絵里「えっ！？預けていた財布がなくなった！？」

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1 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:01:34.48 ID:TG1M0BbS.net: フロント「ええ、実は預けていただいた翌日保管していたダンボールごと無くなっちゃって」

絵里「なによそれ…ちゃんと探したんですか？」

フロント「ええ。フロント内の床はすべて調べたんすけど」

絵里「フロント内の床？ちょっと待ってよ、それって金庫には入れていなかったってことかしら」

真姫「ちょっとエリーどうしたのよ、随分時間かかってるじゃない。チェックアウトしてたんじゃないの？」

絵里「あっ真姫……それが……」ｶｸｶｸｼｶｼｶｺ

真姫「ｳﾞｪｪ!?みんなの財布が盗まれたっ！？」

絵里「まだ盗まれたとは確定していないわ。……無くなったのは事実だけど」

真姫「なにのんきなこと言ってるのよ！ダンボール一箱無くなるなんて盗まれたに決まってるじゃない！」

絵里「ちょ、ちょっとホテルの人に聞こえるわよ！」

prrr ｶﾞﾁｬｯ
フロント「……ｻｰｾﾝ、ﾁｮｯﾄﾖﾃｲﾊﾔﾒﾃﾓﾗｯﾃｲｲｯｽｶﾈｰ」

絵里「…ほっ聞こえてなかったみたいね」

2 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:02:04.65 ID:TG1M0BbS.net: 真姫「それよりエリーどうするのよ」

絵里「どうするって？」

真姫「みんなにはどう説明するのかってことよ」

真姫「防犯のためホテルに預けましょうって提案したのはエリーじゃない」

絵里「そ、そうだったかしら」ｱｾｱｾ

真姫「私は大した金額入れてなかったからいいけど、他の子はお年玉とか入れてたんじゃない？」

穂乃果「絵里ちゃーん。チェックアウトまーだー？」

絵里「え、ええまだちょっと手続きに時間かかるみたい」ｱｾｱｾ

穂乃果「ふーん？じゃあ穂乃果たちはあっちのレストランのほうで待ってるから！」

真姫「あの様子だとまたすぐにこっちに来るわよ」

絵里「……ましょう」

真姫「えっ？」

絵里「私たちで犯人を探し出しましょう！」

真姫「ｳﾞｪ､ｳﾞｪｪｪ!ﾅﾆｿﾚ!ｲﾐﾜｶﾝﾅｲ！」
3 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:02:44.50 ID:TG1M0BbS.net: 真姫「犯人探しなんて警察の仕事でしょ！？なんで私たちがやるのよ！」ｲﾐﾜｶﾝﾅｲ!

絵里「警察を待っていてはあの子たちにバレてしまうわ。それだけは避けないと。それに……」

真姫「それに？」

絵里「この事件、それほど難しいものではないわ」ﾌﾌﾝ

真姫「えっ、どういうこと？」

―――――

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穂乃果「絵里ちゃんまだ時間かかるってさー」

にこ「にこをこんなに待たせるなんてどういうつもり！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

凛「凛は皆と一緒にいられる時間が伸びるから嬉しいけどなー」ｴﾍﾍ

花陽「凛ちゃん・・・?」

海未「シーズンですし、きっと忙しいのですよ。トランプでもして気長に待ちましょう」

ことり「そ、それはちょっと……」

希「ウチはエリチのとこに行ってこようかなー。ウチに会えなくて寂しがってるだろうしっ」ﾆｼｼ
5 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:04:19.57 ID:TG1M0BbS.net: ――――――――――――――――――――――――

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―――――

絵里「まずは犯人像から説明するわね」

真姫「お願いするわ」

絵里「この事件はホテルのフロント内という密室空間の中で行われた」

絵里「しかも、財布の入ったダンボールをピンポイントで狙ってる」

絵里「つまり、犯人はこのホテルに詳しい者の犯行と考えるのが自然ね」

真姫「まあ、そうなるわね」ﾌﾑﾌﾑ

絵里「そこから導かれる犯人は……」

絵里「このホテルの設計者ね！」ﾄﾞﾔｯ

真姫「……」

希「……いや、それはおかしいんやない？」

絵里「！の、希……」ｱｾﾘ
6 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:05:09.95 ID:TG1M0BbS.net: 希「あんまり遅いから様子見に来たら、なんや面白そうなことやってるやん？」ﾆﾔﾆﾔ

絵里「別に、面白くなんてないわよ……みんなの財布が無くなっちゃって大変なんだから」

真姫「あっ」

希「ふ～んなるほどな～それで先輩の威厳を保つため、みんなに発覚する前に犯人を探しだそうって魂胆か～」

絵里「うっ、言葉にして言われると最低ね、私・・・」ｽﾞｷｯ

真姫「いまさら気づいたのね」ﾊｧ

希「でも、そういうことなら二人だけで捜査するのは無理があるんやない？」

絵里「そんなことないわ！たった今推理して犯人が分かったところなんだから！」ﾄﾞﾔｯ

希「いや、その推理を聞いたうえでの発言なんやけど・・・」

絵里「？どこかおかしいところあったかしら。」

真姫「このホテルに詳しいのは設計者だけじゃないってことよ」

希「お、真姫ちゃんはもう分かってるみたいやね。そう犯人は、いや、犯行グループは……」

真姫「工事関係者ね！」ﾌﾌﾝ
希「ホテルの従業員や！」ﾄﾞﾝｯ!

