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櫻子「チョコレイト・キス。」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:36:06.92 ID:P+nC+ik40
向日葵「失礼しまー…あら?」

西垣「おおーう古谷」

向日葵「他の方々は?」

西垣「杉浦と池田はまだだ。松本はトイレに行った。」


向日葵「で、先生は……」

西垣「丸三日、理科室を使用禁止になってしまってな。」




2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:36:43.50 ID:P+nC+ik40
冬も佳境に差し掛かる今日は2月の13日。寒空は曇り、吹く風は人々をさらりと撫でる。

向日葵は、いつものように生徒会室に来た。

櫻子はといえば、宿題を忘れた罰として居残りで掃除をやらされている。


向日葵「もう爆発はやめてくださいね、先生。」

西垣「なーに私もなるべく早く理科室に戻りたいからな。あんまり派手なことはやらんさ。」


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:37:04.06 ID:P+nC+ik40
西垣「ところで、古谷。お前、明日のバレンタインだけど、チョコとか作るのか?」

向日葵「あ、はい。一応友達と生徒会の皆さんに持ってこようとは思ってましたけど。……っていうか先生もバレンタインとか気にするんですね。」

西垣「おいおいひどいな……私だって女だぞ?毎年チョコを松本にあげたりはしているのさ。」

向日葵「先生手先は器用ですもんね。」

西垣「まあ、これでも理科教師の端くれだからな!………じゃなくて。これを見てくれ。」


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:37:42.68 ID:P+nC+ik40
コトン、と出されたのは、なにやら透明な液体が入った小瓶。


向日葵「これは?」

西垣「その昔……」


アンナと、エリスという二人の女の子がいた。

エリスは一介の貴族の娘。そしてアンナは……魔女の娘。

ひょんなことから出会う二人ではあったが、閉塞感の強い普段の生活に嫌気がさし、魔女の自由さを羨ましがったエリス。対してその可憐さに惹かれていったアンナ。

二人は相思の仲ではあったのだが、二人ともその想いを素直に伝えることができないでいた。

魔女との関わりはタブーだっからだ。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:38:20.47 ID:P+nC+ik40
ある日、エリスは魔女と関わりがあるのではないかと疑いをかけられてしまった。

魔女と関わっただけでも罪であることは、アンナも知っていた。


そこでアンナは、最後にある薬を作った。

これを飲んで、エリスが人間の世界を離れてアンナと共にあることを選ぶか。それとも、もとの閉塞の生活を選ぶか。

しかし、その薬を渡しに来ようとしたところで、アンナは不運にも捕まってしまった。

数日後、エリスは風の噂で「魔女が処刑された」ということを耳にする。

それがアンナのことであると解った時、泣きながら部屋に籠るしかなかったエリスは、ふと机の上の小瓶に気づく。


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:38:36.11 ID:P+nC+ik40
向日葵「結局、エリスはその薬を飲んだんですの?」

西垣「ああ。そしてエリスは……死んでしまった。」

向日葵「え…?」

西垣「アンナはエリスを魔女にする薬を作ったつもりだった。しかしその成分のひとつ……魔女の血が原因で、エリスは大きな拒絶反応を示してあっさりとな。」

向日葵「…………」

西垣「でも、二人は死後の世界で再会を果たし、今でもその身を共にしているという……。」

向日葵「へえ………。」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:39:00.51 ID:P+nC+ik40
西垣「これは、その薬を真似て作ってみたリキュールエッセンスだ。少し前に理科室で作って、今まで冷やしていてな。」コトン

向日葵「ってことは……これを飲んだら死ぬってことじゃないんですか!?」

西垣「安心しろ。別に毒になるようなものは入れてないし、松本に少し舐めさせてみたがそんなに大したことは起きなかった。」

向日葵「何かあったことは認めるんですのね……」


西垣「ふふふ。どうだ、使ってみるか?普通にリキュールとして使えると思うぞ。あの松本が大絶賛してくれてたからな。はっはっは」

向日葵「会長が大絶賛してる姿がまったく浮かびませんわ………」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:39:24.82 ID:P+nC+ik40
西垣「ほら。」

手の甲に一滴垂らして、舐めてみる。

向日葵「本当ですわ。何もないし……軽くて香りも良い。これは結構使えるかもしれませんわね。」

西垣「ふっ、まあ私が本気を出せば作れないものなんて無いからな。」


ガラッ

綾乃「あら、古谷さんと先生、来てたんですね。」

千歳「ほな、はじめよか~」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:39:53.82 ID:P+nC+ik40
りせ「…………」

