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ラノベ作家「新作のタイトルが決まりました」担当「おお!どんなタイトルですか?」
- 1 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/03/11(金) 22:16:11.787 ID:Iz22QdD20.net
- 作家「はい、それはですね……」
担当「それは…?」ワクワク
作家「……」スーッ
作家「『グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国出身の没落貴族の俺がスリジャヤワルダナプラコッテの王族の娘から
ドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合の権利をプレセントに求婚されて、知に働けば角が立つ。情に棹させば流さ
れる。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくいなんて思っているがどうしたらいいのだろうか』です!!!!!!」
担当「」
- 11 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/03/11(金) 22:21:00.872 ID:Iz22QdD20.net
- 担当「そ、それはあまりにも長すぎるのでは…?」
作家「これでも大分縮めたんですがね」
担当「もっと長かったんですか…」
作家「なんというか、内容が重厚過ぎてこれ以上短いタイトルにすると作品の意図が伝わらないんですよね」
担当「………編集長と相談してきます!」 - 14 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/03/11(金) 22:28:13.912 ID:Iz22QdD20.net
- 担当「……というタイトルなんですが」
編集長「うん、それで?」
担当「短くしますよね?」
編集長「いいじゃんそのままで」
担当「ゑ?」
編集長「僕は悪くないと思うよ。『グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国出身の没落貴族の俺がスリジャヤワルダナプラコッテの
王族の娘からドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合の権利をプレセントに求婚されて、知に働けば角が立つ。情に棹させば流され
る。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくいなんて思っているがどうしたらいいのだろうか』って素敵じゃないか。きっと売れるよ」
担当「ええええ!でも記載できるんですがこんなタイトル!しかも覚えてもらえないんじゃ…」
編集長「だったらタイトルは小さい文字で書けばいい。名前だって長い方が印象に残るもんさ」
担当「は、はあ…」
担当「正気かよこいつら…」 - 17 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/03/11(金) 22:37:37.646 ID:Iz22QdD20.net
- 作家「ね、編集長もそう言ってたでしょ?」
担当「は、はい……」
作家「そうそう、登場人物の名前もちょっと変えたましたから」
担当「名前を変えた…?確か主人公が太郎でヒロインが花子でしたよね?」
作家「ええ。でもそれだとインパクトにかけるから…」
担当「えーと最初の書き出しが…」
『俺は没落貴族。名前は、寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の―』
担当「ぅおい!!!」
担当「まさかヒロインも…」
『送り主の名前はこうあった。チョモラペット=ディエゴ=ホセ=フランシスコ=パウラ―』
担当「」
作家「どうです?よくなったでしょう?」 - 18 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/03/11(金) 22:44:58.561 ID:Iz22QdD20.net
- 担当「どっちも読むのに軽く1分以上はかかる名前じゃねえか…」
担当「しかもご丁寧にもどっちもあだ名どころか名前を一文字たりとも削らずフルネームで呼び合ってやがる…!」
担当「あ、あのー、こればかりはちょっと短く…」
作家「できません!!!」
担当「!?」
作家「この長い名前も、全部フルネームで表記してあるのも全部今後の伏線なんです!一文字たりとも削ってはだめですよ!」
担当「伏線って?」
作家「それは秘密」
担当「いつ明かすんです?」
作家「10年後くらいかな」
担当「そっちも長い!」
担当「と、とにかくまずは編集長に相談…」
作家「もう編集長はOKって言ってましたよ」
担当「そして早い!」 - 19 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/03/11(金) 22:54:50.223 ID:Iz22QdD20.net
- 作家「とにかくこういう感じで連載しますね」
担当「はい……」
こうして、ラノベ作家の新連載、『グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国出身の没落貴族の俺がスリジャヤワルダナプラコッテ
の王族の娘からドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合の権利をプレセントに求婚されて、知に働けば角が立つ。情に棹させば流
される。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくいなんて思っているがどうしたらいいのだろうか』は始まった。
作家の言っていた「重厚な内容」は口だけではなく、その綿密に練られた設定や丁寧に散りばめられた伏線、そして長ったらしい名前の割には魅力的なキャラクター達が人気を博し、瞬く間に話題の作品になった。
特にその長いタイトルは連載当初から話題を呼び、そこから作品を読む人間が続出し、そのままはまってしまうことが多かったのが大きかった。
そして数年後
担当「えーと、アニメ化、決まりました」
作家「やったあ!」 - 20 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/03/11(金) 23:03:46.777 ID:Iz22QdD20.net
- ついに、『グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国出身の没落貴族の俺がスリジャヤワルダナプラコッテ
の王族の娘からドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合の権利をプレセントに求婚されて、知に働けば
角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくいなんて思っているがどうしたらいいのだろうか』のアニメがスタートした。
