネブ、アルタイル、ベガだ! よし観測会終了!」

幼女「え? もうかえるん?」

幼馴染「ごめんね、ちょっと忘れ物しちゃった」

幼女「ううん、みれたけんええよ。かえろう」

男「よし! 急いで帰るぞ!」

幼馴染「ダメ、安全運転!」

男「うーい」


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:17:38.77 ID:R80Vulir0
男父「……むっすー」

男「うわ、むっすー。とか言う奴がいる」


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:18:08.63 ID:R80Vulir0
男父「これが幼馴染ちゃんへのお土産。インドで買ったスパイス的な何か」

幼馴染「は、はあ……ありがとうございます」

男「何かって何だよ」

男父「うっさい。おめえにゃあコレだ! アフリカで貰った変な仮面」

男「……これ、飾ってたら何らかの神様とかが降臨しないだろうな」

男父「神様だって忙しいから、わざわざ海を超えたりしねえだろ。それに、そん時ぁ神社にでも行ってもらえ。それよりも幼女ちゃんにはー」

幼女「…………大きいなあ」

男父「そうだろそうだろ、開けてごらん」

幼女「うわあ! クマだー」

男父「どうだッ! 本場アメリカのテディベアだッ!」

幼女「すごい!」

男父「そうだろそうだろ、うはははははは」

幼女「ありがとお! うははははは」

幼馴染「おじさん、幼女ちゃんが真似するからその笑い方は止めてください」

男父「すんません」


66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:18:38.64 ID:R80Vulir0
男「あのさ、テディベアってアメリカが本場だったか?」

男父「モノを知らんヤツだな。いいか、テディってのはアメリカのナントカって大統領の名前がモトネタなんだぞ」

幼馴染「アレ? でもテディベアって、ドイツのぬいぐるみ屋さんが作ってなかったっけ?」

男「……親父」

男父「…………」

男「…………なあ、このお面、被る?」

男父「ナイスだ、息子」

男「ああ。親父、今日は呑もう」

男父「ありがとう、息子よ」

幼女「えへへへー、名前なんにしようかなあ。ほんまにありがとお、おっちゃん」

男父「おう……幼女ちゃんは本当に可愛いなあ」

幼馴染「あの、何と言うか……ごめんなさい」

男「そっとしておいてやってくれ、あと何かつまめるもの」

幼馴染「うん、分かった」


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:19:08.49 ID:R80Vulir0
幼女「あ゛ーーー」

男「あ゛ーーー」

幼馴染「ほら、あんたがそんなことするから、幼女ちゃんが真似するじゃない」

男「あ゛ーー。でもなあ、扇風機見るとやっちまうんだよなー」

幼女「うちのこえへんなー!」

幼馴染「ほら、扇風機で遊んじゃダメでしょ。こっちいらっしゃい、お風呂にしましょう」

幼女「はーい」

男「あ゛ーーー」

幼女「ほんでな、マーちゃんとな、あきちゃんとな、うちでな、いっつもあそんびょんやけんどな。きょうはなっちゃんがきたんよ」バチャバチャ

幼馴染「そっかー、仲良く出来た?」

幼女「うん! ほんでな、なっちゃんがな、おとこのこもつれてきとったんやけどな。ほのこな、すぐないてな、なっちゃんおいかけるんよ」バチャバチャ

幼馴染「あははは、そっか。お兄ちゃんみたいね」

幼女「おにいちゃん?」

幼馴染「そ、あの子ねー、そりゃ昔は泣き虫だったんだから」

幼女「どれくらい?」


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:19:38.41 ID:R80Vulir0
幼馴染「んー、おばけが怖い、近所の男の子が怖い、女の子が怖い、先生が怖い、理科室の模型が怖い、もう怖いものだらけ」

