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女騎士「ふっ…化水素っ!」

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/14(金) 11:51:23 ID:dW3e8.TY
女騎士「えっ、歯に塗るんでっか?」




5 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/15(土) 00:22:08 ID:bRWk9UL6
オーク「オーク族に伝わる治療法。歯、すぐ治る」

女騎士「本当か…お前が歯科医師の免許を持っているというから信用したが、不安になってきた」

オーク「大丈夫、オーク、嘘つかない」

女騎士「そうやって怪しげな喋り方をするっ!」

オーク「どうでもいいから、早く横になるよろし」


6 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/15(土) 00:24:35 ID:bRWk9UL6
女騎士「分かったよ」

ヌギッ ゴロン

女騎士「さぁ、好きに、好きにしなはれ!」

オーク「別に裸になる必要は無い。治療するのは歯だ」

女騎士「気にするな。私は裸になりたい、ただそれだけなんだ」

オーク「分かったある」


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/15(土) 00:28:52 ID:bRWk9UL6
ガサゴソ

オーク「治療の準備する、しばらくそのままでいるよろし」

女騎士「なるべく早くしてくれ。こちとら裸なんだ、風邪をひいてしまう」

オーク「分かったある」

ガサゴソ

オーク「フッ化水素、ピンバイス、チャッカマン」

オーク「塩、蒸留水、毒虫」

女騎士(毒虫ってなんだ)


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/15(土) 09:46:02 ID:bRWk9UL6
オーク「準備できた、では」

カチャ ゴー

オーク「まずはチャッカマンで口の中を殺菌する」

女騎士「いやいやいや、火傷どころでは済まないだろそれ!」

オーク「安心しろ。チャッカマンは魔法の杖、火傷はしない」

女騎士「嘘つけ、絶対ただれ

グイッ ゴー

女騎士「あ゛あ゛お゛お゛お゛!?」

オーク「動かない方がいい、うかつに動いたら死ぬぞ」

女騎士「お゛う゛え゛え゛え゛!」


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/15(土) 09:47:59 ID:bRWk9UL6
ゴー

女騎士(口内が焼ける…粘液が乾いて、喉がひりつく…これは…地獄だ…さすがにマゾな私でも…)

ジュワッ ヌレヌレ

女騎士(くっ…体は正直、という事か…私も、まだまだだな)


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/15(土) 09:49:58 ID:bRWk9UL6
オーク「では、このままピンバイスで虫歯を削るるる」

女騎士(ピンバイス…?あれはミニ四ドリルじゃあないのか…)

オーク「動くな、ピンバイスでの治療は精密作業…少しでもずれれば、死ぬ」

女騎士(早く…早く削って…削ってクレアラシル…)

ビクビクン


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/15(土) 09:51:29 ID:bRWk9UL6
オーク「では、いく」

グイッ グリグリ

女騎士「うほぉぇぉぇぉぇぉ!」

グリグリ ガリッ

オーク「あっ」

女騎士(!?)

オーク「あ、いや、なんでもない」


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/15(土) 09:53:57 ID:bRWk9UL6
アセ ダラダラ

オーク「なんでもないぞ」

女騎士(嘘だ、絶対なんかやらかしただろ!)

オーク「そんな不安そうな顔するな、俺は歯科医師免許を持つオーク。歯の治療は得意あるよ」

女騎士(くっ、今は信じるしかないのか…)

オーク「では治療を続ける」


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/15(土) 22:00:05 ID:bRWk9UL6
カチャカチャ

オーク「では、いよいよフッ化水素の出番あるよ」

ヒタヒタ

オーク「口の中は殺菌したから問題無い。虫歯に直線フッ化水素を塗るるるる」

ヒタヒタ

女騎士(本当に大丈夫なのだろうか…)

オーク「では、いくあるよ」

ペッチャーン


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/15(土) 22:02:02 ID:bRWk9UL6
女騎士「…」

ジュク…

女騎士「あ。」

ジュクジュク ジワ
チリチリチリ

女騎士「ん。」

キリキリキリ

女騎士「めぽ。」

ズガン

女騎士「しぬふ。」

死んだ。


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/15(土) 22:04:05 ID:bRWk9UL6
オーク「しまった」

