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理事長「…陰謀?」ことり「ちゅんちゅん!」希「南さん…」
- 1 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 07:22:13.46 ID:9UEInBJR.net
- 【四月】
理事長「廃校」
ことり(そんな簡単に…確かに生徒数は目に見えて減ってるけど…)
【中庭】
絵里「そう…ありがとう」
希「ほなー」
ことり(…ほな?)
穂乃果「あの…本当に学校、なくなっちゃうんですか…?」
絵里「あなたたちが気にすることじゃないわ」
ほのうみ「…」
ことり「ほな?」
穂乃果「どうしたの?ことりちゃん」
ことり「生徒会長さんと一緒にいた人って…」
海未「副会長ですね。確か…東條希先輩」
穂乃果「へー。そうなんだ」
ことり「副会長さんって、関西出身だったりする?」
海未「さあ…どうなんでしょう。東京とは違う、どこかの方言のような口調だったとは思いますが…」
ことり「なるほど。そういうこと…」
穂乃果「何の話?」
ことり「これは…陰謀かもしれない」
ほのうみ「陰謀!?」
海未「…はい」ペタ
ことり「それは拇印」
穂乃果「はーやーすぎーる↑ときの またーたきに、さーらーさーれて♪」
ことり「それはINVOKE」
海未「どういうことです?」
ことり「あのね、関西の人って東京を嫌ってたり、対抗意識があったりするっていうでしょ」
穂乃果「そうかなぁ?」
海未「まあ…そういう人もいるでしょうね。関西に限ったことではありませんが…」
ことり「新一年生が入ってきたばかりの、このタイミングで廃校宣告って…ちょっとおかしくないかなぁ?」
- 3 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 07:24:34.49 ID:9UEInBJR.net
- 穂乃果「確かにタイミング悪い感じだよね。受験の前に知ってたら誰も入らなかったかも…」
ことり「だから…きっと、東京の学校を廃校に陥れるために、関西の反東京派の組織が仕組んだ陰謀なんだよ!」
ほのうみ「えぇ!?」
海未「そんな組織があるのですか?」
穂乃果「聞いたことないけど…」
ことり「副会長の東條先輩は、関西の組織が送り込んだスパイなの!」
海未「和風の味付けが好みです。きのことか明太子とか…」
穂乃果「私は王道のナポリタンに、ミートソース!カルボナーラもいいよね♪」
ことり「それはスパゲッティ」
穂乃果「副会長さん、別に怪しい人には見えなかったけど…」
ことり「見た目に騙されちゃダメだよ。穂乃果ちゃん…私にまかせて!」
海未「何をするつもりですか?」
ことり「私が副会長さんの正体を暴いてみせるよ!きぃちゃんの名にかけて!」
穂乃果「え?…お母さんが何か関係あるの?」
ことり「言ってみただけ!」ダッ
海未「あっ…待ってください!ことりー!」
穂乃果「行っちゃった…なんだか、いつになく張り切ってたね。ことりちゃん…」
海未(ことりも廃校のショックで混乱しているのでしょうか…)
希(んー。廃校問題に関して生徒会に何か権限があるわけじゃなし…特にできることもないなぁ)
希(占いでもしようかな…)パラララ
ことり「…」ジーッ
希(…ん?)シュタタタ
ことり(タロットカード…怪しい魔術の使い手…やっぱり西のスパイかも…)ブツブツ
希(な、なんかウチ…めっちゃ見られてる?)ヒヤアセ
ことり「あのっ」
希「な、なに?」
ことり「私のことは気にしないで、続けてください!」
希「うん…まあいいけど」スッ
希「ワンドの2や」
ことり「見たこともない謎のカード…怪しい」ジーッ - 4 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 07:27:16.06 ID:9UEInBJR.net
- 希「いや、これは小アルカナといって…タロットにもトランプのスートにあたる杖、剣、杯、金貨の四種類のシンボルと、それぞれ1から10までの数字、11から14にあたるペイジ、ナイト、クィーン、キングのカードがあるんよ」
希「…で、これは杖のカード…ワンドの2や。意味は…勇気、達成」
ことり「真意を隠して当たり障りのない言葉を…怪しい」ジーッ
希「えぇ…嘘やないよ。…まあ、ほかにもあるけど…“野心”とか」
ことり「野心…やっぱり。西のスパイ疑惑…その核心を垣間見た…」ブツブツ
希「目的の達成には勇気ある行動が必要…ってとこかな」
ことり「目的…?」
希「うん。たとえば廃校を阻止するとか…そういうの」
ことり「どこで穂乃果ちゃんの計画を…怪しい」ジーッ
希「いや、学校が好きな人はウチら含めてたくさんいるやん?」
ことり「そっか。そうですよね…疑ったりしてごめんなさい」
希(…何を疑われてたんやろ?)