真姫・希「え？」
7 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:06:00.13 ID:TG1M0BbS.net: 真姫「そ、そう！従業員よ！従業員しかありえないわ！」

希「今真姫ちゃん工事関係者って…」

真姫「何言ってるのよ私が間違えるわけないでしょ！！」ｾｷﾒﾝ

希「ご、ごめんそうやね。そう犯人はホテルの従業員や」

希「防犯カメラの位置も把握している従業員は、ちょうど映らない位置に財布のダンボールを置いた」

希「そして、証拠が残らないように深夜に犯行を犯した。半年前の時と同じようにね……」

真姫・絵里「えっ？」
8 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:06:41.99 ID:TG1M0BbS.net: ―――――

――――――――――――

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海未「次こそ勝ちます！」

ことり「もう疲れちゃったよぉ」ﾍﾄﾍﾄ

にこ「ちょっとあんた弱すぎよ……別のゲームしましょ」

海未「なっ、勝ち逃げするつもりですか！そうはいきませんよ！」

穂乃果「か、勘弁して～」

凛「夏の合宿メニューよりハードだにゃ……」

花陽「たっ、大変ですー！！！！」

ことり・にこ・穂乃果・凛「！どうしたの！花陽ちゃん！（助かった・・・）」

花陽「こ、ここのホテルのネット評判を調べていたんですけど、なんか良くない評判が多いみたいで……」

穂乃果「良くない評判？」

花陽「従業員に態度の悪い人が多いとか、……預けていた財布が全員分なくなるとか……」

ことり「えっ？…それってまさか……」

凛「そういえば凛たちも財布預けてたよね……」
9 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:07:25.88 ID:TG1M0BbS.net: にこ「冗談じゃないわ！あの財布にはチビたちのお土産のためのお金が入ってるのよ！」

にこ「寂しい思いして待ってるあの子らに、どういう顔して帰ればいいっていうのよ！」

穂乃果「にこちゃん落ち着いて。まだ無くなったってわけじゃないんだし」

にこ「だいたいあんたが悪いのよ！かまくらに泊まるからホテル予約してないってどういうことよ！」

にこ「おかげでこんな安ホテルに泊まるハメになっちゃったじゃない！」

穂乃果「ご、ごめん・・・」ｼｭﾝ

ことり「にこちゃん、それは今関係ないよね？」

海未「ことりの言う通りです。まずは落ち着いてフロントに確認しましょう」

にこ「……そうね。悪かったわ。怒鳴ったりしてゴメン」

凛「トランプ飽きたし、凛が走って確認してくるにゃ！」ﾀﾀﾀｯ　

海未「あ！凛！勝ち逃げは許しませんよ！」

ことり「ﾝﾐﾁｬﾝ……」
10 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:07:48.17 ID:TG1M0BbS.net: ――――――――――――――――――――――――

――――――――――――

―――――

真姫「半年前と同じようにってどういうことよ」

希「このホテルでは以前にもウチらと同じように財布とスマホが盗まれてるんや」

希「しかも盗まれたのは全員中学生。そのショックは相当なものやろうね」

絵里「もしかしてそれって……」

希「そう、その中には亜里沙ちゃんと雪穂ちゃんもいた」

絵里「っ！なんで泊まる前に気付かなかったのよ私……！」

希「無理もないよ。ホテルの名前なんてそう覚えてるものでもないし」

真姫「待ってよ。半年前にそんな事件が起こって、それなのに普通に営業してるっておかしくない？」

希「もちろん、ホテル側も防犯カメラを設置したり対策強化はしとるよ。表向きは、やけどね」

絵里「そうして、油断した獲物がワナにかかるのを待っていた、ってわけね」

真姫「でも、そこまで知っていてなんでこのホテルに泊まるのを止めなかったのよ」

希「あの時はみんな、泊まれるホテルを探すのに必死やったからね。やっと見つけたホテルに泊まれないなんて、ウチの口からは言えなかった。それに真実も確かめたかったしね」

真姫「ﾊｧ…初めから盗まれることは織り込み済みってことね」

希「みんなを巻き込む形になったのは申し訳ないと思っとるよ」

希「でも最初から従業員が怪しいと思っとったウチは、財布にあるモノを仕掛けてたんよ」

真姫「あるモノ？」

希「コレや」ｽｯ
11 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:08:35.58 ID:TG1M0BbS.net: 絵里「これは……希がいつも持ってるタロットカードのケースじゃない」

