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松尾千鶴「私はここにいる」
- 1 : ◆Ee6aKqE1Tg 2016/03/21(月) 13:21:46.14 ID:gHydqPPF0
- ○雰囲気が暗いけど松尾千鶴誕生日SSです。
- 2 : ◆Ee6aKqE1Tg 2016/03/21(月) 13:22:28.52 ID:gHydqPPF0
- みんなの背中が見える。
それでも私は追いかけることができない。
みんなの背中が離れていく。
それでも私は立ち上がることができない。
「待って、置いていかないで!」
私は叫ぶことしかできない。
私は…。
- 3 : ◆Ee6aKqE1Tg 2016/03/21(月) 13:23:08.21 ID:gHydqPPF0
- 「はっ!はあ、はあ…。」
私はそんな悪夢で目を覚ました。
「また嫌な夢みちゃったなあ。」
今は夜の12時をまわろうとしているところだ。
明日も仕事があるのに。
だから早く寝ないといけないのに。
私はベッドから立ち上がり、寮の部屋に備え付けられた流しに向かう。
グラスを取り出し、水道水をそそぎ、それを口に運ぶ。
中身を飲み干そうとすると、携帯がなっていることに気づいた。
「こんな時間にどうしたんだろう。」
携帯を見ると『佐藤心』と表示されていた。
私は少し迷ったが、結局電話に出ることにした。
「はい松尾です。こんな夜遅くになにがあったんですか心さん?」
『……。それマジで言ってんの?』
「はい?」
マジもなにもないと思うのだけれど、こんな日付の変わる時間に。
『まあ、いいや。今から部屋行くからちょっとまっててねぇ、千鶴ちゃん☆』
「えっ?今からですか?って切れてるし。」
相変わらず自由すぎる人…。 - 4 : ◆Ee6aKqE1Tg 2016/03/21(月) 13:23:51.24 ID:gHydqPPF0
- 30分後部屋のドアがノックされる音が聞こえた。
「ケーキもってきたよ~。」
私がドアを開けるとケーキの箱をかかげつつ心さんが部屋に入ってきた。
「ホントに来た…。」
「ホントに来たぞぉ☆ってどうした目真っ赤だぞぉ、おい。」
「はっ!なんでもありませんから。」
無意識に泣いていたんだ、私は。
「ホントに、ホントぉ?うそついちゃやだぞぉ☆」
「ホントです!ただちょっと悪夢を見ただけで…。はっ!」
「うそつけないよねえ、千鶴ちゃんてっさ。」
なぜか心さんは嬉しそうな顔をしていた。 - 5 : ◆Ee6aKqE1Tg 2016/03/21(月) 13:24:27.49 ID:gHydqPPF0
- 「それでそれで、どした?このしゅがぁはぁとに話してみ?」
「どしたも何もありませんよ。」
「ふーん。誕生日を忘れちゃうくらいなのに。」
「えっ?嘘?」
「マジで気づいてなかったかあ。誕生日を忘れるにはちょっと若すぎだぞ☆」
「ホ、ホントだ…。」
慌ててカレンダーを確認すると明日は、いやもう今日だけど、私の誕生日だった。
「おい、どうしたんだよ千鶴ちゃん。」
「どうもなにもありませんよ。」
「強情だなあ、おい☆。そんなにはぁとが信用ならんか。」
「そうじゃなくて、くだらないことだから。」
「じゃあなんでそんなに悩んでいるのかなぁ?」
「悩んでませんよ!みんなにおいてかれそうだなんて。はっ!」
またしても墓穴を掘った私に、心さんは千鶴ちゃんはやっぱり可愛いよねぇ、と言った。 - 6 : ◆Ee6aKqE1Tg 2016/03/21(月) 13:25:34.32 ID:gHydqPPF0
- 「ふーん。つまり最近仕事が少なくて不安なのか。」
「またあけすけに…。それもありますけど、それだけではなくて…。」
「それだけじゃなくて?」
「私やっぱりアイドルに向いてないんじゃないかなって。」
「なんじゃいそりゃ☆」
「一人になると後ろ向きな思いでいっぱいになるんです。」
私は可愛くなんてない。
努力なんて報われない。
なんでみんなはそんなにきらきらしてるの。
こんなネガティブな思いは断ち切ったと思ってたのに。
「なぁるほどね。」
「ね?くだらないでしょ?」
心さんはふと唇を結びまじめな顔になった。
そしてこう言った。
「今から年上としてアドバイスしてあげよう。」
「いつも年齢のこと言うと怒るくせに。」
「おい。黙れや☆」
「はい、すいません…。」
さすがに今のは私が悪い。 - 7 : ◆Ee6aKqE1Tg 2016/03/21(月) 13:26:19.91 ID:gHydqPPF0
- 「まず最初に言っとくとそんな悩みはみんな抱えてんだよ。」
「だから最初にいったじゃない、くだらないって。」
「おい結論を急ぐな☆」
心さんは話を続けた。
「悩まない人間なんて人間じゃなくて化け物でしょ?」
「それはいくらなんでも言い過ぎですよ。」
「そうかなぁ?じゃあ天使ってことで似たようなもんだし。」
まあいま大事なのはそこじゃねえと続けて言った。
「つまりみんな悩んでいるってことだ☆そういうときはこれだ。」
そこで持ってきたケーキの箱を開けた。
中に入ってたのはオーソドックスな生クリームといちごのケーキ。
「甘いものでも食べりゃいいってこと☆」
「それ、なにも解決してませんよね。」
「別にいいんだよそれで。世の中解決できない悩みばっかりなんだから。」
大人なら酒があるけどなあと心さんはつけたした。
「それにみんな千鶴ちゃんのこと大好きみたいだしねぇ☆」
心さんは携帯を指さした。
私は携帯を確認した。
たくさんのメールが届いていた。
きらりさん、菜々ちゃん、ほたるちゃん、晶葉ちゃん。
たくさんのお誕生日おめでとうのメールだった。
「私も言わないとなあ。」 - 8 : ◆Ee6aKqE1Tg 2016/03/21(月) 13:26:58.88 ID:gHydqPPF0
- 「お誕生日おめでとう千鶴ちゃん。」
- 9 : ◆Ee6aKqE1Tg 2016/03/21(月) 13:28:14.47 ID:gHydqPPF0
- 以上です。
こんなSS書いてますが松尾千鶴ちゃんが大好きです。
お誕生日おめでとう。 - 10 : ◆Ee6aKqE1Tg 2016/03/21(月) 13:29:10.82 ID:gHydqPPF0
- 【おまけ】
「ところでこのケーキ心さんの手作りですか?」
「そうだよん☆よくできてるでしょ?」
「上にのっているこの人形も?」
「そうそう。千鶴ちゃんによく似てるでしょ?」
「私こんな怖い顔してませんよ!」
「そうかあ?いつも眉間にしわ寄せてんじゃん。」
「寄せてません!」
ほんとこの人は…。 - 11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/21(月) 13:52:07.19 ID:qo3UTmMU0
- 乙。誕生日を祝ってもらえるって嬉しいよね。素敵だったわ

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