ことり「ところで副会長さん。お弁当は?」
希「え?…ああ、お昼ならもう済ませたけど」
ことり「見られたら都合が悪いお弁当…怪しい」
希「い、いや何も都合悪いことないよ。食べ終わったけど、コンビニさんのおにぎりやし…ほら」カサ
ことり「手巻おにぎり…紀州梅」
希「うん。梅干しって美味しいし、元気が出る感じがするやん?」
ことり「奇襲…スッパイ…」ブツブツ
希「もう一個はこれや」カサ
ことり「とり五目…まさか!?」
希「えっ」
ことり「私を狙ってるんですかっ!?」
希「い、いや狙ってないけど…なんでそんな話に?」
ことり「南ことりです」
希「ああ、そんな名前やったっけ…いや狙ってないから。ホンマ…」
ことり「ほんま…ホンマって誰なんですか!?」
希「いや、本間さんやなくて本当にって意味やから…」
ことり「やから!?」
希「いや、輩やなくて…きりがないやん?」 - 5 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 07:30:59.19 ID:9UEInBJR.net
- ことり「穂乃果ちゃんに報告…ううん、お母さんにも知らせなきゃ!」ダッ
希「行っちゃった…南さんて変わった子やなぁ…」
【理事長室】
ことり「お母さん!」
理事長「なあに、ことり。授業が始まっちゃうわよ?」
ことり「副会長さんに気をつけて!」
理事長「東條さんのこと?…何かあるの?」
ことり「私を狙ってるの!これは陰謀だよ。お母さん…」
理事長「えーと…? 東條さん、ことりのことが好きなの?」
ことり「!…そんな…嘘っ!?」
パタン
理事長「あっ、ことり…何だったのかしら?」
【二年教室】
ことり「私は西のスパイと恋に落ちたりしないから!安心して。穂乃果ちゃん」
穂乃果「な、何の話…?」
海未「それより廃校を何とかする方法を穂乃果と話し合っていたのですが…」
穂乃果「なんか良さそうな部活動ってないかな?…目立った実績とか…」
ことり「部活動か…わかったよ。調べてみるね」
海未「ええ。お願いします」
【夜・南家】
ことり「チアリーディング部。ちくわ部…超常現象研究会」カタカタ
ことり「超常現象!?…怪しい」
ことり「これといった実績は無し…部員は一人だけ…」カチ
ことり「!…部長、東條希」
ことり「そういうこと…これで繋がった」
理事長「ことり。ごはんできたから、食事にしましょう」
ことり「はーい♪」パタン - 6 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 07:33:32.75 ID:9UEInBJR.net
- 理事長「今日は炊き込みごはんにしてみたの」
ことり「炊き込み…まさか!?…とり五目?」
理事長「とり?…いえ、たけのこご飯だけど」
ことり「わー、美味しそう♪」
ことりじ「いただきます♪」
チュン(・8・)チュン
穂乃果(ことりちゃんに連絡しておこう)
『え?…遅れる?』
穂乃果「うん。だから海未ちゃんと先に行──」
『待って。私も今、そっちに行くから』
穂乃果「いや、でも私、今から秋葉原に」ポン
穂乃果「わぁ!?」
ことり「おはよう。穂乃果ちゃん♪」
穂乃果「こ、ことりちゃん…びっくりしたぁ…いつから後ろに?」
ことり「ふふふ。どこ行くの?穂乃果ちゃん」
穂乃果「ちょっとUTXまで」
ことり「UTXって…そんな!穂乃果ちゃんまで…?」
穂乃果「ちょっと見学っていうか、様子を見に行くだけだよ」
ことり「元凶…二重スパイ…陰謀…」ブツブツ
穂乃果「ほ、ほら。早く行こっ」ギュ
ことり「穂乃果ちゃん…えへへ。なんかデートみたいだね♪」
穂乃果「そうだね♪…いっそ今日は学校サボ」
ことり「ダメだよ」
【秋葉原・UTX前】
穂乃果「おぉー!すごい!」ベター
ことり「学校とは思えない施設…大きすぎるビル…怪しい」
凛「かよちん!遅刻しちゃうよー?」
穂乃果「あれっ、あの子たちも音ノ木坂の制服…デートかなぁ?」
ことり(一年生…入学したばかりの音ノ木坂よりUTXに興味が?…怪しい)ブツブツ - 7 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 07:41:30.75 ID:9UEInBJR.net
- 『UTX高校へようこそ!』
穂乃果「わあ、何が始まるのかな?」
ことり(あの真ん中の子、一人だけ小さい…怪しい)ブツブツ
\♪キャナイドゥーアイテーキベービ/
穂乃果「あの人たちって、芸能人か何かですか?」
にこ「はぁ!?…あんた、そんなことも知らないの?」
ことり(この人…ものすごく怪しい)ジーッ
にこ「…なによ」
ことり「あなた…今日はどちらから?」
にこ「は?…いや、地元よ地元」
ことり「本当に東京の人?…関西じゃないんですか?」
にこ「ぬぁんでよ。…ほら、音ノ木坂の制服着てるし」
ことり「怪しい…」ジーッ
にこ「な、なに言ってんのよ。変装くらい常識よ。常識」
ことり「どうして変装する必要があるんですか?」
にこ「それは…にこはアイドルだから」
ことり「にこ?」
にこ「…なんでもないわよ。あっち行きなさい。…あんたの連れを放ったらかしてていいの?」
ことり「あ。…穂乃果ちゃん?」
穂乃果「これだ…見つけた!」
ことり「!…陰謀の証拠をつかんだのね!?」
穂乃果「いや、そうじゃなくて…」
にこ「…ついて来ないでよ」
穂乃果「でも、行き先が一緒だし…」
ことり(…怪しい)ジーッ
にこ「思いっきり見られてるんだけど…」
穂乃果「ことりちゃん…失礼だよ?」
ことり「穂乃果ちゃんは怪しいと思わない?」
穂乃果「それは…まあ、見た目はちょっと怪しいかも…」
にこ「あんたたち…せめて聞こえないように言いなさいよ!」 - 9 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 07:46:17.92 ID:9UEInBJR.net
- 【音ノ木坂】
穂乃果「アイドルだよ!アイドル♪」
海未「そんなことで生徒が集まると思いますか!?」
穂乃果「それは…あれ、ことりちゃんは?」
【理事長室】
理事長「何か良い方法があるんですか?」
ことり「やっぱり陰謀だよ…お母さん!」
希「…いや、なんで南さんがいるん?」
ことり「私のことは気にしないでください」
希「ま、まあいいけど…」
絵里「でも!このまま何もしないわけには」
希「エリち!」
ことり「副会長さん!」
希「へ?…な、なに?」
ことり「…」ジーッ
理事長「え?…あ、ことり!」チラ
絵里「?…理事長!」
ことり「これで…繋がった」
のぞえりりじ(…何が?)
