スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
男「サラリーマンだって妄想ぐらいするんだよ」
- 1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:16:42.80 ID:HnB7y8zIo
- 課長「おい、男君」
男「なんですか、課長?」
課長「なんですかじゃないよ。なんだね、この報告書は!」
課長「『客先で出されたコーヒーがとてもおいしかったです』なんて文章いらんよ!」
課長「報告書は日記帳じゃないんだ! 業務に関することだけを書きたまえ!」
男「す、すみません」
課長「すぐ書きなおすように!」
男「トホホ……」
同僚「あいつも相変わらずだな~」
OL「クスクス……」
- 2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:22:33.07 ID:HnB7y8zIo
- ザザザザザッ!
テロリストA「動くな!」ジャキッ
テロリストB「この会社は我々が占拠した!」ジャキッ
課長「な、なんだね!? 君たちは!?」
同僚「テ、テロだ……! 企業を狙うテロリストだ……!」
OL「いやぁぁぁぁぁっ!」
男「ふぅ、やれやれ……」 - 3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:24:59.61 ID:HnB7y8zIo
- 男「ここは俺の出番だな」スッ
テロリストA「――む!」
テロリストA「動くなと言ったはずだ!」ガガガガガッ
男「こんなもの、ちっとも痛くない」キキキキキンッ
テロリストA「なにィ!?」
テロリストB「弾が当たってるのに効かない!?」 - 4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:27:31.05 ID:HnB7y8zIo
- 男「とりゃ! せやぁ!」
ドカッ! バキィッ!
テロリストA「ぐはっ!」
テロリストB「ごはぁっ!」
同僚「す、すげえ! 二人を一瞬で!」
OL「かっこいい……!」
課長「これがいつもヘマばかりしてる男君の本当の姿なのか……!?」
男「皆さん……今見たことは内緒にしといて下さい! 俺は平凡な社員ですから!」
………………
…………
…… - 5 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:29:03.92 ID:HnB7y8zIo
- 男「…………」ボー…
課長「男君」
男「…………」ボケー…
課長「男君!」
男「は、はい! なんでしょう、課長!?」
課長「なにをボーっとしていたんだね!?」
男「いや、ちょっとばかし妄想を……」
課長「妄想!?」 - 6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:30:26.14 ID:HnB7y8zIo
- 課長「君には毎回毎回あきれ果てるよ、まったく」
課長「妄想なんかしてる暇あったら、この溜まってる書類を少しでも片付けたまえ!」
男「は、はい!」バサバサッ
同僚「あいつも相変わらずだな~」
OL「クスクス」 - 7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:32:34.56 ID:HnB7y8zIo
- OL「課長」
課長「ん?」
OL「内線で連絡があって、応接室にお客様がお見えだそうです」
課長「……? 今日は来客の予定はなかったはずだがな。まぁいい」
課長「分かった、すぐ行く」
課長「男君、しっかり仕事するように!」
男「はいっ!」 - 8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:35:33.72 ID:HnB7y8zIo
- ……
同僚「大変だ、大変だ!」
OL「どうしたの?」
同僚「応接室に来てる客、どうも暴力団の類らしくってよ」
同僚「すっげえ揉めてるって! 部長が出てもどうにもならないみたいだ!」
OL「え~、どうすんのよ!?」
男「…………」 - 9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:38:15.06 ID:HnB7y8zIo
- 男「……やれやれ、仕方ないな」スクッ
男「俺が行くよ」
同僚「ハァ?」
同僚「お前が行ったってどうにもならねえよ!」
OL「そうよ! 下手したら、火に油を注いじゃうわ!」
男「大丈夫さ」スタスタ
同僚「あいつ……いつもとどこか違ったな」
OL「うん……とても頼もしく見えたわ」 - 10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:41:05.19 ID:HnB7y8zIo
- ―応接室―
組員A「これはスキャンダルですよ?」
組員B「この情報が世間に知れ渡ったら、この会社の信用は地に落ちちまうぜ!」
課長「なんとか穏便に……!」
部長「どうすればよろしいでしょうか……?」
組員A「まぁ……手始めに十億ほど出してもらいましょうか」
課長「十億!?」
部長「そんな条件を飲めるわけが……」
組員B「うるせぇ! てめぇらは従うしかねぇんだよ!」
組員A「そういうことです」 - 11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:43:49.30 ID:HnB7y8zIo
- コンコン…
男「失礼します」ガチャッ
課長「き、君!?」
部長「なんで平社員の君がこんなところに!? すぐ出ていきたまえ!」
男「…………」チラッ
組員A「?」
組員A「……ひっ!」
組員B「どうしました、兄貴?」 - 12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:46:03.74 ID:HnB7y8zIo
- 組員A「なぜ、あなたがここに……!?」
男「お久しぶりです」
組員A「ど、どうも……」
男「相変わらず、タチの悪い仕事をされているようですね」
組員A「ハ、ハハハ……」
男「ところで、おたくの組長さんはお元気?」
組員A「は、はいっ!」
課長「これは……!?」
部長「…………?」 - 13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:48:04.50 ID:HnB7y8zIo
- 組員B「何やってんですか! こんな奴、とっとと俺が追い出し――」ガシッ
組員A「バカ、やめろ!」
ドゴォッ!!!
