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マミ「佐倉杏子が仲間になった」
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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:11:03.38 ID:8ydSLpKx0
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マミ「ティロ・フィナーレ!!」
ギィヤアアアアアア――
マミ「ふぅ……、今日だけで2体目よ。いったいどうなってるのかしら」
QB「ベテランの魔法少女でも、一日で2体の魔獣は流石に辛かったかな?」
マミ「別にそんなことはないわ。ただ少し疲れただけよ」
QB「そうかい? それなら安心だ」
QB「でも、無理は禁物だ。またいつ魔獣が現れるか分からないんだから、
今日は帰ってゆっくりと休むといいよ」
マミ「ええ、言われなくてもそうするわ。またね、QB」
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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:12:29.37 ID:8ydSLpKx0
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杏子(腹減ったなぁ…… 最後に飯食ったのっていつだっけ……)
杏子(あ…… だめだ。意識が朦朧としてきやがっ――)ドサッ
―――――
―――
―
マミ(早く帰ってシャワー浴びたいわね)テクテク
―――タイ キ―――ポッキ―――ハンバ ガ―――
マミ(な、なにかしら。 うめき声のようなものが聞こえた気が……)
マミ(あそこのゴミ捨て場から聞こえてくるわね…… 酔っ払いかしら?)チラッ
マミ(え?私と同じ歳くらいの女の子!?)
マミ「あなた、大丈夫?」ペシペシ
杏子「ママ……ゴハン……ダ…………ムニャムニャ」
-
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:13:42.97 ID:8ydSLpKx0
-
マミ(だめね…… でも、このまま放置すとくのはマズイわよね)
マミ(とりあえず、私の家に運びましょう)ヨイショ
マミ(結構重たいわね…… 魔獣退治後にコレは結構キツイわね)
杏子「オナカ……イタ-……パパ……ムニャムニャ」
マミ(まったく、人の苦労も知らないでどんな夢をみてるんだか)
-
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:14:57.73 ID:8ydSLpKx0
-
―――マミの部屋――――
マミ「たっだいまー……って、誰もいないんだけどね」
マミ「まずはこの娘をベッドに運んで」トサッ
マミ「ふー、疲れた。 思わず連れて帰ってきちゃったけど
この娘どうしようかしら」
杏子「Zzz……」
マミ「ねぇ、ちょっとあなた、起きなさいよ」ペシペシ
杏子「Zzz……」
マミ「返事がない……ただの屍のようだ」ボソッ
マミ「な、なんてね/// さて、夕食の準備でもしようかしら」
-
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:19:44.67 ID:8ydSLpKx0
-
―――トントン……ジュージュー……
マミ「できた! 名づけて『森の妖精が摘み取った宝石』」
マミ「なんちゃってー、本当はただの野菜炒めなんだなこれが!」
マミ「……」シーン
マミ「虚しい――」
杏子「クンクン……、この匂いは!?」ガバッ
マミ(!? さっきの独り言聞かれちゃったかしら)ドキドキ
杏子「って……ここどこだ? 誰かの部屋みたいだけど」
マミ「やっとお目覚めかしら、お嬢さん」
杏子「お嬢さんってだれだ アタシは杏子だ、佐倉杏子」
マミ「私はマミよ、巴マミ ねぇ、あなたどうしてあんな――」
グウゥゥー 杏子「///」
マミ「ふふっ、とりあえずご飯、食べる?」
杏子「いいのか!? すまねーな!」
マミ「どうぞ、召し上がれ」ニコッ
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10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:25:04.38 ID:8ydSLpKx0
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杏子「ごちそーさまでした! 美味かったぜ、ありがとな」
マミ「こんなに喜んで貰えるなら、作り甲斐があるわ」ニコッ
マミ「で、どうしてあなたはあんな場所で倒れてたの?」
杏子「いやぁ…… お腹がすきすぎてバッタリと……」
マミ「呆れた…… いったいどんな生活をしていたら、空腹で路上に行き倒れられるのよ」
マミ「まさか家出娘じゃないでしょうね…… あなたの家はどこなの?
杏子「家出じゃないって 家なら見滝原橋の下にあるし」
マミ「え……よく聞こえなかったわ。もう一度お願い」
杏子「だから、見滝原橋の下のダンボールハウスだって」
杏子「んじゃ、長居しても悪いし、そろそろ帰るよ」
マミ「帰るってまさか橋の下じゃないでしょうね……?」
杏子「そうにきまってんじゃん 他に行く当てもないんだし」
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12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:29:06.96 ID:8ydSLpKx0
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マミ「だめよ! うら若き乙女が、そんな危険な場所に住んでいては」
杏子「そんなこと言われても……」
マミ「どんな理由があって家出したのかは知らないけれど、野宿なんてありえないわ」
杏子「イヤ……そもそも家出じゃないっつってんじゃん……」
杏子「ま、案外住めば都なんだぜ? 家賃も0だしな」ケラケラ
マミ「でも…… やっぱり駄目よ ちゃんと両親に謝って家に帰りなさい」
杏子「しつけぇなぁ…… わかったわかった じゃあ、そうするよ」スッ
マミ「ええ 今度からは行き倒れる前にそうしなさい」
杏子「じゃ、飯ごちそーさん」バタン
マミ「行っちゃった…… ちゃんと家に帰ってくれるといいんだけど」
マミ「さてと、私もご飯食べて、シャワー浴びて寝ましょう……」
-
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:34:28.19 ID:8ydSLpKx0
-
―――翌日―――
マミ(今日は日曜日……いつもどおり特に予定はない……)
マミ(適当に朝食を済ませて、パトロールに出かけましょう)
マミ(それに、昨日の娘……佐倉杏子さんだったかしら)
マミ(まさかとは思うけど、本当に橋の下にいるかも知れないし)
マミ(ちゃんと家に帰ったわよね?)
QB「おはよう、マミ 昨日はしっかり休めたかい?」
マミ「あら、おはようQB 少し変わった娘に会っただけで、休息はできたわ
ソウルジェムの曇りも無いし大丈夫よ」
QB「だったらいいんだ。最近、見滝原町で活発に魔獣が出現しているからね」
マミ「まったく、勘弁してほしいわね…… 何か原因があるのかしら?」
QB「それについてなんだけど――」
-
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:42:04.20 ID:8ydSLpKx0
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マミ「つまり―― 隣町の魔法少女の不調が原因ってこと?」
QB「そうなんだ その分、こちらに魔獣が集まってきてるみたいなんだ」
QB「彼女、腕は良いんだけどね もう少し真面目になってもらえると僕も助かるのに」
マミ「そうね…… 私も毎日毎日魔獣退治だと、気が滅入っちゃうわね」ハァ
QB「そういうわけだから、もう少しの間頑張ってもらうよ マミ」
マミ「了解よQB でも、できるだけ早くその娘を説得してね」
QB「それなら問題ないさ どうせまた無一文で、お腹を空かして町を徘徊してるだろうし
見つけ出して少しばかりのお金と食料を渡せば、やる気を出してくれるよ」
マミ(……昨日あった娘も空腹で倒れたって言ってたわね……)
マミ(魔獣よりも、見滝原の家庭事情が心配だわ……)
マミ「だったら、今日は徹底的にパトロールしたほうがいいわね
まったく、折角の休日だっていうのに……」
QB「いいじゃないか、どうせぼっちなんだろう? この前の週末も、その前の――」
マミ「なにかいったかしら? QB?」イラッ
QB「さ、さぁ今日も張り切ってパトロールに赴こうじゃないか!」バッ
マミ「逃げたわね! 待ちなさいQB!」バタン
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21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:49:34.08 ID:8ydSLpKx0
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杏子「腹減ったなー……」
杏子(昨日の―― 巴マミのところにいって飯を……)
杏子(そりゃいくらなんでも図々しいか……)
杏子(仕方が無い 盗みは……止めるって決めたんじゃないか……)
杏子「あー…… 腹減ったなー……」
杏子(だめだ、完全に手詰まりじゃねーか……)
杏子(こんな状況で魔獣に出くわしたら、半分も力が出せないかもな……)
グゥオオオオオオオオオオオオオォォン
杏子「チッ まったく、この期を待ってましたとばかりに瘴気が立ち込めてきやがったな」
杏子「あーあー…… めんどくせーなぁ…… 逃げようかな……」
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23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:54:34.72 ID:8ydSLpKx0
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QB「こっちだ! マミ! 魔獣の反応がする!」
マミ「パトロールを始めて1時間もたってないというのに……」ダッ
QB(…… 魔獣の反応に加えて、何か反応が……杏子?)
――――――
―――
―
杏子「クソッ…… こんな雑魚、私が本調子なら数秒もかからないってのに!」
ガキィンガキィン
杏子「ッ痛! 足がっ!」
グルルルル
杏子「ハハッ、これで私も終わりか…… くだらねー人生だったな……
みんな、今から私もそっちに行くよ…… また家族一緒に仲良――」
『ティロ・フィナーレ!』
グワァアアアア
マミ「円環の理に導かれて、お逝きなさい!」ドヤッ
杏子(えんかん……の……ことわり?)
-
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 00:59:22.05 ID:8ydSLpKx0
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杏子「た、助かったよ とりあえず礼を――っ」
杏子「!? 昨日のお節介女!」
マミ「!! 昨日の家出娘!」
杏子「って、だから家出じゃねーって」
マミ「そんなことより、あなた魔法少女だったの!?」
杏子「そーゆーお前だって、魔法少女だったとはなー」ケラケラ
杏子「昨日に続き今日までも助けられて、感謝の言葉もねーよ」
QB「杏子! まったく君ってヤツは、急にいなくなったと思ったら
こんなところで魔獣と戦ってるだなんて」
杏子「なんだよ、テメェが魔獣退治は願いの対価だとかいうから仕方なく
戦ってやってるんじゃねーか」
QB「そんなこと言って…… 万全の状態じゃないのに一人で特攻して
やられてるようじゃ世話ないけどね」
杏子「チッ うるせーな…… 真面目に戦ったんだからいーじゃねーか」
マミ「全然よくないわよ!」
杏子「!!」ビクッ
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28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:03:49.04 ID:8ydSLpKx0
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マミ「あなたね、私が助けてなかったら今頃やられてたのよ!」
マミ「あんな無茶な戦いを挑んで、あなたが死んだら悲しむ人だっているでしょう!?」
杏子「…い…よ」ボソッ
マミ「大体、家出なんてね、するもんじゃ――」
杏子「悲しむヤツなんて、誰もいねーっつってんだよ!」イラッ
マミ「!!」ビクッ
杏子「あ…… わりぃ…… 怒鳴っちまって……」
マミ「ご、ごめんなさい 事情も知らず説教なんて……」オロオロ
杏子「気にすんなよ…… 私こそ助けてもらったのに、その……ゴメン」
マミ「……」
杏子「……」
QB「く……空気が重い」
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29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:04:41.77 ID:RVcW6Ra/0
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QBが空気読むとか成長したな
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31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:08:36.33 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「とりあえず、今回のグリーフシードはあなたにあげるわ」シュ
杏子「何から何まで、世話になりっぱなしで悪いな」パシッ
QB「ま、これで一件落着だね 杏子が魔獣退治を再開すれば、
この町に増えた魔獣も減っていくだろうし」
マミ「そう……あなたの話した魔法少女はこの娘のことだったのね」
QB「また行き倒られても困るし、杏子、食料の手配はボクがなんとかしてみるよ」
杏子「あぁ、そうしてくれると有難いね……」
マミ「その必要はないわ」
杏子「何いってんだよ? それじゃアタシ生活できねーじゃん」
マミ「そうね」
杏子「あのー それじゃアタシはどーすれ――」
マミ「ねぇあな…… 佐倉さん あなた、私と一緒に暮らしてみない?」
-
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:14:08.21 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「……見ず知らずのヤツに、そんな迷惑かけられねーって」
マミ「見ず知らずじゃないわ…… 私は巴マミよ 知ってるでしょ?」
杏子「まぁ……名前は昨日聞いたけど…… それだけだし」
マミ「それだけじゃないわ だって私たち、同じ魔法少女だし――」
『それってつまり、仲間ってことでしょ?』
杏子「仲間……」
マミ「ね、悪い誘いじゃないと思うの」
杏子「縄張りめぐって争うヤツがいるってのに……
本当にお節介なヤツだぜ……まったく」
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33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:17:47.35 ID:8ydSLpKx0
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マミ「で、どうなの? 来るの 来ないの?
