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ジャーンケーンポン! ズコー 穂乃果「ああっ! もうっ!」 にこ「……」

1 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:39:55.56 ID:z+7yq+V2.net
にこ「なにやってんの?」

穂乃果「あっ、にこちゃん! これ見てよ!」

にこ「んー? ……ああ、あったわね。こんなの」

穂乃果「でしょ! 昔はね、ほむらの前にも置いてあったんだ」

にこ「へぇ。じゃあ懐かしくなってやってたわけ?」

穂乃果「それもあるんだけどね、わたし、ずーっとこのゲームの必勝法を探してるの!」

にこ「……は?」




2 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:41:17.35 ID:z+7yq+V2.net
穂乃果「なかなか見つからないんだよねぇ。色々と試してみたんだけど」

にこ「…………」

穂乃果「な、なに、その目?」

にこ「夢を壊すようで悪いんだけど、そういうのはお店側で確率が決められているのよ」

穂乃果「そ、それくらい穂乃果だって知ってるよ!」

にこ「だったらなんでそんな不毛なことやってんのよ」

穂乃果「ふふっ、よくぞ聞いてくれました! 実は、これにはふかいふかーい理由があるのです!」

にこ「はあ、どんな?」

穂乃果「あれは、穂乃果がまだ小学生だった頃――」


3 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:42:24.45 ID:z+7yq+V2.net
ほのか『へへーん! きょうもほのかがいちばんだね!』

ことり『ほのかちゃん、つよいよぉ……』

ほのか『またうみちゃんがびりっけつだ!』

うみ『つ、つぎはまけないもん』

ほのか『つぎもぜーったいほのかのかちだよ!』

ことり『うみちゃん、つぎはがんばろう!』

うみ『う、うん』

ほのか『ほら、さいごのゲームはうみちゃんがきめて!』


4 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:43:29.22 ID:z+7yq+V2.net
うみ『……あれ』

ことり『あっ、じゃんけんのやつだね』

ほのか『あれはだめだよ。あたらないようにしてるってママがいってたもん』

うみ『あれがいいの』

ほのか『えー』

ことり『でも、ゲームきめるのうみちゃんのばんだよぉ』

ほのか『じゃあ、あたったらうみちゃんのかち。はずれたらうみちゃんのまけ。それでいい?』

うみ『……うん』

ほのか『よーし! けってい! じゃあ、ママにめだるもらってくるね!』


5 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:44:00.82 ID:z+7yq+V2.net
穂乃果「ってことがあってね」

にこ「あんた、小学生のころからいい性格してたのね」

穂乃果「そ、それはまだ子供だったからしょうがないの!」

にこ「で、勝負はどうなったのよ」

穂乃果「それがね、――」


7 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:44:47.98 ID:z+7yq+V2.net
ほのか『えーっ! またあたり! これで5かいめだよ!』

ことり『うみちゃんすごーい!』

ほのか『うーん、ほのかがしたときはぜんぶはずれだったのになぁ』

うみ『…………』

ほのか『うみちゃんなんでそんなかおしてるの? うれしくないの?』

うみ『……ううん』

ことり『じゃあ、さいごのゲームはうみちゃんのかちだね!』

ほのか『うん! うみちゃん、いちばんおめでとう!』

ことり『おめでとぉ!』

うみ『……ありがとぉ』


8 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:45:44.63 ID:z+7yq+V2.net
にこ「へぇ。それで海未が優勝したと」

穂乃果「うん。海未ちゃんが優勝したの、あれがはじめてじゃないかなぁ」

にこ「なるほどね。それで必勝法があると思ったってわけ」

穂乃果「そういうこと!」

にこ「それなら、なんでそのとき海未に聞かなかったのよ」

穂乃果「穂乃果も絶対に見つけてやるって意地はっちゃって、結局聞けずじまいだったの」

にこ「あんたねぇ……」


9 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:46:23.30 ID:z+7yq+V2.net
穂乃果「ということで、にこちゃんも手伝って!」

