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やすな「やすニャ短編3本だよ!」ソーニャ「4本だ、バカ」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:07:55.73 ID:QzOj9LHU0
- やすな「ソーニャちゃん、めっ!」
サワッディカーップ!私、折部やすな!実はソーニャちゃんの恋人!
色々あってめでたく結ばれたわけなんだけど、ソーニャちゃんにはある癖があって…困ってるんです!
やすな「ソーニャちゃーん!」
ソーニャ「おう」
やすな「おはよ!」
ソーニャ「おはよう」
やすな「もうー元気ないなぁ…朝なんだからシャキッとしなきゃ!」
ソーニャ「朝からうるさいなお前は…」
やすな「そんなこと言ってーそんな私が好きなくせに!」ウリウリ
ソーニャ「うっ…」カァッ
やすな「照れてる!かっわいー!」ギュッ
ソーニャ「ば、ばか!くっつくな!」
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:09:56.32 ID:QzOj9LHU0
- やすな「いーじゃん!いちゃいちゃしようよー」
ソーニャ「バカかお前は!こんな道端でなに考えてるんだ!」
やすな「えー…じゃあ一回ぎゅってしてくれたら離してあげる」
ソーニャ「……………」
ぎゅっ
やすな「あ…えへへ…」
ソーニャ(か、かわいい…)キュンッ
やすな「ソーニャちゃーん…」ギュッ
ソーニャ(かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい)ギュウウウウウウウウウウウッ
やすな「あああああああああ!!!痛い!痛いよソーニャちゃん!」
ソーニャ「で、でもお前が可愛いからっ…!」ハァッハァッハァッハァッ
ぎゅうううううううううううううううううう!!!!!!!
やすな「離して!死んじゃう!死んじゃうううううううう!!!!」ジタバタ
ソーニャ「し、死ぬ?死ぬのか?私に殺されるのか?私のこの手でお前を殺せるのか!?いいのか!?いいだろ!?いいよな!?好きだぞやすな!それはもう殺したいぐらいに好きだ!!!愛してる!!!!!」ハァハァハァハァハァハァ
やすな「しまった!逆に興奮させちゃっ…あああああああああああああああ!!!!!!!」 - 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:12:35.11 ID:QzOj9LHU0
- ソーニャ「やすな!やすな!やすな!やすな!やすなああああああああああああ!!!!!!」ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ
やすな(こうなったらあの魔法の呪文を…!)
やすな「ソーニャちゃん!離さないと嫌いになるよ!!!」
ソーニャ「!」パッ
やすな「うっ!げほっ!けほっ!っ…はぁっはぁっ………ふぅ…」
ソーニャ「あ…す、すまん私また…」
やすな「………ソーニャちゃん」ジトッ
ソーニャ「う…」
やすな「めっ!」
ソーニャ「…」シュン
そう、ソーニャちゃんの癖とは…
好きって気持ちが高ぶると、相手を殺したくなっちゃうらしいのです。 - 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:15:53.95 ID:QzOj9LHU0
- やすな「もう、こんなんじゃいくつ命があっても足りないよ!」
ソーニャ(いくつも命があれば何回でもやすなを…)ジュルッ
やすな「……今変なこと考えなかった?」
ソーニャ「い!いや!?」ビクッ
やすな「ふぅん…?」ジー
ソーニャ(くっくそ!バカのくせに“女の感”だけは鋭い…)キョドキョド
やすな「ま、いっか」
ソーニャ(やっぱりバカはバカだな)フゥ
やすな「でもさーソーニャちゃん私でよかったね」
ソーニャ「なにがだ?」
やすな「私丈夫だから平気だけど普通の子だったらさっきので死んでるよ」
ソーニャ「ふーん(いいんだか悪いんだか…)」 - 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:17:35.33 ID:QzOj9LHU0
- やすな「ソーニャちゃんの恋人は私しか務まらないってことだね!」ニコッ
ソーニャ「!」キュンッ
ソーニャ「や、やす…!」チャキッ
やすな「めっ!」
ソーニャ「!」ピタッ
やすな「嫌いになるよ」
ソーニャ「………分かってるよ」シュン
やすな(やだかわいい)キュン - 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:19:42.75 ID:QzOj9LHU0
- やすな「その癖治さなきゃね」
ソーニャ「病気みたいな言い方するな」
やすな「好きな人殺したいなんて病気だよ…」
ソーニャ(正論っぽいがこいつに言われるとすげー腹立つ!)