希「表向きは、やけどね」ｽｯ

真姫「あっ中から機械が…これ、GPS？」

希「そうや、これが犯人を追い詰める切り札になるんよ。ウチの予想ではおそらく……」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

GPS「ﾌﾞｫｰﾝ　ﾋﾟｺﾝ　ﾋﾟｺﾝ」

絵里「これは……、このホテルを指してる？」

希「もうちょっと拡大してみよか」ｸﾞｲｰﾝ

GPS「ﾋﾟｺﾝ　ﾋﾟｺﾝ」

真姫「少しホテルとズレてるわね」

希「やっぱりや！ここはホテルの駐車場や！急がんとまずいで！」

真姫「え？」

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ　……ちゃーんーまーきーちゃーんーのーぞーみーちゃーーん！！

希「この声は凛ちゃん！よっしゃ凛ちゃんそのままの勢いで駐車場へGoや！」

凛「えっええー！？よくわかんないけどわかったにゃ！」ﾋﾞｭｰﾝ

希「真姫ちゃん、エリチ、ウチらもいくで！」

絵里「ええ！」

真姫「ど、どういうことよ！説明しなさいよ！」

希「車で遠くに運ぶ気や！そうなったら取り返すのは難しくなるっ！」
13 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:09:13.72 ID:TG1M0BbS.net: 外

希「（GPSと一致する車はあの1台だけ！）凛ちゃん！あのハイエースに向かってダッシュや！」

凛「車の名前で言われても凛わかんないよ～」ｷｮﾛｷｮﾛ

希「裏口から人が乗り込もうとしてるやつや！」

凛「うーんと……あっわかった！よーしっいっくにゃ～！」

凛「どーん！」

DQN「なんだこの女！？」ﾄﾞｼｰﾝ

凛「わっ！ごめんなさい！つい勢い余ってトントントトッシンしちゃった……」ｱﾜﾜ

希「でかした！凛ちゃん！」

真姫「もう逃げられないわよ！」

絵里「裏口から逃げるとは、さすが手馴れてるわね」

希「ちゃんと車の中にウチらのダンボールあるみたいやね」

真姫「鍵は……開いてるわね」ｶﾞﾁｬｯ

絵里「さっさと降ろしてみんなのところに戻りましょう」
14 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:09:50.69 ID:TG1M0BbS.net: DQN「ﾁｯそうはいくかよオラァ！」

絵里「キャア！」

希・真姫「エリチ！（エリー！）」

DQN「予定より早く来させられてこちとらイライラしてるんだ」

DQN「一歩でも動いてみろ！こいつのきれいな顔に傷がつくぜ」

真姫「最低な男ね…！」

DQN「大体個人管理もできないザルがあーだこーだうるせーんだよ！少しは自分らの落ち度を見直ｓ凛「隙ありにゃっ！」」ﾄﾞｺﾞｫ！

DQN「グフッ」

凛「なんだかよくわからないけど、凛の大事な友だちを傷つけるのは、絶対許さない！」ﾄﾞｶｯ!

DQN「ク、クソが……」ｶﾞｸｯ

……ﾋﾟｰﾎﾟｰﾋﾟｰﾎﾟｰ

こうしてμ'sの活躍により事件の幕は降りたのだった
15 ：名無しで叶える物語(やわらか銀行)＠＼(^o^)／ 2016/01/10(日) 18:10:31.16 ID:TG1M0BbS.net: 後日

絵里「ふふっ、やっぱりIQ1300の私にかかれば事件解決なんて簡単よね」ﾌﾌﾝ

真姫「ﾊｧ……ほとんど希のおかげだと思うけど」ｱｷﾚ

穂乃果「いやーでも解決してよかったよ！半年前の雪穂なんてかわいそう過ぎて見てられなかったもん」

絵里「ほんとにね。亜里沙のお金も戻ってきてなによりだわ」

花陽「……ﾌｰﾑ」

ことり「かよちゃん、何見てるの？」

花陽「ニュース見てるんですけど、あのホテル、従業員はほとんどアルバイトの方だったみたいです……」

海未「リゾードバイトといえば大学生バイトの定番ですが、こういった事件が起こってしまうと従業員がアルバイトばかりというのも考えものですね」

希「ま、おかげでウチらの知名度も上がったし結果オーライやない？」

にこ「探偵ごっこしてたんなら私も呼びなさいよね。せっかく全国デビューのチャンスだったのに」

9人「ｱﾊﾊﾊﾊ」

事件解決の立役者となった希は警察から表彰を受け、一日署長を務めることになった。
財布がなくなったことを黙っていた絵里は部活内での立場が微妙になった。

事件のあったホテルは潰れた。

この話はフィクションです