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【ゆるゆり】赤座家の七不思議

1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:40:18.86 ID:dq+hIfg0o
(ごらく部部室)


結衣「え?」

京子「あ、あかりの家が?」

ちなつ「オバケ屋敷かも知れない?」

あかり「うん・・・」




2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:41:40.07 ID:dq+hIfg0o

結衣「な、なんで?」

ちなつ「何かあったの?」

あかり「それがね・・・」



3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:43:29.47 ID:dq+hIfg0o

其の一 数を数える女の霊


あかり「この前、夜中にふと目が覚めたら」

あかり「真っ暗な部屋の中に、髪の長い女の人が立ってたの・・・」

結衣「ほ、本当に?」

ちなつ「うわ、怖・・・」

京子「ね、寝ぼけてお母さんとかを見間違えたんじゃないの?」



4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:45:11.10 ID:dq+hIfg0o

あかり「ううん、違うの。だって・・・」

あかり「頭に、あれをつけてたのが見えたんだ」

結衣「あれ・・・?」



5 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:46:12.17 ID:dq+hIfg0o

あかり「幽霊の絵とかにある、白い三角の布が頭に・・・」

結衣「ま、マジで・・・?」

ちなつ「ほ、本物よ!それ本物の幽霊よ!」

あかり「うん。こう、頭を覆う感じで・・・」

京子(・・・ん?)



6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:48:19.22 ID:dq+hIfg0o

京子(頭を覆う・・・?白い三角の布?)

京子(パンツ頭に被ってるみたいにも思えるけど・・・?)

京子(・・・もしや)



7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:49:09.05 ID:dq+hIfg0o

京子「・・・あのさ、あかり」

あかり「ん?なに?」



8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:50:45.89 ID:dq+hIfg0o

京子「その三角の布ってさ、何か模様みたいなのついてなかった・・・?」

あかり「模様?んー、暗かったし怖くてあんまりよく見なかったんたけど」

あかり「逆さになったカニさん?みたいなのがチラッと見えたかなぁ」

結衣「逆さになったカニ・・・?」

ちなつ「そ、それ、血がべったりとついてたんだよ!」



9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:52:35.32 ID:dq+hIfg0o

京子(カニ・・・)

京子(・・・以前、あかりの姉さんの部屋をちょっとだけ覗いた時に)

京子(あかりの、カニさんパンツが中にあったよな・・・)

京子(ってことは、その女の人って・・・)



10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:53:37.36 ID:dq+hIfg0o

京子(あかりの姉さんだぁぁーーー!)

ちなつ「それでそれで?どうなったの?」

結衣「うん。つ、続きは?」

あかり「うん。えっとね」



11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:54:37.50 ID:dq+hIfg0o

京子(何をやってんですか何をー?夜中にパンツ被ってあかりの部屋でー!?

あかり「それからあかり、怖くてお布団被っちゃったんだけど」

あかり「声が、聞こえて来たんだ・・・」

結衣「ど、どんな?」



12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:55:42.40 ID:dq+hIfg0o

あかり「ささやくような声で、一まぁい・・・二まぁい・・・って」

結衣「ひぃぃ!?」

ちなつ「こ、怖っ!」

京子(あかりのパンツの枚数数えてる!?)



13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:57:12.20 ID:dq+hIfg0o

あかり「それで、最後に・・・」

あかり「1枚、たりなぁいって・・・」

結衣「そ、それ聞いたことある!」

ちなつ「番町皿屋敷よ!」

京子(その1枚って、頭に被ってるヤツじゃないの・・・)



14 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/02(金) 00:59:42.66 ID:dq+hIfg0o

結衣「い、いや怖いよあかり」

ちなつ「あ、あかりちゃん、肩とか重かったりしない?」

あかり「うん、大丈夫」



16 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:00:42.19 ID:Rs4mJXELo

あかり「それからこの前、こんな事も・・・」

ちなつ「ど、どんな?」



17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:01:18.57 ID:Rs4mJXELo
其の二 ポルターガイスト


