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美優「楓さんに弱みを握られました……」
- 1 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:00:54.45 ID:oaf0gih40
- 美優(今日は、レッスンの予定だったけど、トレーナーさんの都合で延期……)
美優(そのまま帰るのも勿体無いし、事務所に誰かいないかしら)
ココヲ…アアソコハ……
美優(ルームから声がする……。アーニャちゃんと美波ちゃんね)
美優(本当の姉妹みたいに仲が良くて微笑ましいわね)フフッ
アーニャ『ミナミ。ここ、どうですか? イケそうですか?』
ミナミ『ア、アーニャちゃん!? そんな乱暴にしたら!』
美優「……ん?」
- 2 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:02:23.33 ID:oaf0gih40
- アーニャ『ここもイケそうですね』
美波『だめぇ! 壊れちゃうよ!』イロッポイコエ
アーニャ『ミナミ、そんなに怖がらなくても、いいですよ』
美波『で、でも……』
アーニャ『やさしくすれば大丈夫、です』
美優(……あの二人って、そういう関係)
美優(いやいや! 確かにちょっと距離近いなとか、見ててドキッとする時あるけど!)
美優(そ、それにまだ確認したわけではないし!)
美優(……でも本当にそういうことしていたらどうしよう?) - 3 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:04:00.50 ID:oaf0gih40
- 美優(……ないない! 例えそういう関係でも美波ちゃんはTPOを弁えてますし!)
美優(事務所でそんなこと……してないですよね?)
美優(……ここで確認しないとずっと悶々したまま)
美優(けど、そういうことをしていたら、私はどうすれば……)
美優(いっそ、何も聞かなかったことにして帰ってしまうほうが……)
楓「美優さん?」カタポン
美優「ひゃっあだっ!」ドアゲキトツ
アーニャ『ッ!?』
美波『きゃっ!?』
ガシャア - 4 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:06:16.79 ID:oaf0gih40
- 楓「美優さん? なんでそんなに驚いて……」
美優「か、楓さん? い、今は中に入るのは――」
ガチャ
美波「美優さん……? どうしたんですか?」
アーニャ「ミユ、鼻赤くなってます」
美優「あ、あの、ええと……ふ、二人は何をしていて……」
美優(ってああああなんでそのまま言っちゃったんですか私!?)
美優(これで答えづらそうにされたら気まずすぎる……!)
アーニャ「……? ジェンガ、してましたよ?」
美優「……ジェンガ」 - 5 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:07:47.13 ID:oaf0gih40
- 美波「はい、レッスンまでまだ時間があったので」
アーニャ「ドキドキして楽しい、ですね」
美優「……美波ちゃん、どうして艶っぽい声を」
美波「ええ!? 私そんな声出してました!?」
楓「美波ちゃんはナチュラルセクシーですからね。座ってるだけでも雰囲気があるもの」
アーニャ「ダー。ミナミ、セクスィです」
美波「は、恥ずかしい……」
美優(大丈夫美波ちゃん……私のほうがもっと恥ずかしいこと考えていたから……) - 6 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:08:53.84 ID:oaf0gih40
- 楓「……美優さんは、どうしてしばらくドアの前に立っていたんですか?」
美優「そ、それは……何か忘れ物があった気がして、それを思い出そうと必死で……」
美優「つい、それに集中して立ち止まってしまって……」
楓「ふーん……」
美優(ううっ……じっと見つめないでください……)
楓「確かに、よくありますね」
美優「で、ですよね」ホッ
楓「美波ちゃん、まだ時間あるなら私たちもジェンガに混ぜてくれませんか?」
美波「もちろん、構いませんよ」
美優「……あれ、私たちって私もですか?」
楓「もちろんです。嫌ですか?」
美優「いえ、そんなことはありません。私で良ければ」 - 7 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:10:33.59 ID:oaf0gih40
- 美波「じゃあ、組み直しますね」カチャカチャ
アーニャ「人が多いほうが面白い、ですからね」
楓「では、美優さんからどうぞ」
美優「は、はい」
美優(そっーと、優しく……)
楓「あぁ……駄目です美優さん……そんな強引に……」イロッポイコエ
美優「!!!」ガチャ - 9 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:12:41.93 ID:oaf0gih40
- アーニャ「カエデ、どうしました?」
楓「美波ちゃんの真似です。深い意味はありません」
美波「私、そんな声だしてたのかなぁ……」
楓「ところで、美優さん。今夜一杯行きませんか?」ニコッ
美優(……! 気がついている! この人は、私が部屋に入らずにいた本当の理由に気がついている!)
