Powered By 画RSS


スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

絵里「はぁ、またお手紙もらっちゃったけど……」

1 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/03(日) 21:27:36.57 ID:MFypWueD.net
1年生「あのっ、絢瀬先輩への想い、手紙に書きました! 受け取ってください!」

絵里「う、うん、ありがと。後で読ませてもらうわね……」

1年生「は、はいっ!」



絵里「――はぁ、またお手紙もらっちゃったけど……」

絵里「……あんまりタイプじゃなかったなぁ、正直……まぁ、こんな小さい学校じゃ、とびっきりかわいい子なんていないわよね……」

絵里「はぁ……なんて断ろうかしら――」

???「――♪」

絵里「――え……?」

???「あ、海未ちゃんごめん~待たせちゃったかな?」

海未「いえ、大丈夫ですよ。それじゃ早く次の教室に行きましょうか」

???「うんっ!」


絵里「…………」

絵里「……いるじゃないの、ものすっごいかわいい子が……!」




9 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/03(日) 21:39:46.19 ID:MFypWueD.net
絵里「というわけでね! ものすっごい美少女を見かけたのよ! もうほんっとにかわいくて――って聞いてるの希?」

希「はいはい、聞いてるでー。何年生なん、その子?」

絵里「リボンの色を見たところ2年生ね……はぁ、あんなにかわいい子がウチにいたなんて……」

希「はぁ……珍しくテンション高いなぁと思ったらこんなことか……」

絵里「こんなこととは何よこんなこととは! ほんっとにかわいかったんだから! あれは天使よ、天使、うん、間違いない」

希「はいはい……」

コンコン

「失礼しまーす」

希「あら、お客さん? 何か御用かな?」

穂乃果「あの……生徒会長さん、ですか?」

海未「穂乃果、そちらは副会長です……」

穂乃果「へっ……? す、すいません! 私、生徒会のこととか全然知らなくて……」

絵里「……それで、生徒会に何か用かしら――ってあーーーっ!」

穂乃果・海未・ことり「「「びくぅっ!」」」

希「ど、どないしたんえりち、急に大声出して……」

絵里「……はっ! ご、ごめんなさい……それで用件は何かしら?」

穂乃果「え、ええと……講堂の使用許可を頂きたくて……」


12 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/03(日) 21:50:07.81 ID:MFypWueD.net
絵里「行動の使用許可ぁ? いったいに何に使うのかしら?」

穂乃果「えっと、それは……ら、ライブです!」

絵里「……ライブ?」

希「ライブって、もしかして歌ったり踊ったりするやつのこと?」

穂乃果「そうです! 今度の新入生歓迎会でライブをやろうと思ってまして、それで講堂をぜひ使わせていただきたいなと……」

希「ええやん、面白そう! もちろん許可する――」

絵里「ダメね、そんな理由では許可は出せないわ」

穂乃果「ええっ! そ、そんな……」

絵里「だってそれ、部活としての活動なの? そうじゃないわよね?」

穂乃果「そ、それはその……そうですけど……」

絵里「そういうわけなので、許可は出せません。申し訳ないけど、今日はお引き取り願えるかしら?」

穂乃果「ううっ……そ、そんなぁ……」

海未「……会長の言うとおりです。部活動でもないのに講堂を借りるなんて……他の場所を探しましょう」

穂乃果「うん、そうだね……」トボトボ

絵里「あっ、ちょっと待って。あなた、名前は?」

穂乃果「へっ、名前ですか? 私は高坂穂乃――」

絵里「じゃなくて、そちらのあなたよ。かわい……変わった髪型のあなた」

ことり「えっと……私のこと、かな?」

絵里「そうあなた、あなた名前は?」

ことり「えと……南ことりです」

絵里「南ことり……そう、分かったわ。よーく覚えたわよ……」

ことり「ぴぃ! な、なんか怖いよぉ……」

海未「ささ、2人とも早く他のところを探しましょう。会長、忙しいところ失礼しました」

絵里「ええ、ごめんなさいね」

ガラガラ……

絵里「…………」

絵里「……南ことりちゃん、かぁ……」


28 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/03(日) 22:18:07.26 ID:MFypWueD.net
絵里「はぁ……南ことりちゃんっていうんだぁ……ふふっ、ふふふっ」

希「えりち、めっちゃ怪しい顔つきやで……」

絵里「だってだって名前教えてもらったんだもん。ことりちゃん……名前までかわいいわぁ……」

希「いや、教えてもらったっていうか言わせたって感じやけど……しかし、ことりちゃんのことだったとはねー」

絵里「なに希、ことりちゃんのこと知ってたの?」

希「そらまぁ……最近じゃ学校一かわいいとの噂まで立ってるくらいやし……」

絵里「そうよねそうよね! やっぱりかわいいわよね! ハラショーよね!」

希「せ、せやけどウチはえりちの方が――」

絵里「はぁ……やっぱりそうよね、学校一の美少女よね、ことりちゃんは!」

希「……というか、それ以外にも有名な理由、あるやん! ほら、ウチの学校にことりちゃんと同じ苗字の人、おらん?」

絵里「同じ苗字? うーん……いたっけ?」

希「ほら、ウチの学校で一番偉い……」

絵里「一番偉いのは……生徒会長?」

希「じゃなーい! 理事長! 理事長の苗字も『南』! つまりことりちゃんは理事長の娘さんなんやで!」

絵里「な、なんですってー! つ、つまりそれは……」

希「……う、うん、つまり?」

絵里「……将来的には理事長が私のお義母様になるのね!」

希「なんでやねーん!」バシィ!


30 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/03(日) 22:34:33.06 ID:MFypWueD.net
絵里「よしっ! そうと決まれば早速ことりちゃんと仲良くならなきゃ!」

希「何が決まってたん!?」

絵里「あーんなかわいい子、私が放置すると思う……?」

希(だ、ダメやこの子……ダメな目つきや……)

希「あー……でもいきなり仲良くなるのは難しいんちゃう?」

絵里「なんで? この賢い私にかかればそんなの簡単だと思うのだけど?」

希「だって……さっきので印象悪くなってたと思うよ」

絵里「さっきのって……あ……」

希「そ、講堂の使用許可を認めなかったやん。せっかく3人がやろうっていうのに、ショックやったろうなぁ。ウチはいいと思ったんやけどなぁ」

希「しかも嫌味たらしい感じやったしぃ、それに最後に名前聞いたのも、なんか目を付けられた感じで怖いと思うしぃ」

絵里「あ……あ……」

絵里「の、のじょみぃ……ど、どうすればいいのぉ?」ポロポロ

希「何も泣かなくてもええやん……講堂の使用許可、認めてあげたら?」

絵里「認める……認めるからぁ……」

希「おーよしよし、えりちは良い子やねぇ」

絵里「……あ、そうだ。すんなり認めるのはあれだから、ちょっと条件付きで許可を出すことにしようかしら」

希「ええー……」


37 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/03(日) 23:22:13.15 ID:MFypWueD.net
希「条件付きって……変なこと考えてない?」

絵里「大丈夫大丈夫、そうと決まれば実行よー!」

希「……もう、立ち直りは早いんやから……」



穂乃果「はぁ……やっぱりダメだったかぁ……」

海未「ああ言われてはしょうがないですね……どこか他の場所を探さなくては」

ことり「でも、他にどこがあるかなぁ?」

穂乃果「うーん、ライブができる場所かぁ……うーん……」

ピンポンパンポーン

絵里『えー、コホン。2年生の南ことりさん、至急、生徒会室へ来てください。繰り返します、2年生の――』

穂乃果「ことりちゃん、呼ばれてるよ?」

ことり「ぴぇっ!? な、なんでぇ?」

海未「何故ことりが生徒会室に……嫌な予感がします、ここは私も一緒に――」

絵里『えー、ちなみに必ず1人で生徒会室に来ること、以上』

穂乃果「1人で行かないとダメみたいだね」

ことり「うぅ、行くしかないのかな……」

海未「なぜ1人でなのですか! やはり私が付いていって――」

ことり「ううん、大丈夫。ことり、1人でも行けるよ!」

穂乃果「おおっ、ことりちゃんかっこいい!」

ことり「それじゃあ、行ってくる!」ダッシュ

海未「ことり……大丈夫でしょうか?」

穂乃果「もぉ~、海未ちゃん心配しすぎだよ。ことりちゃんのこととなるといつもこうだ~」

海未「……ことり」


43 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/04(月) 00:50:26.68 ID:r/f6ZOL2.net
ことり「し、失礼しま~す……」