あかり「よく、外から帰って来たときに何となく部屋の物が動いてる気がするんだけれど」

結衣「マジで・・・?」

ちなつ「あ、あるねそういう事」



18 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:02:55.77 ID:Rs4mJXELo

あかり「それで、この前外から帰ってきた時あかりの使ってるシャーペンとか」

あかり「お洋服とかが、部屋の中に散らばってたの・・・」

結衣「へ、へえ・・・?」

ちなつ「あ、空き巣でも入ったの・・・?」



19 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:04:04.33 ID:Rs4mJXELo

あかり「ううん、その日はお姉ちゃんがずっと家に居たから」

あかり「泥棒さんじゃないと思うけど・・・。何も取られてなかったし」

結衣「そ、そうだよなぁ」

ちなつ「そ、そうね。お姉さんが家に居るなら空き巣なんて入らないもんね」

京子(お姉さん、ちゃんと片付けましょうよ・・・?)



20 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:05:50.46 ID:Rs4mJXELo

あかり「あとね、散らばってた服の腋がちょっと破けてたりして」

あかり「ひとりでに動いてたみたいな感じがするの」

ちなつ「そ、それきっと、あかりちゃんが居ない間に部屋で色んなものが踊り狂ってるんだよ」

あかり「そ、そうなのかなぁ?」

結衣「そ、それは怖いな」

京子(踊り狂ってたのは、多分あかりの服を着たお姉さんだろなぁ・・・)



21 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:08:11.35 ID:Rs4mJXELo

あかり「あの服、お気に入りだったんだけどなぁ」

ちなつ「そうやって、物がひとりでに動くのってポルターガイストって言うらしいよ」

あかり「ちなつちゃん、詳しいんだね」



22 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:09:23.36 ID:Rs4mJXELo

ちなつ「それからそれから?他にはないの?」

結衣「ちなつちゃんって、こういう話好きなんだ・・・」

あかり「んー、あとはね・・・そうだ」



23 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:10:30.22 ID:Rs4mJXELo
其の三 赤い穴


あかり「この前壁にね、小さい穴が開いてるのに気がついたんだ」

結衣「穴・・・?」

ちなつ「それで?それで?」



24 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:12:26.02 ID:Rs4mJXELo

あかり「でね、向こうがわに何か見えるかなと思って」

あかり「覗いてみたんだ」

ちなつ「ど、どうなったの?」



25 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:12:53.35 ID:Rs4mJXELo

あかり「そうしたら、穴の向こう側が真っ赤だったんだ・・・」

結衣「真っ赤・・・?」



26 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:15:19.91 ID:Rs4mJXELo

あかり「変だよね?隣はお姉ちゃんの部屋のはずなのに」

あかり「見えたのは、真っ赤な色だけで・・・」

京子「・・・あの、あかりさん」



27 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:16:15.50 ID:Rs4mJXELo

あかり「なに?」

京子「あかりのお姉さんって、瞳はどんな色してんの?」



28 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:18:17.76 ID:Rs4mJXELo

あかり「お姉ちゃんの?」

あかり「赤だけど・・・どうかしたの?」

京子(ガッツリ、覗かれてるー!)



29 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:19:08.89 ID:Rs4mJXELo

京子(おはようからお休みまで、暮らしを見つめるお姉さーん!)