杏子「ん…… っと…… そうだな……」
マミ「……」
杏子「ふ…… ふつつかものですが、その…… よ、よろしく」///
マミ「そう! ふふ、良かった!!」
マミ「これからよろしね、佐倉さん」ニコッ
杏子「杏子でいいよ、かたっくるしいし」
マミ「そう? だったら改めて―― 杏子、よろしくね」ニコッ
マミ「それから、私もマミでいいわよ、杏子」
杏子「あ……あぁ お、お世話になるぜ……マミ」
QB「もしもーし、二人ともー…… 聞こえてない……」
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38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:24:20.21 ID:8ydSLpKx0
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―――帰宅―――
杏子「お、おじゃまします……」
マミ「ちがうわよ、杏子」
杏子「え?」
マミ「ただいま、よ 今日から二人で住むんだからね」
杏子「そ、そうか? じゃぁ…… ただいま」
マミ「ハイ、おかえりなさい 杏子」ニコッ
杏子(あぁ、この感覚……久しぶりだな なんか、あったかいな……)
マミ「じゃあ、今度は私の番ね」
マミ「ただいまー」
杏子「お、おかえり…… マミ」///
マミ(ふふっ…… こんなに楽しいのって、ひさびさね……)ニコニコ
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41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:26:21.50 ID:i02D+j300
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マミが元気なだけで、楽しそうにしてるだけで嬉しい
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44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:30:41.41 ID:8ydSLpKx0
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マミ「さてと……、二人で住むにあたって
いろいろルールを決めようと思うんだけど」
マミ「杏子は、料理とかは――」
杏子「食べる専門!」
マミ「……とは薄々感じてたけど、食事当番は当分私の担当ね」
マミ「じゃ、早速料理の準備でもしようかな 杏子は何か嫌いな食べ物はある?」
杏子「好き嫌いはしない主義なんだ」キリッ
マミ「そう……だったらいいだけど……」テクテク
杏子「ん……どうした?」
マミ「……」ズイッ
杏子(か、顔が近い)///
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46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:35:09.65 ID:8ydSLpKx0
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マミ「臭う……」クンクン
杏子「……へ?」
マミ「あなた、ちゃんとお風呂入ってるの?」
杏子「ダンボールハウスにはシャワーなんてねーよ
金に余裕があるときだけ銭湯とか――」
マミ「服、脱ぎなさいっ!」ガバァ
杏子「な、なにすんだよマミ!」ササッ
マミ「食事は後よ、まずはこの小汚い犬ッころに命の洗濯を……」
杏子「わかった、わかったから! 自分で脱ぐから」
マミ「そう…… じゃあ、私先に行ってるから、あなたも早く来てね」ガチャ
杏子「ふー、なんとかなったな―― 」
杏子「って、先に行ってるってどういうことだ!?」
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49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:41:04.71 ID:8ydSLpKx0
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杏子「は、はいるぞー」
マミ「ええ、どうぞ……」
杏子(なんか緊張するなー…… 銭湯とかじゃなくて、個室ってのは恥ずかしい)///
マミ「ほらほら、つっ立ってないでこっちに来なさい」
杏子「わ、わかったよ……」
マミ「はいこれ、被って」
杏子「これって……しゃんぷーはっと?」
マミ「あなたにはこれがポンデリングにでも見えるのかしら?」
杏子「いや、健啖家なアタシでもそれはないって」
マミ「つべこべ言わず、被りなさい」エイッ
杏子(完全にペースをもっていかれてる……)ポスッ
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50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:45:11.97 ID:8ydSLpKx0
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マミ「シャワーかけるわよー」キュ
杏子「冷たっ―― 」
マミ「あら、ごめんなさい とりあえず頭洗うわよー」
杏子「いや、だから自分でそれくらいやるって」
マミ「いいのいいの、私がしたいんだから、やらせてよね」
マミ(こーゆーのって憧れてたのよね…… パジャマパーティとか)ワシャワシャ
杏子(なんだかなー…… これじゃアタシ、ちっちゃなガキみてぇじゃん)ワシャワシャ
杏子(まだ親父達と一緒に暮らしてたころは妹とよくお風呂入ったけな……)グスッ
マミ「どうしたの? 目にシャンプー入っちゃったかしら?」
杏子「な、なんでもねーよ!」
杏子「つーかさ、マミ、さっきから気になってたんだが……」
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53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:49:42.71 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「胸…… 当たってんだけど……」
マミ「!!」
マミ「あ、あら…… 迷惑だったかしら 気にしなくてもいいのよ?」
杏子「当ててんのか? 当てつけてんのか? 私のが小さいからって……」
マミ「別に他意はないわよ? もしかして杏子ちゃん……
そっち系の娘だったの? 刺激が強すぎちゃったかしら」フフッ
杏子「な、なにいだしやがんだよ! アタシはフツーだ! フツー! 」
杏子「っつーか、いきなりちゃん付けとか止め――」シャワシャワー
マミ「はいはーい、シャンプー終了ー」
杏子「流された……」
マミ「文字通り水に、ね」
杏子「くっだらねー…… つーかお湯じゃん?」プッ
マミ「……」シャワシャワー
杏子「冷たっ! ちょ! 止め……止めろって」
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54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:53:25.88 ID:8ydSLpKx0
-
―――――
マミ「……流石に湯船に二人は厳しいわね」
杏子「そう思うんなら、実行する前に気づいてほしかったんだけどな」
マミ「そうかしら? わたしは楽しいわよ」
杏子「へいへい そーですかー」プィ
マミ「まったく、杏子ちゃんはかわいいでちゅねー」
杏子「うっぜー 超うぜぇー」
マイ「ふふ、ごめんなさい からかいすぎたわ」
杏子「……」ブクブクブク
杏子(何か調子狂いっぱなしだなー……)
杏子(でもまぁ……)
杏子「こんな温いのも……悪くない……かもな」
マミ「あら? お湯冷めてきたかしら?」
杏子「なんでもねーよー」ブクブクブク
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58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 01:57:52.54 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「さっぱりしたー」ホカホカ
マミ「魔獣退治後のシャワーは格別ねー」ホカホカ
マミ「それじゃ、夕飯作りに取り掛かりましょうか」カチャカチャ
マミ「杏子ー、何かリクエストはあるー?」
杏子「美味いヤツならなんでもー」
マミ「くっ、そういう反応一番困るってゆうのに……」
マミ(とりあえず冷蔵庫にあるもので適当につくりましょう)
杏子(……マミが料理を始めたので、手持ち無沙汰になってしまった)キョロキョロ
マミ「暇だったら、その辺にある雑誌でも読んでていーわよー」
杏子「りょーかーい…… ん、こんなところにノートが出しっぱなしに……」パララララ
-
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:01:29.84 ID:yQHiuSWwO
-
見ちゃ駄目だーー!
-
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:02:02.36 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「なになに? 必殺技の候補案に、決め台詞?」パララララ
杏子「 『アルテマ・シュート……これは駄目、ボツね』 」フムフム
杏子「これは俗に言う中二――」
マミ「き ょ う こ さ ん ?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
杏子「おー、なんだマミ もうできた―― 」
マミ「……見たの? 見ちゃったのね?」ギラッ
杏子「お、おい…… なんか目ー、据わってんぞ? それに包丁なんて危な――」
マミ「ミ タ ノ ?」ブン
杏子「あっぶねー!? な、何すんだよ?」
マミ「このノートを見られたからには、みんな死ぬしかないじゃない!」ブン
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65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:05:52.11 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「なんてね…… 冗談よ」
杏子「じょ、冗談きっついって……(包丁は無いだろ包丁は)」
マミ「ただし、もし外でこの事を言ったら……」
マミ「円環の理に導かれることになるわよ」ジャキン
杏子「は、はい……誰にも言いません お耳ダンボでお口チャックします」ガダガタ
マミ「分かればよろしい……分かれば……
もうすぐ料理もできるからおとなしく漫画でも読んでなさい」クルッ
杏子(マスケットの召喚って、冗談じゃ済まないって)
杏子(このことにはできるだけ触れないようにしないとな……)
杏子「…………マルテマ・シュート」ボソッ
ヒュンヒュン……ザクザク
杏子「ご、ごめんなあい……」ガクガク
(包丁が床に……包丁が床に……)
-
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:09:17.99 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
杏子「ごちそうさまでしたー!」
マミ「はい、お粗末さまでした」
杏子「マミの料理は美味いな……肉じゃがなんて久しぶり食べたぜ」
マミ「煽ても 包丁とか、マスケットしか出てこないわよ」ニコッ
杏子「本当にすみませんでした」
マミ「仏の顔も三度までよ?」
杏子「肝に……ソウルジェムに銘じます」
マミ「ふふ、いいのよ分かってくれたのなら
それじゃ私は後片付けしなきゃね」
杏子「手伝うよ」スッ
マミ「お皿わらないでね?」クスッ
杏子「そこまで不器用じゃねーよ……」
-
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:14:18.54 ID:8ydSLpKx0
-
―――洗面所―――
マミ「……」シャカシャカシャカ
「……」ガラガラ…ペッ
マミ「はいっ、歯ブラシ」パス
杏子「いや、それは駄目だろ」
マミ「冗談よ、冗談 流石の私もそれを受け取られると対応に困るわね……」
杏子「だったらはじめからすんなよ」ヤレヤレダゼ
マミ「でも、生活に必要なもの、明日買いに行かないとね」
マミ(学校帰りにジャレコに寄って……)
マミ「そういえば杏子…… あなた学校は?」
杏子「小卒」キリッ
マミ「……日本の教育制度はどうなってるのかしら?」
-
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:18:00.53 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「QB、ちょっと来て」パンパン
QB「なんだい、マミ? 杏子を学校に入れろって言うのは無理だよ?」
マミ「チッ 使えないわね……」
QB「心外だなぁ、僕の力があれば、見滝原中に入学させるのは簡単だよ?」
QB「でも、残念ながら杏子の頭脳では、現在の教育カリキュラムに
ついていくことができないからね……無意味だよ」
杏子「てめぇ…… 馬鹿にすんなよ!?」
マミ「杏子、日本の三権分立は、司法、立法と?」
杏子「魔法」
マミ「……じゃあ、光合成に必要なものは、日光の他に何が必要?」
杏子「気合」
マミ「……」
QB「小学校だって、魔女退治でろくに出席してないんだしね……当然かな?」
-
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:22:26.56 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「買い物リストに各種ドリル類と……」
杏子「私の武器は、槍だぜ?」
マミ「だめだわ……想像以上にアホの娘だったわ」ウルッ
杏子「いや、冗談だ……、計算とか漢字のヤツだろ?