幼女「あはははは! おにいちゃんよわいなあ!」バチャバチャ

幼馴染「そもそもお兄ちゃんはね、暗いだけでもう足がすくんじゃうくらいの怖がりだったんだから」

幼女「なんでこわかったんかなあ」

幼馴染「さあねえ、でも……あたしが幼女ちゃんよりももうちょっと大きかった頃だったかな? 一緒にお使いに行ったことがあったっけ」

幼女「おにいちゃんと?」

幼馴染「そ。でね、案の定迷子になって、ヘトヘトになって、真っ暗になって―――」

幼女「おにいちゃんないたん?」

幼馴染「ううん、あたしだってもう怖いからじわじわ涙が出てきてたけどさ、あいつはあたしの手を握って我慢してたっけ」

幼女「ふーん。おにいちゃんは、こわあなかったんかなあ」

幼馴染「そりゃ、怖かったでしょ。そもそもあいつはそこらの野良猫でさえ怖がってたんだから。でも……あの日から、泣かなくなったな」

幼女「なんで? なんでなかんかったん?」

幼馴染「んー、そうね……男の子っていうのは、格好つけたがるからかもね」

幼女「かっこつけたがる? ええかっこしい?」

幼馴染「そ、格好良いトコを見せたがるものらしいよ、男の子って」


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:20:08.10 ID:R80Vulir0
幼女「えー、ずっとなきむしやったんやろ? ほんでも?」

幼馴染「それでも。男の子って、そういうものらしいよ。格好良いトコ見せたがるの」

幼女「ふーん」バチャ

男「あ゛ーーー」

幼女「まだやんりょる」

幼馴染「もう、しょうがないなあ」

幼女「あれ、かっこええ?」

幼馴染「ぜーんぜん」

男「?」

幼馴染・幼女「ねー」

男「???」


70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:20:38.51 ID:R80Vulir0
男「こうしてシンデレラは、王子様といっしょにいつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」

幼女「えへへ、シンデレラええなあ。きれいななあ」

男「そうだな、幼女もシンデレラみたいになりたいか?」

幼女「んー、まあええわ。おうじさまとかきたらおにいちゃんもおねえちゃんもなくやわからんし」ニヘー

男「そっか……」ガシガシ

幼女「ふぉ、あたま、ちょっといたいわ」

男「ああ、ごめんな」ナデナデ

幼女「んーほんくらいやったらちょうどええわ」

幼馴染「何? シンデレラ?」

幼女「うん!」

男「秋が来たからな、読書の」

幼馴染「あんたは季節とか関係なく本がお友達でしょう」

男「ち、ち、ちちちちゃうわ! おおおお、おともだちくらいいいい、いっぱいいっぱいだ!」

幼馴染「あんたの交友関係をあたしが知らないとでも思ってんの? 片手で足りるくらいなのに」

男「…………幼女、次なに読む?」


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:21:08.25 ID:R80Vulir0
幼女「もっかいシンデレラー」

男「そうか、よし始めるぞ。こほん」

男「私は詩を吟ずる詩人…………ここに高らかにこの詩を歌うなり。おとぎの世界にて栄し国の国境、〈読み手〉界へ通ずる門まで四○○メートル」

幼馴染「ちょッ! それ本当にシンデレラ!?」

幼女「あんなー、わるいまほうつかいが、たいていのことをげんこつでなんとかするんよー」

幼馴染「それもまた違うお話じゃないの。ちょっと、男は何を読み聞かせてんのよ!」

男「秋の夜長だからな、幼女にも読書の楽しさを知ってもらおうと思って」

幼馴染「だからそのシンデレラはどこ産だー」

幼女「しっこーう!」


72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:21:38.48 ID:R80Vulir0
幼女「すー、すー、すー」

男「寝たか?」

幼馴染「ええ、あんたが変な本読んで聞かせるから、興奮してなかなか寝付かなかったけど」

男「あははは、読書は楽しいなあ」

幼馴染「あたし、シンデレラってちっちゃい頃結構憧れだったのに」

男「へえ」

幼馴染「…………憶えてる? 小学生の頃にさ、シンデレラやったの」

男「俺確か大道具やったわ。後ダンスのシーンでエキストラやった」

幼馴染「憶えてるの?」

男「あー…………俺の造った書き割りがすこぶる不評で、シンデレラ役の女の子が泣いたことか?」

男「いやー、あの女の子、シンデレラ役をけっこう強引に勝ち取ってたっけな。やっぱりシンデレラとかやりたいもんなんだなって思ったよ」

男「あと王子様もシンデレラ役の子が指名だっけ。いや、もうどっちがシンデレラだか分からん劇だったな。あはははははー」

幼馴染「…………」

男「あは、あははは……あー、すまん、ちょっと話の逸らし方が下手くそだった」

幼馴染「憶えてる?」


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:22:08.83 ID:R80Vulir0
男「あー、うん。アレだろ、エキストラでさ、シンデレラと王子様の後ろで踊った」