やすな「そもそもなんでそんな歪んだ愛情持つようになっちゃったの?」
ソーニャ「私に聞かれても知らん」
やすな「ソーニャちゃんのことなんだからソーニャちゃんに聞かなきゃ誰に聞くのさ!」
ソーニャ「そう言われてもなぁ…」
やすな「分かった!殺し屋なんてやってるからいけないんだよ!だからそんな歪んだ子になっちゃったんだ」
ソーニャ「誰が歪んでるって!?」
やすな「ごめんなさい!」
ソーニャ「まったく…」
やすな「ねぇー殺し屋やめようよー」
ソーニャ「簡単に言うな。辞める=死だ」
やすな「じゃ、じゃあ組織の人間全員殺してから…」 - 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:22:26.38 ID:QzOj9LHU0
- ソーニャ「それ前も言ってなかったか?っていうか無理だ」
やすな「そんなぁ…」
ソーニャ「私が殺し屋なのが嫌なのか?」
やすな「嫌だよ!普通嫌だよ!」
ソーニャ「でもビンのフタ開けるのに栓抜きいらないし、殺したい奴いたら殺せるし、便利だろう?」
やすな「そんな便利さいらないよ!」
ソーニャ「なにがそんなに嫌なんだ?」
やすな「ソーニャちゃんが誰かを傷つけることも嫌だけどソーニャちゃんが危ない目にあったりしたらやなんだもん…」
ソーニャ「やすっ…!」キュンッ
やすな「めっ!」
ソーニャ「………」シュン - 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:24:56.30 ID:QzOj9LHU0
- 女の人「おっひるー♪」
ソーニャ「パン買ってくる」
やすな「あ、待ってソーニャちゃん」
ソーニャ「?」
やすな「はいこれお弁当!」
ソーニャ「え…わ、私に?」
やすな「うん!お母さんに頼んで作ってもらった!」
ソーニャ「そ、そうか…」ジーン
やすな「ごめんね、本当は私が作ったのあげたかったんだけどあんまり料理したことないから…」
やすな「料理勉強して上手になったらソーニャちゃんに私の手作りのお弁当毎日作ってきてあげるね!」
ソーニャ「やすな…」ジィィィーン
ソーニャ(………殺したい)ウズウズ
やすな「さ、食べよ!」
ソーニャ「あっ」
やすな「え?」 - 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:27:53.57 ID:QzOj9LHU0
- ソーニャ「…」ササッ
やすな「なに?なんかあるの?」
ソーニャ「いや、髪が赤と黒色したおさげの奴がいた気がしたんだけど気のせいだった」
やすな「髪が赤と黒ー?変なの!」ケラケラ
やすな「じゃ、たべよっか!いただきまー…す?」
ソーニャ「………」ソワソワ
やすな「………ソーニャちゃん」
ソーニャ「な、なんだ?」
やすな「お弁当になにか入れたでしょ」
ソーニャ「……しらない」
やすな「じゃあなんでタコさんウィンナーが紫なの!?おかしいよ!」
ソーニャ「それは…その…だから…」キョドキョド
やすな「…ソーニャちゃん」
ソーニャ「……なんだ?」 - 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:30:53.74 ID:QzOj9LHU0
- やすな「めっ!」
ソーニャ「う…」シュン
やすな「もー!食べ物無駄にしたらだめでしょお!?」
ソーニャ「す、すまん……じゃあこれ…」
やすな「だめ!それは私がソーニャちゃんにあげたんだから!」
ソーニャ「じゃあ購買で何か買ってくるよ…何がいい?」
やすな「やきそばパンとメロンパン。あとトマト牛乳も!」
ソーニャ「分かった…」トボトボ - 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:33:38.74 ID:QzOj9LHU0
- やすな「はぁーようやくお昼だよ」モグモグ
ソーニャ「すまん…」モグモグ
やすな「ね、それでお弁当作るとしたらなにがいい?」
やすな「あ、パンがいい?ソーニャちゃんいつもパンだもんね。サンドウィッチとか?」
ソーニャ「…お前が作るならなんでもいい」
やすな「なんでもいいが一番困るってお母さんがいつも言ってる!」
ソーニャ「でも…お前が作ってくれるなら何でも嬉しいし…」
やすな「ソーニャちゃん…」キュン
ソーニャ「たとえ毒入りでも私は食べる」
やすな「ソーニャちゃんじゃないんだからそんなことしないよ!」 - 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:35:23.00 ID:QzOj9LHU0
- やすな「好きな食べ物とかあるでしょ?教えて?」
ソーニャ「んー……やきそばパン」
やすな「いつも食べてるじゃん…でもやきそばパンなら私にもできそう!」
ソーニャ「おぉ」
やすな「ペヤ○グ作ってパンに挟めばいいだけだもんね!」
ソーニャ「待て」
やすな「え?あ、U○O派?それとも一平○ゃん?それともニューフェイスのジャ○ジャン?」
ソーニャ(………なんでこんなにバカなのに殺せないんだろう) - 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:37:55.70 ID:QzOj9LHU0
- やすな「ふぃー…食べた食べた」ポンポン
ソーニャ「行儀悪いぞ」
やすな「んもぉー!堅いこと言わないの!誰だってお腹いっぱいになったらぽんぽんするんだから!ソーニャちゃん女の子に幻想抱きすぎなんじゃないの~?」
ソーニャ「私も女なんだが」
やすな「ふぁ…食べたら眠くなっちゃった…」
ソーニャ「まんまガキだな…」
やすな「とゆーわけでお休み」
ソーニャ「おい、もう授業始まるぞ」
やすな「だって眠いんだもん…ノートよろし…く…」
ソーニャ「あ、コラ……ったく」
やすな「…」スースー
ソーニャ(寝付き良すぎだろ…)クスッ
やすな「…」スースー
ソーニャ「………」 - 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:40:13.32 ID:QzOj9LHU0
- やすな「…」スースー
ソーニャ(な、なんて可愛い寝顔してやがるんだこいつは…!)キュンッ
ソーニャ(殺したい!)ブルブル
ソーニャ(いやっだめだ!そんなことしたらやすなに嫌われ…)
やすな「んん……ソーニャちゃぁん…」ムニャムニャ
ソーニャ「!?」キューンッ
ソーニャ(だっ…だめだ!もう我慢できない…!)ハァーッハァーッ
やすな「むにゃ…」ムニャムニャ
ソーニャ「愛してる!愛してるぞ!やすなあああああああああ!!!!」チャキッ
やすな「めっ」
ソーニャ「!!!!??」ビクゥッ
やすな「めっ…」
ソーニャ「う…」シュン
やすな「めっ……め……めんつゆ…あぎりさん秘伝のめんつゆ…飲んじゃだめだよソーニャちゃん…」ムニャムニャ
ソーニャ「寝言かよ!っていうか飲まねぇよ!」 - 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:41:31.61 ID:fETC4AXk0
- だめだこのソーニャちゃん…
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:41:59.56 ID:QzOj9LHU0