向日葵「あら、会長。」

西垣「おお松本、遅かったな。」

りせ「…………」とことこ

ぎゅっ

西垣「ど、どうしたんだ松本……手なんか握って……」

りせ「…………///」

西垣「なるほど。……杉浦、今日は松本は体調が悪いそうだからもう連れて帰るぞ?」

綾乃「え?会長……大丈夫ですか?」

りせ「…………」

西垣「ふむ。事は一刻を争うな。行くぞ松本!」

西垣はりせを抱えて去ってしまった。


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:40:13.06 ID:P+nC+ik40
向日葵「体調悪いようにも見えませんでしたけど……」

千歳「まあまあ、今日はうちらだけでも大丈夫やし、その……たまにはええんちゃう?」ぽっ

向日葵「なんで頬を染めるんですか先輩」


ガラッ

櫻子「すみません遅れましたー!」

綾乃「あら、大室さん。」

櫻子「ちょーっと掃除をさせられてしまいましてー」

向日葵「まったく……次からは気をつけなさいね」

櫻子「へへへ……」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:40:28.67 ID:P+nC+ik40
生徒会も終わり、帰宅。

帰り道、櫻子は特に明日がバレンタインであることなどには触れていなかったため、恐らく明日気づくことになるだろう。

楓「おねーちゃん、おかえりー」

向日葵「ただいま、楓。」

楓「今日、ばれんたいんのチョコ作るんでしょ?」

向日葵「ええ。ご飯食べ終わったら、一緒に作りましょうか。」

楓「うんっ」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:40:56.65 ID:P+nC+ik40
――――――

向日葵「それじゃ楓、始めますわね。」


材料は数日前にもう用意してある。この時期がくる前に板チョコを確保しておくのは当然のことだ。

ただミルクチョコレートを溶かすだけではない。向日葵なりの比率がある。

ミルク2、ハイミルク2、ビター1。

チョコというのは溶かすと若干甘みが消えるので、ミルクは多めに。

さらに無塩バターや生クリームなどを加えれば少し生チョコ風にもなっておしゃれだ。


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:41:22.41 ID:P+nC+ik40
毎年櫻子ぐらいにしかあげてなかったから、完全に櫻子の好みに合わせてしまっている。まあ向日葵もどちらかといえば甘めが好きなので、このぐらいがちょうどいいのだった。


向日葵「それじゃ、私が刻んでいきますので、楓はこれを溶かしてくださる?」

楓「わかったー」


刻んで、湯せん。チョコは早めに作ってしまわないといけない。チョコ作りで実際大変なのは飾り付けとラッピングなのである。


楓「わーとけてきたー」

向日葵「ちょっと食べてみます?」

スプーンですくってあげる。

楓「んーあまーいっ」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:41:43.59 ID:P+nC+ik40
バレンタインは何も想いを伝えるだけじゃない。作ってる段階でも、こんなに楽しい。


向日葵「あ」

そういえば、と西垣先生に貰ったリキュールを取り出す。

楓「どうしたの?」

向日葵「ちょっとこれ、使ってみましょうか。」


確かめた限り、一応ちゃんとしたものだったし、あれを入れて作ったのを西垣先生にあげるくらいならいいかな、と思った。幸いチョコは多めにある。

容器を二つにわけて、片方にリキュールを溶かし入れた。


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:42:09.28 ID:P+nC+ik40
――――――

翌日。


櫻子「おはよーあかりちゃーん!」

あかり「あ、向日葵ちゃん櫻子ちゃん、おはよー!」

向日葵「吉川さんはまだ?」

あかり「ちなつちゃんは、結衣ちゃんにチョコを渡しに行ったみたい。」


櫻子「あー!今日バレンタインか!」

向日葵「はあ…まったく気づいてなかったんですの?あなたも一応女の子なんですから、そういう所に気をつかえるようにならないとダメですわよ?」

櫻子「いちおーってなんだよ!こんな可愛い女の子に向かってさー」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:42:42.61 ID:P+nC+ik40
あかり「うふふ、はい櫻子ちゃん、向日葵ちゃん!」