京子(ダメですよー、家族と言えどもプライベートをのぞき見ちゃ・・・)

結衣「な、何か変な世界につながる穴だったりしてね、それ」

あかり「もー、怖いこと言わないでよ結衣ちゃん」

ちなつ「あ、けどそういうのありそう!」



30 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:20:05.47 ID:Rs4mJXELo

ちなつ「その穴の向こうは、恐ろしい化け物の住む世界が広がっていて・・・」

あかり「ち、ちなつちゃんやめてよー」

京子(ちなつちゃん、ある意味大正解だそれ)



31 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:23:53.90 ID:Rs4mJXELo

ちなつ「ねぇねぇ、他には?」

結衣「ま、まだ何かあるの・・・?」

あかり「んー、あとはね・・・」



32 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:26:15.80 ID:Rs4mJXELo
其の四 消える物体


あかり「時々、あかりの使ってるハシとかコップが消えたりするんだ」

結衣「え・・・」

ちなつ「ま、まぁお母さんとかが間違って割っちゃったりとかなんじゃないの?」

京子「た、ただのカン違いじゃない?」



33 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:27:45.59 ID:Rs4mJXELo

あかり「そうかも知れないけれど、変なんだよね・・・」

結衣「な、何が?」

あかり「無くしたと思ってたコップとかが、いつの間にか出てきたりするんだ」

ちなつ「ふ、ふぅん・・・?」



34 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:28:25.46 ID:Rs4mJXELo

あかり「それも、ちょっと欠けてた所が直ってたりとか」

あかり「まるで新品みたいになって出てくるの」

結衣「新品みたいに?」

ちなつ「よ、良かったじゃない?」

京子(すり換えてるー!?)



35 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:29:09.70 ID:Rs4mJXELo

京子(お姉さん、すり換えて何に使ってるんですか何にー?あかりのコップをー!)

あかり「けど、やっぱり何か怖いよぉ」

結衣「ま、まぁ確かにな」

ちなつ「不思議な事もあるんだね」

京子「あ、ああ、不気味だよね・・・色々と」



36 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:31:01.34 ID:Rs4mJXELo

ちなつ「でも、今のはちょっとパンチが足りないよー」

ちなつ「もっと、ガッツリ怖いのはないの?」

結衣「ちなつちゃん、ホントに好きなんだねこういう話・・・」

あかり「んー、あとはね・・・そうそう」

あかり「これは、あかりじゃなくてお姉ちゃんに起こったことなんだけど・・・」



37 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:31:56.27 ID:Rs4mJXELo
其の五 ドッペルゲンガー


あかり「この前、家にちょっと早く帰った時にね」

あかり「居間から、お姉ちゃんが楽しそうに話してる声が聞こえてきたんだ」

結衣「お姉さんの?」

あかり「うん」



38 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:34:03.32 ID:Rs4mJXELo

ちなつ「お客さんでも来てたんじゃないの?」

あかり「あかりもそう思って、部屋に行こうとしたんだけど」

あかり「こんな会話が聞こえてきて・・・」

結衣「どんな?」



39 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:35:19.91 ID:Rs4mJXELo

あかり「あらやだあかりったら、お姉ちゃんも大好きよ、とか」

あかり「どこが?そうねー、ぜーんぶよ、とか」

あかり「お姉ちゃん、まるであかりと会話してるみたいだったの」

ちなつ「へ、へぇ・・・?」



40 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:36:32.44 ID:Rs4mJXELo

あかり「それで、気になって恐る恐る居間に入ったらね、
お姉ちゃんがビックリしたような顔をして」

あかり「え?あかり?・・・じゃあこっちのあかりは?って」

結衣「え?」

ちなつ「ど、どういう事・・・?」



41 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:38:07.75 ID:Rs4mJXELo

あかり「うん、お姉ちゃん居間であかりと一緒にソファに座って
ずっとお喋りしてたんだって」

あかり「けれど、本物のあかりが居間に入ってきたから一瞬目を離して」

あかり「また隣を見たら、一緒に座ってたほうのあかりが消えちゃってたんだって」

ちなつ「そ、それドッペルゲンガーってヤツよ!うわ、こわぁー・・・」

結衣「あ、あかりの家って呪われてるんじゃ・・・?」

京子(妄想のあかりと一人で会話してたんだな?それで、咄嗟に誤魔化したと・・・)