絵里「あ、やっと来たわね、南さん。待ちくたびれちゃったわよ」

ことり「す、すいません……」

希「いや、5分も経ってないやん……」

絵里「さて、早速話があるんだけど……その前に、ちょっと喉が渇いたわね。これで何か飲み物を買ってもらえる?」

ことり「ええっ、は、はい……お水でいいですか?」

絵里「ええ、大丈夫よ」

ことり「はぁ……じゃあ行ってきます」


希「えりち! 条件ってパシリのことなん?!」

絵里「違う違う、これはちょっとした余興よ。本番はこの後」

ことり「も、戻りましたぁ……」

絵里「あら早かったのね、そんなに急がなくてよかったのよ?」

ことり「はぁ、はぁ……」

絵里「……大分急がせちゃったみたいね、ごめんなさい。お詫びにその水、少し飲んでもいいわ」

ことり「えっ、そ、そんな私は別に――」

絵里「いいからいいから、遠慮しないで」

ことり「は、はぁ……」ゴクッ

絵里「……じゃ、じゃあ私もそのお水、もらおうかしらね」

ことり「は、はい、どうぞ……」

絵里「……ありがと、大事に飲むわね」

ことり(”大事に飲む”ってどういうこと……?)

ことり「それで、私に何かお話があるんでしょうか……?」

絵里「あ、そうそう、そのことなんだけど……」

絵里「講堂の使用許可、欲しくない?」

ことり「……!?」


45 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/04(月) 01:08:43.46 ID:r/f6ZOL2.net
絵里「確かあなたたち……欲しいのよね、講堂の使用許可」

ことり「は、はいっ! ライブをやるためには、やっぱり講堂しかなくて……」

絵里「……いいわよ、許可してあげる」

ことり「ほ、本当ですか! あれ、じゃあなんでさっきは……」

絵里「ま、まぁ気が変わったというか……ただし、1つ条件があるの」

ことり「条件、ですか?」

絵里「そう、その条件を飲んでくれれば講堂の使用を認めます。悪い話じゃないでしょ?」

ことり「……その条件というのは?」

絵里「それは……南さん、あなたの連絡先を教えてくれるかしら?」

ことり「えっ……私の連絡先ですか?」

絵里「そうそう、私の連絡先も教えるから、いいでしょ、ね?」

希(これを狙ってたんかえりちー!)

ことり「それぐらいで使用許可が貰えるなら……」

絵里「よっしゃあああ! ハラショォォォ!」

ことり「ぴぃ!」

希「えりち、叫びすぎ叫びすぎ」

絵里「……失礼、あまりに嬉しすぎたもので。じゃあ早速交換しましょ、南さん!」

ことり「は、はい……」


絵里「はい、というわけで交換終了。講堂の使用を許可します」

ことり「ありがとうございますっ!」

絵里「ふふっ……こちらこそありがと。早く2人にも伝えてあげたら? 講堂が使えるようになったって」

ことり「はい、伝えてきます。失礼しました!」



絵里「やった……やったわ希! 連絡先交換できたわ!」

希「それが条件やったとはね……思いっきり職権乱用って感じやけど、なかなかの策士やん」

絵里「それと……ことりちゃんが買ってきてくれたお水」

希「それはどうして買いに行かせたん?」

絵里「ふふ……買いに行かせたうえでそれを飲ませる。そしてそれを私が飲むとつまり間接キ――」

希「変態かー!」バシン!


56 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/04(月) 11:59:37.42 ID:r/f6ZOL2.net
ことり「ただいま~」

穂乃果「あ、ことりちゃん戻ってきた、おかえり~」

海未「ことりっ! 大丈夫なのですか! 何もされませんでしたか!」

ことり「海未ちゃん大げさだよぉ……それよりも、講堂の使用許可、もらえたよ!」

穂乃果「えっ!? なんでなんで? どうやって認めてもらったの?」

ことり「えーと、連絡先交換したら……」

穂乃果「ほぇーそんなことでよかったんだぁ……」

海未「連絡先、ですか……? ……何やらさっきからいやーな予感しかしませんけど」

穂乃果「考えすぎだって海未ちゃん。それよりも場所も確保できたし、あとは練習あるのみだね! 頑張ろう!」

ことり「うんっ! 私も衣装作り、頑張っちゃう!」

海未「ええ、そうですね……」



絵里「ねぇ希、初メールなんて送ればいいのかしら……?」

希「そんなん、普通に『これからもよろしくー』みたいな感じでええんちゃう?」

絵里「ええー、でもなんかそれじゃパンチが足りないというかなんというか……」

希「……というか、なんでウチの家でやるん!? 別に自分の家でもメールくらいできるやん……」

絵里「だってだって1人じゃなんか不安だし、こんな時に頼れるのは希くらいなのよ……だから、いいでしょ?」

希「……はぁ、本当にえりちはうちが付いとらんとあかんね」

絵里「ふふっ、ありがとー希ー」スリスリ

希「やめっ……恥ずかしいやん……」


57 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/04(月) 12:14:17.55 ID:r/f6ZOL2.net
高坂邸

ことり「…………」モクモク

海未「……あの、ことり」ヌイヌイ

ことり「ん? なぁに海未ちゃん?」

海未「その……本当に何もされませんでした? 生徒会長に」

ことり「う、うん……特に何もされなかったけど……」

ことり(お水買いに行かされはしたけど……)

ことり「……なんでそんなに心配してるの?」

海未「だって、私は……ことりの、こ、恋人ですから! 恋人の心配は当然です!」

ことり「恋人だからってそこまで心配することないんじゃ……あ、もしかして、やきもち?」

海未「なななっ!? ち、違います、そんなんじゃないです! ただ単純に、あの人に何かされないか心配なだけで……」

ことり「ふふっ、大丈夫だよ海未ちゃん。ことりが”好き”なのは、海未ちゃんだけだから。あ、でも穂乃果ちゃんのことも好きだけどね?」

海未「ことりぃ……」

ヴヴヴヴ

ことり「あ、メールが来てる。誰からだろ……あっ、綾瀬先輩からだー」

海未「なんですと! な、なんと書いてあるのです!」

ことり「えっとね……『今日はいろいろあったけど、あなた達のこと応援してるわ。ライブ頑張ってね』、だって」

海未「いろいろってなんですか! 何なのですかことり!」

ことり「だから何でもないってー……あ、またメールが来た」

海未「むむっ!? 今度は何と?」

ことり「えー、『それから何か困ったことがあったらいつでも生徒会室に相談に来てね。私は南さんの味方だから』、だって」

海未「ことり、困ったことがあったら私に相談していいですからね! 私で十分ですからね!」

ことり「でも、アイドル活動のこととかの問題は生徒会に相談した方がいいんじゃ……」

海未「そ、それはそうですけど……」

穂乃果「ふぅ~店番疲れたー。お? なんか盛り上がってるね~」

ことり「穂乃果ちゃんお疲れ~。今綾瀬先輩から応援のメールもらったんだぁ」

穂乃果「生徒会長から? へぇ~、反対してるかと思ったら応援してくれてたんだ。これは気合入れて頑張らないとだね! ファイトだよっ!」

ことり「うんっ、頑張ろうね、穂乃果ちゃん、海未ちゃん!」

海未「はい、そうですね……」


72 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 00:08:56.77 ID:Dm8H/GCJ.net
なんやかんやあってファーストライブ当日

絵里「はぁ……暇だわ」

希「そやね……生徒会の仕事って言っても、見回りくらいやしね……」

絵里「そうなのよね……なんか面白い催しとか開けばよかったかしら? 音ノ木坂学院ミスコンとか?」

希「新入生にいきなりそれは戸惑うじゃないかな……」

絵里「そう? まぁどうせ1位はことりちゃんに決まって――あ!」

希「ん? どうしたんえりち、ピンポン玉が入りそうなくらい大きな口開けて」

絵里「そうよそうよ、そういえば面白そうなのあるじゃない! 確か時間はもうすぐだったかしら?」

希「面白そうなのって、何のこと?」

絵里「何って、ことりちゃんのファーストライブに決まってるでしょ?」

希「あー、”μ's”のファーストライブな……」



絵里「――というわけで講堂に来たけど……誰もいないじゃない!」

希「うーん……みんなこういうのには興味なかったんかな……ちょっとショックやね」

絵里「これでライブできるの? ちょっと寂しすぎない? ほら、ことりちゃんとか泣きそうじゃないの! 誰よ泣かせたのは!」

希「誰ってわけでもないと思うけど……あれ、始めるみたいやん」

絵里「始めるってそんな、こんな状況なのに……」

アイセーイ ヘイ ヘイ ヘイ スターダッシュ

希「……へぇ、なかなか頑張ってるやん。これは想像以上かも」

絵里「うん、すごい頑張ってる、ことりちゃん」

希「いや、みんな頑張ってるやろ……」

絵里「そうね……しっかり映像に残しておかないと」

希「ばっちり用意してたんね……」


73 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 00:22:41.09 ID:Dm8H/GCJ.net
ワー パチパチ