幼馴染「ん……シンデレラほどじゃないけど、綺麗なドレスで……」

男「……アレ確かゴミ袋か何かで作ったんじゃなかったっけか?」

幼馴染「こほん。綺麗なドレス姿だった、でしょ?」ニコ

男「あー、うん。そうだった。綺麗なドレスだったな、うん」

幼馴染「だからね、ちょっとだけ嬉しかったんだよ」

男「そうかー」

幼馴染「あの時ね、あたしの中では……」

男「俺はそこら辺にいる、ただの学生さんだけどな」

幼馴染「……あたし達がシンデレラと王子様だったの!」

男「俺は、そこら辺にいるただの二人で沢山だよ」

幼馴染「まあ、それはあたしもそうだけど」


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:22:38.86 ID:R80Vulir0
幼母「もう秋も終わりね」

幼女「おわりかー」

幼母「もうそろそろ厚手の上着を出さないと。そうだ、幼女ちゃんの上着、幼馴染のお古ばっかりじゃ嫌でしょ? 新しいの見に行こうか」

幼女「!…………んーん、おねえちゃんのおふるでええ」ブンブン

幼母「あら、でも幼女ちゃんにも好みはあるでしょ? 今日はもうお店閉めて見に行こうか」

幼女「でも……おかねかかるよ? おみせもせなあかんのちゃうん?」

幼母「あははは。幼女ちゃんはそんな心配しないで大丈夫よ。まあ、お店なら幼馴染が帰ってきたらお留守番してもらおうかしら」

幼女「でも……」

幼母「今日は大学からいつ帰ってくるんだったかしら。やあねえ、年を取ると忘れっぽくて」

幼女「…………うちな、おりこうさんにしとるけん……やけん」

幼母「こら。幼女ちゃんは子供らしく、たまには我が侭言いなさい」

幼母「?」

幼母「聞き分けが良すぎる……何か我慢しすぎてるんじゃないかしら。遠慮しなくていいのよ、幼女ちゃんはもう私たちの家族なんだから」

幼女「かぞく……」


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:23:08.58 ID:R80Vulir0
カランカラン

男「ただいま帰りました。おばさん、お世話になりました」

幼馴染「ただいま。幼女ちゃん、おりこうさんにしてた?」

幼女「おかえりー」パアァ

幼母「おかえり、ねえ幼馴染。そろそろ寒くなってきたし、幼女ちゃんに上着を用意してあげないと」

幼馴染「そうそう、今丁度その話してたとこ。それでね、今日はお買い物に出掛けようって。ついでにお母さん何か欲しいモノない?」

男「デパート行くぞ、旨い物探しにいくぞー」

幼女「うまいものー」

幼馴染・幼母「えッ!?」

幼馴染「服は!?」


77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:23:38.25 ID:R80Vulir0
男「今日は駅弁祭りだ」

幼母「だから寒いし上着を」

幼女「えきべんってなにー?」

男「旨い物だッ!」

幼女「うまいものー」

幼馴染「……男、今日は幼女ちゃんの服をそろえるの! 美味しいものはその後!」

男・幼女「えー」

幼母「……まあ、あんまり心配はいらないか」


78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:24:08.74 ID:R80Vulir0
男「こたつでみかん……日本人に生まれて大正解だな」

幼女「みてみて、みかんきれいにむけた!」

男「おお。よし、みてろよ…………ほら、タコ!」

幼女「おおー。やって! うちのぶんもやって!」

男「よし…………ん、どうだ、ちゃんと足も八本だ!」

幼馴染「……むくのはいいけど、ちゃんと食べなさいよ」

幼女「おおー、お……どうしよう」

男「ふむ……幼馴染、ちょっとこっちこっち」

幼馴染「?」

男「はい、あーん」

幼馴染「ッ!! それ、普通は逆じゃないの?」

男「気にしない、気にしない。はい、あーん」

幼馴染「…………///」


79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:24:38.68 ID:R80Vulir0
幼女「おねえちゃん、かおあかいよ?」

男「のぼせたんだろ、こたつあったか過ぎたかもな」

幼馴染(おいしい)

男「おお、そうだ幼女」

幼女「なにー?」

男「こほん、まあその、何だ。もうそろそろクリスマスだなー」

幼女「おお、クリスマスやなー」

幼馴染「それでね、クリスマスはサンタさんに何をお願いしたいのかなー、って」

幼女「んー、ウチはいっつもケーキやったよ?」

男「はい?」

幼女「あんなー、ママがなー、ひとがふえすぎてサンタさんプレゼントのおかねがないけん、あんまりたかいんはむりなんやって」

幼馴染「え?」

幼女「じんるいなどは、ちじょうののみだということがなぜわからんのだー」


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:25:07.91 ID:R80Vulir0
男・幼馴染「…………」ブワッ