42 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:41:13.38 ID:Rs4mJXELo

あかり「もう、お姉ちゃん怖い怖いってうろたえちゃって」

結衣「そ、それはそうだろな」

ちなつ「こ、こっちのあかりちゃんは消えないよね・・・?」

あかり「もう!ちなつちゃん!」

京子(お姉さんが1番怖いよ)



43 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:42:38.31 ID:Rs4mJXELo

あかり「けれど、怖いことだけじゃないよ」

あかり「いい事もあるんだ」

ちなつ「え?いい事?」

結衣「どんな?」



44 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:44:12.73 ID:Rs4mJXELo
其の六 言霊


あかり「例えばね」

あかり「家に居る時ふと呟いたりする事が、不思議と適ったりするんだ」

結衣「へぇー・・・」

ちなつ「えー、いいなぁ羨ましい」

京子「呟く?」



45 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:45:21.41 ID:Rs4mJXELo

あかり「うん。例えばハンバーグが食べたいなって呟いたりすると」

あかり「夕飯がハンバーグになったり」

結衣「ふーん。偶然じゃない?」



46 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:45:54.27 ID:Rs4mJXELo

あかり「あと、映画が見たいなって呟いたら」

あかり「お姉ちゃんが偶然チケット貰ってきたりね」

ちなつ「へー・・・」



47 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:47:52.32 ID:Rs4mJXELo

あかり「それと、お風呂入ったときにシャンプーが切れてて」

あかり「シャンプーがないーって思わず呟いたら」

あかり「たまたまお姉ちゃんが持ってきてくれたり」

ちなつ「それ、お姉さんが気が利く人なだけじゃない?」



48 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:49:15.66 ID:Rs4mJXELo

あかり「ううん。だってトイレでトイレットペーパーが無くなってて」

あかり「困ったなって呟いたらたまたま偶然お姉ちゃんが持ってきてくれたし」

結衣「へぇー。まぁ、確かに普通そんな偶然って続かないもんね」

ちなつ「あ、それ言霊ってヤツだよ!」

京子(盗聴器だぁーーーー!)



49 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:51:21.35 ID:Rs4mJXELo

京子(風呂・・・。トイレ・・・。あちこちに盗聴器が仕掛けられてる・・・)ゴクリ・・・

あかり「言霊?」

ちなつ「そう。願いを込めた言葉には魂が篭るんだよ」



50 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:54:31.82 ID:Rs4mJXELo

ちなつ「だから今度、お金10万円拾えますようにって呟いてみたら適うかもねー」

結衣「あ、いいねーそれ」アハハ

あかり「もー、そんなの適うわけないよー」

京子(いや、あの姉さんの事ならたぶん・・・)



51 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 14:55:13.83 ID:Rs4mJXELo

ちなつ「それからそれから?もっとないの?」

あかり「うーん、あとは・・・。あっ、そうだ」



52 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:00:54.10 ID:Rs4mJXELo
其の七 開かずの間


あかり「怖い話しでよく、開かずの間っていうのがあるでしょ?」

結衣「ああ、あるね」

ちなつ「あるある!決して開けてはいけないっていう部屋の事でしょ?」

京子(も、もしかして)



53 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:02:04.35 ID:Rs4mJXELo

ちなつ開けたり覗いたりしたら、恐ろしい祟りがあるっていうアレでしょ」

あかり「うん」

京子(アレか・・・あの部屋か)



54 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:04:23.10 ID:Rs4mJXELo

あかり「あかりの家にもね、それがあるんだ」

結衣「へ、へぇ・・・?」

ちなつ「あ、あかりちゃんの家に・・・?」

あかり「うん。お姉ちゃんの部屋なんだけどね」

結衣「お姉さんの・・・?」

京子(お姉さんの、あの部屋かー・・・)



55 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:05:53.65 ID:Rs4mJXELo

あかり「んー、あかりが小学校4年くらいの時からかなぁ」

あかり「それから、家族の誰も入れてくれないの」

結衣「へぇー・・・?」

ちなつ「なんで?」

京子(あの部屋は誰にも見せられないよなぁ・・・あかりの写真なんかが壁一面に)



56 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:09:11.96 ID:Rs4mJXELo

あかり「それがね」

あかり「家族と言えども、プライベートは守られるべきだから、
絶対勝手に部屋には入っちゃダメって」

結衣「ふぅーん・・・」

ちなつ「まぁ、お姉さんのいう事も最もだけど」

京子(お姉さんが言いますかそれ!?)



