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花粉症の少女「口をガムテープで塞がないでぇ!」誘拐犯「黙れ……!」

1 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 20:36:03.149 ID:8WYhKwdk0.net
誘拐犯「騒ぐんじゃない……!」

花粉症の少女「ひっ……!」

誘拐犯「大人しくしていれば危害は加えない……! わかったら大人しく――」

花粉症の少女「いやぁ!!! 殺さないでぇ!!!!!」

誘拐犯「だから、黙っていれば危害は無いと言ってるだろう……! なんでわざわざ騒ぐんだ……!? お前、死にたいのか……!?」

花粉症の少女「ひぃ……! し、死にたくない……! 死にたくないっ!!!」

誘拐犯「だったら……悪いことは言わないから、大人しくこのガムテープで口を塞ぐんだ……! いいな……?」

花粉症の少女「死ぬぅ!!!! 殺されるぅ!!!!!!」

誘拐犯「おい……! だから黙れって……! おまえ、いい加減にしないと本当に……!」

花粉症の少女「だ、だって……抵抗しないと口を塞ぐじゃないですかっ! く、口を塞がれたら……私……! い、息ができません……!」

誘拐犯「鼻ですればいいだろう……! お馬鹿さんか……!?」

花粉症の少女「花粉症なんです!!! 私……か、花粉症で、鼻が詰まってるんです……!!!」

誘拐犯「……!」




8 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 20:39:07.538 ID:8WYhKwdk0.net
誘拐犯「花粉症は春じゃないのか……!?」

花粉症の少女「えっと……私、重度のスギ花粉アレルギーで……。2月に入るともう、お薬を飲まないことには……」

誘拐犯「薬はどうしたんだ……! 朝ご飯の時に飲まなかったのか……!?」

花粉症の少女「飲み忘れちゃって……」

誘拐犯「もう……! わかった……じゃあガムテープはやめだ……! ただし、絶対に騒ぐなよ……!」

誘拐犯「今からお前の両親に身代金受け渡しの指示をする……! 妙な気、起こすんじゃないぞ……! 絶対だからな……!」

花粉症の少女「は、はい」

ピピピ プルルルル カチャ

父親『も、もしもし! もしもし! 娘は……娘は無事なんだろうな!』

誘拐犯「何度も言わせるな……お前たちが俺の要求を守れば、無事に返す……!」

誘拐犯「ただし……俺に背くようなことがあれば……! わかるな……!?」

父親『わ、わかった。君の要求は絶対だ。でもその前に、娘の声を聞かせてくれ……! 娘の無事を確認したいんだ! 頼む!』

誘拐犯「……疑り深いな……! いいだろう……少し待て……!」

ピッ

誘拐犯「おい……!」

花粉症の少女「ズズッ、ズ~! あい? ……んぐっ、ケホっ……なんでずが?」

誘拐犯「うわあ……! お前……鼻水で口元グッシャグシャじゃないか……! 汚いな……! 鼻をかめばいいだろう……!」

花粉症の少女「だっで……手が縛られでるじ……」


12 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 20:42:17.997 ID:8WYhKwdk0.net
誘拐犯「わかった、手の縄を解いてやる……! そこにティッシュがあるからちゃんと口元を拭って鼻をかめ……!」

花粉症の少女「ぁい……あぁ、でもこれ……エリエール……」

誘拐犯「エリエールならなんだ……! エリエールだと駄目なのか……!?」

花粉症の少女「わだじ…………コホッ、鼻セレブじゃないと……駄目なんでず……んぐっ」

誘拐犯「ちょっと待ってろ……! たしか鼻セレブもあったはずだ……!」

ゴソゴソ

誘拐犯「あったぞ、ほら……! 鼻セレブだ……!」

花粉症の少女「ありがどうございます。あれ、でもこれ……」

誘拐犯「今度は何だ……!」

花粉症の少女「パッケージがうさぎ……」

誘拐犯「何がいいんだ……! ヤギか……!? アザラシか……!?」

花粉症の少女「アザラジ」

誘拐犯「ほら……! もういいから、はやく口を拭え……! 見てるこっちが気分悪くなる……!」

花粉症の少女「ふあぁい……ありがとうございまぁす……ふぅ」フキフキ


13 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 20:42:24.793 ID:SRBbB/fn0.net
誘拐犯「口開けろ」

