スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
奈緒「凛と加蓮が泊まりにきた」
- 1 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 10:51:35 ID:2.AB.XSk
- 女子寮で一人暮らしを始めたあたしの部屋は、まるで二人の秘密基地のような変貌を遂げていた。
二人の専用マグカップや歯ブラシ、タオルや着替えまで完備。
他たくさん。
……全部持ち込みだけどな。
邪魔だっつっても、簡単にあしらわれてしまった。
あたしじゃ二人に勝てないの知ってんだろ?
- 2 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 10:52:11 ID:2.AB.XSk
- 加蓮「凛、まだー?」
凛「ちょっと待ってて、今できるから」
髪を後ろで結った凛が、鼻歌を歌いながら料理を皿に盛りつけている。
凛「できたよ」
上機嫌の凛が大皿をテーブルに運ぶ。
凛は頻繁に料理を作ってくれるんだ。 - 3 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 10:52:45 ID:2.AB.XSk
- 出来立てのパスタはペペロンチーノ。
鷹の爪がちょっと辛そう。
加蓮「ご苦労、大義である」
テキトーだなおい。
奈緒「悪いな、任せちゃって」
凛「いいよ。好きでやってることだし」
凛「冷めないうちに食べよ」
辛さは新陳代謝を活発にさせる。
アイドルとして仕事をする以上、スタイルや体調管理は必須だ。 - 4 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 10:53:39 ID:2.AB.XSk
- 加蓮「普通に美味しい」
奈緒「普通には余計だ。凛、美味いよ」
凛「ならよかった」
少しだけ安堵した様子の凛が可愛い。
加蓮「凛、結婚しょ?」
凛「加蓮が私の分も働いてね?」
加蓮「うへぇ……」
凛が仕事以外で笑顔を見せるのは、心を許した奴だけだって、あたしは知ってる。 - 5 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 10:56:20 ID:2.AB.XSk
- 意外と気難しい女だからな、凛は。
奈緒「バカなこと言ってないで食ったら風呂入れよ」
加蓮「はーい」
加蓮「三人で入る?」
凛「いいよ」
奈緒「狭いって!あたしは絶対パスだかんな!?」
加蓮「奈緒ってホント照れ屋だよね」
凛「そういうとこが可愛いんだけどね」
奈緒「うっさい」 - 6 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 10:56:50 ID:2.AB.XSk
- 加蓮が風呂に入ってる間、凛と二人でアニメを見ることになった。
凛「このほたるって子いいね」
奈緒「あたしは舞姫のが好きかな」
凛「なんとなく声が私と似てるよね」
奈緒「まあな」
適当な話題で盛り上がっているうちに加蓮が戻ってきた。
加蓮「何の話?」
凛「ほたる可愛い」
奈緒「兄可愛い」
加蓮「奈緒可愛い」
奈緒「……他のやつ見ようぜ」 - 7 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 10:58:17 ID:2.AB.XSk
- 加蓮「今日はアニメはパス」
クッションに頭を埋め、友人たちと通話アプリで盛り上がる加蓮。
凛「続きないの?」
奈緒「放送中のやつだからな」
次に凛が風呂に入って、あたしはコンビニへ。
ジュースとお菓子が切れた。
とりあえず結構な量を買い込み、自室に戻る。
奈緒「なあ加蓮」
加蓮「わかってる」 - 8 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 10:59:42 ID:2.AB.XSk
- 少し時間をあけ、凛のあとに風呂に浸かる。
一日の疲れが吹き飛ぶこの感覚。
思わずもれた鼻歌を加蓮たちに聞かれなかったか不安になったり、聞き耳たてて凛たちが気づいてないようで安堵したり。
なんだか無性に恥ずかしくなって、勝手に赤面するアタシ。
奈緒「やっぱり風呂は最高だな」
凛「私たちの残り湯が?」
ニヤニヤとあたしをからかう凛。
普段クールとか言われてる凛だが、あたしをからかうときはそんな様子は微塵もない。
奈緒「突っ込まないぞ!突っ込まないからな!?」
加蓮「奈緒は私たちが大好きだからねー」
凛「大丈夫。私も奈緒が大好きだよ?」
そのムカツク笑みやめろ。 - 9 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 11:00:22 ID:2.AB.XSk
- 女三人集まれば姦しいというが、このメンツで顔を合わせて話す話題は基本男のこと。
あたしたちのプロデューサーの話題だ。
凛「思ってた以上に鈍いから実力行使しか道はないかな」
加蓮「あれわざとだよね。気づいてないフリ」
凛「そうだね。アイドルとプロデューサーだもん。関係持つわけにはいかない……わかってる」
奈緒「Pさんを誘惑するのやめてやれって。可哀想だよ」
加蓮「私と凛が胸を押し当てたら、必死に耐えるプロデューサー」
奈緒「凛に押し当てるほどの胸ないだろ」
凛「ぐっ……」
加蓮「そういうことは思ってても口にしないの」
凛「……帰る」
加蓮「冗談!冗談だって!安心して!凛は貧乳なんかじゃないよ」
凛「……スレンダー。言わなくていい、わかってる」
奈緒「……重症だこれ」 - 10 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 11:03:01 ID:2.AB.XSk
- 加蓮「奈緒、もうすぐ時間」
加蓮が耳打ちする。
時計を見ると23時56分。
時間が過ぎるのは早いな……なんて思いながら、あたしは準備に取り掛かる。
加蓮「凛はここ座って」
凛「もうこんな時間なんだ……」
自分の胸を両手でおさえた凛が、死人のような表情で指定席に座る。
凛「貧乳でごめんね、プロデューサー」
加蓮「凛、強く生きて」 - 11 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 11:03:38 ID:2.AB.XSk
- 時計は0時を告げる。
パァン!