幼女「え? なに?」

男「サンタさんな、今年からは卸値でプレゼントが買える様になったから」

幼女「おろしね?」

幼馴染「お金の心配しなくて大丈夫ってことよ。さ、電話繋いであげるから、いってごらん?」

幼女「おおー、もしもし」

おっさん「もしもし」

幼女「サンタさんですか?」

おっさん「そうだ。俺が、俺達がサンタだ」

幼女「おおー、ほんもんや!」

男(洋食屋のおっさん、あんなネタどこで仕入れてきたんだ)コソコソ

幼馴染(息子さんにお店を任せてから、ガンダ○最初からずっと見てるらしいよ)コソコソ

男(何をやってるんだ、あの人は)コソコソ

幼馴染(それより、あんなネタ台詞であっさり信じちゃう幼女ちゃんは可愛いと思う)コソコソ

男(…………そりゃ、ウチで預かってる子だしな)コソコソ


82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:25:38.61 ID:R80Vulir0
おっさん「今はプレゼントの梱包作業で大忙しだ。さあ、お願いを言ってごらん」

幼女「あんな、あんな、ママがな、パパほしいんやって。もうママおらんけんど、パパみつけたって」

男・幼馴染「…………」ブワッ

おっさん「…………俺が、俺達がパパだ」

幼女「ふぇ?」

おっさん「サンタはみんなのパパみたいなもんだからな。だからママの所にも行ったよ。今度は幼女ちゃんのお願いの番だ」

幼女「ほうやったんかー。あんな、おにいちゃんとおねえちゃんがな、おんせんいきたいんやって。おんせんちょうだい」

おっさん「……お兄ちゃんとお姉ちゃんは、自分達で温泉に行けるよ、大人だからな。幼女ちゃんが、欲しい物を言うんだ」

幼女「ほな……ほな、な。ほな―――」


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:26:08.47 ID:R80Vulir0
男「やれやれ、この子は欲しい物を聞き出すだけで一苦労だな」

幼馴染「そうね」

幼女「すー、すー」

男「さて、それじゃ買ってくるか」

幼馴染「ん、一人で大丈夫?」

男「ああ、まあ大丈夫だろ」

幼馴染「今年はクリスマスが出来るね」

男「今年は中止にする側じゃない……死守する側だ。こいよお前ら、今年のクリスマスは、絶対中止にさせはしないッ!」

幼馴染「お前らって、誰よ」

男「ア ド セ ン ス 広 告 に ク リ ッ ク を お 願 い するようなヤツは特にだッ!」

幼馴染「だから誰と戦ってるのよ」


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:26:38.27 ID:R80Vulir0
幼女「あけましておめでとうございます」

男「はい、おめでとうございます。それじゃ幼女、これお年玉」

幼女「? おとしだまって何?」

男「あー、その、何て言うのかな。年の初めに、子供にあげるお小遣いだよ」

幼女「おおー、すごい! こんなにおかねつこうていけるん? おねえちゃんにおこられへん?」

男「大丈夫。それは、俺と幼馴染からな」

幼女「……ありがとうございます」

男「はい、どういたしまして」

幼女「なーなー、このへんなかみはなに?」

男「それはな、旧字の寶を逆さにした宝船の絵。枕にしいて寝ると、今夜は良い夢みられるぞ」

幼女「へー」

幼馴染「相変わらず変なことは知ってるわね」


86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:27:08.66 ID:R80Vulir0
男「これでも江戸っ子の端くれ、色気と本気ぁ、小出しにするもんさ」

幼馴染「色気と本気を、もうちょい別の所で出してくれたらいいのに」

男「……千住の生まれよぉ」

幼女「よぉ!」

幼馴染「ほら、幼女ちゃんが真似をした」

男「すんません」


87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:27:38.31 ID:R80Vulir0
幼女「おねえちゃん、なにするん?」

