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伊織「魔法をかけて」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:03:35.19 ID:tRlgaT5iO
「やよい?こんな時間にどうしたのよ?」

21時を回った頃だったかしら?
突然私の家を訪れたやよい

外は小雨が降っているっていうのに、傘もささずに

「えへへ、家出してきちゃった」

濡れたオレンジの髪からポタリと一雫、水滴が零れた





3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:07:36.01 ID:tRlgaT5iO
「家出?やよいが?」

「うん、私が」

ぜんっぜん似合わないんだけど
しかも大きなバッグ抱えてるし

私の視線に気付いたのかしら?

「ちゃんと着替えとか持ってきたよ?」

満面の笑顔でそう言ったやよい


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:10:32.16 ID:tRlgaT5iO
「アンタ、私が断るなんて思ってもいないでしょ?」

「えへへ、バレた?」

バレバレよ
まぁ、断るつもりもないんだけどさ

「だって、一番仲良しなのは伊織ちゃんだから」

なんて言われたら尚更よ


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:15:10.71 ID:tRlgaT5iO
「仕方ないわねぇ。入りなさい」

「ありがとう伊織ちゃん!」

ホントに家出してきたならもう少し悲壮感とか出して欲しいもんだけど

「わぁ!お城みたいなおうちだね!!」

…無理か
やよいだもんね


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:20:28.84 ID:tRlgaT5iO
私の部屋に案内するなり開口一番

「私のおうちより広いかも!」

…恥ずかしいから止めてよね

「夕食は?」

「食べてきたよ」

「そう。じゃあお風呂入ってらっしゃい。風邪引いちゃうわ」

「うん!ちゃんとバスタオルも持ってきたんだよ?」

…それはようございました


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:25:41.22 ID:tRlgaT5iO
使用人にやよいを案内させた後、自室に新堂を呼んだ

「やよいの家に連絡しといて。ウチに来てるからご心配なく、って」

「かしこまりました、伊織お嬢様」

新堂が部屋を出るのを見届けてから、ベッドに仰向けになった

家出ねぇ
私も一回くらいしてみたいもんだわ


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:28:24.06 ID:tRlgaT5iO
10分くらい経ってから、新堂が戻ってきた

「伝えてくれた?」

「はあ…」

何よ?
歯切れが悪いじゃない?

「まさか捜索願い出しちゃったとか?」

「いえ、そうではありません。何と言いますか…」

何と言うのよ?


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:32:22.85 ID:tRlgaT5iO
「電話には高槻様のお母様がお出になったのですが」

「うん」

「私がご説明する前に『やよいが泊まりに行ってるようでご迷惑をかけます』と」

「…は?」

「そのような次第でございます」

えっと…
私の理解力不足かしら?

意味分かんないんだけど


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:36:34.80 ID:tRlgaT5iO
「私の家に行くって言い残して家出したの?」

「どうやらそのようですな」

「えっと…新堂?」

「はい」

「家出って何だっけ?」

「様々な事情により、家族に何も告げず家を飛び出すことかと存じます」

「やよいの場合は何て言うの?」

「お泊まり、でしょうか?」

うん
たぶん正解


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:40:57.57 ID:tRlgaT5iO
新堂を下がらせてから、またベッドに転がった

初老の男の口から

お泊まり

って言葉が出てきたのがちょっと面白かった

それゃあ悲壮感なんて漂わないわね


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:45:33.59 ID:tRlgaT5iO
「お風呂もすごいおっきかった!」

部屋に帰ってきての第一声

ちゃんと髪乾かしなさいよね!
水滴が飛び散るじゃない!

犬じゃないんだから

「うっうー!お風呂で足伸ばせるって最高ですぅ!」

はいはい
それはようございました!


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:48:44.07 ID:tRlgaT5iO
「やよい」

「へ?なぁに?」

「家出してきたのよね?」

「うん!私、悪い子だから!」

…なるほど
どこからどう見ても極悪人だわ、アンタ

カエルのポシェットとか特に


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:50:50.07 ID:lEHDXO8J0
可愛過ぎるだろ


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:54:32.72 ID:tRlgaT5iO
「でもちゃんと行き先伝えてきたんでしょ?」

「うん、お母さんにだけ」

「だけ?」

「お父さんには何も言わなかったんだよ?だって悪い子だから!」

…うん?

