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軍師「挑発だ! 挑発して、敵軍を城の外におびき出すのだ!」
- 1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/21(土) 18:08:14.52 ID:zSdnPfTVo
- 軍師のもとに伝令が駆けつける。
「申し上げます! 敵軍はここより西にある城に入り、籠城する模様です!」
「よし……ならば我々は城を囲み、四方から城を攻撃する!
これで我が軍の勝利間違いなしだ!」
「はっ!」
しかし、そううまくはいかなかった。
- 2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/21(土) 18:11:16.28 ID:zSdnPfTVo
- 敵の城は城壁は高く、堀は深く、いくら攻めてもビクともしない。
軍師はあれこれ策を練り、連日城攻めを試みるが、いたずらに犠牲者が増えるばかりであった。
「軍師殿、今日も攻めきれませんでした!」
「うむう、あの城を落とすのは容易ではないな。
どうにかして、敵軍が城の外に出てくるようにせねば……」
軍師はしばらく考えてから、こう命じた。
「よし、挑発だ! 挑発して、敵軍を城の外におびき出すのだ!」
- 3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/21(土) 18:13:11.11 ID:zSdnPfTVo
- さっそく兵士たちにより、城に立てこもる敵軍への挑発が行われた。
「やーいやーい、臆病者ども! そんなに俺たちが怖いのか!」
「いつまで城にひきこもってるんだ! 腰抜けどもが!」
「お前らの大将はとんだヘタレだな! 一戦交えようという勇気さえないのか!」
しかし、敵軍は一向に出てこようとはしなかった。
- 5 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/21(土) 18:15:41.48 ID:zSdnPfTVo
- 挑発は毎日のように続けられたが、効果は無かった。
「ダメです! 出てきません!」
「まずいな……このままにらみ合いが続くと、兵力が多いこちらの兵糧が危うくなってしまう。
司令官から指揮権を委任されておきながら、あんな城も落とせぬとなると、申し訳が立たぬ……」
いくら頭をひねっても策は思いつかない。
その後も軍師は兵士たちに挑発を続けるよう命じた。
- 6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/21(土) 18:19:06.13 ID:zSdnPfTVo
- 一方、城内では敵の将軍が高笑いしていた。
「ハッハッハッハッハ、あんな見え見えの挑発に乗るものか!
このまま籠城していれば、奴らの食糧が尽きるのは分かりきっている!
そうなれば撤退するしかあるまい! 皆の者、ここは我慢の時だ!」
「はっ!」
敵将は軍師の狙いを完璧に読み切っていた。
- 7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/21(土) 18:21:52.92 ID:zSdnPfTVo
- 数日後、軍師は兵士たちの中に、敵将を知る者がいないかどうか呼びかけた。
すると、運よく敵将のことを知っている兵士がいた。
「敵将について、知っていることをなんでも聞かせてくれ」
「分かりました」
敵将になにかしらの“キズ”があれば、そこを突き、搦め手を仕掛けることができる。
たとえば「部下を大切にしない将」だった場合、
城内に恩賞を約束する手紙などを送り部下を寝返らせ、城門を開けさせるという具合にだ。
- 8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/21(土) 18:24:48.49 ID:zSdnPfTVo
- ところが、兵士からは敵将のキズらしいキズの情報は得られなかった。
敵将は勇猛果敢にして品行方正、君主に忠誠を誓い、部下を大事にしている。
分不相応な野心なども持ち合わせてはいない。
敵ながらあっぱれ、というべき将であった。
「――という具合ですね」
「う~ん……弱点らしい弱点はなさそうだ」
やはり、このままこの城は諦めるしかないのか……という思いがよぎる。
- 9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/21(土) 18:28:33.48 ID:zSdnPfTVo
- 「そういえば、敵将ってどんな外見をしているんだ?」
「ああ、たしか――」
次の瞬間、軍師は妙案を閃いた。
「これだ!」
- 10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/21(土) 18:30:20.66 ID:zSdnPfTVo
- 軍師は兵士に命令を下す。
「今すぐ黒くて細い糸をかき集めてくれ。なるべく沢山」
「はあ……分かりました」
とても戦争中とは思えない命令に困惑しながらも、兵士は命令を忠実にこなした。
軍師は集められた大量の糸を前にして微笑む。
「これで……我が軍の勝利だ!」
- 11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/21(土) 18:32:12.20 ID:zSdnPfTVo
- 翌日、城の前に軍師が姿をさらす。
そして――
頭にくっつけた大量の黒い糸をこれ見よがしに、手でかき上げる。
「あー、つれーわー! 長髪だとすぐ髪が目や耳にかぶさってうっとうしいわー!」
これを見た敵将は顔を真っ赤にし、目を血走らせて激怒した。
「全軍出撃だっ!」
「し、しかし……」
「あのロン毛野郎を討ち取るのだぁっ! 絶対に!」
- 12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/21(土) 18:34:14.15 ID:zSdnPfTVo
- 挑発に乗り城を飛び出した敵軍は、すでに軍師に動きを指示されていた兵士たちによって、
逆に叩き潰される結果となり、まもなく降伏した。
長髪による挑発が功を奏したのである。
なお、余談ではあるが、敵将は非常に頭髪が薄い男であったと伝えられている――
― 終 ―

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