- 「今ソーニャが愛してるって!」
ザワザワ
「折部さんに向かって言ってたわ!」
ヒソヒソ
「百合ですね~」
ギリギリ
ソーニャ「うっ…!」カァッ
ソーニャ「うわあああああああああああ!!!」ダッ
やすな「………んー…?ソーニャちゃん…?」ムクッ - 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:44:09.07 ID:QzOj9LHU0
- 女の人「ほうかーーーごっ!」
やすな「ソーニャちゃんなんで早退しちゃったの?それも私が寝てる間に!」キィッ
ソーニャ「い、色々あったんだよ…(くそっ…!明日からどんな顔して教室にいけばいいんだ!)」
やすな「ふーん?あ、ねぇねぇ!クレープ食べに行こうよ!」
ソーニャ「またか…好きだな」
やすな「ソーニャちゃんのが好きだけどねー」
ソーニャ「っ…」キュンッ
やすな「いこっ!」グイッ
ソーニャ「ば、ばか!あんなこと言ったあとすぐに手なんか握って…!……ほ、本当は私に殺されたがって…?」
やすな「ないよ」
ソーニャ「………」
やすな「めーっ」
ソーニャ「…」シュン
やすな「さーいこいこ!」グイグイ
ソーニャ(2、3、5、7、11、13、17、19、23、29…) - 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:45:49.15 ID:QzOj9LHU0
- 男の人「こうえーーーんっ!」
やすな「私はちみつクレープ!ソーニャちゃんは?」
ソーニャ(739、743、751、757…)
やすな「ソーニャちゃん!」
ソーニャ「!」ハッ
やすな「何味がいい?」
ソーニャ「あ…お、同じので」
やすな「はちみつクレープ二つください!」
クレープ屋のおっちゃん「あいよー」 - 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:49:13.37 ID:WsQUG6+o0
- 作中のたった1行のためにわざわざ3桁の素数を調べた>>1は偉い
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:48:46.13 ID:QzOj9LHU0
- やすな「おいしー!」ハムハム
ソーニャ「…」ハムハム
やすな「ソーニャちゃんのも一口ちょーだい!」
ソーニャ「同じ味だろ」
やすな「チッ…気付かれた」
ソーニャ「お前じゃないんだから気付く」ハムハム
やすな「どういう意味?」
ソーニャ「そういう意味」ハムハム
やすな「???」
ソーニャ(バカだな)ハムハム
やすな「むー…いいもーん!私のもあげないんだから!」ハムハムハムハム
ソーニャ「いらん」
やすな「でも間接ちゅーできるよ?」
ソーニャ「…」ピクッ
ソーニャ「………」ソワソワソワソワ - 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:51:40.63 ID:QzOj9LHU0
- ソーニャ「……………や」
やすな「へっへーん!残念でした!もう食べちゃったもんねー!」
ソーニャ「あ…」
やすな「え?」
ソーニャ「………」シュン
やすな「も、もしかして本当にしたかった?」
ソーニャ「……べつに」プイッ
やすな「え、えっと………間接じゃなくて…いいなら…」カァッ
ソーニャ「……いいのか?」
やすな「う、うん…」ドキドキ
ソーニャ「じゃあ…」ソッ
やすな「っ…」ギュッ
ちゅ
やすな(うわ…ソーニャちゃんの唇あったかい…やわらかいし…なんか甘い味が…)ドキドキ - 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:53:45.06 ID:QzOj9LHU0
- ソーニャ(………)レロッ
やすな「!?」
やすな(ソ、ソーニャちゃんのべろが私の中に!)アワワ
ソーニャ「ちゅ……ん……っ…」
やすな「んっ…んっ………っふ…」
やすな(……きもちいい)トロン…
ソーニャ(…………………)
がぶっ!
やすな「!?」
ソーニャ(やすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすな…!!!)
ソーニャ(やすなの唇やわらかいやすなの口の中あったかいやすなの舌エロいやすなの唾液おいしい一生やすなの唾液だけ飲んで生きていたい可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い!!!!!!)ハァハァハァハァハァハァ
やすな「いひゃい!!!ホーニャひゃんいひゃい!!!!!!!」バシバシ
ソーニャ(このエロ可愛い舌噛み切ればやすなは死んで私だけのものになるし噛み切ったらしばらく口の中でもごもごさせてから飲み込もうそしたらまたやすなにキスして血だらけになった口の中の血と唾液がなくなるまで飲み干してそしたら一旦家に連れて帰って…)ハァハァハァハァハァハァ
やすな(な、なんかすごくおぞましい予感が…!!!!) - 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:56:16.00 ID:QzOj9LHU0
- やすな(えーい!!!)
ドンッ
ソーニャ「わっ!?」
やすな「うわ…口の中血の味がする…」グスッ
ソーニャ(………)ポワーン
やすな「ソーニャちゃん…」キッ
ソーニャ「…」ハッ
やすな「めっ!!!!!!」
ソーニャ「う…」シュン
やすな「もー!!!!危なっかしくてソーニャちゃんとなんかちゅーできないよ!!!!!」
ソーニャ「え…」
やすな「ちゅーしたかったら早急にその癖治して!はい!今すぐ!」
ソーニャ「無茶言うなよ…」
やすな「治るまでちゅーしないよ!」
ソーニャ「…」シュン - 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:59:03.37 ID:QzOj9LHU0
- やすな「そっ…そんな可愛い顔したってだめなんだからね!」
ソーニャ「………」シューン
やすな「だっ…だまされない!だまされないぞぅ!」
やすな「その癖治すまで本当にちゅーしないからね!ほっ本当だからね!」
ソーニャ「………じゃあ」
やすな「え?」
ソーニャ「…抱きしめてもいいか」
やすな「い、いいけど…」キュン
ソーニャ「やすな…」ギュッ
やすな(う…)ギシッ
やすな(ソーニャちゃんから来られると恥ずかしい…)カァッ
やすな(ちゅーのときもそうだったけど恥ずかしがり屋なのに…こういうとき肉食系に戻るんだ…)
やすな(……………ん?肉食系?) - 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:01:27.41 ID:E2oQ2L650
- ソーニャ(かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい)ギュウウウウウウウウウウウッ
やすな「あああああああああ!!!忘れてた!!!!危険なのはちゅうだけじゃあいだだだだだだだだだ!!!!!!」
やすな(これ…完全に捕食だ…!!!!)