にこ「はぁ!? なんでわたしが手伝わなきゃなんないのよ!」

穂乃果「にこちゃんだって気になるでしょ!? これの必勝法!」

にこ「ま、まぁ、そりゃあ少しは気になるけど――」

穂乃果「はい決定! ほら、メダルはまだまだあるから! ここに座って!」

にこ「わ、分かったから、自分で座るってば!」


10 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:47:16.73 ID:z+7yq+V2.net
にこ「ったくもう。……でも、本当に懐かしいわね。ここにメダルを入れるんだっけ」

穂乃果「そうそう」

にこ「それで、ボタンを押す、っと」

ジャーンケーンポン! ズコー

にこ「……なんか腹立つわね、これ」

穂乃果「絶妙だよね」

にこ「うーん……、そういえば小さい頃、これのうわさが流行ってたような」

穂乃果「えっ? ほんと?」


11 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:47:52.93 ID:z+7yq+V2.net
にこ「たしか全部のボタンを押したままメダルを入れると、絶対に勝てるとか」

穂乃果「うそっ!? やってみて!」

にこ「ええ。それじゃあ、ボタンを押しながら……」

ジャーンケーンポン! ズコー

にこ「…………」

穂乃果「…………」

にこ「帰るわね」

穂乃果「まってぇ! にこちゃん、一人にしないでぇ!」


12 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:48:41.57 ID:z+7yq+V2.net
穂乃果「他にはなんかないの?」

にこ「他にねぇ、……目押しとか?」

穂乃果「めおし?」

にこ「まわってる絵柄を見て調度いいタイミングでボタンを押すってこと」

穂乃果「ってことは、グーがきたタイミングでちょうどパーを押すってこと?」

にこ「そんな感じね」

穂乃果「よーし! 私、やってみる!」

…………
………
……


13 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:49:35.71 ID:z+7yq+V2.net
ジャーンケーンポン! ズコー

ジャーンケーンポン! ズコー

ジャーンケーンポン! アーイコーデ! ズコー

ジャーンケーンポン! ズコー

穂乃果「……勝てないよぉ!」

にこ「これ、たぶん押した瞬間に絵柄変わってるわね」

穂乃果「えぇっ!? そんなのできっこないじゃん!」

にこ「私に言われたって知らないわよ。とにかく、目押しも無理ってこと」


14 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:50:48.94 ID:z+7yq+V2.net
穂乃果「にこちゃん、他には!?」

にこ「他に……、なんかデバッグモードみたいなものがあるとか?」

穂乃果「でばっぐ?」

にこ「要はメダルが当たり放題の隠しモードがあるってこと」

穂乃果「え!? そんなのがあるの!?」

にこ「あるかもってだけよ。それじゃあ、探すわよ」

穂乃果「どうやって?」

にこ「普段はしないような操作をするの。例えば、さっきみたいにボタンを押しながらメダルを入れるとか」

穂乃果「なるほど! よしっ、がんばるよ!」

…………
………
……


15 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:52:16.62 ID:z+7yq+V2.net
穂乃果「……追い出されちゃったね」

にこ「誰のせいだと思ってるのよ! あんたがバカみたいにボタン連打するからでしょうが!」

穂乃果「にこちゃんがしろって言ったんじゃん!」

にこ「限度ってもんがあるでしょ! 限度ってもんが!」

穂乃果「うぅ……」

にこ「とにかく、当分はあの店行けないわね」

穂乃果「はぁ、結局、長年の秘密も分からずじまいかぁ」

にこ「もう意地張ってないで海未に聞きなさいよ」

穂乃果「でもぉ、ほのかのプライドがぁ……」

海未「プライドがどうかしたのですか?」

穂乃果「わっ!?」


17 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:53:21.03 ID:z+7yq+V2.net
穂乃果「なんで海未ちゃんがここに!?」

