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凛「星空道場!」
- 1 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:03:32.30 ID:3fdafNVP.net
- とある架空の街・オトノキシティ
そこに「星空道場」と呼ばれる道場があった
ビルの間に挟まれるように建つ古びた佇まい
その門前に年端もいかない少女が一人
燃えるような赤い髪と紫の瞳に闘志を宿らせて
今まさにその門を叩こうとしていた
- 2 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:05:28.34 ID:3fdafNVP.net
- 真姫「頼もう! 道場破りよ!」
真姫「……って、あれ?」
凛「やっと弟子になれそうなのが来たにゃー」
花陽「凛ちゃん違うよ、道場破りだよ!」
真姫「おかしいわね。ある筋の情報から今ここには師範と師範代しかいないはずだけど」
凛「のんのん、そこのお嬢さん。師範ならここにいるよ」
花陽「師範代もです」
真姫「え、ひょっとしてあなたたちが?」
凛「えっへん!」
真姫「……入る建物間違えたかしら」
凛「こらー、帰ろうとするにゃー!」 - 3 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:07:31.74 ID:3fdafNVP.net
- 真姫「確かにここが星空道場だったわ」
花陽「あはは、一回外に出て確認してきたんだね」
真姫「ということは、あなたたちが師範と師範代ね!」
凛「いかにも!」
真姫「なんだか二人とも弱そうだけど、まあこの際都合がいいわ」
真姫「この私と勝負しなさい! そしてあなたたちが負けたらこの道場は私がいただくわ!」
花陽「大変だよ、凛ちゃん。緊急事態だよ」
凛「ふふん。私たちも舐められたものだね」
凛「それで、仮にだけどこの道場を奪ってどうするつもりなのかな」
真姫「ふふ、よく聞いてくれたわね」
真姫「こんな立地のいいところにボロい道場を放置しておくなんてもったいないわ」
真姫「この道場をいただいたら、すぐにでも建物を潰してパパの病院を建てるんだから」
凛「!?」 - 4 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:09:07.41 ID:3fdafNVP.net
- 凛「そんなことは絶対にさせない!」
凛「おじいちゃんから受け継いだラーメンy……じゃなくてこの道場を守る!」
花陽「凛ちゃん、今のはちょっとアウトだったよ」
凛「細かいことはいいの。かよちん、頼んだよ」
花陽「エェッ、ワタシナノォ!?」
凛「こういうのはまず師範代からだよ」
凛「そして見事かよちんを倒せたら、この道場の師範である凛が相手になるよ」
真姫「ふん。別にどっちからでもいいわ、さっさと倒してあげるんだから」
真姫「真姫ちゃんの実力を甘く見ないでよね」
花陽「よ、よろしくお願いします。お手柔らかに」 - 6 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:10:15.14 ID:3fdafNVP.net
- 花陽(見たところ私たちと年はそう変わらないけど、手足の長い子だなぁ)
花陽(リーチは私より確実に長い、でもモデルさんみたいに体重は軽そう)
花陽(ここは距離を取って出方を見るより、一気に潜り込んでパワー勝負かな)
花陽(それなら花陽にも勝ち目はあるかも……!) - 7 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:12:02.67 ID:3fdafNVP.net
- 真姫「構えたまま動かないでどうしたの? 怖くなったのかしら」
花陽「い、いきますっ!」ダッ
真姫(強い踏み込みね、一気に仕掛けてくる気かしら)
真姫(でも、そうはさせない!)
花陽「えいっ!」ブンッ
真姫「甘い」クルリ
花陽(かわされた!?)
真姫「馬鹿ね、そんな突っ込みまともに受けるはずないじゃない」
真姫「背中ががら空きよ」
真姫「はあっ!」バシッ
花陽「きゃああ!」ズテーン
凛「かよちん! 大丈夫!?」 - 9 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:13:19.92 ID:3fdafNVP.net
- 花陽「あいたたた……。大丈夫だよ」
花陽(リーチだけじゃないくて、身軽でスピードも早いなんて)
花陽(でもスピードなら凛ちゃんほどじゃない。次こそ……!)
花陽「もう一回いきますっ!」ダッ
真姫「同じ手は通用しないわよ」
花陽「だったらこうです。ステップを踏んで」キュッキュッ
真姫「くっ――動きが読めない」
花陽「そこです! はあぁっ!」ズドンッ
真姫「くはあっ」
花陽(やった! やりました!)
