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善子「あれって……」
- 1 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:02:52.13
- 善子がバスの窓から外を眺めていると、ある人物がバスに駆け乗ってくるのが見えた。
その人物は善子の姿を認めると、手を上げた。
曜「あれ?善子ちゃんだ。おはよー!」
善子「お、おはよう……」
曜「善子ちゃんもバス通学だったの?」
善子「そ、そうだけど。前に言わなかったっけ?」
曜「そうだっけ?すっかり忘れてたよ。いやー、失敬失敬!」
善子「いや、まあ、別にいいんだけどね……」
曜「あ、隣いいかな?」
善子「え、ええ。いいわよ」
曜「それじゃあ失礼して……っと」
- 2 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:04:23.64
- 隣に座る曜に対し、バレないように少しだけ距離をとる善子。
善子「……いつもはもっと早い時間に乗ってるんじゃなかったの?」
曜「あ、うん、そうだよ。ただ今日はちょっと寝坊しちゃってね」
善子「そう……」
曜「……」
善子「……」
善子(ああああ!何話せばいいのよ!こうなると思ったからわざと乗る時間ずらしてたのに!)
善子(とにかく落ち着きなさいヨハネ!相手はたかが人間、私の堕天力を持ってすればこのくらいの窮地どうってことないわ!) - 3 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:05:09.17
- 善子「き、今日は良い天気ね」
曜「うん、そうだね!絶好のプール日和だよ!」
善子「そ、そうね」
曜「でも日差しが強いと日焼けしちゃいそうでねー。そこはちょっと辛いかなー」
善子「へ、へぇ…」
曜「あ、そういえば今日は浜辺でランニングするって千歌ちゃんが言ってたよ。いつもの浜辺に集合だからね」
善子「わ、わかったわ」
曜「それと、今新しい衣装を作ってるところなんだ。今度のも自信作だから楽しみにしててね」
善子「う、うん」 - 4 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:05:36.33
- 善子(うおおお!何この人!何でこんなにしゃべれるの!こっちは相打ち打つだけで精一杯なんだけど!)
曜「あれ?善子ちゃん、制服に糸くずついてるよ。取って上げるね」
曜は善子の肩口に手を伸ばす。
善子「え?ほん……ちょっ!待って待って!」
善子(近い近い近い!何で顔まで近づけてくるのよ!)
曜「ん?どうしたの?」
善子「い、いや、その……」
善子(あ、でもここで引いちゃうと嫌な思いさせちゃうかも……)
善子「ち、ちょっと待って……すぅー…ハァー……」 - 5 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:06:55.15
- 曜「?」
善子「……よし!来なさい!」
曜「……え?」
その様を見て、曜はきょとんとした。
善子(やってしまったああああ!何が「来なさい」よ!お願いしますでしょうが!)
善子(ほらー!曜先輩ちょっと引いてるじゃない!明らかに残念そうな子を見る目になってるんだけど!)
曜「……それじゃあ、失礼いたします!」
それはそれば見事な敬礼であった。
善子(まさかの乗ってくれた!?)
改めて曜が手を伸ばす。 - 6 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:07:18.84
- 善子(というかやっぱり近いー!早く取ってくださいー!)