ソーニャ(やすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすな)ハァハァハァハァハァハァ
やすな「くっ…食われ…あいたあああああああああああああああああ!!!!!!」
ぎゅうううううううううううううううううう!!!!!!!
やすな「めっ!ソーニャちゃんめっ!めっ!めえええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」
女の人「まほうのじゅもんむらさきるぺや○ぐへんたいばかっぷる」 - 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:02:39.09 ID:MXVsRSWb0
- やすな「ソーニャちゃん、めっ!」おわり。
あと3本。 - 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:04:16.25 ID:MXVsRSWb0
- ソーニャ「ん…手紙?」
ソーニャ「また別の組織の人間か…?」ペラッ
【女子きです。付き合ってください】
ソーニャ「なんだ恋文か。名前は…書いてない。内容もそうだが頭の悪そうな字だな」ポイッ - 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:06:33.37 ID:MXVsRSWb0
- 女の人「さっそく次の日」
ソーニャ「ん?また手紙が…」
【昨日書き忘れちゃった。放科後空き教室まで来てくだい】
ソーニャ「またこいつか…誤字脱字が更に頭の悪さを強調してるな」ポイッ
やすな「あー!ソーニャちゃんゴミ捨てたー!」
ソーニャ「(そしてまた頭の悪い奴が寄ってきた…)チッ」
やすな「舌打ちしたってダメだめだよ!怖くないよ!ゴミはゴミ箱に!」ビシッ
ソーニャ「そのゴミは私の下駄箱に入ってたんだよ」
やすな「え…イジメ?ぷっー!プロの殺し屋のくせに学校でイジメられるなんて!」ゲラゲラ
ソーニャ「お前も苛めてやろうか?」チャキッ
やすな「あ…ごめんなさいごめんなさい…!イジメ、カッコワルイ!」
ソーニャ「………ふん」パッ
やすな「ふぅ…」ホッ - 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:10:16.04 ID:MXVsRSWb0
- やすな「それでなんでゴミなんか入ってたの?正直うちの学校でソーニャちゃんイジメるような勇気ある人はあぎりさんぐらいしか思い浮かばないよ」
ソーニャ「お前のなかであぎりの印象どうなってるんだよ…」
ソーニャ「というか、私の下駄箱に入ってたときはゴミじゃなかったんだ。私の手に渡ったときにゴミになった」
やすな「へ???なにそれ、なぞなぞ?」
ソーニャ「違う」
やすな「もー!なに?分かんないよ!」
ソーニャ「ゴミ見てみれば分かる」
やすな「えー?そんなこと言って私にゴミ捨てさせる気じゃ…」カサッ
やすな「………これラブレターじゃん!」
ソーニャ「そうだな」
やすな「信じらんない…ラブレターをゴミだなんて…このひとでなしー!」
ソーニャ「あぁ?」チャキッ
やすな「あ…ごめんなさいごめんなさい…イジメ、カッコワルイ!」
ソーニャ「………ふんっ!」パカッ
やすな「あいたっ!」 - 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:15:00.92 ID:MXVsRSWb0
- やすな「もー!酷いよソーニャちゃん!」プンプン
ソーニャ「軽くしてやっただろ」
やすな「そっちもだけど…ラブレター捨てるなんて酷い!」
ソーニャ「私はそんなものに興味はない」
やすな「なにそれ、カッコいいと思ってんの?」
ソーニャ「ふんっ!!!」ボカッ
やすな「あひぃっ!」
やすな「痛い…っていうかそれ!」
ソーニャ「あん?」
やすな「それだよ、それ!その暴力キャラが知れ渡ってからソーニャちゃんにラブレター書く人いなくなったのに、それでも書いてきたってことはこの人よっぽどソーニャちゃんが好…!」
ソーニャ「誰が暴力キャラだって!?」ガシッ
やすな「ほら!現に今いたいけな少女を羽交い絞めにしいたああああああああああ!!!!」
ソーニャ「………」ギリギリギリギリ
やすな「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!」ジタバタ
ソーニャ「………ふんっ」パッ - 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:17:55.45 ID:MXVsRSWb0
- やすな「ふぅ…ふぅ…まだジンジンする…」グスッ
やすな「そんなんだから最初は見た目だけに騙されてラブレター書いてた人もいなくなったんだよ!」
ソーニャ「…」イラァッ
やすな「落ち着いて。落ち着いてソーニャちゃん。どうどう…」
ソーニャ「………まぁいい」
