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執事「執事が強キャラという風潮」
- 1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 18:51:13.84 ID:+SEdi2iSo
- 執事(すごい豪邸だな……)ゴクッ…
執事(今日からこの豪邸で執事として生活するのか……)
執事(しかし、俺だって執事としての訓練はバッチリ積んできた! いわばプロの執事!)
執事(よぉ~し、頑張るぞ!)
- 2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 18:51:44.29 ID:+SEdi2iSo
- 令嬢「待っていましたわ、オーッホッホッホ!」
執事「本日より、あなたの執事を務めさせていただきます」
執事「よろしくお願いします」
執事(なかなかに高飛車そうだ……これは手強そうだな)
- 3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 18:53:30.22 ID:+SEdi2iSo
- 令嬢「じゃあさっそく――」
執事(いきなりか!)
執事(おやつの用意か? お出かけか? それともダンスの練習?)
- 4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 18:55:51.30 ID:+SEdi2iSo
- 令嬢「このライオンと戦って下さる?」
ライオン「……」ガルル…
執事「は!?」
- 6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 18:57:56.63 ID:+SEdi2iSo
- 執事「なぜ!? どうして私がライオンと戦わねばならないのです!?」
令嬢「だって――」
令嬢「執事って強いんでしょ?」
- 7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 18:59:39.32 ID:+SEdi2iSo
- 令嬢「執事はみんな強くて、ライオンくらい簡単に倒せるって聞いたわ」
執事「いやいやいや、強くねえよ!?」
令嬢「そうなの?」
執事「そうですとも! だって……強い必要ないじゃないですか!」
- 8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 19:02:00.92 ID:+SEdi2iSo
- 執事「執事という言葉の意味を辞書で調べると――」
執事「“事務をとりしきる者”」
執事「“身分の高い人の家や寺社で家政や事務を執行する人”とあります!」
執事「強くなきゃいけない要素、ゼロじゃないですかぁぁぁ!」
執事「ていうかライオン倒せるぐらい強かったら、他の職業ついてますってぇ!」
令嬢「ふうん……」
- 9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 19:04:21.21 ID:+SEdi2iSo
- 令嬢「まあいいじゃない。とりあえず戦ってみてくれる?」
執事「えええええ!?」
令嬢「さ、いくのよライオン。人を襲うのは大得意でしょ、アンタ」
ライオン「……」ガルルル…
執事「あ、あああ……」
執事(なんだよこれ……なんなんだよ、この執事が強いって風潮は……)
執事(俺の人生、終わった……!)
- 10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 19:06:25.71 ID:+SEdi2iSo
- ライオン「ふざけんな!」
令嬢「え?」
ライオン「ライオンは人を襲うって風潮やめてくれる!?」
令嬢「襲わないの?」
ライオン「そりゃ襲う奴もいるけど、少なくともオレは襲わない派だ!」
令嬢「そうなんだ」
執事「ちょ、ちょっと待って」
ライオン「なんだ?」
執事「なんでライオンが人間の言葉を話してるんだ?」
- 12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 19:08:23.55 ID:+SEdi2iSo
- ライオン「ほら出た! ライオンは人の言葉を話せないという風潮!」
執事「いやそれ風潮とかじゃなくて、生物学かなんかの領域の気がするんだけど」
ライオン「ライオンキングだってハクナマタタとかいって歌うじゃん!」
執事「いやあれ、動物の言葉を翻訳してるって設定だろ……多分」
- 13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 19:11:04.90 ID:+SEdi2iSo
- ライオン「とにかくオレは戦うのを拒否する!」
執事「わ、私も拒否します!」
令嬢「……」
- 14 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 19:13:08.14 ID:+SEdi2iSo
- 令嬢「分かりましたわ」
執事「え?」
令嬢「無茶な頼みを申し上げたこと、深くお詫びいたします。勉強不足でしたわ」
執事「ずいぶん素直なんですね、お嬢様……意外でした」
令嬢「お嬢様だからってワガママだっていう風潮、いただけませんわね」
執事「ご、ごめんなさい」
- 15 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 19:15:57.26 ID:+SEdi2iSo
- 令嬢「ついでに申し上げると、私、あなたに払えるお金もありませんの」
執事「……は?」
令嬢「この豪邸も全部、私一人でダンボールで作りましたのよ、オーッホッホッホ!」
執事「ど、どうして!? アンタ、お嬢様でしょ!?」
令嬢「お嬢様だからってお金持ちという風潮、いただけませんわね」
執事「なんてこった!」
- 17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 19:18:33.25 ID:+SEdi2iSo
- 執事「あああ……とんでもないことになった……どうすれば……」
ライオン「まあまあ、そう悲観することもないんじゃないか?」
執事「どうして?」
ライオン「可愛いお嬢様、プロの執事、しゃべるライオン」
ライオン「オレたちが力を合わせりゃ、どうにか食ってけるだろ!」
令嬢「そうですわ!」
執事「……そうですね!」
- 18 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 19:20:34.69 ID:+SEdi2iSo
- ライオン「こうなったら三人でサーカスでもやろうぜ!」
ライオン「世間の風潮に合わせるなら、猛獣であるオレが火の輪くぐりをする!」
令嬢「なら、私は美少女調教師の役ね!」
執事「ならば、事務に慣れている俺は司会進行というわけですか」
ライオン「……」
令嬢「……」
執事「……」
三人「それじゃつまらん!!!」
- 19 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/21(木) 19:24:23.61 ID:+SEdi2iSo
- ライオン「さあさ、美少女お嬢様の火の輪くぐりでござ~い」
執事「さぁ、この中をくぐるのです! お嬢様!」
令嬢「分かったわ! それっ!」ピョインッ
オオオオオオ… パチパチパチパチパチ…
この三人だけのサーカス団は大繁盛したということである。
めでたし、めでたし。
おわり

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