櫻子「うおっ…あかりちゃんこれ!」

あかり「あかりからの気持ちだよ!うけとって?」

櫻子「いっいぇーい!!さすがあかりちゃーん!だいすきー!」

向日葵「ありがとうございます、赤座さん。」

あかり「えへへ…よろこんでもらえてあかりも嬉しいよぉ」


向日葵「それじゃ……これ、お返しに。」ゴソゴソ

あかり「えっ!向日葵ちゃんから!?」

向日葵「私からの気持ちですわ。受け取ってくださる?」

あかり「もっ、もちろんだよぉ!」ワーイ


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:43:02.70 ID:P+nC+ik40
向日葵「櫻子にもありますわよ?」

櫻子「あっ、うん」

向日葵「? ……はいこれ。」


差し出すのは、リキュール入りの方。

こっちはほんの遊び程度のつもりで、もう一個ちゃんとしたのは作ってあるが、先に櫻子の反応が見たかった。

櫻子「あ、ありがとう」

向日葵「赤座さんの時との反応が全然違うんですけど……まあいいですわ。」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:43:31.66 ID:P+nC+ik40
ぱくっ


櫻子がチョコを食べるタイミングを見計らって、

向日葵「ちなみに今食べたチョコは、『西垣先生が作ったリキュール』が入ってますから、ちょっとくらい身体に変化が起こるかもしれませんわね!」クスクス


櫻子「…………」

向日葵(あら?)

俯いたまま動かない櫻子。

少し嫌な予感がした。


もしかして……昨日西垣先生が言ってた拒絶反応がどうのこうのとか……?


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:43:57.44 ID:P+nC+ik40
向日葵「櫻子!?どうし


ちゅっ


あかり「!?」

向日葵「!!!」


向日葵が顔を覗き込んだ瞬間、櫻子はその唇を捉えていた。

重ねたまま、動かない二人。

もとい片方は、動けなくなっている。


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:44:17.66 ID:P+nC+ik40
最初に声をあげたのはあかりだった。

あかり「さっ、さささ、櫻子ちゃん!!?」オダンゴポーン

あかりの声に、クラス全員が向日葵たちを見る。

向日葵(み、見られてるー!)

離れないと、

離れないとなのに、

向日葵(か、身体に力が入らない……!)


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:44:36.91 ID:P+nC+ik40
櫻子「ん……ふっ……」

首の後ろに手を回す櫻子。

あかり「うわっ あっ ああー」オロオロ

ガラッ

ちなつ「なにやってんのあかりちゃ……って、えええええ!!!?」


向日葵()


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:45:08.17 ID:P+nC+ik40
ぷはっ

向日葵「なっ、なっ、な…………」カアアアアッ

櫻子「んふ……向日葵ぃ……好き……」

あかり「えーっ!!」

ちなつ「いったぁ!!」


リキュールの効果なのか。

あの西垣先生のことだ、こんなことにならないという保証があったわけじゃない。

にしても、こんなみんなの前で……!!

向日葵(今なら……恥ずかしさで死ねる気がしますわ……)


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:45:34.79 ID:P+nC+ik40
櫻子「ひまわりぃ……もっかい……」ソーッ

向日葵「さっ、櫻子っ……だめっ……!」


あかり「がっ、学校でそういうのはよくないと思うよぉ!!」

ちなつ「こらっ!あかりちゃんなんでそんなこと言うの!?」

あかり「えっ!? なんであかり怒られたの!?」ガビーン


結局、何故かパニックになってしまったあかりによってその場は抑えられた。

その後向日葵は西垣先生を探しに校内を駆け回ったのだが、どうやらまだ来ていないようだった。


向日葵(西垣先生しかあのリキュールのことはわかりませんのに……!)


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:45:54.74 ID:P+nC+ik40
授業中。

櫻子はとろんとした目で向日葵を見つめている。

向日葵(この櫻子は……やばい……)

口の中に残る櫻子の甘さを感じながら、
向日葵はさっきの櫻子の舌づかいを思い出していた。

向日葵(あ、あんなキス……いつの間に身につけて……///)

向日葵(次こられたら理性を保てる自信がないんですけど)

これ以上あんなことを続けられたら周りからも見境ない二人みたいに思われてしまう。(もう軽く思われてるが)

