スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
花陽「占いのお姉さん?」希「六番目は緑の森」
- 1 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/15(月) 02:28:47.75 ID:L1a6Y3pX.net
- 【音ノ木坂・中庭】
ジリジリジリ…
花陽(ふー。ここなら日陰になって少しは涼しいよね)
花陽(アルパカさんのお世話と、花壇の水やりは済ませたから、あとは…)
花陽(なんだっけ…眠くなってきちゃった…深夜番組観てたから…)ファー
花陽「…」ウトウト
希「ん?…花陽ちゃん。来てたん?」
花陽「…」
希「あ、あれ?…花陽ちゃん!?」
花陽「…」スヤスヤ
希(なんや、寝てるだけか…でもこんなところで寝ちゃうなんて)クス
希(起こしちゃ悪いし、ずっと寝顔見てるのもデリカシー無い感じやし…どうしよ?)
希(占いでもして待ってようかな。タロット、タロット…)ゴソゴソ
ビュォォォ
希「わっ(…急に風が…)」
パシッ
希(カードが一枚、花陽ちゃんのそばに落ちてる…起こさないように、そーっと…)
希(…小アルカナ、杯の6やね。思い出、記憶、過去の影響…)
ザァ…
希(また風が吹いて…木々の梢が揺れる音がする)
希(木々?…いやいやいや!多すぎやない?…ここ、学校の中庭のはず…)
希(ウチ、夢でも見てるんかなぁ…花陽ちゃんにつられていつの間にか寝ちゃったとか)
希「あ、あれ?…そういえば花陽ちゃんは…?」
花陽「…」ジーッ
希「あ。いたいた…そんなところに隠れ…て」
花陽「!」ビクッ
希「な、なんか小さい?…えーと、花陽ちゃん…だよね?」
花陽「だれ?…おかあさんのおともだち…?」
希「え?…いや、花陽ちゃんのお母さんとは会ったことないはず…」
花陽「しらないひと…?」ビクビク
- 2 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/15(月) 02:31:09.69 ID:L1a6Y3pX.net
- 希(…おかしい。たぶん花陽ちゃんやと思うけど、小さすぎるし…小学生か、もっと年下くらいに見える)
花陽「…」サッ
希(隠れちゃった…警戒されてる?)
希「あ…いや、そうそう!ウチ、花陽ちゃんのお母さんと知り合いやったわ」
花陽「しり…?」
希「お友達や」
花陽「じゃあ、りんちゃんのおかあさんともおともだちなんだ」
希「へ?…凛ちゃんのお母さん?」
花陽「ちがうの…?」
希(疑いの眼差し…嘘はよくないけど、今は信用させたほうが良さそうやね)
希「そ、そうそう。二人とも仲良しや」
花陽「なかよし」ニヘー
希(か、かわいい…でもなんで小さい頃?の花陽ちゃんが…やっぱり夢なんかなぁ?)
花陽「それなに?」
希「え?…ああ、これはタロット」
花陽「たろ…?」
希「占いができるカードや」
花陽「うらないのカード?」
希「うん。恋愛とか金運とか、花陽ちゃんの将来とか…いろんなことがわかるんよ」
花陽「わー。すごい」キャッキャ
希「ふふふ。花陽ちゃんは大きくなったら何になりたいのかな?」
花陽「えーとね…はなよは、あい…」
希「?」
花陽「あのね、やっぱりひみつ」
希「あらら、そうなん?」
花陽「りんちゃんと、おかあさんと、りんちゃんのおかあさんだけなの」
希「へ、へえ…」
花陽「えへへ」
希(…まあ、聞かなくてもわかる気がするけど)クス - 3 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/15(月) 02:34:47.41 ID:L1a6Y3pX.net
- 花陽「…ききたい?」
希「えっ」
花陽「おかあさんのおともだちだから、とくべつにおしえてあげるー」
希「アハハ。それは楽しみやなあ」
花陽「…」ジーッ
希「ん?…どうしたん?」
花陽「…とどかない」シュン
希「へ?…何が?」
花陽「ないしょのおはなしするのー」
希「あー、もしかして…耳?」
花陽「うん」
希「ふふふ。じゃあ、抱っこかな?」
花陽「きゃー」タタタ
希「ちょ、なんで逃げるん…」
花陽「えっちー」
希「えぇ…ウチ何もしてないけど」
花陽「おにごっこ?」ワクワク
希「よーし。捕まえちゃうぞー!」
花陽「わー」キャッキャ
ドタバタ
希(…つ、疲れた。あの凛ちゃんと一緒に遊んでるだけあって、小さい花陽ちゃんも意外と体力あるんかなぁ)
希(それにしても…音ノ木坂に、こんな森みたいな場所あったっけ?)