真姫「い、一発当てたくらいで、調子に乗らないでよね」
花陽(あんまり効いてない!?) - 10 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:14:51.23 ID:3fdafNVP.net
- 真姫「次は真姫ちゃんのターンなんだから!」ダッ
花陽(早い!)
真姫「とうっ!」フワッ
花陽(飛んだ!?)
凛「かよちん危ない!」
真姫「てやあああああ!」ブゥン
花陽(長い足がどんどん伸びてきて、花陽の目の前まで――)
真姫「たああっ!」ドゴッ
花陽「へぶしっ!」ズダーン
凛「かよちん!」
真姫「ふふ、勝負あったわね」
花陽(うう、凛ちゃんごめんね)
花陽「……もうだめです、降参です」 - 11 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:16:27.61 ID:3fdafNVP.net
- 凛「かよちん、ごめんね。後はゆっくり休んでて」
凛「今のであなたの動きは掴んだよ。残念だけど負ける気がしない」
真姫「へぇ、師範代を盾に動きを見切るなんて姑息な真似するじゃない」
真姫「でもね、だからといって体が追いつかなければ意味がないのよ」
真姫「どこからでもかかってきなさい」
凛「かよちんの犠牲は無駄にしない、いくよ!」
花陽「花陽はちゃんと生きてるよぉ」 - 12 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:20:11.98 ID:3fdafNVP.net
- 凛「はああっ!」ダダダッ
真姫(私より早い!?)
凛「てやあああ!」ブオンッ
真姫「くうっ!」バシーン
花陽「う、受け止めた!?」
真姫「馬鹿ね、まともに食らうくらいなら受け止めればいいのよ」
真姫「そして腕を掴んで、ぶん投げる!」ブンッ
凛「にゃっ!」クルッ
凛「ふう」ストン
花陽「さすが凛ちゃん、空中で体勢をかえるなんて」 - 13 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:22:34.38 ID:3fdafNVP.net
- 凛「次こそ本気で行くよ! ステップを踏んでからのー」
凛「三連撃!」バババ
真姫「ぐうううっ!」
花陽「さすが凛ちゃん!」
真姫「くっ! でも細かいのばかりじゃダメージにならないわよ」
真姫「パワーとリーチなら私のほうが上なんだから」
真姫「距離を取って――四連撃!」ババババ
凛「ぐぐぐぐっ!」
凛「でも距離を取れば凛の足技が使えるよ!」クルッ
凛「たああああ!」ブオオォン
真姫「――!!」ザザッ
真姫(ギリギリ避けたけど、直撃したら危なかった!)
花陽「スピード感のままに全体重をかけた凛ちゃんの蹴り」
花陽「これをまともに食らって起き上がった人はいないよ!」 - 14 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:24:38.19 ID:3fdafNVP.net
- 真姫(確かにまともに食らえば一発で意識を持っていかれる)
真姫(つまり、まともに食らわなければ……!)
凛「もういっぱーつ!」
凛「てやあああああ!」ブオオオォン
真姫「ぐっ!!!」ガシィ
花陽「う、受け止めた!?」
真姫(蹴りのモーションに入った瞬間に間合いをつめて勢いを殺す)
真姫(そうすれば威力は半減するし、必殺の足を捕まえられるのよ!)
