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ケン「待てよクミ!」クミ「離して!」

1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:07:45.43 ID:5jrY9bNL0
クミ「もっとしっかりしてよ!」

ケン「そんな事言われてもさぁ」

クミ「大学も行かないし、就活もしない……もううんざりよ!」

ケン「その内頑張るって。それよりも……なぁ?」

パンッ

ケン「痛っ!」

クミ「いい加減にして! もうアンタなんか知らない!」




2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:09:23.74 ID:5jrY9bNL0
ガチャ



ケン「クミ!」



ケン「なんなんだよ……くそっ!」





3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:13:33.40 ID:5jrY9bNL0
クミ「ぐすっ……ぐすっ……」

クミ「何よ……あんなやつ……」



???「やあ! クミじゃないか!」

クミ「え?」

???「久しぶり!」

クミ「もしかして……トム?」



トム「HAHAHA!!」





4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:15:58.86 ID:5jrY9bNL0
トム「どうしたんだい? こんな夜中に女の子が一人で歩いていたら危ないよ!」

クミ「…………」

トム「その顔……良かったら話を聞くよ」

クミ「…………」コクッ

トム「そこのBARにでも行こうか」





5 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:19:56.25 ID:5jrY9bNL0
BAR



トム「そうか……そんな事が……」

クミ「わたし……どうしたらいいのか……」

トム「……とりあえず今日はせっかく久しぶりに逢えたんだ。飲んで忘れよう」

クミ「でも……」

トム「君に涙は似合わないよ。さぁ」

クミ「うん。そうだね……ありがとうトム」



トム「…………」



─────
───






6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:21:01.31 ID:5jrY9bNL0
ケン「はぁ……煙草切れちゃったなぁ」

ケン「仕方ない。買いに行くか……」





7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:25:01.64 ID:5jrY9bNL0
ケン「…………」

???「あら、ケンじゃないの。奇遇ね」

ケン「メイリン」

メイリン「どうしたの? 浮かない顔をして」

ケン「別になんでもないよ」

メイリン「そうだわ! ケンの家ってこの近くよね? せっかくだから飲みましょうよ!」

ケン「え? ちょっと!」

メイリン「いいからいいから!」

ケン「おい! メイリン!」





8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:26:45.67 ID:5jrY9bNL0
ケン宅



メイリン「ふーん。それはアンタが悪いわよ」

ケン「俺だって何も考えてないわけじゃないよ」

メイリン「それが伝わらなきゃ意味なんてないわよ」

ケン「そんなこと言われてもさぁ」





9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:29:32.95 ID:5jrY9bNL0
メイリン「それにしても暑いわね……」ヌギ

ケン「メイリン! なに脱いでるんだよ!」

メイリン「少し飲みすぎちゃったかしら」

ケン「お前なぁ……」

メイリン「どうしたの? わたしの事チラチラ見ちゃって」

ケン「み、見てないし!」

メイリン「ふーん?」





10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:32:05.11 ID:5jrY9bNL0
メイリン「その割にはこっちは素直になってるじゃない?」

ケン「こ、これは!」

メイリン「クミの事なんて……忘れちゃいなさいよ……」

ケン「メイリン……」

メイリン「ケン……女の子に恥をかかせないでよ……」

ケン「…………」ゴクッ






11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:34:21.27 ID:5jrY9bNL0
メイリン「ケン……」



ケン「ごめんメイリン……俺やっぱりクミのことが……」

メイリン「…………」

ケン「ごめん……」



メイリン「ってなに本気になってるのよ! 冗談に決まってるじゃない!」






12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:39:12.36 ID:5jrY9bNL0
ケン「…………」

メイリン「もう! ちょっとお酒に酔っちゃただけよ! あははっ」



メイリン「ごめん! 今日はもう帰るね!」

メイリン「本当に今のはただの冗談なんだから気にしないでよね!」

メイリン「あとクミには早く謝りなさいよ! それじゃあね! 再見!」



ガチャ



ケン「はぁ……俺ってとんでもない馬鹿だな……」






13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:40:55.33 ID:5jrY9bNL0
ケン「ごめんメイリン……」



ケン「クミにも早く謝ろう……」



─────
───






14 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:43:02.14 ID:5jrY9bNL0
一週間後