それくらいは知ってる 嫌いだけど」
マミ「とりあえず、当分の間は自宅でミッチリ勉強させようかしら……」
杏子「うげぇ…… 四則演算できて、文字の読み書きができたら十分だろ?」
マミ「あなたの将来が心配だわ」ハァ
杏子「このままずっーと、マミの家に寄生してやるから大丈夫だぜ?」ニヤニヤ
マミ「そう……だったら大丈夫ね…… でも、私の嫁になるのなら
常識くらいは知っていてほしいものなんだけど……」
杏子「ハァ? 嫁って何だよ……」
マミ「いきなり一生一緒にいろって告白されるなんて
やっぱり佐倉さんって、そっちの人なの?」
杏子「いや、勝手に言葉のニュアンス変えるなって……、でもって私はそっちの人じゃない!」
QB「……僕を呼び出して放置したうえに、のろ気ですか」
-
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:27:34.28 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「あら? まだいたのQB」
QB「……」イラッ
QB「まったく…… それじゃ、ボクはこれで」クルッ
マミ「随分と話し込んじゃったわね……」
杏子「ふあーあー そろそろ眠くなってきたな……」
マミ「そうね……これからのことはまた明日話し合いましょう」
杏子「んじゃ、私はあっちのソファーで寝るかー」
マミ「あら、私の一緒のベッドじゃ不満なのかしら?」
杏子「イヤなわけじゃないけど…… その……」
マミ「そっちの人には刺激が強すぎるかしら?
杏子「だーかーらー、違うって
いい加減ネタ引っ張りすぎてうぜぇ」
-
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:32:17.98 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「で、結局一緒のベッドに寝ている杏子ちゃんなのでした」ニヤニヤ
杏子「あーあーあーあーあーあー ナニモキコエナイー」
マミ「(かわいいなぁもう) それじゃ、おやすみなさい杏子」
杏子「…………オヤスミ」
マミ(今日はちょっとはしゃぎ過ぎちゃったかしら)
マミ(でも、こんなに楽しいのって本当に久しぶりね……)Zzz
杏子「……おーい、マミ、もう寝たかー?」
杏子「……寝ちゃったか」
杏子(昨日までは、ダンボールで寝泊りしてたのになぁ)
杏子(今日一日は久しぶりに楽しかったな…… 念願の友達だってできたし……)
杏子(明日目覚めて、ダンボールの上って落ちは……勘弁してほしいな……)Zzz
-
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:36:01.00 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「寒い……」
杏子「朝起きたらまたダンボールの上で寝てた」
杏子「あれは、やっぱり夢だったのかな」
杏子「……」ジワッ
杏子「ウツダシノウ」パリン
ざんねん きょうこは えんかんの ことわりに みちびかれてしまった!!
『GAME OVER』
杏子「……そんなぁ……私を一人にしないでよぉ……」
マミ(うなされてるみたいね…… 大丈夫かしら?)
-
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:40:09.91 ID:8ydSLpKx0
-
ジリリリリリリリリ――
杏子(何か酷い夢を見たような気がする……)
マミ「うーん、はいはーい、今止めますからねー……」
杏子「んー…… マミ、なに目覚まし時計に話しかけてるんだよー」
マミ(! そういえば昨日、女の子をお持ち帰りしたんだっけ?)カチッ
杏子「ふあー、 おはようマミ!」
(夢じゃなかった 夢じゃなかった!)
マミ「朝からテンション高いわね……」
マミ「朝食はトーストでいーわよねー」
杏子「ああ、問題ないぜ」
-
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:44:48.09 ID:8ydSLpKx0
-
―――――――
マミ「じゃあ、私は学校があるから…… とりあえずコレを渡しておくわ」ポイ
杏子「ん? これって、この部屋の鍵か?」
マミ「そうよ、出かけるときはちゃんと戸締りしてよね」
杏子「おいおい、無用心だな 昨日今日あったばかりのアタシに
自分の家の鍵を渡すだなんて」
マミ「信用してるのよ…… 裏切らないでよね、絶対」
杏子「大丈夫大丈夫、裏切らないから……絶対」
マミ「そう、それなら良かった それじゃ私、学校行ってくるから」
杏子「いってらー」
マミ「はいはい、行ってきます」ガチャ
-
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:48:41.30 ID:8ydSLpKx0
-
35
杏子(一人になってしまって、再びやることがなくなってしまった)
杏子(いつもならQBを呼んでオセロでもやってる時間だけど)
杏子(そうだ、ダンボールハウスに荷物でも取りに行くか……)
杏子(……荷物、とられてなければいいんだけどなぁ)
―――――――
―マミの教室
マミ(杏子、暇を持て余してるんじゃないかしら……)
マミ(ああ、だめだめ、今は授業に集中しないと)
マミ(……杏子の寝顔かわいかったなぁー)
-
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:53:08.84 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
杏子「あっちゃー、アタシの自信作だったんだけどなぁ……」
杏子「雨にも風にも負けない、鍵尽きダンボールハウスもこうなっちゃ……」
杏子「仕方ない…… 放課後まで適当に町を散歩でもしてようかねぇ」
QB『……大変だ 杏子! また魔獣が現れた!』
杏子「なんだ……これで3日連続じゃないか 本当、精が出るねぇ」
QB『場所は、見滝原中の近くだ! これからマミにも連絡を――』
杏子「その必要はないさ 今日の私は昨日と違って万全なんだ」
QB『そうかい? だったら連絡はしないでおくよ』
杏子「さて、さっさと魔獣退治に向かいますか」ダッ
-
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 02:58:27.97 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
ほむら「これで終わりよ……」ヒュンヒュン
グギャアアアアアアアアアアアア
ほむら(魔女が居なくなったと思ったら、今度は魔獣とはね……)
ほむら(それでも、私は彼女が守ったこの世界を……)
杏子「なんだぁ? QBのヤツ嘘吐きやがったのか? 魔獣なんてどこにも――」
ほむら「……」
杏子「……目付きの悪い魔法少女が一人いるだけじゃねーか」
杏子(っつーか、あのリボン、すっげー似合ってねぇ……)
ほむら「佐倉……杏子」
杏子「!! てめぇ…… なんでアタシの名前を」
-
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:03:51.98 ID:8ydSLpKx0
-
QB「彼女は暁美ほむら、彼女も魔法少女なんだけど、少しイレギュラーでね」
杏子「QB!? どっから沸いてきやがった、気色悪い」
QB「(気色悪い……) 彼女はね、巴マミを超えた中二病患者なんだ」
ほむら「……」
杏子「は?」キョトン
QB「杏子、魔法少女はソウルジェムは穢れに染まると、どうなるか知ってるかい?
杏子「消滅するんだろ? てめぇが契約するとき言ってたじゃねーか」
QB「そうなんだ、でも暁美ほむらがいうには魔獣……いや魔女になるとかなんとか」
QB「とどのつまり、彼女は妄想が行き過ぎてるかわいそうな娘なんだ」
杏子「……」チラッ
ほむら「……」プイッ
-
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:09:55.40 ID:8ydSLpKx0
-
QB「魔法少女としては非常に優秀なんだけどなぁ……」
QB「まったく、ボクもなんでこんな娘と契約しちゃったのかなぁ?」
QB「……まぁ、魔法少女同士なら仲良くできるかもしれないね
それじゃ、魔獣も倒せたようだし ボクはコレで」
ほむら「……」
杏子「…… なんでアタシの名前知ってたんだ?」
ほむら「……QBから聞いていたのよ、素行の悪い魔法少女だって」
杏子「そうかい……」
ほむら「それじゃ…… 私はスペアがあるから、これはあげるわ」ポイ
杏子「グリーフシード……いらないってんなら受け取るが……」
杏子「敵じゃ……ないんだよな?」
ほむら「ええ……そう思ってもらっても構わないわ」
-
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:13:25.70 ID:8ydSLpKx0
-
ほむら(いまさら仲良くしたって……)
ほむら「……それじゃ」スッ
杏子「……」
杏子(なんだか、あいつ寂しそうな顔してたな……)
杏子(気のせいか?)
杏子「そろそろマミの学校が終わる時間か……」
杏子(QBを携帯電話代わりにするのは、内容を聞かれるのが癪だし)
杏子(校門の前で待ち伏せしておこうかな……)
――――――
ほむら(何やってるのかしら、私)
ほむら(佐倉杏子や巴マミと、仲良くすればいいじゃない、それなのに)
ほむら(私、ずっと、あなたのことだけ考えてる……)
ほむら「まどかぁ……会いたいよぉ……」
-
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:18:29.56 ID:8ydSLpKx0
-
キーンコーンカーンコーン―――――
杏子(校門に立ちっぱなしってのは案外、恥ずかしいもんだな)
杏子(みんなジロジロみてくるし、早く出てこないかなぁ、マミ)
マミ「杏子!? どうして学校に?」
杏子「た、たまたま通りかかったんだ、それで丁度いい時間だったから」
杏子「迷惑だったか?」
マミ「いえ、そんなことないわ ただ、ちょっと目立ちすぎるわね……」
杏子「ゴメン」シュン
マミ「別に怒ってるわけじゃないのよ? さ、行きましょう」
杏子「行くってどこへ?」
マミ「昨日話したでしょ、あなたの生活必需品、そろえなきゃ」
-
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:21:58.71 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
マミ「そういえば、家見てきたの?」
杏子「あー、うん、駄目だった」
マミ「そう、心無い人がいるものね……」
杏子「いや、っつーかさ じいさんに乗っ取られてた……」
マミ「え? それで杏子はどうしたの?」
杏子「無理追い出すわけにも行かないし、それに私には……」
杏子「帰りを待っていてくれる人がいる、家があるから」ボソッ
マミ「……」キュン
-
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:24:17.71 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「そ、そうね……、杏子にはウチがあるし、問題ないわよね」
杏子「でも、服とか歯ブラシだとか、全部おいてきちゃったからなぁ」
杏子「全部買い揃えると大変だよな……」
マミ「お金の心配なら問題ないわよ」
マミ「訳あって一人暮らしをしているけれど、保護者がね……
お金だけは、たくさん寄越して来るの」
杏子(あんまし、深く追求しないほうがいいかな、この話題……)
杏子「そ、そうなのか、だったら遠慮しないぜ?」
マミ「ええ、じゃんじゃん買っちゃいましょう」
-
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:28:28.68 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
マミ「杏子にはこっちの方が似合うじゃない?」
杏子「えー、ひらひらしてるのは魔法少女の時だけで勘弁してくれよー」
――――――
マミ「歯ブラシとかって、何かこだわりある? 適当でいいかしら
杏子「んー、適当にマミが見繕ってよ
――――――
杏子「マミー、コレかってー」
マミ「何でも買っていいとは言ったけど、食頑はだめよ食頑は」
杏子「えー……、マミのけちぃ」
――――――
マミ「さて、今晩の食事の材料でも買っていこうかしら」
杏子「あー、クリームコロッケ食べたい、クリームコロッケ」
マミ「まーた、難易度の高いものをリクエストしてくれるわね」
マミ「……出来合いのものじゃ、だめ?」
-
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:33:15.47 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
杏子「流石にこれは」
マミ「買い過ぎたわね……」
マミ「杏子は荷物を整理しといてー、私はご飯の支度するからー」
杏子「りょーかいー とりあえず衣類をクローゼットに――」
――――――
―――
―
杏子「これでお終いっとー」
杏子(ついでにお風呂掃除して、沸かしておくかー)
マミ「片付けが終わったら、計ドやっておきなさーい」
杏子「あー、ドリル買うってのは冗談じゃなかったのか……」
杏子(つーか、まるでお袋みたいじゃねーかよ……)
-
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:35:42.62 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「満腹満腹ー♪」
マミ「料理している間に、お風呂が沸いてるなんて、楽でいいわねー」
杏子「料理できない分、他の家事は私がやるよっ」フンス
マミ「共同生活を提案したときは、どうなるかちょっーと不安だったけど
案外うまくいくものねー」
杏子「こんな生活を味わうと、もう二度とダンボールには戻れないかもなぁ……」
マミ「……寝るまでに時間が結構あるわね」
杏子「学校の宿題とかはやんなくていーのか?」
マミ「私は優等生だし、大丈夫なの それよりあなたに勉強を教えましょうか?」
杏子「そ、それは、マミが学校いってる間にやっておくよ」
マミ「ちゃんと添削するから、サボらないで真面目にやりなさいよ?」
杏子「あぁ…… ダンボールハウスが恋しい……」
-
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:40:25.89 ID:8ydSLpKx0
-
――適当に数日程経過
――学校
マミ(杏子との生活にも慣れてきたわね……)
マミ(最近は魔獣の活動も少ないし、順風満帆って感じかしら?)