希「あれ? 花陽ちゃーん?」
花陽「あ…あの」オドオド
希「あ、いたいた…(ん? 少し育ったような…)」
花陽「こんにちは…お母さんのお友だち…ですよね? おねえさん…」
希「うん(小学校低学年くらい…かなぁ。やっぱり可愛いけど)」
花陽「あの…うらないのカード…」モジモジ
希「あー、もしかして占ってほしいの?」
花陽「は、はい。…花陽…あ、アイドル…」 - 4 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/15(月) 02:37:15.95 ID:L1a6Y3pX.net
- 希「んー?」
花陽「わたし、アイドルに…なれますか?」
希(スクールアイドルやってるよ…って言ってもわからんやろな)
希「よし。おねーさんが占ってあげよう」
花陽「!…ありがとう♪」
希(カード、空気読んでよ…まあ変なの出ても、いいように解釈するけど)シュタタタ
花陽「わー。手品みたい♪」
希「こうやって…めくってみて」
花陽「うん」パタ
希(ウチが示したカードは…大アルカナの4番、皇帝の正位置。意志力、行動力からの“成功”)
花陽「それ、なに?…お父さんのカード?」
希「え?…アハハ、お父さんっていうより王様のカードやね」
花陽「わたし、アイドルじゃなくて王さまになるの…?」フルフル
希「い、いや違うよ。アイドルになるって強く思っていれば、きっとなれる。そういう意味のカードや」
花陽「うん。花陽、アイドルになる!」
希「ふふ…頑張って♪」ナデナデ
希(そして…花陽ちゃん自身が引き当てたカードは、大アルカナの21番…“世界”の正位置)
希(“世界”は言わば“自分以外”の要因を示すもの…“運命の出会い”ってとこかな)
希(この組み合わせは…成功への強い意志、行動力が自分自身だけでは生み出せないことを示してる)
花陽「ひげーき、だぁーってかーまわない あーなたといきたいー♪」
希(それにしても…夢ならそろそろ醒める頃やと思うけど…ウチ自身が動かないとダメなんかな?)
希「花陽ちゃん。ウチ、そろそろ行くね。バイバイ」
花陽「まって!…あっ」コケッ
希「おっと…気をつけて。木の根っこがあるから」ギュ
花陽「う、うん…」ギュー
花陽「お母さんよりおっきい…」
希「え?…なに?」
花陽「な、なんでもないです…エヘヘ」
希「じゃあ、今度こそウチは帰るよ」
花陽「また会えますか…?」 - 5 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/15(月) 02:40:09.68 ID:L1a6Y3pX.net
- 希「うん。少し時間かかるかもしれないけどね」
希(さて…帰るとは言ったものの、どっちへ行けば出られるんかな。この森…)
希(…戻って花陽ちゃんに訊こうかな?)