アセアセ

オーク「やはり女騎士にオーク族の治療法は耐えられなかったあるか」

女騎士(やはりって何だやはりって)

オーク「おや、生きているあるか?」

女騎士「死んでる」

オーク「おどかしやがって」


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/16(日) 12:20:55 ID:.6BryPaE
オーク「しかしまずいある。このままでは俺はやぶ医者になってしまうね。せめて女騎士の歯だけは治療しないと」

ガサゴソ

オーク「虫歯を抜いて別のものを詰める…オーク的にこの治療法は気に入らないけど、仕方がないある」


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/16(日) 12:22:28 ID:.6BryPaE
グイッ

オーク「まずは女騎士の口を開ける…死後硬直が始まる前に、だ」

オーク「セイッ」

クパァ

女騎士(んほぉ!?)

オーク「間違えた、下の口を開けてしまった」


18 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/16(日) 12:43:55 ID:.6BryPaE
オーク「…」

ゴクリ

オーク「オーク的に、死者を辱めるのは、いけないこと…だが、俺は…本能に勝てるだろうか」

ビキビキッ ビンッ

オーク「駄目だ…静まれ…静まれ俺の真ん中の足!」

ビンッ

オーク「ぜんっぜん萎えない…くそっ、勃起の波に襲われるのがオークというのなら、俺は!」

ビンッ

オーク「オカンオカンオカン…オカンをイメージして萎えさせるッッ!」

ビンッ

オーク「おかまいなしかい」


19 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/16(日) 17:07:20 ID:.6BryPaE
オーク「急がねば歯の神経が死んでしまう。早く女騎士の虫歯を抜くッッ!」

ズモォ

オーク「俺の手で歯を!」

グイッ
ガシッ

オーク「オーク族の握力なら人間の歯を引き抜ける!」

グイッ

女騎士(あいだだだだだ!?)

ジタバタ

オーク「ぬっ、今動いたか」

女騎士「うごひてなひでふ」

オーク「おどかしやがって」


20 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/16(日) 17:10:10 ID:.6BryPaE
女騎士(危ない危ない…死んだフリがばれるところだったわ)

オーク「さて、再度歯を…」

グイッ

オーク「俺の力を指先に集中!」

グイッ

オーク「今なら、引き抜ける!」

グイッ
スポーン


21 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/16(日) 17:29:17 ID:.6BryPaE
それは
麻酔の無い抜歯。
オークの規格外の握力による
神経ごとの抜歯。

引き抜かれた歯からは
鮮血を滴らせながら
紐状の、なにかが伸びていた。

女騎士(んほお゛お゛お゛ん、うぼらららアルギニン!)

ビクビクン
ジョロロロロ

オーク「死体が失禁…?馬鹿な…っ、まさか貴様ァァ!」

ニヤリ

女騎士「その、まさかだ」


22 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/16(日) 19:20:17 ID:.6BryPaE
オーク「死んだフリとは、姑息なマネを」

女騎士「フリっていうか、マジで死ぬところだったんだが。歯にあんなもん塗る歯医者がどこにいる!」

オーク「オーク的には常識。だからお前がのたうち回るさまは、実に愉快だったぞ、ニンマリ」

ニンマリ

女騎士「気持ちの悪い笑い方をするっ!」


23 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/16(日) 19:25:24 ID:.6BryPaE
オーク「しかしこうなっては…生かしておけない」

女騎士「なぜだ」

オーク「女騎士のひとりも治療できないなどと、変な噂を流されては困るのでな」

女騎士「歯医者としての、くだらんプライドだ」

オーク「そのプライドで生きているッッ!」

女騎士「なら仕方あるまい…来い、簡単にこの命をやる訳にはいかんのでな」


24 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/16(日) 19:29:12 ID:.6BryPaE
オーク「なら遠慮、しないある」

シュパッ

オーク「歯医者忍法…死肉炎!」

フウッ
ゴウッ

女騎士「オークの口から炎が!?」


25 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/16(日) 19:35:07 ID:.6BryPaE
歯医者忍法、死肉炎っ!
それは死者の国、すなわち地獄の底から吹き出すような
真っ黒な炎を口から吹き出す技である!


