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花丸「月が綺麗ですね」
- 1 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/15(木) 23:00:28.31 ID:SDCvlKjW.net
- ―――今日は十五夜
―――鞠莉の提案で
―――Aqoursの皆は、千歌の旅館の庭にてお月見をしています
千歌「はぁーん! お月見団子おいしっ! おいしっ!」モグモグ
曜「千歌ちゃん、さっきからお団子食べすぎだよ! 一体何個目なの!?」
千歌「わかんない、けどたくさん食べてるのは確か」モグモグ
曜「うわっ、お月見団子の富士山が……すっかり天保山に
!」
千歌「崩落の危険があったので、この私が、身を挺して防いだのであります!」ビシッ
曜「敬礼すなーっ!」
- 3 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/15(木) 23:04:49.90 ID:SDCvlKjW.net
- 曜「ちょっと聞いてよ梨子ちゃん! 千歌ちゃんったら、お団子1人で食べちゃってるんだよ!」
梨子「え、あのお団子の山を、千歌ちゃんが……」
千歌「しょうがないじゃん、崩落の危険があったんだから」モグモグ
梨子「これは……曜ちゃん。トレーニングの量を、千歌ちゃんだけ倍にしないといけないね……」
曜「そうですなぁ。なんたって、お団子は炭水化物だから、体重にダイレクトに響くもんね」
千歌「んがっ! そ、そんなぁ!」 - 4 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/15(木) 23:08:52.26 ID:SDCvlKjW.net
- ダイヤ「……全く、風情というものがないですわね。千歌さん」
果南「まぁ、色気より食い気、ってタイプだからね、あの子」
ダイヤ「風情、といえば。鞠莉さんもよくこんなこと、思いつきましたわね」
鞠莉「その言い方だと、私が風情とは無縁、って感じに聞こえるけど?」 - 5 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/15(木) 23:16:42.26 ID:SDCvlKjW.net
- 鞠莉「日本は四季折々の国、それぞれの季節で、それぞれいろんなイベントがあって……」
鞠莉「そういうのを、Aqoursのみんなで、楽しみたいな、って思ったの」
鞠莉「だから、こうやってお月見会を提案した、ってわけ」
果南「そうだね。季節毎の行事をみんなで楽しんで、絆を深める、ってのもいいかもね」
鞠莉「それに、Full Moonをサカナに、ジュースで乾杯する、っていうのも、オツなものでしょ?」
ダイヤ「なんだか、じじ臭い風情ですわね……」 - 6 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/15(木) 23:21:33.30 ID:SDCvlKjW.net
- 果南「満月を肴に、ってお酒飲むんじゃ、ないんだから」
鞠莉「Oh! It's マリージョークよ!」
果南「マリー、ジョーク……」
ダイヤ「マリージョーク、とは一体なんですの……」 - 7 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/15(木) 23:28:28.58 ID:SDCvlKjW.net
- ルビィ「今日はお月様が一段と綺麗に見えるね、花丸ちゃん……」
ルビィ「って、あれ? 花丸ちゃんがいない」
ルビィ「ねぇ、善子ちゃん、はなm……」
善子『満月の輝きよ……我が内に秘めたる魔力を覚醒させよ……』
善子『くくく、漲る、漲ってくるわ……今宵は、アヴァドンを召喚するにふさわしい日』
善子『さあ、これより召喚の儀を始めましょう……』
ルビィ「ピッ……ピギャアーッ!」 - 8 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/15(木) 23:36:55.39 ID:SDCvlKjW.net
- ペシッ
善子「うげっ!」
果南「何、黒装束着てやってんの」
ルビィ「はわわわ……」
ダイヤ「ルビィが怖がってるじゃありませんの!」
善子「だって、この満月よ! 召喚の儀を執り行うにはピッタリだもん!」
ダイヤ「全く、あなたも風情というものがないですわね!」