『なー、今日二年生に転校生がきたらしーんだけど、すっごい美人らしいぜ?』
『へぇー、どんな娘かなぁ? 俺、覗きに行こうかなー』
『ハハッ、おめーじゃ年下にすら相手にされねーっての』
マミ(転校生か……私には関係ない話ね)
マミ(それよりも夕食の献立のほうが大事ね……杏子は何食べてもおいしそうに
食べてくれるし、作り甲斐があるのよねー)
-
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:43:42.07 ID:8ydSLpKx0
-
―――2年教室―――
ほむら「暁美ほむらです、よろしく」
さやか(転校生ねー…… あのリボン、全然似合ってないなー)
早乙女「じゃ、暁美さんの席は―― 美樹さんの隣で」
ほむら「……」テクテク
ほむら(よりにもよって、彼女の隣……)
ほむら「よろしく、美樹さやかさん
さやか「よろしくー♪」
ほむら「……」
さやか(無口な感じの娘だなぁー、 やりづらい……)
早乙女「はい、じゃあ授業を始めます。テキストの29Pを――
-
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:47:28.26 ID:8ydSLpKx0
-
――――昼休み
ほむら(美樹さやかは、何度も何度も魔女化してまどかを困らせていた……)
ほむら(でも、まどかの願いで魔女化することはなくなったんだし)
ほむら(仲良くできるかな…… まどかも、きっとそうした方がいいって言うかな?)
さやか「……おーい、転校生聞いてるかー?
一緒にお昼食べようって言ってるんだけどー?
ほむら「! ごめんなさい、少し考え事していて……」
仁美「だからワタクシ、無理に誘わないほうがいいっていったんですよ、さやかさん」
さやか「なにぃー 転校生と仲良くしようって言ったのは仁美の方じゃ――」
ほむら「ほむら」
さやか「え? 何?」
ほむら「名前、私の名前は暁美ほむら、転校生じゃないわ」
ほむら(ああぁ、もっと他に言い方あるでしょ……
ループ世界でのキャラが固定しちゃってて……上手くじゃべれない)
-
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:50:57.19 ID:8ydSLpKx0
-
さやか「ごめんごめん、ほむらね、暁美ほむら おっけー、記憶したわ」
さやか「私は美樹さやか、美樹でもさやかでも自由に呼んでくれて構わないわ」
さやか「はーんぐしぇいく!」ガシッ
ほむら「こ、こちらこそよろしく」ドキッ
ほむら(かなり友好的みたいだけど…… 距離感が掴めないわ……)
仁美「あらあら、もうすっかり仲良しなんですねー」
さやか「ほらほら、仁美も、 はーんぐしぇいく!」
ほむら「よろしく」
仁美「よろしくね、暁美さん」
ほむら(…… この世界でも二人は、上条恭介を盗りあう間柄なのかしら?)
-
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:54:38.89 ID:8ydSLpKx0
-
―――放課後―――
さやか「んじゃ、暁美さん、また明日~」
仁美「ごきげんようー」
ほむら(まどかのいない日常か……)
ほむら(まどかがいなくなっても、この世界は廻り続けるのね……)
ほむら(魔法少女が魔女にならなくなった、たったそれだけ……)
マミ「あれ? あなた暁美ほむらさん」
ほむら(!? 巴マミ…… どうして私の名前を? まさか記憶が!?)
マミ「やっぱり、杏子が言ってたとおりだわ、サラサラのロングヘアーに
(明らかに浮いている)かわいいリボンをつけてるって」
ほむら(杏子が? そう、二人は知り合いなのね……)
マミ「あなたも魔法少女なんですってね……」
ほむら「ええ……」
ほむら(ループ世界みたいに、敵対関係になる……?
いやだなぁ…… そんなこと、望んでないのに……)
-
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 03:58:23.05 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「杏子が、あなたから敵意は感じられないって言っていたのだけれど」
マミ「もし、もしも杏子に手を出したら……容赦しないわよ?」
ほむら(……、この世界では、良い関係を築けているようね)
ほむら「ええ……大丈夫よ」
マミ「それなら問題はないの……」
マミ「……でも、杏子にはあるみたいなのよね、問題」
ほむら「それはいったい何かしら?」
マミ「そうね……、ここで立ち話もなんだし、あなたさえ良ければ
私の家に来ていただけないかしら?杏子も直接話しをしたいだろうから」
ほむら「わかったわ、それじゃ、お邪魔させてもらおうかしら」
マミ「それじゃ、行きましょうか」
-
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:02:22.60 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
杏子「おかえりー」
マミ「ただいまー」
ほむら「お邪魔するわ」
杏子「おー、この前の魔法少女……制服を着てるってことはアンタも見滝原中かー」
ほむら「ええ、今日転向してきたばかりだけれどもね」
―――
―
マミ「紅茶、ストレートでよかったかしら」
ほむら「ええと……ミルクも頂けないかしら?」
マミ「分かったわ 杏子はミルクに砂糖が2個でいいわね?」
杏子「あぁ、甘ったるーくしてくれー」
マミ(ほむらさんって、クールな感じなのにミルクも入れるのねー)
マミ(案外かわいらしいところもあるのね)
-
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:07:17.53 ID:8ydSLpKx0
-
ほむら「それで、話って何かしら」
杏子「あー、それなんだが……、特に用事ってほどでもないんだ……」
ほむら「……」
杏子「なんつーかさ…… この前の魔獣退治であったときに感じたんだよ」
ほむら「……何を?」
杏子「あんたから、寂しそうっていゆうか、なんていうかさ……
上手くは言えないんだけど…… 」
ほむら「…… そんなこと言うために態々私を呼びつけたの?」
杏子「…… 私もずっと一人で魔獣退治をやってきたんだけどさ」
杏子「でも、マミと知り合ってからは、ここのところずっと楽しいってゆうかさ」
ほむら「……煮え切らないわね、言いたいことははっきり言いなさい」
ほむら(あぁ、私また余計なこと……、寂しいか……図星よね……)
-
153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:12:10.20 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「だっーー、もうっ つまりだなー、その、なんだ……」
杏子「ひとりぼっちは寂しいもんなって事だよ///」
ほむら「……」
杏子「だーかーらー…… 同じ魔法少女なんだし仲間にならないかってことだ!」
ほむら(……! ループ世界での彼女より、随分と丸くなってるのね)
マミ「……杏子も随分とお節介焼くようになったのねー お母さん嬉しい!」フフッ
杏子「だっ、だれがお母さんだ、だれが! 年増! このBABA」
マミ「……杏子ー? 円環の理からお呼びがかかったわよ?」ジャキ
杏子「ゴメンナサイ!!」
杏子「……」
杏子「…… マミは私の、最高の友達だよ……」///
マミ「あら? 友達止まりなの、マミさんショックでソウルジェムが濁りそうよ?」
-
156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:16:07.38 ID:8ydSLpKx0
-
ほむら「フフッ 可笑しい」クスクス
マミ「……やっと笑ったわね」
杏子「なんだ、笑うと案外かわいーじゃねーか」
ほむら「……仲間になっても構わないわよ」
杏子「そ、そうか!? ……言ってみるもんだなっ」
マミ「そうね……、ずっと一人で戦ってきたのに、
この数日で仲間が二人もできるなんて、感慨深いわね」
ほむら(何も変わってないなんて、そんなこと無かった)
ほむら(だって彼女たちが、まどかの救った魔法少女たちが
こんな笑顔でわらっているんだもの……)
杏子「というわけで、お近づきのしるしに、ほむらのケーキをいただきっ」シュッ
マミ「こらっ! お客様のケーキに手を出しちゃだめでしょ!
それに素手でケーキをつかまないの!」
杏子「仲間だから、いーんだよ! 仲間なんだしな!」
マミ「もう、杏子ったら ごめんなさいね、新しいケーキ、もってくるわね」
ほむら「いえ、お構いなく……」ニコッ
-
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:22:25.43 ID:8ydSLpKx0
-
―――玄関―――
ほむら「それじゃ、私はこれで」
マミ「そう? もっとゆっくりしていけばいいのに」
ほむら「それでは、また学校で……」タッ
杏子「また学校でだって? アタシは学校じゃ会えないだけどなぁ」
マミ「だったら必死で勉強して、授業についてこられるようにならないとね」」
杏子「そもそもアタシの戸籍とか、どうなってんだろ? 行方不明? 死亡扱い?」
マミ「その辺はマジカル生命体のQBに頼めば問題ないわよ、きっと」
杏子「そうかー? いやそっかー QBだしなぁ……」
マミ「じゃあ、今日はみっちり勉強しましょうか……
美人家庭教師が、手取り足取り教えて あ げ る♪」ニコッ
杏子「あ゛ーー、とんでもない地雷踏んでしまったような……」
――――――
QB「最近出番無いなぁ……」ションボリ
-
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:24:11.01 ID:y+1B9ZBf0
-
マジカル生命体ww
-
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:29:31.61 ID:8ydSLpKx0
-
ほむら(仲間ね……)
ほむら(あの佐倉杏子がね……)
ほむら「くーかい?」コエマネ
ほむら(なんて、素直に仲間になってくれって言えなかったあの娘がね……)
ほむら(これでまどかがいれば、どれほど楽しかったのかしらね…)
ほむら「だめよ、ほむら まどかは希望となってこの世界を救ったのだから」
ほむら「私が後ろ向きになってどうするのよ」
ほむら(魔獣という、イレギュラーな存在もいることだし)
ほむら(私は私のできることをすればいいのよ……)
ほむら(そして、あなたの救ったこの世界を見届けるの……まどかと一緒に……)
-
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:36:22.14 ID:8ydSLpKx0
-
―――再び適当に数日経過
―――放課後―――
さやか「ほ~むらっ! 今日の予定は未定かな?」
ほむら「ええ、特にないわ」
さやか「じゃあさ、仁美と一緒に買い物に行かない?」
仁美「さやかさん、買いたいCDがあるんですって」
ほむら「そう、それじゃ、ご一緒させてもらおうかしら」
ほむら(美樹さやか……やはり上条恭介のために……)
ほむら(でも、他人の恋路に首を突っ込むのはよくないわね……)
さやか「よーし、それじゃ、しゅっぱぁーつ!」
-
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:40:37.00 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
仁美「さやかさん、買いたいCDっていうのは……」
さやか「アハハハ、やっぱ仁美には分かるかー もちろん恭介のためにねー」
仁美(……)
ほむら(着実にオクタヴィア化……じゃなかった、消滅ルートじゃないのコレ)
ほむら「?……」
ほむら(かすかに魔獣の瘴気が……)
仁美「あれ、なんだか眩暈が」フラッ
さやか「仁美!? ちょっと大丈夫なの!?」
ほむら(瘴気が濃くなっている……)
グルルルルルウルルルルウ
ほむら「さやか!! 伏せて!」バッ
さやか「えっ!? 何? 何なの!?」
ほむら(……駄目! 間に合わない! 時間停止能力があれば……)
-
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:44:49.64 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「ロート・シュメルツ!!」ズバッ
グアアアアアアアアアアアアアアア
ほむら「杏子! 助かったわ! ……でも」
ほむら「……何、その? ろーたー?しゅ―――」プッ
杏子「ゆーな! ゆーなぁぁっぁ! マミが折角用意してくれたんだ、だから……」グスッ
ほむら「必殺技なの……ね」
杏子(恥ずかしい///)コクッ
ほむら(ご愁傷様……)ブフゥ
ほむら「その、必殺技の意味って――」
杏子「これ以上私の傷口に塩を擦り込むのはやめてくれっ!