やすな「ほっ…」
ソーニャ「私としてはそんなのいなくなって清々してる。毎朝毎朝下駄箱のゴミ掃除される身にもなってみろ。いい迷惑だ」
やすな「くそぅくそぅ!ちょーっとモテるからっていい気になって!くそぅ!」
ソーニャ「いい気になってない。むしろ不快だ」
やすな「敵に回したね!今の発言で全国のモテない紳士淑女達を一斉に敵に回したよ!」
ソーニャ「お前筆頭にか?」
やすな「なっ…!やっぱりいい気なってる!」
ソーニャ「なってない」
やすな「ふ、ふぅーんだ!私だってモテるんだからね!」
ソーニャ「ほう」 - 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:21:12.72 ID:MXVsRSWb0
- やすな「その目は信じてないなぁ!?私だってラブレターぐらいもらったこと…」
ソーニャ「あるのか?」
やすな「……あ、あるよ?」キョドキョド
ソーニャ「いつ?」
やすな「き、昨日…?」ドギマギ
ソーニャ「誰に?」
やすな「と、通りすがりのイケメンに…?」ソワソワ
ソーニャ「見せてみろ」
やすな「だっ!だめだよ!私はソーニャちゃんみたいに人の気持ちをゴミ扱いする人間じゃないんだからそんなことできません!」
ソーニャ「ふぅーーーーん」ジトー
やすな「う…」 - 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:23:33.15 ID:MXVsRSWb0
- ソーニャ「…」ジーーー
やすな「うそですごめんなさい!」ガバッ
ソーニャ「まぁ分かってたけど。お前なんかにラブレター書く奴いるわけないからな」
やすな「くそぅ!くそぅ!」
ソーニャ「先教室行くぞ」スタスタ
やすな「あっ待ってよソーニャちゃん!」タタッ - 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:26:22.39 ID:MXVsRSWb0
- やすな「ねぇーやっぱりよくないよ!」
ソーニャ「あ?」
やすな「手紙!ちゃんとお返事しなきゃ!」
ソーニャ「しらん」
やすな「最後かもしれないよ!?いくら可愛いからってその性格じゃもう誰も寄ってこな…」
ソーニャ「ふんんんんっ!!!」バキッ
やすな「いーーーー!!!?」
やすな「うぅっ…絶対寄ってこない…」
ソーニャ「まだ言うか!?」
やすな「だってそうだもん!もうその人が最後の人だよ!」
ソーニャ「それならそれでいい」
やすな「いいのぉ~?一生一人だよ?最期は一人虚しくアパートで孤独死して家族も身よりも、友達もいないソーニャちゃんは死んでから3ヵ月後とかに大家さんに発見されるんだよ~?」
ソーニャ「構わん」
やすな(あれ?殴ってくるかと思ったのに…) - 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:30:10.65 ID:MXVsRSWb0
- ソーニャ「殺し屋がそんな死に方できるならいい方だな」
やすな「………」
ソーニャ「なんだよ?」
やすな「どーん!」ドンッ
ソーニャ「んなっ!?」
やすな「どーん!どーん!!どぉーん!!!」ドンドンドンッ
ソーニャ「やめろうっとおしい!急になんだ!?」
やすな「どー!」
ソーニャ「うるさいドーン!!!!」バキッ
やすな「フォリシッ!」バタッ
ソーニャ「なんなんだお前は!?」
やすな「…」ムクッ
やすな「はい、ラブレター」 - 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:31:26.09 ID:MXVsRSWb0
- ソーニャ「さっきのじゃないか。持ってきたのか?」
やすな「だって返事出すとき手紙もいるでしょ?」
ソーニャ「いらん。返事も出さん」
やすな「なーんーでーよー!」ジタバタ
ソーニャ「お前しつこいぞ。……まさかこれ、お前が?」
やすな「は?私がソーニャちゃんにラブレター?自意識過剰なんじゃない?」
ソーニャ「…」イラァッ
ソーニャ「ふんっっっっ!!!」バキッ
やすな「あぁーん!!!」 - 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:32:52.15 ID:MXVsRSWb0
- 女の人「また次の日だぞっ☆」
【今日こそ来てください。来るまで待ってます。来なかったら明日もラブレター出します。】
ソーニャ「チッ…またこいつか」
ソーニャ(字の汚さは相変わらずだが今日は誤字脱字ないな…)
ソーニャ「………しょうがない」
ソーニャ(明日もゴミ箱にされちゃたまらんからな) - 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:36:47.98 ID:MXVsRSWb0
- 放課後 空き教室
ソーニャ(恋文に見せかけた敵かもしれないから一応気をつけなければ…)ササッ
ソーニャ「…」ソーッ
ガラッ!