希「あ、終わったみたいやね」

絵里「ええ……見てくれてる人もいたみたいね」

希「ふふっ、3人ともええ顔しとるやん。ちょっと声かけてあげたら?」

絵里「そ、そうね……」

穂乃果「あ、生徒会長! 見に来てたんですか?」

絵里「ええまぁ、ちょっと気になってね」

穂乃果「えへへ、生徒会長に見てもらえたなんて光栄です」

絵里「べ、別にそういうわけじゃ……それよりも、まだ続けるつもり? ほとんどの人が見てくれてなかったじゃない」

穂乃果「……そうかもしれないけど、続けたいです。いつかこの講堂をいっぱいにしてみせます!」

絵里「……南さんと、そのもう1人……えと……」

海未「園田海未です」

絵里「そうそう園田さん。2人も続けるつもりなのね?」

海未「はい、もちろんです」

ことり「はい……私も、もっと続けたいんです!」

絵里「そう……だったら、私からは特に言うことはないわね。それじゃ」

希「あ、えりち、待ってー……」

穂乃果「行っちゃった……よし、絶対にやってやるぞー! 2人とも、もう少し、穂乃果に付き合ってね!」

海未・ことり「「おー!」」



希「……えりち、もっと気の利いたことは言えんかったん? 頑張ってーとか、陰ながら応援してるーとか……」

絵里「そりゃあ言いたかったけど……あんな状況で言えるわけないじゃない!」

希「えっ、な、なんで……」

絵里「だって……ことりちゃんが私のことじっと見てたのよ? なんか照れくさくて言えなかったわよ……」

希「そら話してる人の目を見るのは当たり前やん……」

絵里「はぁ……でもかわいかったなぁ……」

希(……ま、応援する気持ちがあるんなら、ええか)


75 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 01:13:00.67 ID:Dm8H/GCJ.net
亜里沙「ふーんふーんふーんふーんふーんふふーん」

絵里「あら? 亜里沙、何聞いてるの?」

亜里沙「あ、お姉ちゃん。実はこれ聞いてるの! 音ノ木坂のスクールアイドル、μ's!」

絵里「へぇ~、結構有名になってるのね――って、あれ? なんか人数増えてる?」

亜里沙「そう! 最近7人に増えたんだってー! みんなかわいいよね! 特に私はこの海未さんが――」

絵里「い、いつの間にかこんなことになっていたなんて……」



絵里「――ということなんだけど、知ってた希?」

希「うん、知ってたよ」

絵里「なんで教えてくれなかったのよ! そういうことはすぐに教える約束でしょ?」

希「そうだっけ……まぁともかくμ'sは7人になって、アイドル研究部という部活として、しっかり活動を始めたんよ」

絵里「そうだったの……ん? つまりみんな、ことりちゃんと一緒に部活をやってるってことよね?」

希「そりゃあまぁ、そういうことやね」

絵里「…羨ましい!」

希「え?」

絵里「羨ましいじゃない! あんなかわいい子と一緒にいられるなんて……みんな、どんな風にことりちゃんと接してるのかしら?」

希「何が羨ましいのかよく分からないけど……練習なら、いつも屋上でやってるみたいやね」

絵里「よーっし、こっそり見に行くわよ!」


76 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 01:31:34.09 ID:Dm8H/GCJ.net
絵里「こっそりこっそり……えーと、屋上よね」

絵里「あれ、いつの間にか希がいない……ま、いいか」

絵里「どれどれ、みんなの様子は~と」



海未「はい、それでは休憩しましょうか」

穂乃果「はぁ~やっと休憩だぁ~疲れた~」

ことり「ふふっ、穂乃果ちゃん頑張ってたもんね。はい、お茶」

穂乃果「おおっ、ありがとうことりちゃ~ん! ――うーん、うまい!」

ことり「穂乃果ちゃん、まだすっごい熱いよこれ……」

凛「なになに、何飲んでるにゃ? おいしいものかにゃ?」

花陽「くんくん……なんかすごくいい匂いがします!」

にこ「ちょっとちょっと! 部長を差し置いて何飲んでるのよ穂乃果!」

ことり「うふふ、慌てなくてもみんなの分もあるよー」

真姫「さすがことりね」

ワイワイガヤガヤ


絵里「わぁ……なんかすっごい楽しそう。そして私もあのお茶飲みたい!」


ことり「あ、もちろん希ちゃんの分もあるよ?」

希「え、ウチにも? ウチ何もしてないで見てるだけやけど……」

ことり「ううん、いつも希ちゃんには何かと助けてもらってるから、そのお礼」

希「そういうことなら、遠慮なくもらうやん。……いやー、やっぱりことりちゃんの持ってくるお茶はおいしいなぁ」

ことり「えへへ、どう致しまして」


絵里「な、なんで希がそこにいるのよー!?」


77 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 01:51:53.75 ID:Dm8H/GCJ.net
ことり「はい、海未ちゃんの分も」

海未「はい、ありがとうございます、ことり。おや、ことり、汗が」フキフキ

ことり「う、海未ちゃん……じ、自分でもできるよぅ……」

凛「あー、またイチャイチャしてるにゃ」

海未「なっ! 何を言うのですか凛! い、イチャイチャじゃありません!」

凛「どう見てもイチャイチャにゃ。ねーかよちん?」

花陽「そ、そうなのかなぁ……真姫ちゃんはどう思う?」

真姫「ヴぇええっ!? ま、まぁイチャイチャ、してるんじゃないの……?」

凛「ほら、やっぱりそうだにゃ。ことりちゃんもまんざらでもない感じだにゃ」

ことり「そ、そんなこと……私はμ'sのみんなが大好きだよ?」

海未「む……ことりはみんなのことが好きなのですね……」

凛「あ、ちょっとムスッとしてるにゃ。ヤキモチにゃ、ヤキモチにゃ」

海未「なななっ!? り、凛~っ!」

希「なぁなぁ、ウチは? ウチのことはどうなん?」

ことり「もちろん、希ちゃんのことも大好きだよ!」

希「えへへ~、照れるなぁ」

ワイワイガヤガヤ


絵里「…………」

絵里「……羨ましい」

絵里「私も……”好きだよ”って言われたい!」

絵里「……というかなんで希はちゃっかりそこにいるのよ……」


87 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 15:48:56.64 ID:Dm8H/GCJ.net
絵里「はぁ……いいなぁ……羨ましかったなぁ……ことりちゃんから”好き”なんて言われたらどれほど幸せなことか……」

絵里「でもなんで希はあそこにちゃっかり混ざってたのかしら。しかも”大好き”とか言われちゃって! 浮かれちゃって! 羨ましい!」ポチ

絵里「いいなぁ……私ももっとことりちゃんとお喋りしたいし、一緒にいたいなぁ……」ポチ

絵里「……にしても頑張ってるみたいじゃない、あの子たち。何か応援できること、ないかしら……でも、なんかそういうの、私のタイプじゃないし……」ポチ

絵里「今できるのはこうやって動画の再生回数を稼ぐことぐらいかしらね……」ポチポチ

絵里「……にしてもこのことりちゃんかわいすぎないかしら。衣装もすごく似合ってるわぁ……」

亜里沙「おーい、お姉ちゃん何見てるの? あ、μ'sだー! お姉ちゃんも応援してるの?」

絵里「えっ、ま、まぁそんなところかしら……」

亜里沙「μ'sいいよね! 特に私はこの海未さんが――」

絵里(……はぁ、もっと何かいい方法はないかしら)