花粉症の少女「すーはーすーはー」

誘拐犯「俺のシャツで猿轡をする。これはどうだ」

花粉症の少女「ふーはーふーはー」

誘拐犯「なんか言ってみろ」

花粉症の少女「ふぃふぇはふぇん!」

誘拐犯「息はできるか?」

花粉症の少女「ふぁい!」

誘拐犯「よし。大人しくしてろよ」

花粉症の少女(優しい人かも)


20 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 20:45:40.789 ID:8WYhKwdk0.net
誘拐犯「待たせたな……! お前の大切な娘の声だ……!」

花粉症の少女「お父さん! お母さーん!」

父親『ああ……! その鼻声、間違いない!』

母親『無事なのね!? よかった……! まだ大丈夫なの……? 辛くない?』 

花粉症の少女「一度殺されかけたけど、私は大丈夫だよ! ほとんど室内だし、頑張れば明日の夕方まではもちそう!」

父親『殺されかけた……!? おい! 約束が違うじゃないか!』

誘拐犯「誤解だ……! お前、いい加減なことを言うな……! 電話をよこせ……!」

花粉症の少女「は、はい……」

誘拐犯「さあ、お前の娘は聞いたとおり、無事だ……! これで満足だろう……!」

父親『あ、ああ……。それで、用意した金はどこへ持っていけばいいんだ……?』

誘拐犯「理解が早くて助かる……! 身代金の受け渡し場所は……○○公園だ……! 明日正午、お前ひとりで来い……!」

父親『しょ、正午だな……わ、わかった』

誘拐犯「まさかとは思うが……サツに通報などしていないだろうな……!」

父親『え? 警察に通報? してないですけど? え? なんでそんなこと聞くんですか? え? やめてください』

誘拐犯「そうか……! サツに通報してなければ、それでいい……! 約束したからな……!」

父親『わかった……』

ピッ

誘拐犯「順調だな……!」


21 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 20:48:08.276 ID:8WYhKwdk0.net
花粉症の少女「……」

誘拐犯「……? おい、やけに元気が無いじゃないか……! どうした、花粉症はそんなに辛いのか……?」

花粉症の少女「いえ、それもありますけど……受け渡し場所が……」

誘拐犯「○○公園がなんだ……!?」

花粉症の少女「○○公園には何度か行ったことがありますけど……酷い目にあいました……」

花粉症の少女「あそこ……杉のオンパレードですよ……? 私、今回もまともでいられるかどうか……」

花粉症の少女「あの場で二足歩行する自信が無いです……」

誘拐犯「そんなにか……!」

花粉症の少女「身代金の受け渡しの前に、死んじゃうかも……うっ、ひっく」グスン

誘拐犯「泣くな……! マスクでどうにかならないか……?」

花粉症の少女「鼻はなんとか……でも、眼が……」

誘拐犯「眼も駄目なのか……!」

花粉症の少女「昔、痒みに耐えられなくて……目ん玉を抉り出しそうになったんです……」

誘拐犯「そういう話やめてくれ……! 眼に関する痛い系の話は苦手なんだ……!」

花粉症の少女「すいません……うぅ」

誘拐犯「ゴーグルをつけるしかないか……! 探してくる……!」


23 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 20:51:26.840 ID:8WYhKwdk0.net
誘拐犯「ほら……これでいいだろう……!」