57 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:10:14.95 ID:Rs4mJXELo

あかり「だから、お姉ちゃんの部屋のこと
わが家の開かずの間だねーって、みんなで笑ってるんだ」

結衣「へぇー・・・」

ちなつ「そうなの」



58 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:11:23.53 ID:Rs4mJXELo

結衣「・・・それで?」

あかり「え?」



59 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:19:49.62 ID:Rs4mJXELo

あかり「これでお終いだよ?」

結衣「何だ、全然怖くないじゃん」アハハ

ちなつ「もう、オチが弱すぎよーあかりちゃん」

京子(ある意味、その部屋の話が一番怖いんだよ?)



60 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:23:28.82 ID:Rs4mJXELo

結衣「いやー、けど今までの話の中だと幽霊の話が1番怖いな」

ちなつ「そうですねー。ドッペルゲンガーも怖かったですけれど」

ちなつ「京子センパイはどの話が怖かったですか?」

京子「えーぅと・・・。開かずの間の話かな・・・」ハハ・・・



61 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:24:55.05 ID:Rs4mJXELo

ちなつ「そうなんですか?どうして?」

京子「あ、い、いや別に?」

あかり「変な京子ちゃん」



62 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:26:23.65 ID:Rs4mJXELo

結衣「それより、もっと他にないの?」

ちなつ「そう。存在感のない少女の話とか」

あかり「も、もう!ちなつちゃん!」

アハハハ・・・

京子(みんな、何も知らないからそう笑ってられるんだよ・・・)

―――
――



63 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:31:07.17 ID:Rs4mJXELo
(夜、京子の部屋)



ヒュー・・・ガタガタ・・・


京子(今日は、風が強いな・・・)



64 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:37:09.97 ID:Rs4mJXELo

京子(・・・それにしても、今日のあかりの話)

京子(怖すぎる・・・お姉さんがだけど)

京子(あかりの姉さんの素行が周りにバレたら、とんでもない事になるな・・・)ハハ・・・



65 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:43:10.27 ID:Rs4mJXELo

京子(・・・そう言えば、うかつに開かずの間の話が一番怖いなんて言っちゃったけど)

京子(あかりが鈍感で、良かった・・・)

京子(あかりのお姉さんの部屋を覗いた事があるなんてバレたら)

京子(何されるか、わかったモンじゃない)



66 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:44:28.32 ID:Rs4mJXELo

京子(・・・けど、待てよ)


京子(もし、あかりが今日の事をお姉さんにしゃべったら・・・?)



67 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:47:47.36 ID:Rs4mJXELo

京子(そして、私がうっかり開かずの間の話が一番怖いなんて言った事を)



京子(お姉さんが、知ったら・・・?)





68 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:50:02.50 ID:Rs4mJXELo

京子(・・・もしかしたら)


京子(私がお姉さんの部屋を覗いた事があるってことに、カンづくかも知れない・・・)



69 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:52:40.17 ID:Rs4mJXELo

京子(・・・)

京子(・・・なぁーんて、考えすぎか)



70 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:58:00.06 ID:Rs4mJXELo

京子(今日あった事を、あかりがお姉さんに話さなければそれまでだし)

京子(話したとしても、私のうっかり言った一言なんて、忘れてる可能性のが高いだろー)

京子(・・・それに)



71 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 15:59:30.39 ID:Rs4mJXELo

京子(私の何気なく言った、たった一言をお姉さんが知ったとしても)

京子(それで、全てを察するなんてことは)

京子(まさかいくら何でも、そこまでカンが鋭いはずは・・・)


ガタン!