絵里「ということなんだけど、どうすればいいのかしら?」

希「そこでウチに相談するんかい……」

絵里「だってだって! 希ぐらいしか聞いてくれる人がいないのよ! 他の人にこんなこと聞けるわけないし……希だけなのよ!」

希「ま、まぁ、ウチだけはホントのえりちを知ってるから? こういう相談受けるのもまんざらでもないというか? むしろどんどんしてほしいっていうか?」

絵里「そうなのよ……それで、ことりちゃんにお近づきになるにはどうすればいいのかしら?」

希「そっちかい! 応援の仕方についてやないんかい! 話の流れ的にこっちやないんかい!」

絵里「お、応援もそうだけど、やっぱりことりちゃんともっと仲良くなりたいの! だから教えて、希ぃ~」

希「はぁ……仕方ない、付き合うか」


89 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 16:05:05.63 ID:Dm8H/GCJ.net
希「しかし仲良くなる方法ね……あ、そういえば連絡先交換してたよね? あれから連絡とかし合ってるん?」

絵里「あ、あれはその、あんまり……なんか恥ずかしくて」

希「ええー、勿体ない。少しずつ仲良くなるにはやっぱり会話が必要やん? そのために連絡先を教えてもらったんとちゃう?」

絵里「そうだけど! いざ送ろうとするとなんて送ればいいか分からなくて……結局送れないのよ!」

希「うーん、なんか面倒くさいな……あー、でもウチとメール始めた時もそんな感じやったかな。あの時のえりち、なかなか初心でかわいかったなぁ」

絵里「そ、そんなこと思い出さないでよ……あんまり、友達とかいなかったのよ……」

希(ふふっ、それってウチを友達と思ってくれてるってことやんね)

希「うーん、じゃあもっと直接的にμ'sのことを応援するのはどう? ウチもそれでみんなと仲良くなったよ? μ'sも応援できるし、ことりちゃんからの好感度もきっとアップや!」

絵里「たとえば、どんな感じ?」

希「そやなぁ、ウチはPV作りとかを手伝ったり、悩み事聞いたり……そんくらい? まぁお手伝いって感じやね」

絵里「手伝いかぁ。でもなぁ……なんかそういうのって私には向いてないというか……なんかいかにも応援してます! みたいな感じが出ちゃうというか……」

希「うわー、ホントに面倒くさいタイプやん……」

絵里「しょ、しょうがないじゃない! したくてもできないの! そういう性分なの! ぷんすか!」

希「うーん、でもそれだといよいよ難しいで、仲良くなるのは……」

絵里「よねぇ……ど、どうすればいいいの、希……」

希「そやなぁ……そしたら、いよいよ最後の切り札を使うしかないかもね」フッ

絵里「えっ、そんなのあるの……カッコつけないで早く教えなさいよー」

希「う、うるさ~い! で、最後の切り札っていうのは、かくかくしかじか――」

絵里「ふんふん、ふん――って、ええー!?」


90 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 16:27:29.12 ID:Dm8H/GCJ.net
希「というわけで、ウチらをμ'sに入れてほしいんよ」

穂乃果「2人がμ'sに!? ホントに!? い、いいのかな?」

にこ「……ま、いいんじゃない。希にはいつもお世話になってたし、なんかやりたそうな感じだったし」

希「そう? えりちも昔はバレエでぶいぶい言わせてた時期があったんよ?」

絵里「ちょ、の、希……」

穂乃果「そうなの? すごいね生徒会長! そうだ! 踊りのレッスンとかしてもらおうよ!」

希「お、いいねいいね、よろしくお願いします、絢瀬コーチ!」

絵里「も、もう、変なこと言わないでよ……」

花陽「うわぁ……あの生徒会長がμ'sに入ってくれるなんて感激です! きっと女子人気がアップします!」

凛「真姫ちゃんよりも賢そうだにゃ。真姫ちゃん危うしにゃ」

真姫「なんでよ! 私の方が賢いわよ!」

海未「まさか生徒会長がμ'sに入りたかったなんて……ちょっと意外です。こういうの、ノリ気ではないのかなと思っていたので」

絵里「わ、私は希に誘われたっていうか……ま、まぁ学校のためだし、やってもいいかなって思って……」

ことり「私、嬉しいです! 絢瀬先輩がμ'sに入ってくれて!」ギュッ

絵里「み、南さん……」

ことり「えへへ、これからもよろしくお願いしますね、絢瀬先輩♪」ニコッ

絵里「はぅっ……!!」キュン

希「……ん? えりち、どうしたん――って鼻血、鼻血出てるでえりち! しかも気ぃ失っとる!」

穂乃果「わわっ!? ど、どーしよー! 救急車救急車!」

にこ「なーに慌ててんの! ます保健室でしょーが!」



こうして何やかんやあったけどμ'sは9人になった。
そしてことりちゃんと仲良くなるため、絵里ちゃんの努力の日々が始まるのである。

……続く?


91 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 16:30:20.36 ID:Dm8H/GCJ.net
ひとまず第一部終わりです。
第二部はまた後程。


92 : 名無しで叶える物語(ぎょうざ)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 16:33:34.76 ID:QuFvesgI.net
乙乙
第二部楽しみ


99 : 名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 21:52:58.11 ID:bK4L2r5j.net
乙です
えりちかわいい


101 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 22:19:10.94 ID:Dm8H/GCJ.net
穂乃果「やったね! 部室が広くなったよ! わーいわーい!」

希「生徒会の方で何とかここの教室を使えないか話し合ってたんよ。そしたら練習用に使ってもいいって許可がもらえたんよ」

海未「な、なんか悪いですね……職権乱用だと思われませんか?」

絵里「ちゃーんと理事長からの許可はもらったし、乱用ってわけじゃないわ。気兼ねなく使ってちょうだい」

凛「これなら雨の日も思いっきり練習出来るにゃ!」

花陽「よかったね、凛ちゃん!」

真姫「ふふ、2人ともはしゃいじゃって、子供みたい」

にこ「そういう真姫こそ、嬉しそうじゃないの」

真姫「べ、別に私はそんなこと……」

絵里「ふふっ、みんな喜んでくれて何よりだわ……ってあれ、南さんは?」

海未「ああ、ことりなら今日はちょっと用事があるということで先に帰りました」

絵里「あらそうなの……南さんが喜ぶところも見たかったな……」シュン

穂乃果「そうだ! 今日は部室が広くなった記念に、みんなでアキバに遊びに行こうよ!」

花陽「あっ! それなら私、行きたいところがあるので行ってもいいですか?」




絵里「いや~、それにしてもアキバは相変らず賑わってるわね……かわいいメイドさんもいっぱい」

希「えりち、また好みの子でも探しとるん?」

絵里「まさか~、どんなに探したってことりちゃん以上の子がいるわけないじゃない。あー、でもことりちゃんがメイドとかやってたら本当にかわいいだろうなぁ……」

花陽「あ、みなさん着きましたよ! ここが行きたかったアイドルショップです!」

穂乃果「ほぇ~、なんかすっごーい! アイドルのグッズがいっぱいあるね!」

海未「そうですね……これはA-RISEのグッズですか、やはり人気なのですね」

絵里「へぇ~、結構アイドルグループっていっぱいあるのね――ん? これは……」

希「どうしたんえりち? なんかいいものでも見つけた?」

絵里「ねぇねぇこのグッズの子、すっごい南さんに似てない? なかなかハラショーな子だわ」

希「……ていうか、それ」

穂乃果「ことりちゃん本人だよ! すごい、グッズになってる!」

絵里「うっそぉぉぉぉ!? これいくらなのぉぉぉ!?」

海未「買うつもりなんですか……」


103 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 22:40:21.59 ID:Dm8H/GCJ.net
花陽「す、すごいです……μ'sがグッズになってます!」

