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トゥーナ「起きたら…………飼われてた」(ルーンファクトリー3)
- 1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:02:28.65 ID:6x1E1VlB0
-
……早朝
-飼育小屋
トゥーナ「……」
トゥーナ「…………」
トゥーナ「……ぁ、やっと来た」
ガチャッ
「おはよう、トゥーナ」
トゥーナ「……おはよう」
- 2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:03:10.74 ID:6x1E1VlB0
-
「さ、ブラッシングしようね」
トゥーナ「ん……」
「今日もきれいな毛並みだ」シャッシャッ
トゥーナ「…………ありがと」
「……」シャッシャッ
トゥーナ「……」
「…………」スンスン
トゥーナ「えっ……なにして……嗅がないで!」
「ご、ごめん。つい……あんまりきれいな髪だから」
トゥーナ「…………ばか」
「ほんとにきれいだよ」サワッ
トゥーナ「ぁうっ」
「え?」
トゥーナ「っ…………手で、撫でられると」
「気持ちいい?」ナデナデ
トゥーナ「ぁ………………」
「ね?」サワッ
トゥーナ「…………うん」
「よしよし」ナデナデ
トゥーナ「ん…………」
- 3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:03:43.88 ID:6x1E1VlB0
-
「さて、と。素材を回収……あれ? トゥーナの採取素材は?」
トゥーナ「……そこに、羽が」
「違うでしょ? トゥーナの素材は…………」
「たまご、でしょ」
トゥーナ「…………っ」
- 4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:04:20.30 ID:6x1E1VlB0
-
「ほら、僕を支えにしていいから、踏ん張って」
トゥーナ「ぃ、いや……」
「手伝ってあげるから、頑張って出そう」
トゥーナ「ぃ、いま………………違うのも、出ちゃいそうで」
「あはは、大丈夫だよ」
トゥーナ「?」
「それも肥料に使うから。全部出して」ペシペシ
トゥーナ「っ……おしり、たたかないで……」
- 6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:05:01.80 ID:6x1E1VlB0
-
トゥーナ「んっ……く」
「いいぞ、その調子」
トゥーナ「はぁっ……ふ、っ」
「ひっ、ひっ、ふー」
トゥーナ「ひっ……ひっ……」
「はい! りきんで!」ギュッ
トゥーナ「ふぅーんんんっ!?」
「もう少しだ!」ギュー
トゥーナ「ぁくぅっ!? おなか、おさ、おさなひでっ」
「頑張れ!」ギュッギュッ
トゥーナ「あっ……ぁうんんっぁああっ!!」
コロンッ
「やったぁ!」
トゥーナ「はぁ…………はぁ……」クタリ
- 7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:06:00.82 ID:6x1E1VlB0
-
「なんにしようかな……オムレツ? ケーキ? でも素材の味をそのまま、ゆでたまご……生でもいけるかな。たまごかけごはん……」
トゥーナ「ぇ…………? ま、ま……って」
「? どうしたの、トゥーナ」
トゥーナ「それ、た……たべるの……?」
「あはは! そりゃ、たまごだからね」
トゥーナ「っ……」
「それとも、出荷箱に入れる? トゥーナが今朝産んだたまごです、って、カリンに見てもらう?」
トゥーナ「そ、それはっだめ……」
「あ! そうだ、せっかくだから、トゥーナのたまごで作った料理を、みんなにふるまおうか。カリン、ソフィア……ガジさんも呼んで」
トゥーナ「!? だ、だめっ……だめ!」
「はは、冗談だよ。……これは、僕だけのものだからね」
トゥーナ「………………ばか」
- 8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:06:54.79 ID:6x1E1VlB0
-
「他の子の素材も回収しなくっちゃ。よいしょ」
<がう~!
「あはは、元気だね。まずブラッシングだよ」
<がぶっ!
「いたたたた!」
トゥーナ「……」
トゥーナ「…………」
トゥーナ「なんで飼われてるの、あたし」
トゥーナ「確か……あたしがあの人を飼おうとしてたはず…………なのに」
「ほーらいっぱい出そうね」
<あっや! やぁあ!?
「新鮮な聖水だ! これは高く売れるぞ!」
<やだぁ……ぁぅう
トゥーナ「……昨日までは、あたしが金のふわふわもこもこ毛を素材採取してたのに……なんで……」
……
- 9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:07:45.88 ID:6x1E1VlB0
-
……
モコモコ『モコモコッ』
トゥーナ『ふふ……かわいい』ナデナデ
モコモコ『あのさ……』
トゥーナ『……なに?』
モコモコ『僕はいつまでモコモコでいればいいの?』
トゥーナ『…………ずっと』
モコモコ『ずっと、って……』
トゥーナ『すーっと……ずーーーーっと……』
トゥーナ『あたしが…………死ぬまで』
モコモコ『あはは……』
- 10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:08:21.85 ID:6x1E1VlB0
-
モコモコ『でもそれだとさ、いろいろ不便だよね』
トゥーナ『……そう?』
モコモコ『…………えっちのときも』
トゥーナ『えっ、な、なに』
モコモコ『この姿で、するの?』
トゥーナ『っ…………』
モコモコ『トゥーナって獣姦好き?』
トゥーナ『ちがっ……ちがう、から』
モコモコ『じゃあ人間の姿に戻らないとね。首輪……はずしてくれる?』
トゥーナ『………………ぅ、ん』
カチャッ
『さて、と』
カチャン
トゥーナ『…………え?』
トゥーナ『あ、……あたしの首に…………なんで』
『ちなみにトゥーナ』
『僕は大好きだよ』
トゥーナ『っ!』
『獣姦』
トゥーナ『…………』
……
- 11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:09:07.30 ID:6x1E1VlB0
-
……
トゥーナ「…………そうだった……まんまと逆転されたんだ……」
逃げ出したいか?