【屋上】
穂乃果「いい考えだと思ったんだけどな…」
希「…」
ことり「…」
希「…いや、行ってあげたら?」
ことり「気にしないでください」
希「そう言われても…」
ことり「どうして穂乃果ちゃんを見てるんですか?…まさか」
希「な、なに?」
ことり「今度は穂乃果ちゃんを狙って」
希「ないから!今度も何も、南さんのことも狙ってないし…」 - 10 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 07:50:03.81 ID:9UEInBJR.net
- ミズガー♪ナクチャターイヘン
穂乃果「…ん?」
希「ちょ…離して。ここにいたら邪魔になるやん?」
ことり「ダメです。一緒に行きましょう」
穂乃果「あれ?…ことりちゃんに、副会長さん?」
【音楽室】
パチパチパチ
真姫「ヴェぇ!?」
ことり「すごーい♪」
穂乃果「感動しちゃったよ!」
真姫「はあ…(なんで三人も…)部活か何かですか?」
希「いや、気にしないで…別に音楽室を使う予定はないんよ」
穂乃果「アイドルみたいに可愛い♪」
真姫「…///」
ことり「…おかしい」
真姫「は?」
ことり「この時間に音楽室を使ってる人が、ほかに誰もいないなんて…」
希「えーと…吹奏楽部はほら、運動部みたいな基礎トレーニングもあるし…」
穂乃果「あとは合唱部?…まあ、練習は音楽室じゃなくてもできるよね」
真姫「…私、もう行ってもいいですか?」
ことり「待って!…あなた、関西出身だったりしない?」
真姫「なにそれ…イミワカンナイ」
【生徒会室】
絵里「…これは?」
穂乃果「アイドル部、設立の申請書です」
絵里「最低五人は必要なの」
希「あと二人やね」
ことり「…怪しい」ジーッ
海未「何が怪しいんです?」 - 11 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 07:56:13.94 ID:9UEInBJR.net
- ことり「私たちは三人。ここにいる生徒会長さんと副会長さんをあわせて、ちょうど五人になるの」
穂乃果「どういうこと?」
ことり「つまり…生徒会長さんと副会長さんをアイドル部に入れろってことでしょ!?」
絵里「なに言ってるの。私がそんなことするわけないでしょう」
ことり「アイドルに否定的な人が入ることでトラブルを引き起こし、解散に追い込む…これは陰謀だよ!」
穂乃果「いや、解散も何も…まだ始めてもいないんだけど…」
海未「とにかく、あと二人部員が必要ということですから…」
穂乃果「そうだね。行こ」
絵里「待ちn」
ことり「待って!…入れてあげよう。二人を」
ほのうみのぞえり「えっ」
穂乃果「二人って…」
ことり「もちろん、生徒会長さんと副会長さんだよ」
希「いや、ウチはともかくエリちはまず入らないと思うけど…」
ことり「陰謀のために私たちを監視する必要がある…でも、同じ環境にいるなら私たちだって二人を監視することができる」
海未「はあ」
ことり「その挑戦、受けて立ちます。…さあ、アイドル部に入ってください!」
絵里「やらないって言ってるでしょう。申請は却下よ」
パタン
ことり「…おかしい。陰謀のにおいがする…」ブツブツ
海未(いや、おかしいのはどちらかというと…)
穂乃果(ことりちゃんの言動のほうが…)
【南家】
ことり「…っていうことがあったんだけど」
理事長「へえ。スクールアイドルね…」
ことり「それよりUTXだよ!…怪しいと思わない?」
理事長「確かに、普通の学校とはちょっと違うみたいだけど…」
ことり「生徒を根こそぎさらっていって、近隣の弱小校を次々と潰して…ゆくゆくは東京を…ううん、世界を支配するつもりなんだよ!」 - 12 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 07:59:28.42 ID:9UEInBJR.net
- 理事長「世界って…まあ、東京は世界への影響力もそれなりにあるとは思うけど…」
ことり「そうでしょ!…ところでお母さん、おやつは?」
理事長「え?…ああ、穂むらの桜餅があるわよ」
ことり「わあ、ありがとうお母さん♪ いただきます」
理事長「もうすぐごはんだから、一個だけよ?」
ことり「半分こしようよ。お母さん♪」
理事長「そうね。ふふ…ありがとう。ことり♪」
ことり「えへへ♪」
理事長「そういえば、きぃちゃんが言ってたんだけど…この道明寺って、関西風の桜餅なんですってね」
ことり「関西!?…そんな。穂乃果ちゃんのお母さんまで…?」プルプル
理事長「え?」キョトン
【後日】
穂乃果「ライブです!」
絵里「新入生歓迎会は遊びではないのよ」
希「とやかく言う権利はないはずや」
ビュォォォ
希「カードがウチにそう告げるんや!」
ことり「…」ジーッ
絵里「南さん…まだいたの?」
ことり「怪しい…」
希「いや、これは普通の大アルカナやし…ほら、太陽のカードはわかるやろ?」
ことり「風が吹くのを読んでたみたいに窓際へ…」
希「偶然や、偶然!…そもそも、それが何の陰謀になるん…」
ことり「黒幕からの秘密連絡かも…」
絵里「何の話?」キョトン
希「いや、なんか南さんは廃校の件が誰かの陰謀やって言うんよ…」
絵里「!…その話、詳しく聞かせてくれる?」
希「南さんの妄想やろ!?真に受けたらアカンよ」
ことり「ここだけの話、実は副会長さんが…」ヒソヒソ