花粉症の少女「スイミングのゴーグルなんて……目立っちゃいますよ……?」

誘拐犯「目立つのはまずいな……! ならやっぱり我慢しろ……! 受け渡しはすぐに終わる……!」

花粉症の少女「無理です! もし○○公園へ無理やり連れて行くなら……ガムテープを口に貼って、ここで窒息死しますっ!」

花粉症の少女「その方がまだマシです……死に尊厳があります……!」

誘拐犯「……わ、わかった……! 手荒な真似はよせ……! 命を粗末にするんじゃない……! やめだ……!」

誘拐犯「身代金の受け渡し場所を変更する……! どこがいいんだ……?」

花粉症の少女「杉が無い場所なら、どこでも……」

誘拐犯「なら××公園だな……! 変更の連絡を入れないと……!」

ピピピ プルルルル カチャ

父親『もしもし! ああ、良かった……! こ、こちらからも連絡を入れたいと思っていたんだ!』

誘拐犯「なに……? どういうことだ……!?」

父親『身代金の受け渡し場所なんだが……その、なんと言ったらいいか……』

誘拐犯「そのことか……! 可愛い娘を苦しませたくないらしいな……! 場所の変更についてはこちらも同意だ……!」

誘拐犯「新しい指定場所は××公園だ……! お前ひとりで来い……!」

誘拐犯「もう一度確認しておくが……サツには知らせてないんだろうな……!」

父親『え? 警察に? 知らせてませんけど? なんですか? 何度も何度も。やめてください』

誘拐犯「ならいいんだ……! 何度も聞いて悪かったな……!」


27 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 20:54:14.954 ID:8WYhKwdk0.net
誘拐犯「これで大丈夫だろう……!」

花粉症の少女「はい」ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ

誘拐犯「わあ……! な、なにをしているんだ……!?」

花粉症の少女「杉の話をしてたら……目がかゆくなっちゃいまして……」ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ

誘拐犯「やめろ……! そんなに目を擦ったら、赤くなるぞ……! それに、眼球が傷ついたら大変だ……!」

誘拐犯「若いうちは目を大切にしないと、歳を取ってから後悔するんだ……!」

花粉症の少女「でも……」ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ

誘拐犯「そのペースで目を擦り続けたら……明日の朝には顔が半分無くなってるぞ……!」

花粉症の少女「わかってるんですけど……止められないんですっ」ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ

誘拐犯「ど、どうすれば止まるんだ…………!?」

花粉症の少女「目薬を……目薬をさせば……あるいは……」ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ

誘拐犯「わ、わかった……一緒に買いに行こう……!」

誘拐犯「足の縄も解いてやる……! だが、妙な気は起こすんじゃないぞ……! いいな……!」

花粉症の少女「はい……あの、行きつけの目医者さんじゃないと駄目ですからね……」ゴシゴシry

誘拐犯「……もう……! ジャンパーとサイフ取ってくるから……先に外で待ってろ……!」


32 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 20:57:54.213 ID:8WYhKwdk0.net
―――

誘拐犯「どうだ……目薬をしたらおさまったか……!」

花粉症の少女「なんとか」

誘拐犯「これで万全の態勢で身代金の受け渡しに行けるな……!」

花粉症の少女「はい」

誘拐犯「ところで……まさか医者に言ってないだろうな……!」

花粉症の少女「え……? な、なにをですか?」

誘拐犯「俺のことだ……! 誘拐されたなんて、言ってないだろうな……!」

花粉症の少女「あっ!」

誘拐犯「……!? な、なんだ……! 言っちゃったのか……!?」

花粉症の少女「言えばよかった……普通に診察を受けて、処方箋を受け取って出てきちゃいました……」

誘拐犯「お、驚かせやがって……それでいいんだ……!」


33 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 21:01:10.983 ID:8WYhKwdk0.net
ピンポーン

誘拐犯「……? 誰だ……!」

花粉症の少女「あの、誰か来たみたいですけど」

誘拐犯「わかってる……! 居留守を使うぞ……!」

花粉症の少女「は、はい……」

誘拐犯「……」

花粉症の少女「……へ」

誘拐犯「……?」

花粉症の少女「へ…………へっ…………へぇっ…………!」

誘拐犯「お、おい……どうし――」

花粉症の少女「へぇ~~~~~っくしょいっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ブシュッ

誘拐犯「お、おい……!」

花粉症の少女「す、すいません……花粉症だと、くしゃみも……」

???「すいません。どなたか、いらっしゃいませんか」

???「いますよねー? あのー、居留守とかしないでくださいよー。聞こえちゃってますからねー」

誘拐犯「…………!」

花粉症の少女「ご、ごめんなさい……」


36 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 21:05:07.000 ID:8WYhKwdk0.net
誘拐犯「ここは借りたばかりの部屋だ……どうせ新聞の勧誘か何かだろう……!」

