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【艦これ】涼風のバレンタイン
- 1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:19:44.30 ID:LkI38hQvo
- 五月雨「涼風はバレンタインどうするの?」
涼風「あー? ばれんたいんってなァ、なんでィ」
五月雨「もー、去年もチョコレートあげたでしょ!」
涼風「おおっあの気前のいい日かぁ!」
五月雨「で、どうするの?」
涼風「どうするって、ありがたくいただくけど」
五月雨「そうじゃなくってー。涼風は誰かに贈ったりしないの?」
涼風「なるほど確かに貰ってばッかじゃいけねェ、あたいも負けてらんないね!」
五月雨「そうじゃないけど……、まぁ、いいかな」
涼風「そうと決まったらこうしちゃいられねェ! 準備だ準備!」
五月雨「ちょ、ちょっと涼風、どこいくの!?」
涼風「五月雨にもチョコあげるからなー!」タタタ..
- 2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:22:18.75 ID:LkI38hQvo
- -数日後-
涼風「ほらほら五月雨、どーだっ!」ドサッ
五月雨「わぁ! だ、ダンボールいっぱいのチョコレートなんて、どうしたの!?」
涼風「へっへへ、陽炎と協力してちょいと」
五月雨「ま、まさかギンバイ……」
涼風「おぉーっと、細けェことはいいっこなしだ! それに代金なら陽炎がさるルートから済ませてくれてる。手回し周到ってもんよ!」フフン
五月雨「まったくもう。でも、こんなに配るの?」
涼風「おうとも! いやー誰にあげようか考えてたら止まらなくなっちまって」
五月雨「それでこんなに?」
涼風「陽炎も箱ごとちょろまかすほうがバレにくいっていうしさァ」
五月雨「へ、へぇー……」
- 3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:22:53.82 ID:LkI38hQvo
- 涼風「ほらっ五月雨にもやるよ!」
五月雨「えっ!? まだバレンタインじゃないよ!?」
涼風「あァそっか。じゃァこれは隠しとかねェと」ゴソゴソ
五月雨「それにしても、ほんとに気前がいいね。わたしもだけど、みんな小さく手作りしてるのに」
涼風「手作りだァ?」
五月雨「涼風はお菓子作りとか――しなさそうだね」
涼風「てやんでえ! あたいだってそンくれェできらァ」
五月雨「ええー」
涼風「よォーっし、あした烹炊所を借りて作ろー!」
五月雨「お、おー」
- 4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:24:14.57 ID:LkI38hQvo
- 涼風「だめだった……」
五月雨「烹炊所の使用願いが殺到して、日時を決めて合同で利用することになったんだね」
涼風「仕方あんめェ! じゃあ先に何を作るか決めよっかー!」
五月雨「決めてなかったの!?」
涼風「え? うん。でさ、何がいいかな?」
五月雨「うーん、簡単で数が作れるといえばトリュフとか生チョコとかかなぁ」
涼風「とりふ? なんか粋な響きじゃねェかーっ!」
五月雨「そう? じゃあトリュフにしよっか。でもこんなにいらない……というか、全部調理しようと思うとすごい大変だと思うけど」
涼風「そうかィ、そんならいらねェぶんは陽炎に流してもらうかァ」
五月雨「……なんというか、陽炎さんってすごいね」
涼風「そりゃそうさァ! あ、で、とりふを作るのにどれくらい必要なんでィ」
五月雨「何人に配るつもりなの?」
涼風「白露形のみんなだろ、満潮だろ、長波だろ、伊勢や山城にも贈ってやるかァ」
五月雨「えーと、トリュフもけっこうたくさん作れるから、うん、これだけあればいいかな」
涼風「こんだけぇ!? こんなにあるのに!」
五月雨「ふふっ、うん、みんな欲しがると思うからいいんじゃない?」
涼風「むうー、みんなが欲しがってるなら、間尺にあわねェなんて言ってられねェなァ」
五月雨「さすが涼風! 気風がいいね!」
涼風「そ、そうかィ? へ、へへへ!」
- 5 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:24:59.17 ID:LkI38hQvo
- -2/13-
涼風「さァーって、菓子作りはじめよっかァー!」
五月雨「はーい!」
涼風「んで、どうやって作るンだ?」
五月雨「………。うん、わかってたけどね? えっと、まずチョコレートを細かく刻みます」
涼風「がってンだぁ!」ガコガコガコ
五月雨「わたしもやろう」タンタンタン
涼風「なんかあっちのほう、賑やかだねェ」
五月雨「金剛さんたちだね。金剛さんはきっと提督に贈るんだろうな」
涼風「あッ提督かァ! 忘れてた、あたいも贈ろう!」
五月雨「え? 本命?」
涼風「ほんめい?」
五月雨「あっ。あー……」
- 6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:26:09.01 ID:LkI38hQvo
- ―――
――
涼風「いっ意中の相手に渡すだァ!?」
五月雨「ちょっと、涼風、声が大きいってば」
涼風「そっそんなん聞いてねェってばー! 気前の良さを見せ付けるんじゃねェのかィ」
五月雨「わけわかんないよその行事……」