絵里「…なるほど。今まで深く考えたことなかったけど…東京出身のはずなのに、不自然な方言…確かに怪しいわね」
希「不自然で悪かったね…」 - 13 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:04:24.67 ID:9UEInBJR.net
- 絵里「私も、変だとは思っていたのよ…希は事あるごとに南さんたちに味方して…」
ことり「やっぱり怪しいですよね!」
希「そんな言うんやったら、もう味方しないよ!?」
【職員室】
教師「お前らが?…アイドル!?」フッ
穂乃果「鼻で笑った!?」
ことり「…おかしい」
穂乃果「ことりちゃんまでそんな…」
ことり「先生。あの空き教室…使えない理由があるんじゃないですか?」
ほのうみ「えっ」
教師「理由も何も、教室は教室だからな。許可なく使わせるわけには…」
ことり「何か都合が悪いことがあるんですか?…たとえば」
ほのうみ「たとえば?」
ことり「人に見られたら困る物を隠してる…とか」
教師「何だ、見られて困る物って…」
ことり「たとえば。大量の…」
ほのうみ「大量の?」
ことり「現金!」
ほのうみ「現金!?」
ことり「脱税、横領など不正な手段で得た、表には出せない多額の現金…いわゆる裏金です!」
海未「そ、そんなものが学校に…?」
穂乃果「先生!いったい何やったんですか!?」
教師「いや、あるわけないだろ?…教室に鍵かけたくらいじゃ、窓でも割れば簡単に盗まれるぞ。現金なんて…」
ことり「アハハ…ですよね…」
ピシャ
ことり「…でも、やっぱり怪しいよね」
海未「何がです?」
ことり「音ノ木坂って、すごく生徒数が少ないでしょ?」
穂乃果「うん…私たちで2クラス、今年の一年生は1クラスしかないもんね」 - 14 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:10:39.17 ID:9UEInBJR.net
- ことり「部活動だって規模は高が知れてる…なのにグラウンドも体育館も全然、空きがないって…ちょっとおかしくないかなぁ?」
海未「そういえば…ちょっと不自然かもしれませんね」
穂乃果「でも実際、空きは全然なかったよね?」
ことり「これって、やっぱり陰謀だよ!」
海未「もうお米がありません…ガスも水道も止められてしまいました…」
ことり「それは貧乏」
穂乃果「お米がないなら、そうめんを食べればいいじゃない!」
ことり「それは揖保乃糸」
穂乃果「…で、何が陰謀なの?」
ことり「何者かが、私たちが活動できないように邪魔してるんだよ!」
海未「そんなことが…でも、いったい誰が、何のために?」
ことり「たとえば、音ノ木坂の土地を手に入れるため。だから廃校を阻止されたら都合が悪いんだよ」
穂乃果「な、なるほど…確かに都会で、こんなに広い土地って…かなりの価値があるよね」
ことり「普通に生徒が部活動で使ってるように見えるグラウンドや体育館…あの中にも、実は音ノ木坂の生徒じゃない、黒幕に雇われたエキストラがいるんじゃないかなぁ?」
ほのうみ「!」
ことり「よし。部活動を調べてみよう」
【屋上】
希「…まさか、ここにたどり着くとはね」
ことり「やっぱり…あなただったんですね」
希「きみたち…科学で解明できないものは、存在しないと思うかね?」
ほのうみ「えっ」
海未「超常現象…」
穂乃果「研究会?」
希「そう…UFOから心霊、UMA、都市伝説…学校の七不思議にいたるまで、科学では解明できないあらゆる物事を研究するのが、ウチら…超常現象研究会や!」
ことり「ウチ“ら”って…部員は副会長さん一人だけですよね?」
ほのうみ「な…なんだってー!!」
希「フフフ…三対一ならキミたちに分があると…そう思ってるんやろ?…けど」
ことり「…私たちアイドル部は、正規の部活動じゃないから…」
希「そういうことや。部活動でない限り、学院内のいかなる場所にも、占有権は発生しない」 - 15 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:14:39.32 ID:9UEInBJR.net
- 海未「つまり…放課後はほとんど人の出入りがない、この屋上でさえ…」
穂乃果「私たちが独占できないってこと!?」
希「フフッ…その通り。ちなみに──」
ことり「…超常現象研究会も、正規の部活動じゃないですよね?」
穂乃果(…というわけで、屋上を私たちの練習場所として使わせてもらうことにしたよ♪)
ヴヴヴ
『今日は穂乃果ちゃんちに行ってきます。遅くなるときはまた連絡するね』
理事長「ことり…」クスン
【高坂家】
\コドクッノッセッツッナッサ♪/
海未「楽しく歌っているようですが、ずっと動きっぱなしです。それでも息を切らさず笑顔でいる」
ことり「…怪しい」
ほのうみ「えっ」
ことり「最初にUTXで見たときから思ってたんだけど…このA-RISEって、実在する人間なのかな?」
海未「それは…どういう…」
ことり「ちょっと見て。このプロフィール…」カチ
穂乃果「センターヴォーカル・リーダー。綺羅ツバサ…これがどうかしたの?」
ことり「綺羅なんて苗字の人、いるかなぁ?…吉良とかならわかるけど」
海未「芸名じゃないんですか?…いまどき日本語でカタカナの名前というのも変ですし…」