千歌「よ、善子ちゃんダメだよ! そんな黒魔術的なこと、此処でしたら!」
善子「な、なんでよ!」
千歌「ほら、感じない? 悪魔より怖い気配を……」
善子「え? ……気配?」
美渡「……」
善子「……ハッ、殺気が……確かに殺気が……」
千歌「このままアバドン召喚してたら、それ以上の魔物も呼び出すとこだったよ」
善子「はわわわ……」 - 9 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/15(木) 23:46:49.22 ID:SDCvlKjW.net
- 果南「……本当に怖いのは悪魔なんかじゃなくて、人間だ、ってことだね」
鞠莉「オミゴト!果南、ZABUTON1枚ね!」
ダイヤ「……ちょっと寒いですわ……」
鞠莉「えー、そう? Nice Jokeだと思うけど?」
ダイヤ「いや、果南さんのことじゃなく……」
曜「そういえば、少し風が出てきたね」 - 10 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/15(木) 23:51:14.10 ID:SDCvlKjW.net
- 千歌「少し冷えてきたね、そろそろ中に入ろうっか。お団子無くなっちゃったし」
曜「お団子は千歌ちゃんが平らげたんでしょ……」
千歌「あはは、まあ、気にしない、気にしない……。さて、みんな冷えた体を温泉であたたm……」
ルビィ「あ、あの、花丸ちゃん、見てませんか?」
曜「花丸ちゃん? そういえば、姿が見えないような……」
ルビィ「さっき話しかけようとしたら、いなくなってて……」
梨子「そういえば、さっき海岸の方に向かうのを、見たような……。私、呼んでくるね」
千歌「それじゃ、よろしくね、梨子ちゃん。先に中に入ってるから」 - 11 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 00:09:30.71 ID:M3HDaWKe.net
- ―――十千万旅館の前の道路を渡り、梨子は海岸の方に向かいました
―――夏場は海水浴客などで賑わうこの小さな海岸も、今は寄せて返す波の小さな音だけが響くだけ
―――砂浜の上に立った梨子は、辺りを見まわしました
―――するとすぐに、砂浜に腰をかけているような
―――小さなシルエットを見つけることができました
梨子「花丸ちゃん」
花丸「……」
梨子「……花丸ちゃん」ムニュ
花丸「ひゃっ、……り、梨子さん! もう、いきなりほっぺを突かれてびっくりしたよ!」
梨子「ごめんなさい、だって、ジーっと海を眺めていたようだったから……」 - 12 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 00:18:03.32 ID:M3HDaWKe.net
- 花丸「え?えっと……お月様が、水面に映ってすごく綺麗だったから、眺めていたんだ……」
梨子「……今日は、あんまり楽しくなかった?」
花丸「そんなんじゃないよ。……ただ、お月様が綺麗で、海が静かだったから、1人で砂浜に座って見てただけ」
花丸「もしかして、みんな心配してたずら? マル1人勝手にどっか行っちゃったから……。マルもそろそろ……」
梨子「そうだね。確かに綺麗だね。水面に映るお月様」 - 14 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 00:23:58.21 ID:M3HDaWKe.net
- 梨子「……千歌ちゃんが『冷えてきたから、温泉入ろう』って言ってたから、呼びにきたんだけど……」
梨子「花丸ちゃんが、この景色を見ていたい気持ちも、わかるよ」
梨子「だから、私も少し、いいかな? 相席しても」
花丸「へ? は、はい! もちろん!」
梨子「じゃあ、お隣、失礼します」 - 15 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 00:38:08.72 ID:M3HDaWKe.net
- ―――内浦の海は、とても静かです
―――聴こえるのは、さざ波の音と、風に吹かれて揺れる木々の騒めきと
―――時折通り過ぎていく、車の走行音だけで
―――小さな海岸は、静寂に包まれていました
花丸「お空に浮かぶお月様が、鏡写しにみたいに、水面に映ってるのを見ていると」
花丸「なんだか、まるで別の世界にいるような気がしてくるんだ」
梨子「別の……世界?」