誘拐犯「俺が誤魔化してくるから、お前はここで黙ってるんだぞ……!」

花粉症の少女「は、はい」

誘拐犯「声なんかあげたりするんじゃないぞ……! いいな……!」

花粉症の少女「はい……ふぇ、へぁっくっしょい!!! だいじょぶです」


ガチャ

誘拐犯「……なんだ、あんたら……!」

右京「警視庁特命係の杉下です」

冠城「同じく、冠城です」

誘拐犯「け、警視庁……!?」

右京「突然で申し訳ないのですが、二三、お聴きしたいことが……」

誘拐犯「き、聴きたいこと……?」

冠城「まぁ、外で立ち話も何なんで、中に入れてもらいましょうか。ね、右京さん」

右京「そうですね。よろしいでしょうか?」

誘拐犯「ダメだ……! 絶対に……!」

右京「おやおや、何故でしょう」


41 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 21:08:21.324 ID:8WYhKwdk0.net
誘拐犯「中には何もないからだ……!」

右京「何か勘違いをされているようですが、僕たちはなにも、家探しをするためにこちらへお伺いしたわけではありませんよ?」

冠城「ねえ、ちょっと話を聞きたいってだけなのに、あれ? もしかしてー、何か隠してたりとか……?」

誘拐犯「してない……! いいから帰ってくれ……!」

右京「あ、あ、お気に障ったのなら謝ります。冠城くん、急に『あがらせてくれ』などと、少々無礼が過ぎましたね」

冠城「すいません。探し物が見つからないもんで、ちょっと疲れちゃいまして。つい、そんなことを言っちゃいました」

右京「立ち話で構いませんので、質問に入ってよろしいでしょうか。お時間はとらせません。ぜひ」

誘拐犯「は、はやくしてくれ……!」

冠城「さっきも言いましたけど、探し物をしてるんですよ。あ、正確には人探し、ですかね」

右京「ええ。その探し人というのが、都内のとあるメーカーの社長のひとり娘……ああ、冠城くん。君、たしか写真を持ってましたね」

冠城「ああ、はいはい。持ってますよー。これ、この写真の女の子……見覚えあったりします?」

誘拐犯「…………!!!!!!!!!!!」

右京「どうでしょう」

誘拐犯「な、ない…………! 見たことも、会ったこともない……!」

右京「そうですか」


<ふぇっくしょん!!!!!


右京「おや」

誘拐犯「……………………!!!!!!!!!!!!!」


43 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 21:11:16.226 ID:29DkD1lr0.net
誘拐犯「中には何もないからだ……!」

右京「何か勘違いをされているようですが、僕たちはなにも、家探しをするためにこちらへお伺いしたわけではありませんよ?」

冠城「ねえ、ちょっと話を聞きたいってだけなのに、あれ? もしかしてー、何か隠してたりとか……?」

誘拐犯「してない……! いいから帰ってくれ……!」

右京「あ、あ、お気に障ったのなら謝ります。冠城くん、急に『あがらせてくれ』などと、少々無礼が過ぎましたね」

冠城「すいません。探し物が見つからないもんで、ちょっと疲れちゃいまして。つい、そんなことを言っちゃいました」

右京「立ち話で構いませんので、質問に入ってよろしいでしょうか。お時間はとらせません。ぜひ」

誘拐犯「は、はやくしてくれ……!」

冠城「さっきも言いましたけど、探し物をしてるんですよ。あ、正確には人探し、ですかね」

右京「ええ。その探し人というのが、都内のとあるメーカーの社長のひとり娘……ああ、冠城くん。君、たしか写真を持ってましたね」

冠城「ああ、はいはい。持ってますよー。これ、この写真の女の子……見覚えあったりします?」

誘拐犯「…………!!!!!!!!!!!」

右京「どうでしょう」

誘拐犯「な、ない…………! 見たことも、会ったこともない……!」

右京「そうですか」


<ふぇっくしょん!!!!!