今は一刻も早く西垣先生に聞いてみるしかなかった。


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:46:25.04 ID:P+nC+ik40
放課後。

西垣「おーう松本、おはよう」ファサア

りせ「…………」トコトコ

西垣「何?もう放課後だって?かたいこと言うな。私は時間に縛られないのさ」


向日葵「先生!!」バッ

西垣「ん? おお古谷か。どうした?」

向日葵「どうしたもこうしたもないですわよ! 昨日のリキュールのチョコを、櫻子に食べさせたら……そ、その……」

西垣「んん?どうしたっていうんだ?」

向日葵「とっ、とにかく!様子がおかしいんですの! 元に戻す方法というか、何かありません?」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:47:15.32 ID:P+nC+ik40
西垣「んーそうだなあ、こういう時はやっぱりキスに限るな。」

向日葵「それなら散々やりましたわ!!」バーン

西垣「ほお…やるな古谷……。 だがそれは大室の方からではなかったか? 大切なのは元に戻って欲しいという気持ちだ。 お前の方から、キツイのを一発キメてやれ!」ビシッ

向日葵「そんなので本当に治るんですの……?」

西垣「心配するな。私と松本はそれでうまくいった。」

りせ「////」

向日葵(何やってんですのこの人達)

向日葵「しっ、仕方ないですわねっ!」

タッタッタッ……


西垣「ふふ……うまくやれよ、大室。」


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:47:39.54 ID:P+nC+ik40
――――――

夕陽が差し込む、放課後の教室。

今日は幸せな日。

全ての乙女が幸せを感じられる日。

少々強引かもしれないけど、

時間と共にできた膠着状態を壊して先に進むには、これくらいでちょうどいい。

タッタッタッ……

あの子は来てくれる。

私のために。


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:47:59.96 ID:P+nC+ik40
向日葵「櫻子っ!!」


櫻子「向日葵……」


向日葵「そ、その……目を閉じなさい!」

櫻子「ん……閉じたよ。」

向日葵(はっ! もう……やるしかないっ!)


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:48:43.36 ID:P+nC+ik40
西垣「ふっ……あの二人、うまく行ったかな」

りせ「…………」

西垣「強引、か……まあいいんだよ。あの二人にはあれくらいで。」


りせ「…………」

西垣「ん?リキュールの由来はいらなかったんじゃなかったって? かたいこと言うな松本……あれは私なりに作ったなかなかできた即興の物語なんだぞ?」

りせ「…………」

西垣「お、気づいたか。その通り、annaとerisは実在する。しかし、今回送るのは……チョコレートだ。ほら。」

りせ「…………///」


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:49:31.68 ID:P+nC+ik40


ちなつ「はぁ……結衣先輩気に入ってくれたかなあ……」

あかり「大丈夫だよぉ。ちなつちゃん一生懸命だったもん!結衣ちゃんきっと喜んでるよ~」

ちなつ「ありがと、あかりちゃん……あ、そうだ!」ゴソゴソ

あかり「?」

ちなつ「はいこれ。あかりちゃんに!」

あかり「えっ……あかりに?」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:49:55.11 ID:P+nC+ik40
ちなつ「朝に渡せばよかったんだろうけど……忘れちゃってたよ。ごめんね?」

あかり「う、うん!すっごく嬉しいよぉ!しかもこれでかい!」

ちなつ「ふふっ、ちょっと気合いれてみちゃったの!あけてもいいよ?」

カパッ

あかり「」

ちなつ「どう?上手でしょ!あかりちゃんの顔!」

あかり「あ、あははははははは……」


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:50:36.55 ID:P+nC+ik40


綾乃「歳納京子……これ……///」

京子「んん?なにかなこれはー」ニンマリ

綾乃「バ、バレンタインのチョコ!!」

京子「おおーうもう夕方だからもしかしたら貰えないかと思ったぜーい!セーフ!」

綾乃「わ、わかってたら聞くんじゃないわよ!」

結衣「ははは……じゃあ、私からも。はい綾乃」

綾乃「え……?船見さんが……私に?」

結衣「駄目かな?一応、友チョコってことでいいんだけど……」

綾乃「そっ、そんな!……とても嬉しいわ。ありがとう船見さん!でもごめんなさい、チョコ用意してなかったわ……いつか絶対お返しするからっ!」

結衣「ふふ、ありがとう綾乃。」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:51:04.08 ID:P+nC+ik40
京子「ちなみに私からもあるぞー!ほい綾乃!」

綾乃「え!?歳納京子が……///」

京子「えー?意外だった? これでもお菓子とか作るのは結構得意なんだけど」

綾乃「そ、そんなことないわ!その……あっ、ありがと……///」


結衣「あ、千歳にもあるんだけど……」

千歳(きょ、今日はやっぱ豊作やわぁ……)どばー

結衣「あー……まあ、わかってたけどさ。つーか量やばいよ!」




全ての乙女に、幸あれ。


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:51:27.53 ID:P+nC+ik40
――――――