凛「ほんとだにゃ! 石鹸もあるにゃ!」

にこ「なんで石鹸があるのよ……あっちゃダメでしょ」

真姫「私のグッズとかもある……ま、まぁ当然よね」

凛「真姫ちゃん嬉しそうだにゃ」

真姫「ソ、ソンナコトナイワヨ!」

穂乃果「へぇ~、すごい! なんか応援されてて嬉しいね!」

海未「な、なんだか恥ずかしいですけど……そうですね、嬉しいです」

?「あ、あの~、あの写真はここにあるって聞いたんですけど~返してもらえませんか?」

穂乃果「うん? この声、どっかで聞いたことがあるような……」

?「お願いですから、あれだけは返してくださいっ!」

絵里「この声……もしかして……!」

穂乃果「……ことりちゃん!?」

ことり「ぴぃ! チ、チガイマース、ヒトチガイジャナイデスーカ?」

穂乃果「あ、あれ、似てるけど、違う……?」

凛「しかも外国人っぽいにゃ! こんな時は英語ペラペラそうな先輩の出番にゃ!」

絵里「ええっ! わ、私英語とか……こほん、アイアムハラショ、アンダスタン?」

ことり「…………」

絵里「…………」

ことり「……サラバッ!」

穂乃果「あ、逃げた! 待て待てー!」

絵里「あら、それっぽく喋ったけどダメだったかしら」

海未「全然ダメでしたよ先輩……ことり、今のうちに逃げてください」

絵里「ん? あなた、何か知ってるの?」

海未「いえ、別に何でも! 本当に人違いでは?」

希「ううん、やっぱり本人みたいやで、ほら」

ことり「あはは、捕まっちゃった……」

7人「「「「「「「すごっ!」」」」」」」


104 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 23:13:45.61 ID:Dm8H/GCJ.net
穂乃果「えええー!? ことりちゃんが伝説のメイド、ミナリンスキーだったの!?」

ことり「……そうです、隠しててごめんなさい」

希「びっくりやな、でも海未ちゃんは知ってたっぽかったで?」

海未「え、ええまぁ……実はこっそり教えてもらってたので……」

穂乃果「ずるいよ! 教えてくれればいっぱいお店に通ってごちそうされてたのに!」

真姫「ごちそうされるのね……」

絵里「ミリンスキー……なんかロシアっぽい響きね。それにしてもそのメイド服……」

ことり「……? どうかしました?」

絵里「い、いえ、なかなかかわいい服だなーと思って」

ことり「! 分かりますか? この服ほんっとうにかわいいんですよ! 私的にはこのフリフリな感じのスカートが良くて~……」

絵里(本当はことりちゃんにすごい似合っててかわいいんだけどね! 言えないけどね! 心の中でエンドレスハラショーよ!)

ことり「でねでね! 実はみんなの分も密かに作ってあって……」

にこ「仕事はやっ! さ、さすがと言わざるを得ないわね……」

ことり「もしよかったらみんなでこれ着て歌ったりとかできないかなぁって……きっとみんなも似合うと思うんだー」

希「へー、面白そうやん。新曲で使ってみたら?」

真姫「この衣装にあった曲かぁ……作れないこともなさそうだけど……歌詞は大丈夫なの?」

希「そこはほら、ことりちゃんが作ってみればええやん、歌詞」

ことり「ええっ!? わ、私が~!?」


105 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/05(火) 23:58:41.56 ID:Dm8H/GCJ.net
絵里「ということでことりちゃんが作詞を担当することになったんだけど、なかなかうまく行ってない様子。ここは先輩である私がサポートして、一気に好感度アップよ! というわけでことりちゃんはーと……」

ことり「ううーん、なかなか歌詞が思いつかないよう……」

絵里「あ、いたいた――あら、先着がいたのかしら? あれは……園田さん?」

海未「ことり、調子はどうですか?」

ことり「あ、海未ちゃん! 調子はね……ぼちぼちです」

海未「……の割にはノートが白いみたいですけど」

ことり「ええーん! だって作詞なんて初めてで、どうすればいいか分かんないよ……やっぱり海未ちゃんがやるべきじゃ……」

海未「まぁそう言わないでください、皆ことりの書く歌詞が楽しみなんですから」

ことり「でも……」

海未「ふむ、では少しアドバイスを……あまり難しく考えず、思いついた言葉を繋げていくのはどうですか?」

海未「あとはそうですね……何かに対する想い、誰かに対する想いなんかを言葉にしてみるのも、なかなかいいことかと思います」

ことり「フムフム、為になります。やはり本物が言うことは違いますなぁ」

海未「そんな偉そうなこと言いましたか、私?」

ことり「ううん、そんなことないよ。すごく助かってる。なんかいい歌詞が書けそうかも!」

海未「お、それはよかったです。ちなみにどんな感じの歌詞になりそうですか?」

ことり「えっとねー、私のだーいすきな海未ちゃんへの想いを……」

海未「ちょちょちょ! そ、それはやめてください! 恥ずかしいです!」

ことり「えへへ、うそだよ~」

海未「もう、ことりは……からかわないでください!」

ことり「ふふっ、でもいい感じの歌詞が書けそうだよ、ありがとう海未ちゃん!」

海未「……そうですか、なら良かったです。いつでも助けになりますからね、ことり」

ことり「うんっ!」


絵里「……なんか入るタイミングないんだけど。どうしよ」

穂乃果「あれ? 絵里先輩何やってるんですか?」

絵里「えっ! あ、あの、ちょっと中の様子が気になって……」

穂乃果「絵里先輩もですか? 私も気になって見に来たんですよ。おーい、ことりちゃーん、調子はどう?」

絵里「あ、ちょ今は――」

アッ、ホノカチャーン、キテクレタノ? ウンッ、オウエンシニキタヨ! ファイトダヨッ ナニソレー、フフッ

絵里「……私もこんな風に堂々と入っていける勇気が欲しいわ」

絵里「でも、何とか完成しそうね。楽しみだわ……」


106 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/06(水) 00:32:05.33 ID:DzltKuOw.net
希「いやぁ、まさかみんなでメイド服を着ることになるとはなぁ」

穂乃果「どうかなぁ、似合う? お帰りなさいませっ、ご主人様っ!」

ことり「穂乃果ちゃんかわいい~! でもなんかかっこいい~! みんなもよく似合ってるよ!」

花陽「真姫ちゃん似合ってるね! かわいいなぁ」

真姫「と、とーぜんでしょ! で、でも花陽も結構、似合ってるわよ……」

絵里「は、初めて来たわメイド服なんて……似合ってるのかしら?」

ことり「絢瀬先輩すっごく似合ってる! 惚れ惚れしちゃ~う」

絵里「ほ、ホント!? じゃあこの先ずっとメイド服でいようかしら?」

希「いやさすがにそれはないから」

海未「あ、あの、ことり……わ、私のはどうですか?」

ことり「うんっ、海未ちゃんもすっごくかわいいよ!」

海未「そ、そうですか、よかったです……」

凛「あー、ことり先輩に褒められてデレデレしてるにゃ。鼻の下が伸びてるにゃ」

海未「ななっ! 何を言うのですか! そんなことはありません! 伸びてません!」

にこ「ったく、バカやってないで早くライブに行くわよ。今日はあのA-RISEの御膝元でやるんだから、気合入れなさいよね!」

穂乃果「よーし! それじゃあ今日も張り切っていこー! おーっ!」


ワンダーゾーン キーミーニー ヨバレタヨー ハシッテーキータヨー♪


絵里(……ことりちゃんの書いた歌詞、良い感じになってよかったわね)

絵里(しかし……隣でこの子の声聞いてるとヤバいわ、もう脳みそがトロットロだわ……)

絵里(でもこれが……クセになる!)

希(えりち……変なこと考えてる顔になってるで……)


114 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/06(水) 22:52:51.97 ID:DzltKuOw.net
穂乃果「いやぁ~、アキバのライブも無事に成功したね!」

希「せやね、大分評判よかったみたいやね。ことりちゃんの書いた歌詞が良かったんやろか?」

ことり「そ、そんなこと……やっぱり真姫ちゃんの作った曲が良かったんだよ」

真姫「と、とーぜんでしょ! でもことりの歌詞もすごく良かったわよ」

ことり「ありがとう、真姫ちゃん・・・・・嬉しいっ!」

真姫「っ……! そ、それより、ラブライブしゅちゅ……出場までもう一息ってところまで来たわね」

海未「そうですね……この調子で出場できればいいのですが、ここで最後の追い込みと行きたいところです」

凛「それなら合宿とかどうかにゃ? みんなで練習に集中できるにゃ」

穂乃果「おお~、いいね合宿! 行こう行こう!」

絵里「合宿? ってことはつまり、お泊り?」

穂乃果「んー、そうだね、どこか練習に集中できそうなところに泊まって、そこでやる感じになるのかな?」

絵里「なるほど、お泊りね……ということはつまり……!」

絵里(お泊り、すなわち、ことりちゃんと一緒に寝泊まりできるってことね!)