トゥーナ「!? だれっ」
私ならば、お前を救いだしてやれる
トゥーナ「すくう……?」
このままでよいのか? このまま、あの者に飼われ……
トゥーナ「あたし…………は……」
……
- 12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:09:44.09 ID:6x1E1VlB0
-
……
-竜玄窟
「トゥーナをかえせ!!」
アクナビート「……それはできない」
「なぜだ!」
アクナビート「認めるわけには、いかないからだ」
「なにっ」
アクナビート「認めぬ……」
アクナビート「飼育プレイケモックスカップルなど……」
「……」
- 13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:10:32.61 ID:6x1E1VlB0
-
アクナビート「この子はお前といると不幸になる。これから先……悩み続けるだろう」
「そんなことっ」
アクナビート「ならば」
アクナビート「ならばお前達は、幸せだったのか?」
「なにをっ」
アクナビート「モンスターと、人との間に生まれ……多くの偏見と差別の目に、晒されては来なかったか」
「そんなことないっシアレンスの町の人達は、受け入れてくれた!!」
アクナビート「……なら、なぜすぐに打ち明けなかった」
「っ!」
アクナビート「自分がモンスターとのハーフであると知って、お前は誰かに相談したのか」
「それは……」
アクナビート「真に信頼していれば、それができたハズだ。そうしなかったのは……」
アクナビート「モンスターと人の子など、気持ち悪い」
「っ……」
アクナビート「そう思われる……いや、お前自身、そう思ってはいなかったか」
「…………」
アクナビート「だから、この子も……これまで誰にも言わなかった……怖かったのだ……拒絶され…………排斥されることが」
アクナビート「故に」
??「それは違うナ」
「!!」
- 14 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:11:17.84 ID:6x1E1VlB0
-
ガジ「……トゥーナは、優しい子ダ。……俺達に、心配かけたくなかったのサ」
「……ガジさん」
アクナビート「貴様ら……」
ガジ「もう、おしゃべりは充分ダロ。ここからは……」スラリ
「力づくで…………返してもらう!!」ジャキンッ
アクナビート「愚かな……」
「でやぁあああ!!!」
ガジ「はぁああっ!!」
……
- 15 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:12:28.47 ID:6x1E1VlB0
- ……
「はぁっ……は、ぁ……」
ガジ「うグっ……」ガクッ
アクナビート「終わりだ……」
トゥーナ「もうやめて!!」
「……トゥー……ナ」
トゥーナ「もういい……これ以上…………あたし達……だめだったんだよ、最初から……」
「そんなことないっ!!」
トゥーナ「!」
「……僕達は……確かに、この生まれのせいで、苦労もしてきた…………けど」
「この町で……受け入れてもらえて……たくさんの人と出会って」
「大切な人を、見つけられた」
トゥーナ「……」
「それに…………僕たちの両親は、きっと……」
「愛し合って、僕たちを産んだんだ」
「それを、僕らが否定しちゃだめだ」
アクナビート「…………」
ガジ「……お前の、負けダ」
アクナビート「…………そのようだな」
「え?」
- 16 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:13:20.75 ID:6x1E1VlB0
-
アクナビート「……これで、シアレンスの花も咲くだろう」
「それって……」
アクナビート「試すような真似をして、すまなかった。……お前達のような者がいれば、いつか、全ての種族が、分け隔てなく……」
「……アクナビート」
アクナビート「さぁ……行け」
アクナビート「存分にケモックスし、この世界を異種姦パラダイスにするがよい!!」
「はい!!!」
トゥーナ「えぇ……?」
……
- 17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/15(火) 19:14:56.70 ID:6x1E1VlB0
-
……??年後
トゥーナ「……って」
「あはは、懐かしいなぁ……そんなこともあったね」
トゥーナ「あのとき…………かっこ、よかった……よ」
「そ、そう言われると……必死だったから……でもなんでそんな話」
トゥーナ「……しばらく、帰ってなかったから」
「よその町を巡ってたもんね」
トゥーナ「ガジの武器も……あたしのアクセサリー……あなたの、農具や靴、雑貨……たくさん売れたよ」
「そうみたいだね」
トゥーナ「商品……欲しいって人が、たくさん。都会に……カリンがお店、開くって。あたし達の作ったもの、売ってくれる……」
「ほんと!? すごいや……」
トゥーナ「また……忙しくなりそう」
「この子達も手伝ってくれるし」
トゥーナ「…………忙しく、なる前に…………その、久しぶり、に」
「……起きちゃうよ?」
トゥーナ「だから…………」
トゥーナ「飼育小屋…………行こ? …………昔、みたいに」
「…………うん」
トゥーナ「ずっと…………大好きだよ」
「……僕も」
おわり。

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