ほむら「……ごめんなさい」
さやか「何?、 一体何が起こったの!?」
-
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:49:07.81 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「! ほむらっ そいつ、魔獣の瘴気の中でも意識があるぞ!?」
ほむら「ええ、そうね、おそらく彼女も魔法少女の資質があるのよ」
ほむら(でも、潜在能力は……悲しいけど、期待できないのよね……)
杏子「そうなのか!? でも、資質があるにしても
魔法少女になんて、ならないほうがいいけどな!」シュッ
グルルウルルルルルルルルウルル
杏子「さっさと、くたばれ! この化け物が」タッ
杏子「壊れろ!壊れろ! 壊れろぉぉ!」ダンダンダン
ほむら(荒れてるわね……、そんなに恥ずかしかったのかしら必殺技……)ププッ
さやか「化け物が町に―― 夢? これは夢なの?」
-
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:51:58.14 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「私が出る幕はまったくなかったわね……」
ほむら「巴マミ……いつからそこに」
マミ「最初からいたわよっ!」ミサワッ
マミ「……というのは冗談で、杏子が2体目の魔獣を
ノリノリで倒してるとこ辺りかしら?」
さやか(あれ? あの人、たしか学校で見かけたことがあるような……)
杏子「魔獣は片付いたとして……コイツどーすんだよ?」
さやか「コイツって私のこと?」
杏子「あ、わりぃーな、気分を害したんなら誤るぜ
なんせ、アタシ、アンタの名前知らねーからさ」」
ほむら(杏子、本当に丸くなったわねぇ……)
ほむら(お菓子ばかり食べて、体が丸くなりそうだったのに……変わるものね)
-
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 04:55:37.80 ID:8ydSLpKx0
-
さやか「美樹さやかよ……」
杏子「そうか、アタシは佐倉杏子だ、よろしくな」
マミ「まったく、自己紹介してる場合じゃないでしょ?」
ほむら「そうね…… 魔法少女の資質があるってわかったのなら多分アイツが――」
QB「やぁ! 美樹さやか! ボクと契約して、魔法少女になってよ!!」
杏子「やっぱり
マミ「出たわね」
ほむら(インキュベーター)
さやか「魔法……少女? あぁ、やっぱりこれは夢なのよ……」
マミ「一度、落ち着いて話が出来る場所に移動しましょうか」
ほむら「そうね……、仁美さんも自宅に運んであげないと」
仁美(うーん……上条さん……)スースー
-
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 05:00:17.84 ID:8ydSLpKx0
-
―――マミのマンション―――
さやか「えっーと、つまり、あなたたち3人は魔法少女ってこと?」
ほむら「ええそうよ、私と、佐倉杏子と巴マミ、3人でこの町を守っているの」
さやか「でも、どうしてそんなことしてるの? ただの女子中学生が……」
QB「それはね ボクと契約して魔法少女になると、なんと!
ひとつだけ願いを叶えてあげることができるんだ!」
さやか「願いを……叶える?」
QB「そうさ、なんだって叶えてあげるよ!」
さやか「世界制服とかでもOKなわけ?」
QB「……君の魔力の資質じゃ無理だね!」
さやか「なんでもって言ったじゃない……」
QB「常識の範囲内ってことで考えてくれないかな!」
さやか「あなたみたいな謎の生き物の常識なんて分かんないわよ……」
-
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 05:03:52.38 ID:8ydSLpKx0
-
ほむら「美樹さん、そいつの口車に簡単に乗らないことね」
さやか「それってどういう意味?」
マミ「願いを叶える代わりに、私たちはこの世界の理から逸脱してしまうの」
さやか「それって……」
杏子「簡単な話が、人間をやめるってゆーことだな」
さやか「人間をやめる?」
杏子「フツーに生きられなくなって、フツーに死ねなくなる そんな感じかな」
さやか「よく……わからないなぁ」
マミ「そして、永遠に魔獣と戦う運命を背負うことになるのよ」
ほむら「魔獣というのは、さっきあなたを襲ってきた化け物のことよ」
さやか「まるでファンタジー小説みたいな話で、にわかに信じらんないなぁ……」
-
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 05:07:47.62 ID:8ydSLpKx0
-
さやか(もし、この話が本当なら……恭介の手……直るのかな)
杏子「……他人のために願いを使うなんて考えんじゃねーぞ」
さやか「! それは、なにかペナルティでもあるから?」
杏子「いや、私の経験からの判断だ 他人のためになんて
大事な願いを使うもんじゃねーんだよ……」
マミ(……そういえば、杏子はどうして魔法少女になったのかしら?)
さやか「ふーん……ねぇQB、その答え、すぐに出さないと駄目?」
QB「別に期限は無いよ、ボクとしては出来るだけ早いほうが嬉しいけど」
マミ「営業マンは大変よね……、 純粋な乙女を騙して契約だなんて」
QB「ひどい言いがかりだなぁ 願いをひとつかなえてるんだし
これでもかなり譲歩してるつもりだよ!」
杏子「魔獣退治のコマがほしいだけだろーが……」
-
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 05:13:01.30 ID:8ydSLpKx0
-
QB「たしかに魔獣から得られるエネルギーを、僕にとって重要だよ?
でも、魔獣が君たちの町で暴れるのを放っておけるのかい?」
QB「君たちには、魔獣を倒せる力があるっていうのに……」
さやか「共生関係って訳ね」
マミ「えぇ ざっくりと言えば、そんな感じね」
さやか「……やっぱり少し考える時間を頂戴、QB」
QB「わかった…… いい返事を期待しているよ」スッ
ほむら「それじゃ、今日はこれでお開きということで」
マミ「ええ、またね……ほむらさん、美樹さん」
さやか「はい、助けていただき、ありがとうございました」ペコリ
杏子「おー、またあぞびに来いよー って私は居候だけどな」
さやか(居候? あの佐倉って人だけ学校じゃ見かけたことないし
巴さんと一体どういう関係なんだろう……)
-
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 05:19:04.86 ID:8ydSLpKx0
-
―――帰り道―――
さやか「今日はありがとね、ほむら」
ほむら「別に気にしてないわ 美樹さん」
さやか「そろそろ、美樹さんっていうの止めない?」
ほむら「……わかったわ、さやか……さん」
さやか「そうそう! それでいいんだよ 昔からみんなそう呼んでるし」
でも、まだちょっち堅いかなぁ」アハハ
ほむら(自己紹介のときは自由に呼べっていったような)
ほむら(でも、それをここで言うのは野暮ってヤツかしら……)
さやか「魔法少女ねー あんまし実感わかないなぁー」
さやか「この世が、まるで小さいころに見たアニメみたいな世界だったとはねぇ」
ほむら「本当のことよ…… これが私たちの生きる現実……」
ほむら「それじゃ、ここで」
さやか「ん、それじゃまた学校でー」
ほむら「ええ、また明日」スタスタ
さやか(何でも叶う……願い……か……)
-
184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 05:25:38.20 ID:8ydSLpKx0
-
―――学校―――
さやか「おっはよーぅ、ほむらー」
仁美「おはようございます、暁美さん
ほむら「おはよう、さやかさん、仁美さん」
ほむら(この二人を名前で呼ぶのに慣れたものね……)
ほむら「そうだ、二人とも、この前の買い物は有耶無耶になって
しまったから、お詫びなんだといってはあれなんだけど……」スッ
さやか「何これ? 遊園地のチケット?」
ほむら「えぇ……、 杏子とマミに誘われたのだけれども、
彼女たちが是非あなたたちも一緒に行かないかって……」
さやか「これって、いつ行く予定なの?」
ほむら「今週末の予定だけど……」
仁美「そうですの……? 残念ですけど、ワタクシ予定がありまして……
さやか「仁美は習い事で忙しいもんねー、私の誘いもいっつも振られて……
あぁ! 親友は悲しいぞぉー 仁美ぃ」
仁美「ふふっ、いつもごめんなさいね……」
-
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 05:29:07.56 ID:8ydSLpKx0
-
ほむら「さやかさんもダメ……かしら?」
さやか「いやいや、私は全然OKだよーっ」
ほむら「そう……良かった」
ほむら(これであの二人に、あなたが無愛想だから
断られたのよ なんて、罵られずに済みそうね」フフッ
さやか(仁美ー、ほむらさ、転校初日から比べて
大分笑うようになったよねー)
仁美(そうですわね きっとこれも、さやかさんの人望がなせる業ですわー)
さやか「あっはっはー、 おだてても何もでないぞぉ このっこのっ」ツンツン
仁美「あはっ、や、止めて下さい、さやかさん! くすぐったいですわ」キャッキャ
ほむら(相変わらず仲がいいわね……友達として、この後の展開が泣けてくるわ……)
ほむら(でも、本当ならこの2人の間に彼女がいたはずなのに……)
キーンコーンカーンコーン
早乙女「はーい、皆さんー 席についてください――」
-
188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 05:34:57.35 ID:8ydSLpKx0
-
―――日曜、見滝原駅―――
ほむら(……待ち合わせの時間より早くついてしまった……)
さやか「おーっす、ほむらー」
ほむら「おはよう……さやかさん」
さやか「私が一番乗りだとおもったけど、ほむらは、もっと早かったかー」
ほむら「ええ……そうみたいね」
さやか「……」
ほむら「ねぇ、魔法少女の契約、どうするか決めた?」
さやか「んー、それが、迷ってるんだよねー」
ほむら「そう、焦らずに考えることね……私からは、絶対にお勧めしないけど」
さやか「あぁ、ほむらがそんなに私のことを心配してくれるとは……嬉しいなぁ!」
ほむら「……ええ、心配よ 友達だもの……」
さやか「……ほむらは、魔法少女になって後悔してる?」
-
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 05:39:55.78 ID:8ydSLpKx0
-
ほむら「私には、どうしても叶えたい願いがあったから
後悔なんてしてないわ……」
さやか「そっか…… ひとつだけ願いが叶えられるんだよね?
さやか「……ねぇ、ほむらの願いって、何だったの?」
ほむら(最高……友達……と……ず……一緒に)
ほむら「いいえ、こればかりは教えられない……ごめんなさい」
さやか「そ、そうだよね…… 自分のすべてを捨ててまで叶えたい願いだもんね……
ごめん、空気読めずに余計なこと聞いて―― 」
-
191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 05:42:13.06 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「おーい、お前らもう来てたのかー?」タッタッ
マミ「待たせちゃったかしら?」
ほむら「いえ……私たちも今きたところですから」
さやか「おはようございまーす 巴さん、佐倉さん」
杏子「おー、美樹さやかだっけ? 久しぶりー」
マミ「おはよう、美樹さん」
さやか「さやかでいいですよー、さやかで」
杏子「私も杏子って呼んでくれ 佐倉さんってのはやっぱり慣れないからな」
マミ「私も名前で呼んでくれて構わないわよ、さやかさん」
さやか「りょぉーかいですっ! 杏子さんにマミさんっ!」
杏子「ははっ、威勢がいいねぇー でも、さんは余計だぜ」
マミ「さぁさぁ、こんなとこで話なんかしてないで、皆行きましょう――」
-
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:05:21.92 ID:8ydSLpKx0
-
―――遊園地―――
杏子「おおっー すっげー! なぁなぁなぁ、アレ乗ろう、アレ!」
マミ「最近できただけあって、すごい人の多さねー
って、はしゃぎすぎよ? 杏子」
さやか「ほむらは、何かお目当てのアトラクションとかあるの?」
ほむら「いえ……特に」
ほむら(遊園地なんて、ループ時間を入れたらどれくらいぶりかしら?
