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悪の首領「崖から落ちたヒーローの生死を確認してはならぬ」
- 1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 01:29:45.40 ID:D2IxZYU2o
- 首領「終わりだっ!」ドゴッ!
ヒーロー「ぐ、は……っ!」
ヒュゥゥゥゥ……
手下「やりましたね、首領サマ! ヒーローの奴、崖から落ちていきましたぜ!」
首領「うむ、この高さでは助かるまい。アジトへ戻るぞ」
手下「ところで、首領サマ」
首領「ん?」
手下「こういう時、オレたちのような悪党はヒーローの生死を確認しませんが……」
手下「一体なぜですか?」
- 2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 01:33:40.39 ID:D2IxZYU2o
- 首領「知りたいか?」
手下「知りたいです!」
首領「どうしても?」
手下「ど……どうしても!」
首領「……ならば教えてやろう。お前も知っておいた方がいいことだしな」
首領「あれは20年ほど前だったか……」 - 3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 01:37:00.54 ID:D2IxZYU2o
- 当時の私はある悪の組織で、下っ端戦闘員として働いていた……。
下っ端「追い詰めたぞ、正義仮面! やっちまってくだせえ、ボス!」
ボス「うむ、トドメじゃ!」ドカッ!
正義仮面「ぐわっ……!」
正義仮面「お、落ちるっ……!」
ヒュゥゥゥゥ…… - 4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 01:41:30.32 ID:D2IxZYU2o
- 下っ端「さすがボス! あの正義仮面を崖下に叩き落とすとは! さ、帰って祝勝会といきやしょう!」
ボス「……」
下っ端「どうしました? 早く帰りましょうや!」
ボス「いや……待て」
下っ端「へ?」 - 5 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 01:46:07.71 ID:D2IxZYU2o
- ボス「正義仮面が本当に死んだかどうか確かめねばならん」
下っ端「いやいやいや! ボス! この崖は高さ50mはありますよ? 絶対死んでますって!」
ボス「貴様如きがなぜそう言い切れる!?」
下っ端「ひっ!」
ボス「正義仮面があの程度で死ぬとは考えられん……」
ボス「勝利の美酒に酔うのは、ヤツの死を確認してから、じゃ」
下っ端「は、はいぃっ!」
下っ端(すげえ……この油断のなさ! これぞ悪のボスってやつだぜ!)
下っ端(いつか俺もこの人みたいな悪の首領になりてえ……!) - 6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 01:47:23.28 ID:D2IxZYU2o
- ボス「全員で、手分けして正義仮面を探すのじゃ!」
オーッ!!!
下っ端(よーし、絶対に俺が一番に見つけてやるぜ! もし生きてたらトドメ刺してやる!) - 7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 01:53:05.20 ID:D2IxZYU2o
- ワイワイ… ワイワイ…
「こっちにはいません!」
「こっちにもいませーん!」
「くそっ、見つからねえ!」
下っ端「組織の戦闘員を総動員してるのに、見つかりませんねぇ……」
ボス「うむ、やはりヤツは生きていて、すでに逃げてしまったのじゃろう」
下っ端「せっかく勝ったと思ったのに、残念ですね」
ボス「仕方なかろう」
下っ端(心なしか、ボスが少し嬉しそうに見えたのは気のせいだろうか?) - 8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 01:55:41.52 ID:D2IxZYU2o
- ボス「皆の者、ご苦労じゃった!」
ボス「もうすっかり日も暮れてしまったし、我らが本拠地へ帰還する!」
ワイワイ… ワイワイ…
下っ端「結局、正義仮面との決着はお預けかぁ……」
下っ端「――ん?」
下っ端「あ、あれはっ……!?」 - 9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 01:59:00.22 ID:D2IxZYU2o
- 下っ端「ボ、ボス……」ガタガタ…
ボス「ん? なんじゃ?」
下っ端「ボスの後ろに! 正義仮面がっ!」
ボス「なんじゃと!?」クルッ
ボス「ゲ……これは……!」 - 10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 02:03:09.12 ID:D2IxZYU2o
- ボス「なんという……むごさじゃ……」
下っ端「仮面がなきゃ、分かりませんでしたよ……」
下っ端「いくら高さがあったとはいえ、どう落ちたらこんなことに……」
ヒィィィ… オエェェェッ… ウゲェ…
下っ端「ううう……」
下っ端「オェェェェェッ!」ビチャビチャ… - 11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 02:07:01.15 ID:D2IxZYU2o
- 首領「――というわけだ」
手下「……」
首領「あのあまりに凄惨な光景がトラウマとなり、みんな活力を失ってしまい――」
首領「ボスは引退し、仲間たちも次々組織を離れ、そのまま組織は自然消滅……」
首領「私もしばらくは飲食すらできないほどの精神的ダメージを負った」
首領「その一件以来、我々の業界では崖から落ちたヒーローの生死を確認してはならぬ、というのが」
首領「暗黙の了解となったのだ……」
首領「よって、今日はこのままアジトへ帰る!」
手下「分かりました!」
―おわり―

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