ケン「謝りたいけど繋がらないまま一週間経ってしまった……」

ケン「クミ……一体何をしてるんだ……」



トム「ハイ! ケン!」

ケン「……トム! 久しぶりじゃないか!」

トム「ああ! 本当だな!」





15 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:44:45.00 ID:5jrY9bNL0
トム「久しぶりに会ったんだ! 一杯どうだい?」

ケン「そうだな!」

トム「HAHAHA!!」





16 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:46:34.84 ID:5jrY9bNL0
トム「最近はどうなんだい?」

ケン「実はクミと付き合っててさ」

トム「そうなのか! おめでとう!」

ケン「でも今ケンカしててさ……一週間も連絡が付かないんだ」

トム「そうだったのか」

ケン「ああ……」





17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:52:39.30 ID:5jrY9bNL0
ケン「もうダメなのかな……俺たち……」

トム「そうだね。キミは新しい恋を探すべきさ」

ケン「トム?」





18 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:54:52.68 ID:5jrY9bNL0
トム「彼女は海外の叔母のところに留学すると言っていてね」

ケン「え?」

トム「だから彼女の為にも別れるべきさ」

ケン「ど、どうしてお前がそんな事を」







19 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:56:52.70 ID:5jrY9bNL0
トム「ちょうど一週間前かな。彼女が夜中にひとりで歩いていてね」

ケン(一週間前……あの日だ!)

トム「彼女が悲しそうな顔をして歩いていたから声をかけたんだよ」

ケン「…………」

トム「そして色々悩みを打ち明けられたんだよ」





20 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:01:54.38 ID:5jrY9bNL0
トム「キミの事や、留学の事をね」

ケン「…………」

トム「だから言ってやったのさ。キミなんかよりいい男はいっぱいいるってね」

ケン「……トム!」



トム「あとは簡単だったよ。彼女も酔っ払っていたしね」

トム「ベッドの上の彼女はとっても積極的だったね。激しく腰を振っちゃってさ! 最高だったよ!」





21 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:06:11.84 ID:5jrY9bNL0
ケン「トム!!!! てめぇ!!!!」



ドゴッ?? ガシャーン??



トム「ははっ、痛いじゃないか……」

ケン「うるせえ!!」

トム「キミにはもう関係ない事だろう」

ケン「関係ないわけあるか!!」





22 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:08:14.21 ID:5jrY9bNL0
トム「キミはまだ彼女の事が好きなのかい?」

ケン「当たり前だろ!!」

トム「ならなぜ探し出してでも話をしなかったんだい?」

ケン「!?」

トム「彼女の家なり、大学なりにでも行けば良かったじゃないか」

ケン「そ、それは……」





23 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:12:49.62 ID:5jrY9bNL0
トム「まぁ、彼女も悩んでたみたいだから仕方ないと言えば仕方ないんだが」

ケン「…………」

トム「留学が決まってからは、怠惰しているキミが心配だったんだろう。だからキミにしっかりして欲しかったんだよ」

ケン「でも……!」

トム「今のキミに留学を打ち明けるなら、黙って行こうとしたんだね」






24 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:17:29.47 ID:5jrY9bNL0
トム「でもまだ間に合うさ」

ケン「え?」

トム「キミはこんなにも彼女を愛しているんだろう。それにキミも心を入れ替えたならきっと伝わるさ」

ケン「トム……」

トム「あと、さっき彼女の名誉を傷つけてしまったね。謝っておいてくれ」

ケン「どういうことだ?」

トム「ベッドの件は全部嘘さ。まぁ、誘ったのは本当だが、どうもやっぱりキミのことが好きみたいでね。振られちゃったよ」





25 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:22:00.50 ID:5jrY9bNL0

───
─────



トム『クミ。彼のことなんか忘れて僕のところへおいでよ』

クミ『……ごめんなさいトム。それでも私は彼が好きなの。裏切れないわ』

トム『でも黙って留学するんだろう?』

クミ『彼ならいつか追いかけて来てくれるって信じているから』

トム『クミ……』

クミ『相談に乗ってくれてありがとうトム! 』





27 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:27:15.07 ID:5jrY9bNL0
─────
───




トム「ははっ、とんだピエロだよ」

ケン「トム……」

トム「さぁ、早く追いかけなよ! まだフライトには間に合うはずだよ!」

ケン「ああ! ありがとう! 俺行くよ!」



トム「ケン! これを使いなよ!」ヒュン

ケン「…………」パシッ

トム「表のバイクのキーさ! まさか走って行く気だったのかい?」

ケン「何から何までありがとう! トム!」

トム「僕たちは親友だろ? さぁ、急ぐんだ!」

ケン「ああ!」



トム「頑張れよケン」







28 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:28:41.55 ID:5jrY9bNL0
ブオオオン??