ことり「そう、変なの!…ほら、こっちの統堂英玲奈さんは別に普通の名前でしょ?」
穂乃果「じゃあ、統堂さんは本名なんじゃない?」
ことり「三人しかいないグループで、全員が芸名ならわかるけど、本名の人と芸名の人がいるって変じゃない?…そもそもスクールアイドルは芸能人じゃないよね?」
海未「つまり…どういうことです?」
ことり「A-RISEは作られたCG映像で、人としては実在しない。または、アンドロイドか何か…じゃないかなって」
ほのうみ「えぇ!?」
穂乃果「で、でも…こんなにリアルなんだよ?…人間にしか見えないけど…」
ことり「じゃあ…生身のA-RISEに会ったこと、ある?」
海未「私はありませんが…」
穂乃果「私も…」 - 16 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:23:09.87 ID:9UEInBJR.net
- 海未「って、そんなことより!…少なくとも私たちは生身の人間なのですから。息を切らさず笑顔で歌えるように、練習が必要だと言いたかったのです!」
ことり「もう少しで、ごまかせると思ったのに…」チッ
穂乃果「舌打ち!?」
【夜・南家】
理事長「おかえり。ことり…」ギュー
ことり「お母さん。ちゃんとごはん食べた?」
理事長「ことりの分もあるわよ。すぐあたためるからね♪」
ことり(穂乃果ちゃんちでおだんごとか食べちゃって、あんまりお腹空いてないんだけど…)
ことり(明日からハードな練習するみたいだし…まあいいや。食べちゃお♪)
ことり「お肉やわらかーい♪すっごく美味しいよ。お母さん♪」
理事長「うふふ。ことりがいない間に、じっくり煮込んでおいたから♪」
チュン(・8・)チュン
【神田明神】
穂乃果(…死にそう)ゼーハー
ことり(陰謀だよ…絶対…)ハァハァ
希「スピリチュアルな場所やからね」
ことり「…怪しい」ジーッ
希「アハハ…そんなこと言ったらバチがあたるよ?」
ことり「巫女さんのバイトして…超常現象研究会…」
希「うん?」
ことり「生徒会の仕事、いつしてるんですか?」
希「えぇ…いや、ちゃんとやってるよ。むしろ今は超常現象研究会はほとんど活動してないし…」
ことり「そうですよね…生徒会長さん一人に仕事押しつけたりしませんよね」
希「そ、それは…まあ、あったり無かったり…」
【生徒会室】
絵里「」クシュン
絵里(…花粉症?…いや、まさかね…)
絵里「」チーン
ことり「…」ジーッ
絵里「南さん!?…やだ、いつから見てたの?」 - 17 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:25:48.98 ID:9UEInBJR.net
- ことり「今来たところです。…それより」
絵里「その後、何か情報はつかめた?」
ことり「はい。幾つか…後で報告します。ところで…それ」
絵里「え?…ああ、これ?」
ことり「謎の書類の山…それ、全部生徒会の仕事なんですか?」
絵里「廃校問題絡みでいろいろ増えてるのよ。…ただ」
ことり「ただ?」
絵里「…確かに、何だかよくわからない物も混ざっているわね…ほら、これとか」
ことり「牛すじがとろける!絶品シチュー」
絵里「ただのレシピみたいだけど…なぜか理事長の認印があるのよ。ここに…」
ことり(…これ、昨日食べたやつだ)プルプル
絵里「南さんは、どう思う?」
ことり「美味しかったです♪」
絵里「…え?」
【屋上】
真姫「興味ないです!」
ことり「怪しい…」ジーッ
真姫「は?…何が怪しいっていうんですか?」
ことり「そこまでやりたくない理由があるんだよね?」
真姫「理由なんて…別にないですけど」
ことり「そうかなぁ?…西木野さん、音ノ木坂が廃校にならないと都合が悪いんじゃない?」
真姫「…どういう意味ですか?」
ことり「西木野さんの家って、病院を経営してるんだよね?」
真姫「それが何だっていうのよ」
ことり「音ノ木坂の土地に新しい医療施設を建てる計画とか、もうできてるんじゃないかなって」
ほのうみ「えぇ!?」
ことり「お金持ちみたいだから、きっと音ノ木坂の土地も買えちゃうんじゃないかな?…学校さえ無くなれば」
真姫「イミワカンナイ!…全部あなたの妄想でしょ!?」
ことり「違うって証拠はあるの?」
真姫「母は音ノ木坂の卒業生です。廃校になればいいなんて思うはずないわ!」 - 18 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:28:50.11 ID:9UEInBJR.net
- 海未「ことり。もう止めましょう…なぜそこまで西木野さんを疑うのですか?」
ことり「だって…苗字に“西”ってついてるし、西のスパイなんじゃないかと思って」
穂乃果「そんな理由で!?」
ガチャ ギィ…
絵里「ちょっと…いいかしら」
穂乃果「あ、生徒会長さん」
海未「何か御用でしょうか?」
絵里「スクールアイドルが今まで無かったこの学校で、やってみたけどやっぱりダメでした…となったら、みんなどう思うかしら?」
ことり「陰謀に違いない、と…」
絵里「そうね。私も、この学校がなくなってほしくない…本当にそう思っているけど…これは、そう簡単な問題ではないわね」
ことり「陰謀を暴くためには、生徒会長さんの協力も必要です!」
絵里「ええ。もちろん…私にできる限りの協力は惜しまないつもりよ。…ただ」