組員B「がはぁっ!」
組員B「…………」ピクピク…
男「さ、どうしますか」
男「前みたいに、組を壊滅寸前まで追い込まれてみますか?」
組員A「い、いえっ! あなたを敵に回すなんてとんでもない!」
組員A「おい起きろ! 失礼しましたぁっ!」タタタタタッ
男「ふぅ……」
課長「君は……いったい……?」
男「ただの平凡な会社員ですよ」 - 14 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:51:25.02 ID:HnB7y8zIo
- OL「ねえ、聞いた? 男君が暴力団を追い払っちゃったんだって!」
同僚「信じらんねえ……」
プルルルル…
OL「お電話ありがとうございます」
OL「えっ、社長!? はいっ! お待ち下さい!」
OL「男君、社長からお電話!」サッ
男「どうも」 - 15 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:54:25.05 ID:HnB7y8zIo
- 男「もしもし」
社長『話は聞いたよ。よくやってくれた』
男「いえいえ、いつものことです」
社長『あそこの組員も、君が我が社にいることは知らなかったようだな』
男「ええ……知ってたら、近づきすらしなかったでしょうね」
社長『ところで、ついでに頼みたいのだが、今夜ビルに産業スパイが侵入するという情報が入った』
社長『ひっ捕らえてくれないか』
男「いつもいつも人使いが荒いなぁ……あなたは」
男「まぁいいでしょう。必ずや遂行します」 - 16 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 01:57:26.44 ID:HnB7y8zIo
- 夜――
スパイ「…………」コソッ
スパイ「…………?」
スパイ「おかしい、調べによればここにあるはずなのに……」ガサゴソ…
男「そんなところ探しても、重要書類はないよ」
スパイ「!!!」 - 17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 02:00:03.89 ID:HnB7y8zIo
- 男「本物はこっちだ」スッ
男「欲しかったら、俺を倒すんだな」
スパイ「ククク……どうやら貴様、俺をただのスパイだとナメているようだな」
スパイ「いっておくが、俺は拳法の使い手なんだ!」ビュオッ
バキィッ!
男「ふん、全然痛くないな」
スパイ「なにぃっ!?」
男「せやぁっ!」
ドカァッ!!!
スパイ「ぐはぁぁぁ……っ!」ドサッ… - 18 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 02:04:10.16 ID:HnB7y8zIo
- 男「もしもし、社長ですか?」
男「たった今、仕事は終わりましたよ。スパイは捕えました」
社長『ありがとう』
社長『やはり君は我が社に必要不可欠な存在だ!』
男「あまり褒めないで下さい。俺はしがない三流サラリーマンですよ」
………………
…………
…… - 19 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 02:09:35.58 ID:HnB7y8zIo
- 男「…………」ボー…
課長「男君」
男「…………」ボケー…
課長「男君!」
男「は、はい! なんでしょう、課長!?」
課長「なにをボーっとしていたんだね!?」
男「いや、ちょっとばかし妄想を……」
課長「妄想!?」 - 20 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 02:11:34.38 ID:HnB7y8zIo
- 課長「いったいどんな妄想だね?」
男「ほら、平凡な社員が実はすごい社員……みたいな妄想ですよ」
男「日頃しょうもない妄想ばかりしてる社員が、本当に暴力団を追い払ったり、産業スパイを退治したり……」
男「いわば学校テロリスト妄想の会社バージョンってやつです」
男「課長だってよくやるでしょう?」
課長「なんだねそれは」ハァ…
課長「そんな妄想なんかするわけないだろう!」
男「ひいっ! すみませんっ!」
同僚「あいつも相変わらずだな~」
OL「クスクス」 - 21 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 02:13:39.99 ID:HnB7y8zIo
- 課長「いいかい、さっき頼んだ会議の資料、今日中に作ってくれたまえよ」
課長「明日の部課長会議で使うんだからね」
男「は、はい! 作ります、作ります!」カタカタ
同僚「ハハハ、妄想なんてのはせいぜい中学までで卒業しなきゃな!」
OL「ね~!」
男「いつまでも子供で悪かったな!」
男(……ちぇっ、うちの会社は少年の心を持った人間が少なすぎる)
男(もっと妄想を楽しんだ方がいいと思うんだけどなぁ) - 22 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 02:15:16.79 ID:HnB7y8zIo
- バァンッ!!!