花丸「逆さまの世界、っていうのかな?」
花丸「天地がひっくり返って、全部あべこべになっちゃうような世界」
花丸「海が空になって、空が海みたいになって……マルたちが体育で習うのも、空の泳ぎ方になっちゃって」 - 16 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 00:44:21.95 ID:M3HDaWKe.net
- 花丸「水族館ならぬ『空族館』には、お魚さんじゃなくて、鳥さんたちが展示されて……」
花丸「空を飛ぶ旅客機だって、曜さんのお父さんが船長しているフェリーになっちゃって……」
花丸「食卓に上がるお魚の料理も、鶏肉がお魚として出てくる世界……」
花丸「上手く、表現できないけど……。そんな感じ、ずら?」
梨子「……鳥が展示されるのは、ただの動物園なんじゃないかな、って思うけど……」 - 17 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 00:55:38.79 ID:M3HDaWKe.net
- 花丸「ハッ、それも……そうだね……」
梨子「……でも、なんとなく、わかるよ」
梨子「静かな砂浜に座って、お月様の優しい光を浴びて、水面の満月を眺めていたら……、幻想の世界にいるように感じるもの」
梨子「もしかしたら、あの水面のお月様が、幻想世界への扉になってたり……、とか、ね?」
花丸「と、飛び込んじゃあ駄目だよ! 洒落じゃすまされないと思うから……」
梨子「……私も流石に飛び込まないよ」 - 19 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 01:03:40.08 ID:M3HDaWKe.net
- 梨子「……去年の今頃も、ピアノのレッスンの帰りに、夜空に浮かぶ満月を見ていたけど」
梨子「ビルのネオンの光が眩しくて、かき消されそうなくらいの淡い光に感じたっけ……」
梨子「まさかこうやって、砂浜からお月様を眺めるなんて、ね」
梨子「それこそ、幻想の世界……、夢みたいだよ」 - 20 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 01:09:47.72 ID:M3HDaWKe.net
- ―――「夢みたいだよ」と言った梨子の横顔は
―――月明かりに照らされ
―――花丸が息を呑むほどに、美しく見え
―――思わず、赤面してしまいました
花丸「あ、あの……」
梨子「どうしたの?」
花丸「えっと、その……」
花丸「今日は……月が、綺麗ですね……」 - 21 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 01:12:26.96 ID:M3HDaWKe.net
- 花丸「あ、べ、別にさっきの言葉に深い意味は無くって、その……えと……」
花丸「……そろそろ、戻りませんか? 少し肌寒くなってきたし、それにマル、月見お団子あんまり食べてないし……」
梨子「……花丸ちゃん」
花丸「ずらっ!?」 - 22 : 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 01:23:15.47 ID:M3HDaWKe.net
- 梨子「……そういう言葉は、もっと大事な人に言った方が、いいと思うよ」
花丸「そ、そうだよね。ごめん、なさい……」
梨子「……しんでも、いいわよ」
花丸「……へっ?」 - 24 : 名無しで叶える物語(禿)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 01:32:59.86 ID:S0V+ZOak.net
- 最後の最後で規制かかって草
梨子「……こういうのは、ちゃんとお返事しないと、ダメでしょ? 早く旅館に戻ろっ」
花丸「……はいっ!」
ーーーその後旅館に戻った花丸は
ーーーお月見団子の山が無くなった皿を見て
ーーー呆然と立ち尽くすのでした - 25 : 名無しで叶える物語(禿)@\(^o^)/ 2016/09/16(金) 01:34:43.82 ID:S0V+ZOak.net
- ーーーーーFINーーーーー
とりあえず短いながらも初サンシャインSS。何を伝えたかったのか、と聞かれたら、りこまるの文学的やりとりなだけなんだよなあ……

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