27 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/18(火) 12:51:05 ID:c3G2Vmco
ボワァァァ

女騎士「熱い!これは焼け死ぬに違いない!」

オーク「ぶふぅぅぅ!」

ボワァァァ

女騎士「だがな、あらゆる責め苦を体験した私だ…焼け死ぬくらい、何度も体験した!」

ブンッ

女騎士「私は不死身の女騎士だ!」

シュゥゥゥ

オーク「気合いで炎を消した…?」


29 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/19(水) 09:49:15 ID:xGRQ3XS.
女騎士「私を殺すなら核ミサイルでも持ってくるがいい!」

ヌギッ

女騎士「この鍛え抜かれた鋼の肉体を、なんぴとたりとも傷つける事はできぬと知れ!」

オーク「た、たくましかぁ…」

ビンッ

女騎士「!」

ザザッ

女騎士「今だ、手刀!」

シュバッ
ぼとり


30 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/19(水) 09:51:36 ID:xGRQ3XS.
オーク「…?」

ジワ

オーク「あ、あぁあ…あ?」

ブシュゥゥゥゥゥ

オーク「ひぎゃうぁぁぁぁ!?俺の肉欲棒が!切り落とされてぇぇぇ!?」

女騎士「服を脱ぎ、勃起させた相手のチンポを手刀で切り落とす…これが女騎士のやり方だ!」


32 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/19(水) 17:46:48 ID:ThRPUHfc
全裸、からの全裸


33 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/20(木) 21:21:33 ID:eDltHzn.
女騎士には皮膚すら服なのだよ…知らなかったのかね?


34 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/20(木) 21:26:26 ID:eDltHzn.
オーク「あ…チンポが無い俺は…もはや…」

ブルブルブル
ジュクジュク カパッ

女騎士「チンポの断面が…くぼんで穴に…?」

ヒダヒダ クロズミ
ビラーーン

女騎士「あ…馬鹿、な…オークのチンポ断面が…女性器に…!?」

オーク「そうよ…あたいは…いえ、あたい等オークは、自由自在に性転換できるのよ!」


35 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/20(木) 21:30:42 ID:eDltHzn.
女騎士「なるほど…オーク族には雄しかいないのに、なぜ種が絶えないのかと不思議に思っていたが…なるほど、そういうカラクリか、なるほどなるほど」

オーク「で、どうするのよ。このまま雌になった私に治療されるの、されないの?」

女騎士「ふぅむ…そうだな。先ほどの痛みをまた味わうのも悪くない、か…よかろう、治療を再会したまえ!」

オーク「がってんしょうちのすけ!」


36 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/20(木) 21:35:07 ID:eDltHzn.
カチャカチャ

オーク「じゃあ、虫歯に直線フッ化水素を塗るわよ」

ペッチャーン

女騎士「…」

ジュク…

女騎士「あ。」

ジュクジュク ジワ
チリチリチリ

女騎士「ん。」

キリキリキリ

女騎士「めぽ。」

ズガン

女騎士「しぬふ。」

死んだ。

オーク「だわよね、てゆーか、デジャヴ?」


37 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/20(木) 21:38:52 ID:eDltHzn.
この後
女騎士は再び生き返り
オークに治療を施された。
そして女騎士は死に、また生き返る。

そのループは、終わらない。
ループが終われば
女騎士は死んでしまう。

このループはきっと
女騎士を死なせないための、もの。
誰かが永遠に女騎士を生かすために
繰り返し、繰り返す。


38 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/20(木) 21:41:01 ID:eDltHzn.
塗る。

死ぬ。

生き返る。

塗る。

死ぬ。

生き返る。

塗る。

死ぬ。

生き返る。


39 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/20(木) 21:44:19 ID:eDltHzn.
それはさながら

永遠に終わらないワルツのような――





『あぁ』

『今日も大丈夫』

『ちゃんと生きてるね』

『心配ないさ』

『俺が終わらせない限り』

『終わらないさ』

キュルルルルルル!

ぷつん。

【完】


元スレ:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1476413483/


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