美優(これは、Yesと言わないと、川島さんたちと飲んだ時にめちゃくちゃイジられるやつ……!)
美優「の、飲み過ぎないでくださいね……」
楓「ええ、限界を超えないように、厳戒態勢で臨みます」ニコッ
美優「……誰にも言わないでください」コゴエ
楓「はいっ」コゴエ
美優(……楓さんに弱みを握られてしまいました)
- 10 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:14:08.51 ID:oaf0gih40
- ~後日、衣装室~
美優「楓さんったら、飲み過ぎないで言ったのに、結局私の部屋に泊まっていくんですから……」
美優「……」スマホトリダシ
美優(……本当に幸せそうに寝ていますね。そんなに楽しかったんでしょうか)フフッ
ルキトレ「あの……」
美優「は、はい!? なんですか!?」
ルキトレ「衣装の確認が終わったら、声をかけてください。隣の部屋にいますので」」
美優「あ、はい! わかりました!」
ルキトレ「お願いしますねー」
美優「……今のが楓さんじゃなくてよかった」 - 11 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:16:38.76 ID:oaf0gih40
- 美優「さて、衣装の確認を……あっ」
美優「この間美波ちゃん達が着ていた……ヴァルキュリアの衣装」
美優(……女神か。私も『癒やしの女神』と呼ばれたこともありましたっけ)
美優(なら、私もヴァルキュリアになってもおかしくないかも?)
美優「……衣装の帽子を被るくらいなら、いいですよね」
美優(姿見でチェック……悪くはない、でしょうか)
美優「けど、美波ちゃんちゃん達に混ざるには年齢がキツイ……?」
????「わからないわ」
美優「……なにか、幻聴が」 - 13 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:18:05.70 ID:oaf0gih40
- 美優「あっ、けど先輩役なら出来るかも……」
美優「どういう名乗りならそれっぽく……蘭子ちゃんみたいな……?」
美優「……」コホン
美優「先代ヴァルキュリア『ドライ・シッフ』を超えられないようでは……真の邪悪に打ち勝つことは出来ない……」キリッ
楓「その力、『グロース・ツァウン』の前に示しなさい……」キリッ
美優「…………」
楓「おはようございます、ドライ・シッフさん」
- 15 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:20:38.23 ID:oaf0gih40
- 美優「なななななんで楓さんが!?」
楓「なんでと言われても、私も衣装の確認をしに来たんです」
楓「そうしたら、美優さん――いえ、ドライ・シッフさんが楽しげなことをしていたので混ざってみました」
美優「わざわざ言い直さなくていいですから!」
楓「けど、とっさにドイツ語が出てくるなんて、実は美優さんって」
美優「違いますから! 大学でドイツ語を習っていただけですから!」
楓「蘭子ちゃんと飛烏ちゃんのユニットに入れてもらいますか?」
美優「違うんです……これはほんの出来心だったんです……」
楓「ところで、おいしいバーを見つけたんですが、今夜どうでしょうか?」
美優「……お付き合いさせていただきます」
楓「ふふっ、楽しみに待っていますね」
美優「この件はどうかご内密に……」
楓「はい、もちろんです」
美優(……また楓さんに弱みを握られました) - 16 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:23:11.85 ID:oaf0gih40
- ~その夜~
楓「空はなんで暗いんですかい? ふふっ……」フラフラ
美優「それはもう夜だからです……ああ楓さん、しっかり歩いてください」
楓「大丈夫です、うぉーくぅ~と気合を入れてますから」
美優「絶対大丈夫じゃないですよ……ほら、肩貸しますから」
楓「ん、ありがとうございます……」