絵里「いいわね! 合宿! ハラショーだわ! 毎日合宿でもいいくらいよ!」

海未「さ、さすがにそれはどうかと思います……」

花陽「ところで、どこか泊まれそうな場所はあるんですか?」

希「そやねぇ、ウチは心当たりないなぁ……」

にこ「はいはーい! にこは、真姫の別荘でやればいいなって思うにこ!」

穂乃果「ええっ!? 真姫ちゃん別荘持ってるの!?」

真姫「ちょ……た、確かに持ってるけど……というかなんで言っちゃうのよにこちゃん!」

にこ「いいじゃんいいじゃん、減るものじゃないしー」

凛「というかにこ先輩、真姫ちゃんが別荘持ってるってなんで知ってたにゃ? 凛もかよちんも知らなかったのに……」

にこ「ぎくぅ! そ、それはほら、お金持ちと言えば別荘の1つや2つ持ってそうじゃない、だから言ってみただけよ」

穂乃果「へぇ~真姫ちゃんすごい! ねぇ、使ってもいい? いい?」

真姫「……パパに聞いてみるわ」

穂乃果「やったぁ! ありがとー真姫ちゃん!」


115 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/06(水) 23:28:54.59 ID:DzltKuOw.net
絵里「へぇ~、真姫は別荘持ってるのかぁ……って、そうえいば、いつの間ににこと真姫って仲良くなってたのかしら」

真姫「べ、別に仲良いわけじゃないわよ!」

絵里「えーでも名前で呼び合う仲なんていいなぁ……私もいつか……あ、そうだ!」

絵里「せっかく初めての合宿だし、提案してみてもいいかもね。そしたら私もようやく……ふっふっふ……」

希「おーいえりち、またいけない感じの顔つきになってるで……」



合宿当日

穂乃果「……先輩、禁止?」

絵里「そ、私たちは確かに高校生だけど、グループでもあるの。その中でなんか上下関係を気にするのって変だなと思ったの」

海未「言われてみればそうかもしれませんね……」

凛「えーっと、つまり……う、海未ちゃん! ……でいいんだよね?」

海未「え、あ、はい……な、なんか照れくさいですね。では私も……凛」

凛「はいにゃ! えへへ、ちょっと嬉しいにゃ」

穂乃果「なるほど~じゃあ私も……にこちゃん!」

にこ「あによ」

穂乃果「……なんか思いのほかしっくり来るね、にこちゃん」

花陽「にこちゃん」

凛「にこちゃん」

真姫「にこちゃん」

にこ「繰り返さなくていいわよ!」

絵里「よーし、それじゃあ私も……こ、こここ、ことり……」

ことり「ん? なぁに絵里ちゃん?」

絵里「はぅっ……や、やった、下の名前で呼んでくれた……ハラショー!」

希「あはは、なんかまだぎこちないけど立派な進歩やな、えりち」

絵里「あ、ことりちゃんにも”えりち”って呼んでもらおうかな……」

希「それはダメ! ”えりち”はウチ専用なんやから!」

絵里「えーケチンボ……」

希「もう……これだからえりちはぁ……」


116 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/06(水) 23:57:24.90 ID:DzltKuOw.net
穂乃果「う~ん! 潮風が気持ちいい! まさか海の近くの別荘だったなんて、これはもう思いっきり海水浴しなきゃ勿体ないよね!」

海未「ああ、せっかく私の考えた合宿プランが……」

希「まぁええやん、せっかくの海やし。それに新しいPV用のムービーも撮れそうやしなぁ」

海未「みんな水着だからって、変なものを撮らないで下さいよ、希せんぱ……希」

希「うん、よしよし、先輩禁止やからね、海未ちゃん♪」


絵里「いやぁ……眼福ね。みんなの水着姿が見られるなんて……」

絵里「でも私のターゲットはただ1人……それはもちろん――!」

ことり「んー! 冷たくて気持ちいい~!」

花陽「そ、そうだね……こ、ことりちゃん!」

ことり「うんっ! 楽しいね、花陽ちゃん!」

花陽「う、うんっ!」

絵里「――いやもう最高ね、ハラショー以上のハラショーね。水着姿もかわいいわぁ……」

ことり「あ、海未ちゃんだ。お水かけちゃえ、えーいえーい」

海未「ちょ、ちょっとことり、何をするのですか」

ことり「えいやっ、せいやっ」

海未「こ、ことり、ちょっと本当に……かけすぎ……ぶはっ」

ことり「おりゃっ、そりゃっ」

海未「ぶふっ……よ、よくもやりましたねことり……」

ことり「わー、海未ちゃんが怒った~逃げろ~」

海未「ま、待ちなさいことり! たっぷり仕返ししますからね!」

ことり「えへへ、仕返ししたかったら捕まえてごら~ん」

マツノデスコトリー ウフフアハハ

絵里「……え、なにこれは。何このイチャイチャぶりは」

絵里「……前々から思ってたけど、2人ってもしかしてそういう関係なのかしら? エリチカ気になっちゃう!」

絵里「2人のことをよく知ってそうな穂乃果なら何か知ってるかしら……?」


117 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/07(木) 01:03:59.93 ID:/dSzI5mL.net
絵里「ねぇねぇ穂乃果、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

穂乃果「ん? なぁに絵里ちゃん?」

絵里「その……あの2人って、もしかして”アレ”なの?」

穂乃果「アレ? アレって何……?」

絵里「いや、何というかその……単刀直入に付き合っているのかしら、あの2人は?」

穂乃果「突き合う? フェンシングか何か?」

絵里「いや、そうじゃなくて……」

穂乃果「うーん、私にはよく分かんないかなぁ……」

絵里「あ、そ、そうなの……」



絵里「うーん、有力な情報は得られなかったわね。しかしあのイチャつきぶり……他の人はどう見ているのかしら。例えば……真姫とか!」

真姫「ヴぇええ! 何よいきなり、びっくりしたじゃない!」

絵里「ごめんごめん。で、真姫はあの2人のことどう思う? 付き合ってると思う?」

真姫「あの2人って……ああ、ことりと海未のこと? 確かにすごく仲が良いけど……」

絵里「ちょっと良すぎ、って思わない?」

真姫「ま、まぁたまに……もしかして、μ'sって恋愛禁止なの?」

絵里「んー、アイドルだからそうかもしれないけど……バレなきゃいいんじゃない? バレなきゃ?」

真姫「い、意外と適当なのね、絵里先輩……」

絵里「あ、先輩禁止って言ったてしょ。絵里って呼びなさいよ、絵里って。賢い名前でしょ?」

真姫「え、でもなんかやっぱり、まだ慣れなくて……」

絵里「その割にはにこのことは”ちゃん”付けで呼べるのね」

真姫「あっ、あっ、あれはっ……な、なんか先輩に思えないから! それだけ!」

絵里「なんか失礼じゃないかしら、それ……まぁ、私のことは好きなように呼んでくれて構わないわ。あなたの呼びやすいように呼んでくれればいいし」

真姫「そう、じゃあ……エリーとか、どうかしら?」

絵里「うーん……なんか古臭い響きね。真姫って意外とセンスが古いの?」

真姫「古くないわよ! 新ピカよ! ハイテクよ!」

絵里(やっぱ古い気がする……)


126 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/07(木) 16:31:20.53 ID:/dSzI5mL.net
~夕刻~


絵里「ん~いいにお~い、今日の夕食は何を作っているのかしら?」

ことり「今日のご飯は合宿の定番、カレーだよ!」

絵里「あら、カレーは好きよ。特にゴーゴーカレーが好きよ」

にこ「ああ、アキバにもあるわね……ま、それとは違うけどばっちりおいしいから期待してなさい」

絵里「あら、にこも料理できるの? 意外じゃない」

にこ「失礼ね! 料理くらいできるわよ!」

ことり「にこちゃん包丁の使い方とかすっごく上手なんだよ?」

にこ「当然でしょ。まぁことりも結構筋がいいというか、将来良いお嫁さんにはなれそうね」

ことり「えへへ、なんか恥ずかしいよぅ……」

絵里「い、良いお嫁さん……」

ことり(お帰りなさい、あ・な・た♪ 今日はスープを煮込んで待ってたの。早く一緒に食べましょっ! あ、それとも――こっちが先、かな?)