クラッカーを鳴らす。
加蓮「凛!お誕生おめでとう!」
奈緒「おめでとう!」
クラッカーの弾けるような音に驚いて、目を丸くする凛がなんだかおかしかった。
凛「あ、ありがと?」
加蓮「凛忘れてたでしょ?」
奈緒「今日は凛の誕生日だ」
凛「……あっ、今日8月10日……」 - 12 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 11:04:36 ID:2.AB.XSk
- プレゼントをテーブルの上に置く。
凛「最近忙しくて忘れてたよ」
凛が包装紙を剥がすと数枚の写真が現れた。
加蓮「プレゼント迷ったけど、凛ならこれが一番喜ぶかなって」
加蓮「超レアな居眠り中のPさんの寝顔。イケメン角度のPさんのキメ顔」
凛「加蓮…………ありがとう。私、加蓮と親友でよかった!」
奈緒「安っ!親友の絆安っ!」
凛「こっちは……コート?」
奈緒「凛の誕生日だからさ。プロデューサーさんから譲ってもらったんだ」
凛があたしに抱きつく。
凛「ありがとう奈緒!一生大切にする!」
奈緒「お、おう……」
かなり複雑な心境だが。 - 13 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 11:05:21 ID:2.AB.XSk
- 加蓮がドアを開く。
リーナ「凛、おめでとな!」
モバP「加蓮と奈緒にどうしてもって言われてな」
まゆ「今日だけですよぉ?」
凛「みんな……」
モバP「凛、おめでとう」
凛の首にネックレス、Pさんも粋な真似するよな。
凛「プロデューサー……ありがとう」
真っ赤なトマトみたいな顔で、凛はネックレスを大切そうに指でなぞる。
凛「綺麗……」 - 14 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/10(水) 11:14:33 ID:2.AB.XSk
- リーナとまゆからもプレゼントを貰って、凛は幸せそうに笑っていた。
まゆ「凛ちゃんはライバルであり、お友達ですからねぇ」
凛「これからもよろしく、まゆ」
笑顔で握手を交わす二人。
モバP「もう遅いぞ、お前たち。寝不足は肌に悪い。解散だ解散」
ワガママを聞いてくれたプロデューサーさんだけど、やっぱり今夜は無礼講とはならずに強制解散となった。
夜集まると聞いて、様子を見に来たのが正解かもしれない。
それでも……大人の責任だけじゃなくて、あたしたちや凛を大切に思ってくれてるって。
あたしは信じてる。
モバP「お誕生おめでとう、凛」
最後に残した言葉が、プロデューサーさんの偽らざる気持ちなのだと。
その後、あたしたちは川の字になってバカみたいに眠った。真ん中は当然、凛。

「モバマス」カテゴリの記事
-
- モバP「次の方ー、どうぞー」
- 奈緒「私にラジオのゲスト出演依頼?」
- モバP「よっしーのたまご?」芳乃「たまごでしてー」
- モバP「アイドル商品企画部ー!!」ちひろ「は?」
- モバP「泰葉がちっちゃくなった!?」
- 佐藤心「笑えよ☆」
- 二宮飛鳥「魔法の星から届いた電波」
- 五十嵐響子「思い出を重ねる」
- モバP「カオスな事務所」
- 千川ちひろ「パソコンくらい買いましょうよ」モバP「……」
- 【モバマス】沙理奈「エッチのやり方を教えて欲しい?」美嘉「うん…」【R18】
- 櫻井桃華「この素晴らしき庶民文化探究を、休日に」
- モバP「凛が反抗期になったらしい」
- 凛「いい夫婦の日だって」李衣菜「なるほど」
- 小関麗奈「お年玉袋を使ってイタズラしてやるわッ!」
コメントする
全ランキングを表示