美優「またこんなに飲んで……何時でも泊めれるわけじゃありませんよ?」
楓「でも、今日は?」
美優「……泊めれますけど」
楓「じゃあ、楽しみですね」 - 17 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:28:19.27 ID:oaf0gih40
- 美優「楽しみ?」
楓「ええ。酔いを覚ましながら、寝るまで美優さんとお喋りするのが、私好きなんです」
楓「美優さんは、どうですか?」
美優「私は……好き、です。楽しい時間だと思います」
楓「良かった……けど、飲みに誘うために別の弱みを見つけないといけませんね……」
美優「い、いいです……これ以上弱みなんて握らせません……」
美優「それに、飲みに行くなら何時でも……たまになら付き合います」
楓「言い直さなくても良かったんですよ?」
美優「さすがに毎日は付き合えません……」
楓「それは残念です」 - 18 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:29:52.91 ID:oaf0gih40
- 美優(……たまには、私から仕掛けてみましょうか)
美優「か、楓さんがこれ以上弱みを握る必要なんてないですよ」
美優「ずっと前から、私は楓さんに大きな弱みを握られてるんですから」
楓「はて……なんのことでしょう?」
美優「それは……」
楓「それは?」
美優「惚れた弱み……です」
楓「……」ピタッ - 19 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:33:26.73 ID:oaf0gih40
- 美優「……な、なんて」
楓「……」
美優「楓、さん……?」
美優(さっきよりも顔が赤い、ような……)
楓「……不覚です」
美優「えっ?」
楓「美優さんに、弱みを握られてしまいました」カオマッカ
美優「……年上を甘く見るからです」
楓「あの、私タクシーで」
美優「泊まっていくんですよね?」ガシッ
楓「……美優さんの意地悪」
美優「だって、楓さんの弱みを握っちゃったんですから。簡単には帰しません」
美優「夜はまだまだですから」
楓「……」 - 20 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:34:40.11 ID:oaf0gih40
- ~次の日~
楓「フンフンフフーン、たかがきー」
幸子「楓さん、上機嫌ですね」
幸子「何かいいことあったんですか?」
楓「聞きたい? 聞きたいですか?」
幸子「そうですね、気になりま」
美優「かかかえでさん! 今夜にまたバーなんてどうでしょうか!?」
楓「あら、素敵ですね」
美優「で、ではその予定を詰めるためにもこちらで話しましょう!」グイグイ
幸子「……美優さん、あんなに積極的に飲みに行く人でしたっけ」 - 21 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:36:37.80 ID:oaf0gih40
- 美優「あ、あの昨日のことは……」
楓「はい。寝ぼけた美優さんが私の布団で眠っていたことですね」
美優「しっー! お、お願いですから誰にも言わないでください……」
楓「もちろんです。私の心のメモリーと、スマホのメモリーにだけ留めておきます」
美優「スマホの方は消してください! いつの間に撮っていたんですか!?」
楓「あ、プロデューサーさん。美優さんのとっておきの写真があるんですが見ますか?」
美優「わーわー! なんでもありませんプロデューサーさん!」
美優(うう……どうやっても楓さんに弱みを握られるんですね……)
おわり - 22 : ◆QbMLM0d8YE 2016/06/21(火) 22:39:57.93 ID:oaf0gih40
- デレステに楓さんストーリーコミュが来るのは、美優さんのCV発表してからだって信じてる
ここまで読んでくださった方々ありがとうございました。

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