原作を忠実に再現したアニメ版も好評で、その年は『グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国出身の没落貴族の俺がスリジャヤワルダナプラコッテ
の王族の娘からドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合の権利をプレセントに求婚されて、知に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通
せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくいなんて思っているがどうしたらいいのだろうか』が覇権アニメと化し、ネット上で知らぬ者はいなくなった。
一般にも知れ渡るようになり、人気アニメの代名詞的存在と化した。
作家「いやー第1話良かったですねー」
担当「え、ええ……」
担当「フルネームで呼ぶのも再現してるから、名前で尺使って中途半端なとこで終わってたけどな…」
作家「あ、スタッフロールが出た」
担当「スタッフロール…あ」
寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の~ ○村△一
チョモラペット=ディエゴ=ホセ=フランシスコ=パウラ~ ×藤□恵
担当「やっぱり名前が何段にも…」 - 21 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/03/11(金) 23:12:02.959 ID:Iz22QdD20.net
- それからアニメは何期にも渡り、ついに連載開始から10年を迎えようとしていた。
作家「よし、そろそろ…」
担当「そろそろ?」
作家「全ての伏線を明かすとしましょう!」
担当「おお、ついに!」
作家「『グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国出身の没落貴族の俺がスリジャヤワルダナプラコッテ
の王族の娘からドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合の権利をプレセントに求婚されて、知に働けば
角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくいなんて思っているがどうしたらいいのだろうか』は最終章に突入します!」
担当「やっと……担当の俺にも明かされなかった謎が…明らかに!」
しかし事態は急変する。それは最終章を書き始めて数カ月も立たない頃だった。
作家「何、打ち切り!?」
担当「はい……『グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国出身の没落貴族の俺がスリジャヤワルダナプラコッテ
の王族の娘からドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合の権利をプレセントに求婚されて、知に働けば角が立つ
。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくいなんて思っているがどうしたらいいのだろうか』の人気が低迷してて…」
作家「一体どうしてですか!つまらないなんて声ここ数年聞いたことないのに!」
担当「ええと、それが……」
作家「それが?」
担当「我が社の同レーベルの、別のラノベの人気が出てそっちにみんな移っちゃったみたいなんです」 - 22 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/03/11(金) 23:18:44.828 ID:Iz22QdD20.net
- 作家「そういえば他の人の作品なんか当分読んでなかった…見せて下さい!」ガバッ
担当「ああ、ちょっと…!」
作家「どんな長いタイトルなんだ………な…なな!」
担当「………」
作家「た、たったの、4文字…しかもひらがな、だと…!?」
そう。時代は、シンプルかつ覚えやすいタイトルが主流となっていたのだ。
『グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国出身の没落貴族の俺がスリジャヤワルダナプラコッテ
の王族の娘からドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合の権利をプレセントに求婚されて、知に
働けば 角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくいなんて思っているがどうしたらいいのだろうか』は、中身こそ名作であったが、
その長く読むのも億劫なタイトルから次第に新規層からは敬遠されてしまっていたのだ。
作家「そんな……なんて…ことだ」
担当「………先生」
こうして、その人気作品に追い出されるかのように、『グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国出身の没落貴族の俺がスリジャヤワルダナプラコッテ
の王族の娘からドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合の権利をプレセントに求婚されて、知に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せ
ば窮屈だ。とかく人の世は住みにくいなんて思っているがどうしたらいいのだろうか』は伏線を全て回収できぬまま最終回を迎え、作品として朽ち果てることとなった。 - 23 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/03/11(金) 23:22:59.726 ID:Iz22QdD20.net
- 担当「残念でしたね……」
作家「いや、でもいいんです」
担当「え……」
作家「私はめげません。また新しい作品を書いて見せます!」
作家「何度でも、名作を生み出し、人々を魅了し続ける。どんな時代でも、どんなに人が変わろうと」
担当「………!」
作家「それが、ラノベ作家というものでしょう?」
担当「………はい!!!先生!私、一生お供します!」 - 24 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/03/11(金) 23:30:44.410 ID:Iz22QdD20.net
- 数か月後
作家「新作のタイトルが決まりました!」
担当「おお!どんなタイトルですか?あ、待って下さい。先生の作品読んでいいの考えたんですよ!」
作家「お、どれどれ」
担当「……」スーッ
担当「『チョコパフェとかイケメンとかマジで夢中になれる年頃の乙女な私が実は光の戦士だったなんてぶっちゃけありえな~い!なんて思ってたら
同じクラスのお堅い天才お嬢様も光の戦士で共闘しちゃってマジマジ?こんなのありなの?ナシなの?むしろいいんじゃない?なんて考える暇もなく
激動のラクロス日和!』です!!!」
作家「う~ん……」
担当「どうです?」
作家「いや、むしろここは…」
担当「ここは…?」
作家「『らくろす!』で!」
終わり

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