ソーニャ「ハッ!」ゴロゴロ
ソーニャ「…」スタッ キョロキョロ
やすな「あ、来た!」
ソーニャ「お・ま・え・かぁ!!!!」ガシッ
やすな「あっ!痛い!痛いよソーニャちゃ…ああああああああ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!」
ソーニャ「懲りもせずアホなこと繰り返しやがって!!!!」ギリギリギリギリギリギリ
ソーニャ「どーせ浮かれて喜ぶ私を見たかったんだろうが、残念だったな!私はそんなもんに現を抜かしたりしない!!!!」ギリギリギリギリギリ
やすな「分かった!分かったから放してええええええええええ!!!!!!」
ソーニャ「もうしないか?」
やすな「しない!しないですぅ!!!」
ソーニャ「………ふん」パッ - 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:38:59.14 ID:MXVsRSWb0
- やすな「ひぃーっ…ひぃーっ…」ゼェゼェ
ソーニャ「次はないからな!」
やすな「はい…」グッタリ
ソーニャ「ったく…」
やすな「………」
やすな「べつに、からかおうとしたわけじゃないんだけどな…」ポソッ
ソーニャ「あぁ!?なんか言ったか!?」
やすな「言ってません!ごめんなさい!」
ソーニャ「ふんっ。もう帰るぞ」
やすな「あっ待ってよぉ」ガバッ
ソーニャ「早くしろ」スタスタ
やすな「待っててばー!ソーニャちゃーん!」タタタッ
ほんとのきもちはひみつだよ。 - 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:40:38.09 ID:MXVsRSWb0
- ソーニャ「ん…?手紙?」おわり。
あと2本。ちょいシリアス入るから書き方変わるよ。 - 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:42:00.00 ID:7nRyZ1260
- がんばって
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:43:17.88 ID:MXVsRSWb0
- ソーニャ「ごめんな、やすな」
いつも行くクレープ屋で3割引セールがやっているらしく、今日はバカが帰りを急かした。一人で行け、と言う私の声なんかではバカの制止にはならない。
結局は行ってやったのだが、そのおかげで私は教室に忘れ物をした。バカやすなが帰り支度してる間にちょっかいかけてくるから…。
忘れ物に気付いたのはやすなと別れた後で、学校は既に遠くなっていた。ここまで来てしまったら家に帰ったほうが近いのだが、忘れ物がよりによって携帯電話なのがまずかった。
あの電話は組織から支給されたもので、着信の殆どが依頼電話だ。即ち、あれを携帯していないと組織と連絡が取れない。
もし急ぎの仕事ならば他の奴が私の代わりをすることになるだろう。同じ組織の人間とは言え私を蹴落とそうとしている奴もいる。仕事中の自分のミスならともかく、電話を忘れたぐらいで評価がさがるのはごめんだ。
そういうわけで、私は今こうして学校にいる。
まだちらほらと部活の生徒が残っているが、そろそろ空も暗くなる時間。おそらく教室には誰もいないだろう。…と、思っていたのだが。
「折部ってうざくね?」 - 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:46:09.03 ID:MXVsRSWb0
- 教室のドアへ手をかけたとき、中からそんなセリフが聞こえた。
気配を消し、こっそりと中を覗く。
中には女生徒が二人。多分、私とやすなのクラスメイトだ。
これからご出勤でもするのか、女子高生とは思えない二人の女は派手に塗られた化粧の上からまた更に化粧を塗りたくる。
名前は…なんだったか。
いや、思い出せるわけがない。興味のない奴の名前なんか私は最初から知らない。
「えーそう?」
「うるさいじゃん」
「あー確かに」
「あとあの能天気な顔もムカつく」
「あー!ちょっと分かるー」
「でしょ?」
ケラケラと楽しそうに笑う馬鹿二人。今私が教室に入ったらこいつらはどんな顔をするだろう。 - 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:48:34.52 ID:MXVsRSWb0
- 「あっくんに頼んで黙らせてもらおうかな」
「あっくんって彼氏だっけー?」
「そうだよ。っていうか覚えとけよ」
「ごめーん」
「あっくんさ、ヤバい友達多いんだよね」
「へぇー」
「だからあっくんに頼めば折部のあの能天気な顔見なくて済むかも」
「どうすんのー?」
「んー…ヤっちゃうとか?」
「えーウケるー」
また、二人楽しそうにケラケラと笑う。自分達が言ってる内容、理解しているのだろうか。 - 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:51:04.17 ID:MXVsRSWb0
- 「今日あっくんに言ってみよ」
「マジで言うのー?」
「だってうざいんだもん。動画とか撮ってネットで流そうか?」
「それ超ウケるー!」
吐き気が、した。
「おい」
「「え?」」 - 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:54:06.16 ID:MXVsRSWb0
- 「えー…みなさんに悲しいお知らせです」
緊急で開かれた全校集会。
「もう既に知っているかもしれませんが、○日に△組の××さんと□□さんが亡くなりました」
「自殺だったようです」
ザワッ。
「本当だったんだ」
「いがーい」
「そんな感じに見えないのにね」
「うっ…うぅっ…」
「二人で自殺ってどういうこと?一緒に死んだってこと?」
「たまたま同じ日っていうのは…」
ザワザワザワザワ。
皆それぞれ思うように喋っていく。その様子は身近で起こった非日常を楽しんでいるようにも見えた。泣いている者も何人かいたが、それすらも友達が死んでしまった可哀相な自分を楽しんでいるようだ。 - 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:56:07.30 ID:MXVsRSWb0
- 「えー静かに。静かに」
校長のしゃがれた声が体育館に響き渡る。
「年頃のみなさんのことですから様々な悩みがあると思います。しかしそんな時は一人で悩まず周りの人に相談してください。また、友達からそのような相談を受けたら前向きな方法で力になってあげてください」
ヒソヒソ。
「やっぱり二人で死んだんだ」
「仲よかったみたいだから」
「でもさぁ…」
ヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソ…。 - 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:57:55.72 ID:MXVsRSWb0