幼馴染「はい、今日はあたしと幼女ちゃんとで、チョコレートを作ります!」

幼女「え? チョコレートつくれるん!?」

幼馴染「そうよー。明日はバレンタインだからね」

幼女「バレンタインってなに?」

幼馴染「女の子が、男の子に……あー、その。チョコレートをプレゼントする日!」

幼女「へえー。ほなうちもおにいちゃんにあげる!」

幼馴染「そうね、多分あたし達以外にもらえないだろうし、しょうがないからあげようねー」

幼女「しょうがないん?」

幼馴染「そ、しょうがないのよ、あの子は」

幼女「ふーん」

幼母(そんなこと言ってね、一番にあげたくて仕方ないから毎年朝から家まで行って手渡ししてるのよ)コソコソ

幼女「へえー」

幼馴染「お母さん!」


88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:28:08.39 ID:R80Vulir0
男「………………」

男父「………………」

おっさん「………………」

男「どうして今夜はこんなに男臭いんだ」

男父「うははははは、お前一人で幼馴染ちゃんと幼女ちゃんから一番にチョコ貰おうなんざ、断じて許さんッ!」

おっさん「嫁さんからより、若くて可愛い幼馴染ちゃんと幼女ちゃんからだろ、JK」

男「いい年こいたおっさんが、JKとか言うなッ!!」


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:28:38.55 ID:R80Vulir0
男(? 珍しい人から電話だな……すごく嫌な予感)

男「はい、もしもし」

親類「もしもし、男か?」

男「はい、ご無沙汰をしています」

親類「あー、その。幼女ちゃんは元気にしているか?」

男「はい。今は幼馴染と買い物に出ていますが」

親類「お父さんは? 今は日本にいるか?」

男「いえ、今はまた仕事で東南アジアの方へ」

親類「そうか……まずいな。その、幼女ちゃんの実の父親のことは聞いているか?」

男「はい、一応は。認知してなかったこともあって、親権も面接交渉権もないと聞いてますが」

親類「その……幼女ちゃんのお母さんの慰謝料が実の父の自分に入ってこないのはおかしいって、今までウチにも来てて」

男「そんなこと俺に言われても困ります。ウチは一銭ももらってないんですから」

親類「その……幼女ちゃんに会いに行くと言って、今そっちへ」


91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:29:08.59 ID:R80Vulir0
男「はあ!? なんでそんなヤツがウチを知ってるんですか!」

親類「どうもあちこちで調べたらしくて……その、多分すぐにそっちに行くと思うから」

男「ッ!! 詳しくは後で、では!!」

男「くそ、何でこんなことに……」ピッピップルルル

男「あ、幼馴染か、今どこにいる?」

幼馴染「ん? 今幼女ちゃんと商店街。魚王さんのトコ」

男「良かった、無事か。幼女の実の父が金寄越せってウチに来そうだから、そのまま……そうだな、洋食屋のおっちゃんとこにでも」

幼馴染「う……うん! わかった!」

男「……さて、こういう時は……警察とかに相談でいいのかな」


92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:29:38.20 ID:R80Vulir0
幼女父「おい! おい! はよ開け! この誘拐犯!」ドンドンドン

男「来たか」

幼女父「おるんだろ! はよせえ!」

男「まいったなあ警察はまだか……このまま騒がれても困るし、一応出てみるか」ガチャ

男「どちら様ですか」

幼女父「おう、出たか! 幼女どこな、はよ出せえ!」

男「今いません。それよりあなたは誰ですか」

幼女父「幼女の父親や! はよ出せえ。ガキや話にならんわ! ここの親父どこな!」

男「今この家には居ません、話があるなら、ちゃんとしたところで冷静にしましょう」

幼女父「聞いとるぞ、お前んとこの親父、勝手にウチの娘引き取っといて、ろくすっぽ世話しよらんらしいやないか! これは立派な虐待やぞ!」

男「いえ、世話なら私達がちゃんと―――」

幼女父「うるさいわ! 信用できるか! お前らみたいなんが世話できるか! はよ出せ!」

男「こう言っては何ですが、そちらだって子供の世話が出来るようには見えませんが」

幼女父「なんやと!」

男「すごいお酒の匂い。ひょっとして飲酒運転とかされてません?」


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:30:08.40 ID:R80Vulir0
幼女父「うっさいわ! お前らに言われる筋合いないだろ!」ファンファン