海未「いえ、帰り道に穂乃果とにこの姿が見えたので」

にこ「ちょうどいいわ。穂乃果、今聞いちゃいなさいよ」

穂乃果「えぇ、でもぉ……」

にこ「いいから! ほら!」

穂乃果「う、うん」

…………
………
……


18 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:54:16.07 ID:z+7yq+V2.net
海未「あぁ、そんなこともありましたね」

穂乃果「それで、どんな方法を使ったの?」

海未「…………」

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「いえ。……そうですね。今さら話すようなことではありませんが、いわゆる目押しですね。幼いころから武道をやっていましたから、反射神経には自信があったんです」

穂乃果「え? でも、さっきにこちゃんと一緒にやろうとしたらできなかったよ?」

海未「おそらく、機体の設定が違ったのでしょう。ほむらの前にあったものは目押しができるものでしたから」

穂乃果「……そうなのかなぁ」


19 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:55:42.60 ID:z+7yq+V2.net
海未「そういえば穂乃果、今日は店番をしなければならないと言っていませんでしたか?」

穂乃果「あーっ!? すっかり忘れてたーっ!」

海未「急がなくても大丈夫なのですか?」

穂乃果「ごっ、ごめんっ! 先に帰るっ! 二人ともバイバイっ! にこちゃん、付き合ってくれてありがとっ!」タッタッタッ

海未「……まったく、しょうがない人です」

にこ「…………」


20 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:58:15.22 ID:z+7yq+V2.net
にこ「……それで、本当はどんな手を使ったのよ」

海未「え?」

にこ「ただでさえゲームに疎いあんたが、小学生の頃に目押しなんて技術知ってたとは思えないんだけど」

海未「それは……」

にこ「まっ、無理に教えろとは言わないけど。隠したいってことはそれなりの理由があるんでしょうし」

海未「……穂乃果とことりには内緒にしてくれますか?」

にこ「内緒に?」

海未「はい。あの二人には、できることなら知られたくないのです」

にこ「……分かったわ」


21 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 00:59:35.25 ID:z+7yq+V2.net
海未「なんてことはありません。あの日だけ、当たりの出る確率を上げてもらったのです」

にこ「えっ?」

海未「あの頃の私は、まぁ、今もですけれど、ゲームがとても苦手で、どうしても穂乃果やことりに勝てなかった」

海未「それで、悔しくて、どうしても勝ちたくて、穂乃果のお母さまに頼んで、必ず当たりが出るようにしてもらったのです。確率を操作できることは、穂乃果から聞いてなんとなく知っていましたから」

海未「でも、そのような形で得た勝利は、どういうわけかちっとも嬉しくなかった。そういうわけで、あの一件は私の中では苦い記憶となっているのです」

にこ「……そういうことだったの」


22 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 01:02:13.20 ID:z+7yq+V2.net
海未「幻滅しましたか?」

にこ「……ったく、深刻そうな顔で何を語りだすのかと思えば」

海未「え?」

にこ「幻滅なんかするはずないでしょうが。むしろあんたにもそういうところがあるんだって安心したくらいよ。ましてやそんな子どもの頃の話」

海未「……そうですか」

にこ「ほら、行くわよ」

海未「えっ? 行くって、どこにですか?」

にこ「じゃんけんゲームをやりにいくに決まってるじゃない。」

海未「……はい?」


23 : 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2017/06/25(日) 01:04:14.16 ID:z+7yq+V2.net
にこ「今度はわたしと正々堂々勝負しましょう。さっきまで嫌というほど穂乃果とやってたんだから。そうそう負けないわよ」

海未「いくらやろうと、勝ち負けには関係ないでしょう」

にこ「気合が違うのよ。ほらっ。さっさとしなさい。私だって暇じゃないんだから」

海未「……ふふっ」

にこ「なによ」

海未「いえ。でも、私も負けませんよ」

にこ「のぞむところよ!」



おわり


元スレ:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1498318795/


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