- 教室に戻ると引き続きみんながその話題を口にしている。先ほど泣いていた女子グループもまだ自分達を演出しているみたいだ。
そんな中。やすなは誰の話題にも入らず一人窓辺で空を見上げていた。
無言で近づき、隣に立つ。
「…ソーニャちゃん」
空を見上げながらやすなが私に話しかける。
「なんだ」
「空が、きれいだね」
「……あぁ」
「真っ青だ」
「あぁ」
「きれいだねぇ」
「あぁ」 - 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:01:42.65 ID:MXVsRSWb0
- 私は誰も居ない屋上に一人でいた。
轟きが耳にはっきりと届くぐらい、風が強い。
一緒に帰ろう、と誘うあいつを一人で帰し、あいつがきれいだと言った空を見上げる。
青い空。白い雲。ありがちな、風景。
近いようで遠く。遠いようで、近く。
手を伸ばせば届きそうな雲。
雲を取ってやったらあいつ、喜ぶかな。わたあめみたいってはしゃぐかな。
でもきっと雲なんか甘くないぞ。 - 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:04:05.70 ID:MXVsRSWb0
- 今日一日、あいつは一度もあの話題に触れなかった。
軽々しく飛び交う噂や戯言。哀れむ振り。嘘の涙。
人間が俗物だと言うことがよく分かる。
でもあいつはきっと不器用で。純粋で。素直で。
ヒソヒソと噂話も楽しめない。悲しんでいます、とアピールもできない。ただ静かにそれに触れないように。そんなことしかできない。
あいつは、バカだ。
噂話も。哀れむ振りも。涙も。そんなものは午前中でとっくに終了して、皆各々の日常を取り戻していると言うのに。あいつだけはただのクラスメートが死んだくらいでまだ落ち込んでいる。
それも…自分がどう思われていたのかも知らずに。
そもそも交流すらなかったはずだ。あいつと奴らが話しているのを私は見たことがない。
なのに。
あんな奴らのせいであいつが能天気な顔を見せないことが腹立たしい。 - 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:06:59.34 ID:MXVsRSWb0
- 気付くと誰かの気配を感じた。
考え込んでいたから、気付かなかったのか。それとも気配を消していたのか。
「あぎり」
「はい~」
振り返るまでもない。気配で誰がいるのかぐらい分かる。
それと…。
「…なんだ?」
何か言いたそうにじっとこちらを見つめているのも、分かる。
「………いいえ~」
「うそつけ」
「うそじゃありませんよ。私はあなたがどんな理由で“そんなこと”をしても咎める気も、その資格もありませんからね」
「…嫌な奴だな」
あぎりの思うところはなんとなく予想できる。
私達はプロで、殺人鬼じゃない。世間から見たら変わりはないだろうが、それでも。この仕事に誇りをもっている。
私もあぎりも、依頼以外では“そんなことを”したことがない。少なくとも私は…なかった。 - 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:10:35.46 ID:MXVsRSWb0
- しかし、あぎりには悪いが…私の思うところはそこじゃない。
手順も、後処理の仕方も、仕事と何も変わらない。相手に対して罪悪感も感じていない。
けれど…。
あいつを、言い訳にしてしまったことが辛い。
「そういえばやすなさんはどうしてますか~?」
「………本当、嫌な奴だ」
ごめんな、やすな。
でも私にはこんな特技しかないから。
こんなことでしかお前を守ることができないんだ。
ごめんな。 - 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:11:43.86 ID:MXVsRSWb0
- ソーニャ「ごめんな、やすな」おわり。
次ラスト。 - 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:14:35.11 ID:MXVsRSWb0
- やすな「ごめんね…ソーニャちゃん」
ボンジュール!私、折部やすな!もしかすると高校生!
ソーニャちゃんとの帰宅途中で忘れ物に気付いて、今取りに戻ってます。
もっちろんソーニャちゃんも一緒!
…………なんてことはなく。一緒に行ってって言ったのに、知らん。私は帰る。…だって!冷たい!
私も忘れたのがお財布じゃなきゃわざわざ取りに戻らなかったのに。ソーニャちゃんと一緒に帰りたかったなぁ…。
でもダメ!今日はお財布に入ってる13円でチョコ買うんだもん!13円って言ったらチョコ買ってもお釣りが来る!わぉ!リッチ!お小遣い日までまだ10日以上あるけど先のことなんか気にしないもん!
何味買おっかなーっ!いちご豆腐?アボカドバター?きなこ抹茶?ふぅー!迷っちゃう!
これから口の中で踊り散らされる幸せを想像するだけで私はもうるんるん。ちょっとした鼻歌交じりで人気のなくなった学校の廊下をスキップスキップ!
「…あれ?」
多分もう誰もいないだろうなーと思ってた私の目的地である教室から話声が聞こえてきた。誰だろう。部活やってた人が今から帰るところかな?
「ソーニャってうざくね?」
………えっ? - 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:15:18.82 ID:GG0jPXUW0
- これは…
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:18:00.76 ID:MXVsRSWb0
- ドアを開ける前にこっそり中を覗いて、知ってる子だったらドアを勢いよく開けて驚かせてみよう。…なんて思ったら聞こえてきたのは人の悪口で。
しかもそれが…。
「うざいっていうか感じ悪いよねー」
ソーニャちゃん…のこと。
「話しかけても別に、とかしか言わないし」
「口調もなんか上から目線じゃない?」
「分かるー。あたしお前とか言われたんだけど」
「はぁ?なにそれ」
中にいる二人は私とソーニャちゃんのクラスメイト。同じクラスだから話したことはあるけど、学校にお化粧をしてくる子たちで、冬に唇が乾燥したときだけリップクリームを塗るぐらいの私とはなんていうか色々違う子達。 - 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:22:12.37 ID:MXVsRSWb0
- 「あれじゃない、ちょっと顔がいいから調子乗ってんじゃない?」
「あーそれあるわ。絶対自分のこと可愛いとか思ってる」
「外人だから日本で目立つだけのことだよね」
「実際大したことないよね」
「てかソーニャが金パ許されてあたしたちが金パすると怒られるのが納得いかないんだけど」
「ソーニャのは天然だからいいんだ、だって。うざすぎ!日本にいるんだから黒髪に染めてこいよ!」
「きゃはははは!それ!そうすべき!」
「でしょ!?絶対そうだし!」
ゲラゲラゲラゲラ!