武装兵A「手を上げろ!」ジャキッ
武装兵B「全員、動くな!」ジャキッ
男「え!? え!? え!?」
男(突然、銃を持った兵士がやってきた!? なんなの!? なんなのこれ!?) - 23 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 02:19:53.25 ID:HnB7y8zIo
- 課長「おっと」サッ
パンッ! パンッ!
武装兵A「ぐおっ!」ドサッ…
武装兵B「あぐっ!」ドザッ…
男「課長!?」
男(課長が……二人を一瞬で射殺した!? なんのためらいもなく!? てか、なんで銃持ってるの!?) - 24 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 02:24:09.76 ID:HnB7y8zIo
- 同僚「やるぅ! 二発で二人仕留めた!」
OL「相変わらずお見事です、課長!」パチパチ
課長「まだ腕は衰えてないようでよかったよ」
男(課長がやったことに、あの二人もまったく驚いてない!)
男(どうなってんのこれ!?) - 25 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 02:27:52.41 ID:HnB7y8zIo
- 課長「ついに敵も本腰を入れて攻めてきたな」
課長「これでちょうどいい口実ができた。今度はこちらから攻め込むぞ!」
同僚「はいっ!」
OL「はいっ!」
男(敵ってなに!? 攻め込むってどこに!?)
課長「では男君、留守を頼んだよ!」
男「は、は、はい!」
課長「出撃!!!」
ザザザッ!
シーン…
男「…………」 - 26 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 02:32:06.77 ID:HnB7y8zIo
- 男「ほっぺたつねってみるか……」ギュッ
男「痛い……」
男「どうやらこれは……夢でも……妄想でもないみたいだな……」
― 完 ― - 27 : ◆mqY2YWZmHM 2017/09/26(火) 02:32:32.83 ID:HnB7y8zIo
- 以上で終わりです

「オリジナル」カテゴリの記事
-
- 老人「おぬしは……ワシが倒す!」ラスボス「老いぼれめ……」
- 社畜「ドナドナドーナードーナー、子牛を乗ーせーてー」
- クール「みんな、集まってくれるか」
- 強盗「強盗だ! 警察を呼べ!」
- 男「電車にギリギリ乗れなかった人が、急にすまし顔をする現象」
- 公園~~ 俺「オナティッシュ捨てよう」ポイ 幼女「お兄ちゃんなに捨てたのー?」 俺「ん?ゴミだよ」 幼女「えー?どれどれ」
- 素直なミミズ、たこ焼きと会う
- 女忍者「貴様、何者だ!?」俺「フフフ…」
- 男「当たり屋でもやるか!」子分「さすが兄貴!」
- 男「夜中に焚き火なんかしてんじゃねえよクズ」
- A「女が嫌い」B「まーた始まった」
- 肛門「よし、通れ」 うんこ「あざっす」
- オーク「くっ、殺せ!」女拷問吏「そうはいかないねえ……」
- 男の娘悪魔「ふーん…ボクを呼んだのは君?あー!えへへ!がっかりしてるのボクわかっちゃうけどボク悪魔だしすっごいHな事するよ~?」
- 祖父「わしの人生……一つだけ心残りがある……」孫「おじいちゃん!」
コメントする
全ランキングを表示