京子「ひっ!?」



72 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:05:38.39 ID:Rs4mJXELo
ガタン・・・コツン・・・コツ・・・

京子「な、なぁんだ・・・」



京子「ただの、風が窓を揺らす音か・・・」

京子「・・・落ち着け、神経が過敏になっているだけだ」



73 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:41:14.80 ID:Rs4mJXELo


京子「そろそろ、寝てしまおう」




74 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:41:48.90 ID:Rs4mJXELo
ヒュー・・・ガタン・・・コツン・・・コツ・・・




京子「・・・」



京子「・・・窓が、音をたてている」



京子「外から、窓を叩いているような音を」



75 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:43:33.83 ID:Rs4mJXELo

京子「いやまさか、いくら何でも住所を探り当てて私を見つけられはしない」

京子「お姉さんが、窓を押し破って入ってくるわけがない」



76 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:44:54.81 ID:Rs4mJXELo
ガタン・・・ガタ・・・ガタ・・・


京子「・・・」


京子「・・・いや、そんな!」


京子「あの手は、何だ!」



77 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:45:49.98 ID:Rs4mJXELo

京子「・・・」

京子「あ・・・」



京子「ああ!窓に!窓に!」


終わり



78 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:47:41.98 ID:Rs4mJXELo
オマケ:赤座家での会話


あかり「今日ね、うちであった変な事の話をみんなにしたんだ」

あかね「あら、どんな話?」



79 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:49:28.66 ID:Rs4mJXELo

あかり「んー、夜中に頭に白い三角の布をスッポリ被った女の人が居た話とか」

あかり「あと、壁に変な穴が開いてて向こうに赤い色が見えた話しとか」

あかり「そう言えば、前にそんな事があったって言ってたわね」ニコニコ



80 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:51:04.89 ID:Rs4mJXELo

あかり「あ、けどね、京子ちゃんがちょっと変わってて」

あかね「どんな風に?」



81 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:52:36.46 ID:Rs4mJXELo

あかり「みんなは、女の人の霊の話しが1番怖いって言ってたんだけど」

あかり「京子ちゃんは、お姉ちゃんの部屋が開かずの間って呼ばれてるのが1番怖いんだって」

あかね「へぇー、そうなの」



82 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:54:24.87 ID:Rs4mJXELo

あかね「・・・ところであかり」

あかり「ん?」



83 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:54:55.32 ID:Rs4mJXELo

あかね「京子ちゃん、何か色々質問してこなかった?」

あかり「京子ちゃんが?んー、そう言えば・・・」

あかり「女の人の霊の頭の布に、何か模様が無かったとか」

あかね「あらそう」ニコニコ



84 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:55:47.70 ID:Rs4mJXELo

あかり「あとね、壁の穴の話の時に」

あかり「お姉ちゃんが、どんな瞳の色かって聞いて来たよ」

あかね「あらあら」ニコニコ



85 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 16:57:51.95 ID:Rs4mJXELo

あかね「・・・それであかり」

あかね「他には、どんな話を・・・?」

あかり「えーと、あとはね」



86 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 17:00:33.68 ID:Rs4mJXELo

あかり「物が良くなくなる話しとか、あかりの分身がいた話とか」

あかり「お風呂とかで言った事が適った話とか・・・」

あかね「あらあら、あかりったら」ニコニコ



87 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 17:02:08.45 ID:Rs4mJXELo

あかね「うふふ・・・」






「うふふ・・・」






「うふふ」



本当に終わり



88 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/12/04(日) 17:03:17.19 ID:Rs4mJXELo
以上です
読んでくれた方、ありがとうございました。


元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1480606818/


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