涼風「じ、じゃあ、あたいが提督にチョコレートを渡したら、」
五月雨「涼風が提督のこと好きだってことになるね」
涼風「べらんめえッ! そそそそんなこと、できっかァ!」
五月雨「ちょっと、包丁振り回さないで! 小破したらどうするの」
涼風「ご、ごめん」
- 7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:27:03.94 ID:LkI38hQvo
- 五月雨「えっとね、チョコは本命だけじゃなくて義理チョコっていうのもあるの」
涼風「義理?」
五月雨「そうそう。意中の相手じゃなくて、義理のあるひと、お世話になってるひとに渡すっていうのかな」
涼風「おおっそれァいいじゃねェかァ! 提督には世話になってるかんな、うん」
五月雨「それから、友達に渡す友チョコっていうのもあるよ」
涼風「なんッかややこしくなってきやがったな」
五月雨「でももともと西洋ではチョコレートとは無関係らしいけど」
涼風「だァーッ、こまけェこたァ知らねェ!」
五月雨「あはは。はい、生クリーム熱しておいたからこれかき混ぜて」
涼風「はいよ!」
五月雨「あとはオーブンシートを敷いといて、っと」
霧島「ちょっとみんな聞いてくれる? 冷蔵庫で冷やす際には名前をメモしておいて! 誰のかわからなくなるから!」
比叡「ひえぇー! どれが私のかわからなくなってしまいましたー!」
金剛「Oh、姉妹で一緒にいれたせいですネー。ヒエイ、大丈夫デース!」
榛名「すいません! 榛名が気がつかなくてっ」
涼風「おー?」
五月雨「ああ、それは気をつけなきゃ。書いとくね。す、ず、か、ぜ、っと」
涼風「五月雨ー、これいつまで混ぜてればいいんでィ」
五月雨「あ、もういいよー」
- 8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:27:50.02 ID:LkI38hQvo
- 五月雨「そんなこんなでトリュフ完成!」
涼風「うあー慣れねェことしてくたびれたっ」
五月雨「もうちょっとがんばらなきゃ、涼風」
涼風「なんでィ」
五月雨「ラッピングしないと。こんな袋に小分けしてリボン結んだりしてね」
涼風「おっくうだねぇ、何に入れてたって変わりゃしねェだろ」
五月雨「ちょっとリボンつけたりするだけで印象がぜんぜん違うよ。気持ちをこめなきゃ」
涼風「そんなもんかィ。じゃぁちッとやってみっかァ」
五月雨「わたしも手伝うから、溶けないように手早くやっちゃおう」
涼風「ほいさ! こうか! てやぁーっ」
- 9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:28:28.78 ID:LkI38hQvo
- -2/14-
涼風「ほい! 陽炎にゃ世話ンなったなァ」
陽炎「なんのなんの。こちらこそ久しぶりに腕を振るえたよ」
江風「ほら、姉貴らのついでに涼風にもやるよ」バシバシ
涼風「おう、みんなのついでに江風にもやるよ」バンバン
涼風「おーい満潮ー! チョコやるよー!」
満潮「ふん! ……ありがと。これあげるわよ」
- 10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:29:13.09 ID:LkI38hQvo
- 涼風「次は――提督か。んっ、べ、別にどきどきなんてしてねェ、してねェから……」ボソボソ
涼風「……よしっ」
バタン!
涼風「いよォーッ提督、あたいもチョコ持ってきたぜー!」
提督「ああ、涼風。うん、やっぱり君は義理人情に厚いもんな」
涼風「んん? あ、ああ、そうさっ、これ、あたいが作った」
提督「手作りなのか。それは嬉しいな。ありがとう、涼風」
涼風「ぁ、ん、て――」カァ
提督「ん?」
涼風「て、てやんでぇ! 持ってけドロボー!」ブンッ
提督「うわあ! なんで投げるんだ!」パシッ
- 11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:31:25.89 ID:LkI38hQvo
- 涼風「はー……あ、五月雨」
五月雨「どうしたの? 涼風。顔赤いよ」
涼風「うっ。なっなんでもねェっ」
五月雨「ふーん?」ニコニコ
涼風「なんだッ」
五月雨「うふふ。なんでもないよ。はい、これ。わたしから」
涼風「おおっ! ありがとうな! ん……あたいと作ってたやつじゃねェのか?」
五月雨「うん。あのあとこっそり作ったんだ」
涼風「気付かなかった。おぉー、黒っぽいじゃねェか、さすが五月雨だねェ」
五月雨「えへへ。ありがとう」
涼風「あたいのは、五月雨に手伝ってもらったから、その」
五月雨「ううん。わたし、涼風ががんばってたのを一番近くで見てたんだよ。嬉しい。ありがとう」
涼風「へ、へへっ! いいってことよォー!」
五月雨「一緒に食べよ?」
涼風「うん! ばれんたいんって、楽しいなッ!」
おしまい
- 12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 09:31:51.72 ID:LkI38hQvo
- ありがとござましたー 涼風かわいい
- 13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/14(日) 10:18:52.93 ID:nmCZwkJ7o
- 乙
涼風可愛い

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