幼女父「! まさかお前ら、警察呼んだんとちゃうだろうな! クソが!」

男「冷静に話も出来そうにないので、まずはと思って」

幼女父「くっそ、ボケこらあッ」グワッ

男「くッ、文系学生ナメんなッ!!」ヒョイ

幼女父「学生だろ! 自分で生活もできんヤツに、子供の世話やできるんか!!」ガシッ

男「出来る! 就職先もある!」

幼女父「男手一人で出来るわけないだろ! なんせ……幼女はお前の子とちゃうんやけんなあ! お前みたいなアホ学生には絶対できん!」

男「俺一人じゃない……そういう事情を飲み込んで、一緒に頑張ってくれるヤツに心当たりもある!」

幼女父「ほんな都合と人の良いんがおる訳ないやろ、ボケぇ!」

幼馴染「居るわ、ここに」

男「! お前、何でここに!」

幼馴染「幼女ちゃんのことなら、あたしの問題でもあるもの。警察の人も来てるよ」

幼女父「クソ! ふざけんなよ、クソガキども!」


95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:30:47.25 ID:R80Vulir0
警察「詳しくは署で聞こうか。さあ、来い」

男「さて、これで今日の所は一応終わりかな」

幼馴染「うん、でも大丈夫かな」

男「んー、まあウチにお金は来てないし、どうしても慰謝料の話がしたいなら、そっちにしろって言うよ」

幼馴染「……本当に大丈夫かな」

男「また来たなら、その時はまた頑張るよ」

幼馴染「…………あのね、あたしね」

男「ん……」

幼馴染「あの子の問題なら、あたしだって考えるから」

男「ああ。あのさ……その、これからも幼女のこと、一緒に見て欲しいんだけどさ。でも」

幼馴染「うん……ずっと考えてたんだ」

男「何を?」

幼馴染「もしもね、幼女ちゃんを娘にしたとして、あたしに自分の子供が生まれた時にどうなるのかなって」

男「…………」


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:31:16.96 ID:R80Vulir0
幼馴染「幼女ちゃんと、生まれてきた子。一緒にちゃんと出来るのかなって……不安だった」

男「俺にだって分からないよ。でも……」

幼馴染「でも?」

男「俺は、お前となら出来るような気がする。お前も、俺と一緒なら頑張れないかな?」

幼馴染「うん……あたしもそう思うよ」

男「……あー、だからその、何だ。アレだ。俺と一緒に、幼女のこと子供にしないか? これからもずっと」

幼馴染「うん……あたしもそうしたい」

男「あ……あはははは、何か色々間違ってる気がするけど」

幼馴染「うん、出来れば普通の恋人みたいに、つきあったりとかしたかったよ」

男「だったら、大学卒業するまでは、それで」

幼馴染「あ……うん。そうね」

男「一緒にどっか行ったり」

幼馴染「ご飯作ってあげるね。で、一緒に食べたり」

男「…………」

幼馴染「…………」


97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:31:38.61 ID:R80Vulir0
男・幼馴染「ッ、あはははははは」

男「何だよ、それ」

幼馴染「今までと、何も変わってないじゃない」

男「じゃあ、これからも今まで通りお願いってことで」

幼馴染「うん……うん……」


98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:32:08.17 ID:R80Vulir0
幼馴染「そう言えば聞いたよ、就職先」

男「あー、うん」

幼馴染「おじさんのツテで、漁協の事務だって? やったね」

男「お前だって、おばさんのツテで大通りの病院で窓口やるんだって?」

幼馴染「うん」

男「まあ、何だ……結局親の世話になりっぱなしだな」

幼馴染「うん……だから、今度はあたし達がしなきゃ、ね」

男「そうだな。良い大人に、親父になれるかな」

幼馴染「なれるわよ……あたし達」

男「だな。よし! 幼女を引き取りに行こうか」

幼馴染「うん!」


99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:32:48.13 ID:R80Vulir0
男・幼馴染「幼女ちゃん、一つ聞きたいことがあるんだけど」

幼女「なにえー?」

男・幼馴染「俺達の娘になってくれるか?」

幼女「ん……ママなくやわからんけど……ほれ、ええなあ」ニコ


101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:33:08.60 ID:R80Vulir0
長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!


102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:33:46.86 ID:cHFso3WC0
>>101
おっ?!おー…お!!
おつ!!!おつ!!!!


107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:37:41.31 ID:qnvIukJ90
素晴らしい
この>>1は素晴らしい>>1


113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 20:42:53.97 ID:PE6KRwRn0

最後がコピペとはなかなか


126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/14(土) 21:38:24.01 ID:AGPNEf5p0
乙!
いいもん読ませてもらったよ





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