ケン(間に合ってくれ! クミ!)





29 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:29:41.07 ID:5jrY9bNL0
ブオオオン??



警官「そこのバイク! 止まりなさい!」



ケン「しまった! だけど止まれるかよ!」





30 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:31:22.00 ID:5jrY9bNL0
ファンファン



警官「そこのバイク! 早く止まるんだ!」



ケン「あと少しで空港だ! 飛ばすぜ!」





31 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:33:14.89 ID:5jrY9bNL0
空港



ケン「はぁ……はぁ……クミ!」

警官「待ちなさい!」

ケン「くっ……ここまでか……」



警官「うわっ!」



ケン「え? 警官が吹っ飛んだ! いったい何が!」




32 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:36:40.37 ID:5jrY9bNL0
???「…………」

ケン「き、君は!」



ケン「ムカミ!!!!」



ムカミ「Hello,Ken!!」





33 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:41:57.42 ID:5jrY9bNL0
ケン「こんばんはムカミ。そして今のはムカミの柔道か!」

ムカミ「Jambo!!」

ケン「え? ここは任せて行けって?」

ムカミ「Habari!!」

ケン「ああ! わかったよムカミ! ありがとう!」



警官「ま、待ちなさ──うわっ!」



ムカミ「Mombasa!! Nairobi is big!!」







34 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:45:00.58 ID:5jrY9bNL0
アナウンス「間も無くNY行きの便の搭乗時間となります。チケットをご確認のうえ──」



クミ「…………」

クミ「ケン……元気でね……」








35 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:46:47.88 ID:5jrY9bNL0
ケン「クミ!!!!!!」



クミ「え? ケン! どうして……」

ケン「どうしたもこうしたもあるか!」

クミ「でもまさか……こんなに早く!」





36 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:49:16.18 ID:5jrY9bNL0
ケン「クミ……」

クミ「ケン……」


ケン「ごめんクミ! 俺ちゃんとするから!」

クミ「いえ、私こそ黙って行こうとしてごめんなさい!」

ケン「いや、そもそも俺が悪いんだ! ちゃんと勉強して、それから実家のパン屋を継ぐよ!」

クミ「ケン!」





38 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:56:26.70 ID:5jrY9bNL0
ケン「俺……クミに相応しい男になるから!」

クミ「うん……うん……」

ケン「クミ……好きだ!」

クミ「私もよケン!」



I hope life treats you kind

And I hope you have all you ever dreamed of

And I wish you joy and happiness

But above all this

I wish you love






39 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:57:16.24 ID:5jrY9bNL0
And I

Will always love you

I will always love you






40 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:59:23.17 ID:5jrY9bNL0

I will always love you

I will always love you

I will always love you

I will

I will always love you

You, darling, I love you

I'll always

I'll always love you



─────
───






41 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 08:01:09.30 ID:5jrY9bNL0
BAR



トム「…………」

メイリン「あら、トムじゃない」

トム「メイリン……」

メイリン「あなたも損な役回りね」

トム「クミが幸せなら、それでいいさ」

メイリン「ふふっ、そうね」





42 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 08:03:03.83 ID:5jrY9bNL0
トム「キミだってケンのことが……」

メイリン「…………」



メイリン「じゃあ振られたもの同士、飲みましょうよ」

トム「そうだね」

メイリン「乾杯」

トム「乾杯」



終わり





44 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 08:30:36.80 ID:5jrY9bNL0
元ネタ

no title




45 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 08:52:39.34 ID:Snv9cdOS0
最初何のキャラかと思ってたけど、調べて分かった、俺の時はこれだったなまだ。


46 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 09:02:07.36 ID:dwWT0VaRo
懐かしくて開いた


元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460149664/


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