そもそも病弱だった私なら、こんな人ごみになんて来なかったわね……)
マミ「それじゃ、とりあえず4人でいろいろ回りましょうか」
さやか「そうですね! それじゃ、一発目はアレから行きましょう!」
杏子「フリーフォールか……、 さやか! お前、分かってるじゃないかっ」
ほむら(馬鹿となんとかは高いところが……)
マミ「ほらほら、二人においていかれるわよ? ほむらさん」ギュ
ほむら(……手)///
-
204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:10:00.91 ID:8ydSLpKx0
-
―――フリーフォール
杏子・さやか「いいいいいいいいぃやっほうおおおおおおう!!」
マミ「きゃあああああああああああああああああっ!!」
ほむら「…………」ホム
―――メリーゴーランド
マミ「杏子ー、似合ってるわよー?」ニコニコ
杏子「馬鹿にしてんのかっ!? 皮肉ってるのかっ!?
つーかこのアトラクションって何が楽しいんだ……」
ほむら(白馬にのったまどかが会いに来てくれないかなー)
さやか(白馬にのった恭介ってのも悪くないかなぁー)
―――
QB「魔法少女ものってさ……、こういう展開なら
マスコットキャラが同伴だと思うだけどなぁ」
QB「それで、遊んでる最中に敵が襲って来るするもんだけどなぁ」
QB「……一人七並べでもしてようかな」
-
206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:11:24.21 ID:IcLPzD/EP
-
マミさんが幸せ!
QBぼっちw
-
207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:13:46.89 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「おーい、次はジェットコースター行こうぜ!」
さやか「待ってました! さっそく行きましょう! マミさん」
マミ「ちょ、ちょっとまってよ……少しくらい休みましょう?」
杏子「えー、そんなことしてたら時間があっという間に―― 」
ほむら「そうね…… 私も疲れたし、マミさんと一緒に休憩しているわ」
さやか「わかりました! 杏子さん! いこいこっ!」
杏子「おう! じゃ、ちょっくら行ってくるぜ!」
マミ「杏子ーっ さやかさんとはぐれるんじゃないわよー?
あなた携帯もってな―― ……行っちゃった」
ほむら「何かあったらQBを電話代わりにすればいいわ」
マミ「そうね…… それにしてもあの二人、すっかり仲良しね」
ほむら「焼ける?」
マミ「まさかっ 杏子は……妹みたいなものよ……」
ほむら「妹ねぇ……」ニヤニヤ
マミ「なによ、その顔…… 年上をからかってるの?――」
ほむら(……ループ回数を入れれば私って今、何歳なのかしら?)
-
209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:19:06.59 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
杏子「流石に人気のアトラクションは待ち時間もすげぇな」
さやか「だねー……」
さやか「ねぇ、杏子さん」
杏子「杏子でいいって」
さやか「杏子…… 杏子はなんで魔法少女に?」
杏子「やっぱりな気になるか……」
さやか「そりゃ…… どうしてあんな危険な怪物と戦ってるだろう、ってさ」
杏子「そうだな…… 別に隠す話でもねぇしな 話してやるよ」
杏子「私の家は教会でさ――」
-
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:23:36.10 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
マミ「あの二人、うまくやってるかしら?」
ほむら「……今頃魔法少女にならないように説得してるかもね」
マミ「……ほむらさんは気付いていたのね? 杏子の考えてること」
ほむら「えぇ…… あのお節介な娘がやりそうなことくらい、見え透いているわ」
マミ「でも、そういうところがかわいいのだけれど」
ほむら「後輩の前で、のろ気?」フフッ
マミ「ち、ちがうわよ……///」
ほむら「……今日は楽しかったわ ありがとう
こんなに遊んだのは……本当に久しぶり」
マミ「えぇ、楽しんでもらえて何よりよ
これで、町内の福引をまわし続けた杏子も報われるわね」
マミ「『ほむらはいっつも不機嫌そうで、楽しそうじゃないから、
今度遊びに連れて行きたいんだ』なんて言ってたものねー」
ほむら「……本当……お節介」クスッ
-
214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:27:23.63 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
杏子「そーゆーわけで、私は今も魔獣退治を続けてるわけで……」
杏子「他人のためだと思っててもさ、それが
単なる迷惑でしかなかったうえに、何かも失っちまう……」
杏子「そんなことになるかもしれないから……その……」
さやか「杏子は私を心配してくれてるの?」
杏子「バッ、ばっかじゃねーの!? 別に、そんなんじゃねーよ
それに魔法少女が増えるとグリーフシードの取り分を少なくなるし――」
さやか「その割には他の魔法少女と進んでつるんでるみたいだけど?」
杏子「……」フンッ
さやか「やさしいんだね…… でもね、杏子 私もう決めてるの」
さやか「私、QBと契約して 魔法少女になる――」
-
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:29:34.50 ID:vv2wGW270
-
さやさやああああああああああああああああああ
-
217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:31:52.84 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「そっか……私も無理強いはしねぇ」
さやか「それに、こんなにやさしい友達もいるんだから、問題ないかなっ」
杏子「……友達ってアタシのことか?」
さやか「それに、ほむらやマミさんもいるしねぇ」
さやか「なにかあったら、友達に助けを求めてもいーのよ? 杏子っ」フフン
杏子「まったく……馬鹿だよ……さやかは」
さやか「……ささっ、列進んでるよ?」
杏子「お、おう……」
杏子(結局、こうなっちまうのか……
できるもんなら、止めたかったんだけどな……)
-
219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:36:42.64 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
さやか「いやー、今日は楽しかったな! 誘ってくれてありがとっ!」
マミ「ふふっ、またみんなで出かけましょうね」
杏子「んじゃ、またなー」
ほむら「えぇ、さよなら」
マミ「あっ、ほむらさん、大切なこと伝え忘れてたわ……」
ほむら(? 一体何かしら?)
マミ「はいコレ、 あなたのために考えた必殺技
このなかから好きなのを選ぶといいわっ」ニコニコ
ほむら「え、遠慮させてもらうわ……」
マミ「そう…… 受け取ってもらえないのね?」シュン
ほむら「…… 一応、目を通させてもらうわ」
マミ「よかった!」パァ
ほむら(助けてまどか! 私……汚されちゃう!)
杏子「南無ー」
-
221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:40:06.06 ID:8ydSLpKx0
-
ほむら「マミからもらった必殺技メモ書き……」
『しね矢』
『アルテマ・アロー』
ほむら「……」
ほむら「なにこの二択、鬼畜ね」
ほむら「杏子を飼っているから、杏蓄かしら」
ほむら「面白くもなんとも無いわね……」
ほむら「と、とりあえず、見なかったことにしましょう」
-
222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:41:01.23 ID:eNfH5z8R0
-
しね矢wwwwwwwwwwww
-
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:43:42.44 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
マミ「ねぇ、杏子……もう寝た?」
杏子「んにゃ……まだだけど、どうかしたのか?」
マミ「さやかさんのこと、残念だったわね」
杏子「仕方ないさ、さやかが自分で決めたことだ……
私はこれ以上、とやかく言うつもりは無いぜ」
マミ「そう…… ひとつ訊いていいかしら?」
杏子「ん、急に改まってどうしたんだよ」
マミ「あなたは、どうして魔法少女になったの?」
杏子「ははっ 昼間、さやかにも同じこと聞かれたなぁ」
マミ「そうなの?」
杏子「あぁ、……話してもいいけど、すこし長くなるぜ?
マミ「えぇ、私、あなたと話すの、好きよ?」ニコニコ
杏子「はいはい、そりゃどーも……
それじゃ話すけどさ、私の親父は教会―――」
-
226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:46:02.33 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
QB「さやか、人間をやめる覚悟はできたのかい?」
さやか「えぇ、恭介の腕が直せるのなら」
QB「分かった それじゃあ契約を結ぼう」
さやか(これで……よかったんだよね?)
さやか(恭介のためだったら……私……なんだってできるから)
――――――
―――
―
恭介(あれ? 腕が動く…… まさか…… 直ったのか!?)
-
231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:50:41.08 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
マミ「……杏子、ずっとひとりで戦ってきたのね……」
杏子「寂しくなかったっていったら嘘になるけどさ……」
杏子「アタシ、家族が死んだときにさ、アタシも消え去るのかなって思ったんだ」
マミ「魔法少女のソウルジェムが穢れると、この世に災悪を振りまく前に……」
杏子「ああ……、でもさ、絶望に打ちひしがれてずっと町をうろついていたんだ」
杏子「可笑しいだろ? 親父のために願いを使って、その最愛の家族を失ってさ
それでもわたしは、消えることが無かった……消えることができなかったんだ」
杏子「アタシって薄情なのかなぁ……醜くこの世にしがみついて……
別にやりたいこととか、やらなきゃならないこともないのに」
マミ「……」
杏子「だから……、家族への罪滅ぼし……いや、これも言い訳か……
ただ惰性に生きるために、魔獣を狩って、盗みを働いてさ……」
杏子「幻滅したか……?
マミ「そんなことないわ……」
-
232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:53:37.73 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「人って……私たちは、人の道から大きく外れちゃってるけどもね……」
マミ「生きる意味とか理由とか、どうしても考えちゃうものなのよね……」
マミ「私、交通事故に会って……それで、生き残るためにQBと契約したの」
杏子「……」コクッ
マミ「魔獣はね……人の憎悪や絶望が禍根となって生まれ出る……
世の中には知られていないけど、魔獣が原因になっている事故や事件がたくさんあるの」
杏子「……なんか昔、QBに聞いたことがあるな、それ」
マミ「私ね、復讐がしたかっただけなのかもしれない……
私から家族を奪った交通事故を、魔獣の所為にして……」
マミ「この町を守るためなんていってるけれど、
それは、憂さを晴らしているだけなのかもしれない……」
杏子「そんなことない……、マミはやさしいよ?
行き倒れてる私を介抱してくれたしさ……」
マミ「……」
-
234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 06:57:55.89 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「……でも 今、こうやってマミと暮らしてて……生きてて良かったと思えた
マミ「……」
杏子「ほむらや、さやかとも友達になれた……嬉しかった……
小さいころ、異教徒の娘だって罵られて、友達なんて一人もいなかったから……」
マミ「私も杏子と出会えてよかったわ」
杏子「……」
杏子「……なんだか らしくないこと、言ったかな」
マミ「いいんじゃない? たまには弱音を吐いたって……
全部受け止めてあげるわよ?」
杏子「……やっぱりマミはやさしいな」
-
235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:01:51.65 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「……杏子」
杏子「……」
マミ「もう寝たのかしら?」
杏子「……」
マミ「もうひとつだけ訊いてもいいかしら?」
杏子「……」
マミ「私のこと……好き?」
杏子「……」
マミ(やっぱり寝ちゃったのかしら……)
杏子「……大好き……」ボソッ
マミ(……)キュン
マイ「私も大好きよっ、杏子!」ガバッ
杏子「あ゛、 あ゛つぐる゛しい゛ぃぃー」
-
237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:04:58.74 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
それからは、杏子、マミ、ほむら、さやかの四人で魔獣退治をする日々が続いた
―――
さやか「杏子っ、挟み撃ちよ!」タタタタ
杏子「さやかこそっ、遅れるじゃねーぞ!」ダンッ
―――
マミ「前衛二人、もういいわ、下がって! ほむらさん、やるわよっ!」
ほむら「えぇ、遠距離からの波状攻撃……開始!」ヒュンヒュンダンダンダン
グギャアアアアアアアアアアアアアアアア
-
241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:10:19.51 ID:8ydSLpKx0
-
さやか「楽勝~楽勝~♪」
杏子「さやかも、なかなか様になってきたなー」
マミ「えぇ、これならどこに嫁に出しても問題ないわね」
ほむら「そうね……寂しくなるわね」
さやか「ええっ、私、嫁にもらわれるんですか!? 誰に!?」
ほむら「冗談よ」
さやか「冗談かいっ」ビシッ
杏子「しっかし、あの仏頂面のほむらが冗談かぁ……」
マミ「ヒトってかわるものなのねぇ……」
ほむら「……」ホムッ
-
242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:13:04.94 ID:8ydSLpKx0
-
QB『談笑中に悪いんだけど、また次の魔獣の気配が……』
杏子「へっ、この面子ならお茶の子さいさいだぜっ」
さやか「お茶の子さいさいって、最近漫画でも見かけない表現」プッ
杏子「な、今笑ったろ? おい! さやかっ」
マミ「はいはい、無駄口たたいてないでさっさと行くわよ――」
――――――
―――
―
さやか(こっちの方角って、仁美のピアノ教室がある方角じゃないの?)