ことり「副会長さんが敵か味方かわからないと…」
絵里「…生徒会としては、表立って動ける場面が限られてしまうわね」
ことり「私もお手伝いします!副会長さんの正体を突き止めましょう!」
絵里「ええ!音ノ木坂の白鳥と呼ばれた、おばあさまの名にかけて!」
真姫「…この人たちダメかも」
【放課後】
穂乃果「あったよー!一枚♪」
ことり「…おかしい」
海未「またですか…何がおかしいんです?」
ことり「一枚だけって変じゃないかな?…陰謀かもしれないよね」
穂乃果「え?…なんで?」
ことり「本当はほかにも入ってたのに、誰かが処分した…とも考えられない?」
海未「単に注目されなくて集まらなかっただけなのでは…」
穂乃果「とりあえず見てみようよ。陰謀とかは正直よくわからないし…」ペラ
穂乃果「ミューズ…石鹸?」
海未「違います」
ことり「怪しい…」
穂乃果「アハハ…今度は何の陰謀?」 - 22 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:36:42.21 ID:9UEInBJR.net
- ことり「きっと、最初は他社の石鹸の名前が書かれた紙も入ってたんだよ。でも必ずミューズが選ばれるように、それ以外は全部」
海未「元々なかったと思いますよ。そもそも石鹸は関係ないですから…」
ことり「μ's…いいと思う。私は好きだな♪」
海未「切り替え早すぎませんか…」
穂乃果「うん。今日から私たちはμ'sだ♪」
【夕方・神田明神】
真姫「な、何するのよ!?」
希「まだ発展途上といったとこ…ろ」
ことり「…」ジーッ
真姫「南先輩…何してるんですか?」
ことり「怪しい…やっぱり副会長さんって」
希「な、なに?」
ことり「女の子の胸が好きなんでしょ!?」
希「まあ、好きだけど…」
真姫「ヴェぇ!?…変態!」ダッ
希「あ、ちょっと!変態はひどくない!?」
ことり「さて、練習練習♪」タタッ
希「ちょっとー!言うだけ言って放ったらかしなん!?」
【夜・南家】
ことり「今日も疲れたぁ…」ファー
理事長「お疲れさま。明日も朝、早いの?」
ことり「うん…ライブまでは毎日練習かなぁ」
理事長「そう…(ことりと水入らずの時間が減っちゃうわね)」クスン
ことり「でも、体力使うぶん食欲もあるし…お母さんが作ってくれるお弁当、いつも楽しみなんだ♪」
理事長「ことり…(明日も頑張ろう♪)」
チュン(・8・)チュン
【高坂家】
雪穂「μ'sって書いてあるけどー?」
ことり「…怪しい」
穂乃果「ことりちゃん!?…いつの間に来てたの?」 - 24 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:39:31.96 ID:9UEInBJR.net
- ことり「おはよう。それより気をつけて、穂乃果ちゃん…このCD」
穂乃果「いつの間に受け取ったの!?」
ことり「何が入ってるかわからないよ…陰謀のにおいがする」
穂乃果「え?…いや、曲じゃないかな?…μ'sって書いてあるし」
ことり「そこだよ!…μ'sなんて、まだ人気も知名度も皆無だし…世界で三人しか知らないはず」
穂乃果「いや、グループ名考えてくれた人も知ってると思うんだけど…」
ことり「その限られた、ごくわずかな人たちの中の誰かが送ってきたことになるよ。私じゃないし、穂乃果ちゃんでもないよね?…となると残りは…」
ガラッ
ことり「穂乃果ちゃんのお母さん!」
ほの母「え?…なあに?」
穂乃果「アハハ…とりあえず、これ聴いてみない?…海未ちゃんと三人で…」
\アイセー♪/
海未「私たちの曲…」
穂乃果(これ、西木野さんの声だよね…やっぱり素敵だなぁ♪)
ことり(海未ちゃんの怪しいポエムが、ちゃんとした歌になってる…)
【後日・神田明神】
海未「三分休憩です」
穂乃果「ふー。…あれ、ことりちゃんは?」
希「…」サッサッ
ことり(…怪しい)ジーッ
希「お、おはよう。南さん…」
ことり「巫女さんのバイトって、いつからやってるんですか?」
希「えーと、音ノ木坂に入ってから…かな?」
ことり「音ノ木坂には一年の最初からずっと?」
希「うん。転校でも編入でもなく、ずっといるよ」
ことり「じゃあ、それ以前は関西に?」
希「いや、ウチ別に関西人やないし…」
穂乃果「ことりちゃーん!休憩終わりだよー!」
ことり「あ…西木野さん」
真姫「…どうも」 - 25 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:44:08.03 ID:9UEInBJR.net
- 穂乃果「真姫ちゃんが作ってくれた曲でしょ?」
真姫「だから私じゃ」
ことり「怪しい!」ジーッ
真姫「ヴェぇ…またなの?」
ことり「知られたら困る理由があるんだ…そうだよね?」
真姫「ないですよ。そんなもの…」ハァ
【音ノ木坂】
モブ三年A「ほんと!?」
モブ三年B「行く行く!」
穂乃果「…あれ? 海未ちゃん…?」
【屋上】
ことり「怪しい…」
ほのうみ「えっ」
穂乃果「何が怪しいの?…ことりちゃん」
ことり「さっきの人たち…絶対ライブに来ないよ」
穂乃果「アハハ…まあ、新入生歓迎会だし…三年生は仕方ないよ」
ことり「やっぱり陰謀だよ!一人も見に来ないかもしれないよ!?」
海未「まあ、それなら緊張しなくて済むと思いますけど…」
穂乃果「そんなの嬉しくないよー!」
【夕方】
花陽「ライブ…見に行きます…」
