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【デレマス】あの日あの時あの場所で
- 1 : ◆oCJZGVXoGI 2016/10/25(火) 21:52:27.41 ID:edU+vFMO0
- 事務所の中でカタカタと小気味よい音だけが響いていたが、それもやっと終わった。
「あぁ、やっと終わったー」
「お疲れさま、プロデューサー」
和久井さんが疲れを感じさせない笑顔でこちらを労ってくれた。彼女がいなかったら恐らく終電をのがしていたことだろう。
「いやぁ本当に助かりましたよ。ちひろさんが早退した時はどうなることかと」
「構わないわよ。困ったときはお互いさまって言うでしょ?」
「では戸締りを確認して帰りましょう」
「安心して、もうチェックしてあるわ」
「和久井さんには敵わないなぁ」
念のために軽く施錠を確認し、事務所を後にする。途中までとはいえ和久井さんと2人で帰るのはいつぶりだろうか。ちひろさんの体調が快復したら多めにドリンクでも買ってあげよう。
- 2 : ◆oCJZGVXoGI 2016/10/25(火) 21:53:59.78 ID:edU+vFMO0
- 「もうすっかり秋ですね。この時間は流石に肌寒いや」
「そうね。…こういう日はきっと佐城さんはペロちゃんを抱いて寝るんでしょうね、羨ましいわ」
「ゆたんぽならぬ猫たんぽですか。確かに温かそうですね」
恐らく自身が猫を抱いて寝ている所を想像しているのだろう、若干だが口元が緩んでいる。だが彼女がそんな事をしたら涙と鼻水でとんでもないことになるだろう。
「何を笑っているの、プロデューサー?」
「いえ、猫の話をする和久井さんを見ていたら以前あなたが事務所で猫を抱いた時のことを思い出しましてね」
「あ、あの時のことは忘れてちょうだい!」
「良いじゃないですか。クールビューティー和久井留美の意外な一面なんですから。面白くて可愛かったですよ?」
本当にあれは可愛かった。和久井さんはたまに結婚に対する焦りが見え隠れするものの、基本的にはクールで知的な綺麗なお姉さんだ。そんな彼女が猫を前にするとあそこまで乱れてしまうとは夢にも思わなかった。いわゆるギャップ萌え、というやつなのだろうか。
他愛のない話をしていると、小さな公園が見えてきた。どこにでもあるような公園だ。でもそれは僕たちにとっては特別な思い出でもある。
- 3 : ◆oCJZGVXoGI 2016/10/25(火) 21:55:39.13 ID:edU+vFMO0
- 「和久井さん、ここ、見覚えありますよね?」
「あら…懐かしいわね。私がプロデューサーにスカウトされた公園じゃない」
「公園のブランコで美人が黄昏ているなんてお話の中だけだと思いましたよ」
「事実は小説より奇なり、ってとこかしら?」
小説でも漫画でも構いやしない。あの日ここで彼女と出会えたことが重要なのだ。そんな事を思っていると、頭の片隅に以前聞いたことのある歌詞が浮かんでくる。
「そうかもしれませんね。所で和久井さん、あの時の出会いに似た歌の歌詞ってありましたよね?あの時出会わなかったら他人のままだった~~、みたいな」
「あの時出会わなかった……。もしかしてこの曲かしら?」
あの日あの時あの場所で君に会えなかったら 僕等はいつまでも見知らぬ二人のまま
和久井さんが以前聞いた曲を透き通るような声で口ずさんだ。あの出会いはまさにこの歌詞の通りだ。しかし自分の記憶力が情けない。メロディーは思い出せてもなんてタイトルだったか全然出てこない。
- 4 : ◆oCJZGVXoGI 2016/10/25(火) 21:57:14.24 ID:edU+vFMO0
- 「多分この曲だと思うのだけれど…違ったかしら?」
「いえ、その曲ですよ。昔ラジオで聞いたことがありまして。なんだかとても印象に残ってるんですよね。誰が歌っている曲でしたっけ?」
「小田和正の『ラブ・ストーリーは突然に』よ」
「っ!?そ、そうでしたか……」
しまった。これではまるで僕が和久井さんを遠回しに口説いてるようじゃないか。どうせならストレートに、ってそうじゃない!間違ってはいないかもしれないがタイミングが違う!!
和久井さんの方にチラリと視線を向けるが、涼しい顔をしている。とても綺麗ではあるが表情から何も読めないのは辛い。どう話せばうまくいくんだ。
僕が足りない頭で色々考えていると、和久井さんが沈黙を破った。
「プロデューサーにとっては、どの子との出会いにもあの歌詞が思い浮かぶんじゃないかしら?」
「……まぁ、一期一会という意味ではどんな出会いだって等しいですよね。でも誰にでもああいう事を言ったっりはしませんよ」
「……」
「僕にとって、あなたとの出会いは確かに特別なものでしたよ」
「プロデューサー、それって……」
- 5 : ◆oCJZGVXoGI 2016/10/25(火) 21:58:16.78 ID:edU+vFMO0
- 言うなら今しか無いのだろうか。それともこの先は秘めておかねばならないのだろうか。
「和久井さん、僕はまだ『アイドル・和久井留美』が活躍するところを見ていたいです」
「…そう」
「でも、その姿だけで満足するつもりもありません」
「今はまだここまでしか言えません。今は、ね」
「…その先も、聞かせてくれるのよね?」
「えぇ、必ず。それでは、おやすみなさい」
「おやすみなさい、プロデューサー」
あぁ、決定的な一言こそ口に出さなかったが言ってしまった。元からするつもりなんてなかったが、もう後戻りは出来ないな。
必ず、彼女をトップにまで導いてやる。そして、そのときは……
おわり
- 6 : ◆oCJZGVXoGI 2016/10/25(火) 22:00:20.83 ID:edU+vFMO0
- 情けない位短い。話を膨らませる才能が欲しいです。
デレステのメモリアルとは違いますが、まぁそこはご容赦を。
以下、Pと別れた後の和久井さん。キャラ崩壊注意
(…勝った)
(いいいいぃぃぃやったああああぁぁぁぁぁぁああ!!!!!!)
(これは!もう!!私の勝ちでいいいのよね!?)
(でも慌ててはダメよ留美。獲物を前にして舌なめずりをするのは3流のすることよ)
(ごめんなさいね、美優に瞳子。お先に独り身から卒業させてもらうわ!!)
(もしかして由夢?じゃなかった夢!?まさかそんな落ちなんてないわよね!!??)
「ねぇ早苗さん、あそこで変な動きしてるのって和久井さんじゃない?」
「え?あ、本当だ。どうしましょう、ほっとく?」
「おいおい☆あんな面白いのほっとくとかもったいないぞ♪」
「よし、じゃあ和久井さんをゲストにお迎えして女子会といきましょうか!」
「「「おー!」」」
今度こそおしまい

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