凛「わっ、とっ、とっ」
真姫「大事な足をいただくわ、くらいなさい!」グオォン
凛「わああ! 目が回るううぅ」グルングルン
花陽「これは、ジャイアントスイング!?」 - 15 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:27:07.99 ID:3fdafNVP.net
- 真姫「スピードを追求するあまり体重を削ったのが仇になったわね」
凛「凛だってはほんとはもっと成長したかったよー」グルングルン
花陽「凛ちゃん危ない、そっちには壁が!」
真姫「この距離なら空中で体勢を変える暇もないわ」
真姫「こいつでおしまいよ!」ブンッッッ
凛「――に゛ゃぁぁぁぁ!」ビダーン
花陽「りんちゃーん!」
凛「……ぐふっ」
花陽「凛ちゃんしっかりして、凛ちゃん!」
真姫「ふぅ、勝負あったみたいね」
真姫「これでぼろっちい道場はこの真姫ちゃんがいただきね!」
真姫「まあすぐに取り壊すんだけど」 - 16 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:28:32.11 ID:3fdafNVP.net
- 凛「ま、まだだよ……」
真姫「ふうん、まだ息があったのね」
花陽「だめだよ凛ちゃん、その状態で動いたら」
凛「凛は大丈夫だから。……あなたの名前、真姫っていうんだね」
凛「ねえ真姫ちゃん、お願いだからこの道場は壊さないで欲しいんだ」
真姫「この期に及んでなに言ってるの? そういう約束でしょ、イミワカンナイ」
凛「あのね、ここは凛のおじいちゃんがラーメン屋さんを潰して建てた道場なんだ」
凛「最近ビルが増えて都会化してきて、ラーメン屋さんじゃ商売できなくなっちゃって」
凛「代わりにね、運動しない現代人のために道場を建てたんだ」
凛「ビルに通ってオフィスワークもいいけど、体を動かさないと人間だめになるって」
凛「おじいちゃんは亡くなったけど、凛はその意志を継いでずっとやってきたんだ」
凛「だから……だから……」
花陽「凛ちゃん……」
真姫「…………」 - 17 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:30:09.05 ID:3fdafNVP.net
- 真姫「少し、わかる気がするわ」
凛「……真姫ちゃん?」
真姫「私の親族はみんな医者だから、いずれ私も医者にならなくちゃいけない」
真姫「だから毎日勉強してる。もともと勉強は苦じゃないし、頭は冴える方だけど」
真姫「時折ね、息苦しさを感じるのよ。そんな時はめいいっぱい体を動かすようにしてる」
真姫「ここにきた目的はこの道場をいただいてパパの病院を建てるため。それは変わらない、だけど」
真姫「あなたたちと拳を交えて、久々に生きてるーって感じがしたの」
花陽「真姫ちゃんって、本当は優しい子なんだね」
真姫「や、優しいって、私に負けたくせに上から目線で言わないでよねっ」
凛「あ、ちょっと赤くなった」
真姫「うーるーさーいー!」 - 19 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:31:08.83 ID:3fdafNVP.net
- 真姫「でも凛、あなたの話はわかったわ」
凛「えっ、それじゃあ」
真姫「勘違いしないで! 当初の目的通り、この道場は真姫ちゃんのもの」
真姫「だから、この道場をどういう形にしようが私の勝手ってことでしょ」
凛「どういう形に?」
花陽「しようと?」
真姫「だから! とりあえず道場は潰さないであげるから少し待ってなさいってこと!」 - 20 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:32:27.65 ID:3fdafNVP.net
- それから数ヶ月後
凛「はっ! やっ! たあっ!」
凛「はい、今日の鍛錬はここまで。おつかれさまでしたー」
真姫「凛、お邪魔するわよ」
凛「あっ、真姫ちゃんだー! まきちゃんまきちゃんまきちゃーん」
真姫「ちょっと、汗だくでいきなりくっつかないで!」
花陽「あはは、汗だくじゃなければいいんだね」
真姫「そういう問題じゃない!」 - 21 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:33:41.84 ID:3fdafNVP.net
- 真姫「それで『星空道場』の調子はどうかしら?」
凛「ばっちりだよ。なにより冷暖房完備だし、設備もきれいだし」
凛「でも凛もびっくりしたよー。だって病院の中に道場を作っちゃうんだもん」
真姫「道場という名のストレッチ、フィットネスルームよ」
真姫「従業員はもちろん、患者さんだって意外と体を動かしたい人がいるんだから」
花陽「おまけに真姫ちゃんもたまに凛ちゃんと稽古つけられるしね」
凛「もしかしてそっちがメインだったんじゃないのー?」
真姫「う、うるさいわね。そんなことないわよ」
真姫「無駄口叩いてるくらいならちょっと付き合いなさい。ストレス発散よ」
凛「望むところだよ。最近運動不足の真姫ちゃんに負ける気なんてしないにゃー」
花陽「あはは、二人ともほどほどにね」 - 22 : 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/06(日) 22:34:23.76 ID:3fdafNVP.net
- こうして西木野病院星空道場は、病院の中に道場があるという斬新さで注目をあつめた
中にはインストラクターの2人に惹かれてわざわざ入院しにくる患者(弟子)もいるとかいないとか
凛と花陽は時折訪ねてくる真姫の相手をしながら親睦を深めていった
ある日、そんな3人にアイドル活動の話が持ちかけられるのだが、それはまた別のお話
おしまい

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