「あ、そうだ!お母さんがお菓子持って行きなさいって。トッポ食べる?」

…えぇ
最後までチョコたっぷりね
素晴らしいわ、まったく


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 06:59:25.34 ID:tRlgaT5iO
これってアレなのかしら?
中二病ってやつ

悪いのが格好いい、みたいな

「うっうー!最後までチョコたっぷりだね!」

格好いい…って何だっけ?
私、自分の感性に自信が持てなくなりそうだわ


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:04:38.03 ID:tRlgaT5iO
「お父さんとケンカしたの?」

「へ?なんで?」

「…何でもないわよ」

聞いた私がバカだったわ

「私、お父さんのこと尊敬してるんだぁ。私たちのためにお仕事頑張ってるから!」

「でも、何も言わずに出てきたんでしょ?」

「仕方ないんだよ。私は悪い子だから」

えぇ、間違いないわ
トッポくわえながら喋るところとか


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:09:51.65 ID:tRlgaT5iO
「明日にはちゃんと帰るんでしょ?」

「うん。みんなが心配しちゃうから」

悪人のカガミね、アンタ

「今度は伊織ちゃんも家出しておいでよ!」

「アンタんちに?」

「うん!」

そうね
その時はお父様には内緒にしておくわ


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:13:31.32 ID:tRlgaT5iO
「でも偉いわよね、アンタ」

「私が?なんで?」

「ちゃんと家事を手伝ってるんでしょ?」

「だって、家族は助け合うものでしょ?」

…耳が痛いわ

「いい子ね、やよいは」

「い、いい子じゃないもん!」

はいはい
悪い子悪い子


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:16:45.96 ID:tRlgaT5iO
「でもねぇ、たまに家事とかめんどくさくなるときもあるんだよ?」

「まぁ、そうでしょうね」

「そう言うときは"魔法が使えたらなー"って思っちゃう」

「魔法で家事?」

「うん。ババーン、って!」

…なんか夢が無いわね


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:20:38.53 ID:tRlgaT5iO
「えー、そうかなぁ?」

「もっといろいろあるでしょ?魔法で大金を稼ぐとか」

「お金はそんな風に稼ぐものじゃないもん!」

「あ、ごめん…」

えっ!
私、間違ってた?


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:24:45.27 ID:tRlgaT5iO
「伊織ちゃんは魔法が使えたら何したい?」

魔法ねぇ
とりあえず空飛びたいわ

「飛んでるときに雨降ってきたらどうするの?」

「…傘取りに帰る」

「傘飛ばされちゃうよ?ビュー、って」

「じゃあ雨ガッパ着るわ」

「えー、格好悪いよ」

知らないわよ、そんなの!


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:30:21.74 ID:tRlgaT5iO
「ふわぁ…」

大きなあくびを漏らしたやよい
半分寝てるんじゃない?

「眠くなったの?」

「うん…」

「じゃあ、少し早いけど寝ましょうか」

「はーい」

いい返事ね
悪い子のクセに


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:33:45.23 ID:tRlgaT5iO
二人でベッドに入って電気を消した

まだ微かに湿ってるオレンジの髪は、暗闇の中でも薄く輝いてた

「ベッドも広いね」

「広いんだからあんまりくっつかないでよね!」

「えへへー」

…まぁ、いいけどさ、別に


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:36:37.89 ID:tRlgaT5iO
「ねぇ、伊織ちゃん」

「何よ?」

「取っておきの魔法考えた」

「どんな魔法?」

「伊織ちゃんとずっと仲良しでいられる魔法」

…夢が無いわね、やっぱり


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:39:32.45 ID:tRlgaT5iO
「えー、なんでなんで?」

「だって…」

魔法なんて必要ないじゃない、そんなの
勝手に叶っちゃうんだから

「え?いま何て言ったの?」

「な、何でもないわよ!ホラ、寝るわよ!」



50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:44:56.96 ID:tRlgaT5iO
「おやすみ、伊織ちゃん」

まぁ、仕方ないわね
せっかくやよいが考えた魔法だもん

「おやすみ、やよい」

仕方ないから魔法にかかったフリ、してあげるわ
悪い魔法使いの悪い魔法に、ね?

これはつまり、そういうこと
仕方ないわねぇ、まったく!



お し ま い


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:46:26.52 ID:tRlgaT5iO
終わりよ終わり!

読み返してきます


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 07:46:43.12 ID:4bjvLpUv0
乙乙
とろけた


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 08:14:51.31 ID:3ALRL7YX0
やよいおりたまらん


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 08:50:48.11 ID:AQUdPD6N0
スレタイが魔法をかけてだからいおりつかと思ったらやおいおりだった
だがよかったよ、乙


THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 2 -FIRST SEASON- 09 高槻やよい
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