さやか(今日も確か習い事だっていってたっけ……)
-
245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:16:26.05 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
グォオオオオオオオオオオオオオ
ほむら「これで終わりかしら?」
マミ「ほむらさん、必殺技名、決まったかしら?」
ほむら「ま、まだ決めかねてるの…… 重要なことだから
良く考えさせてくれないかしら…… 」
マミ「そう、そうよね…… じっくり考える時間は必要よね……」
グルッルォォアアアアアアアアロオオオオ
杏子「……まだ潜んでやがったか!」
さやか「!! あ、あいつ、腕の所に人間を抱えて――」
ほむら「! …… あれは、仁美さん?」
マミ「まずいわね……、 人質のつもりかしら?」
さやか「……許さない」
杏子「おいっ、さやか! 下手に手を出すと何をするか――」
-
247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:18:58.26 ID:8ydSLpKx0
-
さやか「……」ズバッ
グギャギャガアアアアアアア
杏子「さやかのヤツ 迅いっ!」ドンッ
ほむら(迅い……、マミのアレが杏子に感染してきてるんじゃないかしら……心配だわ)
マミ「さやかさんの必殺技は……ライトニングエッジ……ブレイブ……スパットぎりぃ……」ブツブツ
ほむら(あぁ、マミさんの変なスイッチが……)
さやか「仁美! 大丈夫!?」
仁美「……? ワタクシたしかピアノ教室に向かう途中で……」
ほむら「大丈夫そうね……」
仁美「……あら、ほむらさん、こんばんわ」
ほむら「こんばんわ」ニコッ
杏子「……とりあえず、一件落着っと――」
マミ「……連波……女雨纏……」ブツブツ
-
248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:22:30.28 ID:8ydSLpKx0
-
―――次の日―――
仁美「まったく、今日も病院で検査だなんて、大げさですわ……」
さやか「いーじゃんいーじゃん この機会に体の隅々まで調べてもらいなよー」ワキワキ
仁美「さやかさん…… 指の動きが……その、不潔ですわ」
さやか「ひっどーい、仁美…… あぁ、親友は悲しいぞっ!」
さやか「……おっと、仁美で遊んでる場合じゃなかった
そろそろ恭介の病院に見舞いに行かなくちゃ」
仁美「! そのことなんですが、今度改めてお話がありますの……」
さやか「んじゃ、明日の放課後、ハックにでも寄って帰ろう? それじゃ!」
仁美「……」
ほむら(やっぱり……こういう展開なのね……
どのループでも、さやかの勝ち目は……悲しいわね……)
――――――
―病院
さやか「え、恭介もう退院したんですか? いぇ…… 聞いてませんでした……」
-
250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:23:57.79 ID:8ydSLpKx0
-
―――――――――――――――――――――――――――――――
仁美「ずっと前から…私…上条恭介君のこと、お慕いしてましたの」
―――――――――――――――――――――――――――――――
――――マミ邸
さやか(あぁ、なんだかな…… 恭介のこと話すとき、仁美少し変だったし)
さやか(流石の私も、うすうす怪しいとは気づいてたんだけどなぁ)
さやか(はっきり言われるとなんだかなぁ……)ハァー
さやか(魔法少女状態になった私が、恭介の彼女になんて……無理な話かな?)
杏子「まっ、飲めよっ! ノンアルコールだけど」コン
ほむら「……魔法少女って酔えるのかしら?」
マミ「どうなんでしょうね……」
さやか「あんたら真面目に人の話きいてよ! 相談にのってくれるんじゃなかったの!?」
ほむら「ドンマイ」
さやか「いやっ、 別にまだ振られたわけじゃないし!」ビシッ
-
252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:25:53.88 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「あたって砕けろだっ!」
さやか「あんたねっ! 砕けたらだめでしょ!? ソウルジェムも粉々よ!?」
マミ「まったく、とんだ豆腐メンタルね……さやかさん」
さやか「それっ! なんかマミさんだけには言われたくないっ!」イラッ
ほむら「落ち着きなさい 美樹さやか……」キリッ
さやか「何故にフルネーム!?」
ほむら「まずは何より告白よっ、 自分の思いを伝えないと」
さやか「やっぱりそれしかないか……」
さやか「膳は急げねっ! 私、今から恭介に告白してくるっ!!」バタバタガチャ
ほむら「―― さてと……、さやかさんを励ますパーティの準備でもしましょうか」テキパキ
杏子「ほむら……」
マミ「ほむらさん……」
-
254:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:28:40.90 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
恭介「さやか、久しぶり 話ってなんだい?」
さやか「ごめんね、急に呼び出したりして……」
恭介「構わないよ…… 君には助けれらたからね」
恭介「奇跡も、魔法もあるって…… 本当だったんだ……」
恭介「君が、音楽の出来なくなったボクにクラシックを聞かせ続ける拷問を
繰り返してたときは、流石に頭に来ちゃったけど」
さやか(って、あれ!? あっれー!? 逆効果、まったくもって逆効果!!)
恭介「でも、腕がまた動いたときは、奇跡が起こったって思ったよ」
恭介「ああ、ごめん、僕ばかり話してしまって…… で、話ってのは?」
さやか(勇気を振り絞れ私!!)
-
256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:30:53.24 ID:8ydSLpKx0
-
さやか「ずっと、昔から好きですた! 付き合ってくだしゃい!!」
さやか(噛んだっ! 噛んじゃったよっ!)
恭介「ごめん、さやか 気持ちは嬉しいんだけど、君とは幼馴染というか
それに、ボクには好きな人が……」
さやか(轟沈!! っつか即答だよっ…… この間0.2秒ってヤツだよ)ウルウル
さやか「そ、そうだよねー、ごめんね、なんか変なこと言っちゃてさ……」
恭介「構わないよ さやか、これからも友達として仲良くしよう」
さやか「う、うん そだね…… じゃ……私はこれで」
恭介「……さやか」ピロピロリィン
恭介「ん、仁美から電話だ」
仁美『あっ、あの恭介さん? 少しお時間いただけます」』
恭介(本命キマシタワァ!!)
-
257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:34:16.65 ID:IcLPzD/EP
-
くっ、この恭介、、、
-
263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:37:44.63 ID:8ydSLpKx0
-
――――――マミ宅
さやか「ぢぐしょー ぐれてや゛るぅぅ゛」ヒック
さやか「アイツのために契約の願いごとを使った私っていったい」エグ
ほむら(かける言葉もないわね…… 普段ならオクタヴィアになる頃合だけれども
さやか……、まどかに感謝してよね)
杏子「お前、男のために人生貢いだのか? 頼まれもしていないのに?」
さやか「そーよ゛ー」ヒック
杏子(私の忠告はなんだったんだ……)
マミ「ほ、ほら、さやかさんは別に、男性に振り向いてほしいとか
見返りを求めていたわけじゃないでしょ?」
さやか「そりゃ……少しは……あ゛ったのよ゛……」エグ
マミ(半分近く、私欲のような気がしてきたわ……)
さやか「ま゛ぁー、仁美に取られるなら仕方ないわよ゛ー、いいヤツだしね゛ぇー
恭介の一匹や二匹くらい…… 一匹よこしなさい゛よぉ……」
ほむら(魔女化の方がよかったかしら……)
-
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:42:58.92 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
ほむら「落ち着いたかしら?」
さやか「あのとき、魔獣から仁美を助けなければよかったなんて
思わず口走っちゃったなんて、自分が恥ずかしいわ……」
杏子(さっきは一言もそんなブラックな発言してなかったぞ……)
マミ(恐ろしいことをポロッと言っちゃったような気がするわ……この娘)
さやか「ってゆーか、絶望にソウルジェムが染まると消えるんじゃなかったの!?」
ほむら「えぇ……そのとおりよ 他にも力を使い果たすと消えることになるわ」
杏子「ま、男は星の数ほどいるじゃねーか、
これからは、魔獣退治に人生ささげようぜ」
マミ「なんなら女の子が恋人だっていいのよ?」ウフッ
さやか「黙れこのビアンっ!」
マミ「屋上」ジャギ
さやか「ひぎぃぃぃぃ」
-
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:46:59.63 ID:8ydSLpKx0
-
―――学校―――
ほむら「ということが昨日あったわ」
仁美「さやかさん……」
ほむら「だからあまり気にしなくても大丈夫よ」
仁美「えぇ、態々すみません、暁美さん」
仁美「それにしても、暁美さん」
ほむら「……?」
仁美「転校してきたときより、随分楽しげに話せるようになりましたわね……」
ほむら「そ、そうかしら」ホムッ
仁美「これも女の友情ってやつなのかしらぁ」ユリユリ
ほむら(こんな女に負けたさやかって一体―― 財産の差か?)
-
272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:50:05.98 ID:8ydSLpKx0
-
――――――
さやか「う゛ー、頭痛い゛ー」
杏子「……今日は失恋のショックでずる休みってわけか」
杏子「つーか自分の家に帰れよ、ここはマミと私の家だぞ」
さやか「はいはい、あんたたちの愛のすくつには私は邪魔だってぇ?」
杏子「巣窟だろ? それに塞翁が馬だっけか……
ほら、今の不幸せが将来の幸せにつながるかもしれないぜ? 元気出せよ!」
さやか「……あんたって、お馬鹿キャラじゃかったっけ? なに諺とか使ってんの?」
杏子「おい、喧嘩売ってんのか?」
さやか「いやいや、なんで自分のアイデンティティ捨ててまで
問題集解いてるのかなってさ」
杏子「……マミと同じ高校に行きたいなー、なんて思ってさ」テヘッ
さやか「テヘッ じゃねぇーよ、 失恋した女の前でのろ気かよ
これだからビア―― 」
杏子「屋上」ガタッ
さやか「ずみ゛ません゛」ドゲザッ
-
273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:51:44.29 ID:8ydSLpKx0
-
―――次の日―――
仁美「おはようございます、暁美さん
ほむら「おはよう……」
仁美「さやかさんはまだ来られてな―― 」ガラッ
さやか「おはよーっ」
仁美「! さ、さやかさん おはようございます……」
さやか「ん、おはよっ仁美……」
仁美「わ、わたくし、さやかさんにお話しなければならないことがあって―― 」
さやか「恭介のこと……だよね?」
仁美「…… えぇ、私たち、お付き合いすることになりましたの…… 」
さやか「! そっ、そうなんだ! ……おめでとう!
仁美が彼氏持ちかぁー うらやましーなぁ! このっ!」
仁美「さやかさん……」
-
275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:53:28.01 ID:8ydSLpKx0
-
さやか「あっ、もしかして 気を使わせてる?
いーのいーの 私、恭介に告白して玉砕しちゃったからっ」
仁美「……」
さやか「……それに、仁美が私の親友だってことは、今も変わらないからっ!」
仁美「さやかさん……」
さやか(仁美になら…… 恭介のこと、任せられるかな……)
さやか(でも やっぱり悔しいかな……)
ほむら(これなら、さやかも消えることはなさそうね……)
ほむら「美樹さやか…… 初めての恋…… 玉砕!」ザワザワ
さやか「ほむら! 変なナレーションいれんなっ! 」ヘッドロック!