曜「……はい、取れたよ」
善子「あ、ありがとう、ございます」
曜「どういたしまして」
善子(っああー。緊張した。この人の距離感すごいわ。一気に詰め寄ってくる)
善子「……」
曜「……」
善子「……」
曜「……」 - 7 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:07:49.51
- 善子(き、気まずい。何か話さないと……)
曜「そういえば善子ちゃんって花丸ちゃんと幼稚園が一緒だったんだよね」
沈黙の中、思いついたように曜が口を開いた。
善子「う、うん。そうだけど」
曜「花丸ちゃんって美少女だと思うんだけどさ、やっぱり小さい頃から可愛かったの?」
善子「そ、そうね。それなりに可愛かったと思うわよ」
曜「だよねー。あの美少女力だもん。絶対可愛いはずだよ」
善子「美少女力って……まあ、確かに綺麗になったとは思うけどね。でも中身は変わってないわよ」
曜「そうなの?」 - 8 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:08:21.33
- 善子「そうよ。だって小さい頃から機械を見つけては、未来ずらー!未来ずらー!って言ってたしね」
曜「へえ、そうなんだ」
善子「この間も一緒に街に出掛けたんだけど、家電売り場に行ったらもう未来ずらー!の連発よ?どんだけ時代遅れなのって話よね」
曜「家がお寺だからそういうのに縁遠いのかもねー」
善子「かもね。で、その後は結局は本屋に入り浸りよ。随分待たされたわ」
曜「そういえば図書委員だったよね、花丸ちゃん。そんなに本が好きなの?」
善子「好きなんてものじゃないわよ。馬鹿みたいな量の本を買ってたわ。一体いつ読んでるよって話よ」
曜「すごいねぇ。私は文字を追いかけるのは性に会わないあわないなあ」 - 9 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:08:50.04
- 善子「あれはやりすぎよ。付き合わされるこっちの身にもなって欲しいわ」
善子はやれやれと両手を挙げる。
曜「あはは、善子ちゃん、花丸ちゃんのこと好きなんだね」
善子「うへぇ!?突然何を!」
曜「だって、花丸ちゃんのことになると突然饒舌になるんだもん。そう思っちゃうよ」
善子「え?」
善子(そういえば私、かなり話をしてたような……)
曜「いやあ、でも私も花丸ちゃんのことまだ良く知らなかったからさ。こうやって話してくれるのはすごく助かるよ嬉しいよ」
善子(まさか、私から会話を引き出してくれた!?共通の人物であるずら丸を使うことで相手にしゃべらせるなんて……何てコミュ力なの!) - 10 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:10:21.74
- 曜「でも、私だって幼馴染、千歌ちゃんへの愛なら負けないよ!
私だって千歌ちゃんのこと大好きだもん!あ、もちろん果南ちゃんもだし、
梨子ちゃんも!それにルビィちゃんだってダイヤさんだって!
鞠莉さんのことはまだあんまりよく知らないけど、仲良くなっていきたいな!
花丸ちゃんもね!」
善子(す、すご……この人恥ずかしげもなく好きって言ってる)
曜「もちろん、善子ちゃんも好きだよ!」
善子(ぐはっ!!ま、真正面から言われるなんて……笑顔の破壊力が凄過ぎる!じ、浄化されそう!)
溜まらず善子は顔を逸らした。
善子「ど、どうもです……」
善子(たらしか!これが俗に言うたらしというやつか!こんなの誰でも撃沈するわ!ああ、顔あっつ!) - 11 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:12:24.19
- 曜「顔赤いよ?大丈夫?」
善子「だ、大丈夫よ。これは聖なる炎によって飲み込まれないように
ヨハネの内に眠る魔族の血が地獄の業火を打ち起こして
対抗しようとしてるだけだから」
曜「地獄の業火?」
善子「え、あ、いや!これはその……」
善子(や、やってしまったあああー!折角ここまでは普通にやってこれたのにー!こんなとこでボロを出すとか私何やってんのよー!)
曜「……」
善子(何か考え込んでる……いやもうあれはリアクションに困ってるだけね。
ああ、ダメだ、終わった。グッパイ、短かった私の青春)
空、ではなく、バスの天井を仰ぐ善子。 - 12 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:12:51.04
- 曜「……ダメだー!わかんないや!」
善子「……え?」
曜「ごめん善子ちゃん!私には今の言葉よくわからないや!」
善子「そ、そんな謝る必要は――」
曜「でも待ってて。もっと善子ちゃんと仲良くなって
今の言葉を理解できるようになって見せるから!」
善子「!」
曜「だから善子ちゃんももっと私に話しかけてね!」
善子「……い、いいの?変なこと言っちゃうわよ?」
曜「当たり前だよ!友達だもん!」
善子「……うん」 - 13 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:13:13.75
- 善子(ああ、この人はこういう人なんだ。相手がどんな人であれ、受け入れようと努力してくれる人なんだ)
善子「え、っと、それじゃあ……これから、よ、よろしくお願いいたします」
曜「うん!よろしくね!」
言いつつ、曜は善子の手を力強く握る。
善子(うわあああ!手!手!手ぇ握ってきた!何これドキドキするんだけど!)
曜「おっと、そろそろ駅に着いたみたいだね。行こう!」
曜はそのまま善子の手を引く。
善子「っとと、き、急にそんなに引っ張らないでよ!」
曜「あはは!ごめんごめん!」 - 14 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:13:41.69
- 善子「もう!」
善子(……ありがとう曜先輩。今度は私から声を掛けてみるね)
善子はそう思って、
善子「……多分」
小さく一言付け加えた。 - 15 : 名無しで叶える物語 2017/01/12(木) 03:14:20.75
- おしまい

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