絵里「ぶはぁっっ!」

にこ「ちょ! なんで鼻血出てるのよ! ことり、ティッシュティッシュ!」

ことり「絵里ちゃ~ん、しっかりして~!」


127 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/07(木) 16:32:46.24 ID:/dSzI5mL.net
絵里「――んー! 今日もカレーがハラショー!」
希「さっきまでダウンしてたのに元気やなぁえりちは」

ことり「絵里ちゃん、本当に大丈夫?」

絵里「大丈夫大丈夫、カレー食べたら余計に元気になっちゃったわよ」

にこ「そんなにカレー好きだったのね、あんた……」

絵里(ふふっ、ことりちゃんが作ってくれた料理を食べたら元気になるに決まってるじゃない)

凛「やっぱりみんなで食べるご飯はおいしいにゃー!」

花陽「そうだね凛ちゃん! おかわり!」

真姫「花陽、それで3回目……」

にこ「そんな慌てて食べなくても大丈夫だから、ゆっくり食べなさいよ」

穂乃果「けど凛ちゃんの言うとおり、みんなで食べるご飯は最高だよね~! 楽しい!」

海未「ええ、こういうのもいいですね。……ところでことり、いつものカレーと少し違う気がするのですが……」

ことり「そうなの、にこちゃんと一緒に作ってたからちょっと味付けを工夫して……」

海未「そうだったのですか。にこも料理が上手なのですね」

にこ「当然でしょ!」

凛「というか海未ちゃん、”いつもの”ってどういうことにゃ?」

海未「あっ……そ、それはほら、ことりがよくカレーを作ってくれますので、味を覚えていて……ねぇ穂乃果?」

穂乃果「えっ、そうだっけ? 私そんなに食べたことないような……」

ことり「ほ、穂乃果ちゃんにはカレー以外もいろいろ作ってあげてるからねー」

海未「そ、そうですよ、それであんまり食べた感じがしないだけですよ」

穂乃果「そうだったかなぁ、まぁおいしいからいいや!」

絵里「……」


128 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/07(木) 18:10:30.93 ID:/dSzI5mL.net
希「ほなら電気消すでー」

8人「「「「「「「「はーい」」」」」」」」

パチン

海未「すぅ……すぅ……」

凛「はやっ! 海未ちゃんもう寝てるにゃ……」

ことり「海未ちゃん、寝付くのすっごい早いから……あと絶対に起こしちゃダメだよ? 大変なことになるから」

海未「すぅ、すぅ……ことりぃ……」

凛「あ、ことりちゃんの名前が出てきたにゃ」

ことり「もうっ、どんな夢見てるの海未ちゃん!」バシーン!

海未「……すやすや」

凛「叩かれても起きないにゃ……」

絵里「ねぇ希、起きてる?」

希「んー、なんやえりち」

絵里「なんか思いつきで先輩禁止にしたけど、これでよかったのかしら」

希「ウチはええと思うよ、もっとみんなと仲良くなれたと思うし」

絵里「そっか……私もちょっとは仲良くなれたかな……」

希「……うん、きっとなれとるよ」

絵里「そうよね……じゃあ夜這いしても大丈夫よね」

希「えりち、はよ寝なさい」


絵里「――希、起きてる?」

希「んー、なんよもう。また変なこと思いついたんじゃ――」

絵里「……おトイレ」

希「へ?」

絵里「だから……おトイレついてきて! 暗くて怖いのよ……ぐすん」

希「はぁ……はいはい、えりちは暗いの苦手やからな」

絵里「あ、あとついでに夜這いも……」

希「おやすみえりち」

絵里「ああ~んのじょみぃ!」


こうして合宿は終わり、μ'sの絆はまた深まったそうな……


134 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/07(木) 23:32:52.04 ID:/dSzI5mL.net
穂乃果「ついに! ついに……ラブライブ! 出場のランク圏内に入ったね!」

希「この間の学園祭のライブも成功したし、まさに絶好調やね!」

真姫「あとは大会に向けて今の調子を維持するだけね」

凛「張り切っていくにゃー!」

ワイワイガヤガヤ

海未「ことり……もう、言わなくては……」

ことり「でも、大会の直前なのに……」

海未「ここを逃したら言うチャンスはないと思います……でしたら私が――」

絵里「ん? どうしたのかしら、2人で話し込んで――」

海未「みなさんに、とても大事な話があります。……ことりの今後のについてです」

穂乃果「? ことりちゃんがどうかしたの?」

海未「ええ、実はことりは……留学することが決まっているのです」

シーン……

一同「「「「「「「ええーーー!?」」」」」」」

花陽「りゅ、留学しちゃうのぉぉぉぉ!?」

穂乃果「うそうそうそ!? そんなの聞いてないよ! いつ? いつ留学するの?」

ことり「……あと1か月後くらい」

穂乃果「1か月……ラブライブ直前じゃん! じゃあ出られないの!?」

ことり「ごめん……本当にごめん……」

海未「でもっ! これはことりが自分の将来のため、選んだことなのです。だから、ことりを責めないでください……」

穂乃果「……そっか、ことりちゃんも自分の夢のために、頑張ろうとしてるんだね。分かった、応援するよ、ことりちゃん!」

にこ「ことりが出られないのは残念だけど……あんたの分も頑張って、必ず優勝してみせるわ。だから安心して、行きなさい」

ことり「穂乃果ちゃん……みんな……!」

希「ま、まさかことりちゃんが留学だなんてびっくりや……なぁ、えりち」

絵里「ことり、が……りゅ、りゅうが、がが、ががく……ぷしゅー」

希「ああー!? えりちが倒れたぁ!」


135 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/07(木) 23:41:37.43 ID:/dSzI5mL.net
保健室

絵里「うーんうーん……」

希「大分うなされてるみたいやね……」

絵里「うーん……ことりのカレー、ハラショー……」

希「大分おいしかったみたいやね……」

絵里「うーん――はっ! わ、私いったいどうして……」

希「目が覚めたか、えりち!」

絵里「の、希……私、どうしてここに?」

希「覚えてないん? えりち急に倒れたんよ、ことりちゃんが留学するってのを聞いて……」

絵里「! そうよ、ことり! ことりの留学って本当なの!?」

希「お、落ち着いてえりち! それよりももっと大変なことが起こったんや!」

絵里「ことりの留学より大変なことがあるもんですか! ねぇことり、ことりはどうしたの?」

希「ラブライブに出られなくなったんよ!」

絵里「……え? どういうこと?」

希「だから……もうウチら、ラブライブには出られへんのよ……」

絵里「……うそ、でしょ?」


136 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/08(金) 00:08:46.81 ID:7Zqq7sT9.net
絵里「――ふむ、つまり私が倒れたのが過度な活動のせいだと判断されて、それで学校から出場を取りやめさせられたのね」

希「いくら学校のためとはいえ、生徒が体を壊すようなことは望んでないってことやね……まぁ、確かにここ最近忙しいことばっかりだったし、えりちも疲れとったんよ」

絵里「まぁ、そうなるわよね……」

絵里(多分疲れのせいというかことりが留学すると聞いてショックだったから倒れたんだけど……)

絵里「ところで他のみんなは?」

希「とりあえずみんな帰ったよ。今日はいろいろあって大変だったろうし……」

絵里「そう……みんなには、悪いことしちゃったわね……」

希「そんな、えりちが謝ることなんて……えりちのことずっと見てたのに気付けんかったウチも悪い……」

絵里「ふふ、いつも希には手間かけさせてばっかりだものね」

希「まったくやで、ホントに……」

絵里「でも、これからどうすればいいのかしら……」

希「とりあえずにこっちがライブでもやろーとか言うてたで。ことりちゃんの門出を祝うんやて」

絵里「ことりの門出、ね……そうね、お祝い、しないよね」

希「うん、ことりちゃんも自分の夢のために頑張ろうとしてるんや。笑顔で送り出したろ」

絵里「ええ、そうね。でも……」

希「でも、どうしたん?」

絵里「……ううん、何でもないわ。私たちも帰りましょ」

希「うん、そうやね」

絵里「……」

絵里(でも……ことりは本当に、留学しようと決めたのかしら……?)