後日のこと。


櫻子は結局、14日の記憶がまるまる無くなっているという設定を貫いている。

あれからの二人の距離は確実に縮まっていた。

些細なことでいがみ合うことが少なくなった。

よく目があうようになった。


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:51:49.11 ID:P+nC+ik40
先に折れたのは、向日葵。

向日葵(あんなキスをしておいて……覚えてないってのもズルいですわ……///)


向日葵「!」コトン

向日葵(この小瓶は……!)

実はあの時、リキュールを全部使ったわけではなかった。実際半分くらいはビンに残しておいたのだ。


向日葵「これは……使えますわっ!!」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:52:24.09 ID:P+nC+ik40
――――――

櫻子「んふふ……」

思い出す。あのときの向日葵を。

櫻子「きゃ―――!」ゴロゴロ

ガチャ

撫子「うるさいんですけど静かにしてください」ゲザァ

櫻子「土下座から!?」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:52:54.82 ID:P+nC+ik40
ピンポーン


撫子「おお、ひま子。」

櫻子「えっ!」


向日葵「櫻子、います?」

櫻子(ちょっちょっ何急にっ)アタフタ


櫻子「お、おーどしたの?」

向日葵「どうしたのって、そろそろ学年末のテストですわよ?あなたどうせ勉強してないでしょうし、手伝いに来たんですわよ。」

櫻子「おーさすが向日葵! やさしー!」


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:53:24.55 ID:P+nC+ik40
――――――


櫻子「はー疲れたー」ゴロッ

向日葵「休憩いれます?手土産もありますわよ?」

櫻子「いぇす!じゃあお茶淹れてくるね!」

ガチャッ


向日葵(か、覚悟を決めますわよ……どうせ櫻子は忘れちゃうんですもの……///)


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:53:49.58 ID:P+nC+ik40
櫻子「ほい、お待たせー」

向日葵「疲れた頭には甘いものですわね。」

櫻子「うんうん!じゃあもらうねー」


ひょいぱくっ

向日葵(!)


櫻子「んーうめーこのチョコ!」


向日葵(あ、あれ?)


向日葵「さっ、櫻子、どこかおかしいとことかありませんの??」

櫻子「は?何が?」

向日葵「」


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:54:12.53 ID:P+nC+ik40
櫻子(向日葵なに固まってんだ……?)

向日葵「あ……あ……」

櫻子(そういやこのチョコ、バレンタインの時のに似てんなー)


櫻子「あ」


向日葵(この子……まさか……)



櫻子&向日葵「ああああああああああっ!!?」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:54:40.86 ID:P+nC+ik40
向日葵「やっぱり! 最初からおかしいとおもってましたわ!! できすぎてたと思ってましたわっ!!」

櫻子「あっ、やばっ、どうしよ……」


向日葵「先生とはグルで……ということは……」

櫻子「あわわわわ……」

向日葵「じゃあ、あの時のキスは…………///」かああああっ


櫻子(まっ、まだ間に合うっ!)


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:55:25.46 ID:P+nC+ik40
櫻子「向日葵っ!キスしたい!」

向日葵「こっ、この変態!!」

櫻子「ちがうよっ!チョコのせいだもんねー!」

向日葵「あーやっぱり!!」

櫻子「えーいもうっ!!」


ちゅっ

ガチャッ

撫子「マジでうるさいんで勘弁してください」ゲザァ

撫子「あ」


櫻子&向日葵「…………」んーっ


撫子「すんませんでした」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:56:00.34 ID:P+nC+ik40
――――――


櫻子「ごっ、ごめんね向日葵?」

向日葵「…………」

櫻子「だってこうでもしないとさ……」


向日葵「……こうでもしないと?」

櫻子「それは、え、えーとね……///」

向日葵「全くあなたって人は………」


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 13:56:21.47 ID:P+nC+ik40
向日葵「ホワイトデー、期待してますからね。」


櫻子「!!」


櫻子「……ま、任せてよ! ところでさ……」


櫻子「もっかいしない? チョコレイト・キス。」

向日葵「あ、あなたいつの間にそんなキスに詳しくなったんですの……??」

櫻子「えへへへ……」


ちゅっ


~fin~


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