海未「では一枚二枚と言わず、これを全部」
穂乃果「海未ちゃん!」
絵里「…」
ことり「…」ジーッ
絵里「…なに?」
ことり「もしかして…狙ってます?」
絵里「え?…何を?」
ことり「小泉さんを」
絵里「あのメガネの一年生?…ないわよ」
ことり「…怪しい」 - 26 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:51:06.72 ID:9UEInBJR.net
- 絵里「いや、可愛いとは思うけど…別に今は小泉さんを見てたんじゃないし」
ことり「そうですか…まあいいです。…それで、生徒会長さんはどうします?」
絵里「あなたたちのライブ?…そうね…正直、私はスクールアイドルの活動には協力する気はなかったんだけど」
ことり「そうなんですか?」
絵里「まあね。…ただ、廃校を目論む何者かがあなたたちの邪魔をしているとなると…その思惑通りにはしたくないから」
ことり「はい。悪の陰謀から音ノ木坂を守りましょう。必ず!」
絵里「ええ。音ノ木坂を守るためなら、何だって利用するわ!」
ことえり「フフフ…」
希(エリちもすっかり染まっちゃって…まあ、ウチ以外の友達もできたみたいでよかったけど)
【新入生歓迎会当日】
フミコ「ごめん…頑張ったんだけど…」
ことり「想定の範囲内」
ほのうみ「えっ」
ことり「陰謀は私たちも見抜いていたけど…その黒幕にたどり着くためには一ヶ月じゃ足りなかった…それだけのこと」
ことり「でも!私たちはそんな陰謀なんかに負けたりしない…それを見せつける!」
穂乃果「よくわかんないけど…」
海未「そうですね…このまま何もしないで舞台から下りるのは嫌です」
花陽「あれ?…ライブは…?」
ことり「歌おう!」
海未「はい!」
穂乃果「うん!」
\アイセー♪/
絵里「行くわよ。全員、速やかに着席!」
生徒会モブABC「了解!」
真姫「なんで私まで…」
希「まあ、いないとまた怪しまれて面倒くさいし」
真姫「…そうですね」カミノケクルクル
穂乃果(なんか人増えてきた…)
海未(もう最前列は埋まりましたね…)
\ヘイスターダッ♪/ - 27 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:54:43.62 ID:9UEInBJR.net
- 【後日・理事長室】
ことり「最初は誰もいなかったけど、途中からたくさん来てくれて…結構盛り上がったよ♪」
理事長「そう。よかったわね」ニコ
絵里「ですが、開演時刻に誰もいなかったのは不自然です。何らかの妨害工作があったことは間違いないと思います」
理事長「そう言われても…」
絵里「陰謀を暴くためにも、生徒会の活動を許可してください!」
理事長「それはダメよ」
ことり「お母さん!」
希(…何が正しいのか、ウチにもわからなくなってきたわ)
【高坂家】
海未「すごい再生数ですね…」
ことり「…怪しい」
穂乃果「今度は何?」
ことり「この動画、私たち以外の誰かがアップロードしたんだよね?」
海未「まあ、そうなりますね…」
ことり「小泉さん?」
花陽「…」ジーッ
穂乃果「…は、たぶん違うよね」
ことり「じゃあ、やっぱり…」スーッ
海未「ことり?…どこへ行くんですか?」
タタタ…ガラッ
ことり「穂乃果ちゃんのお母さん!」
ほの母「え?…どうしたの?ことりちゃん」
穂乃果「なんで毎回お母さんが選択肢に入ってるの…絶対ありえないよ」
【六月・神田明神】
ことり(視線を感じる…しばらく動きがなかった“敵”が動きだしたのかな)
ことり「…想定の範囲内」フッ
穂乃果「どうしたの?ことりちゃん」
ことり「…変な人が私たちを監視してる」
穂乃果「え!?」 - 28 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 08:58:56.43 ID:9UEInBJR.net
- ことり「大丈夫。こっちも何も準備してないわけじゃないから。…フフフ」
穂乃果「ど、どうするの?」
ことり「気にしないで、私たちはいつも通り練習してるだけでいいよ♪」
にこ(隙がないわね…向こうが先に私に目をつけてきただけのことはある)
『どうして変装する必要があるんですか?』
『怪しいと思わない?』
にこ(フン…今日のところは見逃し…て)
ことり「…」ジーッ
にこ「うわ!?…あ、あんた…いつの間に」
ことり「フフフ…あっちにいるのが私だと思った?…残念、あれはお母さん」
にこ「うそ!?」
ことり「はい。嘘です♪」
にこ「…あんたと遊んでるヒマはないんだけど」
ことり「UTXで会いましたよね?…四月に」
にこ「だったら何だってのよ」
ことり「アイドル研究部の…矢澤にこ先輩♪」
にこ「は、はぁ?…誰それ?」
ことり「あのとき“にこ”って言いましたよね?…部活動のこと調べるついでに検索かけたら、一人しかいなかったので」
『…ほら、音ノ木坂の制服着てるし』
『にこはアイドルだから』
『にこ?』
にこ「あ、あんた…何者?」
ことり「知ってるんでしょ?…スクールアイドル、μ'sの南ことりです♪」
にこ「フン…なにがアイドルよ。あんたたちなんて──」
にこ「あ、あれ?…いない」
穂乃果「何してたの?ことりちゃん」
ことり「ちょっとファンの子とお話してたの♪」
穂乃果「え、ことりちゃんのファン?」