まるでお笑い番組でも見て笑ってるみたいに、おかしそうに、楽しそうに響く笑い声。
人の笑い声でこんなに嫌な気持ちになるなんて、私は知らなかった。 - 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:24:48.62 ID:MXVsRSWb0
- 「そんなことないよ!!!」
「「え?」」
教室のドアを思い切りスライドさせ、私は叫ぶように怒鳴っていた。
「ソーニャちゃんはとってもいい子だよ!!!」
「はぁ?」
「あたし達の話聞いてたの?」
「聞こえてきたの!」
聞きたくなんかなかったのに。
「ていうかあんたいつも殴られたり、うざがられたりしてるじゃん。なんで庇う訳?」
「あれはソーニャちゃん流の照れ隠しだよ!文句言いながらも、うざがりながらも、私のやることにちゃんと付き合ってくれるもん!」
「殴るのもちゃんと加減してくれるよ!入院しない程度に!」
「いやそれ加減してるって言わないし」
うっ…まさかここで突っ込まれるとは…。 - 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:29:00.03 ID:MXVsRSWb0
- 「あ、あんなの大型犬がじゃれついてると思えばぜーんぜん平気!可愛いもんだよ!」
「照れ屋さんだから素直になれないだけで本当はとっても優しいんだから!」
「さっき感じ悪いって言ってたけど、ソーニャちゃんは恥ずかしがり屋でちょっぴり人見知りだからぶっきら棒になっちゃってるだけだよ!」
「口調は…ちょっとキツいけど…でも人を本当に傷つけることは言わないよ!言ったとしても相手を傷つけたって知ったらちゃんと謝るよ!」
「それにソーニャちゃんは本当に可愛いもん!外人さんだからってだけじゃなくて!」
「中身だって可愛いところいっぱいあるんだよ!」
「動物がダメだったり、ゴキ○リが嫌いだったり、おばけが怖かったり!あと実はクレープとか好きで甘いもんなんか興味ないぜってカッコつけてるけどご飯食べるときなんかよりずっと早く完食しちゃうんだから!」
「こんなに可愛いのに自分の可愛さを鼻にかけるようなこと、ソーニャちゃんはしないよ!だってソーニャちゃん自分が可愛いの気付いてないんだもん!外人さんってだけじゃなくて本当に可愛いのに!!」
「あ、あと髪も!サラサラで綺麗な金の糸みたいな髪も!あれを黒く染めちゃうなんてもったいないよ!ダメ!それに染めたりなんかしたら痛んじゃう!」
一人でぶぁーっと喋りつくす。今思ったけどなんだか自慢気になっちゃってたかな?でもこれできっと…。
「……誰の話してんの?ってぐらいピンとこないんだけど」
「えっ…」
「思った!誰の話?みたいな!」
「ね。あんたの妄想?」 - 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:32:22.95 ID:MXVsRSWb0
- 「ち、違うよ!ソーニャちゃんの話!」
「だからあんたの話と結びつかないって言ってんの。優しい?照れ屋?ありえねー!」
ゲラゲラゲラゲラ!
やめて。その笑い声。やめて……。
「そっちが…」
「は?」
「そっちが勝手にソーニャちゃんのこと感じ悪い奴だ、嫌な奴だって決め付けてるから態度悪く見えるんだよ!!」
「そんなんじゃソーニャちゃんだって仲良くしようって思えるわけないじゃん!」
「自分達が相手を認めようとしてないだけなのにソーニャちゃんを勝手に嫌わないで!!!」
「はぁ?」
「なに?私たちが悪いって言いたいの?」
「そうだよ!」 - 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:35:48.42 ID:MXVsRSWb0
- 「うざ…」
「ソーニャといつも一緒にいるからうざいのうつったんじゃない?」
「ソーニャちゃんはうざくない!!!」
「あーもう行こうよ。うるさい」
「だね。マジでうざすぎ」
「あっ待って!」
「うざいもん同士仲良くしてろ、バーカ」
「きゃははははははは!」
スタスタスタスタ。
「あっ…」
「…………あぅ」 - 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:38:19.45 ID:MXVsRSWb0
- 翌日。
昨日のことが気になって、ずっとそのことを考えてる。あの二人は昨日のことなんかなかったみたいに今日もゲラゲラゲラゲラ。なにで笑ってるのかは、分からない。
でもその笑い声を聞くたびに、またソーニャちゃんの悪口を言ってるんじゃないか、って嫌な気持ちになる。
「…なんだ、大人しいな?腹でも壊したのか?」
教室で一人空を見上げてる私の隣にそっと来て、ソーニャちゃんが声をかけてくれた。
ほら、ソーニャちゃんはこんなに優しい。
普段口が悪くても。突っ込みが激しくても。ちょっと、意地悪でも。
私の元気がないのを気にして、心配してくれる。
どうして分かってあげないんだろう…。 - 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:41:37.43 ID:MXVsRSWb0
- 「う…うぅー…」
鼻がツンとして。ジワって涙が滲んで。耳が熱くなる。
「なっ!?なんだ!?」
泣きそうな私に焦り、狼狽えるソーニャちゃん。
「ごめんね…」
「はぁ?」
ソーニャちゃんの照れ屋なところ。恥ずかしがり屋なところ。とっても可愛いところ。すごく、優しいところ。
それをちゃんと教えてあげられなくて…。
「ごめんね…ソーニャちゃん」 - 91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:43:07.92 ID:MXVsRSWb0
- 全部おわり。
素数調べたのバレて吹いた。
キルミー前期で一番好きだったから二期オナシャス!!!!!! - 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:44:17.82 ID:OLiFhhRQ0
- キルミーベイベー好きなのが伝わってきた。
俺が見た中で最高でした!!
おつかれした!! - 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:46:48.91 ID:kigXGTsO0
- 乙!
すごく良かった
またかいてくれ - 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 02:05:50.49 ID:TYyclS0cO
- 乙
素晴らしいよ - 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 02:11:59.07 ID:X92qTxvF0
- 乙
キルミーSS少ないからまた書いてくれ

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