右京「おや」

誘拐犯「……………………!!!!!!!!!!!!!」

?「お察しします」


44 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 21:11:37.085 ID:8WYhKwdk0.net
右京「中に、どなたかいらっしゃるんですか?」

誘拐犯「い、いない……!」

冠城「いや、でも今聞こえましたけど、くしゃみ」

誘拐犯「ねっ……ね……!」

右京「『ね』……なんでしょう」

誘拐犯「猫だ……!」

右京「ああ、なるほど。猫、ですか……猫を飼われてるんですねぇ」

誘拐犯「そ、そうだ……!」

右京「こちらのアパートはペット禁止のようですが」

誘拐犯「……そ、それは……!」


<ぶえっくしょい! あー、辛い


誘拐犯「……!」

右京「今、猫が『辛い』と言ったように聞こえました」

冠城「言ってましたね。猫が」


45 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 21:14:42.172 ID:8WYhKwdk0.net
誘拐犯「……! しゃ、喋るんだ……うちの猫は……!」

右京「なるほど、猫が喋る……とても興味深い。不躾で申し訳ありませんが、お見せしてもらってもよろしいでしょうか」

冠城「見たいですね。喋る猫」

誘拐犯「それは駄目だ……! う、うちの猫はアレルギーなんだ……!」

右京「おやおや、猫アレルギーではなく、猫がアレルギー。それはおもしろいですねぇ。ねえ、冠城くん」

冠城「はい、とっても」

冠城「右京さん……これじゃ埒があかないですよ(ボソッ」

右京「ええ。こうなったら、最後の手段です(ボソッ」

ヒョイッ

カツン

冠城「あーっと、ペンが部屋の中に入っちゃった~。すいません、拾うためにちょーっと部屋にあがらせてもらいますね」

誘拐犯「あ、おい……!」

右京「それでは、僕も失礼して……」

誘拐犯「まっ……!」


花粉症の少女「はっくしょん! ふあぁ……。あれ? あのどなたですか……?」

冠城「はい。ターゲット、はっけん」

右京「一課に伝えましょう」


48 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 21:18:15.709 ID:8WYhKwdk0.net
誘拐犯「くそ……! ど、どうしてここがわかったんだ……!」

右京「貴方が身代金受け渡し場所を伝えるための電話をしたとき、我々はその音声を録音していました」

誘拐犯「あの父親……サツに通報していたのか……!」

右京「その音声では、貴方の声に重なって『ズー』『ズー』という、奇妙な音が聞こえました。その音の正体……」

花粉症の少女「ズズ~っ! はぁ……」

右京「その、鼻をすする音だったんですね? ご両親に話を聞いたところ、娘さんは重度の花粉症とのこと」

右京「過去にはアナフィラキシーショックによって生死を彷徨ったことがあるそうです」

右京「にもかかわらず、今朝は花粉症の薬を飲み忘れたと終始嘆いていました」

右京「普通の花粉症患者であれば、ちょっとした失敗で済む話でしょう。ですが、娘さんにとっては――」

右京「命に係わる可能性もあるわけです。かつてアナフィラキシーショックを起こした場所は、群生する杉で有名な○○公園」

右京「その○○公園へ再びその身を晒すとなれば、今度は助からないかもしれない」

右京「貴方から受け渡し場所が『○○公園』だと聞かされた我々は焦りました。こちらからは連絡の取りようがないわけですからねぇ」

右京「ところが、その数分後、突然貴方のほうから取引場所の変更を申し出てきた」

右京「その時の貴方の言動から、娘さんが重度の花粉症持ちであることを知り、そのことを気にかけているということが分かりました」

右京「身代金受け渡しの時間までまだだいぶ間がありますからねぇ。その間、手持ちに花粉症の薬が無いのは非常に心許ない」

右京「万が一、人質が命を落としてしまったら……この誘拐の計画は全ておじゃんになります。なんとしても、薬を手に入れなければ……!」

冠城「貴方がそう考えると踏んで、事前にこの子の行きつけの内科や耳鼻科、眼科を張ってたんですよ。そしたら――」

誘拐犯「俺たちが来たってことか……!」


49 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 21:19:18.697 ID:8WYhKwdk0.net
誘拐犯「くそ……! ど、どうしてここがわかったんだ……!」