にこ(誰があんたのファンになんてなるかっての。調子に乗って…次はこうはいかないわよ!) - 31 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 09:05:51.65 ID:9UEInBJR.net
- 【音ノ木坂】
希「やめるつもりははないようやで? にこっち」
にこ「…フン」
ことり「ふふん♪」
にこ「どわぁ!?…だからあんたはなんでいつもいるのよ!ひとの横とか後ろに…」
ことり「いつでもどこでも、あなたの斜め下から生えてくる…南ことりです♪」
にこ「軽くホラーね…」
希「スピリチュアルや」
ことり「アイドル研究部って今は何やってるんですか?」
にこ「あんたには関係ないでしょ」
ことり「怪しい…」
にこ「別に怪しくないわよ。あんたらと違って、こっちは正規の部活動なんだから」
ことり「部員は募集してないんですか? 一人じゃほとんどまともに活動できないですよね?」
にこ「余計なお世話よ。…それとも何、μ'sとかを辞めてこっちに寝返る気でもあんの?」
ことり「それだと私が黒幕みたいだけど…もしそうするって言ったら、入れてくれるんですか?」
にこ「あんた…本気?」
ことり「…うふふ♪」
【アイドル研究部・部室】
ことり「せまーい…くらーい」
にこ「うっさいわね。今、灯り点け──」パチ
にこ「!?」
ことほのうみのぞえりまきりんぱな「おかえりなさいませ♪」
希「にこっち♪」
にこ「あ、あんたたち…何のつもり?…あんたまで…」
絵里「悪の陰謀に立ち向かうには、秘密基地が必要でしょう?」
ことり「こちらへ寝返ることにしたので、全員連れてきました♪」
にこ「なに言ってんのよ。私は全員入れるなんて一言も…」 - 33 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 09:07:40.10 ID:9UEInBJR.net
- 希「でも二人だけやと、一人裏切ったら一人ぼっちになっちゃうやん?」
にこ「なんで裏切る前提なのよ」
海未「裏切らないと信じられるなら、何人いても構いませんよね?」
にこ「…言っとくけど、部長は私よ。何人入ってきても譲らないわよ!」
穂乃果「もちろんです。部長!」
ことうみのぞえりまきりんぱな「部長!」
にこ「…」フルフル
凛「あれー?…もしかして泣いてる?」
にこ「な、泣いてないわよ!…アイドルはいつでも笑顔!」
にこ「にっこにっこにー!」
【夏】
絵里「ことりが…怪しい?」
希「うん。ウチらに何か隠してる気がするんよ」
にこ「なにそれ?…ことりの病気がうつったんじゃないの?」
真姫「まあ…人の秘密を探るのは好きでも、自分の秘密は隠したいっていうのはわからなくもないけど」
絵里「例のメイドカフェの件以外にも、まだ私たちに隠してることがあるのかしら?」
花陽「ことりちゃんの…陰謀?」
凛「きっと、とんでもないこと考えてるにゃ!」
にこ「ろくでもないことの間違いでしょ?」
のぞにこりん「アハハハ!」
絵里(…ことりの秘密、か) - 34 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 09:16:33.10 ID:9UEInBJR.net
- 【秋】
希(μ'sの活躍もあって、入学希望者は前年度の約三倍に増えたそうや。廃校も当面なくなったし、みんなでお祝い!のはずやったけど…)
にこ「ちょっと…どういうこと?」
ことり「前から服飾の勉強したいって思ってて…でも」
穂乃果「ことりちゃん…どうして」
絵里「穂乃果」
ことり「でも、この留学の話…陰謀のにおいがする」
ほのうみのぞえりにこまきりんぱな「えっ」 - 35 : 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/28(日) 09:17:54.71 ID:9UEInBJR.net
- ことり「知らない人だし、なんか怪しいし。だから…行くのやめちゃった♪」
ほのうみのぞえりにこまきりんぱな「」ポカーン
ことり「だって、私だけ海外留学なんて…誰かが私と穂乃果ちゃんの仲を引き裂こうと企んでるみたいじゃない?」
穂乃果「誰かって…誰が?」
ことり「…お母さん」
ほのうみのぞえりにこまきりんぱな「えぇ!?」
ことり「だって、お母さん…私のこと大好きなんだもん」
海未「確かに…ことりを穂乃果に取られたと思ったのかもしれませんね」
穂乃果「ま、まあ…とにかく行かないでくれてよかったよ♪」
ことり「だって、穂乃果ちゃんは私の初めての友達だよ。そんなの当たり前だよ♪」ギュ
穂乃果「ことりちゃん…///」
ことり「それに…新しい友達もできたし♪」
絵里「ことり…」
希「ことりちゃん」
にこ「私たち、先輩なんだけど?」
ことり「禁止、でしょ?」
真姫「ふふっ」
凛「あははっ」
花陽「えへへ」
にこ「まったく…まぎらわしいこと言うから、せっかくのお祝いムードが台無しじゃない。仕切り直しよ!」
海未「では、あらためて…」
\カンパーイ!!/
理事長(もう少しだったのに…どうしてバレたのかしら)クスン
ことり「ただいま。お母さん♪」ギュー
理事長(…今は、陰謀はちょっとお休みして…ことりが喜ぶ献立でも考えようかな♪)
おわり

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