ほむら「……」ホムッ
仁美「あらあら、まぁまぁ」フフッ
-
279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:55:51.12 ID:8ydSLpKx0
-
さやか「そういえば、ほむらって好きな人といんの?」
ほむら「何よ、藪からスティックに」
仁美「ルー大芝?……」
さやか「あんたの冗談のセンスってよくわかんない」
ほむら「……いるわよ」
さやか「え?」
ほむら「好きな人、いるわよ?」
仁美「本当ですの? 暁美さん!」
さやか「え、まじまじ? 誰なのよ、教えなさいよっ!」
ほむら「……秘密よ」
ほむら(『クラスのみんなには、ナイショだよっ』 だもの……)
さやか「えー、教えなさいよーっ うりっ!うりうり!」ツンツン
ほむら(やっぱこの娘、うざいかも……)
-
282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 07:59:39.00 ID:8ydSLpKx0
-
―――――路地裏―――――
さやか「小さき羽根の纏い手よ、蒼穹に想いを馳せ、今こそ舞い上がれ!」トリャ
グゲェアエエアアアアエア
さやか「私の美貌に 敵さんもメロメロねっ!」オラオラ
マミ「荒れてるわねぇ さやかさん (台詞が板についてきたわねっ!)」
杏子「あれからもう何日もたってるのになぁ (魔獣がめろめろ?)」
ほむら「案外過去を引きずるタイプなのかしら? (かわいそうな娘……)」
さやか「外野っ! うっさいよ!」
QB「みんな大変だ! 見滝原市民ホールに強力な魔獣反応が!」
杏子「QBじゃん、なんか久しぶり」
QB「やぁ杏子ひさしぶりだね……
ダンボールハウスで二人してオセロに興じていたころが懐か――」
ほむら「市民ホール…… これは一大事よ!」ホムッ
-
285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:03:07.43 ID:8ydSLpKx0
-
QB(久しぶりの台詞だったのに……)
杏子「市民ホールになにかあるのか?
マミ「今日って、大きな催し物でもあったかしら?」
ほむら「確か仁美さんが……」
『恭介君が、腕が治った記念と、リハビリを兼ねて
私のためだけに演奏会を開いてくださるんですのー』
ほむら「と、言ってたわ!」
杏子「その情報 さやかには言わないほうがよかったんじゃ……」
さやか「辛っ・・・くねー 全然辛くねー 思ったほど辛くないわ」
さやか「でもちょっと用あるし帰るわ」
マミ(ちょっとかわいそうになってきたわ……)
-
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:07:39.23 ID:8ydSLpKx0
-
さやか「っと、傷心に浸るのも、冗談を言うのもここまでにして
皆っ! 早く二人を助けにいこう!」
ほむら「どこまでが本気かわからない冗談はやめなさい……」
杏子「さやかは二人を見捨てるほど落ちぶれてないさ
私ははじめから冗談だと気付いてたぜ! なっ!」
マミ「えぇ、市民ホールに急ぎましょう!」
-
293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:10:04.29 ID:8ydSLpKx0
-
――――市民ホール――――
グルルル
グギャギャガガ
杏子「…… 結構たくさん魔獣が沸いてるな」
ほむら「嫉妬や憎悪や絶望、それらは魔獣を招き寄せる……」
さやか「え、もしかして私の所為なの?」
マミ「それだけで、こんなに大量の魔獣が来るとは考えられないわ……」
杏子「! ステージの方に人影が!」
さやか「私が二人を助け出すよ!」ダダ
ほむら「分かったわ……私たちが魔獣をひきつける……」ヒュンヒュン
マミ「さやかさん!頼んだわよっ!」バンバンバン
杏子「久しぶりに本気が出せそうだな!」ギィン
-
294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:11:47.19 ID:8ydSLpKx0
-
―――――――
さやか(二人とも、瘴気で気を失っているけれど、怪我は無いみたい)
さやか「さっさと終わらせて、二人を安全な場――――」
グルルゥアアァアアアアア
さやか「!!」ガンガンッ
さやか「二人を守りながら戦うなんて……やってみせる!!」
―――――――
杏子「おいっ、こいつら、減るどころかドンドン増えてないか!?」ザクッ
ほむら「変ね…… 何か原因があるのかしら?」
QB「ボクにもわからないよ…… 何か原因があるのかもしれないし、
たまたま魔獣が活発に動いているだけなのかもしれないし……」
杏子「さやかっ! そっちは大丈夫か!」
『……大丈夫! でもそんなに持ちそうにない……!』
杏子(ちっ、敵が多すぎて、さやかの姿すら見えない……)
-
295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:13:14.31 ID:8ydSLpKx0
-
マミ「さぁ!踊りましょう 貴女に捧げる終のロンド……どうぞ安らかに」ダンダンダン!
マミ「これで終わらせるっ! ティロ・フィナーレ!」
ほむら「……アルテマ・シュートッ!!(やっぱり恥ずかしい///)」ビュン
杏子「くそっ…… だめだ、状況が全然好転してない……」
―――――――
さやか(完全に囲まれてて逃げ場が無い……)
さやか(……魔獣は、人の憎悪や絶望が引き寄せる)
さやか「やっぱり……、 私が原因なのかな……」
さやか(魔法少女の私の絶望や嫉妬が、魔獣を引き寄せてるのだとしたら)
さやか「私が…… 私が原因なの……?」
-
298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:15:46.71 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「さやかっ! あきらめんなよっ! 」
ほむら「でも……この状況は、かなりまずいわね」
マミ「私たちのソウルジェムも、回復無しで戦い続けたら……」
――――
グルォオオオオオオオオオオオ
さやか「!! 剣がっ」ガキン
さやか(…… 剣を生成する魔法力も無くなったら、二人を守れない……)
さやか(最悪の手段……アレに頼るしかないのかな)
さやか『ごめんみんなっ! 私、もう持ちそうにないっ!!』
さやか『このままだと、恭介と仁美を助けられなくなっちゃう……』
さやか『だから、私…… 魔力を解放させる!!』
-
300:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:18:27.83 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「だめだっ! 早まるな、さやかっ!」
マミ「そうよ…… 何か…… 何か他に方法が」
ほむら(何か…… 助ける術はないの!? まどかっ!! 助けてっ……)
グルアアアアアアアアアアアア
――――
さやか「あーあ、なんでこんなことになっちゃったのかなぁ」
さやか「魔法少女になったことがいけなかったのかな」
さやか「それとも恭介の腕を治そうとしたことがだめだったのかな」
さやか「いっつも空回りして…… いっつも上手くいかないんだ……」
『さやかっーー!! あきらめんじゃねー! 直ぐに助けに行くっ!』
さやか「せっかく友達もたくさん出来たっていうのになぁー」
-
301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:22:29.46 ID:8ydSLpKx0
-
(恭介に振り向いてほしかった―― 仁美が羨ましいと思った―― )
「でも、私が恭介の腕を治したいと思ったのは、小さいころから聴いていた――
恭介の音楽を―― もっとたくさんの人に聴いて欲しかったから……」
「だから、ここで恭介を殺されるわけにはいかないのっ!」
「仁美が死んじゃったら、悲しむ恭介を私は慰めることができないっ!
私じゃだめなんだ…… 私じゃだめだったから!」
「仁美―― 恭介のこと、アンタにまかしたからねっ!」
「マミさん ほむら 杏子―― いままでありがと、
あなたたちと出会えて、本当よかったよっ!」
「お父さん、お母さん、こんな娘でごめんね……」パリン
------------------------------------------------------
あたしって、ほんとバカ
------------------------------------------------------
『さやかあああああああああああああああああああああああっ!!!!』
-
303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:25:30.62 ID:8ydSLpKx0
-
―――――――
杏子「さやかは! オイ、さやかはどうした!?」
マミ「行ってしまったわ…円環の理に導かれて」
マミ「さやかさん…さっきのあの一撃に、全ての力を使ってしまったのね」
マミ「おかけで全ての魔獣は消滅して、二人は助けられたみたいね……」
杏子「バカ野郎……惚れた男のためだからって、
自分が消えちまってどうするんだよ……」
マミ「それが魔法少女の運命よ
この力を手に入れた時からわかっていたはずでしょう」
マミ「希望を求めた因果が、この世に呪いをもたらす前に、
私達はああやって、消え去るしかないのよ」
杏子「バカ…やっと友達になれたのに……」
-
305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:27:30.73 ID:8ydSLpKx0
-
ほむら「……まどかぁ」
マミ「ほむらさん…?まどかって…」
杏子「誰だよ?」
ほむら「…… 」
マミ「まどか…… 神話に出てきた名称だったかしら……」
杏子「……昔、親父が聞かせてくれた話に、そんな名前が出てきたような……」
-
306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:28:17.45 ID:8ydSLpKx0
-
ほむら「…… (違うっ 違うっ! まどかは私の……私の……)」
杏子「でも、何か違う気がするな
マミ「そうね…… 不思議な感じね……」
『まどか―― あったかい言葉だな…… 』
『まどか―― あたたかい響きね……… 』
――――――
―――
-
313:このタイミングで、さるさん……悔しい:2011/05/04(水) 08:42:10.59 ID:8ydSLpKx0
-
―――――――エピローグ―――――――
――――さやかの墓――――
杏子「あれから2年か…… 早いもんだな……
さやか アタシ、高校生になれたぜ? バカじゃなかったろ?」
マミ「本当なら、さやかさんも私たちと同じ高校生になるはずだったのに……」
杏子「……ほむら お前も進学すればよかったのに……」
ほむら「いいえ…… 私にはやらなきゃならないことがあるの……」
-
316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:43:55.14 ID:8ydSLpKx0
-
ほむら(たとえ、魔女が生まれなくなった世界でも、
それで人の世の呪いが消え失せるわけではない)
ほむら(世界の歪みは形を変えて、今も闇の底から人々を狙っている)
ほむら(悲しみと憎しみばかりを繰り返す、救いようのない世界だけれど)
ほむら(だとしてもここは、かつてあの子が守ろうとした場所なんだ)
ほむら(それを、覚えてる)
ほむら(決して、忘れたりしない)
ほむら「だから私は、戦い続ける」
-
317:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:45:47.19 ID:8ydSLpKx0
-
杏子「やれるもんならやってみなよ」
杏子「やるべきことがあるんだろ? 逃げないって自分で決めたんだろ?
なら仕方ないじゃん。後はもう、とことん突っ走るしかねぇんだからさ」
杏子「それに、辛くなったらいつだってアタシたちを頼ったっていいんだ
弱音を吐きたくなったら、全部アタシが受け止めてやる」
マミ「だから、忘れないで…… あなたは一人じゃない……
ほむらさんのためだったら、いつでも助けに行くわ…… だって――」
――――――――――― 私たち、最高の ―――――――――――
――――――――――― 仲間だからな! ―――――――――――
おしまい
-
318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:49:33.29 ID:IcLPzD/EP
-
うぁー、さやかーーー!
最初からわかっていた事だがやはり切なえ。
お疲れでした、支援した甲斐のある面白いSSでした。
ちょっとトイレで泣いてくる。
-
323:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 08:59:41.45 ID:8ydSLpKx0
-
こんな時間なのに最後まで見てくださった方、支援してくださった方に感謝
この後魔獣のバランスが~的になって、12話Cパートに繋がるという
無駄に長い妄想SSでした。マミさん、ギャグもいいけどほんわかもいいと思う
以下マミあん、ほむあん、さやあん、まどあん、にでも適当に使用してください
それではまたどこかで
-
325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 09:02:48.87 ID:ahxziM/KO
-
なるほど最後に繋がるのか、よく出来てるな。パラレルのパラレルって感じで面白かった、乙!

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