右京「貴方が身代金受け渡し場所を伝えるための電話をしたとき、我々はその音声を録音していました」

誘拐犯「あの父親……サツに通報していたのか……!」

右京「その音声では、貴方の声に重なって『ズー』『ズー』という、奇妙な音が聞こえました。その音の正体……」

花粉症の少女「ズズ~っ! はぁ……」

右京「その、鼻をすする音だったんですね? ご両親に話を聞いたところ、娘さんは重度の花粉症とのこと」

右京「過去にはアナフィラキシーショックによって生死を彷徨ったことがあるそうです」

右京「にもかかわらず、今朝は花粉症の薬を飲み忘れたと終始嘆いていました」

右京「普通の花粉症患者であれば、ちょっとした失敗で済む話でしょう。ですが、娘さんにとっては――」

右京「命に係わる可能性もあるわけです。かつてアナフィラキシーショックを起こした場所は、群生する杉で有名な○○公園」

右京「その○○公園へ再びその身を晒すとなれば、今度は助からないかもしれない」

右京「貴方から受け渡し場所が『○○公園』だと聞かされた我々は焦りました。こちらからは連絡の取りようがないわけですからねぇ」

右京「ところが、その数分後、突然貴方のほうから取引場所の変更を申し出てきた」

右京「その時の貴方の言動から、娘さんが重度の花粉症持ちであることを知り、そのことを気にかけているということが分かりました」

右京「身代金受け渡しの時間までまだだいぶ間がありますからねぇ。その間、手持ちに花粉症の薬が無いのは非常に心許ない」

右京「万が一、人質が命を落としてしまったら……この誘拐の計画は全ておじゃんになります。なんとしても、薬を手に入れなければ……!」

冠城「貴方がそう考えると踏んで、事前にこの子の行きつけの内科や耳鼻科、眼科を張ってたんですよ。そしたら――」

誘拐犯「俺たちが来たってことか……!」


52 : 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 21:22:32.622 ID:8WYhKwdk0.net
右京「複数犯の可能性も考え、泳がせていましたが……貴方の単独犯であると分かりました」

右京「なのでこうして、お伺いしたわけです」

冠城「急な話で令状がまだだったんで、半ば強引に入っちゃいましたけど」

右京「……名前は知りませんが、誘拐犯さん。あなたのしたことは、当然、許されることではありません」

右京「なによりも許されないのは、花粉症で苦しむ人質を利用し続け、身代金を奪い取ろうとしたその悪意です」

誘拐犯「……ああ、わかってるよ……!」

花粉症の少女「待ってください! この人は、たしかに私を誘拐した悪い人ですけど……」

花粉症の少女「でも、花粉症の辛さを理解して、めんどくさい私に付き合ってくれたんです……!」

誘拐犯「お、お前……!」

冠城「……これが噂の、ストックホルム症候群……ってやつですか?(ボソッ」

右京「どうやら、それだけではないようです(ボソッ」

右京「誘拐犯さん。花粉症の人間の苦しみを理解し、助けようとする……花粉症でない人間には難しいことでしょう」

右京「ですが、貴方にはそれができた。そんな他人を思い遣ることのできる貴方なら……この愚かな罪を償い、変わることができるはずです」

誘拐犯「うぅ……すいませんでしたぁ……!」


冠城「なんだか、良い奴なのか悪い奴なのか、よくわかりませんでしたね。アイツ」

右京「根は善人なのでしょう。誘拐及び脅迫といった行為は到底認められません。ですが――」

右京「花粉症患者を思い遣る彼の気持ちは、我々も見習わなくてはならないかもしれませんねぇ」

END


元スレ:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1486812963/


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  1. 2017/02/19(日) 13:46:04

    伊丹「ちょっとくらい…俺も出せ!」


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