145 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/08(金) 18:21:10.56 ID:7Zqq7sT9.net
それからまた数日が経って……


穂乃果「じゃじゃーん! なんと! 廃校が先送りになりましたー!」

凛「これって、みんなが音ノ木坂に興味を持ってくれたってことかにゃ?」

花陽「よかった~、これで来年からは後輩ができるね、真姫ちゃん!」

真姫「わ、私は別にどっちでもよかったけど……まぁ、良かったんじゃない」

希「廃校を阻止するのもウチらの目標だったし、1つ大きな目標を達成できたね」

にこ「そうね……次のライブはそれをお祝いするためのライブにもなりそうだわ。気合入れなさいよ!」

絵里「ふふっ、そうね。気合入れていかないとね」

ワーワーガヤガヤ

絵里(おばあ様……おばあ様の母校、守ることができましたよ。μ'sみんなの力のおかげで……)

絵里(……でも、今この場にその”みんな”が揃っていないのが、少し寂しい……)

絵里「あれ……ことりは留学の準備があるからって言って帰ったけど、海未もいないのね。どうしたのかしら」

穂乃果「海未ちゃんも、今日は帰るってさ……なんか元気なかったな、海未ちゃん」

希「海未ちゃんもことりちゃんが留学するんでショックなんやろなぁ……」

にこ「ちょっと、ライブには出るんでしょうね?」

穂乃果「うん、それについては大丈夫みたいだけど……」

絵里(海未……あなた、もしかしてことりのこと……)

絵里「ごめん、私もちょっと急用思い出しちゃった。お先に失礼するわね」

希「……えりち?」

にこ「あ、ちょ絵里まで! もう、本当に大丈夫なのかしら……」


絵里「……」ピンポーン

絵里「……」ピンポーン

絵里「…………」

絵里「……」ピンポンピンポンピンポーン

海未「そんなに鳴らさないでください! 出ます、出ますから!」

絵里「やーっと出てきてくれた。このまま朝まで押し続けるところだったわよ」

海未「それはさすがにやめてください……それで、何のご用でしょうか、絵里」

絵里「ええ……ことりのことについて、ちょっとね」

海未「ことりのこと、ですか……?」


146 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/08(金) 18:55:53.47 ID:7Zqq7sT9.net
絵里「あら、なかなかかわいいものが置いてあるのね。誰かからのプレゼントとかかしら?」

海未「……今、お茶を淹れてきますから、少し待っててください」

絵里「お構いなく~」

絵里「……」キョロキョロ

海未「お待たせしましたー……って何ベッドの下を漁っているのですか!」

絵里「えー、だって定番じゃない? ベッドの下に如何わしいのがあるのって」

海未「ありません! あるわけないでしょう!」

絵里「でも……こういう写真はあるのね」

海未「わわーっ! いつの間にそれをー!」

絵里「机の上に大事に飾ったあるんだもん、すぐ見つけたわよ……」

海未「……」カァーッ

絵里「海未……あなた、今日は何故部活に来なかったの?」

海未「そ、それは……すいません、明日は絶対に行きますから」

絵里「やっぱり……ことりのこと、行かせたくないの?」

海未「そ、そんなわけ……私は、ことりの夢を応援したいのです。だから私は――」

絵里「――嘘ね。あの時留学のことを話していた海未、とっても辛そうな表情だった。海未ってすぐ顔に出るから、分かっちゃうのよね」

海未「……でも、もうどうしようありません。ことりは行くと決めたんです。だから、私はただ見送ることしかできません……」

絵里「……海未、あなた自分の気持ち、ちゃんとことりに伝えたの?」

海未「言えるわけありませんっ! 本当は……本当は行ってほしくないです、離れたくないです。でも……言えるわけ、ないじゃないですか!」

バシーン!

海未「……絵里?」

絵里「だったらそれをちゃんと伝えなさいよ! それも言わずに諦めるなんて……この臆病者!」バシーン!

海未「いっ……に、2度もぶつんなんて……!」

絵里「うるさーい!」バシーンバシーン

海未「え、ちょ……本当に痛……ちょ、ま、待って――」


147 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/08(金) 19:28:02.72 ID:7Zqq7sT9.net
絵里「どう? 少しは目が覚めた?」

海未「ええ、おかげさまで……大分頬が痛いですけど」

海未「でも……本当に引き留めていいのでしょうか。まだ不安です……」

絵里「……私が思うにだけど、ことりもどこかで引き留めてほしいって思ってたんじゃないかしら?」

海未「え……?」

絵里「だって自分からずっと言い出せなかったんでしょ? きっと海未に引き留めてもらうのを待ってたのよ。女の子ってそういうものなのよ」

海未「そ、そうなのですか?」

絵里「そうそう、ま、信じるかどうかはお任せするけど、あくまで参考意見として、ね。後はどうするか、あなたが決めることね」

海未「……よく、考えさせてください」

絵里「ええ、よーく考えなさい、海未……」



絵里「……こんなんでよかったのかなー。でも、きっとこうした方がよかったわよね……」

絵里「まさか誰かの背中を押すことになるなんて……前の私じゃ考えられなかったかも」

絵里「……そうえいば、前は私がうじうじしてたのを、希がフォローしてくれてたっけ……私、少し成長したってことかしら?」

絵里「……よく考えるのよ、海未」


148 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/08(金) 20:52:18.36 ID:7Zqq7sT9.net
ライブ当日

絵里「……ちょっと早く来すぎちゃったかな? さすがに誰もいないわよね……」

海未「絵里……早いですね」

絵里「あら、海未いたの。それで、どうするかは決まった?」

海未「はい……やはり私には、ことりがいないとダメみたいです。ですから……行ってきます。例えダメでも、やらないで後悔するよりはいいかなって」

絵里「そう……なら急がないと。こっから空港までどれくらい?」

海未「結構遠いですけど……大丈夫です。今から行けば間に合います」

絵里「なら早く行きなさい。ことりが、きっと待ってるわ」

海未「はい! 必ず、ライブまでに戻りますので!」

絵里「ええ、待ってるわよ」


希「……えりち、よかったん?」

絵里「希、聞いてたの……? ええ、いいのよこれで」

希「でも、えりちだって引き留めに行きたいはず……」

絵里「そうね……でも、本当に引き留められるのは、きっと海未だけよ。……それに私は、”好き”っていうかなんというか……一緒にいられるだけでいいの」

希「えりち……」ギュッ

絵里「ちょ、ちょっと希……」

希「えりちには……ウチがおるから……えりちは大丈夫やで」

絵里「希……ぐすっ、ちょっとだけ、こうさせてもらっていい?」ダキッ

希「うん、ええで……」

絵里「……ぐず、のぞみぃ……」

希「えりち……」

絵里「……のぞみぃ……」モミモミ

希「……えりち」ビキビキ

海未「も、戻りましたぁ!」

絵里・希「「はやぁっ!」」

絵里「ちょ、ちょっと早すぎじゃない? だって空港まで行ってたんじゃ……」

海未「いえ、それが……実は校門でうろうろしているのを見つけまして……」

ことり「ぐすっ、やっぱり海未ちゃんと離れるの嫌だよ……ずっと一緒がいいよぉ……ぐす」

海未「……泣いていたので連れ戻しました」

絵里・希「「えー……」」


149 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/08(金) 20:59:57.88 ID:7Zqq7sT9.net
穂乃果「あ、きたきた! おかえり、ことりちゃん!」

ことり「みんな、待たせちゃってごめん!」

海未「すいません、ことりがお騒がせしてしまって」

凛「なんで海未ちゃんが謝るにゃ?」

花陽「よかったぁ……でも戻ってきてよかったの?」

ことり「うん、いいの。私は夢より……愛を選びました♪」

海未「こ、ことり……」

凛「何で海未ちゃんが赤くなってるにゃ?」

真姫「よく分からないけどこれで9人揃ったわね」

にこ「ちょっとふざけてないで! もうすぐ本番なんだから、気合入れ直すわよ!」

「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」

希「ふふっ、これでまた、いつものμ'sやね」

絵里「ええ、そうね。やっぱりμ'sは、この9人でないとね」

にこ「ほらそこの2人も、円陣組むわよー」


穂乃果「よーっし、それじゃあ今日のライブも、気合入れていくよー! 1!」

ことり「2!」

海未「3!」

真姫「4!」

凛「5!」

花陽「6!」

にこ「7!」

希「8!」

絵里「9!」

「「「「「「「「「μ's、ミュージックスタート!」」」」」」」」」



おしまい


150 : 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/04/08(金) 21:01:26.52 ID:7Zqq7sT9.net
ちょっと長かったお話もここでおしまいです。2期の予定はありません。
本当は結成あたりで終わろうかなと思ったのですけど、なんか思いついたので続けてしまいました。
最後まで見てくれた方、ありがとう。


153 : 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2016/04/08(金) 21:44:08.30 ID:fj4qQlGr.net
乙です!おもしろかった


元スレ:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1459686456/


このエントリーをはてなブックマークに追加

 「ラブライブ!」カテゴリの記事


Powered By 画RSS

コメントする



全ランキングを表示

Template Designed by DW99

アクセスランキング ブログパーツ ブログパーツ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。