希「花陽ちゃん。まだいるー?」
花陽「え…?」
希(あ…メガネかけてる。また育ってるし…わりと最近の花陽ちゃんかな。小5か6くらい)
花陽「あ…えっと、占いのお姉さん…」
希「ん。どうしたの花陽ちゃん?…元気なさそやね」
花陽「うん…わたし、やっぱりアイドルになれないかも…」
希「そんなことないよ。…どうしてそう思うの?」
花陽「あのね…アイドルになりたいこと、ひみつにしてたでしょ」
『りんちゃんと、おかあさんと、りんちゃんのおかあさんだけなの』
希「ああ…そういえばそうやったね」
花陽「でも、凛ちゃんがみんなにばらしちゃって…」
『凛知ってるよ。かよちんは、アイドルになりたいんだよねー♪』
希「何か言われたん?」
花陽「そのときは、みんな応えんしてくれたけど…今は、アイドルなんて無理だって言う人もけっこういて」
希(少しずつ現実が見えてくる頃なんかな。…でも)
希「アイドルだけやなくて、夢を叶えるんは大変なことやからね」
花陽「たいへん?」
希「うん。ほかの人よりたくさん努力して、頑張った人だけが夢を叶えられるんやないかな?」
花陽「努力…」
希「そう。それが簡単なことやないって知ってるから、自分にはできないなって思ってる人は、無理って言うのかもね」
花陽「そっか。がんばらないとダメなんだ」
希「そやね。頑張れば、きっと──」
花陽「あの…また占ってくれませんか?」
希「占い?(さっきやったばっかりだけど…結果、変わるかな?)」
シュタタタ
希「えーと、最初のカードは…」スッ
希「あれ?…小アルカナは外したはずやのに、混ざってたんかな」 - 7 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/15(月) 02:45:52.13 ID:L1a6Y3pX.net
- 希「!(…これ、杯の6…)」ゾク
花陽「?…お姉さん?」
希(この不思議な森…夢の世界に迷い込む前に、一枚だけ風で飛ばされたカード…)
希(過去の影響…もしかしたら、ただの夢やなくて…)
希(花陽ちゃんとウチしかいない、不思議な森…ここが花陽ちゃんの夢の中だとしたら)
花陽「えっと…占い、どうなんですか?…やっぱり、わたしアイドルには…」
希「い、いや…大丈夫や。これは“チャンスが巡ってくる”って意味のカードなんよ」
花陽「本当!?」
希(現在の…中庭の木陰で居眠りしてた高校生の花陽ちゃんの夢ならいいけど…もし本当に“過去”の花陽ちゃんだとしたら)
希(…たとえ夢の中でも、ウチが関わることで未来が変わってしまう可能性があるんやない?)
花陽「私、がんばります。ありがとう!お姉さん♪」
希「うん。…またね」フリフリ
タタタ…コケッ
希「根っこが…遅かった」
花陽「うぅ…いたいよぉ…」シクシク
希「だ、大丈夫?」
花陽「うん…ケガはしてないみたい…」
希「そっか。…気をつけて帰るんよ」
花陽「はい。じゃあまた…」
希(…傷はなかったけど、夢の中でも痛みは感じるんかな?)
希「…って、しまったぁ!?(…花陽ちゃんについて行けば、この森から出られたかもしれないのに)」ガクッ
希(でも…これ以上、影響を与えないようにしないとマズいかもね…どうやったら夢から醒めるんやろ?)
希(このカードをかざしたら、さっきみたいに風が吹いたりしないかな…)ヒラヒラ
花陽「こんにちは」
希「あ。…花陽ちゃん」ドキ
花陽「…」ペコ
希(中学の制服やね…また可愛くなってる)
花陽「よかった。また会えて…名前も連絡先も聞いてなかったから」
希「う、うん。そやね…」 - 8 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/15(月) 02:48:53.46 ID:L1a6Y3pX.net
- 希「えっ。…いやぁ、花陽ちゃん大きくなったなぁと思って」
花陽「アハハ…やっぱり…私、そんなに太って見えます?」
希「へ?…いやいや、そうじゃなくて。成長したってこと」
花陽「いいですよ…気をつかってくれなくても…ごはんが美味しくて、つい…」シクシク
希「ま、まああれや。育ち盛りやし」
花陽「…お姉さんは」
希「ん?」
花陽「全然、変わらないんですね」
希「え」
ザァ…
花陽「まあ、うちの母も若く見られるほうで…凛ちゃんのお母さんにも、昔と全然変わってないってよく言われるんですけど」クス
希(…花陽ちゃんも、ウチの存在に疑問を感じ始めてる。やっぱり、これはただの夢やない…早く目を醒まさないと本格的にマズいことになるかも)
希「…恋愛運?」
花陽「はい。…最近ちょっと気になる人がいて…占ってくれますか?」
希(…カードがウチをここへ連れてきたなら…もしかして?)
パラララ シュタタタ
希(ウチの占いが、花陽ちゃんの運命を変えるとも思えないけど…そうなる前に、一か八か…!)スッ
希「大アルカナの11番…“正義”の逆位置」
花陽「意味は…?」
希「えーと…片想い」
花陽「アハハ…ですよね」
希(花陽ちゃんから見ればそうなるけど…向かい合ってるウチから見れば、これは正位置…“正しい判断”)
希(…やっぱり、ここから脱出する鍵はカードと見て間違いなさそうや)
花陽「えっと…次は私がめくるんですよね?」
希「うん」
花陽「これは…天使?」
希「大アルカナの20番“審判”の正位置。意味は…再会?」
希(んん?…花陽ちゃんの気になる人って、今はそばにいない人なんかな?)
希(ウチから見ると逆位置で“別れ”になるけど…) - 9 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/15(月) 02:51:25.67 ID:L1a6Y3pX.net
- 花陽「お姉さん?…終わりですか?」
希「あ、ゴメン。もう一枚…」スッ
希「よっしゃ!キター!杯の7、逆位置や!」
花陽「え?…え?」
希(“夢から醒める”)
希「またね。花陽ちゃん…頑張って」ナデナデ
花陽「あっ…お姉さん!?」
ビュォォォ
希「っ…!どない!?」
花陽「あれ…希ちゃん?」ファー
希(学校の中庭や。…無事に起きられたみたいやね)ホッ
希「おはよう。花陽ちゃん…よく眠れた?」
花陽「い、いつからいたの…?」
希「いつからやったっけ…なんか、ずいぶん長い間、花陽ちゃんと過ごした気がするよ」クス
花陽「はあ…そういえば私、思い出したんだけど」
希「え。…な、なに?」
花陽「占いのお姉さん…」
希「!?」 - 10 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/15(月) 02:52:37.73 ID:L1a6Y3pX.net
- 花陽「昔ね、占ってくれた人がいたの…花陽はきっとアイドルになれるって」
希「へ、へえ…そうなんや?」
花陽「顔も名前も思い出せないけど…ちょっと希ちゃんに似てた気がする」
希「あ、アハハ…顔覚えてないのに、なんでウチに似てると思ったん?」
花陽「んー?」
希(やっぱり、あれは花陽ちゃんの夢の中やったんかなぁ?…それとも)
花陽「あの…希ちゃん。お願いがあるんだけど」
希「何か占ってあげようか?」
花陽「ううん。そうじゃなくて…抱きついてもいい?」
希「え!?」
『お母さんよりおっきい…』
『全然、変わらないんですね』
希(それは…マズい気がする。なんとなく…)
希「えっと…ウチ、そろそろ行くわ。ほなー」
花陽「あっ、待って希ちゃん…ちょっとだけギュッとさせてよぉ!」
『よかった。また会えて…』
『最近ちょっと気になる人がいて…』
『意味は…再会?』
希「あかーん!!」ドタバタ
花陽「待ってよぉ!どうして逃げるの!?希ちゃーん!」タタタ
おわり

「ラブライブ!」カテゴリの記事
-
- 真姫「私が一人暮らしするのかどうか?」
- 花陽「ラブライブssあるある。略してラブエスあるあるを……」
- 真姫「友達がいる生活も悪くないわ」
- 穂乃果「新作?」雪穂「うん」
- 真姫「十五夜チケット」
- ことり「うみちゃ~ん、タメ口で喋ってみてよ!」海未「えっ…」
- 海未「………」zzz 真姫「……」ニヤッ
- 真姫「私たちの居間がここにある」
- 海未「もぎゅっと」ギュー ことり「~~///」
- lineトーク 西木野真姫
- 真姫「初夏の風に乗せて」
- 魔女真姫「女の子を捕まえたわ! これから太らせて食べちゃうんだから!///」
- 真姫「百合?ナニソレ、イミワカンナイ!」
- 海未「おくちが痛いです」 絵里「それは大変ね」
- ことり「鬼さんだよっ」ガオー絵里「…」
コメントする
全ランキングを表示